(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128778
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】コーナー用朝顔装置
(51)【国際特許分類】
E04G 5/00 20060101AFI20240913BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
E04G5/00 301C
E04G21/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037975
(22)【出願日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社SysaPlanningの依頼を受けた株式会社ジャストビギンが株式会社錦江に朝顔装置を販売。 販売した朝顔装置は、株式会社錦江の取引先であるエンドユーザに向けて出荷。 販売日:令和4年12月20日、令和5年3月9日
(71)【出願人】
【識別番号】520358645
【氏名又は名称】株式会社SysaPlanning
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】杉本 澄雄
(57)【要約】
【課題】コーナー用朝顔装置の設置に関する作業性を向上させること。
【解決手段】コーナー用朝顔装置は、少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第1堅枠および第2堅枠とを有する、第1パネルユニットと、少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第3堅枠および第4堅枠とを有する、第2パネルユニットと、互いに隣接して配置される第2堅枠と第4堅枠を相対的に回転可能な状態で支持する蝶番構造と、蝶番構造を支持するように蝶番構造と足場の間に接続された第1斜材と、第1堅枠を支持するように第1堅枠と足場の間に接続された第2斜材と、第3堅枠を支持するように第3堅枠と足場の間に接続された第3斜材と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第1堅枠および第2堅枠とを有する、第1パネルユニットと、
少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第3堅枠および第4堅枠とを有する、第2パネルユニットと、
互いに隣接して配置される前記第2堅枠と前記第4堅枠を相対的に回転可能な状態で支持する蝶番構造と、
前記蝶番構造を支持するように前記蝶番構造と足場の間に接続された第1斜材と、
前記第1堅枠を支持するように前記第1堅枠と足場の間に接続された第2斜材と、
前記第3堅枠を支持するように前記第3堅枠と足場の間に接続された第3斜材と、を備える、コーナー用朝顔装置。
【請求項2】
前記第1斜材の下端部を回転可能に軸支する第1軸支部と、前記第2斜材の下端部を回転可能に軸支する第2軸支部と、前記第3斜材の下端部を回転可能に軸支する第3軸支部とを有する、軸支構造をさらに備える、請求項1に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項3】
前記軸支構造はさらに、前記第1軸支部と前記第2軸支部と前記第3軸支部を一体的に保持する保持部を有する、請求項2に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項4】
前記第1軸支部は、前記第1斜材の下端部の回転軸とは異なる方向の回転軸を中心に回転可能であり、前記第2軸支部は、前記第2斜材の下端部の回転軸とは異なる方向の回転軸を中心に回転可能であり、前記第3軸支部は、前記第3斜材の下端部の回転軸とは異なる方向の回転軸を中心に回転可能である、請求項2に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項5】
前記蝶番構造は、前記第1斜材の上端部を回転可能に軸支する第4軸支部を有し、前記第1堅枠は、前記第2斜材の上端部を回転可能に軸支する第5軸支部を有し、前記第3堅枠は、前記第3斜材の上端部を回転可能に軸支する第6軸支部を有する、請求項1に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項6】
前記蝶番構造、前記第2堅枠および前記第4堅枠は、一体的な中央堅枠を構成する、請求項1に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項7】
前記蝶番構造は、前記第2堅枠と前記第4堅枠に沿って延びる第1蝶番構造と、前記第1斜材の上端部が接続され、前記第2堅枠と前記第4堅枠の間に連結される第2蝶番構造とを有する、請求項1に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項8】
前記第1蝶番構造は1軸の回転軸を有し、前記第2蝶番構造は少なくとも2軸の回転軸を有する、請求項7に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項9】
前記第2蝶番構造は、前記第1斜材の上端部を回転可能に軸支する第4軸支部を有する、請求項7に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項10】
前記蝶番構造はさらに、前記第2蝶番構造よりも下方で足場に接続される第3蝶番構造を有する、請求項7に記載のコーナー用朝顔装置。
【請求項11】
前記第3蝶番構造は、足場に回転可能に軸支される、請求項10に記載のコーナー用朝顔装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仮設足場に設置されるコーナー用朝顔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築現場等の仮設足場において、資材や工具等の落下物を受け止めるように斜め上方に張り出して設置される朝顔装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の朝顔装置は、「足場構築体においてコーナー領域に望む端部朝顔装置の間にコーナー用朝顔を設置する工法及び該工法に使用するコーナー用朝顔装置」に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の課題は、コーナー用朝顔装置の設置に関する作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示のコーナー用朝顔装置は、少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第1堅枠および第2堅枠とを有する、第1パネルユニットと、少なくとも1枚のパネルと、当該パネルを囲む第3堅枠および第4堅枠とを有する、第2パネルユニットと、互いに隣接して配置される前記第2堅枠と前記第4堅枠を相対的に回転可能な状態で支持する蝶番構造と、前記蝶番構造を支持するように前記蝶番構造と足場の間に接続された第1斜材と、前記第1堅枠を支持するように前記第1堅枠と足場の間に接続された第2斜材と、前記第3堅枠を支持するように前記第3堅枠と足場の間に接続された第3斜材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コーナー用朝顔装置の設置に関する作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る朝顔装置の概略斜視図
【
図2】実施形態に係るコーナー用のパネルユニットの正面図
【
図3】実施形態に係るコーナー用のパネルユニットの背面図
【
図5】実施形態に係るパネルユニットの外側の枠を構成する堅枠の概略図
【
図8】実施形態に係る堅枠の連結金具の使用状態を示す概略正面図
【
図10A】実施形態に係る中央堅枠の第1蝶番構造の概略横断面図
【
図10B】実施形態に係る中央堅枠の第1蝶番構造の概略横断面図
【
図11A】実施形態に係る中央堅枠の第2蝶番構造の概略斜視図
【
図11B】実施形態に係る中央堅枠の第2蝶番構造の概略斜視図
【
図12A】実施形態に係る中央堅枠の第3蝶番構造の概略正面図
【
図12B】実施形態に係る中央堅枠の第3蝶番構造の概略正面図
【
図13】実施形態に係る中央堅枠の下端部周辺の概略背面図
【
図14A】実施形態に係る第1軸支構造の概略平面図
【
図14B】実施形態に係る第1軸支構造の概略平面図
【
図15A】実施形態に係る第2軸支構造の概略平面図
【
図15B】実施形態に係る第2軸支構造の概略平面図
【
図16】実施形態に係る堅枠同士を連結する連結構造の概略斜視図
【
図21】実施形態に係る連結構造で堅枠同士を連結する方法を説明するための概略図
