(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128824
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】車両の冷却ユニット
(51)【国際特許分類】
B60K 11/04 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B60K11/04 H
B60K11/04 Z
B60K11/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038060
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】今枝 孝弘
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA05
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC01
3D038AC13
3D038AC14
3D038AC15
3D038AC20
3D038AC26
(57)【要約】
【課題】ラジエータに掛かる負荷の低減および各熱交換器における熱交換効率の向上を図ることができる車両の冷却ユニットを提供する。
【解決手段】ラジエータ3に、インタクーラ4、ファンシュラウド5およびリザーブタンク6が支持されて成る第1冷却ユニット1Aと、車両フロントボデー2との間にラジエータサポートブラケット7を配設する。ラジエータサポートブラケット7によってコンデンサ8および電動ファン9を支持すると共に、ラジエータサポートブラケット7の上下方向延在部71,72に車両前方に向けて突出した導風部を備えさせ、車幅方向延在部74を車両前方に向けて先細りとなる断面形状にする。これにより、ラジエータ3に掛かる負荷を小さくすることができると共に、各熱交換器8,4,3において十分な熱交換効率を得ることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともラジエータおよびコンデンサを含む複数の熱交換器と、少なくとも電動ファンを含む付随部品とを備えて成る車両の冷却ユニットにおいて、
前記ラジエータと、該ラジエータよりも前方に位置する車両フロントボデーとの間に配設されたラジエータサポートブラケットを備え、
前記ラジエータサポートブラケットは、上下方向に延在する左右一対の上下方向延在部と、車幅方向に沿って延在する上下一対の車幅方向延在部とを備えた枠状で成り、車両正面視において前記各上下方向延在部および前記各車幅方向延在部で囲まれた範囲の内側に前記コンデンサの少なくとも一部および前記電動ファンが配置されて、これらコンデンサおよび電動ファンが前記ラジエータサポートブラケットに支持されており、
前記上下方向延在部は、前記車幅方向延在部よりも車両前方に向けて突出した導風部を備えており、
前記車幅方向延在部は、車両前方に向けて先細りとなる断面形状を有していることを特徴とする車両の冷却ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の冷却ユニットに係る。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のエンジンルームの前部には、冷媒や吸気等を冷却するための各種の熱交換器およびそれに付随する部品を備えた冷却ユニットが配設されている。この冷却ユニットを構成する熱交換器としては、ラジエータ、インタクーラ、コンデンサ等が挙げられ、これに付随する部品としては、ファンシュラウド、リザーブタンク、電動ファン等が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、コンデンサがラジエータに支持された構成が開示されている。このように、各熱交換器のうち比較的大型で成るラジエータを支持構造体として利用し、このラジエータに、他の熱交換器やそれに付随する部品を支持させる構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ラジエータに、他の熱交換器やそれに付随する部品を支持させる構成にあっては、ラジエータに掛かる負荷が大きく、特に、ラジエータタンクとラジエータコアとの接続部分(例えばカシメによって接続されている部分)に掛かる負荷が大きくなり、水漏れが懸念される状況にあった。このため、この接続部分の接続強度を高くしておく等といった水漏れ対策を講じておく必要があり、ラジエータ全体としての重量の増大に繋がっていた。
【0006】
また、電動ファンが各熱交換器の前側に配設される場合、この電動ファンを支持(熱交換器に支持)するためのブラケットが各熱交換器の前側に位置することになるため、このブラケットの存在が、各熱交換器への空気の流れを阻害することになる。その結果、各熱交換器を通過する空気の量の減少や空気の流速の低下を招く可能性があり、十分な熱交換効率を得ることができていなかった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ラジエータに掛かる負荷の低減および各熱交換器における熱交換効率の向上を図ることができる車両の冷却ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、少なくともラジエータおよびコンデンサを含む複数の熱交換器と、少なくとも電動ファンを含む付随部品とを備えて成る車両の冷却ユニットを前提とする。