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特開2024-128747シリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置
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  • 特開-シリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128747
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】シリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置
(51)【国際特許分類】
   F01L 3/24 20060101AFI20240913BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20240913BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
F01L3/24 C
B23P21/00 303C
B23P19/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037922
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】大下 泰明
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BB04
3C030CA01
3C030CC09
(57)【要約】
【課題】シリンダヘッドのバルブガイドを簡単かつ確実に抜き取りできる装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド1は、各バルブガイド9,10の箇所において鉛直姿勢の支柱15で支持される。支柱15は、シリンダヘッド1のバルブ配置穴3に嵌合すると共に、バルブガイド9の露出部にも嵌合している。バルブガイド9,10は、昇降式のプッシュロッド22aによって下方に押し出される。プッシュロッド22aとバルブガイド9,10と支柱15は同心に保持されるため、バルブガイド9,10を傷つけることなくスムースに抜き取ることができる。構造は簡単であるため、コストも抑制できる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバルブガイドがカム軸方向に並んでいるシリンダヘッドから前記バルブガイドを抜き取る装置であって、
前記バルブガイドと同心の姿勢で前記シリンダヘッドを複数箇所において下方から支持する複数本の支柱と、前記バルブガイドを下方に押し出すプッシュロッドとを備えている、
シリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置。
【請求項2】
前記各支柱は、抜き取られた前記バルブガイドが落ち込むように少なくとも上部に中空穴が形成されており、かつ、前記カム軸方向に自在に移動できるようにテーブルに配置されている、
請求項1に記載したシリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、内燃機関を構成するシリンダヘッドに圧入されているバルブガイドを抜き取る装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用等のエンジンのシリンダヘッドにはバルブガイドが圧入されており、バルブステムはバルブガイドの内部を摺動するようになっている。そして、検査や交換のためにバルブガイドを抜き取らねばならないことがある。
【0003】
さて、バルブガイドはシリンダヘッドに設けた穴に圧入されているため、抜き取りには相当の力が必要であり、従って、ハンドプレスや油圧プレスなどの装置を使用してバルブガイドを押し出しできると好適である。この場合、ハンドプレスや油圧プレスなどのプランジャは一般に鉛直姿勢になっているため、シリンダヘッドは、バルブガイドが鉛直姿勢になるようにテーブルに保持する必要があるが、バルブガイドは一般にシリンダボア軸線に対して傾斜しているため、バルブガイドが鉛直姿勢になるようにシリンダヘッドを安定的に保持することが厄介であった。
【0004】
そこで、各シリンダヘッドに専用の治具を作成して、シリンダヘッドをテーブルに固定することが行われているが、この場合、シリンダヘッドの安定性が悪くて、バルブガイドを抜き取るに際してこじれが発生しやすい問題があった。また、ハンドプレスや油圧プレスを使用せずに、ロッドをバルブガイドの端面に当てて、ロッドをハンマで叩打しながら抜き取ることも行われているが、これは手作業であるため能率が悪いのみならず、ロッドがバルブガイドと同心にならずにバルブガイドが変形したり、バルブガイドに傷がついて検査に支障をきたしりする問題があった。
【0005】