【
図22】実施形態に係る連結構造で堅枠同士を連結する方法を説明するための概略図
【
図23】実施形態に係る連結構造で堅枠同士を連結する方法を説明するための概略図
【
図24】実施形態に係る連結構造で堅枠同士を連結する方法を説明するための概略図
【
図25】実施形態に係る連結構造で堅枠同士を連結する方法を説明するための概略図
【
図26】実施形態に係る朝顔装置を組み立てて設置する方法の一例を示すフローチャート
【
図27A】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27B】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27C】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27D】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27E】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27F】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27G】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27H】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【
図27I】
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置を設置する方法を説明するための概略正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、実施形態の朝顔装置について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の朝顔装置2の概略斜視図である。
図1に示す朝顔装置2は、主としてビルやマンション等の中高層建築物の建設または補修工事の現場において、資材や工具等の落下物を受け止めるために仮設足場に設置される。
【0011】
図1に示す朝顔装置2は特に、建物のコーナー部に設置されるコーナー用朝顔装置であり、「コーナー用朝顔装置2」とも称する。
【0012】
図1に示す朝顔装置2は、コーナー用朝顔装置として、複数のパネルユニット4、6と、複数の斜材12、14、16と、軸支構造21、166とを備える。朝顔装置2はさらに、コーナー用朝顔装置に隣接する直線部用朝顔装置として、複数のパネルユニット8、10と、複数の斜材18、20とを備える。
【0013】
外側の2つのパネルユニット8、10は、建物の直線部に設置される直線部用のパネルユニットであり、正面視で大略長方形の形状を有する。パネルユニット4に隣接してパネルユニット8が設けられ、パネルユニット6に隣接してパネルユニット10が設けられる。パネルユニット8、10のさらに外側には別の直線部用のパネルユニット(図示せず)が並べて設置されてもよい。
【0014】
パネルユニット4、6、8、10はそれぞれ、落下物を受け止める機能を有する朝顔装置2の本体部である。パネルユニット4、6、8、10はそれぞれ、概ねフラットな平板状の形状を有し、斜めに傾斜した状態で設置される。
【0015】
中央側の2つのパネルユニット4、6は、建物のコーナー部に設置されるコーナー用のパネルユニットであり、正面視で大略三角形の形状を有する。2つのパネルユニット4、6は、蝶番構造40によって互いに回転可能に連結されている。
【0016】
斜材12、14、16、18、20はそれぞれ、パネルユニット4、6、8、10を下方から支持するための棒状の部材である。斜材12、14、16、18、20はそれぞれ、パネルユニット4、6、8、10と足場の間に取り付けられる。
【0017】
図1に示す例では、斜材12、14は、紙面左側のコーナー用のパネルユニット4を支持し、斜材12、16は、紙面右側のコーナー用のパネルユニット6を支持する。また、2本の斜材18は、紙面左側の直線部用のパネルユニット8を支持し、2本の斜材20は、紙面右側の直線部用のパネルユニット10を支持する。
【0018】
本実施形態の斜材12、14、16、18、20は、同一の構造を有する。
【0019】
図1に示す朝顔装置2において、主に、中央側の2つのパネルユニット4、6および3本の斜材12、14、16がコーナー用朝顔装置を構成し、外側の2つのパネルユニット8、10および4本の斜材18、20が直線部用朝顔装置を構成する。
【0020】
以下、コーナー用朝顔装置2の各構成要素について説明する。
【0021】
図2、
図3はそれぞれ、パネルユニット4、6の概略正面図、概略背面図である。
【0022】
図2、
図3に示すように、紙面左側のパネルユニット4は、三角形状の外形を有するとともに、三角形の内部に配置される複数枚のパネル22A、22B、22C、22Dと、三角形の2辺を構成する一対の堅枠24、26と、三角形の残りの1辺を構成する上枠28とを備える。
【0023】
パネル22A、22B、22C、22Dはそれぞれ、パネルユニット4の中央部に位置して落下物を受ける機能を有する部材である。
図2、
図3に示す例では、下から順にパネル22A、22B、22C、22Dが積み上げられ、連続する1枚のパネルを構成する。本実施形態のパネル22A、22B、22C、22Dは、波形のFRPパネルの外周部をアルミ枠で取り囲んだものを用いるが、任意の材質・構造を用いてもよい。
【0024】
4枚のパネル22A、22B、22C、22Dは、一対の堅枠24、26および上枠28によって一体的に保持される。
【0025】
堅枠24、26および上枠28は、パネルユニット4の外枠を構成する枠部材であり、端部同士が互いに連結されている。堅枠24、26は下端部同士が互いに連結され、堅枠24、26の上端部は上枠28の両端部にそれぞれ連結される。堅枠24、26はパネルユニット4の一対の長辺を構成し、上枠28はパネルユニット4の短辺を構成する。
【0026】
紙面右側のパネルユニット6は、三角形状の外形を有するとともに、三角形の内部に配置される複数枚のパネル30A、30B、30C、30Dと、三角形の2辺を構成する一対の堅枠32、34と、三角形の残りの1辺を構成する上枠36とを備える。パネルユニット6は、パネルユニット4を左右対称に構成したものであり、パネルユニット6の各構成要素は、パネルユニット4の各構成要素に対応するため、説明を省略する。
【0027】
図2に示すように、上枠28、36はそれぞれ、引っ掛け部184、186を有する。引っ掛け部184、186は、隣接する直線部用のパネルユニット8、10に引っ掛けて係止することで、コーナー用のパネルユニット4、6を位置決めする機能を有する。
【0028】
2つのパネルユニット4、6は、中心軸C1を中心として回転可能に取り付けられている。これにより、建物のコーナー部にパネルユニット4、6を設置する際に、パネルユニット4、6同士の相対的な回転角度を調整しながら設置することができる。
【0029】
パネルユニット4、6の間には、中央堅枠38が配置される。中央堅枠38は、前述した堅枠26および堅枠34と、蝶番構造40とで構成される、一体的な枠部材である。蝶番構造40を介して2つのパネルユニット4、6を連結することで、パネルユニット4、6同士が中心軸C1を中心として回転可能となる。
【0030】
図4は、斜材12、14、16、18、20を示す概略図であり、(a)は概略正面図、(b)は概略側面図である。本実施形態の斜材12、14、16、18、20はそれぞれ同一の構造を有するため、代表して斜材12について図示・説明する。
【0031】
図4に示す斜材12は、棒状部42、44と、連結金具46、48とを備える。
【0032】
棒状部42、44は、長手方向L1に沿って延在する棒状の部材である。棒状部42、44は例えば、長手方向L1に沿って伸縮する機能を有しない。
【0033】
連結金具46は、斜材12の上端部12Bに設けられた金具であり、
図2に示した中央堅枠38に連結される。本実施形態の連結金具46は、長手方向L1に直交する幅方向W1に突出したグラビティロックを有し、中央堅枠38の貫通孔に挿入することで、斜材12の上端部12Bが中央堅枠38に脱落防止状態で連結される。斜材14、16、18、20の上端部14B、16B、18B、20Bのそれぞれにも連結金具46が設けられる。
【0034】
連結金具48は、斜材12の下端部12Aに設けられた金具であり、
図1に示した軸支構造21に連結される。連結金具48は、幅方向W1に貫通する貫通孔50を有し、貫通孔50に対して軸支構造21のグラビティロックが挿入されることで、斜材12の下端部12Aが回転可能に軸支される。斜材14、16、18、20の下端部14A、16A、18A、20Aのそれぞれにも連結金具48が設けられる。