そして、この車両の冷却ユニットは、前記ラジエータと、該ラジエータよりも前方に位置する車両フロントボデーとの間に配設されたラジエータサポートブラケットを備えている。また、前記ラジエータサポートブラケットは、上下方向に延在する左右一対の上下方向延在部と、車幅方向に沿って延在する上下一対の車幅方向延在部とを備えた枠状で成り、車両正面視において前記各上下方向延在部および前記各車幅方向延在部で囲まれた範囲の内側に前記コンデンサの少なくとも一部および前記電動ファンが配置されて、これらコンデンサおよび電動ファンが前記ラジエータサポートブラケットに支持されている。そして、前記上下方向延在部は、前記車幅方向延在部よりも車両前方に向けて突出した導風部を備えており、前記車幅方向延在部は、車両前方に向けて先細りとなる断面形状を有していることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記導風部は、各上下方向延在部のうち一方のみに備えられていてもよいし、両方に備えられていてもよい。また、車両前方に向けて先細りとなる断面形状は、各車幅方向延在部のうち一方のみに適用されていてもよいし、両方に適用されていてもよい。
【0010】
本解決手段によれば、コンデンサおよび電動ファンがラジエータサポートブラケットに支持されていることにより、ラジエータに掛かる負荷を小さくすることができる。また、車両前方から流れてくる空気(走行風等)であって、ラジエータサポートブラケットの上下方向延在部付近を流れる空気は、当該上下方向延在部が導風部(車幅方向延在部よりも車両前方に向けて突出した導風部)を備えていることにより、ラジエータサポートブラケットの外側(車幅方向の外側)に流れてしまう量が減少し、大部分がラジエータサポートブラケットの内側に流れ込むことになる。また、車両前方から流れてくる空気であって、ラジエータサポートブラケットの車幅方向延在部付近を流れる空気は、当該車幅方向延在部が車両前方に向けて先細りとなる断面形状を有していることにより、流れが乱されることが抑制され、高い流速を維持したまま各熱交換器を通過することになる。これらにより、各熱交換器において十分な熱交換効率を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、ラジエータと車両フロントボデーとの間に配設されたラジエータサポートブラケットによってコンデンサおよび電動ファンを支持すると共に、ラジエータサポートブラケットの上下方向延在部に車両前方に向けて突出した導風部を備えさせ、車幅方向延在部を車両前方に向けて先細りとなる断面形状としている。このため、ラジエータに掛かる負荷を小さくすることができると共に、各熱交換器において十分な熱交換効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】車両の冷却ユニットおよび車両フロントボデーを示す斜視図である。
【
図2】車両の冷却ユニットおよび車両フロントボデーの分解斜視図である。
【
図3】
図3(a)は冷却ユニットの正面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるB-B線に沿った断面図であり、
図3(c)は
図3(a)におけるC-C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、過給機付きエンジン(内燃機関)を搭載した車両において、冷媒や吸気等を冷却するための各種の熱交換器として、ラジエータ、インタクーラ、コンデンサを備え、それに付随する部品(以下、単に付随部品という)として、ファンシュラウド、リザーブタンク、電動ファンを備えた場合を例に挙げて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る車両の冷却ユニット1および車両フロントボデー2を示す斜視図である。また、
図2は、車両の冷却ユニット1および車両フロントボデー2の分解斜視図である。また、
図3(a)は冷却ユニット1の正面図である。これらの図における矢印FRは車体前方向を示し、矢印UPは上方向を示し、矢印RHは車幅方向の右側を示し、矢印LHは車幅方向の左側を示している。
【0015】
これらの図に示すように、車両の前部であって、車両フロントボデー2の後側には、各種の熱交換器と付随部品とにより構成される冷却ユニット1が配設されている。
【0016】
-車両フロントボデーの構成-
図1および
図2に示すように、車両フロントボデー2は、車体正面視が略矩形の枠状に形成されており、上側において車幅方向に沿って延在されたアッパフレーム21と、該アッパフレーム21よりも下側において車幅方向に沿って延在されたロアフレーム22と、アッパフレーム21およびロアフレーム22における車幅方向の両端部同士をそれぞれ上下方向で連結して車両フロントボデー2の側部を構成するサイドフレーム23,24とを含んで構成されている。
【0017】
また、アッパフレーム21の車幅方向の両端部には、エプロンアッパメンバ25,26の前端部が接合されている。また、アッパフレーム21とロアフレーム22との間には、車幅方向の中央位置において上下方向に延在するセンタブレース27が架け渡されている。
【0018】
-冷却ユニットの構成-
次に、冷却ユニット1について説明する。
