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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128830
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240913BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
A61M25/09 520
A61M25/092 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038071
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】599140507
【氏名又は名称】株式会社パイオラックスメディカルデバイス
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大宮 由裕
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA07
4C267AA29
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB16
4C267BB20
4C267BB38
4C267BB40
4C267BB52
4C267CC08
4C267CC21
4C267CC22
4C267CC26
4C267EE03
4C267HH17
4C267HH30
(57)【要約】
【課題】先端部を回転させやすくすることができる、ガイドワイヤを提供する。
【解決手段】このガイドワイヤ10は、筒状部材20と、筒状部材20とは別体とされ、且つ、筒状部材20の先端24側において、筒状部材20に対して回転可能に配置された回転先端部30と、筒状部材20の内側に挿通され、筒状部材20に対して回転可能とされており、且つ、回転先端部30に連結された操作線50とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材と、
前記筒状部材とは別体とされ、且つ、前記筒状部材の先端側において、前記筒状部材に対して回転可能に配置された回転先端部と、
前記筒状部材の内側に挿通され、前記筒状部材に対して回転可能とされており、且つ、前記回転先端部に連結された操作線とを有していることを特徴とするガイドワイヤ。
【請求項2】
前記回転先端部の先端側には、先端固定部が固定されており、
前記操作線は、その先端が前記先端固定部に固定されている請求項1記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記操作線は先端部を有しており、該先端部は、前記回転先端部の内周に近接又は当接するように屈曲する屈曲部分を有している請求項2記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記回転先端部は、その基端側に、前記筒状部材の先端に回転可能に当接される、当接部を有している請求項1~3のいずれか1つに記載のガイドワイヤ。
【請求項5】
前記筒状部材の先端側と前記回転先端部の基端側との間には、前記回転先端部を前記筒状部材に対して回転可能に且つ着脱可能に連結する連結部が設けられている請求項1~3のいずれか1つに記載のガイドワイヤ。
【請求項6】
前記回転先端部の先端側には、先端固定部が固定されており、前記操作線は、その先端が前記先端固定部に固定されており、
前記筒状部材の先端側と前記回転先端部の基端側との間には、前記回転先端部を前記筒状部材に対して回転可能に且つ着脱可能に連結する連結部が設けられており、
少なくとも前記回転先端部の周方向の一部に配置されて、前記回転先端部の軸方向の伸びを抑制する、伸長抑制部材を有しており、
前記操作線は基部を有しており、前記基部が前記先端固定部に近接するように、前記筒状部材に対して押し込みが可能とされている請求項1又は3記載のガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血管、胆管、膵管、尿管、気管等の人体の管状器官や、体腔等の人
体組織の所定位置に、カテーテル等を留置する際に用いられる、ガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、胆管や膵管、血管、尿管、気管等の人体の管状器官に、カテーテルを挿入して薬液を注入したり、バルーンカテーテルで閉塞した管状器官を拡径したり、或いは、ステントを留置したりすることが行われている。これらの作業の際には、まず、ガイドワイヤを管状器官に挿入して所定位置まで到達させ、その外周に沿ってカテーテルやバルーンカテーテル、ステントを保持したチューブ等を移動させている。
【0003】
上記のように、カテーテル等に先行させて、ガイドワイヤを管状器官に挿入していくが、管状器官が分岐した分岐部では、所定の分岐管を選択する必要がある。その際には、ガイドワイヤの先端部が、所望の分岐管に向くように、ガイドワイヤを回転させる必要がある。
【0004】
上記のように、ガイドワイヤの先端部を回転させるためには、ガイドワイヤの基端部側(手元側)を回転させて、その回転力(トルク)をガイドワイヤ先端まで伝達させることで、ガイドワイヤの先端部を回転させている。
【0005】
そのため、トルク伝達力を高めるためのガイドワイヤが、従来から考えられている。例えば、下記特許文献1には、先端部と基端部とを有するコアシャフトを備え、コアシャフトの先端部は、横断面が扁平形状の第1の領域と、第1の領域よりも曲げ剛性が高く、横断面が円形状の第2の領域とを含む、ガイドワイヤが記載されている。
【0006】
このガイドワイヤを構成するコアシャフトの先端部外周には、コイル体が装着されている。そして、ガイドワイヤの基端部側を回転させることで、コアシャフトの基端部が回転し、このコアシャフトを介して、トルク伝達力がコアシャフトの先端部まで伝達されることで、ガイドワイヤの先端部が回転するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-181104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1のガイドワイヤでは、ガイドワイヤの先端部を回転させるためには、ガイドワイヤの基端部を把持して、ガイドワイヤ全体を回転させる必要がある。しかし、管状器官に挿入されたガイドワイヤは、管状器官の閉塞部等によって、ガイドワイヤの基端部が固定されてしまうこともあり、ガイドワイヤの基端部側からの回転力が、コアシャフトの先端部側に伝達しにくく、ガイドワイヤの先端部を回転させにくいことがあった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、先端部を回転させやすくすることができる、ガイドワイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るガイドワイヤは、筒状部材と、前記筒状部材とは別体とされ、且つ、前記筒状部材の先端側において、前記筒状部材に対して回転可能に配置された回転先端部と、前記筒状部材の内側に挿通され、前記筒状部材に対して回転可能とされており、且つ、前記回転先端部に連結された操作線とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転先端部は、筒状部材とは別体で且つ筒状部材に対して回転可能に配置されていると共に、操作線は、筒状部材の内側に挿通され、該筒状部材に対して回転操作可能とされ、且つ、回転先端部に連結されているので、筒状部材に対して操作線を所定方向に回転させると、筒状部材に対して回転先端部を所定方向に回転させることができる。
