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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128783
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】精算システム及び精算方法
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240913BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240913BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240913BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240913BHJP
【FI】
G07G1/12 361Z
G07G1/01 301D
G07G1/06 B
G07G1/12 321A
G07G1/12 351Z
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037983
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小林 清晃
(72)【発明者】
【氏名】堀田 梨紗
(72)【発明者】
【氏名】皆川 陸大
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142DA04
3E142DA08
3E142EA22
3E142EA27
3E142FA35
3E142FA42
3E142GA16
3E142GA41
3E142JA01
3E142JA02
5L030BB66
5L030BB72
5L049BB66
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の販売促進に寄与する方法で釣銭を処理する。
【解決手段】精算システムを、取引金額を支払うために入金された現金を計数して入金金額を取得する現金処理装置と、入金金額が取引金額を超えた場合に、入金金額から取引金額を差し引いて得られた金額の少なくとも一部を構成する釣銭について、釣銭に代えて商品を受け取ることを選択可能な選択画面を表示する表示装置と、選択画面で選択された商品に関する情報を出力する出力装置とを備え、商品の受け取りが選択された場合に、現金処理装置は釣銭の出金を行わず、出力装置が商品に関する情報を出力するように構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引金額を支払うために入金された現金を計数して入金金額を取得する現金処理装置と、
前記入金金額が前記取引金額を超えた場合に、前記入金金額から前記取引金額を差し引いて得られた金額の少なくとも一部を構成する釣銭について、前記釣銭に代えて商品を受け取ることを選択可能な選択画面を表示する表示装置と、
前記選択画面で選択された商品に関する情報を出力する出力装置と
を備え、
前記商品の受け取りが選択された場合に、前記現金処理装置は前記釣銭の出金を行わず、前記出力装置が前記商品に関する情報を出力する
ことを特徴とする精算システム。
【請求項2】
前記表示装置は、前記選択画面に、さらに、前記現金処理装置による前記釣銭の出金を選択可能に表示し、
前記釣銭の出金が選択された場合は、前記現金処理装置が前記釣銭を出金する
ことを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項3】
前記商品の受け取りが選択された場合に、受け取りが選択された前記商品が取引対象に含まれるように前記取引金額が更新されることを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項4】
前記選択画面に、前記釣銭の金額よりも高い価格で販売されている商品の情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項5】
釣銭金額の範囲毎に提供可能な複数の商品の情報を管理すると共に、釣銭が生じた場合には、前記釣銭の金額に基づいて、前記複数の商品の中から提供可能な商品を選択する管理装置
をさらに備え、
前記表示装置は、前記管理装置が選択した1又は複数の商品の情報を前記選択画面に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項6】
前記管理装置は、釣銭に代えて提供する商品として、他店舗で販売されている商品を管理し、
他店舗の商品が選択された場合は、前記出力装置が、前記他店舗で前記商品を受け取るための引換券を出力することを特徴とする請求項5に記載の精算システム。
【請求項7】
前記出力装置は、前記引換券を印字するプリンタであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の精算システム。
【請求項8】
前記出力装置は、前記引換券を、前記客が携帯端末に受け取り可能な電子データで出力することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の精算システム。
【請求項9】
前記表示装置は所定のタイミングで客に向けた広告を表示することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の精算システム。
【請求項10】
前記釣銭を構成する現金の枚数が所定条件を満たす場合に前記表示装置が前記選択画面を表示することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の精算システム。
【請求項11】
前記現金処理装置内に収納されている、前記釣銭を構成する金種の現金の枚数が、前記金種について設定された所定の閾値より少ない場合に、前記表示装置が前記選択画面を表示することを特徴とする請求項10に記載の精算システム。
【請求項12】
前記現金処理装置内に収納されている、前記釣銭を構成する金種の現金の枚数が、前記金種について設定された所定の閾値より多い場合は、前記表示装置が前記選択画面を表示しないことを特徴とする請求項10に記載の精算システム。
【請求項13】
前記釣銭を構成する金種の現金が、前記現金処理装置内の収納部で他金種の現金と混合状態で収納されており、前記収納部に収納されている全現金枚数に対して前記釣銭を構成する金種の現金枚数の割合が所定の閾値より小さい場合に、前記表示装置が前記選択画面を表示することを特徴とする請求項10に記載の精算システム。
【請求項14】
前記選択画面に、前記現金処理装置へ追加の現金を入金することで受け取り可能になる商品の情報を表示して、
追加入金を要する商品が選択された場合は、前記現金処理装置に追加の現金を受け付けたことに応じて、前記出力装置が前記商品に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の精算システム。
【請求項15】
精算システムに実行させる精算方法であって、
取引金額を支払うために入金された現金を現金処理装置で計数して入金金額を取得する工程と、
前記入金金額が前記取引金額を超えた場合に、前記入金金額から前記取引金額を差し引いて得られた金額の少なくとも一部を構成する釣銭について、前記釣銭に代えて商品を受け取ることを選択可能な選択画面を表示装置に表示する工程と、
前記商品の受け取りが選択された場合に、前記現金処理装置による前記釣銭の出金を行わず、選択された前記商品に関する情報を出力装置により出力する工程と
