IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図1
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図2
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図3
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図4
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図5
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図6
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図7
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図8
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図9
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図10
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図11
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図12
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図13
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図14
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図15
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図16
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図17
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図18
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図19
  • 特開-データラッチ回路及び半導体装置 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128732
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】データラッチ回路及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/24 20060101AFI20240913BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240913BHJP
   G11C 11/412 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G11C16/24 130
G11C16/04 170
G11C11/412
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037895
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 稔史
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 清史
(72)【発明者】
【氏名】東辻 哲平
(72)【発明者】
【氏名】小崎 琢弥
(72)【発明者】
【氏名】狐塚 英二
【テーマコード(参考)】
5B015
5B225
【Fターム(参考)】
5B015HH03
5B015JJ24
5B015KA02
5B015QQ02
5B225BA01
5B225BA19
5B225CA06
5B225CA21
5B225EA05
5B225EE18
5B225EE19
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができるデータラッチ回路を提供する。
【解決手段】本実施形態のデータラッチ回路は、第1データラッチ部と、第2データラッチ部と、を有する。第1データラッチ部は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備え、第1論理値を保持する。第2データラッチ部は、第3導電型トランジスタと第4導電型トランジスタとを備え、第1論理値が反転した第2論理値を保持する。データラッチ回路は、第1の電源と、第1の電源とは電圧が異なる第2の電源とのいずれか一方が第1導電型トランジスタ及び第3導電型トランジスタのバックゲート又は第1端子に供給される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備え、第1論理値を保持する第1データラッチ部と、
第3導電型トランジスタと第4導電型トランジスタとを備え、前記第1論理値が反転した第2論理値を保持する第2データラッチ部と、
を有し、
第1の電源と、前記第1の電源とは電圧が異なる第2の電源とのいずれか一方が前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタのバックゲート又は第1端子に供給されるデータラッチ回路。
【請求項2】
データの非転送時に第1電圧の前記第1の電源が前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記バックゲートに供給され、
データの転送時に前記第1電圧より高い第2電圧の前記第2の電源が前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記バックゲートに供給される請求項1に記載のデータラッチ回路。
【請求項3】
データの非転送時に第1電圧の前記第1の電源が前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記第1端子に供給され、
データの転送時に前記第1電圧より低い第2電圧の前記第2の電源が前記第3導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記第1端子に供給される請求項1に記載のデータラッチ回路。
【請求項4】
請求項1に記載のデータラッチ回路と、
前記データラッチ回路の前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記バックゲート又は前記第1端子に、前記第1の電源又は前記第2の電源を供給する電源供給回路と、を有する半導体装置。
【請求項5】
前記電源供給回路は、データの非転送時に第1電圧の前記第1の電源を前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記バックゲートに供給し、
データの転送時に前記第1電圧より高い第2電圧の前記第2の電源を前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記バックゲートに供給する請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電源供給回路は、データの非転送時に第1電圧の前記第1の電源を前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記第1端子に供給し、
データの転送時に前記第1電圧より低い第2電圧の前記第2の電源を前記第1導電型トランジスタ及び前記第3導電型トランジスタの前記第1端子に供給する請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記データラッチ回路を複数有し、
複数の前記データラッチ回路の複数の群毎に前記電源供給回路を備える請求項4に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記データラッチ回路を複数有し、
複数の前記データラッチ回路毎に前記電源供給回路を備える請求項4に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記データラッチ回路を複数有し、