【0035】
図1に示す軸支構造21は、斜材12の下端部12Aに加えて、斜材14、16の下端部14A、16Aをそれぞれ軸支する機能を有する。斜材12、14、16を軸支する軸支構造21は、斜材12、14、16を介して、コーナー用の2つのパネルユニット4、6を下方から支持する。軸支構造21の詳細な構造は後述する。
【0036】
図2、
図3に示したパネルユニット4、6のより詳細な構成について、
図5以降の図面を用いて説明する。以下、パネルユニット4、6で互いに共通する構成要素については、適宜説明を省略する。
【0037】
図5は、パネルユニット4、6において直線部用のパネルユニット8、10(
図1)に隣接する位置に設けられる堅枠24および堅枠32を示す概略正面図である。(a)は堅枠24の概略正面図、(b)は堅枠32の概略正面図である。
【0038】
図5の(a)に示すように、堅枠24は、枠部52と、連結金具54と、突出部56とを備える。
【0039】
枠部52は、長手方向L2に一様に延在する枠状の部材である。枠部52は例えば、長手方向L2に沿って伸縮する機能を有しない。他の枠部・枠部材についても同様である。枠部52は、前述した複数枚のパネル22A~22Dの端部を配置できるように、幅方向W2の片側(矢印P2)が開放されたパネルスペース58を内側に形成する。
【0040】
連結金具54は、前述した斜材14の上端部14Bを連結するための金具である。連結金具54は、枠部52の上端近傍に設けられる。
【0041】
突出部56は、
図3に示した中央堅枠38の堅枠26に連結するための部分である。突出部56は、枠部52の下端近傍におけるパネルスペース58に内蔵される。突出部56を堅枠26の受け部84(
図9)に挿入することで、堅枠24の下端部を堅枠26の下端部に対して回転可能に連結することができる。連結構造の詳細な構成については後述する。
【0042】
図5の(b)に示す堅枠32は、(a)に示す堅枠24と左右対称な構造を有し、枠部60と、連結金具62と、突出部64とを備える。
【0043】
枠部60は、長手方向L3に一様に延在するとともに、複数枚のパネル30A~30Dの端部を配置できるように、幅方向W3の片側(矢印P3)が開放されたパネルスペース66を内側に形成する。
【0044】
連結金具62は、前述した斜材16の上端部16Bを連結するための金具である。突出部64は、中央堅枠38の堅枠34に連結するための部分である。
【0045】
次に、連結金具54、62の構成および使用方法について、
図6~
図8を用いて説明する。
【0046】
図6は、連結金具54、62の概略側面図であり、
図7は、連結金具54、62の概略正面図である。
図8は、連結金具62の使用状態を示す概略正面図である。本実施形態の連結金具54、62はそれぞれ同一の構造を有するため、代表して連結金具54について説明する。
【0047】
連結金具54は、ベース部68と、回転プレート70と、取付ボルト72とを備える。
【0048】
ベース部68は、連結金具54を堅枠24に取り付けるための部分であり、
図6に示す矢印A1に向かって堅枠24の枠部52の側面に接触して固定される。固定方法はボルト等、任意の手段を用いてもよい。
【0049】
回転プレート70は、ベース部68に対して相対的に回転可能に取り付けられるプレートである。回転プレート70は、
図6、
図7に示す回転軸C2を中心として、
図7に示す回転方向R2に回転可能である。
図7では、回転プレート70が複数の回転位置にある状態を実線と点線で示す。
【0050】
取付ボルト72は、回転プレート70をベース部68に対して回転可能に取り付けるためのボルトである。取付ボルト72は、ベース部68と回転プレート70の両方に貫通し、取付ボルト72の軸方向が回転プレート70の回転軸C2に相当する。
【0051】
図8では、堅枠32に固定された連結金具62に、斜材16の上端部16Bに設けた連結金具46が連結された状態を示す。
【0052】
図8に示すように、連結金具62の貫通孔76に連結金具46のグラビティロック78が挿入される。グラビティロック78の先端に回動可能に設けられたロック部が重力に応じて棒状部に対して傾斜した方向に回動することで、連結金具46を有する斜材16が堅枠32に対して脱落防止状態で連結される。
【0053】
上記構成によれば、回転プレート70が回転軸C2を中心として回転方向R2に回転可能であることで、斜材16や堅枠32の傾斜角度が様々に変化する場合でも、回転プレート70が適切な向きに回転して連結状態を容易に維持することができる。
【0054】
次に、中央堅枠38の構成について、
図9以降の図面を用いて説明する。
【0055】
【0056】
図9に示すように、中央堅枠38の堅枠26は、枠部82と、受け部84とを備える。
【0057】
枠部82は、長手方向L4に一様に延在するとともに、複数枚のパネル22A~22Dの端部を配置できるように、幅方向W4の片側(矢印P4)が開放されたパネルスペース85を内側に形成する。
【0058】
受け部84は、
図5に示した堅枠24の突出部56を受けるための部分であり、突出部56とともに連結構造200(
図16)を構成する。受け部84は、枠部82の下端部近傍に設けられる。
【0059】
同様に、堅枠34は、枠部86と、受け部88とを備える。
【0060】
枠部86は、長手方向L4に一様に延在するとともに、複数枚のパネル30A~30Dの端部を配置できるように、幅方向W5の片側(矢印P5)が開放されたパネルスペース90を形成する。
【0061】
受け部88は、
図5に示した堅枠32の突出部64を受けるための部分であり、突出部64とともに連結構造200(
図16)を構成する。受け部88は、枠部86の下端部近傍に設けられる。
【0062】
堅枠26と堅枠34を回転可能に連結する蝶番構造40は、第1蝶番構造92と、第2蝶番構造94と、第3蝶番構造96とを備える。
【0063】
第1蝶番構造92は、堅枠26、34を回転軸C1を中心として回転可能に連結する構造であり、堅枠26、34の長手方向L4に沿って細長く一様に延在する。
【0064】
ここで、
図10A、
図10Bは、第1蝶番構造92を概略的に示す横断面図であり、堅枠26、34の相対的な回転角度が異なる状態をそれぞれ示す。
【0065】
図10A、
図10Bに示すように、第1蝶番構造92は、ヒンジ部98と、取付部100と、取付部102とを備える。
【0066】
ヒンジ部98は、回転軸C1を中心として回転可能なヒンジ部分であり、第1部分98Aと、第2部分98Bとを有する。第1部分98Aは、取付部100に取り付けられる部分であり、第2部分98Bは、取付部102に取り付けられる部分である。第1部分98Aと第2部分98Bが回転軸C1を中心として相対的に回転可能である。
【0067】
本実施形態のヒンジ部98は、第1部分98Aと第2部分98Bを含めて一体的に構成されているが、別体であってもよい。ヒンジ部98の材質としては、柔軟性を有する樹脂や、硬質の金属等、任意の材質であってもよい。
【0068】
取付部100は、第1部分98Aを収容して固定しながら、堅枠26の枠部82の側面に固定される。取付部102は、第2部分98Bを収容して固定しながら、堅枠34の枠部86の側面に固定される。
【0069】
上記構成によれば、ヒンジ部98に取り付けられた堅枠26、34が、回転軸C1を中心として回転方向R1に沿って相対的に回転可能となる。
【0070】
第1蝶番構造92は特に、堅枠26、34の長手方向L4に沿って長く延在するため、堅枠26、34を安定的に支持することができ、また、回転軸C1のみを有する1軸の回転構造であるため、堅枠26、34の回転移動を単純化することができる。
【0071】
図9に戻ると、第2蝶番構造94は、第1蝶番構造92と同様に、堅枠26、34を相対的に回転可能に連結する蝶番構造である。第2蝶番構造94は、第1蝶番構造92とは異なり、前述した斜材12の上端部12Bを軸支するための軸支構造として機能する。
【0072】
図11A、
図11Bは、第2蝶番構造94を概略的に示す斜視図であり、第2蝶番構造94に連結される斜材12(図示せず)の取付角度が異なる状態をそれぞれ示す。
【0073】
図11A、
図11Bに示すように、第2蝶番構造94は、取付部104、106と、回転プレート108、110と、回転部112と、連結プレート114とを備える。
【0074】
取付部104、106はそれぞれ、第2蝶番構造94を堅枠26、34に取り付けるための部材であり、取付部104は堅枠26の枠部82の側面に固定され、取付部106は堅枠34の枠部86の側面に固定される。
【0075】
取付部104は、回転軸C2を中心として回転プレート108を回転可能に軸支し、取付部106は、回転軸C3を中心として回転プレート110を回転可能に軸支する。
【0076】