を含むことを特徴とする精算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、客との取引時に取引金額を精算するための精算システム及び精算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客との取引が行われる店舗で取引金額を精算するための精算システムが利用されている。例えば、客が取引金額を支払うために現金処理装置に現金を入金すると、必要に応じて、客に返す釣銭が現金処理装置から出金される。特許文献1には、釣銭の処理方法を客が選択することができるシステムが開示されている。客は、現金による受け取り、電子マネーによる受け取り、割引ポイントへの変換、募金等の選択肢の中から、釣銭の処理方法を選択することができる。客が釣銭を現金で受け取ることを選択した場合は、現金処理装置から釣銭が出金されるが、それ以外の方法を選択した場合は釣銭を出金することなく取引が終了する。店舗は客との取引に備えて釣銭用の現金を予め準備する必要があるが、現金による出金以外の釣銭処理を選択可能とすることで、客に現金で釣銭を返す回数が減って、準備する現金の金額を減らすことが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-165076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術によれば、店舗は、釣銭用の現金の準備に関する手間を減らすことはできるが、店舗の売上げが上がるわけではない。例えば、客が釣銭を使って商品を追加購入すれば商品の販売促進にもつながるが、上記従来技術では、このような追加の取引を行うことはできなかった。
【0005】
本開示は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、商品の販売促進に寄与する方法で釣銭を処理することができる精算システム及び精算方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る精算システムは、取引金額を支払うために入金された現金を計数して入金金額を取得する現金処理装置と、前記入金金額が前記取引金額を超えた場合に、前記入金金額から前記取引金額を差し引いて得られた金額の少なくとも一部を構成する釣銭について、前記釣銭に代えて商品を受け取ることを選択可能な選択画面を表示する表示装置と、前記選択画面で選択された商品に関する情報を出力する出力装置とを備え、前記商品の受け取りが選択された場合に、前記現金処理装置は前記釣銭の出金を行わず、前記出力装置が前記商品に関する情報を出力する。
【0007】
上記構成において、前記表示装置は、前記選択画面に、さらに、前記現金処理装置による前記釣銭の出金を選択可能に表示し、前記釣銭の出金が選択された場合は、前記現金処理装置が前記釣銭を出金してもよい。
【0008】
上記構成において、前記商品の受け取りが選択された場合に、受け取りが選択された前記商品が取引対象に含まれるように前記取引金額が更新されてもよい。
【0009】
上記構成において、前記選択画面に、前記釣銭の金額よりも高い価格で販売されている商品の情報を表示してもよい。
【0010】
上記構成において、釣銭金額の範囲毎に提供可能な複数の商品の情報を管理すると共に、釣銭が生じた場合には、前記釣銭の金額に基づいて、前記複数の商品の中から提供可能な商品を選択する管理装置をさらに備え、前記表示装置は、前記管理装置が選択した1又は複数の商品の情報を前記選択画面に表示してもよい。
【0011】
上記構成において、前記管理装置は、釣銭に代えて提供する商品として、他店舗で販売されている商品を管理し、他店舗の商品が選択された場合は、前記出力装置が、前記他店舗で前記商品を受け取るための引換券を出力してもよい。
【0012】
上記構成において、前記出力装置は、前記引換券を印字するプリンタであってもよい。
【0013】
上記構成において、前記出力装置は、前記引換券を、前記客が携帯端末に受け取り可能な電子データで出力してもよい。
【0014】
上記構成において、前記表示装置は所定のタイミングで客に向けた広告を表示してもよい。
【0015】
上記構成において、前記釣銭を構成する現金の枚数が所定条件を満たす場合に前記表示装置が前記選択画面を表示してもよい。
【0016】
上記構成において、前記現金処理装置内に収納されている、前記釣銭を構成する金種の現金の枚数が、前記金種について設定された所定の閾値より少ない場合に、前記表示装置が前記選択画面を表示してもよい。
【0017】
上記構成において、前記現金処理装置内に収納されている、前記釣銭を構成する金種の現金の枚数が、前記金種について設定された所定の閾値より多い場合は、前記表示装置が前記選択画面を表示しなくてもよい。
【0018】
上記構成において、前記釣銭を構成する金種の現金が、前記現金処理装置内の収納部で他金種の現金と混合状態で収納されており、前記収納部に収納されている全現金枚数に対して前記釣銭を構成する金種の現金枚数の割合が所定の閾値より小さい場合に、前記表示装置が前記選択画面を表示してもよい。
【0019】
上記構成において、前記選択画面に、前記現金処理装置へ追加の現金を入金することで受け取り可能になる商品の情報を表示して、追加入金を要する商品が選択された場合は、前記現金処理装置に追加の現金を受け付けたことに応じて、前記出力装置が前記商品に関する情報を出力してもよい。
【0020】
本開示に係る精算方法は、精算システムに実行させる精算方法であって、取引金額を支払うために入金された現金を現金処理装置で計数して入金金額を取得する工程と、前記入金金額が前記取引金額を超えた場合に、前記入金金額から前記取引金額を差し引いて得られた金額の少なくとも一部を構成する釣銭について、前記釣銭に代えて商品を受け取ることを選択可能な選択画面を表示装置に表示する工程と、前記商品の受け取りが選択された場合に、前記現金処理装置による前記釣銭の出金を行わず、選択された前記商品に関する情報を出力装置により出力する工程とを含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示に係る精算システム及び精算方法によれば、客との取引で釣銭を返す必要が生じた場合に、商品の販売促進に寄与する方法で釣銭を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態に係る精算システム及び精算システムが実行する精算方法の概要を説明するための模式図である。
図2図2は、精算システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、管理サーバが管理するデータの例を説明するための図である。
図4図4は、精算システムで行われる処理の流れを説明するためのチャート図である。
図5図5は、取引画面の例を説明するための図である。
図6図6は、商品提案画面の例を示す図である。
図7図7は、精算システムで発行されるレシートの例を説明するための図である。
図8図8は、客用端末に表示する選択画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る精算システム及び精算方法の実施の形態について説明する。本開示に係る精算システムは、客との取引が行われる店舗で取引金額の精算処理に利用される。精算システムは、客に釣銭を返す必要が生じた場合に、釣銭の代わりに商品を受け取り、商品を追加購入することを客に提案することができる。客が、提案を受け入れて、釣銭を使って商品を追加購入すれば、釣銭として客に返す現金を減らすことができる上に商品の販売促進にもつながる。