複数の前記データラッチ回路の前記第1導電型トランジスタ、及び、前記第3導電型トランジスタ毎に前記電源供給回路を備える請求項4に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、データラッチ回路及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種として、NAND型メモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/343336号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/257501号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/186749号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができるデータラッチ回路及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態のデータラッチ回路は、第1データラッチ部と、第2データラッチ部と、を有する。第1データラッチ部は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備え、第1論理値を保持する。第2データラッチ部は、第3導電型トランジスタと第4導電型トランジスタとを備え、第1論理値が反転した第2論理値を保持する。データラッチ回路は、第1の電源と、第1の電源とは電圧が異なる第2の電源とのいずれか一方が第1導電型トランジスタ及び第3導電型トランジスタのバックゲート又は第1端子に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図である。
図3】3次元構造のメモリセルアレイ20のブロックの構成の一例を示す図である。
図4図2中のセンスアンプユニット群28およびデータレジスタ29の一例を示すブロック図である。
図5】比較例に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図6】比較例に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図7】第1の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図8】第1の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図9】第2の実施形態に係るデータラッチ回路と電源供給回路の接続一例を示す図である。
図10】第3の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図11】第3の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図12】第4の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
図13】第4の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図14】第5の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
図15】第5の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図16】第6の実施形態に係るデータラッチ回路と電源供給回路の接続一例を示す図である。
図17】第7の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
図18】第7の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図19】第8の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
図20】第8の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(メモリシステムの構成)
図1は、メモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2とを備える。なお、不揮発性メモリ2は、複数のメモリチップを含む場合がある。メモリシステム1は、ホスト装置4と接続可能である。ホスト装置4は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0008】
メモリシステム1は、ホスト装置4が搭載されたマザーボード上に、メモリシステム1を構成する複数のチップを実装して構成してもよいし、メモリシステム1を1つのモジュールで実現するシステムLSI(Large-Scale Integrated Circuit)またはSoC(System-on-a-Chip)として構成してもよい。メモリシステム1の例としては、SDカードのようなメモリカード、SSD(Solid-State-Drive)、およびeMMC(embedded-Multi-Media-Card)などが挙げられる。
【0009】
不揮発性メモリ2は、複数のメモリセルを備えたNAND型メモリであり、データを不揮発に記憶する。不揮発性メモリ2は、半導体装置の一例である。不揮発性メモリ2の具体的な構成については後述する。
【0010】
メモリコントローラ3は、例えばホスト装置4からの命令に応答して、不揮発性メモリ2に対して書き込み(プログラムともいう)、読み出し、および消去などを命令する。また、メモリコントローラ3は、不揮発性メモリ2のメモリ空間を管理する。メモリコントローラ3は、ホストインターフェース(ホストI/F)回路10、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、バッファメモリ13、メモリインターフェース回路(メモリI/F)回路14、およびECC(Error Checking and Correcting)回路15などを備える。
【0011】
ホストI/F回路10は、ホストバスを介してホスト装置4に接続され、ホスト装置4との間でインターフェース処理を行う。また、ホストI/F回路10は、ホスト装置4との間で、命令、アドレス、およびデータの送受信を行う。
【0012】
プロセッサ11は、例えばCPU(中央処理装置)から構成される。プロセッサ11は、メモリコントローラ3全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ11は、ホスト装置4から書き込み命令を受けた場合に、メモリI/F回路14を介して、ホスト装置4からの書き込み命令に応じた書き込み命令を不揮発性メモリ2に発行する。読み出しおよび消去の場合も同様である。また、プロセッサ11は、ウェアレベリングなど、不揮発性メモリ2を管理するための様々な処理を実行する。
【0013】
RAM12は、プロセッサ11の作業領域として使用され、不揮発性メモリ2からロードされたファームウェアデータ、およびプロセッサ11が作成した各種テーブルなどを格納する。RAM12は、例えばDRAMまたはSRAMから構成される。
【0014】
バッファメモリ13は、ホスト装置4から送信されたデータを一時的に保持するとともに、不揮発性メモリ2から送信されたデータを一時的に保持する。
【0015】
メモリI/F回路14は、バスを介して不揮発性メモリ2に接続され、不揮発性メモリ2との間でインターフェース処理を行う。また、メモリI/F回路14は、不揮発性メモリ2との間で命令、アドレス、およびデータの送受信を行う。
【0016】
ECC回路15は、データの書き込み時には、書き込みデータに対してエラー訂正符号を生成し、このエラー訂正符号を書き込みデータに付加してメモリI/F回路14に送る。また、ECC回路15は、データの読み出し時には、読み出しデータに対して、読み出しデータに含まれるエラー訂正符号を用いてエラー検出および/またはエラー訂正を行う。なお、ECC回路15は、メモリI/F回路14内に設けるようにしてもよい。
【0017】
(不揮発性メモリの構成)
図2は、図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図である。不揮発性メモリ2は、メモリセルアレイ20、入出力回路21、ロジック制御回路22、レジスタ23、制御回路24、電圧生成回路25、ロウデコーダ26、カラムデコーダ27、センスアンプユニット群28、およびデータレジスタ(データキャッシュ)29を備える。
【0018】
