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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128736
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】内装材
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B60R13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037901
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】内田 康洋
(72)【発明者】
【氏名】清 大樹
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB01
3D023BC01
3D023BE03
(57)【要約】
【課題】製造性及び見栄えが良好な内装材を提供する。
【解決手段】内装材は、凹部11を有する基材2と、凹部11に配置される弾性材3と、弾性材3を覆って基材2に取り付けられる表皮体と、を備える。弾性材3は、凹部11への挿入側に角部23を有する。凹部11は、底部13と、底部13から立ち上がる壁部14と、を有する。互いに対向する壁部14の少なくともいずれか一方は、少なくとも基端部と底部13とがなす角度θ1が弾性材3の角部23の角度θ2より小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有する基材と、
前記凹部に配置される弾性材と、
前記弾性材を覆って前記基材に取り付けられる表皮体と、を備え、
前記弾性材は、前記凹部への挿入側に角部を有し、
前記凹部は、
底部と、
この底部から立ち上がる壁部と、を有し、
互いに対向する前記壁部の少なくともいずれか一方は、少なくとも基端部と前記底部とがなす角度が前記弾性材の角部の角度より小さい
ことを特徴とする内装材。
【請求項2】
互いに対向する壁部の少なくともいずれか一方は、基端部から先端部に亘る全体が底部に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載の内装材。
【請求項3】
互いに対向する壁部の少なくともいずれか一方は、基端部のみが底部に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載の内装材。
【請求項4】
基材は、少なくとも凹部を含む部分が表面側に膨出して形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の凹部に弾性材が取り付けられる内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両の内装材として、合成樹脂製などの基材の表面の一定範囲に凹部を形成し、この凹部にウレタン製などの弾性材を敷設し、弾性材とともに基材の表面側を表皮体により覆うことで、乗員が触れる機会が多い箇所の触感を向上したものがある。
【0003】
例えば、表面側に膨出する曲率を有する基材に形成した凹部内の縁部に隙間を生じさせることなく弾性材を敷設する構成として、凹部底面に弾性材を屈曲させる傾斜部を形成し、この傾斜部に沿って屈曲した弾性材の端部が凹部の底部から立ち上がる壁部に密着するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-187275号公報 (第3-6頁、図1-3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の構成の場合、傾斜部に沿って屈曲された弾性材は、屈曲されていない弾性材の一般面よりも表面側に突出するため、表皮体により弾性材を押し付けるように被覆した場合でも、僅かなふくらみが表出するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造性及び見栄えが良好な内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の内装材は、凹部を有する基材と、前記凹部に配置される弾性材と、前記弾性材を覆って前記基材に取り付けられる表皮体と、を備え、前記弾性材は、前記凹部への挿入側に角部を有し、前記凹部は、底部と、この底部から立ち上がる壁部と、を有し、互いに対向する前記壁部の少なくともいずれか一方は、少なくとも基端部と前記底部とがなす角度が前記弾性材の角部の角度より小さいものである。