【0024】
図1は、本実施形態に係る精算システム1及び精算システム1が実行する精算方法の概要を説明するための模式図である。精算システム1は、現金処理装置10、レジ端末20、プリンタ40及び管理サーバ100を含む。精算システム1が、客用の操作端末である客用端末30をさらに含んでいてもよい。
【0025】
図1に示す例では、店舗のチェックアウトカウンタに、紙幣処理装置11及び硬貨処理装置12を含む現金処理装置10と、レジ端末20と、客用端末30と、プリンタ40とが設置されている。管理サーバ100の設置場所は特に限定されないが、例えば、店舗のバックヤードに設置される。
【0026】
レジ端末20は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置を含んで構成される。レジ端末20は、各種操作を受け付ける操作部として機能すると共に、各種情報を表示する表示部としても機能する。レジ端末20は、キャッシュレジスタとして機能することができる。客用端末30は、レジ端末20と同様に、例えばタッチパネル式の液晶表示装置を含んで構成され、操作部及び表示部として機能する。
【0027】
図1は、店員が、カウンタを挟んで客と向かい合った状態で、レジ端末20を操作しながら客に対応するチェックアウトカウンタの例を示している。客は、客用端末30の表示内容を確認し、必要に応じて承認や選択の操作を行うことができる。図1は例示であって、チェックアウトカウンタの種類は特に限定されない。チェックアウトカウンタは、例えば、セルフ式のチェックアウトカウンタであってもよいし、セミセルフ式のチェックアウトカウンタでもよい。セルフ式のチェックアウトカウンタの場合は、レジ端末20を設けず、図1に示す客用端末30がレジ端末20の機能を兼ねるようにすればよい。
【0028】
精算処理時には、まず客との取引金額が仮確定される(S1)。例えば、店員が、客が購入する商品に付された図形コードやタグの商品情報を、レジ端末20が備える読取装置に読み取らせると、商品の合計金額に税金を加算した取引金額が算出されて仮確定される。図形コードやタグを利用して商品の価格を特定したり取引金額を算出したりする方法は従来知られているため詳細な説明は省略するが、例えばPOS(Point of Sales)システムを利用して取引金額を仮確定すればよい。
【0029】
仮確定した取引金額は客用端末30に表示される。客は、取引金額を確認して、これを支払うために現金処理装置10に現金を入金する入金処理を行う(S2)。客は、紙幣処理装置11に紙幣を入金して、硬貨処理装置12に硬貨を入金することができる。紙幣処理装置11は客が入金した紙幣を識別計数して紙幣の入金金額を出力する。硬貨処理装置12は客が入金した硬貨を識別計数して硬貨の入金金額を出力する。図1に示す例では、客が現金処理装置10に現金を入金するが、現金処理装置10がカウンタの店員側に設けられて、客から受け取った現金を店員が入金する態様であってもよい。例えば、店舗で販売される商品の価格等に応じて、現金処理装置10を、紙幣処理装置11と硬貨処理装置12のいずれか一方のみを含む構成とする態様であってもよい。
【0030】
レジ端末20は、先に仮確定した取引金額と、紙幣処理装置11から入力された紙幣の入金金額と、硬貨処理装置12から入力された硬貨の入金金額とに基づいて、釣銭金額を算出する(S3)。現金処理装置10に入金された現金の金額を入金金額として、ここから取引金額を差し引いた釣銭金額が算出される。取引金額が仮確定状態であるため、釣銭金額も仮確定された金額となる。レジ端末20は、釣銭金額を管理サーバ100に通知すると共に、管理サーバ100に、釣銭金額分の追加取引に関する情報を要求する。
【0031】
管理サーバ100は、釣銭金額に基づいて、客に追加購入を提案する商品を選択する(S4)。管理サーバ100は、客に返す釣銭金額が0(ゼロ)になるように、すなわち現金処理装置10から釣銭を出金せずにすむように、商品を選択することができる。
【0032】
管理サーバ100は、提案商品のデータベースを管理する管理装置の一例である。データベースには店舗内で販売する商品が登録されている。データベースに他店舗が販売する商品が登録されていてもよい。例えば、店舗が、複数の店舗がテナントとして入ったショッピングモールにある場合、ショッピングモール内の他店舗の商品がデータベースに登録されていてもよい。
【0033】
管理サーバ100が管理するデータベースには、釣銭金額の範囲を指定して商品が登録されている。例えば、1円から99円の釣銭に代えて客に販売してもよい商品は、金額の範囲を1~99円に指定してデータベースに登録される。
【0034】
管理サーバ100は、釣銭金額が指定金額範囲に含まれている商品を選択する。例えば、釣銭金額が40円であれば、この釣銭金額を含む1~99円の金額範囲に登録されている提案商品を選択する。管理サーバ100が、釣銭金額分となるように、複数の提案商品を組み合わせて選択する態様であってもよい。例えば、釣銭金額が140円である場合、管理サーバ100が、140円を指定金額範囲に含む提案商品を選択してもよいし、100円を指定金額範囲に含む提案商品1つと、40円を指定金額範囲に含む提案商品1つの合計2つというように、複数の商品を組み合わせて選択してもよい。
【0035】
データベースに登録されている複数の提案商品の中から、釣銭金額に対応する1又は複数の商品を選択した管理サーバ100は、各商品に関する情報を、レジ端末20に送信する。
【0036】
管理サーバ100から商品情報を受信したレジ端末20は、釣銭不要となる取引を客に提案する画面を表示する(S5)。客用端末30の画面上には、管理サーバ100で選択された商品に関する情報と、釣銭を出金する代わりに商品を追加購入することを提案する内容とが表示される。すなわち、客用端末30は、釣銭を出金するか、釣銭の代わりに商品を受け取るかを客に選択させる選択画面を表示する表示装置として機能する。
【0037】
客が提案を受け入れず釣銭出金を選択した場合、仮確定していた取引金額がそのまま確定される(S6)。仮確定していた釣銭金額は変更されることなくそのまま確定される。現金処理装置10から確定した釣銭が出金されて、精算処理が終了する。釣銭のうち紙幣は紙幣処理装置11から出金されて、硬貨は硬貨処理装置12から出金される。取引内容を印字したレシートがプリンタ40で印刷されて客との取引が終了する。
【0038】
客が提案を受け入れて、追加購入する商品を選択した場合、レジ端末20は、客が追加購入した商品を取引対象に含むように取引内容を更新して、更新後の取引内容で取引金額を確定する(S6)。
【0039】
客が追加購入した商品は、管理サーバ100が、釣銭が不要となるように選択した商品である。このため、仮確定していた取引金額は、仮確定時の釣銭金額を含むように更新確定される。この結果、取引金額は、客が現金処理装置10に先に入金した入金金額と等しくなる。仮確定していた釣銭金額は、0(ゼロ)円に更新されて確定されるため、現金処理装置10から釣銭を出金することなく精算処理が終了する。
【0040】
例えば、仮確定された取引金額が960円、現金処理装置10への入金金額が1000円、仮確定された釣銭金額が40円であったとする。客が40円の釣銭に代えて商品を受け取ることを選択した場合、取引金額は、仮確定していた取引金額960円に釣銭金額40円を加えた1000円に更新確定される。釣銭金額は0円に更新確定され、客に釣銭を返すことなく精算処理が終了する。客が受け取ることを選択した商品に関する情報を含む更新後の取引内容を印字したレシートをプリンタ40で出力して客との取引が終了する。