回転プレート108は、取付部104と回転部112の間に回転可能に設けられたプレートであり、回転プレート110は、取付部106と回転部112の間に回転可能に設けられたプレートである。回転プレート108は、一端部が取付部104に軸支され、他端部が回転部112に軸支される。回転プレート110は、一端部が取付部106に軸支され、他端部が回転部112に軸支される。
【0077】
回転部112は、回転プレート108、110をそれぞれ回転可能に軸支する部材である。回転部112は、回転プレート108を軸支する回転軸C4と、回転プレート110を軸支する回転軸C5とを有する。回転部112の前面には、連結プレート114が立設される。
【0078】
連結プレート114は、斜材12(図示せず)の上端部12Bに設けた連結金具46を連結して軸支するためのプレートである。連結プレート114は、厚み方向に貫通する貫通孔116を有し、貫通孔116に対して連結金具46のグラビティロックが挿入されることで、斜材12の上端部12Bが脱落防止状態で連結される。
【0079】
回転部112が2軸の回転構造によって回転可能であることで、斜材12の上端部12Bを軸支する連結プレート114の位置や角度をより柔軟に調整することができる。これにより、第2蝶番構造94に対して斜材12の上端部12Bを連結する際の作業性や、パネルユニット4、6を傾けて展開する際の斜材12等の移動をよりスムーズにすることができる。
【0080】
図9に戻ると、第3蝶番構造96は、第1蝶番構造92および第2蝶番構造94と同様に、堅枠26、34を相対的に回転可能に連結する蝶番構造である。第3蝶番構造96は、第1蝶番構造92および第2蝶番構造94とは異なり、中央堅枠38を足場に連結して軸支させるための連結構造として機能する。
【0081】
第3蝶番構造96は、第2蝶番構造94よりも下方の位置に設けられ、堅枠26、34の下端部近傍に取り付けられる。
【0082】
図12A、
図12Bは、第3蝶番構造96を概略的に示す正面図であり、第3蝶番構造96に連結される堅枠26、34の相対的な回転角度が異なる状態をそれぞれ示す。
【0083】
図12A、
図12Bに示すように、第3蝶番構造96は、取付部118、120と、接続部122、124と、連結プレート126、128とを備える。
【0084】
取付部118、120はそれぞれ、第3蝶番構造96を堅枠26、34に取り付けるための部材であり、取付部118は堅枠26の枠部82の背面に固定され、取付部120は堅枠34の枠部86の背面に固定される。
【0085】
取付部118は、回転軸C6を中心として接続部122を回転可能に軸支し、取付部120は、回転軸C7を中心として接続部124を回転可能に軸支する。
【0086】
接続部122は、取付部118と連結プレート126を回転可能に接続するための部材であり、連結プレート126が一体的に固定される。接続部124は、取付部120と連結プレート128を回転可能に接続するための部材であり、連結プレート128が一体的に固定される。
【0087】
連結プレート126、128はそれぞれ、中央堅枠38を足場に連結・軸支させるためのプレートであり、後述する第2軸支構造166(
図15A、
図15B)に取り付けられる。連結プレート126は、厚み方向に貫通する貫通孔130を有し、連結プレート128は、厚み方向に貫通する貫通孔132を有する。連結プレート126、128は互いに別体で構成されており、貫通孔130、132が一直線状に並ぶ状態となるように配置できる。この状態で、後述する第2軸支構造166のグラビティロックを貫通孔130、132の両方に挿入することで、中央堅枠38を脱落防止状態で足場に連結することができる。
【0088】
図13は、中央堅枠38の下端部周辺を概略的に示す背面図である。
図13では、中央堅枠38の堅枠26に堅枠24が取り付けられ、中央堅枠38の堅枠32に堅枠34が取り付けられた状態を示す。
【0089】
図13に示すように、中央堅枠38の背面側には、開き止め部材134、136が設けられている。開き止め部材134は、堅枠26に対する堅枠24の回転を規制するための部材であり、開き止め部材136は、堅枠34に対する堅枠32の回転を規制するための部材である。開き止め部材134、136はともに、蝶番構造40の第1蝶番構造92の背面に係止されている。
【0090】
開き止め部材134は、第1蝶番構造92に係止するための係止部138、140を有する。係止部138、140は、長円形状と円形状を組み合わせた貫通孔で構成されており、第1蝶番構造92に立設されたピンを収容して、開き止め部材134を所定位置で係止できる。開き止め部材134はさらに、別の係止部142を有する。係止部142は、開き止め部材134を堅枠24に係止するための部分である。係止部138を堅枠26のピンに係止した状態で、係止部142を堅枠24に立設されたピンに係止させることで(矢印B1)、開き止め部材134を堅枠24、26の間に接続することができる(点線で図示)。これにより、堅枠24、26の相対的な回転角度が維持される。
【0091】
開き止め部材136は、第1蝶番構造92に係止するための係止部144、146を有する。係止部144、146は、長円形状と円形状を組み合わせた貫通孔で構成されており、第1蝶番構造92に立設されたピンを収容して、開き止め部材136を所定位置で係止できる。係止部144を堅枠34のピンに係止した状態で、係止部146を堅枠32に立設されたピンに係止させることで(矢印B2)、開き止め部材136を堅枠32、34の間に接続することができる(点線で図示)。これにより、堅枠32、34の相対的な回転角度が維持される。なお、
図3では、開き止め部材134、136を蝶番構造40に係止した状態を実線で示し、堅枠24、26の間および堅枠32、34の間に接続した状態を点線で示す。
【0092】
次に、斜材12、14、16を軸支するための第1軸支構造21について、
図14A、
図14Bを用いて説明する。
【0093】
図14A、
図14Bはそれぞれ、第1軸支構造21を概略的に示す平面図であり、3つの軸支部148、150、152がそれぞれ異なる回転位置にある状態を示す。
【0094】
図14A、
図14Bに示すように、第1軸支構造21は、中央側の3つの軸支部148、150、152と、外側の2つの軸支部151、153と、第1保持部154と、第2保持部155と、接続部156と、固定部158とを備える。
【0095】
中央側の3つの軸支部148、150、152はそれぞれ、斜材12、14、16の下端部12A、14A、16Aを回転可能に軸支するための部材である。軸支部148は、斜材12の下端部12Aを回転軸C8を中心として回転可能に軸支し、軸支部150は、斜材14の下端部14Aを回転軸C9を中心として回転可能に軸支し、軸支部152は、斜材16の下端部16Aを回転軸C10を中心として回転可能に軸支する。
【0096】
軸支部148、150、152はそれぞれ、第1保持部154によって回転軸C11、C12、C13を中心として回転可能に保持される。
図14Bは、
図14Aに示す軸支部148、150、152がそれぞれ回転軸C11、C12、C113を中心として約90度回転した状態を示す。
【0097】
本実施形態の軸支部148、150、152はそれぞれ、第1保持部154によって回転可能に保持されるプレート部と、プレート部に挿通されるグラビティロックとで構成される。
図14Bでは、グラビティロックの図示を省略している。
【0098】
図14Bに示すように、軸支部148、150、152のプレート部のそれぞれには、貫通孔160、162、164が形成される。貫通孔160、162、164のそれぞれには、
図14Aに示すグラビティロックが挿通される。
【0099】
グラビティロックのそれぞれは、斜材12、14、16の下端部12A、14A、16Aに位置する連結金具48(
図4)の貫通孔50に挿入される。これにより、斜材12、14、16の下端部12A、14A、16Aがグラビティロックの軸方向に相当する回転軸C8、C9、C10を中心として回転可能な状態で軸支される。
【0100】
第1保持部154は、軸支部148、150、152を一体的に保持する部材である。第1保持部154に対して軸支部148、150、152をそれぞれボルトで連結することで、ボルトの軸方向に相当する回転軸C11、C12、C13を中心として、軸支部148、150、152がそれぞれ回転可能な状態で保持される。
【0101】
第2保持部155は、外側の2つの軸支部151、153を一体的に保持する部材であり、第1保持部154に固定される。本実施形態の第2保持部155は、軸支部151、153を固定的に保持する。
【0102】
外側の2つの軸支部151、153はそれぞれ、斜材18、20の下端部18A、20Aを回転可能に軸支するための部材である。軸支部151は、斜材18の下端部18Aを回転軸C14を中心として回転可能に軸支し、軸支部153は、斜材20の下端部20Aを回転軸C15を中心として回転可能に軸支する。