他方、バルブガイドの圧入装置として特許文献1~4などがあり、この装置を抜き取りに適用できると好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-070513号公報
【特許文献2】特開平06-159023号公報
【特許文献3】特開2007-044775号公報
【特許文献4】特開2010-269403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バルブガイドの圧入はエンジンの組み立ての一環として行われるものあるため、相応の費用を掛けて特許文献1~4のような自動機(専用機)を導入できるが、バルブガイドの抜き取りは整備工場などで行われるレアな作業であり、従って、特許文献1~4で開示されている装置を抜き取り装置に改良することは事実上不可能である。従って、簡易な構造でバルブガイドを傷つけることなく簡単に抜き取りできる装置が要請されている。
【0008】
本願発明は、この要請に応えようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明のバルブガイド抜き取り装置は、
「複数のバルブガイド(スリーブ)がカム軸方向に並んでいるシリンダヘッドから前記バルブガイドを抜き取る装置であって、
前記バルブガイドと同心の姿勢で前記シリンダヘッドを複数箇所において下方から支持する複数本の支柱と、前記バルブガイドを下方に押し出すプッシュロッドとを備えている」
という構成になっている。
【0010】
本願発明では、シリンダヘッドは裏返した姿勢で支柱で支持するのが好ましい。つまり、シリンダヘッドには、カップ状等のバルブヘッドが摺動自在に嵌まる円形のバルブ配置穴を設けていることが多く、シリンダヘッドを裏返すと、このガイド穴に支柱を挿入することによってシリンダヘッドを安定的に保持できる。
【0011】
また、バルブガイドの一端はばね受け面から突出して、この突出部にオイルシールを装着しているため、オイルシールを除去してから、バルブガイドの突出部に支柱を嵌め込むことにより、バルブガイドを利用してシリンダヘッドを安定的に保持することも可能である。この場合も、シリンダヘッドを裏返すことにより、シリンダヘッドを安定的に保持できる。
【0012】
更に、バルブガイドが抜き取られた後のバルブガイド挿入穴を利用して、シリンダヘッドを支柱で支持することもできるが、この場合も、シリンダヘッドを裏返すことにより、シリンダヘッドを安定的に保持できる。
【0013】
プッシュロッドは1本のみでもよいし、複数本あってもよい。すなわち、1本のプッシュロッドで複数のバルブガイドを1本ずつ押し出すことも可能であるし、複数本のバルブガイドで複数本のバルブガイドを同時に押し出すことも可能である。
【0014】
本願発明は様々に具体化できる。その例として請求項2では、
「前記各支柱は、抜き取られた前記バルブガイドが落ち込むように少なくとも上部に中空穴が形成されており、かつ、前記カム軸方向に自在に移動できるようにテーブルに配置されている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、シリンダヘッドの構造を利用して、複数の支柱によってシリンダヘッドを安定的に支持できる。そして、支柱はバルブガイドと同心に配置されているため、プッシュロッドでバルブガイドを押し出すに際して、プッシュロッドの荷重はバルブガイドの軸心方向に作用すると共に支柱と平行な方向に作用する。従って、プッシュロッドの荷重によって支柱が倒れ作用を受けることはなくて、バルブガイドを傷つけることなく正確に押し出すことができる。
【0016】
また、複数の支柱はテーブルに立設してその上方にプッシュロッドを昇降自在に配置したらよいため、構造は簡単であって低コストで提供できる。
【0017】
請求項2の構成を採用すると、プッシュロッドで押し出されたバルブガイドを支柱の内部に収納できるため、バルブガイドを人が手で受けることは不要であり、それだけ手間を軽減できると共に落下によってバルブガイドが傷付くことも防止できる。
【0018】
また、支柱は並び方向(カム軸方向)に移動可能であるため、隣り合った支柱の間隔を任意に設定できる。従って、排気量や気筒数が異なる多種のシリンダヘッドに対応できて融通性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(A)はシリンダヘッドの斜視図、(B)はシリンダヘッドの平面図である。
図2】バルブガイド抜き取り装置の部分的な正面図である。
図3】バルブガイド抜き取り装置とシリンダヘッドとの関係を示す一部模式化正面図である。
図4】(A)は図2のIVA-IVA視断面図、(B)は(A)の部分的な平面図、(C)は支柱の位置決めゲージの平面図である。
図5図3の V-V視断面図である。
図6図3のVI-VI 視断面図である。
図7】(A)はバルブガイドが抜けた状態を示す縦断側面図、(B)はバルブガイドが抜けた後の縦断側面図である。
