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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128762
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/42 20060101AFI20240913BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240913BHJP
   G01S 13/06 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G01S13/42
G01S7/02 216
G01S13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037945
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩出 彩花
(72)【発明者】
【氏名】小澤 尚志
(72)【発明者】
【氏名】松浦 圭記
(72)【発明者】
【氏名】川上 莉穂
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC13
5J070AC20
5J070AD06
5J070AD10
5J070AE09
5J070AH04
5J070AH31
5J070AH35
5J070AK15
5J070AK22
5J070AK28
5J070BE03
5J070BG09
(57)【要約】
【課題】人物の人数の過検知を抑制する。
【解決手段】処理装置は、測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信部と、複数の反射信号に基づいて、測定範囲内の少なくとも1人の人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得部と、複数のバイタル信号間の類似度を算出する算出部と、類似度に基づいて、複数のバイタル信号が1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが複数の人物のうちの何れの人物に関する信号であるか、を決定する決定部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信部と、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得部と、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出部と、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定部と、
を備える処理装置。
【請求項2】
前記決定部の決定結果に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物の人数を推定する推定部を備える、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
複数の前記バイタル信号の波形をクラスタリングすることで複数の波形群を生成し、複数の前記波形群の各代表波形を選択する選択部を備え、
前記算出部は、前記各代表波形を用いて複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
複数の前記反射信号に基づいて、複数の前記反射信号の到来方位および前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物までの距離を算出し、算出した前記到来方位および前記距離を用いて少なくとも一つの候補領域を特定する候補領域特定部を備え、
前記取得部は、複数の前記反射信号に基づいて、少なくとも一つの前記候補領域に対応する複数の前記バイタル信号を取得し、
前記算出部は、少なくとも一つの前記候補領域に対応する複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記類似度は、複数の前記バイタル信号間の相関係数である、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記相関係数は、正の値及び負の値を有する、
請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、複数の前記バイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の前記相関係数の絶対値が閾値以上である場合、前記第1バイタル信号及び前記第2バイタル信号が同一人物に関する信号であると決定する、
請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
処理装置が実行する処理方法であって、
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信ステップと、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得ステップと、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出ステップと、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定ステップと、
