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  • 特開-リザーブタンク装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128752
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】リザーブタンク装置
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/00 20060101AFI20240913BHJP
   F01P 11/04 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
F01P11/00 C
F01P11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037927
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 禎朗
(57)【要約】
【課題】車両用ラジエータのリザーブタンク装置において、車両の走行に際して冷却水が跳ね上がって漏水することを防止する。
【解決手段】リザーブタンク装置13は、ファンシュラウド3の1つの下コーナー部後面に配置されるタンク本体14と、ファンシュラウド3の上端部に配置される注水口15と、両者を繋ぐ注水ホース16とで構成されている。注水口15とタンク本体14とは分離しているため、設計の自由性が高い。注水ホース16は曲がっているため、タンク本体14の内部で冷却水が跳ね上がっても、注水口15まで到達し難い。このため冷却水の漏洩を防止できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形のファンシュラウドの1つの下コーナー部の前面部又は後面部に配置されるタンク本体と、前記タンク本体の上方に当該タンク本体と分離して配置された注水口と、前記注水口とタンク本体とに接続された注水ホースと、を有しており、
前記注水ホースは少なくとも1つの曲がり部を有している、
リザーブタンク装置。
【請求項2】
前記タンク本体の下面に、当該タンク本体とラジエータのアッパタンクとを連通させる連通ホースの下端が接続される通水ポートを設けている、
請求項1に記載したリザーブタンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エンジンの運転に際して冷却水の水位を所定範囲に維持するために使用されるリザーブタンク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リザーブタンク装置はラジエータに併設されており、形状や配置位置について多くの提案が成されている。その例として特許文献1には、ファンシュラウドが四角形で中央部に円形の通風穴が開口している形態を有効利用すべく、リザーブタンクを上下に細長い形態に形成して、ファンシュラウドの前面のうち通風穴の外側に配置して、リザーブタンクの上端に注水パイプを一体に設けて、注水パイプの上端にキャップ付きの注水口を一体に設けることが開示されている。
【0003】
また、リザーブタンクとラジエータのアッパタンクとは連通ホースを介して連通しており、冷却水がリザーブタンクとアッパタンクとの間に行き来することにより、エンジンを巡る冷却水の量が適正に維持されるが、特許文献1では、リザーブタンクの下部に横向きの通水ポートを設けて、この通水ポートに連通ホースの下端を横から嵌め込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-114702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ファンシュラウドのデッドスペースを有効利用できるとは云えるが、リザーブタンクと注水パイプと注水口とが一体になっていると、注水口には水位維持の点から必要な高さがあることから、リザーブタンクは相当に細くせざるを得ず、すると、自動車用のラジエータに適用した場合、リザーブタンクに溜まっている冷却水が車両の動きによって注水口に向けて跳ね上げられて、注水口に設けた空気抜き穴から漏水しやすくなるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1のように全体が一体の構成では、注水口の位置も一義的に決まってしまうため、他の部材との関係で位置を変更したいという要望に応えることはできず、このため、ラジエータ周りでの部材の配置について設計の自由性が悪いという問題もある。
【0007】
更に、リザーブタンクの冷却水を抜きとって交換することが行われており、この場合、リザーブタンクから連通ホースを抜き取って冷却水を全て排出できると好適であるが、特許文献1では、連通ホースが接続された通水ポートはリザーブタンクの下面よりも上に位置しているため、連通ホースを外しても冷却水を完全に抜き取ることはできず、従って、冷却水を完全に抜き取るにはリザーブタンク装置の全体を取り外さなければならず、これには多大の手間を要することになる。
【0008】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、改良されたリザーブタンク装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明のリザーブタンク装置は、