【0012】
すなわち、本発明のガイドワイヤにおいては、管状器官に挿入された状態で、回転先端部を回転させるために、筒状部材を回転させる必要がないため、ガイドワイヤの先端部を回転させやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るガイドワイヤの第1実施形態を示しており、その要部拡大断面図である。
図2】本発明に係るガイドワイヤにおいて、操作線を回転操作及び押し込み操作する、操作部及びその近傍の拡大断面図である。
図3図1に示す状態から、筒状部材に対して操作線が押し込まれて、ガイドワイヤの先端部が所定角度に屈曲した状態を示す断面説明図である。
図4図3に示す状態から、筒状部材に対して更に操作線が押し込まれて、ガイドワイヤの先端部が図3よりも大きく屈曲した状態を示す断面説明図である。
図5】本発明に係るガイドワイヤの先端部の動作を示す概略説明図である。
図6】同ガイドワイヤにおいて、筒状部材を交換した場合の要部拡大断面図である。
図7】本発明に係るガイドワイヤの第2実施形態を示しており、その要部拡大断面図である。
図8】本発明に係るガイドワイヤの第3実施形態を示しており、その要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(ガイドワイヤの第1実施形態)
以下、図1~6を参照して、本発明に係るガイドワイヤの第1実施形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、この実施形態のガイドワイヤ10は、筒状をなした筒状部材20と、筒状部材20とは別体とされ、且つ、筒状部材20の先端24(本体部21の先端24)側において、筒状部材20に対して回転可能に配置された回転先端部30と、筒状部材20の内側に挿通され、筒状部材20に対して回転可能とされており、且つ、回転先端部30に連結された操作線50とを有している。
【0016】
また、回転先端部30は、コイル状をなした本体部31と、該本体部31の先端34側に配置され、操作線50の先端が固定される先端固定部35と、少なくとも本体部31及び先端固定部35の外周を覆う樹脂層36と、前記本体部31の基端部側に配置され、同基端部を固定する基端部固定部材40(以下、単に「固定部材40」とも言う)とを有している。
【0017】
更に、回転先端部30の内側には、同回転先端部30の軸方向の伸びを抑制する、伸長抑制部材60が配置されている。
【0018】
また図2に示すように、このガイドワイヤ10は、その軸方向の基端側に、操作線50を操作するための、操作部70を有している。
【0019】
そして、このガイドワイヤ10においては、筒状部材20に対して操作線50を所定方向に回転させると、筒状部材20に対して、回転先端部30が所定方向に回転可能となるように構成されている。
【0020】
なお、筒状部材20に対して操作線50を図1の矢印R1に示す方向に回転させると(この方向を「回転方向R1」とする)、回転先端部30も回転方向R1の方向に回転する。一方、筒状部材20に対して操作線50を図1の矢印R2に示す方向(回転方向R1とは反対方向)に回転させると(この方向を「回転方向R2」とする)、回転先端部30も回転方向R2の方向に回転する。
【0021】
また、この実施形態では、操作線50は、その基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して押し込みが可能とされており、筒状部材20に対して操作線50が押し込まれると、回転先端部30に、先端固定部35を介して操作線50からの押し込み力F2が作用するようになっており、回転先端部30が屈曲可能に構成されている。
【0022】
なお、上記の、筒状部材20に対する操作線50の押し込み方向を、「押し込み方向F1」とする(図1参照)。
【0023】
また、筒状部材20、回転先端部30、先端固定部35、固定部材40、操作線50、伸長抑制部材60、操作部70等)における「先端部」、「先端」、「先端側」とは、ガイドワイヤ操作者の手元側から最も離れた遠位端部、遠位端、遠位端側を意味し、更に、「基端部」、「基端」、「基端側」とは、ガイドワイヤ操作者の手元側に最も近い近位端部、近位端、近位端側を意味する。
【0024】
まず、筒状部材20について説明する。
【0025】
この実施形態の筒状部材20は、所定の合成樹脂材料で形成されて、内周及び外周が円形状で、且つ、内周及び外周に凹凸のない連続した平坦面状をなして、所定長さで延びる、略円筒状をなした本体部21を有している。
【0026】
この本体部21の内部には、操作線50を挿入可能で且つ回転操作可能とする空洞が形成されている。なお、この実施形態における本体部21は、筒状部材20に対して操作線50を押し込んだときに、軸方向に伸びることはないか、又は、伸びにくくなっている。
【0027】
更に図2に示すように、本体部21の基端部22の外周であって、径方向に対向する箇所には、一対のピン嵌合凹部22a,22aが形成されている。
【0028】
本体部21の軸方向の先端24は、その外周縁部に配置され、ガイドワイヤ10の軸心Cに対して直交する平坦面状をなした平坦部分24aと、すり鉢状に傾斜した傾斜部分24b(後で詳述する)とを有している。そして、先端24の平坦部分24aには、回転先端部30の樹脂層36の基端に位置する第2当接部36aが回転可能に当接するようになっている。
【0029】
また、本体部21の先端部23の内周からは、径方向内方に向けて突出した被係合部25が設けられている。この被係合部25の径方向中央部には、円形孔状をなした連結孔26が形成されている。
【0030】
前記被係合部25の基端面は、ガイドワイヤ10の軸心Cに対して直交する平坦面状をなしている。一方、被係合部25の先端面(基端面とは反対側の面)は、径方向中央に向けて、軸方向高さが次第に低くなる(軸方向の突出量が次第に小さくなる)ように傾斜した、すり鉢状をなした傾斜部分24bをなしている。この傾斜部分24bは、筒状部材20の先端24の一部となっている。
【0031】
前記連結孔26には、固定部材40の連結軸44が回転可能に挿通される。また、連結孔26の、平坦面状をなした基端面側の内周縁部に、固定部材40の係合部45が係合するようになっている。更に、すり鉢状の傾斜部分24bには、固定部材40の第1当接部43が摺動可能に当接するようになっている。
【0032】
また、筒状部材20の外周には、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の親水性樹脂などからなる、親水性樹脂膜27が被覆されている。
【0033】
次に、回転先端部30について説明する。
【0034】
この実施形態の回転先端部30は、所定外径の円形断面の線材32を、間隔を空けずに(ピッチを空けずに)巻回してなる密巻きのコイル状を呈していると共に、所定長さで延びた略円筒状をなした本体部31を有している。この回転先端部30の内部には、操作線50を挿入配置可能な空洞が形成されている。
【0035】
なお、本体部31は、コイル状をなしているので伸縮可能となっており、筒状部材20に対して操作線50を押し込んだときに、軸方向に伸びることになるが、その伸びは伸長抑制部材60(これについては後で詳述する)で抑制されるようになっている。
