(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128767
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】テープ印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 3/36 20060101AFI20240913BHJP
B41J 15/04 20060101ALI20240913BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J15/04
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037956
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石本 章雄
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 篤史
【テーマコード(参考)】
2C055
2C058
2C060
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C058AB16
2C058AC06
2C058AE04
2C058AF35
2C058AF51
2C058AF63
2C058AF64
2C058LA03
2C058LA13
2C058LA38
2C058LB09
2C058LB36
2C060BC42
2C060BC48
2C060BC84
2C060BC99
(57)【要約】
【課題】検出部から送り出されたテープの先端が、テープ送り経路から逸れてしまうことを抑制することができるテープ印刷装置を提供する。
【解決手段】カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジから送り出されたテープが送られる第2送り経路85と、第2送り経路85においてテープを切断するカッターと、を有するカッターユニット5と、テープが送られる第1送り経路33と、第1送り経路33に向けて検出光を発光する光センサーと、を有し、カートリッジ装着部とカッターユニット5との間に設けられた検出部7と、を備え、第1送り経路33は、第2送り経路85に向けてテープが送り出される第1送出口47、を含み、第1送出口47の幅である第1送出幅Wbは、第2送り経路85のうち、幅が最小となる第2最狭部87における幅である第2最小幅Wdよりも小さい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
前記カートリッジ装着部に装着された前記テープカートリッジから送り出された前記テープが送られる第2送り経路と、前記第2送り経路において前記テープを切断するカッターと、を有するカッターユニットと、
前記テープが送られる第1送り経路と、前記第1送り経路に向けて検出光を発光する光センサーと、を有し、前記カートリッジ装着部と前記カッターユニットとの間に設けられた検出部と、を備え、
前記第1送り経路は、前記第2送り経路に向けて前記テープが送り出される第1送出口、を含み、
前記第1送り経路を送られる前記テープの厚さ方向における前記第1送出口の幅である第1送出幅は、前記第2送り経路のうち、前記第2送り経路を送られる前記テープの厚さ方向における幅が最小となる第2最狭部における幅である第2最小幅よりも小さいことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
前記第1送り経路は、前記カートリッジ装着部に装着された前記テープカートリッジから送り出された前記テープが進入する第1進入口、を含み、
前記第1送り経路を送られる前記テープの厚さ方向における前記第1進入口の幅である第1進入幅は、前記第1送出幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記第1送り経路において前記検出光が通る検出位置で、前記テープの第1テープ面と面する第1検出面と、
前記検出位置で、前記テープの前記第1テープ面とは反対側の第2テープ面と面する第2検出面と、を有し、
前記第1検出面は、前記カートリッジ装着部に装着された前記テープカートリッジのテープ送出口から前記第2送り経路に向かう第1方向に対して、前記第1進入幅が前記第1送出幅よりも大きくなるように傾斜しており、
前記第2検出面の前記第1方向に対する傾斜角度は、前記第1検出面の前記第1方向に対する傾斜角度よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のテープ印刷装置。
