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  • 特開-リミットスイッチ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128808
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】リミットスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/28 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H01H21/28 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038034
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】菰口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】月森 一如
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂平
(72)【発明者】
【氏名】小川 翔
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219FU02
5G219FU14
5G219HT03
5G219HU12
5G219JU05
5G219KS01
5G219KY04
5G219NS02
(57)【要約】
【課題】耐熱性を向上させることが可能なリミットスイッチを提供すること。
【解決手段】リミットスイッチが、スイッチ本体と、スイッチ本体に接続された操作部とを備える。操作部が、ハウジングと、軸部材と、付勢部とを含む。付勢部は、弾性部材と、復帰プランジャと、ハウジングよりも耐熱性の高いガイド部材とを有する。弾性部材は、第2方向に延びる中心線に沿って伸縮可能であると共に、軸部材を付勢するように構成されている。復帰プランジャは、第2方向における弾性部材および軸部材の間に位置し、中心線に沿って移動可能であると共に、弾性部材の付勢力を軸部材に伝達するように構成されている。ガイド部材は、ハウジングに取り付けられていると共に、内部に復帰プランジャを収容して、復帰プランジャの移動をガイドするように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ本体と、
前記スイッチ本体に接続された操作部と
を備え、
前記操作部が、
ハウジングと、
第1方向に沿って前記ハウジングの外部から前記ハウジングの内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジングに支持されている軸部材と、
前記ハウジングの内部に位置し、前記第1方向に交差する第2方向でかつ前記スイッチ本体に接近する方向に前記軸部材を付勢して前記復帰位置に復帰させる付勢部と
を含み、
前記付勢部が、
前記第2方向に延びる中心線に沿って伸縮可能であると共に、前記軸部材を付勢するように構成されている弾性部材と、
前記第2方向における前記弾性部材および前記軸部材の間に位置し、前記中心線に沿って移動可能であると共に、前記弾性部材の付勢力を前記軸部材に伝達するように構成されている復帰プランジャと、
前記ハウジングに取り付けられていると共に、内部に前記復帰プランジャを収容して、前記復帰プランジャの移動をガイドするように構成され、前記ハウジングよりも耐熱性の高いガイド部材と
を有する、リミットスイッチ。
【請求項2】
前記操作部が、前記ハウジングの内部に位置する前記軸部材の端部を回転可能に支持するように構成され、前記ハウジングよりも耐熱性の高い支持部材を有する、請求項1に記載のリミットスイッチ。
【請求項3】
前記操作部が、
前記軸部材の前記ハウジングの外部に位置する端部に位置する操作レバーと、
前記操作レバーを前記軸部材に固定する締結部材と
を含み、
前記締結部材が、
前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に沿って延びると共に、前記軸部材の一部を収容する凹部が設けられているシャフトと、
前記シャフトの一端に位置するナットと
を有する、請求項1または2に記載のリミットスイッチ。
【請求項4】
前記弾性部材が、径が異なる2つのコイルばねを含む、請求項1または2に記載のリミットスイッチ。
【請求項5】
前記スイッチ本体が、前記軸部材の回転によりオンオフ切り替え可能なスイッチ部を有し、
前記スイッチ部が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を含む材料で構成されている、請求項1または2に記載のリミットスイッチ。
【請求項6】