【0008】
請求項2記載の内装材は、請求項1記載の内装材において、互いに対向する壁部の少なくともいずれか一方は、基端部から先端部に亘る全体が底部に対して傾斜しているものである。
【0009】
請求項3記載の内装材は、請求項1記載の内装材において、互いに対向する壁部の少なくともいずれか一方は、基端部のみが底部に対して傾斜しているものである。
【0010】
請求項4記載の内装材は、請求項1ないし3いずれか一記載の内装材において、基材は、少なくとも凹部を含む部分が表面側に膨出して形成されているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の内装材によれば、壁部と底部とにより構成される角部と弾性材の挿入側の角部との間に、底部に向かって拡大する隙間ができ、取り付け時に弾性材に僅かな伸びが生じた場合でも、その伸びが隙間に吸収されるので、弾性材が壁部に乗り上げにくく、壁部の位置で弾性材が凹部から表側へ突出しにくい。よって、弾性材の突出を修正したり、弾性材の位置を修正して再度貼り付け直したりする必要がなく、工数を削減でき、弾性材を凹部に取り付けやすく、製造性が良好であるとともに、弾性材の突出に起因する見栄えの低下を招きにくく、見栄えも良好となる。
【0012】
請求項2記載の内装材によれば、請求項1記載の内装材の効果に加えて、壁部と底部とにより構成される角部と弾性材の挿入側の角部との間に形成される隙間を大きく取ることができ、弾性材の取り付け作業がより容易になるとともに、取り付け時に弾性材を壁部に対して、より確実に乗り上げにくくできる。
【0013】
請求項3記載の内装材によれば、請求項1記載の内装材の効果に加えて、壁部と底部とにより構成される角部と弾性材の挿入側の角部との間に形成される隙間によって取り付け時の弾性材の伸びを吸収しつつ、壁部の先端部の位置で弾性材を壁部に確実に密着させることができる。
【0014】
請求項4記載の内装材によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の内装材の効果に加えて、弾性材に伸びが生じやすい膨出形状の基材の凹部への弾性材の取り付けの際に対しても、弾性材を壁部に乗り上げさせることなく凹部内に容易に取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態の内装材を示し、(a)は内装材の弾性材を基材の凹部に取り付けた状態を示す断面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す断面図である。
図2】同上内装材の一部の分解断面図である。
図3】同上内装材の断面図である。
図4】本発明の第2の実施の形態の内装材を示し、(a)は内装材の弾性材を基材の凹部に取り付けた状態を示す断面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図3において、1は内装材を示す。本実施の形態において、内装材1は、例えば自動車などの車両用のコンソールボックスやセンタコンソールの一部などに用いられる車両用内装材を例に挙げる。例えば、内装材1は、四角形状に形成されるが、これに限られず、配置位置の形状や所望の意匠などに応じた任意の形状としてよい。
【0018】
内装材1は、基材2と、弾性材3と、表皮体4と、が互いに重ねられて配置されている。そして、内装材1は、表皮体4側を乗員側、手前側、表側あるいは意匠側とし、基材2側を車体側、反乗員側、背後側、裏側として配置される。
【0019】
図2及び図3に示す基材2は、合成樹脂などの部材により成形されている。基材2は、弾性材3よりも硬質の部材により形成されている。基材2には、表皮体4により覆われる主面10に対して窪んだ凹部11が形成されている。凹部11には弾性材3が配置される。凹部11は、基材2の表面側つまり意匠側(図中の上側)に位置する。本実施の形態では、基材2は、少なくとも凹部11を含む部分が意匠側に膨出する曲率を有するように形成されている。図示される例では、基材2は、側方から見て、全体が意匠側に膨出するように湾曲されている。この湾曲については、所定の一側方から見て湾曲している円筒面状の湾曲でもよいし、全側方から見て湾曲している球面状の湾曲でもよい。
【0020】