【0036】
また、本体部31の軸方向の先端34側には、回転先端部30の先端開口を塞ぐようにして、先端面外周が丸みを帯びた形状とされた、先端固定部35が配置されている。
【0037】
上記の先端固定部35は、筒状部材20に対して操作線50が回転操作されたときに、その回転力を回転先端部30に伝達する役割を果たすと共に、筒状部材20に対して操作線50が押し込まれたときに(押し込み方向F1参照)、操作線50からの押し込み力F2を受け止めて、操作線50の先端部53自体が押し込み方向F1へ移動することを規制(操作線50は、基部51が押されて移動しても、先端部53自体は移動しない)して、操作線50からの押し込み力F2を、回転先端部30に伝達する役割を果たすものとなっている。
【0038】
そして、先端固定部35の基端面側の外周縁部に、本体部31の先端34が、その一部を埋設した状態で固着されて、本体部31と先端固定部35とが固定される。なお、先端固定部35には、操作線50の先端部53の最先端55aや、伸長抑制部材60の先端61も、固定されるようになっている。
【0039】
なお、上記の先端固定部35は、例えば、SnやAgロウ等のロウ材や、紫外線硬化型のアクリレート樹脂、シリコーン系接着剤、変性シリコーン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、アクリレート系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等で形成されている。
【0040】
一方、本体部31の基端部側に配置され、同基端部を固定する固定部材40は、所定の合成樹脂材料でもって、全体としてブロック状に形成されるものであって、所定肉厚の略円形台状をなした基部41と、該基部41の基端側外周面に形成されたテーパ面状の第1当接部43と、基部41の基端部の径方向中央部からガイドワイヤ10の基端側に向けて所定長さで延びる連結軸44と、該連結軸44の基端(延出方向先端)外周から広がる環状突起形状をなした係合部45と、基部41の先端面の径方向中央部から係合部45の基端面に向けて、ガイドワイヤ10の軸心Cに沿って平行に延び、固定部材40の軸方向に貫通して形成された挿通孔46とを有している。
【0041】
前記基部41の、先端面(本体部31との対向面)であって、その周縁部に、コイル状をなした本体部31の、基端33を含む基端部が埋設されて固定されている。
【0042】
また、前記第1当接部43は、基部41の外周縁部から径方向中央に向けて且つガイドワイヤ10の軸方向基端側に向けて斜め内方に傾斜するテーパ面状をなしており、筒状部材20の先端24の傾斜部分24bに、摺動可能に当接するようになっている。すなわち、筒状部材20の傾斜部分24bに、回転先端部30の第1当接部43が摺接しながら、筒状部材20に対して回転先端部30が回転するようになっている。
【0043】
更に、連結軸44は、筒状部材20の連結孔26に回転可能に挿入されて、同連結孔26に回転支持される略円筒状をなしている。
【0044】
また、係合部45は、筒状部材20に設けた連結孔26の、平坦面状をなした基端面側の内周縁部に係合して、筒状部材20に対して回転先端部30を回転可能に、且つ、抜け止め保持した状態で連結する。
【0045】
すなわち、この実施形態においては、筒状部材20に設けた連結孔26と、連結軸44と、係合部45とが、筒状部材20の先端側と回転先端部30の基端側との間に設けられ、回転先端部30を筒状部材20に対して回転可能に且つ着脱可能に連結する、本発明における「連結部」をなしている。また、この連結部によって、筒状部材20と回転先端部30とが、軸方向に同軸的に連結されるようになっている。
【0046】
また、係合部45の基端面外周には、その外周縁部から径方向中央に向けて且つガイドワイヤ10の軸方向基端側に向けて斜め内方に傾斜する、テーパ面45aが形成されている。
【0047】
そのため、筒状部材20に回転先端部30を装着させるべく、筒状部材20の連結孔26の先端側開口から、連結軸44を係合部45側から挿入するときに、テーパ面45aが、すり鉢状の傾斜部分24bに当接してガイドされながら押し込まれると共に、連結孔26の基端側開口から係合部45を挿出させやすくなり、筒状部材20に対する回転先端部30の装着作業性を向上させる。
【0048】
また、図1に示すように、筒状部材20に回転先端部30が装着された状態で、筒状部材20の先端部から回転先端部30の基端部を離脱する方向に、筒状部材20に対して回転先端部30を、ガイドワイヤ10の通常操作時では予定していない大きな引っ張り力でもって強く引っ張ることで、筒状部材20から回転先端部30を取外すことが可能となっている。
【0049】
すなわち、筒状部材20は全体として筒状をなしているので、その先端部23の剛性は、全体としてブロック状をなした固定部材40よりも剛性が低い。そのため、筒状部材20の先端部23から回転先端部30の基端部を離脱する方向に、筒状部材20に対して回転先端部30を強く引っ張ると、係合部45の、テーパ面45aとは反対の先端側が、連結孔26の基端側内周を押し広げるようになって、連結軸44や係合部45を、連結孔26の先端側開口から抜き外すことが可能となる。
【0050】
その結果、筒状部材20から回転先端部30を取外し可能となるので、筒状部材20と回転先端部30とは、連結部を介して着脱可能に連結されるようになっている。
【0051】
なお、上記のように、筒状部材20から回転先端部30を取外す際には、例えば、筒状部材20の先端部23の径方向対向部分を押圧して、先端部23の径方向の他の対向部分を押し広げて、連結孔26を楕円形状等に変形させる、などの作業を行うことで、連結孔26から連結軸44や係合部45を抜き出しやすくなる。
【0052】
そして、上記のように、筒状部材と回転先端部とは、連結部を介して着脱可能となっているので、例えば、図6に示すように、図1に示す本体部21の厚さよりも、本体部21の厚さが大きい筒状部材20´に交換すること等が可能となっている。
【0053】
また、挿通孔46は、固定部材40の軸心に沿って形成された円形孔状をなしており、操作線50の先端部53を構成する細径部55が挿通されて、当該細径部55を回転ガイド又は軸方向移動をガイドする。
【0054】
すなわち、この実施形態における固定部材40は、本発明における「当接部」をなすと共に、「連結部」の一部をなし、更に操作線50のガイドもなす、一部材で3つの機能を奏する多機能部材となっている。
【0055】
更に、固定部材40の基部41の、先端面(本体部31との対向面)であって、その周縁部に、コイル状をなした本体部31の、基端33を含む基端部が埋設されて固定されている。
【0056】
また、この実施形態における樹脂層36は、本体部31及び先端固定部35の外周を覆うと共に、固定部材40の基部41の外周を覆い、その軸方向の基端が、本体部21の先端24の平坦部分24aに回転可能に当接する、第2当接部36aをなしている。そして、筒状部材20の先端24の平坦部分24aに、回転先端部30の樹脂層36の第2当接部36aが摺接しながら、筒状部材20に対して回転先端部30が回転するようになっている。
【0057】
すなわち、この実施形態においては、固定部材40の第1当接部43と、樹脂層36の第2当接部36aとが、回転先端部30の基端側に設けられた、筒状部材20の先端24に回転可能に当接される、本発明における「当接部」をなしている。
【0058】