【0041】
客は、追加購入した商品をチェックアウトカウンタで受け取ることができる。例えば、図1に示すように、レジ端末20近傍に、客への追加購入を提案する複数種類の商品を陳列した商品棚110が設けられる。客用端末30で提案された複数種類の商品の中から所望の商品を選択した客は、この商品を商品棚110から受け取ることができる。
【0042】
他店舗で販売されている商品を選択した客は、商品棚110から、この商品と引換可能な引換券を受け取り、他店舗へ移動して、引換券を渡して商品を受け取ることができる。引換券は商品棚110に予め準備される態様に限定されず、プリンタ40で印字されて出力される態様であってもよい。プリンタ40は、客が、選択した商品を受け取るための情報を出力する出力装置の一例である。なお、以下の説明では、他店舗における呼び名に応じて「引換券」を「クーポン」と記載する場合がある。
【0043】
客が追加購入した商品が店舗内にある場合に引換券を利用する態様であってもよい。例えば、チェックアウトカウンタから離れた場所に陳列された店舗内の商品の追加購入を客に提案する場合、精算処理時に、この商品を対象とする引換券を客に渡して、商品を取ってきた客が店員に引換券を渡して退店できるようにすればよい。
【0044】
セルフ式のチェックアウトカウンタである場合は、チェックアウトカウンタ近傍に、提案商品を収納した自動販売機型の商品提供装置を設置してもよい。レジ端末20が商品提供装置を制御して、客が釣銭に代えて受け取ることを選択した商品を装置内から排出させればよい。客は、自動販売機で商品を購入する場合と同様に、商品提供装置の取出口から商品を取り出して、追加購入した商品を受け取ることができる。
【0045】
なお、図1では釣銭の出金が不要となる例を説明したが、客が釣銭の一部を使って商品を追加購入して、残りの釣銭が現金処理装置10から出金される態様であってもよい。精算システム1は、客へ返す釣銭の一部について、この金額分の商品の追加購入を提案することができる。例えば、精算システム1は、釣銭として出金する現金の枚数が減少するように商品の追加購入を提案することができる。この場合、精算システム1は、提案を受け入れて客が追加購入した商品を取引内容に反映して取引金額を更新し、更新後の取引内容に基づいて、残りの釣銭を現金処理装置10から出金する。
【0046】
精算システム1は、釣銭金額のうち硬貨で出金される金額分を対象に商品の追加購入を提案することができる。客が提案を受け入れると、釣銭は紙幣のみとなって、硬貨処理装置12では出金処理が実行されず、紙幣処理装置11で釣銭紙幣の出金処理が実行される。例えば釣銭金額が1040円であれば、1040円のうち硬貨で出金される40円について商品の追加購入が提案され、提案が受け入れられると釣銭金額が1000円に更新されて、現金処理装置10から千円紙幣が釣銭として出金される。
【0047】
客への追加購入の提案が、釣銭出金が必要となる全ての取引について行われる態様に限定されず、一部の取引について行われる態様であってもよい。例えば、現金処理装置10から釣銭として出金される貨幣の枚数が、所定の閾値を超える場合に、客に追加購入を提案するように予め設定を準備すれば、精算システム1は、この設定に基づいて動作する。
【0048】
また、例えば、現金処理装置10内の現金の在高、すなわち現金処理装置10から出金可能な現金の金種及び金種別枚数に基づいて、商品の追加購入を提案するか否かを判定するように予め設定を準備すれば、精算システム1はこの設定に基づいて動作する。
【0049】
現金処理装置10に収納されている、釣銭を構成する金種の現金の枚数が、この金種について予め設定されている閾値より少ない場合、この金種の現金がさらに減少することを避けるため、商品の追加購入を提案するように設定を準備すればよい。現金処理装置10に収納されている、釣銭を構成する金種の現金の枚数が、この金種について予め設定されている閾値より多い場合は、釣銭として出金しても問題がないため、商品の追加購入を提案しないように設定を準備してもよい。
【0050】
このような設定を100円硬貨を対象に準備した場合、釣銭に100円硬貨が含まれる取引時に、100円硬貨の枚数が予め設定された閾値より多ければ商品の追加購入は提案されない。一方、100円硬貨の枚数が減少して閾値に達していれば、100円硬貨を出金せずにすむように、商品の追加購入が提案される。例えば、釣銭金額が140円で、100円硬貨を出金せずにすむように商品の追加購入を提案する場合、精算システム1は、釣銭全額に相当する140円分の商品の追加購入、又は100円分の商品の追加購入を提案することができる。
【0051】
硬貨処理装置12が混合収納部を含むことがある。混合収納部とは、複数の金種の硬貨を混合状態で収納し、出金処理時に繰り出される硬貨の金種を特定できない収納部を言う。釣銭を構成する硬貨すなわち出金対象の硬貨が混合収納部に収納されていると、繰り出した硬貨の金種を識別して、出金対象外の硬貨を元の混合収納部へ戻しながら出金対象の硬貨を出金するため、出金し終えるまでに長時間かかる可能性がある。混合収納部に収納されている全ての硬貨の枚数に対して、出金対象の硬貨の枚数の割合が小さいと、出金処理の処理時間が長くなる可能性が高くなる。時間がかかる可能性がある出金処理の実行を避けるため、混合収納部に収納されている全ての硬貨の枚数に対する出金対象硬貨の枚数の割合が、予め設定されている閾値より小さい場合に、商品の追加購入を提案するように設定を準備してもよい。このような設定を、10円硬貨と他金種の硬貨を混合状態で収納する収納部を対象に、10円硬貨の閾値を50%にして準備した場合、精算システム1は、釣銭に10円硬貨が含まれる取引時に、収納部の全ての硬貨の枚数に対して10円硬貨の枚数割合が50%以上であれば商品の追加購入を提案しない。一方、精算システム1は、釣銭に10円硬貨が含まれる取引時に、収納部の全硬貨枚数に対して10円硬貨の枚数割合が50%未満であれば商品の追加購入を提案する。
【0052】
客へ追加購入を提案する商品は、釣銭金額分で追加購入可能な商品に限定されず、現金処理装置10への追加の入金を行うことで購入可能となる商品を提案する態様であってもよい。管理サーバ100が、現金処理装置10へ現金を追加入金することで受け取り可能になる商品を選択して、レジ端末20が、管理サーバ100が選択した商品の情報を客用端末30に表示すればよい。客が追加入金を要する商品を選択した場合、現金処理装置10で客から追加の現金を受け付ける入金処理を実行して、レジ端末20が取引金額及び入金金額を更新すればよい。
【0053】
例えば、客へ返す釣銭金額が90円である場合、管理サーバ100が、1~99円の金額範囲に登録された提案商品Xに加えて、100円~199円の金額範囲に登録された提案商品Yを選択する。レジ端末20は、客用端末30の選択画面上に、追加入金無しで受取可能な商品Xと、10円を追加入金すれば受取可能な商品Yとを表示して、釣銭を出金するか、釣銭に代えて商品Xを受け取るか、10円を追加入金して商品Yを受け取るかを客に選択させる。この後、客の選択に応じて、上述したように各処理が行われることになる。
【0054】
図2は、精算システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示した現金処理装置10、レジ端末20、客用端末30及びプリンタ40が、店舗3で精算処理を実行する精算装置50を構成する。レジ端末20は、ネットワーク2を介して管理サーバ100と通信可能に接続されている。