メモリセルアレイ20は、j個のブロックBLK0~BLK(j-1)およびブロックBLKXを備える。jは、1以上の整数である。複数のブロックBLKの各々は、複数のメモリセルトランジスタを備える。メモリセルトランジスタは、電気的に書き換え可能なメモリセルを構成する。メモリセルアレイ20には、メモリセルトランジスタに印加する電圧を制御するために、複数のビット線BL、複数のワード線WL、およびソース線CELSRCなどが配設される。ブロックBLKの具体的な構成については後述する。
【0019】
入出力回路21およびロジック制御回路22は、バスを介して、メモリコントローラ3に接続される。入出力回路21は、メモリコントローラ3との間でバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0020】
ロジック制御回路22は、メモリコントローラ3からバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号WEn、読み出しイネーブル信号REn、およびライトプロテクト信号WPn)を受信する。信号名に付記されたnは、アクティブ・ローを示す。また、ロジック制御回路22は、バスを介して、メモリコントローラ3にレディー/ビジー信号R/Bnを送信する。
【0021】
信号CEnは、不揮発性メモリ2が複数使用されるシステム構成において、特定の不揮発性メモリ2を選択し、イネーブルにするための信号である。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをレジスタ23にラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをレジスタ23にラッチすることを可能にする。信号WEnは、書き込みを可能にする。信号REnは、読み出しを可能にする。信号WPnは、書き込みおよび消去を禁止する。信号R/Bnは、基本動作コマンドを使用しているときは、不揮発性メモリ2が書き込み、読み出し、および消去動作をしていないレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。
【0022】
レジスタ23は、コマンドレジスタ、アドレスレジスタ、およびステータスレジスタなどを備える。コマンドレジスタは、コマンドを一時的に保持する。アドレスレジスタは、アドレスを一時的に保持する。ステータスレジスタは、不揮発性メモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。レジスタ23は、例えばSRAMから構成される。
【0023】
制御回路24は、レジスタ23からコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って不揮発性メモリ2を統括的に制御する。
【0024】
電圧生成回路25は、不揮発性メモリ2の外部から電源電圧を受け、この電源電圧を用いて、書き込み動作、読み出し動作、および消去動作に必要な複数の電圧を生成する。電圧生成回路25は、生成した複数の電圧を、メモリセルアレイ20、ロウデコーダ26、およびセンスアンプユニット群28などに供給する。
【0025】
ロウデコーダ26は、レジスタ23からロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ26は、デコードされたロウアドレスに基づいて、ワード線の選択動作を行う。なお、書き込みおよび読み出しの対象となるメモリセルトランジスタMTが接続されるワード線を選択ワード線と呼ぶ。そして、ロウデコーダ26は、選択されたブロックBLKに、書き込み動作、読み出し動作、および消去動作に必要な複数の電圧を転送する。
【0026】
カラムデコーダ27は、レジスタ23からカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。カラムデコーダ27は、デコードされたカラムアドレスに基づいて、各ビット線BLに所定の電圧を供給する。
【0027】
センスアンプユニット群28は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータを検知および増幅する。また、センスアンプユニット群28は、データの書き込み時には、書き込みデータをビット線BLに供給する。
【0028】
データレジスタ29は、データの読み出し時には、センスアンプユニット群28から転送されたデータを一時的に保持し、これをシリアルに入出力回路21へ転送する。また、データレジスタ29は、データの書き込み時には、入出力回路21からシリアルに転送されたデータを一時的に保持し、これをセンスアンプユニット群28へ転送する。データレジスタ29は、SRAMなどで構成される。
【0029】
(メモリセルアレイのブロック構成)
図3は、3次元構造のメモリセルアレイ20のブロックの構成の一例を示す図である。図3はメモリセルアレイ20を構成する複数のブロックのうちの1つのブロックBLKを示している。メモリセルアレイの他のブロックも図3と同様の構成を有する。
【0030】
図示するように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3(以下、これらを代表してストリングユニットSUという)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択ゲートトランジスタST1,ST2とを含むNANDストリングNSを有する。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの個数は、図3では8個とするが、更に多数個であってもよい。選択ゲートトランジスタST1,ST2は、電気回路上は1つのトランジスタとして示しているが、構造上はメモリセルトランジスタと同じでもよい。また、選択ゲートトランジスタST1,ST2として、それぞれ複数の選択ゲートトランジスタを用いてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択ゲートトランジスタST1,ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0031】
メモリセルトランジスタMTは、選択ゲートトランジスタST1,ST2間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側(ビット線側)のメモリセルトランジスタMT7が、選択ゲートトランジスタST1に接続され、他端側(ソース線側)のメモリセルトランジスタMT0が、選択ゲートトランジスタST2に接続されている。
【0032】
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGDという)に接続される。また、ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST2のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGS0~SGS3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGSという)に接続される。なお、各ブロックBLK内にある複数の選択ゲートトランジスタST2のゲートは、共通の選択ゲート線SGSに接続されていてもよい。
【0033】
同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7は、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU3間で共通に接続されているのに対し、選択ゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に独立している。ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルトランジスタMTiのゲートは、同一のワード線WLiに接続される。
【0034】
各NANDストリングNSは、対応するビット線に接続されている。従って、各メモリセルトランジスタMTは、NANDストリングNSに含まれる選択ゲートトランジスタST1,ST2や他のメモリセルトランジスタMTを介して、ビット線に接続されている。一般に、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMTのデータは、一括して消去される。一方、データの読み出しおよび書き込みは、典型的には、1つのストリングユニットSUに配設された1本のワード線WLに共通接続された複数のメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。このような、1つのストリングユニットSU内でワード線WLを共有するメモリセルトランジスタMTの組を、セルユニットCUと呼ぶ。