【請求項4】
前記検出部は、
前記第1送り経路において前記検出光が通る検出位置で、前記テープの第1テープ面と面する第1検出面と、
前記検出位置で、前記テープの前記第1テープ面とは反対側の第2テープ面と面する第2検出面と、を有し、
前記カッターユニットは、前記第2検出面と面一に設けられたカッター面、を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
【請求項5】
前記カッターユニットは、前記第2最狭部から前記検出部に向かって、前記第2送り経路を送られる前記テープの厚さ方向における前記第2送り経路の幅が拡がるように開いたテープガイド面、を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1が開示するように、媒体アダプター収容部と、媒体アダプター収容部に収容された媒体アダプターから送り出された感熱テープを切断するフルカッターと、媒体アダプター収容部とフルカッターとの間に設けられたフォトセンサーと、を備えた印刷装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートリッジ装着部とカッターユニットとの間に検出部が設けられた構成では、テープが反っていたりテープの先端が変形していたりした場合に、検出部から送り出されたテープの先端が、テープ送り経路から逸れてしまうという不具合が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のテープ印刷装置は、テープを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジから送り出されたテープが送られる第2送り経路と、第2送り経路においてテープを切断するカッターと、を有するカッターユニットと、テープが送られる第1送り経路と、第1送り経路に向けて検出光を発光する光センサーと、を有し、カートリッジ装着部とカッターユニットとの間に設けられた検出部と、を備え、第1送り経路は、第2送り経路に向けてテープが送り出される第1送出口、を含み、第1送り経路を送られるテープの厚さ方向における第1送出口の幅である第1送出幅は、第2送り経路のうち、第2送り経路を送られるテープの厚さ方向における幅が最小となる第2最狭部における幅である第2最小幅よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】テープ印刷装置およびテープカートリッジを+Z方向から見た図である。
【
図6】カッターユニットを+Z方向から見た図である。
【
図7】第1送り経路および第2送り経路を+Z方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を参照して、テープ印刷装置の一実施形態であるテープ印刷装置1について説明する。以下では、各図に示したXYZ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0008】
[テープカートリッジ]
図1に基づいて、テープ印刷装置1に装着されるテープカートリッジ101について説明する。テープカートリッジ101は、プラテンローラー103と、テープロール105と、リボンロール107と、巻取りコア109と、これらを収容したカートリッジケース111とを備えている。
【0009】
テープロール105は、テープコア113と、テープコア113に巻回されたテープ115とを備えている。リボンロール107は、繰出しコア117と、繰出しコア117に巻回されたインクリボン119とを備えている。繰出しコア117から繰り出されたインクリボン119は、巻取りコア109に巻き取られる。カートリッジケース111には、ヘッド挿通孔121が、Z方向に貫通して設けられている。また、カートリッジケース111の-X方向の面には、Z方向に延在するテープ送出口123が設けられている。テープロール105から繰り出されたテープ115は、テープ送出口123からカートリッジケース111外に送り出される。
【0010】
図2に示すように、テープ115は、印刷テープ125と、剥離テープ127とを備えている。印刷テープ125の一方の面は、サーマルヘッド15により印刷画像が印刷される印刷面であり、印刷テープ125の他方の面は、接着剤が塗布された粘着面である。剥離テープ127は、印刷テープ125の粘着面に剥離可能に貼付されている。テープ115は、印刷テープ125が外側となり、剥離テープ127が内側となるように、テープコア113に巻回されている。テープ115の両面のうち、テープロール105において外側となる面を、第1テープ面129という。また、テープ115の両面のうち、テープロール105において内側となる面を、第2テープ面131という。