【0103】
本実施形態の軸支部151、153はそれぞれ、第2保持部155に固定的に保持されたグラビティロックで構成され、斜材18、20の下端部18A、20Aに位置する連結金具48(
図4)の貫通孔50に挿入される。
【0104】
接続部156は、第2保持部155と固定部158とを接続するプレート状の部材である。
【0105】
固定部158は、第1軸支構造21を足場に固定するための部材である。本実施形態の固定部158は単クランプであり、足場に設けられた鉛直単管P1を把持して固定される。
【0106】
上記構成によれば、中央側の3つの軸支部148、150、152は、コーナー用のパネルユニット4、6を支持するための3本の斜材12、14、16の下端部12A、14A、16Aを回転可能に軸支する。また、外側の2つの軸支部151、153は、直線部用のパネルユニット8、10を支持するための2本の斜材18、20の下端部18A、20Aを回転可能に軸支する。
【0107】
特に、中央側の3つの軸支部148、150、152がそれぞれ回転軸C11、C12、C13を中心として回転可能であることで、軸支部148、150、152に軸支される斜材12、14、16も回転軸C8~C10だけでなく、異なる方向の回転軸C11~C13を中心として回転可能となる。これにより、コーナー用のパネルユニット4、6を設置する際に斜材12、14、16の角度や位置をより柔軟に調整することができ、コーナー用朝顔装置2を設置する際の作業性を向上させることができる。
【0108】
直線部用のパネルユニット8、10を支持する斜材18、20については、軸支部151、153によって回転軸C14、C15を中心として回転可能に軸支していれば、異なる方向の回転軸を中心として回転させる必要がない。このため、軸支部151、153は第2保持部155に固定的に保持される。
【0109】
次に、中央堅枠38を軸支するための第2軸支構造166について、
図15A、
図15Bを用いて説明する。
【0110】
図15A、
図15Bはそれぞれ、第2軸支構造166を概略的に示す平面図であり、軸支部168がそれぞれ異なる回転位置にある状態を示す。
【0111】
図15A、
図15Bに示すように、第2軸支構造166は、中央側の1つの軸支部168と、外側の2つの軸支部170、172と、保持部174と、支持プレート175と、接続部176と、固定部178とを備える。
【0112】
軸支部168は、中央堅枠38の第3蝶番構造96を回転可能に軸支するための部材である。軸支部168は、回転軸C16を中心として回転可能な状態で支持プレート175に支持されている。
図15Bは、
図15Aに示す軸支部168が回転軸C16を中心として回転した状態を示す。
【0113】
本実施形態の軸支部168は、支持プレート175に回転可能に取り付けられるプレート部と、プレート部に挿通されるグラビティロック(
図15B)とで構成される。
図15Aでは、グラビティロックの図示を省略する。
【0114】
図15Bに示すように、軸支部168のグラビティロックは、第3蝶番構造96の2つの連結プレート126、128の貫通孔130、132に挿通される。これにより、連結プレート126、128を有する第3蝶番構造96およびそれを備える中央堅枠38が、グラビティロックの軸方向に相当する回転軸C17を中心として回転可能に軸支される。
【0115】
外側の2つの軸支部170、172はそれぞれ、直線部用のパネルユニット8、10を回転可能に軸支するための部材である。本実施形態の軸支部170、172はそれぞれ、保持部174に一体的に設けられたプレート部と、プレート部に挿通されるグラビティロック(
図15B)とで構成される。軸支部170、172のそれぞれのグラビティロックに、パネルユニット8、10の下端部8A、10A(下枠)が連結されることで、グラビティロックの軸方向に相当する回転軸C18、C19を中心として、直線部用のパネルユニット8、10が回転可能に軸支される。
【0116】
上記構成によれば、中央側の1つの軸支部168は、コーナー用のパネルユニット4、6を支持する中央堅枠38を回転可能に軸支し、外側の2つの軸支部170、172は、直線部用のパネルユニット8、10を回転可能に軸支する。
【0117】
特に、軸支部168が回転軸C16を中心として回転可能であることで、軸支部168に軸支される第3蝶番構造96および中央堅枠38も回転軸C16を中心とする回転方向に回転可能となる。これにより、コーナー用のパネルユニット4、6を設置する際に中央堅枠38の角度や位置を調整しやすくなり、コーナー用朝顔装置2を設置する際の作業性を向上させることができる。
【0118】
次に、堅枠24、26同士および堅枠32、34同士を連結するための連結構造200について、
図16~
図25を用いて説明する。堅枠24、26同士の連結構造と、堅枠32、34同士の連結構造は、同様の構造であるため、
図16~
図25では代表して堅枠24、26同士の連結構造200について説明する。
【0119】
図16は、連結構造200を概略的に示す斜視図である。
【0120】
図16に示すように、連結構造200は、堅枠24に設けられる突出部56と、堅枠26(図示せず)に設けられる受け部84とを備える。
【0121】
突出部56は、堅枠24のパネルスペース58において、堅枠24の上端から下端に向かう方向(矢印A2)に突出する部材である。突出部56は、第1取付部201および第2取付部203を介して、堅枠24の内壁面207に取り付けて固定される。
【0122】
受け部84は、突出部56を受けるための部材であり、堅枠26に固定して取り付けるための取付部202と、円筒部204とを備える。
【0123】
円筒部204は、突出部56を受けるための開口部205を形成する円筒状の部材である。円筒部204は、水平方向の中心軸C20を中心とする円弧状の断面形状を有する。円筒部204は、取付部202に設けられた貫通孔206に挿入した状態で固定されている。
【0124】
図17、
図18はそれぞれ、円筒部204を概略的に示す側面図、平面図である。
【0125】
図17、
図18に示すように、円筒部204は、外周面208と、内周面210とを有し、外周面208から内周面210まで貫通する開口部205を形成する。
【0126】
開口部205は、第1開口部212と、第2開口部214Aと、第3開口部214Bとを有する。
【0127】
第1開口部212、第2開口部214Aおよび第3開口部214Bはそれぞれ、開口部205において中心軸C20に沿った方向(幅方向W6)の長さが異なる部分であり、幅方向W6に直交する径方向E1に互いに連続して設けられる。
【0128】
第2開口部214Aは、第1開口部212に対して一方側に設けられ、第3開口部214Bは、第1開口部212に対して他方側(第2開口部214Aとは逆側)に設けられる。
【0129】
図17に示す中心軸C20に直交する断面において、第1開口部212の長さ(弧長)M1は、第2開口部214Aの長さ(弧長)M2および第3開口部214Bの長さ(弧長)M3よりも短い。すなわち、M1<M2、M3である。
【0130】
第2開口部214Aは、第1規制壁215で終端し、第3開口部214Bは、第2規制壁217で終端する。規制壁215、217はそれぞれ、突出部56およびそれを有する堅枠24の回動を規制するための壁部として機能する。
【0131】
図18に示すように、幅方向W6の長さとして、第1開口部212は第1の開口幅D1を有し、第2開口部214Aは第2の開口幅D2を有し、第3開口部214Bは第3の開口幅D3を有する。第1の開口幅D1は、第2の開口幅D2および第3の開口幅D3よりも長い。すなわち、D1>D2、D3である。本実施形態では、D2=D3である。
【0132】
本実施形態の第1開口部212は、幅方向W6の全体にわたって設けられているが、このような場合に限らず、開口部214A、214Bと同様に、円筒部204における幅方向W6の両端部よりも内側に設けられる場合でもよい。
【0133】
図18に示すように、円筒部204を平面視したときに、開口部205全体の径方向E1の中心は、中心軸C20に概ね一致するのに対して、第1開口部212の径方向E1の中心213は、中心軸C20に対して一方側(矢印A3)にずれた位置に配置される。
【0134】
図19、
図20はそれぞれ、突出部56を概略的に示す正面図、側面図である。
【0135】
図19、
図20に示すように、突出部56は、第1部分216と、第2部分218と、第3部分220とを備える。
【0136】
第1部分216は、突出部56の先端部に相当する部分であり、第2部分218は、第1部分216に対して先端側とは逆側(基端側)の部分である。本実施形態の第1部分216と第2部分218は一体的なプレートで構成される。