【0035】
セルユニットCUに対する書き込み動作は、ページを単位として実行される。例えば、各セルが、3ビット(8値)のデータを保持可能なTLC(Triple Level Cell)である場合、1つのセルユニットCUが、3ページ分のデータを保持することができる。各メモリセルトランジスタMTが保持することができる3ビットは、それぞれこの3ページに対応する。
【0036】
(センスアンプユニットおよびデータレジスタの構成)
図4は、図2中のセンスアンプユニット群28およびデータレジスタ29の一例を示すブロック図である。
【0037】
センスアンプユニット群28は、ビット線BL0~BL(m-1)に対応したセンスアンプユニットSAU0~SAU(m-1)(以下、これらを代表してセンスアンプユニットSAUという)を備える。各センスアンプユニットSAUは、センスアンプSA、およびデータラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDLを備える。センスアンプSA、およびデータラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDLは、互いにデータを転送可能なように接続される。
【0038】
データラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDLは、データを一時的に保持する。書き込み動作時には、センスアンプSAは、データラッチ回路SDLが保持するデータに応じて、ビット線BLの電圧を制御する。データラッチ回路ADL、BDL、CDLは、メモリセルトランジスタMTが2ビット以上のデータを保持する多値動作用に使用される。すなわち、データラッチ回路ADLは、Lowerページの書き込みデータを保持するために使用される。データラッチ回路BDLは、Middleページの書き込みデータを保持するために使用される。データラッチ回路CDLは、Upperページの書き込みデータを保持するために使用される。センスアンプユニットSAUが備えるデータラッチ回路の数は、1つのメモリセルトランジスタMTが保持するビット数に応じて決定される。
【0039】
センスアンプSAは、読み出し動作時には、対応するビット線BLに読み出されたデータを検知し、データが0データであるか1データであるかを判定する。また、センスアンプSAは、書き込み動作時には、書き込みデータに基づいてビット線BLに電圧を印加する。
【0040】
データレジスタ29は、センスアンプユニットSAU0~SAU(m-1)に対応した数のデータラッチ回路XDLを備える。データラッチ回路XDLは、入出力回路21に接続される。データラッチ回路XDLは、入出力回路21から送られた書き込みデータを一時的に保持し、また、センスアンプユニットSAUから送られた読み出しデータを一時的に保持する。より具体的には、入出力回路21とセンスアンプユニット群28との間のデータ転送は、1ページ分のデータラッチ回路XDLを介して行われる。入出力回路21が受信した書き込みデータは、データラッチ回路XDLを介して、データラッチ回路ADL、BDL、CDLのいずれかに転送される。センスアンプSAによって読み出された読み出しデータは、データラッチ回路XDLを介して、入出力回路21に転送される。
【0041】
(データラッチ回路の具体的な構成)
本実施形態のデータラッチ回路の構成を説明する前に、比較例のデータラッチ回路の構成について説明する。
【0042】
図5は、比較例に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
データラッチ回路ADLxは、NMOSトランジスタ51a~54aと、PMOSトランジスタ55a~58aとを備える。NMOSトランジスタ51a及び52aは、第1及び第2の駆動用トランジスタを構成する。また、NMOSトランジスタ53a及び54aは、第1及び第2の転送用トランジスタを構成する。また、PMOSトランジスタ55a及び56aは、第1及び第2のロード用トランジスタを構成する。
【0043】
NMOSトランジスタ51aとPMOSトランジスタ55aとによりインバータIN1aが構成され、NMOSトランジスタ52aとPMOSトランジスタ55aとによりインバータIN2aが構成される。
【0044】
インバータIN1a、IN2a、NMOSトランジスタ53a及び54aは、SRAMと同じ回路構成である。すなわち、データラッチ回路ADLxは、SRAMと同じ回路構成にPMOSトランジスタ57a及び58aが追加された構成である。PMOSトランジスタ57a及び58aは、後述するように、転送マージンと転送速度を上げるための第1及び第2の制御用トランジスタを構成する。
【0045】
インバータIN1aの入力端子は、インバータIN2aの出力端子に接続される。また、インバータIN2aの入力端子は、インバータIN1aの出力端子に接続される。
【0046】
NMOSトランジスタ53a及び54aは、それぞれインバータIN1a及びIN2aの出力端子に接続される。NMOSトランジスタ53a及び54aのゲートには、それぞれ制御信号TI1及びTL1が入力される。NMOSトランジスタ53a及び54aは、それぞれ制御信号TI1及びTL1によりオン/オフが制御される。
【0047】
PMOSトランジスタ55a及び56aと電源VDDとの間には、それぞれPMOSトランジスタ57a及び58aが接続される。PMOSトランジスタ57a及び58aのそれぞれのソース及びバックゲートには電源VDDが供給される。
【0048】
PMOSトランジスタ57a及び58aのゲートには、それぞれ制御信号LI1及びLL1が入力される。PMOSトランジスタ57a及び58aは、それぞれ制御信号LI1及びLL1によりオン/オフが制御される。
【0049】
データラッチ回路BDLxは、NMOSトランジスタ51b~54b、及び、PMOSトランジスタ55b~58bを備える。NMOSトランジスタ51bとPMOSトランジスタ55bとによりインバータIN1bが構成され、NMOSトランジスタ52bとPMOSトランジスタ55bとによりインバータIN2bが構成される。
【0050】
NMOSトランジスタ53b及び54bのゲートには、それぞれ制御信号TI2及びTL2が入力される。NMOSトランジスタ53b及び54bは、それぞれ制御信号TI2及びTL2によりオン/オフが制御される。
【0051】
PMOSトランジスタ57b及び58bのゲートには、それぞれ制御信号LI2及びLL2が入力される。PMOSトランジスタ57b及び58bは、それぞれ制御信号LI2及びLL2によりオン/オフが制御される。その他の回路構成は、データラッチ回路ADLxと同様のため説明を省略する。
【0052】
図6は、比較例に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図6に示す波形図は、データラッチ回路ADLxからデータラッチ回路BDLxにデータを転送する際の波形図である。図6では、時刻T11からT12に間でデータが転送される。
【0053】
データラッチ回路ADLxからデータラッチ回路BDLxにデータを転送する際、時刻T11において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLxのNMOSトランジスタ54a、及び、データラッチ回路BDLxのNMOSトランジスタ54bがオンし、データラッチ回路ADLxのインバータIN2aの出力がデータラッチ回路BDLxのインバータIN1bに入力される。
【0054】
また、時刻T11において、データが転送されるデータラッチ回路BDLxのPMOSトランジスタ58bのゲートに入力される制御信号LL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路BDLxのPMOSトランジスタ58bをオフしてPMOSトランジスタ56bの能力を抑えることで、データラッチ回路ADLxからデータラッチ回路BDLxにデータを転送する際の転送マージン及び転送速度を上げている。
【0055】
しかしながら、比較例のデータラッチ回路ADLx及びBDLx(他のデータラッチ回路も同様)は、SRAMと同じ回路構成に、転送マージンと転送速度を上げるための制御用トランジスタであるPMOSトランジスタ57a、58a、57b及び58bが追加されているため、回路面積が増大していた。
【0056】