前記操作部が、前記軸部材に塗布されたフッ素グリスを含む、請求項1または2に記載のリミットスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リミットスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に内蔵スイッチが収容されたハウジングを備えるリミットスイッチが開示されている。このリミットスイッチでは、カム部を有する回転可能なシャフトと、シャフトの回転に応じて移動するスイッチ動作プランジャとを備え、シャフトの回転に応じてカム部が傾斜することでスイッチ動作プランジャがシャフトから離れる方向に移動し、内蔵スイッチがオンオフされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-204223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、塗装ラインでは、摂氏約160度の高温環境下でリミットスイッチが使用される場合がある。一般に、リミットスイッチの耐熱温度は最大で摂氏約120度であるため、高温環境でリミットスイッチを使用すると短期間で故障するおそれがある。
【0005】
本開示は、耐熱性を向上させることが可能なリミットスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のリミットスイッチは、
スイッチ本体と、
前記スイッチ本体に接続された操作部と
を備え、
前記操作部が、
ハウジングと、
第1方向に沿って前記ハウジングの外部から前記ハウジングの内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジングに支持されている軸部材と、
前記ハウジングの内部に位置し、前記第1方向に交差する第2方向でかつ前記スイッチ本体に接近する方向に前記軸部材を付勢して前記復帰位置に復帰させる付勢部と
を含み、
前記付勢部が、
前記第2方向に延びる中心線に沿って伸縮可能であると共に、前記軸部材を付勢するように構成されている弾性部材と、
前記第2方向における前記弾性部材および前記軸部材の間に位置し、前記中心線に沿って移動可能であると共に、前記弾性部材の付勢力を前記軸部材に伝達するように構成されている復帰プランジャと、
前記ハウジングに取り付けられていると共に、内部に前記復帰プランジャを収容して、前記復帰プランジャの移動をガイドするように構成され、前記ハウジングよりも耐熱性の高いガイド部材と
を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、耐熱性を向上させることが可能なリミットスイッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態のリミットスイッチを示す斜視図。
図2図1のII-II線に沿った断面図。
図3図1のIII-III線に沿った断面図。
図4】ガイド部材を備えていないリミットスイッチの操作部の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、および、本開示の用途を制限することを意図するものではない。添付図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0010】
本開示の一実施形態のリミットスイッチ1は、図1に示すように、オンオフ切り替え可能なスイッチ本体2と、スイッチ本体2に接続された操作部3とを備える。
【0011】
スイッチ本体2は、一例として、図1に示すように、略直方体状を有している。スイッチ本体2の一面に、操作部3が着脱可能に接続されている。スイッチ本体2には、後述する軸部材20の回転によりオンオフ切り替え可能なスイッチ部4が内蔵されている。本実施形態では、スイッチ部4は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)を含む材料で構成されている。
【0012】
操作部3は、図2に示すように、ハウジング10と、軸部材20と、付勢部30とを含む。本実施形態では、操作部3は、操作プランジャ40と、操作レバー50とを含む。軸部材20は、第1方向(例えば、X方向)に沿ってハウジング10の外部からハウジング10の内部まで延びている。付勢部30および操作プランジャ40は、ハウジング10の内部に位置している。操作レバー50は、ハウジング10の外部に位置している。
【0013】
ハウジング10は、一例として、アルミを含む材料で構成され、中空で略立方体形状のハウジング本体11と、略円筒形状の周壁部12とを有している。周壁部12は、ハウジング本体11のスイッチ本体2に対向する面111に隣接する1つの側面112に設けられている。
【0014】
ハウジング本体11は、スイッチ本体2に接続され、図3に示すように、内部に収容部13および凹部14を有している。収容部13には、付勢部30および操作プランジャ40が第1方向Xに交差する方向(例えば、Z方向)に移動可能な状態で収容されている。凹部14は、収容部13を構成する内壁に設けられ、収容部13の内壁から第1方向Xでかつ周壁部12から離れる方向に窪んでいる。凹部14には、軸部材20のハウジング10の内部に位置する端部212と、軸部材20の端部212に位置する支持部材23とが収容されている。支持部材23は、ハウジング10よりも高い耐熱性を有し、軸部材20の端部212を回転可能に支持するように構成されている。本実施形態では、支持部材23は、ステンレス鋼を含む材料で構成され、略円環形状を有している。
【0015】