を有する処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信ステップと、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得ステップと、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出ステップと、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1方向に位置する物体と第2方向に位置する物体とが同一であるか否かを判別する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定範囲内の人物で反射した信号を受信し、受信した信号から抽出したバイタル信号に基づいて、人物の人数を推定し、推定した人数分のバイタル指標(バイタル信号の時系列データ)を出力することが行われている。しかし、例えば、受信した信号に人物の虚像の信号が混じると、人物の人数の過検知が発生するという課題がある。人物の人数の過検知が発生すると、実際の人数よりも推定された人数が多くなり、バイタル指標の出力が誤って行われる場合がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、人物の人数の過検知を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点に係る処理装置は、測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信部と、複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得部と、複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出部と、前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れかの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定部と、を備える処理装置である。
【0007】
処理装置によれば、類似度に基づいて、複数のバイタル信号が1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるか、を決定する。これにより、測範範囲内における人物の人数の過検知を抑制することができる。
【0008】
本発明の一観点に係る処理装置は、前記決定部の決定結果に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物の人数を推定する推定部を備えてもよい。本発明の一観点に係る処理装置は、複数の前記バイタル信号の波形をクラスタリングすることで複数の波形群を生成し、複数の前記波形群の各代表波形を選択する選択部を備え、前記算出部は、前記各代表波形を用いて複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出してもよい。
【0009】
本発明の一観点に係る処理装置は、複数の前記反射信号に基づいて、複数の前記反射信号の到来方位および前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物までの距離を算出し、算出した前記到来方位および前記距離を用いて少なくとも一つの候補領域を特定する候補領域特定部を備え、前記取得部は、複数の前記反射信号に基づいて、少なくとも一つの前記
候補領域に対応する複数の前記バイタル信号を取得し、前記算出部は、少なくとも一つの前記候補領域に対応する複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出してもよい。
【0010】
本発明の一観点に係る処理装置において、前記類似度は、複数の前記バイタル信号間の相関係数であってもよい。本発明の一観点に係る処理装置において、前記相関係数は、正の値及び負の値を有してもよい。本発明の一観点に係る処理装置において、前記決定部は、複数の前記バイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の前記相関係数の絶対値が閾値以上である場合、前記第1バイタル信号及び前記第2バイタル信号が同一人物に関する信号であると決定してもよい。
【0011】
なお、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む処理方法や、上記処理の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。上記構成および処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、人物の人数の過検知を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、処理装置の構成例を模式的に示す図である。
図2図2は、処理装置の概略構成を示す図である。
図3図3は、処理装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、処理装置の処理フローの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、候補領域の一例を示す図である。
図6図6は、複数のバイタル信号の空間分布を示す図である。
図7図7A図7Dは、複数の波形群から選択された各代表波形を示す図である。
図8図8は、複数のバイタル信号間の相関係数を示す図である。
図9図9は、複数のバイタル信号の空間分布を示す図である。
図10図10A図10Cは、複数の波形群から選択された各代表波形を示す図である。
図11図11は、複数のバイタル信号間の相関係数を示す図である。
図12図12は、ピアソンの積率相関係数を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適用例及び実施形態について図を参照しながら説明する。以下に示す適用例及び実施形態は、本願の一態様であり、本願の権利範囲を限定するものではない。
【0015】
<適用例>
図1は、本発明が適用された処理装置100の構成例を模式的に示す図である。図1に示す構成例では、部屋10内に設置されたベッド20の上に測定対象である3人の人物31、32が並んでいる。また、部屋10内には、処理装置100が配置されている。処理装置100は、ベッド20上の測定対象の人物31、32に信号を送信し、いわゆる非接触のセンシングを行う。測定対象の人物31、32に送信される信号の周波数としては、ミリ波レーダに用いられる30GHz~300GHzの周波数帯の周波数が挙げられるが、光、電波、音波、超音波など、これ以外の周波数帯の周波数が採用されてよい。