「四角形のファンシュラウドの1つの下コーナー部の前面部又は後面部に配置されるタンク本体と、前記タンク本体の上方に当該タンク本体と分離して配置された注水口と、前記注水口とタンク本体とに接続された注水ホースと、を有しており、
前記注水ホースは少なくとも1つの曲がり部を有している」
という構成になっている。
【0010】
本願発明は様々に展開できる。その例として請求項2では、
「前記タンク本体の下面に、当該タンク本体とラジエータのアッパタンクとを連通させる連通ホースの下端が接続される通水ポートを設けている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0011】
本願発明では、タンク本体と注水口とは分離して注水ホースで接続されているため、タンク本体と注水口はそれぞれ最適な位置に配置できる。従って、他の部材と干渉しないように位置を任意に設定可能であり、従って、ラジエータ周りでの設計の自由性を向上できる。
【0012】
また、注水ホースは曲がっているため、自動車用のリザーブタンク装置に適用した場合、車体の動きによってタンク本体の内部で冷却水の跳ね上がり現象が生じても、注水ホースの曲がり部が冷却水の上昇動に対する抵抗になって、冷却水が注水口に至ることを防止できる。従って、冷却水が注水口の空気抜き穴から漏洩することを防止できる。
【0013】
更に述べると、特許文献1では全体が一体の構成であることから、リザーブタンクは上下に細長い形状にせねばならず、このためリザーブタンクの水位が高くなって、リザーブタンク内で跳ね上がった冷却水が注水口に向かいやすくなっているが、本願発明では、タンク本体は注水口の影響を受けることなく形状と配置位置を設定できるため、ファンシュラウドのできるだけ下端に寄せて高さも低くすることが可能であり、従って、水位をできるだけ低くして、冷却水が跳ね上がっても注水口に至るほどの運動エネルギが生じないようにすることが可能である。
【0014】
このように、タンク本体から冷却水が上向きに跳ね上がることを抑制できることに加えて、注水ホースが冷却水の上昇に対する抵抗になっていることにより、冷却水が注水口に至ることを防止できるのであり、このようなダブル効果によって冷却水の漏洩を的確に阻止できる。
【0015】
請求項2の構成を採用すると、通水ポートはタンク本体の下面に設けているため、連通ホースを抜き外すと冷却水の全量を通水ポートから下方に排出できる。従って、タンク本体の取り外しのような手間を掛けることなく、冷却水の交換を行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態を含むラジエータの略背面図(僅かに上から見ている)である。
図2】実施形態の分離斜視図である。
図3】(A)はタンク本体と連通ホースとの分離斜視図、(B)はタンク本体の平面図、(C)はタンク本体の底面図である。
図4】(A)はリザーブタンク装置の背面図、(B)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用のラジエータのリザーブタンク装置に適用している。本願では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、自動車の進行方向を前として、前後・左右を定義している。すなわち、前後・左右は運転者から見た方向である。
【0018】
(1).基本構造
図1,2に示すように、ラジエータ1は、背面視(及び正面視)四角形で略中央部に円形の通風穴2が開口したファンシュラウド3を備えており、ファンシュラウド3の上端に左右長手のアッパタンク4が固定されて、ファンシュラウド3の下端に左右長手のロアタンク5が固定されている。なお、ラジエータ1は、エンジンの左前方又は右前方に配置されている。
【0019】
ファンシュラウド3における通風穴2の内部には、円形のブラケット6が放射姿勢の多数本のステー7を介して配置されており、ブラケット6に固定した電動モータ(図示せず)の主軸に、ファン(リングファン)8が取り付けられている。なお、図2において符号9で示すのは、モータに接続された電源ケーブルであり、電源ケーブル9の先端にはコネクタ10を設けている。
【0020】
図示していないが、ファン8の前又は後ろには、アッパタンク4とロアタンク5とに連通した多数本の縦長チューブが配置されている。図1のとおり、アッパタンク4の後面の一部に冷却水送りパイプ11が接続されて、ロアタンク5には、図示しない冷却水戻りパイプが接続されている。
【0021】
例えば図2に示すように、ファンシュラウド3の通風穴2は後ろ向きに突出した円筒体12で囲われており、円筒体12の左側にリザーブタンク装置13が配置されている。リザーブタンク装置13は、ファンシュラウド3の右下コーナー部の後面に配置されたタンク本体14と、概ねアッパタンク4の左端部の後ろ部位に配置された注水口15と、両者を繋ぐ注水ホース16とを備えている。
【0022】
また、図1に示すように、アッパタンク4のうち概ね左右中間部の後面に円筒形のインレットパイプ17が前向きに突設されて、インレットパイプ17から上向き筒部19が突出しており、上向き筒部19に左向きに突設した上通水ポート20と、タンク本体14の下面に設けた下向きの下通水ポート21(図3(A)参照)とに、連通ホース22が接続されている。
【0023】