【0055】
店舗3に設けられる精算装置50の台数は特に限定されない。精算装置50が複数台設けられる場合も各精算装置50で上述したように客への提案を行えばよい。管理サーバ100が、ネットワーク2を介して、複数店舗それぞれの精算装置50と接続され、各店舗の精算装置50で上述したように客への提案を行う態様であってもよい。
【0056】
現金処理装置10を構成する紙幣処理装置11は紙幣の入金処理及び出金処理を実行し、硬貨処理装置12は硬貨の入金処理及び出金処理を実行する。入金処理時、紙幣処理装置11は、客が支払う紙幣を紙幣入金部に受け付けて1枚ずつ装置内に取り込み、紙幣識別部で識別して紙幣収納部へ収納する。例えば、紙幣識別部が紙幣の金種及び真偽を識別して、複数の紙幣収納部に紙幣が金種別に収納される。同様に、硬貨処理装置12は、客が支払う硬貨を硬貨入金部に受け付けて1枚ずつ硬貨識別部で識別して硬貨収納部へ収納する。出金処理時、紙幣処理装置11は、客へ返す釣銭紙幣を紙幣収納部から繰り出して装置内を搬送し、紙幣出金部から装置外へ排出する。同様に、硬貨処理装置12は、客へ返す釣銭硬貨を硬貨収納部から繰り出して硬貨出金部から装置外へ排出する。店舗のチェックアウトカウンタで紙幣及び硬貨を入出金する精算用の現金処理装置は従来知られているため、構成及び動作に関する詳細な説明は省略する。
【0057】
管理サーバ100は、制御部及び記憶部を備えるコンピュータ装置を含んで構成される。商品に関するデータベースは管理サーバ100の記憶部に保存されている。管理サーバ100は、ネットワーク2を介して接続された通信端末から各種操作を受け付ける。例えば、データベースにおける商品の登録、修正及び削除、データベースの参照等の操作が通信端末を利用して行われる。
【0058】
管理サーバ100の記憶部には、図1で説明した提案商品データベースに加えて、追加購入データベースが保存される。追加購入データベースには、客が提案を受け入れて追加購入した商品に関する情報が登録される。完了した取引に関する情報がレジ端末20から管理サーバ100へ送信されて、追加購入データベースへの情報登録が行われる。
【0059】
図3は、管理サーバ100が管理するデータの例を説明するための図である。図3(a)は、客へ追加購入を提案する商品の情報が登録された提案商品データベースの例を示す図である。精算システム1を利用する各店舗の店員は、管理サーバ100と接続した通信端末で所定の認証操作を行って認証された後、通信端末で提案商品データベースを参照し、商品登録等の操作を行うことができる。図3(a)は、店舗Aの店員が提案商品データベースを参照した場合の表示例である。
【0060】
図3(a)に示すように、提案商品データベースには、釣銭金額範囲及び提案商品の項目が含まれる。釣銭金額範囲が、チェックアウトカウンタにおける提案商品の販売価格に相当する。釣銭金額範囲の項目に登録された各金額範囲に対して、1又は複数の提案商品が登録される。
【0061】
提案商品の項目には、商品ID(識別情報)、提供者、通常販売価格、商品内容の項目が含まれる。商品IDの項目には、各商品を一意に特定するための識別情報が登録される。商品登録時に、他の商品の商品IDと区別可能な商品IDが自動的に付与される。
【0062】
提供者の項目には、商品提供者を特定するための情報が登録される。管理サーバ100で行われた認証結果に基づいて、各店舗の情報が提供者として登録される。図3(a)は、店舗Aの店員による参照画面であるため、店舗Aの商品については、提供者の項目に「自店舗」と表示されている。
【0063】
通常販売価格及び商品内容の項目には商品の情報が登録される。通常販売価格の項目には、商品提供者の店舗における提案商品の販売価格が登録される。商品内容の項目には、商品名等、商品を特定するための情報が登録される。商品がクーポンである場合、発行日当日、発行日から1週間というように、クーポンの使用期限を商品内容に含めることができる。図3(a)に示す例は、釣銭金額が1~99円の範囲内であれば、釣銭出金に代えて、店舗A(自店舗)のガム、店舗Bのジュース引換券等を客に提供可能であることを示している。
【0064】
図3(a)に示す例では、金額範囲が1~99円、100~199円のように分かれているが、各店舗の店員は、商品を提供してもよい金額の範囲を指定して商品を登録することができる。例えば、店員は、店舗での通常販売価格が50円の商品を、金額を50円と指定して登録することもできるし、40円~60円というように上下限を指定して登録することもできる。また、店員は、例えば40円以上というように下限のみを指定して登録することもできるし、60円以下というように上限のみを指定して登録することもできる。店員が登録した商品は、店員が指定した金額を釣銭金額範囲として提案商品データベースに登録される。客が、釣銭出金よりも商品の追加購入を選択するように、通常販売価格よりも低い金額又は金額範囲を指定することができる。金額の指定方法は一例であり、特に限定されない。
【0065】
図3(b)は、客が、釣銭を使って追加購入した商品の情報が登録された追加購入データベースの例を説明するための図である。追加購入データベースには、取引店舗、取引ID(識別番号)、釣銭金額、商品ID、提供者及び共有情報の項目が含まれる。例えば、店舗Aで客が提案を受け入れて商品を追加購入した場合、店舗Aのレジ端末20から管理サーバ100へ、取引に関する情報が送信される。管理サーバ100は、レジ端末20から受信した取引情報に基づいて追加購入データベースに各情報を登録する。
【0066】
取引店舗の項目には取引が行われた店舗が登録され、この店舗で各取引を識別するために付与された識別情報が取引IDの項目に登録される。POSシステムを利用して取引が行われる店舗では、POSサーバが各取引に取引番号を付して管理する。POSサーバが付与した取引番号を、追加購入データベースの取引IDの項目に登録できるようになっている。
【0067】
釣銭金額の項目は提案前と提案後に分かれている。提案前の項目には、追加購入を提案する前に仮確定された釣銭金額、すなわち現金処理装置10から出金する予定であった釣銭金額が登録される。提案後の項目には、客が商品を追加購入したことで更新された更新後の釣銭金額、すなわち現金処理装置10から実際に出金された釣銭金額が登録される。
【0068】
例えば、図3(b)の一段目のデータは、仮確定した112円の釣銭金額が、客が商品を追加購入したことで0円になったことを示している。二段目のデータも同様に仮確定した164円の釣銭金額が最終的に0円になって釣銭が出金されなかったことを示している。一方、三段目のデータは、客が商品を追加購入して釣銭金額が1280円から1000円になったことを示している。例えば、釣銭のうち硬貨で出金される金額分のみを追加購入で0円にする提案が行われて、客がこれを受け入れた場合に、三段目にあるようなデータが登録される。
【0069】
商品ID及び提供者の項目に登録される情報は、図3(a)の提案商品データベースに登録されている商品ID及び提供者と対応している。追加購入データベースに登録された商品IDに基づいて提案商品データベースを参照することにより、客が追加購入した商品の内容等を確認できるようになっている。
【0070】
提供者の項目には、客が追加購入した商品の提供元である店舗が登録される。精算システム1では、追加購入データベースに登録された取引店舗と提供者とが異なる場合に、管理サーバ100が所定の後処理を実行する設定とすることができる。
【0071】