また、この実施形態の場合、筒状部材20の先端24に対する、第1当接部43及び第2当接部36aの当接状態は、筒状部材20の連結孔26と、連結軸44と、係合部45とからなる上記の「連結部」によって、常に維持されるようになっている。
【0059】
また、樹脂層36の外周には、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の親水性樹脂などからなる、親水性樹脂膜37が被覆されている。なお、回転先端部30の樹脂層36の外周に被覆された親水性樹脂膜37は、筒状部材20の外周に被覆された親水性樹脂膜27とは、別体のものとなっている。
【0060】
更に図1に示すように、回転先端部30の外径寸法(樹脂層36や親水性樹脂膜37を含む回転先端部30全体の外径寸法)は、筒状部材20の外径寸法(親水性樹脂膜27を含む筒状部材20全体の外径寸法)は、同一となっている。
【0061】
また、回転先端部30の軸方向の伸び、特に回転先端部30の本体部31の軸方向の伸びを抑制する、伸長抑制部材60は、この実施形態の場合、本体部31の内側に配置されて、その先端61が先端固定部35に固定され、基端63が固定部材40の基部41の先端に固定される線状部材からなっている。
【0062】
具体的に説明すると、この実施形態における伸長抑制部材60は、円形断面(軸方向の断面が円形状)を有する丸線であって、一定の外径で直線状をなすように所定長さで延びている。また、図1に示すように、この伸長抑制部材60は、ガイドワイヤ10の軸心Cに対して偏心して、コイル状の本体部31の内周に当接するように配置されている。
【0063】
更に、伸長抑制部材60の先端61は、先端固定部35の基端面側の外周縁部よりもやや内周部分に、本体部31の内周に当接しながら所定深さ埋設された状態で、先端固定部35に固定されている。
【0064】
一方、伸長抑制部材60の、基端63を含む基端部が、固定部材40の基部41の先端面側の外周縁部よりもやや内周部分において、本体部31の内周に当接しながら所定深さ埋設されて、固定部材40の基部41に固定されるようになっている。
【0065】
また、図1に示すように、伸長抑制部材60は、真っ直ぐに引き延ばされた状態(直線状に延ばされた状態)で、その両端61,63が先端固定部35及び固定部材40の基部41に固定されている。
【0066】
なお、上記の回転先端部30の本体部31を形成する線材32や、伸長抑制部材60としては、例えば、Ni-Ti系合金,Ni-Ti-X(X=Fe,Cu,V,Co,Cr,Mn,Nb等)合金、Cu-Zn-X(X=Al,Fe等)合金等の超弾性合金や、ステンレス、ピアノ線材などを用いることができ、或いは、W、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、Ag、Bi、Ta及びこれらの合金等からなるX線不透過性金属を用いることもできる。上記の中でも、Ni-Ti係合金、Ni-Ti-X合金、ステンレスを用いることが好ましい。
【0067】
また、上記の樹脂層36は、例えば、ポリウレタンや、ナイロンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルや、紫外線硬化樹脂、接着剤(アクリレート樹脂、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系)に用いられる樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン-エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂などを採用することができる。
【0068】
次に、操作線50について説明する。
【0069】
この実施形態における操作線50は、全体として円形断面を有する丸線となっており、一定外径にて所定長さで延びる基部51を有している。この基部51の軸方向の先端からは、操作線50の最先端55aに向けて次第に縮径するように所定角度で傾斜して延びるテーパ部54が設けられている。
【0070】
上記テーパ部54の先端部分からは、基部51やテーパ部54の先端以外よりも小径(細径)で、且つ、一定外径の細径部55が直線状をなすように所定長さで延びている。なお、細径部55の外径は、伸長抑制部材60の外径よりも大きくなっている。この細径部55の軸方向の先端部の、最先端部分を「最先端55a」とする。
【0071】
なお、この実施形態の場合、テーパ部54と細径部55とが、操作線50の先端部53をなしている。
【0072】
また、図2に示すように、前記基部51の基端51aの外周からは、径方向外方に向けて、円環状に広がるストッパ部52が張り出している。
【0073】
更に、操作線50の先端部53を構成する細径部55は、固定部材40の挿通孔46に挿通されており、回転先端部30の本体部31の内側において、伸長抑制部材60に対して離間して配置される。
【0074】
また、操作線50の先端部53は、回転先端部30の内周に近接又は当接するように屈曲する屈曲部分を有している。この実施形態の場合、操作線50の先端部53を構成する細径部55の、固定部材40の挿通孔46の先端開口から挿出されて、回転先端部30の内側に配置された部分が、所定形状に屈曲された屈曲部分をなしている。
【0075】
この実施形態における上記屈曲部分は、伸長抑制部材60に対して離間する離間部分56と、該離間部分56の先端側において、伸長抑制部材60に対して近接する近接部分57とを有している。
【0076】
なお、操作線50の先端部53の屈曲部分は、予め所定形状に屈曲付形された部分(所定形状にプリシェイプされた部分)である、とも言える。また、先端部53における屈曲部分は、筒状部材20に対して操作線50を押し込む前の状態においても、その屈曲した状態が維持されるようになっている。
【0077】
図1に示すように、屈曲部分を構成する離間部分56は、基端部がガイドワイヤ10の軸心Cにほぼ整合して配置されると共に、回転先端部30の先端側に向けて、伸長抑制部材60に対して次第に離間するように緩やかなカーブを描きつつ所定長さで延びる形状となっている。
【0078】
また、離間部分56の先端側には、伸長抑制部材60に近接するように、所定曲率の比較的緩やかなカーブを描いて屈曲しつつ所定長さで延びる、近接部分57が設けられている。
【0079】
更に、上記の屈曲部分は、離間部分56の先端と近接部分57の基端との連結部分(境界部分)において、伸長抑制部材60に対して最も離間しており、この連結部分が、回転先端部30の本体部31の、先端34寄りの箇所の内周に当接している。
【0080】
また、操作線50の最先端55a(屈曲部分をなす近接部分57の先端とも言える)は、先端固定部35の基端面側の径方向中央部に、所定深さ埋設された状態で固定されており、伸長抑制部材60の先端61とは径方向に所定長さ離間した状態となっている。
【0081】
そして、この実施形態における操作線50は、筒状部材20の内側に挿通されて配置され(挿入配置され)、筒状部材20に対して回転可能とされている(回転操作が可能となっている)。
【0082】
すなわち、図1に示すように、筒状部材20に対して操作線50を、回転方向R1の方向に回転させることが可能であると共に、筒状部材20に対して操作線50を、回転方向R2の方向に回転させることも可能となっている。
【0083】