【0011】
なお、テープカートリッジ101から送り出されたテープ115は、テープコア113に巻回されていた巻き癖により、テープコア113において外側となっていた第1テープ面129が凸となるように反る場合が多い。もっとも、幅の狭いテープ115の場合、長期保管などの影響により、巻き癖とは逆に、第2テープ面131が凸となるように反る場合がある。
【0012】
[テープ印刷装置]
図1に基づいて、テープ印刷装置1について説明する。テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部3と、カッターユニット5と、検出部7とを備えている。
【0013】
カートリッジ装着部3は、+Z方向が開放された凹部である。カートリッジ装着部3には、テープカートリッジ101が着脱可能に装着される。カートリッジ装着部3の底面からは、プラテン軸9と、繰出し軸(図示省略)と、巻取り軸11とが、+Z方向に突出している。カートリッジ装着部3にテープカートリッジ101が装着されると、プラテン軸9、繰出し軸および巻取り軸11が、それぞれ、プラテンローラー103、繰出しコア117および巻取りコア109に挿入される。これにより、テープ印刷装置1に備えられた送りモーター13の回転が、プラテンローラー103、繰出しコア117および巻取りコア109に伝達可能となる。
【0014】
送りモーター13が第1回転方向に回転すると、テープ115がテープ送出口123からカートリッジケース111外へ送り出されると共にインクリボン119が巻取りコア109に巻き取られるように、プラテンローラー103および巻取りコア109が回転する。送りモーター13が第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転すると、テープ115がカートリッジケース111内に引き戻されると共にインクリボン119が繰出しコア117に巻き戻されるように、プラテンローラー103および繰出しコア117が回転する。
【0015】
カートリッジ装着部3には、サーマルヘッド15と、ヘッドカバー17とが設けられている。サーマルヘッド15は、発熱素子(図示省略)を備え、テープ115に印刷を行う。ヘッドカバー17は、サーマルヘッド15を部分的に覆っている。
【0016】
カートリッジ装着部3にテープカートリッジ101が装着されると、サーマルヘッド15およびヘッドカバー17がヘッド挿通孔121に挿通される。続いて、装着部カバー(図示省略)が閉められると、ヘッド移動機構(図示省略)により、サーマルヘッド15がプラテンローラー103に向かって移動する。これにより、サーマルヘッド15とプラテンローラー103との間に、テープ115およびインクリボン119が挟持される。この状態で、送りモーター13が第1回転方向に回転し、プラテンローラー103および巻取りコア109が回転することで、テープ115およびインクリボン119が送られる。このとき、テープ印刷装置1が備えるキーボード(図示省略)への入力結果に基づき作成された印刷データ、或いはパソコンなどの外部装置から受信した印刷データに基づいて、サーマルヘッド15が発熱することで、インクリボン119のインクがテープ115に転写され、印刷画像がテープ115に印刷される。
【0017】
カッターユニット5は、カートリッジ装着部3と、装置ケース19の-X方向の面に設けられたテープ排出口21との間に設けられている。検出部7は、カートリッジ装着部3とカッターユニット5との間に設けられている。すなわち、カートリッジ装着部3、検出部7、カッターユニット5およびテープ排出口21が、+X方向からこの順に設けられている。
【0018】
なお、カートリッジ装着部3からテープ排出口21に至る経路を、テープ送り経路23という。テープ送り経路23は、+Z方向が開放されX方向に延在する溝状に形成されている。テープカートリッジ101から送り出されたテープ115は、テープ115の厚さ方向がY方向となる姿勢で、テープ送り経路23を送られる。すなわち、テープ送り経路23では、テープ115の第1テープ面129が-Y方向を向き、テープ115の第2テープ面131が+Y方向を向く。なお、テープ送り経路23の+Z方向が開放されていることで、ユーザーは、カートリッジ装着部3にテープカートリッジ101を装着するときに、テープ送出口123からカートリッジケース111外に飛び出しているテープ115を、+Z方向からテープ送り経路23に差し入れることが可能である。
【0019】
[検出部]
図3および
図4に基づいて、検出部7について説明する。検出部7は、光センサー25と、センサーホルダー27とを備えている。