例えば、店舗Aの客が、店舗Qの商品を追加購入することを決めて、この商品のクーポンを受け取った場合に、図3(b)の二段目に示すデータが登録される。店舗Aは、この客に164円の釣銭を返す代わりに、店舗Qで商品と引換可能なクーポンを発行する。店舗Qは、来店した客からクーポンの提示を受けて、商品を提供する。客は、追加購入した店舗Qの商品を受け取るが、客が追加購入に充てた釣銭金額の164円は、店舗Aでの取引金額に含められて精算処理を終えた状態にある。このため、店舗Aから店舗Qへ164円を支払う必要が生ずる。
【0072】
このような店舗間での支払処理に対応するため、管理サーバ100は、客が追加購入した他店舗の商品について、追加購入価格に相当する資金を店舗間で移動するための処理を実行することができる。例えば、各店舗の店員は、通信端末を利用して、店舗間で移動する資金の金額を確認することができる。例えば、店舗Qの店員は、客が商品の追加購入に充てた釣銭金額を確認して店舗Aに請求することができる。
【0073】
管理サーバ100が、各店舗の金融機関口座を利用して資金移動を実行してもよい。図3(b)に示す例では、店舗Aで164円の釣銭に代えて店舗Qのハンバーガーを受け取るクーポンが発行されている。このため、店舗Aから店舗Qへ164円を支払うための口座処理が行われる。口座処理は、口座処理に必要となる各店舗の口座番号等の情報を予め管理サーバ100へ登録して、管理サーバ100が、口座処理を実行する金融機関のサーバ装置へ、移動する資金の金額、移動元及び移動先の口座に関する情報を送信することによって実行される。口座処理は、取引が行われる度に実行する設定の他、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回というように、所定のタイミングで実行する設定とすることができる。口座処理の実行タイミングを設定した場合、管理サーバ100は、前回の口座処理後に行われた各取引の金額を合計して資金移動を実行する。
【0074】
資金移動に関して、管理サーバ100が、店舗間で定めた手数料を処理する設定とすることも可能となっている。手数料の算出方法を予め設定すれば、管理サーバ100は、店舗間で移動する資金の金額を、手数料を含めて算出する。例えば、上述した例で、店舗Aから店舗Qへ又は店舗Qから店舗Aへ、クーポン1枚当たりで設定された定額の手数料又はクーポンが発行された際の釣銭金額に所定割合を乗じた手数料を支払う契約である場合、契約に応じた手数料の算出方法を設定すればよい。管理サーバ100は、設定された算出方法で手数料を算出し、算出した手数料を含むように、店舗Aと店舗Qとの間で移動する資金の金額を決定する。なお、店舗Aが、店舗Qからクーポンを購入して客に発行する場合等、資金移動が不要であれば、資金移動に関する処理を実行しない設定とすればよい。
【0075】
図3(b)に示す共有情報の項目には、客が他店舗の商品を追加購入した場合に、これらの店舗間で共有が必要となる情報が登録される。例えば、客に渡した引換券及びクーポンを特定するための識別情報、引換券及びクーポンの使用期限等の情報が、共有情報の項目に登録される。共有情報の項目に、クーポンを使用済みであるか否かを示す情報が登録されてもよい。
【0076】
図3(b)に示すように、店舗Aで行われた取引時に、客が店舗Qの商品を追加購入してクーポンが発行されると、クーポン番号及び使用期限を含む取引情報が、店舗Aのレジ端末20から管理サーバ100へ送信される。管理サーバ100は、店舗Aから受信したクーポン番号及び使用期限を、追加購入データベースへ登録すると共に、店舗Qへ通知する。例えば、ネットワーク2を介して、店舗Qにある所定の通信端末へ通知が送信される。店舗Qは、管理サーバ100から通知されたクーポン番号及び使用期限に基づいて、使用期限まで、クーポンと引き換えに客に商品を提供する。
【0077】
図4は、精算システム1で行われる処理の流れを説明するためのチャート図である。まず、レジ端末20を利用して、客との取引金額、すなわち客が商品を購入するために店舗に支払う金額が算出される(ステップS11)。算出された取引金額が客用端末30の画面上に表示される(ステップS12)。このとき取引金額は仮確定の状態にあり、客が商品を追加購入した場合は取引金額が更新されることになる。
【0078】
図5は、取引画面の例を説明するための図である。レジ端末20及び客用端末30の画面に、図5(a)に示す取引画面が表示される。画面上には、客が購入する商品の名称、個数及び価格が表示される。また、取引画面上には消費税等を含めた取引金額に相当する合計金額201が表示される。
【0079】
図4に示すように、取引画面を確認した客が合計金額201を承認して取引画面下部にある確認ボタンを押すと(ステップS13)、レジ端末20は、現金処理装置10へ現金を入金するよう客に促す画面を客用端末30に表示し、現金処理装置10に入金処理の実行を指示する(ステップS14)。客が現金処理装置10の入金部に現金を投入すると、現金処理装置10は入金処理を実行する(ステップS15)。現金処理装置10が入金処理を開始すると、客用端末30の画面上に広告が表示される(ステップS16)。
【0080】
客用端末30の画面上に、図5(b)に示す画面が表示される。画面上の一部領域204に広告が表示される。画面上には、客が支払う合計金額201が表示される。現金処理装置10で客が入金した入金金額が得られると、この入金金額202と、入金金額202から合計金額201を差し引いた釣銭金額203とが画面上に表示される。
【0081】
例えば、レジ端末20が、管理サーバ100に広告のデータを要求して、得られた広告を客用端末30の画面上に表示する。店舗は、客用端末30の画面に商品の広告を表示することで、広告料を得ることができる。管理サーバ100は、客用端末30の画面に表示された広告の種類及び広告料を管理して、広告主から支払われる広告料を店舗の口座に入金する口座処理を実行することができる。広告料に関する口座処理は、上述したクーポン発行時の口座処理と同様に、口座処理を実行する金融機関のサーバ装置へ、広告料の金額と、広告料の支払元及び支払先の口座に関する情報を送信することによって実行される。
【0082】
入金処理完了後、現金処理装置10から入金金額を取得したレジ端末20は、入金金額から取引金額を差し引いた釣銭金額を算出する(ステップS17)。レジ端末20が、釣銭金額を現金処理装置10に通知すると、現金処理装置10は、装置内にある現金の在高、すなわち出金可能な現金の金種及び金種別枚数に基づいて、釣銭金額を構成する現金の金種及び金種別枚数を決定する(ステップS18)。現金処理装置10は、釣銭金額を構成する現金の金種及び金種別枚数、すなわち釣銭の内訳をレジ端末20へ通知した後、レジ端末20から釣銭出金の指示があるまで待機状態となる。なお、釣銭金額の算出は、現金処理装置10で行われる態様であってもよい。釣銭の内訳が現金処理装置10の在高情報に基づいてレジ端末20で決定される態様であってもよい。
【0083】
レジ端末20は、釣銭金額を管理サーバ100へ通知して、客に追加購入を提案する商品の選択を要求する(ステップS19)。管理サーバ100は、レジ端末20から受信した釣銭金額に基づいて、図3(a)に示す提案商品データベースに登録されている商品の中から、客に提案する商品を選択する(ステップS20)。客に提案する商品を選択した管理サーバ100は、選択した商品に関する情報をレジ端末20へ送信する。レジ端末20は、管理サーバ100から提案商品に関する情報を受信すると(ステップS21)、客用端末30の画面上に商品提案画面を表示する(ステップS22)。
【0084】