凹部11は、弾性材3の外形に応じた形状に形成され、本実施の形態では、例えば正面から見て四角形状に形成されている。凹部11は、底部13と、底部13から立ち上がる壁部14と、を有する。
【0021】
底部13は、弾性材3が接着剤または両面テープなどにより構成される層状の接着部16により貼り付けられて固定される部分である。本実施の形態において、底部13は、凹凸を有しない面状に形成されている。底部13は、凹部11全体の底面を構成している。本実施の形態では、底部13は、正面から見て四角形状に形成されている。図示される例では、基材2の湾曲に応じて、底部13が意匠側に膨出するように湾曲している。
【0022】
壁部14は、底部13から意匠側へと立ち上がって形成されている。本実施の形態では、壁部14は、底部13の外縁部に連なって形成され、図示される例では、壁部14は、底部13の外縁部の全周に連なって形成されている。つまり、壁部14には、底部13の互いに対向する一対の辺縁部に沿って位置する一の一対の壁部14と、底部13の互いに対向する他の一対の辺縁部に沿って位置する他の一対の壁部14と、が設定されている。図示される例では、壁部14の先端部が主面10を構成し、壁部14の先端部によって凹部11の開口が囲まれている。
【0023】
また、少なくともいずれかの壁部14は、少なくとも基端部側すなわち底部13と連なる側が、先端部すなわち凹部11の開口側に向かい凹部11の内方に傾斜している。すなわち、底部13に対して直交する仮想面に対し、この壁部14の少なくとも基端部は底部13の中央部側に傾斜して形成されている。本実施の形態では、この壁部14の全体が、底部13に対して直交する仮想面に対し底部13の中央部側に傾斜している。図示される例では、互いに対向する一対の壁部14(例えば図1(a)中の左右の壁部14a,14b)の少なくとも一方、好ましくは双方について、底部13に対して傾斜している。この壁部14の傾斜により、壁部14の基端部すなわち底部13と連なる部分と、底部13と、で構成される角部18がなす角度θ1が、例えば鋭角に設定されている。この角度θ1は、壁部14が連なる方向(図1(a)の紙面に垂直な方向)において、一定でもよいし、部分的に異なっていてもよいし、連続的または断続的に異なっていてもよい。角度θ1とは、基材2の断面において、角部18での底部13の接線と壁部14の接線とがなす角度をいうものとする。なお、本実施の形態では、基材2が意匠側に膨出する形状となっており、底部13も湾曲しているため、壁部14は基材2の膨出方向に沿っている。傾斜した壁部14については、凹部11の開口側つまり先端部側が弾性材3の外縁部と同寸法または略同寸法となるように設定されている。
【0024】
弾性材3は、クッション材とも呼ばれる。弾性材3は、弾性を有する部材からなる。好ましくは、弾性材3は、クッション性を有するウレタンなどの発泡材からなる。弾性材3は、基材2の凹部11に収容されるように配置され、基本的に主面10から意匠側に突出しないように設定されている。すなわち、弾性材3は、凹部11の深さに応じて厚みが設定された平板状となっている。本実施の形態では、弾性材3は、凹部11に取り付けられた状態で基材2の湾曲に合わせて湾曲される。
【0025】
弾性材3は、所定厚みのシート状のマザー弾性材から抜き型により凹部11の形状に応じて裁断される。弾性材3は、意匠側に位置する表面20と、その反対側に位置して表面20と平行または略平行で表面20と同形状または略同形状の裏面21と、表面20と裏面21との外縁部に亘り位置する側面22と、を有する。弾性材3は、基材2の凹部11の底部13に対し、裏面21に設定された接着部16を介して固定され、表面20が基材2の主面10と面一または略面一となるように配置される。本実施の形態では、接着部16が弾性材3の裏面21全体に配置されているが、これに限らず、接着部16が弾性材3の裏面21に部分的に配置されていてもよい。
【0026】
側面22は、弾性材3を基材2の凹部11に取り付けた状態で、壁部14に対向する部分である。側面22には、底部13の一の一対の壁部14に対向する一の一対の側面22と、底部13の他の一対の壁部14に対向する他の一対の側面22と、が設定されている。
【0027】
また、側面22は、基本的には、製造された状態で表面20と裏面21とに対して直交している。すなわち、本実施の形態において、凹部11に未取り付け状態の弾性材3における側面22と裏面21とが連なる角部23すなわち弾性材3の凹部11への挿入側の角部23の角度θ2は、90°または実質的に90°である。つまり、この角度θ2は、弾性材3が基材2の凹部11に配置された状態で角部23が対向する基材2の角部18の角度θ1より大きい(θ1<θ2)。