【0020】
光センサー25は、透過型の光センサーであり、発光素子29と、受光素子31とを備えている。発光素子29は、受光素子31に向けて検出光を発光する。すなわち、発光素子29は、発光素子29と受光素子31との間に設けられた第1送り経路33に向けて検出光を発光する。受光素子31は、発光素子29に対して+Y方向に設けられ、発光素子29から発光された検出光を受光する。なお、第1送り経路33において検出光が通る位置を、検出位置35という。
【0021】
発光素子29から発光された光が、テープ送り経路23を送られるテープ115により遮られるか否かにより、受光素子31に受光される光量が変化し、光センサー25から出力される電圧或いは電流が変化する。テープ印刷装置1に備えられた制御部(図示省略)は、光センサー25からの出力結果に基づいて、例えば、テープ115の先端が検出位置35を通過したか否か、或いは、テープ115に設けられた検出穴や切欠きが検出位置35を通過したか否かを判断する。
【0022】
センサーホルダー27は、光センサー25を収容している。センサーホルダー27は、略長方形の板状に形成されており、YZ平面に平行な姿勢で設けられている。
【0023】
センサーホルダー27は、第1送り経路33と、第1収容部37と、第2収容部39と、第1突出部41と、第2突出部43とを備えている。
【0024】
第1送り経路33は、センサーホルダー27の+Z方向の端面から-Z方向に延びるスリット状の空間により構成されている。第1送り経路33は、テープ送り経路23の一部を構成している。カートリッジ装着部3に装着されたテープカートリッジ101から送り出されたテープ115は、第1送り経路33を通って、カッターユニット5へ送られる。
【0025】
第1送り経路33は、第1進入口45と、第1送出口47とを備えている。第1進入口45は、第1送り経路33の+X方向の端部であり、第1送出口47は、第1送り経路33の-X方向の端部である。第1進入口45には、カートリッジ装着部3に装着されたテープカートリッジ101から送られてきたテープ115が進入する。第1送出口47からは、カッターユニット5の第2送り経路85(
図7参照)に向けてテープ115が送り出される。
【0026】
第1進入口45の幅を、第1進入幅Waという。本実施形態では、後述する第1検出面49の+X方向の端部と、第3面取り部57の+X方向の端部と、の間のY方向における寸法が、第1進入幅Waに相当する。また、第1送出口47の幅を、第1送出幅Wbという。本実施形態では、第1突出部41の+Y方向の面と、第2突出部43の-Y方向の面と、の間のY方向における寸法が、第1送出幅Wbに相当する。なお、第1送り経路33について「幅」というときは、第1送り経路33を送られるテープ115の厚さ方向すなわちY方向における寸法を意味する。
【0027】
第1進入幅Waは、第1送出幅Wbよりも大きい。このため、テープ115が反っていたりテープ115の先端が変形していたりしたとしても、カートリッジ装着部3に装着されたテープカートリッジ101のテープ送出口123から送り出されたテープ115の先端が、第1進入口45に進入せずに第1送り経路33から逸れてしまうことを、抑制することができる。なお、テープ115の厚さ方向すなわちY方向におけるテープ送出口123の幅Wc(
図7参照)は、第1進入幅Waよりも小さい。これにより、テープ送出口123から送り出されたテープ115の先端が、第1進入口45に進入せずに第1送り経路33から逸れてしまうことを、より効果的に抑制することができる。
【0028】
第1収容部37は、第1送り経路33に対して-Y方向に設けられている。第1収容部37の-Y方向の端部には、発光素子29が収容されている。
【0029】
第2収容部39は、第1送り経路33に対して+Y方向に設けられている。第2収容部39の+Y方向の端部には、受光素子31が収容されている。
【0030】
第1突出部41は、第1収容部37の-X方向且つ+Y方向の端部から、-X方向に向けて突出している。第1突出部41は、第1送り経路33に対して-Y方向に設けられている。
【0031】
第2突出部43は、第2収容部39の-X方向且つ-Y方向の端部から、-X方向に向けて突出している。第2突出部43の突出量は、第1突出部41の突出量よりも小さい。第2突出部43は、第1送り経路33に対して+Y方向に設けられている。第2突出部43は、第1突出部41と共に、第1送り経路33の第1送出口47を構成している。
【0032】
このように、検出部7が第1突出部41および第2突出部43を備えていることで、検出部7が第1突出部41および第2突出部43を備えていない構成に比べ、第1送出口47を第2送り経路85(