【0016】
図2は、処理装置100の構成例を示す図である。処理装置100は、送受信装置111と、制御装置112と、記憶装置113と、出力装置114とを備える。送受信装置1
11は、測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する信号受信部として機能する。例えば、送受信装置111は、図1に示す人物31、32に対する信号の送受信を行う。処理装置100の測定範囲は、例えば、図1に示すベッド20上の所定範囲であるが、この所定範囲に限定されない。制御装置112は、測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号に基づいて、測定範囲内の少なくとも1人の人物に関する複数のバイタル信号を取得する。記憶装置113は、送受信装置111が受信した信号データや、制御装置112が実行する処理において使用されるデータや生成されるデータなど、種々のデータを記憶する。出力装置114は、制御装置112が実行した処理の結果に応じてユーザに通知したり、外部の装置に処理結果に関するデータを出力したりする。なお、出力装置114は、各種無線通信や有線通信など種々の通信方法によって外部の装置に処理結果に関するデータを出力することができるように構成されてもよい。
【0017】
処理装置100は、電波レーダ、超音波センサ、音波センサなどの信号の送受信手段を用いて測定範囲内における少なくとも1人の人物に対して非接触のセンシングを行い、人物の複数のバイタル信号を取得し、複数のバイタル信号間の類似度を算出する。処理装置100は、類似度に基づいて、複数のバイタル信号が1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるか、を決定する。これにより、測範範囲内における人物の人数の過検知を抑制することができ、測範範囲内の人物の人数を正確に推定することが可能となる。
【0018】
<実施形態の説明>
本件開示の技術の一実施形態について説明する。本実施形態では、一例として、図1に示すように部屋10に処理装置100とベッド20が配置され、ベッド20に複数の人物31、32が横たわり、測定対象の各人物のバイタル信号を処理装置100によって取得する場合を想定する。ここでは、取得するバイタル信号は測定対象の人物の呼吸に関する呼吸信号を想定するが、取得するバイタル信号は、測定対象の人物の心拍に関する心拍信号であってもよい。
【0019】
図3は、一実施形態に係る処理装置100の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、処理装置100において、送受信装置111は、測定範囲内に信号を送信する送信部121と、測定範囲内における少なくとも1人の人物で反射した複数の信号を受信する受信部122とを有する。制御装置112は、演算部131と、信号加算部132と、候補領域特定部133と、信号取得部134と、選択部135と、算出部136と、決定部137と、推定部138とを有する。
【0020】
制御装置112は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含み、処理装置100内の各部の制御や、各
種の処理などを行う。記憶装置113は、制御装置112で実行されるプログラムや、制御装置112において実行される処理で使用される各種データなどを記憶する。例えば、記憶装置113は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。記憶装置113は、着脱可能な記憶媒体によって実現される場合も有り得る。出力装置114は、制御装置112によって生成されたデータを、表示装置300に出力する。表示装置300の一例としては、ディスプレイや情報処理端末(スマートフォンなど)が挙げられる。なお、制御装置112によって生成されたデータは、記憶装置113に記憶されて、任意のタイミングで出力装置114から表示装置300に出力されてもよい。出力装置114は、例えばネットワークカード等の通信装置によって実現される通信インターフェースであってもよい。
【0021】
また、本実施形態では処理装置100と表示装置300とは別体の装置であるものとす
るが、処理装置100は表示装置300と一体に構成されてもよい。図3に示す処理装置100の構成要素の全てが必須というわけではなく、適宜、処理装置100の構成要素の追加又は削除がなされてもよい。また、処理装置100の少なくとも一部の機能が、クラウド上のコンピュータによって実現されてもよいし、PLC(Programmable Logic Controller)やシングルボードコンピュータなどのマイクロコンピュータであってもよい。
【0022】
図4は、処理装置100の処理フローの一例を示すフローチャートである。一例として、処理装置100に対して図4の処理フローの開始が指示されることで、図4の処理が実行される。
【0023】
ステップS101において、送信部121が測定範囲内に信号を送信する。例えば、送信部121は、チャープ信号を送信してもよい。なお、送信部121が送信するチャープ信号の周波数帯域やアップチャープやダウンチャープなどの送信方式は適宜設定されてよい。ここでは、一例として、FMCW(周波数連続変調)方式で、2つの送信アンテナ及び4つの受信アンテナを用いることを想定する。例えば、測定範囲内に人物31、32が存在する場合、受信部122は、測定対象の人物31、32で反射した複数の信号(反射信号)を受信する。また、測定範囲内に人物31が存在する場合、受信部122は、測定対象の人物31で反射した複数の信号を受信する。したがって、受信部122は、測定範囲内における少なくとも1人の人物で反射した複数の信号を受信する。受信部122が受信する信号は、呼吸運動に起因する信号と、呼吸運動に起因しない信号とを含む。