【0028】
図3に示す表皮体4は、内装材1の意匠面を構成する部材である。表皮体4は、弾性材3よりも厚みが薄いシート状に形成されている。本実施の形態において、表皮体4は、薄膜状に形成されている。表皮体4は、少なくとも弾性材3の表面全体を覆って配置されている。表皮体4は、皮革により形成されていてもよいし、合成樹脂などにより形成されていてもよい。
【0029】
表皮体4は、例えば皴が寄らないように張力が付与された状態で基材2に固定されている。表皮体4は、少なくとも基材2の主面10を覆い、接着剤などにより構成される層状の接着部により基材2に対して固定される。図示される例では、表皮体4は、基材2の主面10及び弾性材3の表面20の全体を覆っている。表皮体4は、凹部11の周囲の位置、例えば凹部11の周辺の主面10、及び/又は、基材2の背面側に裏返されるように織り込まれた端部が溶着や接着などにより固定される。
【0030】
そして、内装材1を製造する際には、予め成形された基材2の凹部11に対し、別途成形された弾性材3を固定する。
【0031】
弾性材3は、裏面21に未固化の接着剤または両面テープなどの接着部16(図2)を施し、一方の側面22、例えば図1(a)中の右側の側面22bを一方の壁部14、例えば図1(a)中の右側の壁部14bに当接させつつ、裏面21を底部13上に貼り付けて重ね、この側面22側からそれと反対側の他方の側面22、例えば図1(a)中の左側の側面22aに向かい、他方の壁部14、例えば図1(a)中の左側の壁部14aへと裏面21を徐々に貼り進めていく。なお、凹部11が四角形状である場合、図1(a)中に示されていない一対の壁部14に対しては、弾性材3の側面22が弾性材3を貼り進めるにしたがい密着または接触していく。
【0032】
このとき、例えば従来例の場合には、弾性材3が伸縮性を有するため、特に手作業で弾性材3を凹部11に貼り付ける際に、弾性材3に僅かな伸びが生じた場合、弾性材3の側面22aが壁部14に乗り上げてしまうことがある。それに対し、本実施の形態によれば、少なくとも一方の壁部14、例えば壁部14aの基端部と底部13とがなす角部18の角度θ1が弾性材3の側面22、例えば図中の左側の側面22a側の角部23の角度θ2より小さいので、壁部14aの位置では、接着部16を介して底部13上に貼り付けられた弾性材3の側面22aが、角部23の角度θ2にしたがい、底部13から垂直に立ち上がることで、図1(b)に示すように、壁部14aと底部13とにより構成される角部18と弾性材3の挿入側の角部23との間に、底部13に向かって拡大する隙間25ができ、取り付け時に弾性材3に僅かな伸びが生じた場合でも、その伸びが隙間25に吸収されるので、弾性材3の側面22aが壁部14aに乗り上げにくく、壁部14aの先端部の位置で壁部14aと密着する。したがって、壁部14aの位置で弾性材3が凹部11から主面10に対して意匠側へ突出しにくい。よって、この突出を修正したり、乗り上げ時に誤って壁部14aに接着されてしまった接着部16を一旦剥がしてから弾性材3の位置を修正して再度貼り付け直したりする必要がなく、工数を削減でき、弾性材3を凹部11に取り付けやすい。
【0033】
この後、別途形成した表皮体4を、弾性材3とともに基材2の主面10を覆うように取り付ける。このとき、表皮体4は、基材2の主面10、及び/または、表皮体4の背面側に接着剤を塗布して、表皮体4を、引っ張って張力を付与しつつ基材2の主面10に押し付けることで、接着剤が固化して形成された接着部によって、表皮体4が基材2に固定される。
【0034】
このように、本実施の形態の内装材1では、製造性が良好であるとともに、基材2の凹部11の壁部14と弾性材3の側面22との間の位置で外観上の浮き上がりや凹みが生じにくく、弾性材の突出の起因する見栄えの低下を招きにくく、見栄え(外観品質)が良好であり、かつ、見栄えによる不良率の低下によって生産性が向上する。
【0035】
特に、互いに対向する壁部14a,14bと底部13とにより構成される角部18の角度θ1をそれぞれ鋭角として弾性材3の角部23の角度θ2より小さくすることで、凹部11への弾性材3の取り付け作業を壁部14aと壁部14bとのいずれ側からでも開始できるので、作業性が良好である。
【0036】