図6は、商品提案画面の例を示す図である。図6(a)は、自店舗の商品、すなわち精算処理を実行中の店舗の商品を客に提案する商品提案画面の例を示す図である。画面上部には、釣銭金額と、釣銭を構成する現金の枚数とを含む釣銭情報211が表示される。レジ端末20は、ステップS18で決定された釣銭の内訳に基づいて、釣銭枚数を含む釣銭情報211を表示することができる。
【0085】
図6(a)に示すように、商品提案画面には、釣銭金額に基づいて管理サーバ100で選択された商品を示す商品情報212(212a、212b)が表示される。表示される商品情報212には、商品の名称及び通常販売価格が含まれる。商品情報212に、客にとっての利益を示す情報が含まれていてもよい。例えば、図6(a)に示すように、釣銭価格と、提案商品の通常販売価格との差額を表示すれば、客にとっての利益が明確となる。
【0086】
商品提案画面の下部には、釣銭出金ボタン213が表示される。客が、商品提案画面の表示内容詳細を確認しない場合でも釣銭枚数が目に入るように、釣銭出金ボタン213のボタン上、又は釣銭出金ボタン213の近傍に釣銭枚数が表示される。
【0087】
図6(b)は、他店舗の商品を提案する商品提案画面の例を示す図である。図6(a)に示す画面例と同様に、画面上部には、釣銭金額及び釣銭を構成する現金枚数を含む釣銭情報211が表示される。釣銭のうち硬貨で出金される金額分のみを商品追加購入の提案対象とする設定である場合、図6(b)に示すように、釣銭のうち硬貨で出金する枚数が表示される。
【0088】
図6(b)に示す例では、他店舗の商品を提案するため、他店舗で商品を受け取るためのクーポン情報214(214a、214b)が表示されている。図6(a)に示す画面例と同様に、クーポン情報214に、商品の名称及び通常販売価格が含まれていてもよいし、釣銭価格と提案商品の通常販売価格との差額が含まれていてもよい。画面下部には、出金される釣銭の内訳を示す情報と共に釣銭出金ボタン213が表示される。釣銭のうち硬貨で出金される金額分を商品追加購入の提案対象とする設定である場合、釣銭出金ボタン213のボタン上又はその近傍に、釣銭枚数が紙幣枚数と硬貨枚数とに分けて表示される。
【0089】
図6(a)及び(b)には2つの商品を提案する画面例を示しているが、提案する商品が1つになる場合もあるし、3つ以上になる場合もある。また、自店舗の商品の提案と、他店舗の商品の提案とが同時に行われる場合もある。商品情報が1画面に収まりきらない場合は、画面を下にスクロールして、全ての提案商品を確認できるように商品提案画面が表示される。
【0090】
商品提案画面に表示される商品情報212及びクーポン情報214はボタンになっている。利用者が、商品提案画面上で、追加購入することを決めた商品情報212又はクーポン情報214の表示領域を押す操作を行うと、次の処理へ進むようになっている。
【0091】
図4に示すように、客が提案を受け入れず、商品提案画面に表示された釣銭出金ボタン213を押した場合(ステップS23;No)、レジ端末20が現金処理装置10に釣銭の出金を指示して(ステップS24)、現金処理装置10が釣銭の出金処理を実行する(ステップS25)。仮確定の状態であった取引金額及び釣銭金額が、変更されることなくそのまま確定されて、ステップS18で決定された構成で釣銭が出金される。レジ端末20は、プリンタ40を制御して、取引内容を印字したレシートを発行する(ステップS26)。
【0092】
一方、客が提案を受け入れて、商品情報212又はクーポン情報214のボタンを押して追加購入する商品を選択した場合(ステップS23;Yes)、レジ端末20は、客が追加購入した商品に基づいて取引内容を更新する(ステップS27)。客が追加購入した商品が取引対象に含まれることで、仮確定の状態であった取引金額及び釣銭金額が更新される。レジ端末20は、プリンタ40を制御して、更新後の取引内容を印字したレシートを出力する(ステップS26)。
【0093】
釣銭出金を行わないように、釣銭金額を0円にするための商品を提案して客がこれを受け入れた場合、現金処理装置10で釣銭の出金処理は実行されない。釣銭金額のうち硬貨を出金しないように、硬貨による出金金額を0円にする商品の追加購入を提案して客がこれを受け入れた場合、図4に破線で示したように、紙幣のみで構成される釣銭の出金処理が現金処理装置10で行われる(ステップS28)。同様に、現金処理装置10の在高に基づいて、釣銭を構成する金種のうち一部の金種を対象に、該金種の現金による出金を行わないように追加購入を提案して客がこれを受け入れた場合も、図4に破線で示すように、他金種の出金処理が現金処理装置10で行われる(ステップS28)。
【0094】
レジ端末20は、客の追加購入に関する取引情報を管理サーバ100へ送信する(ステップS29)。管理サーバ100は、レジ端末20から受信した取引情報に基づいて、図3(b)に示した追加購入データベースを更新する(ステップS30)。
【0095】
図4には示していないが、図1で説明したように、所定条件を満たす場合に商品の追加購入を提案する設定となっている場合、図4に示すステップS18とステップS19との間で、レジ端末20による判定が行われ、判定結果に基づいて処理が進められる。
【0096】
釣銭を構成する現金枚数が閾値を超える場合に追加購入を提案する設定である場合、釣銭枚数と閾値を比較する判定が行われる。釣銭枚数が閾値を超えていれば、上述したようにステップS19以降の処理が実行される。釣銭枚数が閾値を超えていなければ、ステップS19~S23の処理は実行されずにステップS24~S26の処理が実行される。
【0097】
硬貨によって出金される釣銭金額のみを対象に追加購入を提案する設定である場合、釣銭に硬貨が含まれているか否かの判定が行われる。釣銭に硬貨が含まれていればステップS19で硬貨による釣銭金額が管理サーバ100へ通知される。釣銭が紙幣のみで出金可能であれば、ステップS19~S23の処理は実行されずにステップS24~S26の処理が実行される。
【0098】
現金処理装置10の在高に基づいて追加購入を提案する設定である場合、在高に基づく提案要否の判定が行われる。判定結果に基づいて、釣銭を構成する複数金種のうち一部の金種について追加購入を提案することが決定されて、ステップS19で、この金種の現金で出金される金額分のみが管理サーバ100へ通知される場合がある。現金処理装置10の在高に基づいて提案不要と判定されて、ステップS19~S23の処理は実行されずにステップS24~S26の処理が実行される場合もある。
【0099】
図7は、精算システム1で発行されるレシートの例を説明するための図である。図6(a)に示した商品提案画面で、客が商品情報212のボタンを押した場合に、図7(a)に示すレシートが発行される。レシートには、客が釣銭出金に代えて追加購入した商品の情報301が、他の商品と区別可能に印字される。図6(a)は釣銭出金を不要にする提案画面であるため、客が提案を受け入れた場合、現金処理装置10から釣銭は出金されず、図7(a)に示すようにレシート上の釣銭金額302は0円になる。
【0100】
図6(b)に示した商品提案画面で、客がクーポン情報214bのボタンを押した場合に、図7(b)に示すレシートが発行される。レシートには、客が選択したクーポンの情報303が、他の商品と区別可能に印字される。図6(b)は釣銭金額のうち硬貨による釣銭出金を不要にする提案であるため、客が提案を受け入れた場合も、現金処理装置10から紙幣の釣銭が出金される。このため、図7(b)に示すように、レシート上の釣銭金額304は、紙幣による釣銭金額になっている。