図8】(A)(B)ともバルブガイドが抜けた後の支持構造例を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、シリンダヘッドについて方向を特定するため前後と左右の文言を使用するが、左右方向はカム軸の長手方向であり、前後方向はカム軸と直交した方向として定義している。図1に方向を明示している。図5~8ではシリンダヘッドは裏返した姿勢になっている。エンジンについてはクランク軸線方向を前後方向と呼ぶことが一般化しているが、本実施形態の呼び方はこれとは相違している。
【0021】
(1).構造の説明
図1でシリンダヘッド1の外観を示している。本実施形態のシリンダヘッド1は3気筒用であり、中心線に沿って3つプラグホール2が左右方向に並んで形成されている。各プラグホール2を挟んだ左右両側に、左右一対ずつの吸気バルブ配置穴3と排気バルブ配置穴4とが振り分けて形成されている。バルブ配置穴3,4には、カップ状のバルブヘッド(図示せず)が摺動自在に嵌まるようになっている。
【0022】
図5に示すように、シリンダヘッド1には、吸気ポート5と排気ポート6とが形成されており、吸気ポート5の出口には吸気用バルブシート7が圧入されて、排気ポート6の入口には排気用バルブシート8が圧入されている。また、シリンダヘッド1には、各プラグホール2に対応して、一対ずつの吸気用バルブガイド9と排気用バルブガイド10とが装着されている。
【0023】
従って、シリンダヘッド1には、吸気用バルブガイド圧入穴11と、排気用バルブガイド圧入穴12とが開口している。吸気用バルブガイド9は吸気バルブ配置穴3と同心で、排気用バルブガイド10は排気バルブ配置穴4と同心に形成されている。各バルブガイド9,10の上端部は、ばね受け座面13からある程度の寸法だけ突出しており、この突出部にオイルシール(図示せず)が装着されている。
【0024】
図2~4において、バルブガイド抜き取り装置14を表示している。図2に示すように、バルブガイド抜き取り装置14は、6本の支柱15が鉛直姿勢に取り付けられたテーブル16と、テーブル16が支持された左右の側枠17と、テーブル16よりも高い位置において左右の側枠17に装架された上ステー18とを有している。上ステー18には鉛直姿勢の油圧シリンダ19が固定されており、油圧シリンダ19のプランジャ20が下向きに延びている。
【0025】
プランジャ20の下端にブラケット板21が固定されており、ブラケット板21に下向きロッド22を設けて、下向きロッド22の下部をプッシュロッド22aと成している。プッシュロッド22aの下端には、バルブガイド9,10の内部に入り込む小径のパイロット部22bを設けている。従って、プッシュロッド22aは上下に長くても、横ずれすることなくバルブガイド9,10と同心に保持される。
【0026】
ブラケット板21は左右のばね23によって上向きに付勢されている。プッシュロッド22aは、バルブガイド9,10の外径よりも僅かに小径で、バルブガイド9,10よりも少し長い長さに設定されている。
【0027】
図4(A)に示すように、テーブル16には左右長手のベース板24が重ね配置されており、このベース板24の上方に、前後一対ずつのスペーサ板25と庇板26とによって左右長手の蟻溝27が形成されて、蟻溝27に平面視四角形のスライダ28が6個左右動可能に配置されて、各スライダ28にカラー29を介して円形の支柱15がねじ込み固定されている。
【0028】
スペーサ板25と庇板26はボルト30でベース板24に共締めされて、ベース板24はテーブル16と下フレーム31にボルト31aで共締めされている。下フレーム31は左右長手の補強フレーム33に左右適宜間隔で装架固定されており、左右両端に位置した下フレーム31は側枠17にボルト31aで固定されている。
【0029】
各支柱15の下端にはスライダ28が固定されているため、各支柱15は蟻溝27に沿って左右移動自在でかつ倒れ不能に保持されている。そして、例えば図5に示すように、各支柱15の上端部は、シリンダヘッド1のバルブ配置穴3,4に若干のクリアランスを持って嵌まる外径になっており、かつ、バルブガイド9,10の外径よりも僅かに大径の中空穴34が上向きに開口している。中空穴34はバルブガイド9,10が落ち込み得る深さになっている。
【0030】
6本の支柱15は、シリンダヘッド1におけるバルブガイド9,10及びバルブ配置穴3,4の間隔に対応して配置されている。支柱15は左右移動自在であるので、隣り合った支柱15の間隔は任意に設定できるが、支柱15の間隔はシリンダヘッド1の機種によって決まるので、図4(C)に示すように、各機種に対応したピッチの凹所35が形成されたゲージ36を使用して、ゲージ36を庇板26にボルトで固定しておくと、各支柱15に対してシリンダヘッド1を正確に嵌め込むことができる。
【0031】
(2).まとめ
以上の構成において、シリンダヘッド1を支柱15の群にセットした状態では、各支柱15がシリンダヘッド1のバルブ配置穴3,4に嵌合していると共に、各支柱15はバルブガイド9,10の露出部に嵌合している。このため、シリンダヘッド1は、バルブガイド9,10を鉛直姿勢にした状態で安定的に保持される。
【0032】