【0024】
次に、ステップS102において、信号加算部132は、送信部121が送信した信号と受信部122が受信した反射信号の差分から得られるIF信号を足し合わせることで信号加算を実行する。
【0025】
ステップS103において、演算部131は、信号の送受信の実行回数が既定回数以上であるか否かを判定する。信号の送受信の実行回数が既定回数以上である場合(S103:YES)、処理がステップS104に進む。信号の送受信の実行回数が既定回数に満たない場合(S103:NO)、処理がステップS101に戻る。なお、信号の送受信の既定回数は、適宜決定されてよい。規定回数が「1」である場合、ステップS103が省略され、処理がステップS104に進む。
【0026】
ステップS104において、演算部131は、ステップS102で加算された信号を用いて、送受信装置111(処理装置100)からチャープ信号が反射した位置(測定位置)までの距離を算出する。具体的には、演算部131は、ステップS102で信号加算されたIF信号をAD変換後、フーリエ変換(FFT)を行って得られる異なる周波数スペクトルに基づいて、送受信装置111から測定位置までの距離を算出する。例えば、演算部131は、測定範囲内の少なくとも1人の人物までの距離を算出する。また、ステップS104において、演算部131は、ステップS102で加算された信号を用いて、送受信装置111(処理装置100)に対する測定位置の方位(角度)を算出する。具体的には、演算部131は、受信部122の複数のアンテナ間の受信信号の位相差から受信信号の到来方位を算出する。例えば、演算部131は、複数の反射信号の到来方位を算出する。
【0027】
ステップS105において、演算部131は、ステップS104で算出した距離及び方位を基に、受信部122が受信した複数の反射信号の空間分布に関する情報を生成する。次に、ステップS106において、候補領域特定部133は、空間分布に関する情報を基に測定範囲内の人物の候補領域を特定する。このように、候補領域特定部133は、測定範囲内の少なくとも一つの候補領域を特定する。図5は、空間分布に関する情報を基に特定される候補領域の一例を示す。なお、ここでは候補領域51、52が測定範囲内の人物
31、32に対応している。
【0028】
ステップS107において、信号取得部134は、ステップS106で特定された候補領域51、52ごとに、ステップS102で加算された信号を用いて、呼吸波形を示すバイタル信号を取得する。例えば、信号取得部134は、測定範囲内の人物の候補領域に対応しているバイタル信号を取得し、測定範囲内の人物の候補領域に対応していないバイタル信号を取得しない。このように、信号取得部134は、複数の反射信号に基づいて、測定範囲内の人物の候補領域に対応する複数のバイタル信号を取得する。信号取得部134が、測定範囲内の人物の候補領域に対応する複数のバイタル信号を取得することで、取得するバイタル信号の数を減らすことができ、後述する複数のバイタル信号間の類似度の算出処理の負荷を軽減することができる。
【0029】
受信部122が受信した反射信号は、呼吸運動に起因しない信号も含まれている。呼吸運動に起因しない信号として、例えば、ベッドや壁などの静止物、人の微妙な動き、ファンの振動、ペットやロボットの動きに基づく信号などが挙げられる。信号取得部134は、受信部122が受信した反射信号から呼吸運動に起因しない信号を取り除くことで、受信部122が受信した反射信号から呼吸運動に起因する信号であるバイタル信号(呼吸信号)のみを取り出す。信号取得部134は、例えば、反射波の信号強度、位相変動量、振幅変動量、位相の繰り返し性、周波数などの特徴に基づいて、呼吸運動に起因しない信号の除外やバイタル信号の抽出を行う。
【0030】
ステップS108において、演算部131は、バイタル信号に基づいて、バイタル信号の波形数を算出する。受信部122は、測定範囲内の複数の箇所で反射した反射信号を受信するので、演算部131は、測定範囲内の複数の箇所で反射した反射信号に基づいて、バイタル信号の波形を求め、バイタル信号の波形数を算出する。例えば、演算部131は、測定範囲内の複数の箇所から20秒間のバイタル信号の波形を取得する。演算部131は、測定範囲内の複数の箇所から取得したバイタル信号の波形の数をカウントすることで、バイタル信号の波形数を算出する。
【0031】
ステップS109において、選択部135は、複数のバイタル信号の波形をクラスタリングすることで複数の波形群を生成する。具体的には、選択部135は、ステップS104で算出した距離及び方位を基に、バイタル信号の位置情報を算出し、ステップS108で得られたバイタル信号の波形を基に、バイタル信号の周波数を算出する。選択部135は、バイタル信号の位置情報及び周波数に基づいて、複数のバイタル信号の波形をクラスタリングすることで複数の波形群を生成する。選択部135は、例えば、k平均クラスタリング(Kmeans Clustering)のアルゴリズムを用いて、複数のバイタル信号の波形をク
ラスタリングしてもよい。これに限定されず、選択部135は、k平均クラスタリング以外のアルゴリズムを用いて、複数のバイタル信号の波形をクラスタリングしてもよい。ステップS110において、選択部135は、複数の波形群の各代表波形を選択する。
【0032】
ステップS111において、算出部136は、代表波形を用いて複数のバイタル信号間の類似度(一致度)を算出する。複数のバイタル信号間の類似度の一例として、複数のバイタル信号間の相関係数(相互相関係数とも称する。)を用いてもよい。類似度として、相関係数以外の他の指標を用いてもよい。
【0033】
ステップS112において、決定部137は、S111で算出された類似度に基づいて、複数のバイタル信号と測定範囲内の人物との関連性を決定する。具体的には、決定部137は、S111で算出された類似度に基づいて、複数のバイタル信号が測定範囲内の1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが測定範囲内の複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるか、を決定する。ステップS113に