具体的には、筒状部材20に対して操作線50を、所定の回転方向R1,R2に回転させると、その回転力が、操作線50の基部51の基端部51bから、先端部53のテーパ部54や、細径部55、最先端55aへと順次伝わり、更に先端部53に固定された先端固定部35に伝達された後、当該先端固定部35から、回転先端部30の先端部側に伝達される。その結果、筒状部材20に対して、回転先端部30が所定の回転方向R1,R2の方向に回転するようになっている。
【0084】
また、操作線50は、筒状部材20に対してガイドワイヤ10の軸方向にスライド操作可能、特に、図1の押し込み方向F1に示すように、操作線50の基部41が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して押し込みが可能となっている(基部41が先端固定部35に近接する方向に、筒状部材20に対して押し込み操作が可能に構成されている)。
【0085】
具体的には、筒状部材20の基端部22を把持固定して、操作線50の基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して操作線50を、図1の押し込み方向F1に沿った方向に押し込むと、次のようにして回転先端部30が屈曲するようになる。
【0086】
すなわち、回転先端部30は、伸長抑制部材60によって伸びが抑制されていると共に、操作線50の先端部53が先端固定部35に固定されて、操作線50からの押し込み力F2が作用したときに、当該押し込み力F2を受け止めて、操作線50の先端部53自体が押し込み方向F1へ移動することを規制されている。
【0087】
そのため、上述したように、筒状部材20に対して操作線50が押し込み方向F1方向に押し込まれると、伸長抑制部材60によって伸びが抑制された回転先端部30の本体部31に、先端固定部35によって受け止められた押し込み力F2が、回転先端部30に伝達されることなる。
【0088】
いわば本体部31の伸びが抑制された部分(ここでは先端固定部35と伸長抑制部材60の先端61とが固定された部分)を支点Pとして、本体部31に押し込み力F2が作用することになるので、先端固定部35に回転モーメントが付与されて、図3に示すように支点Pを介して先端固定部35が所定方向に回動する(傾動するとも言える)。
【0089】
その結果、図3に示すように、先端固定部35に固定された操作線50の先端部53が、回転先端部30の本体部31の内側において、張るような力(引っ張られるような力であり、張力とも言える)が生じて、操作線50の先端部53が本体部31の外側(径方向外方に向く方向)に膨らむように屈曲する(弓なり状に湾曲するように屈曲するとも言える)。
【0090】
そして、操作線50の先端部53が屈曲することに追随して、回転先端部30が所定の屈曲方向に屈曲する。この実施形態では、図3に示すように、操作線50の先端部53が外側に膨らむように屈曲することで、回転先端部30がその内側から押されることにもなる。
【0091】
そのため、伸長抑制部材60により伸びが抑制された回転先端部30の内側において、操作線50の先端部53による張る力と、当該張る力で屈曲した操作線50の先端部53が、回転先端部30を内側から押す力とによって、回転先端部30も外側に膨らむように屈曲することになる。
【0092】
その結果、ガイドワイヤ10の先端部全体(回転先端部30の、操作線50の先端部53等を含む、ガイドワイヤ10の先端部全体)が、所定のアングル形状をなすように曲がるようになっている(略「へ」の字形状をなすように曲がるとも言える)。
【0093】
また、図3に示す状態から、更に筒状部材20に対して操作線50を、押し込み方向F1方向に押し込むと、上記と同様にして、図4に示すように先端固定部35が所定方向に回動して、同先端固定部35を介して、回転先端部30の内側で操作線50の先端部53が屈曲するので、これに追随して回転先端部30が更に屈曲して、ガイドワイヤ10の先端部が略U字形状を呈するように大きく曲がるようになっている(ガイドワイヤ先端が基端側に向けて、丸みを帯びた屈曲部分を介して折り返されるように曲がるとも言える)。
【0094】
なお、図1に示す状態、すなわち、回転先端部30が屈曲しておらず真っ直ぐに伸びた状態では、筒状部材20に対して操作線50を押し込み方向F1とは反対の方向(引き込み方向)にスライド操作(引き込み操作)することはできない(回転先端部30の本体部31に軸方向の圧縮力が作用して、その変形が規制されるため)。
【0095】
図5には、本発明のガイドワイヤ10の先端部の動作が示されている。すなわち、このガイドワイヤ10は、筒状部材20に対して操作線50を所定方向に回転させると、筒状部材20の先端24側において、筒状部材20に対して回転先端部30が回転可能であるのに加えて(図5の回転方向R1,R2参照)、操作線50の基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して操作線50を押し込むと、回転先端部30が屈曲する(図5の屈曲方向M1,M2参照)ので、回転先端部30を三次元的に曲げたり付形したり回転させたりすることが可能となっている。
【0096】
以上説明した上記操作線50は、回転先端部30の線材32や伸長抑制部材60等と同様に、例えば、Ni-Ti系合金,Ni-Ti-X(X=Fe,Cu,V,Co,Cr,Mn,Nb等)合金、Cu-Zn-X(X=Al,Fe等)合金等の超弾性合金や、ステンレス、ピアノ線材などを用いることができ、或いは、W、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、Ag、Bi、Ta及びこれらの合金等からなるX線不透過性金属を用いることもできる。上記の中でも、Ni-Ti係合金、Ni-Ti-X合金、ステンレスを用いることが好ましい。
【0097】
次に、図2を参照して、操作線50を操作するための操作部70について説明する。
【0098】
この実施形態の操作部70は、略筒状をなした本体71と、該本体71の先端部に回転可能に装着された固定部73とを有している。
【0099】
本体71の先端側(固定部73に対向する側)からは、凸部74が軸方向に突設されており、該凸部74の先端外周からは、環状突起状をなした係合部74aが設けられている。一方、固定部73の基端側(本体71に対向する側)には、凸部74を回転可能に受け入れる凹部75が形成されており、該凹部75の奥側内周には、係合部74aが係合する、環状溝状をなした被係合部75aが形成されている。
【0100】
そして、凹部75に凸部74を受け入れて、係合部74aを被係合部75aに係合させることで、凸部74及び凹部75を介して、本体71と固定部73とが相対回転可能に装着されるようになっている。
【0101】
また、固定部73の先端面中央から所定深さで、筒状部材固定孔部76が形成されており、その内周の軸方向所定箇所であって径方向に対向する位置には、一対のピン76a,76aが突設されている。
【0102】
そして、筒状部材固定孔部76に、筒状部材20の基端部22を挿入し、一対のピン嵌合凹部22a,22aに、一対のピン76a,76aを嵌合させることで、固定部73に対して基端部22が回転規制状態で固定されるようになっている。なお、図2においては、説明の便宜上、筒状部材20の外周に被覆された親水性樹脂膜27を省略している。
【0103】
また、本体71及び固定部73には、操作線50の基部51の、軸方向の基端部51bがスライド可能に挿入される、操作線挿入孔部77,78がそれぞれ形成されている。なお、固定部73側の操作線挿入孔部78は、前記凹部75や筒状部材固定孔部76にそれぞれ連通している。