図7参照)に近づけることができる。このため、第1送出口47から送り出されたテープ115の先端が、第2送り経路85に進入せずに第2送り経路85から逸れてしまうことを、抑制することができる。
【0033】
また、センサーホルダー27は、第1検出面49と、第2検出面51と、第1面取り部53と、第2面取り部55と、第3面取り部57とを備えている。
【0034】
第1検出面49は、検出位置35において、第1送り経路33を送られるテープ115の第1テープ面129と面する。第1検出面49は、第1収容部37の+Y方向の面により構成されている。第1検出面49には、発光素子29から発光された光が通過する第1検出開口59が設けられている。第1検出面49は、カートリッジ装着部3に装着されたテープカートリッジ101のテープ送出口123から第2送り経路85に向かう方向、すなわち-X方向に対して、第1進入幅Waが第1送出幅Wbよりも大きくなるように傾斜している。すなわち、第1検出面49の+X方向の端部は、第1検出面49の-X方向の端部に対して、-Y方向に位置している。なお、第1検出面49の-X方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、例えば5°以上15°以下である。
【0035】
第2検出面51は、検出位置35において、第1送り経路33を送られるテープ115の第2テープ面131と面する。第2検出面51は、第2収容部39の-Y方向の面により構成されている。第2検出面51には、発光素子29から発光された光が通過する第2検出開口(図示省略)が設けられている。第2検出面51は、-X方向に対して略平行である。すなわち、第2検出面51の-X方向に対する傾斜角度は、略0°である。
【0036】
第2検出面51は、-X方向に対して傾斜していてもよいが、その傾斜角度は、第1検出面49の-X方向に対する傾斜角度よりも小さい。このため、巻き癖により第1テープ面129が凸となるようにテープ115が反っている場合には、第1送り経路33において、テープ115の先端が、第2検出面51と摺接しながら送られる。これにより、テープ115の先端は、検出位置35において第2検出面51と接した位置に位置することになる。このため、検出位置35におけるテープ115の先端の位置が、テープ115の厚さ方向すなわちY方向において均一化される。ゆえに、光センサー25の検出精度を向上させることができる。
【0037】
第1面取り部53は、第1収容部37および第1突出部41の+Y方向且つ+Z方向の角部に設けられている。第1面取り部53は、テープ115がテープ送り経路23に対して差し込まれる方向である-Z方向に対して傾斜している。すなわち、第1面取り部53の+Y方向の端部は、第1面取り部53の-Y方向の端部に対して、-Z方向に位置している。
【0038】
第2面取り部55は、第2収容部39および第2突出部43の-Y方向且つ+Z方向の角部に設けられている。第2面取り部55は、-Z方向に対して傾斜している。すなわち、第2面取り部55の-Y方向の端部は、第2面取り部55の+Y方向の端部に対して、-Z方向に位置している。
【0039】
検出部7が第1面取り部53および第2面取り部55を備えていることで、ユーザーは、カートリッジ装着部3にテープカートリッジ101を装着するときに、テープ送出口123からカートリッジケース111外に飛び出しているテープ115を、+Z方向からテープ送り経路23に容易に差し入れることができる。
【0040】
第3面取り部57は、第2収容部39の+X方向且つ-Y方向の角部に設けられている。すなわち、第3面取り部57は、第1進入口45と第2検出面51との間に位置して、第1送り経路33に対して+Y方向に設けられている。第3面取り部57は、カートリッジ装着部3に向かって、第1送り経路33の幅が拡がるように開いている。換言すれば、第3面取り部57は、-X方向に対して傾斜している。すなわち、第3面取り部57の+X方向の端部は、第3面取り部57の-X方向の端部に対して、+Y方向に位置している。
【0041】
巻き癖により第1テープ面129が凸となるようにテープ115が反っている場合には、テープ送出口123から送り出され、第1送り経路33に対して+Y方向に逸れるように進んだテープ115の先端が、第3面取り部57に当たる。第3面取り部57は、カートリッジ装着部3に向かって、第1送り経路33の幅が拡がるように開いている。このため、第3面取り部57に当たったテープ115の先端は、第3面取り部57により第2検出面51へ案内される。したがって、テープ送出口123から送り出されたテープ115の先端を、第1送り経路33内に進入させることができる。なお、第3面取り部57は、第1送り経路33に対して-Y方向に設けられた構成でもよい。この場合は、第2テープ面131が凸となるようにテープ115が反っている場合に有効である。