おいて、推定部138は、決定部137の決定結果に基づいて、測定範囲内の人物の人数を推定する。
【0034】
ステップS104における距離の算出処理が省略されてもよい。この場合、ステップS104において、演算部131は、距離の算出を実行せずに、到来方位の算出を行う。また、ステップS104における到来方位の算出処理を省略してもよい。この場合、ステップS104において、演算部131は、到来方位の算出を実行せずに、距離の算出を行う。
【0035】
ステップS108~S110の各処理を省略してもよい。ステップS108~S110の各処理を省略する場合、ステップS107の処理が行われた後、ステップS111の処理が行われる。この場合、ステップS111において、算出部136は、ステップS107で取得した複数のバイタル信号の全てを用いて複数のバイタル信号間の類似度を算出する。算出部136が、代表波形を用いて複数のバイタル信号間の類似度を算出する場合、算出部136の計算処理の負荷が軽減される。一方、算出部136が、ステップS107で取得した複数のバイタル信号の全てを用いて複数のバイタル信号間の類似度を算出する場合、人物の人数の過検知をより抑制することができる。
【0036】
測定範囲内に複数の人物が存在する場合の処理装置100の処理の一例を説明する。受信部122は、測定範囲内の複数の人物で反射した複数の反射信号を受信し、信号取得部134は、複数の反射信号に基づいて、測定範囲内の複数の人物に関する複数のバイタル信号を取得する。演算部131は、複数のバイタル信号間の類似度を算出する。決定部137は、類似度に基づいて、複数のバイタル信号が1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるか、を決定する。図6図8を参照して、測定範囲内に複数の人物が存在する場合の決定部137によって行われる処理の一例を説明する。
【0037】
図6は、複数のバイタル信号の空間分布を示す図である。図7A図7Dは、複数の波形群から選択された各代表波形を示す図である。図7Aの代表波形Aは、図6のエリアA1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図7Bの代表波形Bは、図6のエリアB1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図7Cの代表波形Cは、図6のエリアC1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図7Dの代表波形Dは、図6のエリアD1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図8は、図7A図7Dの代表波形A~Dを用いて算出された複数のバイタル信号間の相関係数を示す図である。ここでは、類似度として、相関係数が用いられており、相関係数は、正の値及び負の値を有する。
【0038】
決定部137は、図8に示す複数の相関係数のそれぞれの絶対値と閾値(Th)とを比較する。ここでは、閾値(Th)は0.8とするが、閾値(Th)はこの値に限定されない。代表波形Aにおけるバイタル信号と代表波形Bにおけるバイタル信号との間の相関係数(-0.2)の絶対値(0.2)は、閾値(Th)未満である。この場合、決定部137は、代表波形Aにおけるバイタル信号及び代表波形Bにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号ではないと決定する。代表波形Aにおけるバイタル信号と代表波形Cにおけるバイタル信号との間の相関係数(-0.1)の絶対値(0.1)は、閾値(Th)未満である。この場合、決定部137は、代表波形Aにおけるバイタル信号及び代表波形Cにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号ではないと決定する。代表波形Aにおけるバイタル信号と代表波形Dにおけるバイタル信号との間の相関係数(0.2)の絶対値(0.2)は、閾値(Th)未満である。この場合、決定部137は、代表波形Aにおけるバイタル信号及び代表波形Dにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号ではない
と決定する。このように、決定部137は、複数のバイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の相関係数の絶対値が閾値未満である場合、第1バイタル信号及び第2バイタル信号が同一人物に関する信号ではないと決定する。
【0039】
代表波形Bにおけるバイタル信号と代表波形Cにおけるバイタル信号との間の相関係数(0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Bにおけるバイタル信号及び代表波形Cにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。代表波形Bにおけるバイタル信号と代表波形Dにおけるバイタル信号との間の相関係数(-0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Bにおけるバイタル信号及び代表波形Dにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。代表波形Cにおけるバイタル信号と代表波形Dにおけるバイタル信号との間の相関係数(-0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Cにおけるバイタル信号及び代表波形Dにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。このように、決定部137は、複数のバイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の相関係数の絶対値が閾値以上である場合、第1バイタル信号及び第2バイタル信号が同一人物に関する信号であると決定する。