【0137】
図19に示すように、第1部分216と第2部分218は、突出部56の突出方向(矢印A2)に直交する幅方向W7の長さがそれぞれ異なる。具体的には、第1部分216は第1の幅L1を有し、第2部分218は第2の幅L2を有する。第1の幅L1は、第2の幅L2よりも長い。すなわち、L1>L2である。
【0138】
第1部分216は、突出部56を受け部84の開口部205に挿入する際に、最初に開口部205に進入する部分である。突出部56の挿入性を向上させるために、第1部分216の角部が面取りされている。
図20に示すように、第1部分216は、厚み方向T7において厚みM4を有する。厚みM4は、
図17、
図18に示した開口部205の第1開口部212の長さM1よりも短い。すなわち、M4<M1である。
【0139】
第3部分220は、第1部分216および第2部分218の一方側の主面に立設された部分である。第3部分220は、プレート状の第1部分216および第2部分218の補強部分として設けられる。第3部分220は、第1部分216および第2部分218と同様に突出方向(矢印A2)に沿って延びており、第1部分216の先端よりも手前側の位置で終端する。
【0140】
上記構成を有する突出部56を受け部84の開口部205に挿入して、堅枠24、26同士を回転可能に連結する具体的な方法について、
図21~
図25を用いて説明する。
【0141】
図21~
図25は、連結構造200で堅枠24、26同士を回転可能に連結する方法を説明するための概略図である。
【0142】
図21に示すように、まず、堅枠26を堅枠24に接触させて(矢印A4-1)、堅枠26の姿勢を位置決めする。その状態で堅枠26を下方に移動させることで(矢印A4-2)、堅枠24に設けられた受け部84の開口部205に対して、堅枠26に設けられた突出部56を挿入する。このように、堅枠26を堅枠24に接触させて堅枠26の姿勢および位置を整えてから突出部56を開口部205に挿入することで、精度良くかつ容易に挿入することが可能となり、作業性を向上させることができる。
【0143】
図22は、
図21に示す円筒部204および突出部56を挿入方向から見たときの概略平面図である。
【0144】
図22に示すように、突出部56の先端に相当する第1部分216は、開口部205の第1開口部212に向けて挿入される。第1開口部212の第1の開口幅D1は、第1部分216の第1の幅L1よりも長く、第1開口部212の長さM1は第1部分216の厚みM4よりも長いため、第1部分216を第1開口部212に挿入することができる。一方で、開口部214A、214Bの第2の開口幅D2、D3は、第1部分216の第1の幅L1よりも短いため、第1部分216を開口部214A、214Bには挿入することができない。このため、突出部56を開口部205に挿入する際の挿入位置は第1開口部212に限定される。
【0145】
第1部分216が第1開口部212を通過すると、第1開口部212による第1部分216の移動規制が解除され、第2部分218および第3部分220のみが開口部205に配置される。第2部分218の第2の幅L2は、開口部214A、214Bの開口幅D2、D3よりも短いため、円筒部204の径方向E1に沿って突出部56が移動可能となる。
【0146】
図23、
図24は、突出部56が開口部205に進入して第1部分216の先端が円筒部204の内周面210に接触した状態を概略的に示す側面図である。
図23では、突出部56が内周面210との接触を開始した状態を示し、
図24では、その後の状態を示す。
【0147】
図23に示すように、第1部分216の先端が円筒部204の内周面210に接触すると、第1部分216を有する突出部56は内周面210に接触した状態を保ちながら移動可能となる。特に、内周面210は円弧面であるため、突出部56は回転方向R3に沿って回転可能となる。
【0148】
図24に示すように、作業者が堅枠26を回転方向R4に回転させる。
【0149】
図25は、突出部56の回転可能範囲を概略的に示す平面図である。
【0150】
図25に示すように、突出部56は、第1の回転位置(突出部56A)と、第2の回転位置(突出部56B)の間で回転可能である(矢印A5)。第1の回転位置では、突出部56Aの第3部分220が第1規制壁215に当接し、第2の回転位置では、突出部56Bの第1部分216および第2部分218が第2規制壁217に当接する。突出部56およびそれを備える堅枠26の回動範囲は、規制壁215、217によって所定の範囲内に収められる。
【0151】
上記構成を有する連結構造200によれば、堅枠24、26同士および堅枠32、34同士を容易に回転可能に連結することができる。
【0152】
堅枠24、26同士の連結を解除する際には、突出部56の第1部分216を開口部205の第1開口部212に重なる回転位置に移動させて、突出部56の突出方向と逆方向に引き抜けばよい。第1部分216の第1の幅D1は、開口部214A、214Bの開口幅L2、L3よりも長いため、第1部分216が開口部214A、214Bの直下にある間は突出部56の脱落が防止された状態となる。
【0153】
次に、上述した構成を有する朝顔装置2を建物のコーナー部に設置する方法について、
図26および
図27A~
図27Iを用いて説明する。
【0154】
図26は、本実施形態の朝顔装置2を組み立てて設置する方法の一例を示すフローチャートである。
図27A~
図27Iは、
図26に示すフローチャートに沿って朝顔装置2を組み立てて設置する方法を説明するための概略正面図である。
【0155】
図26に示すように、作業者はまず、建物のコーナー部において、第1軸支構造21と第2軸支構造166を足場に取り付ける(S1)。具体的には、
図27Aに示すように、鉛直単管P1と水平単管P2を連結して構成される足場に乗った作業者が、第1軸支構造21と第2軸支構造166を鉛直単管P1に取り付ける。
【0156】
作業者は、第1軸支構造21の固定部158(
図14A、
図14B)を鉛直単管P1に取り付けて固定し、第2軸支構造166の固定部178(
図15A、
図15B)を鉛直単管P1に取り付けて固定する。第1軸支構造21は、第2軸支構造166よりも下方に配置する。
【0157】
作業者はさらに、中央堅枠38を足場に取り付ける(S2)。具体的には、
図27Bに示すように、中央堅枠38の下端部に位置する第3蝶番構造96を第2軸支構造166に連結し、中央堅枠38の上端部を鉛直単管P1に固定する。
【0158】
第3蝶番構造96を第2軸支構造166に固定する際には、第3蝶番構造96が有する連結プレート126、128の貫通孔130、132(
図12A、
図12B)に第2軸支構造166の軸支部168が有するグラビティロック(
図15B)を挿入する。これにより、中央堅枠38の下端部が第2軸支構造166に軸支される。中央堅枠38の上端部を鉛直単管P1に取り付ける際には、例えば、中央堅枠38の上端部と鉛直短観P1の間に紐部材180を取り付ける。
【0159】
作業者はさらに、中央堅枠38と足場の間に斜材12を取り付ける(S3)。具体的には、
図27Cに示すように、斜材12の上端部12Bに位置する連結金具46を中央堅枠38の第2蝶番構造94に連結し、斜材12の下端部12Aに位置する連結金具48を第1軸支構造21の軸支部148に連結する。
【0160】
連結金具46を第2蝶番構造94に連結する際には、連結金具46が有するグラビティロック(
図4)を、第2蝶番構造94が有する連結プレート114の貫通孔116(
図11A、
図11B)に挿通する。
【0161】
連結金具48を軸支部148に取り付ける際には、連結金具48の貫通孔50(
図4)に対して、軸支部148が有するグラビティロック(
図14A)を挿通する。
【0162】
作業者はさらに、中央堅枠38に左右の堅枠24、32を連結する(S4)。具体的には、
図27Dに示すように、中央堅枠38の堅枠26に堅枠24を連結し、中央堅枠38の堅枠34に堅枠32を連結する。
【0163】
堅枠24を堅枠26に連結する際には、堅枠24を堅枠26に接触させて位置決めしてから、堅枠24の突出部56を堅枠26の受け部84に向けて下方に挿入する(矢印A6)。堅枠32を堅枠34に連結する際には、堅枠32を堅枠34に接触させて位置決めしてから、堅枠32の突出部64を堅枠34の受け部88に向けて下方に挿入する(矢印A7)。
【0164】
連結構造200による堅枠24、26同士および堅枠32、34同士の連結方法については、
図21~
図25を用いて説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0165】
図27Eに示すように、作業者は突出部56を有する堅枠24を堅枠26から離れる方向に回動させ(矢印R5)、突出部64を有する堅枠32を堅枠34に対して開く方向に回動させる(矢印R6)。作業者は、開き止め部材134、136を用いて、堅枠24、32を所定の回転位置で停止させる。