【0042】
[カッターユニット]
図5および
図6に基づいて、カッターユニット5について説明する。カッターユニット5は、カッターフレーム61と、カッターモーター63と、フルカッター65と、ハーフカッター67と、可動側スペーサー69と、固定側スペーサー71を備えている。また、カッターユニット5には、第2送り経路85が設けられている。
【0043】
カッターフレーム61は、カッターモーター63、フルカッター65、ハーフカッター67、可動側スペーサー69および固定側スペーサー71を支持する。カッターモーター63は、フルカッター65およびハーフカッター67の駆動源である。
【0044】
フルカッター65は、可動刃73と、可動刃73に対して+Y方向に設けられた固定刃75とを備えている。フルカッター65は、可動刃73が固定刃75に切り込むことで、可動刃73と固定刃75との間に送られてきたテープ115をフルカットする。フルカットとは、テープ115を構成する印刷テープ125および剥離テープ127の双方を切断することを意味する。フルカッター65によるテープ115の切断後、テープ印刷装置1は印刷動作を終了する。
【0045】
なお、テープ115がフルカットされた後、次の印刷動作の開始時には、テープ115の先端と印刷画像との間の余白が、サーマルヘッド15による印刷位置とフルカッター65によるカット位置との間の距離よりも小さくなるように、テープ115が+X方向に送られる。これにより、テープ115の先端がカット位置に対して+X方向に位置する状態、例えばテープ115の先端が印刷位置とテープ送出口123との間に位置する状態となる。その後、テープ115が-X方向に送られ、テープ115に対して印刷が行われる。
【0046】
ハーフカッター67は、フルカッター65に対して、-X方向に設けられている。ハーフカッター67は、切断刃77と、切断刃77に対して+Y方向に設けられた刃受け部材79とを備えている。刃受け部材79は、刃受け面81を備えている。刃受け面81は、切断刃77に対向するようにXZ平面と平行に設けられており、切断刃77の切込みを受ける。
【0047】
刃受け面81は、上記の第2検出面51と面一に設けられている。このため、巻き癖により第1テープ面129が凸となるようにテープ115が反っている場合には、第1送り経路33において、テープ115の先端が第2検出面51と摺接しながら送られた後、第2送り経路85において、テープ115の先端が刃受け面81と摺接しながら送られる。このため、テープ送り経路23におけるテープ115の走行性を向上させることができる。
【0048】
ハーフカッター67は、切断刃77が刃受け部材79に切り込むことで、切断刃77と刃受け部材79との間に送られてきたテープ115をハーフカットする。ハーフカットとは、テープ115を構成する印刷テープ125および剥離テープ127のうち、剥離テープ127を切断することなく、印刷テープ125を切断することを意味する。テープ115がハーフカットされると、印刷テープ125に切れ目133(
図2参照)が形成される。ユーザーは、切れ目133を手掛かりとして、印刷テープ125から剥離テープ127を容易に剥がすことができる。剥離テープ127が剥がされた印刷テープ125は、ラベルとして貼付対象物に貼付される。
【0049】
可動側スペーサー69は、可動刃73と切断刃77との間に設けられている。固定側スペーサー71は、可動側スペーサー69に対して+Y方向に位置しており、固定刃75と刃受け部材79との間に設けられている。可動側スペーサー69の+Y方向の端部には、テープガイド面83が設けられている。
【0050】
テープガイド面83は、後述する第2最狭部87から検出部7に向かって、すなわちテープガイド面83の-X方向の端部から検出部7に向かって、第2送り経路85の幅が拡がるように、開いている。換言すれば、テープガイド面83は、-X方向に対して傾斜しており、テープガイド面83の+X方向の端部は、テープガイド面83の-X方向の端部に対して、-Y方向に位置している。
【0051】
巻き癖とは逆に第2テープ面131が凸となるようにテープ115が反っている場合には、第1送出口47から送り出され、第2送り経路85に対して-Y方向に逸れるように進んだテープ115の先端が、テープガイド面83に当たる。テープガイド面83に当たったテープ115の先端は、テープガイド面83により第2最狭部87へ案内される。したがって、第1送出口47から送り出されたテープ115の先端を、第2送り経路85内に進入させることができる。なお、テープガイド面83は、第2送り経路85に対して+Y方向に設けられた構成でもよい。この場合は、第1テープ面129が凸となるようにテープ115が反っている場合に有効である。