連通ホース22の一部は、ファンシュラウド3の円筒体12を巻くように配置されており、図示しない押さえ具によってファンシュラウド3に固定されている。そして、連通ホース22のうちファンシュラウド3の円筒体12から立ち上がった上部が、横向きに姿勢を変えて上通水ポート20に嵌め込まれ、連通ホース22のうちファンシュラウド3の円筒体12から下方に垂下した部分は、U形に方向変換してからタンク本体14の下通水ポート21に嵌め込まれている。通水ポート20,21には、図3(A)で示すように抜け止めのための環状突起23を設けている。
【0024】
(2).タンク本体
図3に示すように、タンク本体14は、概ねファンシュラウド3の左側辺とロアタンク5と円筒体12とで囲われたコーナー部に配置されており、そこで、外周面として、縦長外側面14aと下面14b、及び、ファンシュラウド3の円筒体12と密接する湾曲内側面14cとを有しており、縦長外側面14aと湾曲内側面14cとは細幅の上面14dで繋がって、上面14dの前端部に、注水ホース16の下端が接続される上向き注水ポート24を突設している。
【0025】
また、タンク本体14の外周面は、下面14bと湾曲内側面14cとを繋ぐ縦長内側面14eも有している。従って、タンク本体14は、背面視(及び正面視)ではおおまかには五角形になっている。また、タンク本体14のうち縦長外側面14aに寄った部位は後ろ向き張り出し部14fになっている。従って、タンク本体14の後面は段違いになっている。後ろ向き張り出し部14fの面と側面とに、冷却水の上限ライン25と下限ライン26とをリブ状に膨出形成している。なお、タンク本体14は、2つの射出成型品を重ねて溶着することによって中空に作られているが、ブロー成型によって作ることも可能である。
【0026】
図2に示すように、タンク本体14の取り付け手段として、まず、タンク本体14の下面からボス体27を下向きに突設する一方、ファンシュラウド3の下部に、タンク本体14の下面に位置した水平部28aを有する側面視L形の支持ブラケット28をボルト29で固定して、支持ブラケット28の水平部28aに装着したリング状グロメット(弾性体)30にボス体27を弾性に抗して差し込んでいる。
【0027】
更に、タンク本体14の縦長内側面14eに平面視L形の連結ブラケット31を取り付けて、連結ブラケット31の左右長手片31aをファンシュラウド3の台座部32にビス32aで固定している。図3に示すように、連結ブラケット31の後部には下向きに切り開かれた嵌合溝33が形成されている一方、タンク本体14の縦長内側面14eには、平面視茸形の係合突起34を設けて、連結ブラケット31の嵌合溝33を係合突起34の窄まり部に嵌め込み、更に、連結ブラケット31の上向き動は、タンク本体14の縦長内側面14eに設けたストッパー35で阻止している。
【0028】
従って、連結ブラケット31は、自身の弾性変形とタンク本体14の弾性変形を利用して、タンク本体14に取り付けられている。そして、タンク本体14の下部は、ボス体27と支持ブラケット28とによって水平方向の移動が阻止されて、連結ブラケット31により、水平動と上向き動とが阻止されている。
【0029】
更に、タンク本体14の上端に設けた上向き注水ポート24に注水ホース16が嵌め込まれてバンド36で縛り固定されているが、バンド36の直上部が、ファンシュラウド3に取り付けられた回動式のクランプ体37によって掴持されている。このように、タンク本体14は上下の3箇所でファンシュラウド3に固定されている。図2及び図3(A)に示すように、タンク本体14の湾曲内側面14cには、連通ホース22を保持する鉤片38を設けている。
【0030】
(3).注水口
図4から理解できるように、注水口15は上向きに開口した円筒状の形態であり、上端には回転式のキャップ39が装着されている。キャップ39にはこれを回転させるためのレバー40が設けられており、レバー40に指を当てて回転させると、キャップ39を着脱できる。また、キャップ39には起こすに際して指を掛けるタブ39aを設けている。レバー40は中空になっており、空気抜き穴を兼用している。
【0031】
注水口15の下端に背面視で左下方に向けて突出した下向き注水ポート41を設けて、これに注水ホース16の上端を嵌め込んでいる。注水ホース16の上端も、バンド36で下向き注水ポート41に固定されている。図4(B)のとおり、下向き注水ポート41は平面視では左前方向に向いている。従って、注水ホース16はファンシュラウド3の左側方に膨れた状態になっている。上から順に、第1~第4の4カ所の曲がり部42a~42dが存在しており、従って、注水ホース16は前後左右上下の各方向に立体的に曲がっている。
【0032】
注水ホース16は可撓性を有する構造でもよいが、曲がった形態を保持できる準剛性構造であるのが好ましい。いずれにしても、押し広げて注水ポート24,41に嵌め込みできる弾性を有している。
【0033】
注水口15は、例えば図2に示す上ブラケット43を介してファンシュラウド3に取り付けられている。上ブラケット43は、平面視で左右長手の基板43aと、これから平面視で左前向きに延びる側片43bと、基板43aの下端に設けた下向き片43cとを有しており、下向き片43cがファンシュラウド3の上部に設けた受け座44にボルト45で固定されている。
【0034】