周壁部12は、ハウジング本体11の側面112から、第2方向Zに沿って延びている。周壁部12は、第1方向Xにおけるハウジング本体11から遠い方の面に設けられた開口121と、周壁部12の内部を第1方向Xに沿って延びて収容部13および開口121に接続された貫通孔122とを有している。貫通孔122には、軸部材20を回転可能に支持する軸受け部123が設けられている。
【0016】
軸部材20は、一例として、軸本体21と、カム部22とを有している。
【0017】
軸本体21は、例えば、第1方向Xに沿って延びる略円柱形状で、第1方向Xに沿ってハウジング10の外部からハウジング10の内部まで延びている。軸本体21は、第1方向Xに沿って延びる回転軸211まわりに正逆回転可能に構成されている。一例として、図3において、矢印A方向を正方向とし、矢印B方向を逆方向としている。復帰位置P1から矢印A方向に略90度回転した軸部材20の位置を第1動作位置P2とし、復帰位置P1から矢印B方向に略90度回転した軸部材20の位置を第2動作位置P3としている。この場合、軸本体21は、回転軸211まわりに復帰位置P1から第1動作位置P2および第2動作位置P3に回転可能な状態でハウジング10に支持されている。
【0018】
カム部22は、軸本体21のハウジング10の内部に位置する部分に設けられ、軸本体21と共に回転軸211まわりに回転可能に構成されている。カム部22には、後述する付勢部30の復帰プランジャ32が接触している。軸本体21が復帰位置P1に位置している場合、カム部22の大部分が、第2方向Zにおいて、回転軸211よりもスイッチ本体2の近くに位置している。カム部22が回転することにより、復帰プランジャ32および操作プランジャ40を第2方向Zに沿って相互に離れるように移動させる。
【0019】
本実施形態では、軸部材20には、フッ素グリスが塗布されている。
【0020】
付勢部30は、第2方向Zでかつスイッチ本体2に接近する方向に軸部材20を付勢して復帰位置P1に復帰させるように構成されている。本実施形態では、付勢部30は、第2方向Zにおいてカム部22よりもスイッチ本体2から離れて位置している。
【0021】
付勢部30は、弾性部材31と、復帰プランジャ32と、ガイド部材33とを有している。
【0022】
弾性部材31は、第2方向Zに延びる中心線Lに沿って伸縮可能であると共に、復帰プランジャ32を介して軸部材20を付勢するように構成されている。本実施形態では、弾性部材31は、径(例えば、中心径、内径または外径)が異なる2つのコイルばね311、312を含んでいる。各コイルばね311、312は、例えば、オイルテンパー線で構成されている。径の大きいコイルばね311の内部空間に径の小さいコイルばね312が位置している。
【0023】
復帰プランジャ32は、第2方向Zにおける弾性部材31および軸部材20の間に位置し、中心線Lに沿って移動可能であると共に、弾性部材31の付勢力を軸部材20に伝達するように構成されている。本実施形態では、復帰プランジャ32は、略円筒形状で、板部321と、円筒部322とを含む。板部321は、略円形の板状で、カム部22および弾性部材31に接触して、弾性部材31の付勢力をカム部22に伝達するように構成されている。円筒部322は、板部321の弾性部材31に対向する面の縁部から第2方向Zに沿って延びて、板部321の第2方向Zへの移動をガイドするように構成されている。
【0024】
ガイド部材33は、例えば、ステンレス鋼を含む材料で構成され、ハウジング10よりも高い耐熱性を有している。ガイド部材33は、ハウジング10に取り付けられており、内部に復帰プランジャ32を収容して、復帰プランジャ32の移動をガイドするように構成されている。本実施形態では、ガイド部材33は、内部に復帰プランジャ32を収容可能な略円筒形状を有し、ハウジング10の収容部13を構成する内面に固定されている。
【0025】
操作プランジャ40は、第2方向Zにおけるスイッチ本体2およびカム部22の間に位置し、第2方向Zにおいてカム部22に対向している。操作プランジャ40には、操作プランジャ40と共に移動可能な伝達部材41の一端が接続されている。伝達部材41の他端はスイッチ部4に接続されている。操作プランジャ40は、カム部22の回転により第2方向Zに移動し、伝達部材41を介してスイッチ部4のオンオフを切り替えるように構成されている。
【0026】
操作レバー50は、軸部材20のハウジング10の外部に位置する端部213に位置している。本実施形態では、操作レバー50は、軸部材20に交差(例えば、直交)する方向に延びて、軸本体21と共に回転可能に構成されている。操作レバー50は、締結部材60により軸部材20に固定されている。
【0027】
締結部材60は、図3に示すように、シャフト61と、少なくとも1つのナット(本実施形態では、2つのナット62)とを有している。シャフト61は、操作レバー50の外部から内部まで、第1方向Xおよび第2方向Zに沿って延びている。シャフト61の操作レバー50の内部に位置する部分には、軸部材20の一部を収容する凹部63が設けられている。凹部63は、軸本体21の外形に沿った湾曲形状で、軸本体21の一部を収容するように構成されている。シャフト61の操作レバー50の外部に位置する部分には、2つのナット62が取り付けられている。2つのナット62の締め付けにより、凹部63内に収容された軸本体21の一部が機械的に締め付けられている。
【0028】