【0166】
作業者はさらに、堅枠同士の間にパネルを配置する(S5)。具体的には、
図27Fに示すように、堅枠24、26同士の間にパネル22A~22Dを挿入し(矢印A8)、堅枠32、34同士の間にパネル30A~30Dを挿入する(矢印A9)。
【0167】
堅枠24、26同士の間にパネル22A~22Dを挿入する際には、堅枠24のパネルスペース58と堅枠26のパネルスペース85に沿って、パネル22A、22B、22C、22Dの順に、堅枠24、26同士を連結する連結構造200に向けて挿入する。同様に、堅枠32、34同士の間にパネル30A~30Dを挿入する際には、堅枠32のパネルスペース66と堅枠34のパネルスペース90に沿って、パネル30A、30B、30C、30Dの順に、堅枠32、34同士を連結する連結構造200に向けて挿入する。
【0168】
これにより、
図27Gに示すように、堅枠24、26同士の間に複数枚のパネル22A~22Dが挟んで保持され、堅枠32、34同士の間に複数枚のパネル30A~30Dが挟んで保持される。
【0169】
作業者はさらに、パネルユニット4、6の上枠28、36を取り付ける(S6)。具体的には、
図27Hに示すように、複数枚のパネル22A~22Dのうち、最も上方のパネル22Dを覆うように上枠28を取り付ける。同様に、複数枚のパネル30A~30Dのうち、最も上方のパネル30Dを覆うように上枠36を取り付ける。これにより、中央堅枠38によって回転可能に保持された2つのパネルユニット4、6が完成する。
【0170】
上枠28を取り付ける際には、上枠28の内側のパネルスペースにパネル22Dの端部を収容し、上枠28の一端部を堅枠24の上端部に連結し、上枠28の他端部を堅枠26の上端部に連結する。同様に、上枠36を取り付ける際には、上枠36の内側のパネルスペースにパネル30Dの端部を収容し、上枠36の一端部を堅枠32の上端部に連結し、上枠36の他端部を堅枠34の上端部に連結する。上枠28、36の連結方法については、ボルトや爪を用いる等、任意の方法を採用してもよい。
【0171】
作業者はさらに、パネルユニット4、6と足場の間に斜材14、16を取り付ける(S7)。具体的には、
図27Iに示すように、斜材14の上端部14Bに位置する連結金具46を、パネルユニット4を構成する堅枠24の連結金具54に連結し、斜材14の下端部14Aに位置する連結金具48を、足場に固定された第1軸支構造21の軸支部150に連結する。同様に、斜材16の上端部16Bに位置する連結金具46を、パネルユニット6を構成する堅枠32の連結金具62に連結し、斜材16の下端部16Aに位置する連結金具48を、足場に固定された第1軸支構造21の軸支部152に連結する。
【0172】
斜材14の上端部14Bを連結金具54に取り付ける際には、連結金具54が有する連結プレート74の貫通孔76(
図6)に、斜材14の連結金具46が有するグラビティロックを挿入する。同様に、斜材16の上端部16Bを連結金具62に取り付ける際には、連結金具62が有する連結プレート74の貫通孔76(
図6)に、斜材16の連結金具46が有するグラビティロックを挿入する。
【0173】
斜材14の下端部14Aを軸支部150に取り付ける際には、斜材14の連結金具48の貫通孔50(
図4)に対して、軸支部150が有するグラビティロックを挿入する。同様に、斜材16の下端部16Aを軸支部152に取り付ける際には、斜材16の連結金具48の貫通孔50(
図4)に対して、軸支部152が有するグラビティロックを挿入する。
【0174】
これにより、中央堅枠38によって回転可能に支持された2つのパネルユニット4、6が、第2軸支構造166によって回転可能に軸支されながら、3本の斜材12、14、16によって下方から支持される。
【0175】
上述したステップS4~S7は、左側のパネルユニット4に関するステップS4~S7と、右側のパネルユニット6を組み立てるためのステップS4~S7を別々に実施すればよい。例えば、左側のパネルユニット4を組み立てるためのステップS4~S7を実施し、その後に、右側のパネルユニット6を組み立てるためのステップS4~S7を実施してもよく、順序はその逆であってもよい。
【0176】
作業者はさらに、パネルユニット4、6を斜めに展開する(S8)。具体的には、足場に乗った一人又は複数の作業者が、
図27Iに示す紐部材180を鉛直単管P1に取り外すとともに、紐部材180や他の紐部材を適宜組み合わせて、パネルユニット4、6を上から吊るしながら、パネルユニット4、6の上端部を前方(紙面手前側)に送り出す。
【0177】
パネルユニット4、6は、第2軸支構造166によって軸支された状態で、軸支部168のグラビティロック(
図15B)の回転軸C17を中心として回動する。軸支部168は、回転軸C17とは異なる方向の回転軸C16(
図15A)を中心として回転可能であるため、軸支部168が支持する中央堅枠38およびパネルユニット4、6の角度や位置を柔軟に調整することができる。
【0178】
中央堅枠38が蝶番構造40を有するため、パネルユニット4、6が前方に送り出されるときに、パネルユニット4、6のそれぞれの位置や角度等に応じて、パネルユニット4、6の相対的な角度を調整することができる。
【0179】
斜材12、14、16を軸支する軸支部148、150、152のそれぞれも回転軸C11、C12、C13(
図14A、
図14B)を中心として回転可能であるため、斜材12、14、16の位置や角度を柔軟に調整することができる。斜材12、14、16が長手方向L1に伸縮可能でなくても、斜材12、14、16の長さは一定のまま、パネルユニット4、6を展開することができる。
【0180】
その後、パネルユニット4、6の上枠28,36に設けられた引っ掛け部184、186をそれぞれ、図示しない直線部用のパネルユニット8、10に引っ掛けることで、パネルユニット4、6をパネルユニット8、10に係止して位置決めする。
【0181】
最終的に、
図1に示したように、パネルユニット4、6は、直立姿勢から所定角度傾斜した状態で位置決めされる。パネルユニット4、6の傾斜角度は例えば、1段階又は複数段階に設定可能である。
【0182】
上記構成を有する朝顔装置2によれば、建物のコーナー部に朝顔装置2を設置する際に作業者が容易にパネルユニット4、6を展開・設置することができ、コーナー用朝顔装置2の設置に関する作業性を向上させることができる。
【0183】
(作用・効果1)
上述したように、本実施形態の朝顔装置2は、少なくとも1枚のパネル22A~22Dと、当該パネル22A~22Dを囲む堅枠24(第1堅枠)および堅枠26(第2堅枠)とを有する、パネルユニット4(第1パネルユニット)と、少なくとも1枚のパネル30A~30Dと、当該パネル30A~30Dを囲む堅枠32(第3堅枠)および堅枠34(第4堅枠)とを有する、パネルユニット6(第2パネルユニット)と、互いに隣接して配置される堅枠26と堅枠34を相対的に回転可能な状態で支持する蝶番構造40と、蝶番構造40を支持するように蝶番構造40と足場の間に接続された斜材12(第1斜材)と、堅枠24を支持するように堅枠24と足場の間に接続された斜材14(第2斜材)と、堅枠32を支持するように堅枠32と足場の間に接続された斜材16(第3斜材)と、を備える。
【0184】
このような構成によれば、蝶番構造40でパネルユニット4、6同士の開き角度を調整可能としつつ、3つの斜材12、14、16で支持することで、建物のコーナー部に2つのパネルユニット4、6を傾けながら設置する際の作業性を向上させることができる。これにより、コーナー用朝顔装置2の設置に関する作業性を向上させることができる。
【0185】
また、本実施形態の朝顔装置2では、斜材12の下端部12Aを回転可能に軸支する軸支部148(第1軸支部)と、斜材14の下端部14Aを回転可能に軸支する軸支部150(第2軸支部)と、斜材16の下端部16Aを回転可能に軸支する軸支部152(第3軸支部)とを有する、第1軸支構造21をさらに備える。このような構成によれば、3つの斜材12、14、16の下端部12A、14A、16Aを回転可能に軸支することで、2つのパネルユニット4、6を傾けながら設置する際にパネルユニット4、6の移動がよりスムーズになる。
【0186】
また、本実施形態の朝顔装置2では、第1軸支構造21はさらに、軸支部148と軸支部150と軸支部152を一体的に保持する第1保持部154(保持部)を有する。このような構成によれば、3つの軸支部148、150、152を一体的に取り扱うことができ、第1軸支構造21を取り扱う際の作業性を向上させることができる。
【0187】