【0104】
一方、操作線挿入孔部77は、本体71の先端部(固定部73側の端部)側に形成されているが、本体71の基端部側であって、操作線挿入孔部77に対して隣接した位置には、操作線挿入孔部77の内径よりも拡径し、且つ、操作線50の基端51aの外周に設けたストッパ部52を収容可能な、ストッパ収容空間79が形成されている。
【0105】
また、本体71の、ストッパ収容空間79よりも先端部側であって、径方向に対向する箇所には、切欠き溝状をなし操作線挿入孔部77に連通する、ローラ配置部80,81が形成されている。
【0106】
一方のローラ配置部80には、所定外径の操作ローラ82が、支軸82aを介して回転可能に支持されている。また、他方のローラ配置部81には、操作ローラ82よりも小径の、一対の従動ローラ83,83が、支軸83a,83aを介して回転可能にそれぞれ支持されている。更に、操作ローラ82及び各従動ローラ83の外周には、シリコンシート等からなる、滑り止め膜84が被覆されている。
【0107】
そして、操作ローラ82と一対の従動ローラ83,83との間に、操作線50の基部51の基端部51bが挟持された状態で配置される(ここでは、各ローラ82,83の外周に被覆された滑り止め膜84を介して、ローラ82,83により挟持される)。よって、操作ローラ82をR3方向に回転させると、操作線50を押し込み方向F1側に押し込み操作が可能となっている。
【0108】
なお、操作ローラ72をR4方向に回転させることで、図3,4に示すような回転先端部30が所定形状に屈曲した状態から、操作線50を押し込み方向F1とは反対の引き込み方向に、引き込み操作が可能となっている。
【0109】
また、この実施形態では、上記のように、操作ローラ82や従動ローラ83の外周に、滑り止め膜84が被覆されているので、操作線50の押し込み操作や引き込み操作時に、ローラ82,83に対して操作線50が滑りにくくなっており、操作線50の押し込み操作や引き込み操作が安定してなされるようになっている。
【0110】
更に、ストッパ収容空間79に収容されたストッパ部52によって、筒状部材20に対して操作線50を最大限に押し込み操作したときに、ストッパ部52が操作線挿入孔部77の基端外周縁部に係合して引っ掛かるので、操作線50の過度の押し込み操作が規制されるようになっている。
【0111】
また、操作線50の基端部51bは、操作ローラ82と一対の従動ローラ83,83とで挟持され、いわば複数のローラ82,83によって仮止め保持されているので、固定部73に対して本体71を回転させると、基端部22が固定部73に固定された筒状部材20に対して、操作線50が回転方向R1又は回転方向R2の方向に回転可能となっている。
【0112】
(変形例)
以上説明したガイドワイヤを構成する筒状部材、回転先端部、先端固定部、基端部固定部材、樹脂層、親水性樹脂膜、操作線、操作部等の、形状や構造、材質、レイアウトなどは、上記態様に限定されるものではない。
【0113】
この実施形態の筒状部材20は、所定の合成樹脂材料で形成されているが、筒状部材としては、例えば、コイル状をなしていてもよい。
【0114】
また、この実施形態における回転先端部30を構成する本体部31は、コイル状をなしているが、本体部としては、筒状としてもよい。なお、本体部31をなすコイルは、密巻きとなっているが、線材間に間隔を空けた疎巻きであってもよい。
【0115】
更に、この実施形態の場合、先端固定部35は、本体部31とは別体で、その先端側に配置固定されるようになっているが、例えば、先端固定部としては、本体部の先端側に、先端側開口を塞ぐように、本体部と一体形成してもよい(先端が閉塞された筒状構造)。
【0116】
また、図1において二点鎖線で示す操作線の先端部53´のように、操作線の先端部を、例えば、回転先端部の先端側内周に直接固定してもよい。この場合、回転先端部の先端側内周の、操作線の先端部が固定される部分が、本発明における「先端固定部」をなすことになる。なお、この場合は、回転先端部の先端側内周に、先端固定部が一体的に設けられている、とも言える。
【0117】
更に、この実施形態における、筒状部材20と回転先端部30とを回転可能に且つ着脱可能に連結する連結部は、筒状部材20側に設けた連結孔26と、回転先端部30の一部である固定部材40の連結軸44及び係合部45とからなる、いわば機械的な連結構造となっているが、上記の「連結部」としては、例えば、回転先端部側に連結孔を設け、筒状部材側に連結軸や係合部を設けたりしてもよく、回転先端部を筒状部材に対して回転可能に且つ着脱可能に連結可能であれば、特に限定はされない。
【0118】
また、この実施形態の場合、回転先端部30は、その基端側に、第1当接部43と第2当接部36aとの2つの当接部を設けて、これらの2つの当接部が筒状部材20の先端24に当接する構成となっているが、当接部は、1つでも(これについては後述の第2実施形態にて説明する)、3つ以上であってもよい。
【0119】
更に、この実施形態では、上述したように、連結孔26、連結軸44、及び係合部45からなる機械的な連結構造によって、2つの当接部43,36aの、筒状部材20の先端24に対する当接状態が維持されるようなっているが、例えば、伸長抑制部材を筒状部材の基端側まで伸ばす構造とし、当該伸長抑制部材を手元側に引っ張ることによって、回転先端部の基端部側を筒状部材の先端に一時的に当接するようにしてもよい(これについては後述の第2実施形態で説明する)。
【0120】
また、固定部材40は、回転先端部30とは別体で、その基端部側に配置固定されるようになっているが、例えば、基端部固定部材を、回転先端部の基端部側に、基端側開口を塞ぐように、回転先端部と一体形成してもよい(有底筒状構造)。
【0121】
更に、この実施形態における伸長抑制部材60は、回転先端部30の内側に配置されて、両端61,63が先端固定部35及び固定部材40の基部41に固定された線状部材からなるが、伸長抑制部材としては、例えば、所定長さで伸びる薄肉の板状片等であってもよく、少なくとも回転先端部30の周方向の一部に配置されて、回転先端部30の伸びを抑制可能であればよい。
【0122】
また、この実施形態の伸長抑制部材60は、その基端63が、固定部材40の基部41に固定されているが、伸長抑制部材としては、その基端を、筒状部材20の基端部側まで伸ばして、ガイドワイヤ操作者が引っ張り操作可能としてもよい。この場合、伸長抑制部材は、基端部固定部材の所定箇所を軸方向に貫通して伸びる構成となる(これについては後述の第2実施形態で説明する)。
【0123】
なお、回転先端部の内側に、伸長抑制部材を配置しない構成としてもよい(これについては後述の第3実施形態で説明する)。
【0124】
更に、この実施形態における操作線50は、基部51と、テーパ部54及び細径部55からなる先端部53とから構成されているが、操作線の先端部としては、例えば、(1)2個以上のテーパ部と細径部との組み合わせとしたり、(2)1個又は複数のテーパ部のみの組み合わせとしたり、(3)一定径且つ一定長さで延びる大径部と、該大径部よりも小径で一定径且つ一定長さで延びる小径部とを有し、操作線の先端部外周が階段状に変化するような形状としたりしてもよい。
【0125】
また、この実施形態の操作線50の先端部53を構成する細径部55は、屈曲形成された屈曲部分を有しているが、例えば、操作線の先端部を屈曲付形させずに、真っ直ぐに伸ばした状態で、先端固定部に固定してもよい。
【0126】