図2に示すように、冷却ユニット1は、ラジエータ3に、インタクーラ4、ファンシュラウド5、および、リザーブタンク6が一体的に組み付けられて成る第1冷却ユニット1Aと、ラジエータサポートブラケット7に、コンデンサ8および電動ファン9が一体的に組み付けられて成る第2冷却ユニット1Bとを含んで構成されている。
【0019】
ラジエータ3は、エンジン冷却水の冷却を行う熱交換器である。ラジエータ3は、車体前後方向に対して直交する方向に拡がるラジエータコアと、該ラジエータコアの両側(例えば車幅方向の両側または上下方向の両側)に配設されたラジエータタンクとが一体的に接続(例えばカシメによって接続)されて成る。エンジンから吸熱することで高温となった冷却水がラジエータ3において外気と熱交換されることによって冷却され、該冷却水がエンジンに戻されることによりエンジンの冷却が行われる。
【0020】
インタクーラ4は、ラジエータ3の前側に配設され、該ラジエータ3に支持されている。例えば、ボルト止めや、インタクーラ4に形成された係止ピンがラジエータ3に形成されたピン孔に挿通されることによって支持されている。
【0021】
インタクーラ4は、過給機において過給されることで高温となった吸気の冷却を行う熱交換器である。インタクーラ4は、ラジエータ3と同様に、車体前後方向に対して直交する方向に拡がり、吸気の冷却効率が高められている。本実施形態に係るインタクーラ4にあっては、その車幅方向の寸法はラジエータ3の車幅方向の寸法よりも僅かに大きく設定されており、上下方向の寸法はラジエータ3の上下方向の寸法の4/5程度となっている。インタクーラ4の寸法としてはこれに限定されるものではない。
【0022】
ファンシュラウド5は、樹脂によって形成された部品であり、ラジエータ3の背面(車両後側に向く面)を覆うように設置されており、インタクーラ4やラジエータ3を通過した空気を車両後方へ案内する機能を有している。
【0023】
リザーブタンク6は、ラジエータ3の上部に取り付けられ、該ラジエータ3から押し出された冷却水を貯留し、また、その冷却水を必要に応じてラジエータ3に戻す構成となっている。
【0024】
このように、第1冷却ユニット1Aにあっては、ラジエータ3の前側にインタクーラ4が、ラジエータ3の後側にファンシュラウド5およびリザーブタンク6がそれぞれ配設され、これらがラジエータ3に支持された構成となっている。また、ラジエータ3は、車両フロントボデー2に支持される。この支持構造は公知のもの(例えばラジエータ3に形成された係止ピンが車両フロントボデー2に形成されたピン孔に挿通される支持構造)が適用される。
【0025】
ラジエータサポートブラケット7は、樹脂製であって、正面視が略矩形の枠状で成る。具体的に、このラジエータサポートブラケット7は、第1冷却ユニット1Aと車両フロントボデー2との間に配設されており、
図2および
図3(a)に示すように、上下方向に延在する左右一対の上下方向延在部71,72と、車幅方向に沿って延在する上下一対の車幅方向延在部73,74とを備えている。
【0026】
各上下方向延在部71,72同士の間隔(車幅方向での間隔)は、車両フロントボデー2のサイドフレーム23,24同士の間隔に略一致しており、第2冷却ユニット1Bが車両フロントボデー2に組み付けられた状態(
図1を参照)では、車幅方向の左側に位置する上下方向延在部71が同じく車幅方向の左側に位置するサイドフレーム23に対向した位置となり、車幅方向の右側に位置する上下方向延在部72が同じく車幅方向の右側に位置するサイドフレーム24に対向した位置となる。
【0027】
同様に、各車幅方向延在部73,74同士の間隔(上下方向での間隔)は、車両フロントボデー2のアッパフレーム21とロアフレーム22との間隔に略一致しており、第2冷却ユニット1Bが車両フロントボデー2に組み付けられた状態では、上側に位置する車幅方向延在部73がアッパフレーム21に対向した位置となり、下側に位置する車幅方向延在部74がロアフレーム22に対向した位置となる。
【0028】
コンデンサ8は、車両の空調機の冷媒回路を循環する冷媒を冷却する熱交換器である。つまり、冷媒回路の圧縮機から吐出されたガス冷媒を、外気との熱交換によって冷却して凝縮させる。冷媒としては、例えば代替フロンが用いられる。コンデンサ8は、ラジエータ3と同様に、車体前後方向に対して直交する方向に拡がり、冷媒の冷却効率が高められている。
図3(a)に示すように、本実施形態に係るコンデンサ8にあっては、その車幅方向の寸法は、ラジエータサポートブラケット7の各上下方向延在部71,72同士の間隔(車幅方向での間隔)よりも僅かに小さく設定されており、上下方向の寸法は、ラジエータサポートブラケット7の各車幅方向延在部73,74同士の間隔(上下方向での間隔)よりも大きく設定されている。
【0029】
コンデンサ8は、ラジエータサポートブラケット7に取り付けられている。その取付構造としては、
図3(a)に示すように、4個のブラケット81,82,83,84が用いられている。具体的に、コンデンサ8の上部の両側部分がブラケット81,82を介してラジエータサポートブラケット7の上下方向延在部71,72にそれぞれ取り付けられている。また、コンデンサ8の上下方向中央部の両側部分がブラケット83,84を介してラジエータサポートブラケット7における下側の車幅方向延在部74にそれぞれ取り付けられている。
【0030】
このようにしてコンデンサ8がラジエータサポートブラケット7に支持されていることにより、コンデンサ8の上側半分は、車両正面視において、ラジエータサポートブラケット7の各上下方向延在部71,72および各車幅方向延在部73,74で囲まれた範囲の内側に位置している。また、コンデンサ8の下側半分は、ラジエータサポートブラケット7よりも下側(下側の車幅方向延在部74よりも下側)に位置していることになる。