従って、1つの支柱15がプッシュロッド22aと同心になるようにシリンダヘッド1を位置決めしてから、プッシュロッド22aを下降させると、図7(A)に示すように、その真下に位置したバルブガイド9,10が下方に押圧されて、当該バルブガイド9,10がバルブガイド圧入穴11,12から下方に突き出され、バルブガイド9,10は支柱15の中空穴34に収納される。中空穴34の底にクッション材を配置しておいてもよい。
【0033】
そして、プッシュロッド22aとバルブガイド9,10と支柱15とは鉛直姿勢の同心に揃っているため、バルブガイド9,10をこじれや傷付きなしでスムースに押し出すことができる。
【0034】
シリンダヘッド1を横移動させて、プッシュロッド22aを下降させる作業を繰り返すことにより、各バルブガイド9,10を抜き外すことができる。本実施形態では、バルブガイド9,10が抜き外される前には、バルブガイド9,10の露出部に支柱15が嵌合しており、支柱15はバルブガイド9,10によっても位置決めされているが、図7(B)に示すように、バルブガイド9,10が抜かれた箇所でも、シリンダヘッド1は支柱15がバルブ配置穴3,4に嵌まることによって安定的に保持されているため、バルブガイド9,10が抜かれた箇所でも、シリンダヘッド1は支柱15によって安定的に保持されている。
【0035】
従って、6本のバルブガイド9,10は、端から順に抜き外しできる。或いは、両端を残して4本のバルブガイド9,10を抜き外してから、両端を抜き外すこともできる。すなわち、本実施形態で対象にしているシリンダヘッド1は、各バルブガイド9,10は任意の順番に抜き外すことができる。
【0036】
実施形態では6本のバルブガイド9,10に対応して6本の支柱15を使用しているが、支柱15は少なくとも2本あれば足りる。例えば1番目と6番目のバルブガイド9,10の箇所のみを支柱15で支持して、2~5番目のバルブガイド9,10は支柱15で支持することなくバルブガイド9,10を押し出すことも可能である。この場合は、落下したバルブガイド9,10が傷つかないように、下方に弾性体製の受け材を配置しておくと好適である。
【0037】
シリンダヘッド1を横移動させて、いずれかの支柱15がプッシュロッド22aの真下に位置するようにシリンダヘッド1を位置決めする必要があるが、図4(C)に示すように、ゲージ36によって各支柱15を所定のピッチに保持しつつ、ゲージ36に、各凹所35に対応した位置決め用補助凹所37を形成し、位置決め用補助凹所37を弾性に抗して前後動するストッパー38に対して選択的に嵌合させると、任意の支柱15がプッシュロッド22aの真下にくるように位置決めできる。
【0038】
シリンダヘッド1がバルブ配置穴3,4を持たない場合は、バルブガイド9,10を抜いた後は支柱15によるシリンダヘッド1の位置決め機能がなくなるが、この場合の対応として、図8(A)では、バルブガイド9,10が抜かれた後に、バルブガイド圧入穴11,12に嵌合するピン部39aを有する補助支柱39を付け替えている。
【0039】
例えば、6本のバルブガイド9,10のうち両端を残して4本のバルブガイド9,10を抜いてから、2番目と5番目との支柱15を補助支柱39に置き換えることによってシリンダヘッド1を安定的に支持し、それから両端のバルブガイド9,10を抜くことができる。
【0040】
他方、図8(B)に示す例では、バルブガイド9,10を抜き外してから、ストッパーピン40をシリンダヘッド1のバルブガイド圧入穴11,12と支柱15の中空穴34とに挿入することにより、バルブガイド9,10が抜かれた支柱15によってシリンダヘッド1の姿勢を保持している。この場合、ストッパーピン40にバルブシート7,8との嵌合部40aを設けておくと、姿勢保持機能を向上できて好適である。
【0041】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、バルブガイドの配置ピッチが異なる複数機種に対応する手段としては、支柱をねじ込みできるタップ穴が形成された支持板を各機種ごとに用意しておき、支持板をテーブルに付け替えることも可能である。機種によってバルブガイドの外径が異なる場合は、その外径に対応して支柱を用意しておくことになる。
【0042】
プッシュロッドの駆動は、油圧の他に空圧やモータ等の他の動力も使用できる。或いは、手動ハンドルによって昇降させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本願発明は、シリンダヘッドのバルブガイド抜き取り装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 シリンダヘッド
3,4 バルブ配置穴
5 吸気ポート
6 排気ポート
7,8 バルブシート
9,10 バルブガイド
11,12 バルブガイド圧入穴
14 バルブガイド抜き取り装置
15 支柱
16 テーブル
17 側枠
18 上ステー
19 油圧シリンダ
20 プランジャ
22a プッシュロッド
27 蟻溝
28 スライダ
34 中空穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8