リミットスイッチ1は、次の効果を発揮できる。
【0029】
リミットスイッチ1が、スイッチ本体2と、スイッチ本体2に接続された操作部3とを備える。操作部3が、ハウジング10と、軸部材20と、付勢部30とを含む。軸部材20は、第1方向Xに沿ってハウジング10の外部からハウジング10の内部まで延びて、第1方向Xに延びる回転軸211まわりに復帰位置P1から第1動作位置P2または第2動作位置P3に回転可能な状態でハウジング10に支持されている。付勢部30は、ハウジング10の内部に位置し、第2方向Zでかつスイッチ本体2に接近する方向に軸部材20を付勢して復帰位置P1に復帰させる。付勢部30は、弾性部材31と、復帰プランジャ32と、ハウジング10よりも耐熱性の高いガイド部材33とを有する。弾性部材31は、第2方向Zに延びる中心線Lに沿って伸縮可能であると共に、軸部材20を付勢するように構成されている。復帰プランジャ32は、第2方向Zにおける弾性部材31および軸部材20の間に位置し、中心線Lに沿って移動可能であると共に、弾性部材31の付勢力を軸部材20に伝達するように構成されている。ガイド部材33は、ハウジング10に取り付けられていると共に、内部に復帰プランジャ32を収容して、復帰プランジャ32の移動をガイドするように構成されている。このような構成により、例えば、摂氏160度の高温環境下でも、ハウジング10の内部が復帰プランジャ32の摺動により削れることにより発生する復帰プランジャ32の動作不良の発生を抑制できる。
【0030】
操作部3が、ハウジング10よりも耐熱性の高い支持部材23を有する。支持部材23は、ハウジング10の内部に位置する軸部材20の端部212に位置し、軸部材20の端部212を回転可能に支持するように構成されている。このような構成により、例えば、摂氏160度の高温環境下でも、軸部材20およびハウジング10間の摺動抵抗を低減させて、軸部材20の動作不良の発生を抑制できる。
【0031】
操作部3が、軸部材20のハウジング10の外部に位置する端部213に位置する操作レバー50と、操作レバー50を軸部材20に固定する締結部材60とを含む。締結部材60が、第3方向Yに沿って延びると共に、軸部材20の一部を収容する凹部63が設けられているシャフト61と、シャフト61の一端に位置するナット62とを有する。このような構成により、操作レバー50が機械的に軸部材20に固定されるので、例えば、摂氏160度の高温環境下でも、操作レバー50の空回りの発生を抑制できる。
【0032】
弾性部材31が、径が異なる2つのコイルばね311、312を含む。このような構成により、弾性部材31のばね特性を向上させることができる。その結果、例えば、弾性部材31として、耐熱性は高いが単独では所望のばね特性を得ることができない材料で構成されたコイルばねを用いることができる。
【0033】
スイッチ本体2が、軸部材20の回転によりオンオフ切り替え可能なスイッチ部4を有し、スイッチ部4が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を含む材料で構成されている。このような構成により、スイッチ部4の耐熱性を向上させることができる。
【0034】
操作部3が、軸部材20に塗布されたフッ素グリスを含む。このような構成により、例えば、摂氏160度の高温環境下でも、グリスの固化による復帰不良の発生を抑制しつつ、軸部材20の回転に伴う摩擦を低減させることができる。
【0035】
リミットスイッチ1は、次のように構成することもできる。
【0036】
支持部材23は、省略することができる。
【0037】
操作レバー50は、締結部材60により軸部材20に固定される場合に限らず、操作レバー50を軸部材20に固定可能な任意の構成を採用できる。
【0038】
弾性部材31は、2つのコイルばね311、312を含む場合に限らず、軸部材20を付勢して復帰位置P1に復帰させることが可能な任意の構成を採用できる。例えば、弾性部材31は、1または3以上のコイルばねを含んでいてもよいし、コイルばね以外の他の弾性部材を含んでいてもよい。
【0039】
スイッチ部4は、PEEK樹脂を含む材料で構成されている場合に限らず、他の材料で構成されていてもよい。
【0040】
操作部3は、軸部材20に塗布される潤滑剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。潤滑剤を含む場合、潤滑剤は、フッ素グリスであってもよいし、フッ素グリス以外のグリスであってもよい。
【0041】
スイッチ本体2は、軸本体21の回転により操作プランジャ40を介してオンオフ切り替え可能な任意の構成を採用できる。
【0042】
操作部3は、スイッチ本体2に着脱不可能に接続されていてもよい。
【0043】
周壁部12は、ハウジング本体11に対して一体に設けられている場合に限らず、別体に設けられていてもよい。この場合、周壁部12は、ハウジング本体11と同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
【0044】
前記実施形態におけるリミットスイッチ1を構成する各部材の形状および構成は、一例であり、他の任意の形状および構成を採用することもできる。
【0045】