【0031】
電動ファン9は、ファンケーシング91内に図示しない電動モータおよびファンブレード92が収容された構成となっている。また、ファンケーシング91の3箇所にはブラケット93,94,95が設けられており、これらブラケット93,94,95によってラジエータサポートブラケット7に支持されている。具体的には、ファンケーシング91の上部がブラケット93によってラジエータサポートブラケット7における上側の車幅方向延在部73に取り付けられている。また、ファンケーシング91の下部の2箇所がブラケット94,95によってラジエータサポートブラケット7における下側の車幅方向延在部74に取り付けられている。これにより、電動ファン9は、車両正面視において、ラジエータサポートブラケット7の各上下方向延在部71,72および各車幅方向延在部73,74で囲まれた範囲の内側に位置していることになる。
【0032】
このように、第2冷却ユニット1Bにあっては、ラジエータサポートブラケット7の各上下方向延在部71,72および各車幅方向延在部73,74で囲まれた範囲の内側にコンデンサ8の一部および電動ファン9が配置され、これらコンデンサ8および電動ファン9がラジエータサポートブラケット7によって支持された構成となっている。
【0033】
ラジエータサポートブラケット7における各上下方向延在部71,72の特徴として、
図3(a)におけるB-B線に沿った断面図である
図3(b)に示すように、車幅方向延在部73,74よりも車両前方に向けて突出した導風部75,76(
図3(b)では車幅方向の右側の導風部76のみが現れている)を備えている。この導風部75,76は、車両後方に向かって開放するコ字状の断面を有しており、当該断面を構成している左右一対の側壁部76a,76bの寸法(車体前後方向での寸法)が車幅方向延在部73,74の車体前後方向での寸法よりも長く設定されている。このため、
図3(b)に一点鎖線で示すように、車両前方から流れてくる空気(走行風等)であって、上下方向延在部72付近を流れる空気は、導風部76の存在により、ラジエータサポートブラケット7の外側(車幅方向の外側)に流れてしまう量が減少し、大部分がラジエータサポートブラケット7の内側に流れ込むことになる。つまり、コンデンサ8に向けて流れ込むことになる。
【0034】
また、ラジエータサポートブラケット7における下側の車幅方向延在部74の特徴として、
図3(a)におけるC-C線に沿った断面図である
図3(c)に示すように、車両前方に向けて先細りとなる断面形状を有している。つまり、車幅方向延在部74は、車両後方に向かって開放するコ字状の断面を有しており、その高さ寸法は、車両前方に向かって小さくなっている。このため、
図3(c)に一点鎖線で示すように、車両前方から流れてくる空気であって、車幅方向延在部74付近を流れる空気は、流れが殆ど乱されることなく車幅方向延在部74の上下に分流され、高い流速を維持したまま、コンデンサ8、インタクーラ4、ラジエータ3に向かって流れて、これらを通過することになる。
【0035】
以上の如く、車幅方向延在部73,74が導風部を備えていること、および、車幅方向延在部74の断面形状が車両前方に向けて先細りとなっていることにより、各熱交換器8,4,3を通過する空気の量を十分に確保でき、空気の流速を維持できることから、十分な熱交換効率を得ることができる。
【0036】
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、第1冷却ユニット1Aと車両フロントボデー2との間に配設されたラジエータサポートブラケット7によってコンデンサ8および電動ファン9を支持すると共に、ラジエータサポートブラケット7の上下方向延在部71,72に車両前方に向けて突出した導風部75,76を備えさせ、車幅方向延在部74を車両前方に向けて先細りとなる断面形状としている。このため、ラジエータ3に掛かる負荷を小さくすることができると共に、各熱交換器8,4,3において十分な熱交換効率を得ることができる。
【0037】
-他の実施形態-
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
【0038】
例えば、前記実施形態では、過給機付きエンジンを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明した。つまり、インタクーラ4を搭載した車両において、当該インタクーラ4をラジエータ3によって支持した場合について説明した。本発明はこれに限らず、インタクーラを搭載しない車両に対しても適用が可能である。この場合、ラジエータ3がファンシュラウド5およびリザーブタンク6を支持することで第1冷却ユニット1Aが構成されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、過給機付きのエンジンを搭載した車両の前部に配設される冷却ユニットに適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…冷却ユニット 2…車両フロントボデー 3…ラジエータ
7…ラジエータサポートブラケット 71,72…上下方向延在部
73,74…車幅方向延在部 75,76…導風部 8…コンデンサ 9…電動ファン