上ブラケット43の基板43aには下部を細幅の挟持部46aと成した係合穴46が空けられており、注水口15の前面に設けた逆凸形の係合突起47(図4(B)参照)のくびれ部を挟持部46aに落とし込むことにより、注水口15が上ブラケット43に取り付けられている。上ブラケット43の基板43aと側片43bは、例えば車体フレームに設けたラジエータサポートに固定できる。この場合、図4(B)に示すように、側片43b(及び基板43a)に水平状の取り付け片48を溶接によって固定して、取り付け片48をラジエータサポートにボルトで固定できる。基板43aは、ラジエータサポートにボルトで直接固定することも可能である。
【0035】
(4).まとめ
以上の構成において、タンク本体14と注水口15は別部材として分離して注水ホース16で接続されているため、タンク本体14と注水口15とはそれぞれ最適な位置に配置できる。従って、他の部材と干渉しないように位置を任意に設定可能であり、従って、ラジエータ周りでの設計の自由性を向上できる。注水ホース16は変形するため、注水口15の位置の変更にも問題なく適応できる。
【0036】
車体の上下動や前後・左右の揺れによってタンク本体14の冷却水が上向きに跳ね上がる現象が生じるが、本実施形態では、まず、上向き注水ポート24がタンク本体14の前部にずれていることにより、注水ホース16に向けて上昇動する冷却水の量が抑制される。また、タンク本体14は、ファン(リングファン)8の回転中心よりも低いエリアに配置されて下膨れ形状になっているため、冷却水が高く跳ね上がることを抑制できる。
【0037】
更に、注水ホース16は、タンク本体14と注水口15との間で4段階に曲がって外側に膨れているため、跳ね上がった冷却水は各曲がり部42d~42aにおいて上昇動に対して抵抗を受けて、注水口15まで到達することは殆ど困難になる。
【0038】
更に述べると、車体の揺れやバウンドが緩い場合は、タンク本体14での冷却水の跳ね上がり量は小さいため注水口15まで到達することはない一方、車体が大きくバウンドすると冷却水の跳ね上がり運動量は大きくて流速も速くなるが、流速が速くなると流れ抵抗が増大するため注水口15に到達し難くなり、いずれにしても、注水ホース16が曲がっていることにより、タンク本体14で冷却水の跳ね上がりが発生しても注水口15には到達し難くて、冷却水の漏洩を的確に防止できる。
【0039】
また、タンク本体14の上向き注水ポート24はタンク本体14の前部にオフセットされているため、タンク本体14の内部で冷却水の跳ね上がりが発生しても、跳ね上がった冷却水の大部分はタンク本体14の上面に当たって戻り、上向き注水ポート24に向かうのは冷却水の一部だけであり、この面でも冷却水が注水口15に至ることを防止できる。
【0040】
更に、冷却水は注水口15の空気抜き穴から漏洩するが、冷却水が勢い良く注水ホース16を上昇すると空気は圧縮されて空気抜き穴から逃げにくくなるため、冷却水の動圧が自身の上昇動を抑制するように作用する。すなわち、注水ホース16に充満した空気が冷却水の上昇を抑制するように作用する。この面でも、冷却水の漏洩を防止できる。
【0041】
下通水ポート21はタンク本体14の下面に設けているため、連通ホース22を下通水ポート21から抜き取ると、タンク本体14から冷却水の全量を抜き取ることができる。従って、タンク本体14を取り外すことなく冷却水の交換を行える。
【0042】
実施形態のように連通ホース22をタンク本体14に保持しておくと、連通ホース22とリザーブタンク装置13とを1つにユニット化しておけるため、車体への組み付け作業を能率よく行える利点がある。また、実施形態のように、タンク本体14の下部をボス体27と連結ブラケット31との2カ所でファンシュラウド3に取り付けつつ、注水ホース16の下端部をクランプ体37で掴持すると、下膨れ形状のタンク本体14を3点支持状態で安定良く保持できる。
【0043】
図3(A)に点線で示すように、タンク本体14の内部の上部に、跳ね上がった冷却水が上向き注水ポート24に向かうことを防止しつつ冷却水の流下は妨げない邪魔板49を配置することも可能である。この場合は、冷却水の漏洩を確実に防止できると云える。なお、邪魔板49はタンク本体14の前面と直交した姿勢になっている。
【0044】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えばタンク本体は、後ろ向き張り出し部14fを持たない前後等幅に形成することも可能である。注水ホースは螺旋状に曲がっていてもよい。注水口は、ファンシュラウドに直接固定してもよい。タンク本体やホース類は通風穴の右側に配置してもよいし、タンク本体及びホース類をファンシュラウドの前面部に配置することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明は、ラジエータのリザーブタンク装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 ラジエータ
2 通風穴
3 ファンシュラウド
4 アッパタンク
5 ロアタンク
8 ファン
11 冷却水送りパイプ
13 リザーブタンク装置
14 タンク本体
14b 下面
15 注水口(注水部、注水部材)
16 注水ホース
17 インレットパイプ
20 上通水ポート
21 下通水ポート
22 連通ホース
24 上向き注水ポート
27 ボス体
28 支持ブラケット
31 連結ブラケット
32 台座部
39 キャップ
41 下向き注水ポート
42a~42d 曲がり部
43 上ブラケット
図1
図2
図3
図4