また、本実施形態の朝顔装置2では、軸支部148は、斜材12の下端部12Aの回転軸C8とは異なる方向の回転軸C11を中心に回転可能であり、軸支部150は、斜材14の下端部14Aの回転軸C9とは異なる方向の回転軸C12を中心に回転可能であり、軸支部152は、斜材16の下端部16Aの回転軸C10とは異なる方向の回転軸C13を中心に回転可能である。このような構成によれば、軸支部148、150、152に軸支される3つの斜材12、14、16を様々な方向に回転させることができ、パネルユニット4、6の角度や位置の調整がより行いやすくなる。
【0188】
また、本実施形態の朝顔装置2では、蝶番構造40は、斜材12の上端部12Bを回転可能に軸支する連結プレート114(第4軸支部)を有し、堅枠24は、斜材14の上端部14Bを回転可能に軸支する連結金具54(第5軸支部)を有し、堅枠32は、斜材16の上端部16Bを回転可能に軸支する連結金具62(第6軸支部)を有する。このような構成によれば、3つの斜材12、14、16の上端部12B、14B、16Bを回転可能に軸支することで、2つのパネルユニット4、6を傾けながら設置する際にパネルユニット4、6の移動がよりスムーズになる。
【0189】
また、本実施形態の朝顔装置2では、蝶番構造40、堅枠26および堅枠34は、一体的な中央堅枠38を構成する。このような構成によれば、蝶番構造40、堅枠26および堅枠32を一体的に取り扱うことができ、作業性を向上させることができる。
【0190】
また、本実施形態の朝顔装置2では、蝶番構造40は、堅枠26と堅枠34に沿って延在する第1蝶番構造92と、斜材12の上端部12Bが接続され、堅枠26と堅枠34の間に連結される第2蝶番構造94とを有する。このような構成によれば、堅枠26と堅枠34を安定的に支持しながら、斜材12の上端部12Bが接続する箇所の柔軟性を向上させることができる。
【0191】
また、本実施形態の朝顔装置2では、第1蝶番構造92は1軸の回転軸C1を有し、第2蝶番構造94は少なくとも2軸の回転軸C4、C5を有する。このような構成によれば、1軸の第1蝶番構造92によって堅枠26と堅枠34を安定的に支持しながら、少なくとも2軸の第2蝶番構造94によって斜材12の上端部12Bを柔軟に受けることができ、斜材12の角度や位置の調整が行いやすくなる。
【0192】
また、本実施形態の朝顔装置2では、第2蝶番構造94は、斜材12の上端部12Bを回転可能に軸支する連結プレート114(第4軸支部)を有する。このような構成によれば、斜材12の角度調整を容易に行うことができる。
【0193】
また、本実施形態の朝顔装置2では、蝶番構造40はさらに、第2蝶番構造94よりも下方で足場に接続される第3蝶番構造96を有する。このような構成によれば、蝶番構造40を安定的に支持することができる。
【0194】
また、本実施形態の朝顔装置2では、第3蝶番構造96は、足場に回転可能に軸支される。このような構成によれば、蝶番構造40の傾きを調整することができる。
【0195】
(作用・効果2)
上述したように、本実施形態の連結構造200は、足場で使用される堅枠24(第1堅枠)を堅枠26(第2堅枠)に対して回転可能に連結するための連結構造であって、堅枠24に設けられる突出部56と、堅枠26に設けられ、突出部56を回転可能に受ける受け部84と、を備え、突出部56は、第1の幅L1を有する先端側の第1部分216と、第1の幅L1よりも短い第2の幅L2を有する第2部分218とを有し、受け部84は、突出部56を挿入可能な開口部205と、開口部205の奥側で円弧状に延在する内周面210(円弧面)とを有し、開口部205は、内周面210の円弧の中心軸C20の方向に沿った幅として、第1の開口幅D1を有する第1開口部212と、第1開口部212に連続して設けられ第1の開口幅D1よりも短い第2の開口幅D2を有する第2開口部214Aとを有し、第1の開口幅D1は、第1の幅L1よりも長く、第2の開口幅D2は、第1の幅L1よりも短く第2の幅L2よりも長い。
【0196】
このような構成によれば、突出部56の第1部分216を第1開口部212に挿入すれば、突出部56の先端を内周面210に当接させて、堅枠24を内周面210に沿って回転させることができる。第2開口部214Aの幅D2は突出部56の第1部分216の幅L1よりも小さいため、突出部56が第2開口部214Aを通過している間は突出部56の脱落を防止しながら、堅枠24を回転させることができる。このようにして、2つの堅枠24、26同士を容易に回転可能に連結することができる。
【0197】
また、本実施形態の連結構造200では、受け部84はさらに、第1開口部212に隣接する側とは逆側の位置で第2開口部214Aを閉じる第1規制壁215を有する。このような構成によれば、第1規制壁215によって堅枠24の更なる回転を規制することができ、堅枠24の回転範囲を所定の範囲内に収めることが可能となる。
【0198】
また、本実施形態の連結構造200では、受け部84は、開口部205を形成した円筒部204を有し、円筒部204の内周面210が円弧面を構成する。このような構成によれば、簡単な構造で受け部84を構成することができる。
【0199】
また、本実施形態の連結構造200では、開口部205は、内周面210の中心軸C20を中心として円弧状に延在する。このような構成によれば、開口部205と内周面210の形状を揃えることができ、堅枠24の回転動作がよりスムーズになる。
【0200】
また、本実施形態の連結構造200では、内周面210の中心軸C20に直交する断面において、第2開口部214Aは、第1開口部212よりも長い。このような構成によれば、堅枠24の回転可能な範囲を長くとることができる。
【0201】
また、本実施形態の連結構造200では、開口部205はさらに、第1開口部212に対して第2開口部214Aとは逆側に連続して設けられ、第1の開口幅D1よりも短い第3の開口幅D3を有する第3開口部214Bを有し、第3の開口幅D3は、第1の幅L1よりも短く第2の幅L2よりも長い。このような構成によれば、堅枠24の回転可能な範囲を広げることができる。
【0202】
また、本実施形態の連結構造200では、第2の開口幅D2は、第3の開口幅D3と同じである。このような構成によれば、第2の開口幅D2と第3の開口幅D3を同じ長さにすることで、開口部205の形状を単純化することができる。
【0203】
また、本実施形態の連結構造200では、受け部84はさらに、第1開口部212に隣接する側とは逆側の位置で第3開口部214Bを閉じる第2規制壁217を有する。このような構成によれば、第2規制壁217によって堅枠24の更なる回転を規制することができ、堅枠24の回転範囲を所定の範囲内に収めることが可能となる。
【0204】
また、本実施形態の朝顔装置2(足場構造)は、連結構造200と、連結構造200によって互いに連結された堅枠24および堅枠26と、を備える。このような構成によれば、2つの堅枠24、26同士を容易に回転可能に連結することができる。
【0205】
また、本実施形態の朝顔装置2では、堅枠24および堅枠26は、少なくとも一枚のパネル22A~22Dを囲む一対の堅枠であり、コーナー用朝顔装置として用いられる。このような構成によれば、コーナー用朝顔装置2を設置する際の作業性を向上させることができる。
【0206】
なお、本開示は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、実施形態では、パネルユニット4、6がそれぞれ4枚のパネル22A~22D、30A~30Dを有する場合について説明したが、このような場合に限らず、それぞれが少なくとも1枚のパネルを有していればよい。
【0207】
また実施形態では、連結構造200がコーナー用朝顔装置2を構成するパネルユニット4の堅枠24、26同士およびパネルユニット6の堅枠32、34同士を回転可能に連結する場合について説明したが、このような場合に限らない。コーナー用朝顔装置のパネルユニットを構成する一対の堅枠に限らず、足場に用いられる第1枠部材を第2枠部材に回転可能に連結する連結構造として広く適用可能である。
【0208】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本開示は、仮設足場に設置されるコーナー用朝顔装置に有用である。
【符号の説明】
【0210】
2 朝顔装置(コーナー用朝顔装置)
4 パネルユニット4(第1パネルユニット)
6 パネルユニット6(第2パネルユニット)
12 斜材(第1斜材)
14 斜材(第2斜材)
16 斜材(第3斜材)
22A~22D パネル
24 堅枠(第1堅枠)
26 堅枠(第2堅枠)
30A~30D パネル
32 堅枠(第3堅枠)
40 蝶番構造
56 突出部
84 受け部
200連結構造
205 開口部
210 内周面(円弧面)
212 第1開口部
214A 第2開口部
214B 第3開口部
216 第1部分
218 第2部分
D1 第1の開口幅
D2 第2の開口幅
L1 第1の幅
L2 第2の幅