これに対して、本実施形態のデータラッチ回路ADL及びBDL(他のデータラッチ回路も同様)は、転送マージンと転送速度を上げつつ、比較例のデータラッチ回路ADLx及びBDLxよりも回路面積を削減している。
【0057】
次に、本実施形態のデータラッチ回路の構成を説明する。図7は、第1の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
【0058】
データラッチ回路ADLは、NMOSトランジスタ61a~64aと、PMOSトランジスタ65a及び66aとを備える。NMOSトランジスタ61a及び62aは、第1及び第2の駆動用トランジスタを構成する。また、NMOSトランジスタ63a及び64aは、第1及び第2の転送用トランジスタを構成する。また、PMOSトランジスタ65a及び66aは、第1及び第2のロード用トランジスタを構成する。
【0059】
NMOSトランジスタ61aとPMOSトランジスタ65aとによりインバータIN11aが構成され、NMOSトランジスタ62aとPMOSトランジスタ66aとによりインバータIN12aが構成される。
【0060】
PMOSトランジスタ65a及び66aのソースには電源VDDが供給される。また、PMOSトランジスタ65a及び66aのバックゲートには電源VDDoptが供給される。
【0061】
このように、データラッチ回路ADLは、比較例のデータラッチ回路ADLxから制御用のPMOSトランジスタ57a及び58aが削除された構成である。また、PMOSトランジスタ65a及び66aのソースとバックゲートには、異なる電源が供給される。
【0062】
インバータIN11aは、第1導電型トランジスタであるPMOSトランジスタ65aと、第2導電型トランジスタであるNMOSトランジスタ61aとを有し、第1の論理値を保持する第1データラッチ部を構成する。
【0063】
インバータIN12aは、第3導電型トランジスタであるPMOSトランジスタ66aと、第4導電型トランジスタであるNMOSトランジスタ62aとを有し、第1の論理値が反転した第2論理値を保持する第2データラッチ部を構成する。
【0064】
そして、第1の電源である電源VDDと、第1の電源とは電圧が異なる第2電源である電源VDDoptとのいずれか一方がPMOSトランジスタ65a及びPMOSトランジスタ66aのバックゲートに供給される。
【0065】
データラッチ回路BDLは、データラッチ回路ADLと同様の構成であり、NMOSトランジスタ61b~64bと、PMOSトランジスタ65b及び66bとを備える。NMOSトランジスタ61bとPMOSトランジスタ65bとによりインバータIN11bが構成され、NMOSトランジスタ62bとPMOSトランジスタ66bとによりインバータIN12bが構成される。
【0066】
電源VDDoptを生成する電源供給回路70は、電源VDDと、電源VDDより高い電圧の電源VDDaとをデプレッション型のNMOSトランジスタ71及び72により接続している。電源VDDは、例えば1.5Vであり、電源VDDaは、例えば2.0V~2.2Vである。
【0067】
なお、電源供給回路70は、デプレッション型のNMOSトランジスタ71及び72に限定されるものではなく、エンハンス型のNMOSトランジスタを用いて構成してもよい。また、電源供給回路70は、電圧生成回路25内に設けられていてもよいし、センスアンプユニット群28内に設けられていてもよい。
【0068】
NMOSトランジスタ71のゲートには制御信号SELが供給され、NMOSトランジスタ72のゲートには制御信号/SELが供給される。制御信号/SELは、制御信号SELが反転された信号である。これにより、NMOSトランジスタ71及び72は、いずれか一方がオンし、他方がオフする。
【0069】
制御信号SELがハイレベルの場合、NMOSトランジスタ71がオンし、NMOSトランジスタ72がオフする。これにより、電源VDDoptとして電源VDDaがPMOSトランジスタ65a、66a、65b及び66bのバックゲートに供給される。
【0070】
一方、制御信号がロウレベルの場合、NMOSトランジスタ72がオンし、NMOSトランジスタ71がオフする。これにより、電源VDDoptとして電源VDDがPMOSトランジスタ65a、66a、65b及び66bのバックゲートに供給される。
【0071】
図8は、第1の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図8に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図8では、時刻T21からT22に間でデータが転送される。
【0072】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T21において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0073】
また、データの非転送時には、ロウレベルの制御信号SELが電源供給回路70に入力される。これにより、NMOSトランジスタ72がオン、NMOSトランジスタ71がオフし、電源VDDがPMOSトランジスタ65a、66a、65b及び66bのバックゲートに入力される。
【0074】
一方、データの転送時には、ハイレベルの制御信号SELが電源供給回路70に入力される。これにより、NMOSトランジスタ71がオン、NMOSトランジスタ72がオフし、電源VDDaがPMOSトランジスタ65a、66a、65b及び66bのバックゲートに入力される。
【0075】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも高い電圧の電源VDDaがPMOSトランジスタ65a、66a、65b及び66bのバックゲートに入力される。これにより、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ66bのウェル電位を上げる。この結果、データラッチ回路BDLは、PMOSトランジスタ66bの能力が抑えられ、転送マージンと転送速度とを上げることができる。
【0076】
また、PMOSトランジスタ66b以外のPMOSトランジスタ65a、66a及び65bのウェル電位を上げることで、データラッチ回路ADL及びBDLのスタンバイ電流を削減することができる。
【0077】
また、データラッチ回路ADL(他のデータラッチ回路も同様)は、比較例のデータラッチ回路ADLxからPMOSトランジスタ57a及び58aを削除することで、面積を削減している。
【0078】
上述したように、多値化や高集積化が進むに従って、不揮発性メモリ2内に配置されるデータラッチ回路の個数が増大する。本実施形態では、多数配置されたデータラッチ回路ADL、BDL、・・・、のそれぞれからPMOSトランジスタを2個削減することができるため、不揮発性メモリ2の回路面積も大きく削減することができる。
【0079】
以上のように、本実施形態のデータラッチ回路は、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図9は、第2の実施形態に係るデータラッチ回路と電源供給回路の接続一例を示す図である。
【0081】
センスアンプSA及びデータラッチ回路ADL及びBDLは、制御信号毎にTierと呼ばれる単位で配置される。第1の実施形態では、全てのデータラッチ回路ADL及びBDLに同じ電源VDDoptが供給される。そのため、第1の実施形態では、動作していないデータラッチ回路のPMOSトランジスタのバックゲートのノードも充電されてしまい、消費電流が増加する。
【0082】
第2の実施形態では、Tier毎に電源を分けることで、使用していないデータラッチ回路に電源が供給されないようにし、消費電流の増加を抑える。すなわち、第2の実施形態では、複数のデータラッチ回路を複数の群に分け、複数のデータラッチ回路の群毎に電源供給回路を設けている。
【0083】
図9に示すように、Tier1のデータラッチ回路ADL、BDL、・・・、には、電源供給回路70aが電源VDDopt1を供給し、Tier2のデータラッチ回路ADL、BDL、・・・、には、電源供給回路70bが電源VDDopt2を供給する。電源供給回路70aには、制御信号SELa、及び、反転された制御信号/SELaが入力される。
【0084】
また、電源供給回路70bには、制御信号SELb、及び、反転された制御信号/SELbが入力される。その他の構成は、図7に示す第1の実施形態の電源供給回路70と同じである。また、各Tierのデータラッチ回路ADL及びBDLの構成は、第1の実施形態のデータラッチ回路ADL及びBDLの構成と同じである。