【0052】
第2送り経路85は、可動刃73、可動側スペーサー69および切断刃77と、固定刃75、固定側スペーサー71および刃受け部材79との間に設けられている。すなわち、第2送り経路85に対して-Y方向に、可動刃73、可動側スペーサー69および切断刃77が設けられ、第2送り経路85に対して+Y方向に、固定刃75、固定側スペーサー71および刃受け部材79が設けられている。第2送り経路85は、テープ送り経路23の一部を構成しており、第1送り経路33から送られてきたテープ115は、第2送り経路85を通って、テープ排出口21へ送られる。
【0053】
ここで、第2送り経路85のうち、第2送り経路85の幅が最小となる箇所を、第2最狭部87といい、第2最狭部87の幅を、第2最小幅Wdという。本実施形態では、第2送り経路85のうち、可動側スペーサー69の+Y方向の先端部すなわちテープガイド面83の-X方向の端部と、刃受け部材79の刃受け面81との間が、第2最狭部87に相当する。なお、第2送り経路85について「幅」というときは、第2送り経路85を送られるテープ115の厚さ方向すなわちY方向における寸法を意味する。
【0054】
上記の第1送出幅Wbは、第2最小幅Wdよりも小さい(
図7参照)。したがって、テープ115が反っていたりテープ115の先端が折曲げ等により変形していたりしたとしても、第1送出口47から送り出されたテープ115の先端が、第2最狭部87に進入せずに第2送り経路85から逸れてしまうことを、抑制することができる。
【0055】
以上のように、本実施形態のテープ印刷装置1は、カートリッジ装着部3と、カッターユニット5と、検出部7とを備えている。カートリッジ装着部3には、テープ115を収容したテープカートリッジ101が装着される。カッターユニット5は、第1送り経路33と、フルカッター65およびハーフカッター67を備えている。第1送り経路33は、カートリッジ装着部3に装着されたテープカートリッジ101から送り出されたテープ115が送られる。フルカッター65およびハーフカッター67は、第1送り経路33を送られるテープ115を、それぞれフルカットおよびハーフカットする。検出部7は、第2送り経路85と、光センサー25とを備えている。第2送り経路85は、テープ115が送られる。光センサー25は、第2送り経路85に向けて検出光を発光する。第1送り経路33は、第2送り経路85に向けてテープ115が送り出される第1送出口47を含む。第1送り経路33を送られるテープ115の厚さ方向における第1送出口47の幅を、第1送出幅Wbという。第2送り経路85のうち、第2送り経路85を送られるテープ115の厚さ方向における幅が最小となる箇所を、第2最狭部87といい、第2最狭部87における幅を、第2最小幅Wdという。第1送出幅Wbは、第2最小幅Wdよりも小さい。
【0056】
この構成によれば、テープ115が反っていたりテープ115の先端が折曲げ等により変形していたりしたとしても、第1送出口47から送り出されたテープ115の先端が、第2最狭部87に進入せずに第2送り経路85から逸れてしまうことを、抑制することができる。
【0057】
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。
【0058】
光センサー25は、発光素子29が第1送り経路33に対して-Y方向に設けられ、受光素子31が第1送り経路33に対して+Y方向に設けられた構成に限定されるものではない。例えば、発光素子29が第1送り経路33に対して+Y方向に設けられ、受光素子31が第1送り経路33に対して-Y方向に設けられた構成でもよい。すなわち、発光素子29が第2収容部39に収容され、受光素子31が第1収容部37に収容された構成でもよい。また、光センサー25は、透過型のものに限定されず、反射型のものでもよい。
【0059】
カッターユニット5は、フルカッター65およびハーフカッター67の双方を備えた構成に限定されず、フルカッター65およびハーフカッター67のいずれか一方を備えた構成でもよい。
【0060】
[付記]
以下、テープ印刷装置について付記する。