更に、この実施形態における操作線50は、その先端部53が、回転先端部30の先端部側内周に当接するように屈曲付形されているが、操作線の先端部を、回転先端部の先端部側に近接するように屈曲付形させてもよい。
【0127】
また、この実施形態における操作部70は、本体71や固定部73等からなる、操作線50を回転操作可能な構造を有すると共に、複数のローラ82,83等からなる、操作線50押し引き操作可能な構造となっているが(図2参照)、例えば、本体の周方向や軸方向に切欠き溝を設けると共に、操作線の基端部を径方向に曲げて前記切欠き溝から挿出させて、当該挿出部分を操作することで、操作線を回転操作したり押し引き操作したり、或いは、操作線の基端部に直接又は間接的に取付けたレバーを、本体の前記切欠き溝から本体外側に挿出させて、当該レバーを操作することで、操作線を回転操作したり押し引き操作したりしてもよく、操作部の構造は、特に限定されない。
【0128】
(作用効果)
次に、上記構造からなる本発明のガイドワイヤの使用方法等について説明する。
【0129】
この実施形態におけるガイドワイヤ10は、例えば、血管や、胆管、膵管、尿管、気管等の各種の管状器官や、体腔等の人体組織の所定位置に、カテーテルを配置したりステントを留置したりする際に用いることができ、使用箇所については特に限定されない。なお、以下の説明では、管状器官にガイドワイヤを適用した例について説明する。
【0130】
使用に際しては、ガイドワイヤ10を、その先端側から管状器官内に挿入していき、所望の箇所に至るまで押し込んでいく。この際、管状器官の分岐部において、所望の分岐管を選択して、ガイドワイヤ10を挿入したい場合や、或いは、大きく屈曲したり湾曲したりした管状器官や、屈曲角度・湾曲角度が急な管状器官、更には複雑に屈曲・湾曲した管状器官に、ガイドワイヤ10を挿入したい場合がある。
【0131】
前者の場合(所望の分岐管を選択してガイドワイヤ10を挿入したい場合)は、操作部70の固定部73や筒状部材20の基端部22を把持固定した状態で、固定部73に対して、本体71を回転方向R1又は回転方向R2に回転させる。すると、固定部73に固定された筒状部材20に対して、本体71に仮止め保持された操作線50が回転する。
【0132】
このとき、このガイドワイヤ10においては、回転先端部30は、筒状部材20とは別体で、且つ、筒状部材20の先端24側において、筒状部材20に対して回転可能に配置されていると共に、操作線50は、筒状部材20の内側に挿通され、筒状部材20に対して回転操作可能とされており、且つ、回転先端部30に連結されている。
【0133】
そのため、上記のように、操作部70の固定部73に対して本体71を回転方向R1又は回転方向R2の方向に回転させて、筒状部材20に対して操作線50を回転方向R1又は回転方向R2の方向に回転させると、筒状部材20の先端24側において、筒状部材20に対して回転先端部30を回転方向R1又は回転方向R2の方向に回転させることができる(なお、本体71、操作線50、回転先端部30の、各回転方向は同一方向となる)。
【0134】
ところで、特許文献1に記載のガイドワイヤでは、コアシャフトの基端側(手元側)を回転させて、コアシャフトを介してガイドワイヤ全体を回転させることで、ガイドワイヤ先端部を回転させていた。
【0135】
これに対して本発明のガイドワイヤ10においては、筒状部材20に対して操作線50を回転させることで、回転先端部30を直接的に回転させることができるので、ガイドワイヤ10の先端部を回転させやすくすることができる。
【0136】
すなわち、このガイドワイヤ10では、そもそも筒状部材20全体を回転させる必要がないので、筒状部材20の重さや慣性モーメント等の影響がなく、いわば筒状部材20をパスして(追い越すようにして)、回転先端部30のみをダイレクトに回転させることができる。そのため、管状器官に挿入された状態で、管状器官の閉塞部等によって、ガイドワイヤ10の基端部側が固定されて回転しにくくなったとしても、ガイドワイヤ10の先端部を回転させやすくすることができる。
【0137】
一方、操作線50は、基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して押し込みが可能とされており、筒状部材20に対して操作線50が押し込まれると、回転先端部30に、先端固定部35を介して操作線50からの押し込み力F2が作用するようになっており、回転先端部30が屈曲可能に構成されているので、段落0130における後者の場合(屈曲したり湾曲したりした管状器官等にガイドワイヤ10を挿入したい場合)に、柔軟に対応することが可能となる。
【0138】
すなわち、図2に示すように、操作部70の操作ローラ72をR3方向に回転させる。すると、操作線50の基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して操作線50が押し込まれる。
【0139】
このとき、回転先端部30は、伸長抑制部材60によって伸びが抑制されていると共に、操作線50の先端部53が先端固定部35に固定されているので、上記のように、操作線50の基部51が先端固定部35に近接するように、筒状部材20に対して操作線50を押し込むと、回転先端部30に、先端固定部35を介して操作線50からの押し込み力F2が作用して、操作線50の先端部53が、回転先端部30の内側において張る力によって屈曲すると共に、屈曲した操作線50の先端部53によって回転先端部30が内側から押されることになる。
【0140】
その結果、操作線50の先端部53の屈曲に追随して回転先端部30が屈曲するため、ガイドワイヤ10の先端部を大きく屈曲させることができる(段落0085~0093参照)。
【0141】
したがって、大きく屈曲したり湾曲したりした管状器官や、屈曲角度・湾曲角度が急な管状器官、更には複雑に屈曲・湾曲した管状器官等であっても、管状器官からガイドワイヤ10を引き抜くことなく、施術中にガイドワイヤ10の先端部を大きく屈曲させて柔軟に対応することができる。
【0142】
また、このガイドワイヤ10においては、上述したように、筒状部材20に対する回転先端部30の回転動作と、筒状部材20に対する回転先端部30の屈曲動作とが可能となっているので、回転先端部30を三次元的に曲げたり回転させたりすることができる(図5参照)。
【0143】
その結果、ガイドワイヤ10の先端部の曲げ角度や曲がる方向を、幅広くカバーすることができるので、管状器官等でのガイドワイヤ挿入中において、複雑に分岐した管状器官等や、大きく屈曲・湾曲したり、屈曲角度・湾曲角度が急であったり、複雑に屈曲・湾曲した管状器官等であっても、柔軟かつ適切に対応することができる。
【0144】
また、この実施形態においては、回転先端部30の先端34側には、先端固定部35が固定されており、操作線50は、その先端が先端固定部35に固定されている。
【0145】
上記態様によれば、先端固定部35や操作線50は、上記のような構成となっているので、筒状部材20に対して操作線50を所定方向に回転させたときの回転力(トルク)を、先端固定部35を介して回転先端部30に伝達させやすくすることができる。その結果、回転先端部30をより回転させやすくして、ガイドワイヤ10の先端部をより回転させやすくすることができる。
【0146】
また、先端固定部35が、回転先端部30の先端34側に固定されているので、ガイドワイヤ全体の部品点数を削減することができる。
【0147】