【0085】
例えば、Tier1のデータラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する場合、電源供給回路70aの制御信号SELaをハイレベルとすることで、Tier1のデータラッチ回路ADL及びBDLのみに電源VDDよりも高い電圧の電源VDDaが供給される。
【0086】
この結果、データの転送を行っていないTier2のデータラッチ回路ADL及びBDLには、電源VDDよりも高い電圧の電源VDDaが供給されることなく、消費電流の増加を抑えることができる。
【0087】
以上のような構成によれば、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。さらに、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路よりも消費電流の増加を抑えることができる。
【0088】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図10は、第3の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
【0089】
第3の実施系形態は、電源供給回路をデータラッチ回路毎に設ける構成である。
図10に示すように、第3の実施形態は、データラッチ回路ADLに対して電源供給回路70cを設け、データラッチ回路BDLに対して電源供給回路70dを設けている。
【0090】
電源供給回路70cは、データラッチ回路ADLのPMOSトランジスタ65a及び66aのバックゲートに電源VDDopt3を供給する。また、電源供給回路70dは、データラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65b及び66bのバックゲートに電源VDDopt4を供給する。
【0091】
電源供給回路70cには、制御信号SELc、及び、反転された制御信号/SELcが入力される。また、電源供給回路70dには、制御信号SELd、及び、反転された制御信号/SELdが入力される。その他の構成は、図7に示す第1の実施形態の電源供給回路70と同じである。
【0092】
図11は、第3の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図11に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図11では、時刻T31からT32に間でデータが転送される。
【0093】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T31において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0094】
電源供給回路70cには、データの転送時及び非転送時にロウレベルの制御信号SELcが入力される。これにより、電源供給回路70cのNMOSトランジスタ72がオン、NMOSトランジスタ71がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADLのPMOSトランジスタ65a及び66aのバックゲートに入力される。
【0095】
電源供給回路70dには、データの非転送時にロウレベルの制御信号SELdが入力される。これにより、電源供給回路70dのNMOSトランジスタ72がオン、NMOSトランジスタ71がオフし、電源VDDがデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65b及び66bのバックゲートに入力される。
【0096】
一方、電源供給回路70dには、データの転送時にハイレベルの制御信号SELdが入力される。これにより、電源供給回路70dのNMOSトランジスタ71がオン、NMOSトランジスタ72がオフし、電源VDDaがデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65b及び66bのバックゲートに入力される。
【0097】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも高い電圧の電源VDDaが、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65b及び66bのバックゲートに入力される。
【0098】
このように、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65b及び66bのウェル電位を上げる。一方、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、データを転送するデータラッチ回路のPMOSトランジスタ65a及び66aのウェル電位は上げないようにし、消費電流の増加を抑える。
【0099】
以上のような構成によれば、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。さらに、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路よりも消費電流の増加を抑えることができる。
【0100】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図12は、第4の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す回路図である。
【0101】
第4の実施形態は、電源供給回路をデータラッチ回路のPMOSトランジスタ毎に設ける構成である。
【0102】
図12に示すように、第4の実施形態は、データラッチ回路ADL、BDLのPMOSトランジスタ65a及び65bに対して電源供給回路70eを設け、データラッチ回路ADL、BDLのPMOSトランジスタ66a及び66bに対して電源供給回路70fを設けている。
【0103】
電源供給回路70eは、データラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ65a及び65bのバックゲートに電源VDDopt5を供給する。電源供給回路70fは、データラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ66a及び66bのバックゲートに電源VDDopt6を供給する。
【0104】
電源供給回路70eには、制御信号SELe、及び、反転された制御信号/SELeが入力される。電源供給回路70fには、制御信号SELf、及び、反転された制御信号/SELfが入力される。その他の構成は、図7に示す第1の実施形態の電源供給回路70と同じである。
【0105】
図13は、第4の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図13に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図13では、時刻T41からT42に間でデータが転送される。
【0106】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T41において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0107】
電源供給回路70eには、データの転送時及び非転送時にロウレベルの制御信号SELeが入力される。これにより、電源供給回路70eのNMOSトランジスタ72がオン、NMOSトランジスタ71がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ65a及び65bのバックゲートに入力される。
【0108】
電源供給回路70fには、データの非転送時にロウレベルの制御信号SELfが入力される。これにより、電源供給回路70fのNMOSトランジスタ72がオン、NMOSトランジスタ71がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ66a及び66bのバックゲートに入力される。
【0109】
一方、電源供給回路70fには、データの転送時にハイレベルの制御信号SELfが入力される。これにより、電源供給回路70fのNMOSトランジスタ71がオン、NMOSトランジスタ72がオフし、電源VDDaがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ66a及び66bのバックゲートに入力される。