また、壁部14aは、基端部から先端部に亘る全体が底部13に対して傾斜しているため、壁部14aと底部13とにより構成される角部18と弾性材3の挿入側の角部23との間に形成される隙間25を大きく取ることができ、取り付け時の弾性材3の伸びを確実に吸収でき、弾性材3の取り付け作業がより容易になるとともに、取り付け時に弾性材3を壁部14に対して、より確実に乗り上げにくくできる。
【0037】
特に、本実施の形態では、基材2の少なくとも凹部11を含む部分が表面側に膨出して形成されているため、この基材2の膨出形状に沿って湾曲される弾性材3においては、取り付け時に伸びが生じやすい。そこで、例えば壁部14aの基端部と底部13とがなす角部18の角度θ1を弾性材3の側面22、例えば図中の左側の側面22a側の角部23の角度θ2より小さくしたことにより、このような弾性材3に伸びが生じやすい膨出形状の基材2の凹部11への弾性材3の取り付けの際に対しても、弾性材3を壁部14に乗り上げさせることなく凹部11内に容易に取り付けできる。
【0038】
また、基材2の少なくとも凹部11を含む部分が表面側に膨出して形成されている場合には、角部18の位置で底部13の法線方向が基材2の膨出方向に向かって外方に傾斜するため、角度θ2を鋭角としても、壁部14が基材2の膨出方向から見てアンダー形状となりにくい。したがって、例えば成形型を用いて基材2を射出成形する場合にアンダーカットが生じにくく、基材2の成形性が良好である。
【0039】
次に、第2の実施の形態について、図4を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図4(a)及び図4(b)に示す内装材1は、壁部14が、底部13と連なる基端部27と、先端部28と、を有する。基端部27の高さは、壁部14の高さに対して半分以上に設定されている。そして、本実施の形態では、基端部27のみが底部13に対して鋭角に傾斜し、先端部28は底部13に垂直または略垂直な方向に沿って形成されている。
【0041】
すなわち、基端部27と底部13とで構成される角部18の角度θ1は鋭角であるが、先端部28と底部13とがなす角度θ3は、弾性材3の角部23の角度θ2と同一または略同一である。
【0042】
そして、第1の実施の形態と同様に、弾性材3を、一方の側面22bから他方の側面22aに向かい徐々に貼り進めていくと、図4(b)に示すように、一方の壁部14aと底部13とにより構成される角部18と弾性材3の角部23との間に、底部13に向かって拡大する隙間25ができ、弾性材3に僅かな伸びが生じた場合でも、その伸びが隙間25に吸収されるので、側面22aが壁部14aに乗り上げにくく、壁部14aの先端部28の位置で壁部14aと密着する。
【0043】
すなわち、本実施の形態の内装材1も、製造性及び見栄えが良好であるなど、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
また、壁部14の基端部27のみを底部13に対して傾斜させて角部18の角度θ1を弾性材3の角部23の角度θ2より小さくしているので、壁部14aと底部13とにより構成される角部18と弾性材3の挿入側の角部23との間に形成される隙間25によって取り付け時の弾性材3の伸びを吸収しつつ、壁部14の先端部28の位置で弾性材3を壁部14に確実に密着させることができる。
【0045】
なお、上記の各実施の形態において、基材2は、凹部11を含む部分が曲率を有さない、つまり平面状または平板状のものであっても、上記の構成を適用できる。
【0046】
また、各実施の形態の場合、弾性材3の側面22bについては、弾性材3の貼り付けの開始点であるため、凹部11の壁部14bに対し自ずと隙間なく密着させることが可能である。そのため、弾性材3の貼り終わり側に位置する壁部14a側の角部18の角度θ1についてのみ弾性材3の角部23の角度θ2より小さくしても、同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
さらに、内装材1は、コンソールボックスやセンタコンソールの一部などに用いられるものに限らず、任意の車両用の内装材として用いてよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、車両の車室に備えられるセンタコンソールの一部などとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 内装材
2 基材
3 弾性材
4 表皮体
11 凹部
13 底部
14 壁部
23 角部
θ1,θ2 角度
図1
図2
図3
図4