【0101】
客が他店舗の商品を追加購入することを決めた場合、例えば図7(b)に示すように、レシート上に、他店舗で商品を受け取るための情報を含むクーポン305が印刷されて出力される。クーポン305には、客が追加購入した商品を示す情報と、客がこの商品を受け取ることができる店舗を示す情報とが含まれる。また、クーポン305には、使用期限306と、クーポン番号307とが含まれる。さらに、クーポン305が、クーポン番号307、使用期限306等の情報を符号化した図形コード308を含んでいてもよい。例えば、図3(a)に示す提案商品データベースの商品内容の項目に、発行から所定期間というようにクーポンの使用期限を制限する情報が含まれている場合に、この情報に基づいて、クーポン発行時に使用期限が設定される。
【0102】
客が他店舗の商品を追加購入することを決めた場合、商品購入に関する情報が他店舗と共有される。図7(b)に示す例では、管理サーバ100から、店舗Qの通信端末にクーポン305に関する情報が通知される。客は、使用期限までの間、店舗Qでレシートのクーポン305を提示して、追加購入した商品を受け取ることができる。例えば、店舗Qの通信端末が備えるカメラ等の読取装置にクーポン305の図形コード308を読み取らせると、通信端末は、図形コード308に含まれるクーポン番号、使用期限等の情報を管理サーバ100へ問い合わせてクーポン305の真偽を確認し、確認結果を表示する。店舗Qの店員は、通信端末に表示された確認結果に基づいて客に商品を渡す。商品を渡し終えた店員が通信端末で所定操作を行うと、通信端末から管理サーバ100へ商品の引渡完了を示す情報が送信されて、追加購入データベースの共有情報の項目に、クーポン305が使用済みであることを示す情報が登録される。クーポン305が使用済みであることを示す情報が登録されると、これ以降クーポン305は使用できなくなる。同様にクーポン305の使用期限を迎えるとクーポン305は使用できなくなる。
【0103】
本実施形態では、客との取引時に釣銭金額が算出された後、釣銭を出金せずにすむように商品の追加購入を提案する例、釣銭の一部を出金せずにすむように商品の追加購入を提案する例、追加購入する商品に応じて現金の追加入金を受け付ける例、自店舗の商品を提案する例、他店舗の商品を提案する例、提案要否を判定する例等、複数の例を説明したが、精算システム1がこれら全てを実行可能である態様に限定されず、一部の例のみを実行可能であってもよい。
【0104】
本実施形態では、図5に示す取引画面が表示された後に図6に示す商品提案画面が表示される例を説明したが、具体的な提案商品を提示する前に、現金処理装置10から釣銭を出金するか、釣銭を出金せずに商品を受け取るかを選択させる選択画面を表示する態様であってもよい。
【0105】
図8は、客用端末30に表示する選択画面の例を示す図である。図8に示すように、釣銭の金額及び釣銭枚数を含む釣銭情報221と、客が選択可能な選択肢を示す複数のボタン222~224とを表示して客に選択を求めてもよい。
【0106】
例えば、図8に示すように、釣銭出金を選択するボタン222と、釣銭に代えて、レジ近傍に設置された商品棚110から商品を受け取ることを選択するボタン223と、他店舗の商品を受け取ることを選択するボタン224とを表示して、いずれかを客に選択させてもよい。客がボタン222を押した場合、現金処理装置10から釣銭を出金して精算処理が終了する。客がボタン223を押した場合、客に釣銭を返すことなく商品棚110の商品を渡して精算処理が終了する。客がボタン225を押した場合、客に釣銭を返すことなく他店舗の商品と引換可能なクーポンを渡して精算処理が終了する。ボタン223又はボタン224が押された場合に、図6に示す商品提案画面を表示して、上述したように各処理を実行してもよい。図8に示す選択画面がボタン224を含まない態様であってもよい。
【0107】
本実施形態では、現金処理装置10内に収納されている枚数が少ない金種の現金を出金せずにすむように商品の追加購入を提案する例を説明したが、レジ端末20が取引金額を変更することによって現金の出金を回避する態様であってもよい。具体的には、例えば取引金額が151円、客が現金処理装置10に入金した入金金額が200円、釣銭金額が49円である場合に、レジ端末20が、取引金額を150円に割り引いて釣銭を50円にする。現金処理装置10内の1円硬貨の在高が所定の閾値より少ない場合に、このように取引金額を割り引いて釣銭金額を49円から50円にすることで、1円硬貨を出金せずに精算処理を終えることができる。レジ端末20内に、現金処理装置10の在高に応じて所定範囲の割引を許容する設定を準備して、レジ端末20がこの設定に基づいて割引を実行するようにすればよい。
【0108】
本実施形態では、釣銭に代えて受取可能な商品の選択肢を客に提示する例を説明したが、客が釣銭の受け取りを拒否する選択肢を含める態様であってもよい。例えば、図6に示す画面及び図8に示す画面に、釣銭不要と表示したボタンを設けて、客がこのボタンを押した場合は、釣銭を出金せずに精算処理を終了すればよい。この場合、釣銭を含むように取引金額を変更してもよいし、客が受け取らなかった釣銭を客との取引とは別に管理するようにしてもよい。
【0109】
本実施形態では、商品を受け取るための引換券及びクーポンが、プリンタ40によって紙片に印刷される例を説明したが、電子クーポン、すなわち電子データによるクーポンが出力される態様であってもよい。例えば、引換券及びクーポンの情報を含む図形コードが客用端末30の画面上に表示されて、客が、自身が所有するスマートフォン等の携帯端末で図形コードを読み取ることによって、電子クーポンを取得する態様であってもよい。この場合、客用端末30が、客が商品を受け取るための情報を出力する出力装置の一例である。管理サーバ100から、客の携帯端末へ電子クーポンが送信される態様であってもよい。この場合、管理サーバ100が出力装置の一例である。上述したように、引換券及びクーポンを利用した商品の受け取りが可能であれば、引換券及びクーポンの出力方法は特に限定されない。
【0110】
本実施形態では、精算システム1が現金処理装置10、レジ端末20、客用端末30、プリンタ40及び管理サーバ100を含む例を説明したが、該構成は機能概略的なものであり、精算システム1の構成が物理的に該構成に限定されるものではない。例えば、レジ端末20が、上述した客用端末30の機能及び動作の一部又は全部を実現する態様であってもよいし、客用端末30が、上述したレジ端末20の機能及び動作の一部又は全部を実現する態様であってもよい。レジ端末20が、上述した管理サーバ100の機能及び動作の一部を実現する態様であってもよいし、管理サーバ100が、上述したレジ端末20の機能及び動作の一部を実現する態様であってもよい。各装置の分散・統合の形態は上述した例に限定されず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0111】
上述したように、精算システムでは、客に釣銭を返す必要が生じたときに、釣銭を使って商品を追加購入することを客に提案することができる。客が提案を受け入れれば、釣銭として客に返す現金を減らすことができる上に、商品の販売促進にもつながる。
【符号の説明】
【0112】
1 精算システム
2 ネットワーク
10 現金処理装置
11 紙幣処理装置
12 硬貨処理装置
20 レジ端末
30 客用端末
40 プリンタ
50 精算装置
100 管理サーバ
図1
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図8