【0110】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも高い電圧の電源VDDaが、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ66bのバックゲートに入力される。
【0111】
このように、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ66bのウェル電位を上げる。一方、データラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ65bのウェル電位は上げないようにし、消費電流の増加を抑える。
【0112】
以上のような構成によれば、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。さらに、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態のデータラッチ回路よりも消費電流の増加を抑えることができる。
【0113】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図14は、第5の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
【0114】
図14に示すように、データラッチ回路ADLは、図7のPMOSトランジスタ65a、66aに代わり、PMOSトランジスタ67a及び68aを備える。また、データラッチ回路BDLは、図7のPMOSトランジスタ65b及び66bに代わり、PMOSトランジスタ67b及び68bを備える。
【0115】
PMOSトランジスタ67a及び68aは、バックゲートに電源VDDが供給され、ソースに電源VDDopt7が供給される。同様に、PMOSトランジスタ67b及び68bは、バックゲートに電源VDDが供給され、ソースに電源VDDopt7が供給される。
【0116】
電源VDDopt7を生成する電源供給回路80は、電源VDDと、電源VDDより低い電圧の電源VDDbとをデプレッション型のNMOSトランジスタ81及び82により接続している。電源VDDは、例えば1.5Vであり、電源VDDbは、例えば1.0V~1.2Vである。なお、電源供給回路80は、デプレッション型のNMOSトランジスタ81及び82に限定されるものではなく、エンハンス型のNMOSトランジスタを用いて構成してもよい。また、電源供給回路80は、電圧生成回路25内に設けられていてもよいし、センスアンプユニット群28内に設けられていてもよい。
【0117】
NMOSトランジスタ81のゲートには制御信号SELが供給され、NMOSトランジスタ82のゲートには制御信号/SELが供給される。制御信号/SELは、制御信号SELが反転された信号である。これにより、NMOSトランジスタ81及び82は、いずれか一方がオンし、他方がオフする。
【0118】
制御信号SELがハイレベルの場合、NMOSトランジスタ81がオン、NMOSトランジスタ82がオフし、電源VDDbがPMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソースに供給される。
【0119】
一方、制御信号がロウレベルの場合、NMOSトランジスタ82がオンし、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがPMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソースに供給される。
【0120】
本実施形態では、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、PMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソース電位を下げる。これにより、 第1の実施形態と同様に、バックゲートに供給される電源をソースに供給される電源よりも相対的に高くし、PMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bの能力を抑えることで、転送マージンと転送速度を保持する。
【0121】
図15は、第5の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図15に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図15では、時刻T51からT52に間でデータが転送される。
【0122】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T51において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0123】
また、データの非転送時には、ロウレベルの制御信号SELが電源供給回路80に入力される。これにより、NMOSトランジスタ82がオン、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがPMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソースに入力される。
【0124】
一方、データの転送時には、ハイレベルの制御信号SELが電源供給回路80に入力される。これにより、NMOSトランジスタ81がオン、NMOSトランジスタ82がオフし、電源VDDbがPMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソースに入力される。
【0125】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも低い電圧の電源VDDbがPMOSトランジスタ67a、68a、67b及び68bのソース(第1端子)に入力される。これにより、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ68bのソース電位を下げる。この結果、データラッチ回路BDLは、PMOSトランジスタ68bの能力が抑えられ、転送マージンと転送速度とを上げることができる。
【0126】
また、データラッチ回路ADL(他のデータラッチ回路も同様)は、比較例のデータラッチ回路ADLxからPMOSトランジスタ57a及び58aを削除することで、面積を削減している。
【0127】
以上のように、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。
【0128】
(第6の実施形態)
図16は、第6の実施形態に係るデータラッチ回路と電源供給回路の接続一例を示す図である。
第6の実施形態は、Tier毎に電源を分ける構成である。具体的には、Tier1のデータラッチ回路ADL、BDL、・・・、には、電源供給回路80aが電源VDDopt8を供給する。一方、Tier2のデータラッチ回路ADL、BDL、・・・、には、電源供給回路80bが電源VDDopt9を供給する。
【0129】
電源供給回路80aには、制御信号SELa、及び、反転された制御信号/SELaが入力される。また、電源供給回路80bには、制御信号SELb、及び、反転された制御信号/SELbが入力される。その他の構成は、図15に示す第5の実施形態の電源供給回路80と同じである。また、各Tierのデータラッチ回路ADL及びBDLの構成は、第1の実施形態のデータラッチ回路ADL及びBDLの構成と同じである。
【0130】
例えば、Tier1のデータラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する場合、電源供給回路70aの制御信号SELaをハイレベルとすることで、Tier1のデータラッチ回路ADL及びBDLのみに電源VDDよりも低い電圧の電源VDDbが供給される。
【0131】
これにより、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ68bのソース電位を下げる。この結果、データラッチ回路BDLは、PMOSトランジスタ68bの能力が抑えられ、転送マージンと転送速度とを上げることができる。
【0132】
以上のように、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。
【0133】
(第7の実施形態)
図17は、第7の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