【0040】
複数のバイタル信号のうちの一部の信号が同一人物に関する信号でない場合、決定部137は、複数のバイタル信号のそれぞれが測定範囲内の複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるかを決定する。図8の例では、決定部137は、代表波形Aにおけるバイタル信号は、第1の人物に関する信号であり、代表波形B~Dにおける各バイタル信号は、第1の人物と異なる第2の人物に関する信号であると決定する。推定部138は、決定部137の決定結果に基づいて、測定範囲内の人物の人数を2と推定する。
【0041】
測定範囲内に1人の人物が存在する場合の処理装置100の処理の一例を説明する。受信部122は、測定範囲内の1人の人物で反射した複数の反射信号を受信し、信号取得部134は、複数の反射信号に基づいて、測定範囲内の1人の人物に関する複数のバイタル信号を取得する。演算部131は、複数のバイタル信号間の類似度を算出する。決定部137は、類似度に基づいて、複数のバイタル信号が1人の人物に関する信号であるか、又は、複数のバイタル信号のそれぞれが複数の人物のうちの何れかの人物に関する信号であるか、を決定する。図9図11を参照して、測定範囲内に1人の人物が存在する場合の決定部137によって行われる処理の一例を説明する。
【0042】
図9は、複数のバイタル信号の空間分布を示す図である。図10A図10Cは、複数の波形群から選択された各代表波形を示す図である。図10Aの代表波形Eは、図9のエリアE1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図10Bの代表波形Fは、図9のエリアF1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図10Cの代表波形Gは、図9のエリアG1における複数のバイタル信号に対応する波形群から選択された代表波形である。図11は、図10A図10Cの代表波形E~Gを用いて算出された複数のバイタル信号間の相関係数を示す図である。ここでは、類似度として、相関係数が用いられており、相関係数は、正の値及び負の値を有する。
【0043】
決定部137は、図11に示す複数の相関係数のそれぞれの絶対値と閾値(Th)とを比較する。ここでは、閾値(Th)は0.8とするが、閾値(Th)はこの値に限定されない。代表波形Eにおけるバイタル信号と代表波形Fにおけるバイタル信号との間の相関係数(0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Eにおけるバイタル信号及び代表波形Fにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。代表波形Eにおけるバイタル信号と代表波形Gにおけ
るバイタル信号との間の相関係数(-0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Eにおけるバイタル信号及び代表波形Gにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。代表波形Fにおけるバイタル信号と代表波形Gにおけるバイタル信号との間の相関係数(-0.9)の絶対値(0.9)は、閾値(Th)以上である。この場合、決定部137は、代表波形Fにおけるバイタル信号及び代表波形Gにおけるバイタル信号は、同一人物に関する信号であると決定する。このように、決定部137は、複数のバイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の相関係数の絶対値が閾値以上である場合、第1バイタル信号及び第2バイタル信号が同一人物に関する信号であると決定する。
【0044】
複数のバイタル信号のうちの全ての信号が同一人物に関する信号である場合、決定部137は、複数のバイタル信号が測定範囲内の1人の人物に関する信号であると決定する。推定部138は、決定部137の決定結果に基づいて、測定範囲内の人物の人数を1と推定する。
【0045】
例えば、波形データのみで人数の推定を行う場合、波形データに虚像が含まれると人物の人数を過検知してしまう。呼吸の位相波形は正弦波のようなきれいな波形ではない。そのため、周波数に基づいて波形をクラスタリングすると、条件によっては人物の人数を過検知してしまう。また、人物の胸から得られた波形と人物の腹から得られた波形とは微妙に異なり、呼吸に起因する胸のバイタル信号と呼吸に起因する腹のバイタル信号とでは、位相がずれる場合がある。本実施形態によれば、複数のバイタル信号間の類似度に基づいて、複数のバイタル信号が、1人の人物(同一人物)に関する信号であるか、又は、複数の人物に関する信号であるか、を決定するので、人物の人数の過検知を抑制することができる。
【0046】
バイタル信号が縦軸方向に反転すると、相関係数の値は負になる。すなわち、対象のバイタル信号と縦軸方向に反転したバイタル信号との間の相関係数は負の値を有する。「縦軸」は、例えば、図10A図10Cに示すバイタル信号の時間波形の縦軸である。縦軸方向に対称な波形であれば、縦軸方向に反転した波同士の相関係数は正となる。しかしながら、呼吸のようなバイタル信号は縦軸方向に対して対称形でないことがある。このとき、縦軸方向に反転した波形同士の相関係数は負となる。本実施形態では、正の値及び負の値を含む相関係数を用いて、複数のバイタル信号が、1人の人物(同一人物)に関する信号であるか、又は、複数の人物に関する信号であるか、を決定している。具体的には、相関係数の絶対値に基づいて、複数のバイタル信号が、1人の人物(同一人物)に関する信号であるか、又は、複数の人物に関する信号であるか、を決定するので、人物の人数の過検知を抑制することができる。
【0047】