例えば、ガイド部材33は、略円筒形状である場合に限らず、軸部材20が回転したときに復帰プランジャ32およびハウジング10が接触する部分を少なくとも覆うことができる任意の形状を採用できる。
【0046】
ガイド部材33を備えていないリミットスイッチ100の操作部3の一例を図4に示す。例えば、軸部材20が矢印A方向に回転すると、復帰プランジャ32の円筒部322の第2方向Zにおいて軸部材20から離れた端部のうち、矢印A方向の下流に位置する端部323が、矢印C方向に沿ってハウジング10の内面に対して押しつけられつつ、第2方向Zでかつ軸部材20から離れる方向に移動する。図4のリミットスイッチ100では、「軸部材20が回転したときに復帰プランジャ32およびハウジング10が接触する部分」に、円筒部322の端部323の移動範囲Rが含まれる。弾性部材31が、1つのコイルばね313で構成されている。
【0047】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。以下の説明では、一例として、参照符号を添えて記載する。
【0048】
本開示の第1態様のリミットスイッチ1は、
スイッチ本体2と、
前記スイッチ本体2に接続された操作部3と
を備え、
前記操作部3が、
ハウジング10と、
第1方向に沿って前記ハウジング10の外部から前記ハウジング10の内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸211まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジング10に支持されている軸部材20と、
前記ハウジング10の内部に位置し、前記第1方向に交差する第2方向でかつ前記スイッチ本体2に接近する方向に前記軸部材20を付勢して前記復帰位置に復帰させる付勢部30と
を含み、
前記付勢部30が、
前記第2方向に延びる中心線に沿って伸縮可能であると共に、前記軸部材20を付勢するように構成されている弾性部材31と、
前記第2方向における前記弾性部材31および前記軸部材20の間に位置し、前記中心線に沿って移動可能であると共に、前記弾性部材31の付勢力を前記軸部材20に伝達するように構成されている復帰プランジャ32と、
前記ハウジング10に取り付けられていると共に、内部に前記復帰プランジャ32を収容して、前記復帰プランジャ32の移動をガイドするように構成され、前記ハウジング10よりも耐熱性の高いガイド部材33と
を有する。
【0049】
本開示の第2態様のリミットスイッチ1は、第1態様のリミットスイッチ1において、
前記操作部3が、前記ハウジング10の内部に位置する前記軸部材20の端部212を回転可能に支持するように構成され、前記ハウジング10よりも耐熱性の高い支持部材23を有する。
【0050】
本開示の第3態様のリミットスイッチ1は、第1態様または第2態様のリミットスイッチ1において、
前記操作部3が、
前記軸部材20の前記ハウジング10の外部に位置する端部213に位置する操作レバー50と、
前記操作レバー50を前記軸部材20に固定する締結部材60と
を含み、
前記締結部材60が、
前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に沿って延びると共に、前記軸部材20の一部を収容する凹部63が設けられているシャフト61と、
前記シャフト61の一端に位置するナット62と
を有する。
【0051】
本開示の第4態様のリミットスイッチ1は、第1態様~第3態様のいずれかのリミットスイッチ1において、
前記弾性部材31が、径が異なる2つのコイルばね311、312を含む。
【0052】
本開示の第5態様のリミットスイッチ1は、第1態様~第4態様のいずれかのリミットスイッチ1において、
前記スイッチ本体2が、前記軸部材20の回転によりオンオフ切り替え可能なスイッチ部4を有し、
前記スイッチ部4が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を含む材料で構成されている。
【0053】
本開示の第6態様のリミットスイッチ1は、第1態様~第5態様のいずれかのリミットスイッチ1において、
前記操作部3が、前記軸部材20に塗布されたフッ素グリスを含む。
【0054】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0055】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、例えば、自動車などの組み立てラインに適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 リミットスイッチ
2 スイッチ本体
3 操作部
4 スイッチ部
10 ハウジング
11 ハウジング本体
111 面
112 側面
12 周壁部
121 開口
122 貫通孔
123 軸受け部
13 収容部
14 凹部
20 軸部材
21 軸本体
211 回転軸
212、213 端部
22 カム部
23 支持部材
30 付勢部
31 弾性部材
32 復帰プランジャ
321 板部
322 円筒部
323 端部
33 ガイド部材
40 操作プランジャ
41 伝達部材
50 操作レバー
60 締結部材
61 シャフト
62 ナット
63 凹部
100 リミットスイッチ
図1
図2
図3
図4