更に、この実施形態においては、操作線50は先端部53を有しており、該先端部53は、回転先端部30の内周に近接又は当接するように屈曲する屈曲部分を有している。ここでは回転先端部30の内周に、先端部53の屈曲部分が当接するようになっている(ここでは屈曲部分を構成する離間部分56の先端と近接部分57の基端との連結部分が当接する)。
【0148】
上記態様によれば、筒状部材20に対して操作線50を所定方向に回転させたとき、(1)操作線50の先端部53の屈曲部分が回転先端部30の内周に近接している場合は、先端部53の屈曲部分が、回転先端部30の内周に迅速に当接して、その回転力を回転先端部30の内周に伝達させやすくなり、(2)操作線50の先端部53の屈曲部分が回転先端部30の内周に当接している場合は、操作線50の回転と同時に、その回転力が、屈曲部分を通じて、回転先端部30の内周にダイレクトに伝達される。その結果、回転先端部30をより回転させやすくして、ガイドワイヤ10の先端部をより回転させやすくすることができる。
【0149】
また、回転先端部30の先端34側に、先端固定部35が配置され、操作線50の先端が先端固定部35に固定されている場合には、相乗効果によって、回転先端部30をより一層回転さやすくして、ガイドワイヤ10の先端部をより一層回転させやすくすることができる。
【0150】
また、この実施形態においては、回転先端部30は、その基端側に、筒状部材20の先端24に回転可能に当接される、当接部(ここでは固定部材40の第1当接部43及び樹脂層36の第2当接部36a)を有している。
【0151】
上記態様によれば、回転先端部30は、その基端側に、筒状部材20の先端24に回転可能に当接される、当接部43,36aを有しているので、筒状部材20に対して操作線50を所定方向に回転させたときに、筒状部材20の先端24に対して当接部43,36aが摺接しながら、回転先端部30が回転することになるため、回転先端部30の回転動作を安定させることができる。
【0152】
また、回転先端部30の基端側は、当接部43,36aを介して筒状部材20の先端24に当接して支持されることになるので、管状器官等の内部でのガイドワイヤ10の回転操作時や押し引き操作時等において、筒状部材20に対して回転先端部30を座屈しにくくすることができる。
【0153】
更に、この実施形態においては、筒状部材20の先端側と回転先端部30の基端側との間には、回転先端部30を筒状部材20に対して回転可能に且つ着脱可能に連結する連結部(ここでは、連結孔26、連結軸44、及び係合部45からなる機械的な連結構造)が設けられている。
【0154】
上記態様によれば、連結部を介して回転先端部30を筒状部材20に連結して、筒状部材20と回転先端部30とを軸方向に一体化することができるので、管状器官等の内部でのガイドワイヤ10の回転操作時や押し引き操作時等において、筒状部材20に対して回転先端部30を座屈しにくくすることができる。
【0155】
また、筒状部材20と回転先端部30とは、連結部を介して着脱可能であるので、筒状部材20、又は、回転先端部30を、任意のものと交換することができる。
【0156】
図6には、図1に示す本体部21の厚さよりも、本体部21の厚さが大きい筒状部材20´に交換した例が示されているが、これ以外にも、例えば、筒状部材を肉薄のものに交換したり、回転先端部を肉厚又は肉薄のものに交換したり、筒状部材や回転先端部を材質が異なるもの(剛性が高い材質や柔軟な材質等)に交換したり、筒状部材や回転先端部の構成が異なるもの(基端部固定部材が有ったり無かったり、樹脂層や親水性樹脂膜が有ったり無かったりするもの等)に交換したりすることができる。
【0157】
そのため、ガイドワイヤの特性を必要に応じて適宜変更することができるので、ガイドワイヤの操作時の利便性を高めたり、ガイドワイヤシステムの柔軟性を高めたりすることができる。
【0158】
(ガイドワイヤの第2実施形態)
図7には、本発明に係るガイドワイヤの第2実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0159】
図7に示すように、この実施形態のガイドワイヤ10Aは、主として、伸長抑制部材60Aの基端が、筒状部材20Aの基端部側まで伸びた構造となっている点が、前記実施形態と異なっている。
【0160】
筒状部材20Aは、本体部21の先端24が、径方向外周縁から径方向中央に向けて且つ筒状部材基端に向けて次第に低くなるように傾斜した、すり鉢状をなしている。また、回転先端部30Aの樹脂層36の軸方向の基端が、径方向外周縁から径方向中央に向けて且つ回転先端部基端に向けて、次第に突出するように傾斜した、当接部36bをなしている。この当接部36bが、本体部21の先端24に摺接しながら、筒状部材20Aに対して回転先端部30Aが回転するようになっている。
【0161】
更に、基端部固定部材40A(以下、単に「固定部材40A」とも言う)は、操作線50を挿通させる挿通孔46に対して、径方向に対向する箇所に、伸長抑制部材60Aを挿通させる挿通孔47が貫通して形成されている。
【0162】
そして、この実施形態においては、伸長抑制部材60Aの基端を手元側に引っ張って、回転先端部30Aの当接部36bを、筒状部材20Aの先端24に一時的に当接した状態に維持しながら、筒状部材20Aに対して操作線50を回転させることで、回転先端部30Aを回転させることができ、ガイドワイヤ10Aの先端部を回転させやすくすることができる。
【0163】
また、固定部材40Aの構造を簡素化することができ、ガイドワイヤ10Aのコスト低減を図ることができる。
【0164】
(ガイドワイヤの第3実施形態)
図8には、本発明に係るガイドワイヤの第3実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0165】
図3に示すように、この実施形態のガイドワイヤ10Bは、主として、回転先端部30の内側に、伸長抑制部材が配置されていない構造となっている点が、前記実施形態と異なっている。
【0166】
この実施形態の場合、回転先端部30の内側には、線状部材とされた2本の伸長抑制部材60B,60Bが互いに平行に配置されている。また、基端部固定部材40B(以下、単に「固定部材40B」とも言う)は、その基部41側の径方向に対向する箇所に、各伸長抑制部材60Bの基端63が埋設状態で固定されている。更に、固定部材40Bの、連結軸44の基端面側であって径方向中央部に、操作線50Bの先端部53の細径部55の最先端55aを含む先端部が所定深さ埋設されて固定されている。
【0167】
そして、この実施形態の場合は、第1実施形態のガイドワイヤ10と同様に、筒状部材20に対して操作線50Bを回転させることで、回転先端部30を回転させることができ、ガイドワイヤ10Bの先端部を回転させやすくすることができる。
【0168】
また、回転先端部30の内側に、複数の伸長抑制部材60Bが配置されているので、回転先端部30を所定形状に予め屈曲付形させやすくなる(プリシェイプしやすくなる)。
【0169】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0170】
10,10A,10B ガイドワイヤ
20,20A 筒状部材
22 基端部
23 先端部
30,30A 回転先端部
33 基端
34 先端
35 先端固定部
40,40A,40B 基端部固定部材(固定部材)
50,50B 操作線
60,60A,60B 伸長抑制部材
61 先端
63 基端
70 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8