図12は、ピアソンの積率相関係数を説明する図である。算出部136は、図12に示すピアソンの積率相関係数を利用し、対象のバイタル信号を時間的にずらして、対象のバイタル信号と基準のバイタル信号との相関係数(r)を算出してもよい。例えば、演算部131が20秒間のバイタル信号の波形を取得する場合、バイタル信号は、250点の離散データである。算出部136は、離散データを時間的に-10~+10点シフトさせて、合計21個のデータx(s=1~21)を作成する。算出部136は、シフトさせた21個のデータxと基準データyとの相関係数rをそれぞれ算出する。決定部137は、絶対値|r|が最も大きいrを、閾値(Th)との比較用の相関係数rとして用いてもよい。
【0048】
本発明は、上記説明した各構成、各手段、各機能の少なくとも一部を有する処理システムや制御システムとして捉えてもよい。本発明は、上記説明した各処理の少なくとも一部を含む処理方法や制御方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータが上記で説明し
た各処理を実行する方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータに上記で説明した各処理を実行させるためのプログラムとして捉えてもよく、プログラムを、ネットワークを通じて、又は、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体等からコンピュータに提供してもよい。
【0049】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0050】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【0051】
(付記1)
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信部(122)と、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得部(134)と、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出部(136)と、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定部(137)と、
を備える処理装置(100)。
【0052】
(付記2)
前記決定部の決定結果に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物の人数を推定する推定部(138)を備える、
付記1に記載の処理装置(100)。
【0053】
(付記3)
複数の前記バイタル信号の波形をクラスタリングすることで複数の波形群を生成し、複数の前記波形群の各代表波形を選択する選択部(135)を備え、
前記算出部(136)は、前記各代表波形を用いて複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出する、
付記1又は2に記載の処理装置(100)。
【0054】
(付記4)
複数の前記反射信号に基づいて、複数の前記反射信号の到来方位および前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物までの距離を算出し、算出した前記到来方位および前記距離を用いて少なくとも一つの候補領域を特定する候補領域特定部(133)を備え、
前記取得部(134)は、複数の前記反射信号に基づいて、少なくとも一つの前記候補領域に対応する複数の前記バイタル信号を取得し、
前記算出部(136)は、少なくとも一つの前記候補領域に対応する複数の前記バイタル信号間の前記類似度を算出する、
付記1から3の何れか一つに記載の処理装置(100)。
【0055】
(付記5)
前記類似度は、複数の前記バイタル信号間の相関係数である、
付記1から4の何れか一つに記載の処理装置(100)。
【0056】
(付記6)
前記相関係数は、正の値及び負の値を有する、
付記5に記載の処理装置(100)。
【0057】
(付記7)
前記決定部(137)は、複数の前記バイタル信号のうちの第1バイタル信号と第2バイタル信号との間の前記相関係数の絶対値が閾値以上である場合、前記第1バイタル信号及び前記第2バイタル信号が同一人物に関する信号であると決定する、
付記6に記載の処理装置。
【0058】
(付記8)
処理装置(100)が実行する処理方法であって、
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信ステップと、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得ステップと、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出ステップと、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定ステップと、
を有する処理方法。
【0059】
(付記9)
コンピュータに、
測定範囲内の少なくとも1人の人物で反射した複数の反射信号を受信する受信ステップと、
複数の前記反射信号に基づいて、前記測定範囲内の少なくとも1人の前記人物に関する複数のバイタル信号を取得する取得ステップと、
複数の前記バイタル信号間の類似度を算出する算出ステップと、
前記類似度に基づいて、複数の前記バイタル信号が1人の前記人物に関する信号であるか、又は、複数の前記バイタル信号のそれぞれが複数の前記人物のうちの何れの前記人物に関する信号であるか、を決定する決定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0060】
100:処理装置
111:送受信装置
112:制御装置
113:記憶装置
114:出力装置
121:送信部
122:受信部
131:演算部
132:信号加算部
133:候補領域特定部
134:信号取得部
135:選択部
136:算出部
137:決定部
138:推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12