テープ印刷装置は、テープを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジから送り出されたテープが送られる第2送り経路と、第2送り経路においてテープを切断するカッターと、を有するカッターユニットと、テープが送られる第1送り経路と、第1送り経路に向けて検出光を発光する光センサーと、を有し、カートリッジ装着部とカッターユニットとの間に設けられた検出部と、を備え、第1送り経路は、第2送り経路に向けてテープが送り出される第1送出口、を含み、第1送り経路を送られるテープの厚さ方向における第1送出口の幅である第1送出幅は、第2送り経路のうち、第2送り経路を送られるテープの厚さ方向における幅が最小となる第2最狭部における幅である第2最小幅よりも小さい。
【0061】
この構成によれば、テープが反っていたりテープの先端が変形していたりしたとしても、第1送出口から送り出されたテープの先端が、第2最狭部に進入せずに第2送り経路から逸れてしまうことを、抑制することができる。
なお、フルカッター65は、「カッター」の一例である。ハーフカッター67は、「カッター」の一例である。
【0062】
この場合、第1送り経路は、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジから送り出されたテープが進入する第1進入口、を含み、第1送り経路を送られるテープの厚さ方向における第1進入口の幅である第1進入幅は、第1送出幅よりも大きいことが好ましい。
【0063】
この構成によれば、テープが反っていたりテープの先端が変形していたりしたとしても、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジから送り出されたテープの先端が、第1進入口に進入せずに第1送り経路から逸れてしまうことを、抑制することができる。
【0064】
この場合、検出部は、第1送り経路において検出光が通る検出位置で、テープの第1テープ面と面する第1検出面と、検出位置で、テープの第1テープ面とは反対側の第2テープ面と面する第2検出面と、を有し、第1検出面は、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジのテープ送出口から第2送り経路に向かう第1方向に対して、第1進入幅が第1送出幅よりも大きくなるように傾斜しており、第2検出面の第1方向に対する傾斜角度は、第1検出面の第1方向に対する傾斜角度よりも小さいことが好ましい。
【0065】
この構成によれば、第1テープ面が凸となるようにテープが反っている場合には、第1送り経路において、テープの先端が、第2検出面と摺接しながら送られる。これにより、テープの先端は、検出位置において第2検出面と接した位置に位置することになる。このため、検出位置におけるテープの先端の位置が、テープの厚さ方向において均一化される。ゆえに、光センサーの検出精度を向上させることができる。
なお、-X方向は、「第1方向」の一例である。
【0066】
この場合、検出部は、第1送り経路において検出光が通る検出位置で、テープの第1テープ面と面する第1検出面と、検出位置で、テープの第1テープ面とは反対側の第2テープ面と面する第2検出面と、を有し、カッターユニットは、第2検出面と面一に設けられたカッター面、を有することが好ましい。
【0067】
この構成によれば、第1テープ面が凸となるようにテープが反っている場合には、第1送り経路において、テープの先端が第2検出面と摺接しながら送られた後、第2送り経路において、テープの先端が、第2検出面と面一に設けられたカッター面と摺接しながら送られる。このため、テープ送り経路におけるテープの走行性を向上させることができる。
なお、刃受け面81は、「カッター面」の一例である。
【0068】
この場合、カッターユニットは、第2最狭部から検出部に向かって、第2送り経路を送られるテープの厚さ方向における第2送り経路の幅が拡がるように開いたテープガイド面、を有することが好ましい。
【0069】
この構成によれば、第1送出口から送り出され第2送り経路から逸れるように進んだテープの先端がテープガイド面に当たった場合に、テープガイド面に当たったテープの先端が、テープガイド面により第2最狭部へ案内される。したがって、第1送出口から送り出されたテープの先端を、第2送り経路内に進入させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1:テープ印刷装置、3:カートリッジ装着部、5:カッターユニット、7:検出部、25:光センサー、33:第1送り経路、35:検出位置、45:第1進入口、47:第1送出口、49:第1検出面、51:第2検出面、65:フルカッター、67:ハーフカッター、81:刃受け面、83:テープガイド面、85:第2送り経路、87:第2最狭部、101:テープカートリッジ、115:テープ、123:テープ送出口、Wa:第1進入幅、Wb:第1送出幅、Wd:第2最小幅。