第7の実施系形態では、電源供給回路をデータラッチ回路毎に設ける構成である。
【0134】
図17に示すように、データラッチ回路ADLに対して電源供給回路80cを設け、データラッチ回路BDLに対して電源供給回路80dを設ける。
【0135】
電源供給回路80cは、データラッチ回路ADLのPMOSトランジスタ67a及び68aのソースに電源VDDopt10を供給する。電源供給回路80dは、データラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ67b及び68bのソースに電源VDDopt11を供給する。
【0136】
電源供給回路80cには、制御信号SELc、及び、反転された制御信号/SELcが入力される。電源供給回路80dには、制御信号SELd、及び、反転された制御信号/SELdが入力される。その他の構成は、図14に示す第5の実施形態の電源供給回路80と同じである。
【0137】
図18は、第7の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図18に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図18では、時刻T61からT62に間でデータが転送される。
【0138】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T61において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0139】
電源供給回路80cには、データの転送時及び非転送時にロウレベルの制御信号SELcが入力される。これにより、電源供給回路80cのNMOSトランジスタ82がオン、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADLのPMOSトランジスタ67a及び68aのソースに入力される。
【0140】
電源供給回路80dには、データの非転送時にロウレベルの制御信号SELdが入力される。これにより、電源供給回路80dのNMOSトランジスタ82がオン、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ67b及び68bのソースに入力される。
【0141】
一方、電源供給回路80dには、データの転送時にハイレベルの制御信号SELdが入力される。これにより、電源供給回路80dのNMOSトランジスタ81がオン、NMOSトランジスタ82がオフし、電源VDDbがデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ67b及び68bのソースに入力される。
【0142】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも低い電圧の電源VDDbが、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ67b及び68bのソースに入力される。
【0143】
これにより、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ68bのソース電位を下げる。この結果、データラッチ回路BDLは、PMOSトランジスタ68bの能力が抑えられ、転送マージンと転送速度とを上げることができる。
【0144】
以上のように、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。
【0145】
(第8の実施形態)
図19は、第8の実施形態に係るデータラッチ回路の構成の一例を示す図である。
第8の実施形態では、電源供給回路をデータラッチ回路のPMOSトランジスタ毎に設ける構成である。
【0146】
図19に示すように、データラッチ回路ADL、BDLのPMOSトランジスタ67a及び67bに対して電源供給回路80eを設け、データラッチ回路ADL、BDLのPMOSトランジスタ68a及び68bに対して電源供給回路80fを設ける。
【0147】
電源供給回路80eは、データラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ65a及び65bのソースに電源VDDopt12を供給する。電源供給回路80fは、データラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ68a及び68bのソースに電源VDDopt13を供給する。
【0148】
電源供給回路80eには、制御信号SELe、及び、反転された制御信号/SELeが入力される。電源供給回路80fには、制御信号SELf、及び、反転された制御信号/SELfが入力される。その他の構成は、図14に示す第5の実施形態の電源供給回路80と同じである。
【0149】
図20は、第8の実施形態に係るデータ転送時の信号変化の一例を示す波形図である。
図20に示す波形図は、データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際の波形図である。図20では、時刻T71からT72に間でデータが転送される。
【0150】
データラッチ回路ADLからデータラッチ回路BDLにデータを転送する際、時刻T71において、制御信号TL1及びTL2をロウレベルからハイレベルに立ち上げる。これにより、データラッチ回路ADLのNMOSトランジスタ64a、及び、データラッチ回路BDLのNMOSトランジスタ64bがオンし、データラッチ回路ADLのインバータIN12aの出力がデータラッチ回路BDLのインバータIN11bに入力される。
【0151】
電源供給回路80eには、データの転送時及び非転送時にロウレベルの制御信号SELeが入力される。これにより、電源供給回路80eのNMOSトランジスタ82がオン、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ67a及び67bのソースに入力される。
【0152】
電源供給回路80fには、データの非転送時にロウレベルの制御信号SELfが入力される。これにより、電源供給回路80fのNMOSトランジスタ82がオン、NMOSトランジスタ81がオフし、電源VDDがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ68a及び68bのソースに入力される。
【0153】
一方、電源供給回路80fには、データの転送時にハイレベルの制御信号SELfが入力される。これにより、電源供給回路80fのNMOSトランジスタ81がオン、NMOSトランジスタ82がオフし、電源VDDbがデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ68a及び68bのソースに入力される。
【0154】
すなわち、データの転送時のみ、電源VDDよりも低い電圧の電源VDDbが、データが転送されるデータラッチ回路ADL及びBDLのPMOSトランジスタ68a及び68bのソースに入力される。
【0155】
これにより、データラッチ回路ADL及びBDL間でデータを転送する際に、データが転送されるデータラッチ回路BDLのPMOSトランジスタ68bのソース電位を下げる。この結果、データラッチ回路BDLは、PMOSトランジスタ68bの能力が抑えられ、転送マージンと転送速度とを上げることができる。
【0156】
以上のように、本実施形態のデータラッチ回路は、第1の実施形態と同様に、転送マージン及び転送速度を上げつつ、回路面積を削減することができる。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1…メモリシステム、2,2A…不揮発性メモリ、3…メモリコントローラ、4…ホスト装置、10…ホストI/F回路、11…プロセッサ、12…RAM、13…バッファメモリ、14…メモリI/F回路、15…ECC回路、20…メモリセルアレイ、21…入出力回路、22…ロジック制御回路、23…レジスタ、24…制御回路、25…電圧生成回路、26…ロウデコーダ、27…カラムデコーダ、28…センスアンプユニット群、29…データレジスタ、51a~54a,51b~54b…NMOSトランジスタ、55a~58a,55b~58b…PMOSトランジスタ、61a~64a,61b~64b…NMOSトランジスタ、65a~68a,65b~68b…PMOSトランジスタ、70,70a~70f,80,80a~80f…電源供給回路、ADL,BDL,CDL,SDL…データラッチ回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20