(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128831
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】撮像レンズおよびカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240913BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240913BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G03B30/00
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038072
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】321009166
【氏名又は名称】シャープセンシングテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】家島 祐一
(72)【発明者】
【氏名】本山 幸次
(72)【発明者】
【氏名】磯部 康明
(72)【発明者】
【氏名】西尾 文宏
(72)【発明者】
【氏名】上野 庄之助
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AB11
2H044AB26
2H044AJ04
2H044AJ06
(57)【要約】
【課題】光学特性の劣化のおそれを低減する。
【解決手段】撮像レンズ(51)は、レンズ面(7)の外周に位置しておりフレーム(6)に対して当接している当接部(8)を有している第2レンズ(2)を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ本体、および、前記レンズ本体の外周に位置しているフレームを有している第1レンズと、
前記第1レンズよりも物体側に位置している第2レンズであって、前記レンズ本体と対向しているレンズ面、および、前記レンズ面の外周に位置しており前記フレームに対して当接している当接部を有している第2レンズと、を備えている、撮像レンズ。
【請求項2】
前記当接部は、3つ以上の突起からなり、
前記3つ以上の突起の各々は、前記フレームへ向けて突出している、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
前記突起の先端は、前記レンズ面の全てよりも、前記第1レンズの側に位置している、請求項2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
前記レンズ本体は、ポリマーレンズを有している、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記第1レンズよりも結像面側に位置している第3レンズを備えている、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズと、
前記撮像レンズを通過した光を受光する撮像素子と、を備えている、カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像レンズおよびカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上部レンズ群と、上部レンズ群と接することができる液体レンズと、を備えているカメラモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているカメラモジュールにおいては、上部レンズ群が液体レンズに対して意図せず傾くことに起因する光学特性の劣化のおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る撮像レンズは、レンズ本体、および、前記レンズ本体の外周に位置しているフレームを有している第1レンズと、前記第1レンズよりも物体側に位置している第2レンズであって、前記レンズ本体と対向しているレンズ面、および、前記レンズ面の外周に位置しており前記フレームに対して当接している当接部を有している第2レンズと、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、光学特性の劣化のおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示に係るカメラモジュールおよび撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
【
図2】フレームに対する当接部の当接部分およびその周辺を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本開示に係るカメラモジュール101および撮像レンズ51の概略構成を示す断面図である。カメラモジュール101は、撮像レンズ51と、撮像レンズ51を通過した光を受光する撮像素子52と、を備えている。
【0009】
撮像レンズ51は、第1レンズ1、第2レンズ2、および第3レンズ3を備えている。第2レンズ2は、第1レンズ1よりも物体側(被写体側)に位置している。第3レンズ3は、第1レンズ1よりも結像面側(像面側)に位置している。撮像レンズ51の結像面側を、カメラモジュール101の撮像素子52側と言い換えることができる。撮像レンズ51は、第3レンズ3よりも結像面側に位置している、1枚または複数枚の第4レンズ4を備えていてもよい。
図1において、第4レンズ4の枚数は3である。
【0010】
第1レンズ1は、レンズ本体5、および、レンズ本体5の外周に位置しているフレーム6を有している。レンズ本体5は、ポリマーレンズを有していてもよい。これにより、第1レンズ1を用いたオートフォーカス機能を容易に実現できる。フレーム6は、レンズ本体5を保持するものであってもよい。
【0011】
第2レンズ2は、レンズ本体5と対向しているレンズ面7、および、レンズ面7の外周に位置しておりフレーム6に対して当接している当接部8を有している。
【0012】
撮像レンズ51によれば、当接部8がフレーム6に対して当接することによって第2レンズ2が第1レンズ1に対して位置決めされるため、第2レンズ2が第1レンズ1に対して意図せず傾くことに起因する光学特性の劣化のおそれを低減することができる。撮像レンズ51によれば、レンズ面7の外周に当接部8を設けるだけの簡単な構成で、光学特性の劣化のおそれを低減することができる。
【0013】
撮像レンズ51において、第3レンズ3および第4レンズ4は必須の構成ではないが、第3レンズ3および/または第4レンズ4を設けることによってより高い光学特性を実現できる。
【0014】
図2は、フレーム6に対する当接部8の当接部分およびその周辺を示す側面図である。
図3は、第2レンズ2の下面図である。
【0015】
当接部8は、3つ以上の突起9からなっていてもよい。3つ以上の突起9の各々は、フレーム6へ向けて突出していてもよい。これにより、撮像レンズ51の平面視における当接部8の総面積が小さいため、撮像レンズ51の平面視における当接部8の位置ずれが生じたときに、当接部8がレンズ本体5に衝突してレンズ本体5がダメージを負うおそれを低減することができる。
【0016】
突起9の先端10は、レンズ面7の全てよりも、第1レンズ1の側に位置していてもよい。これにより、レンズ面7がレンズ本体5に衝突して、レンズ面7および/またはレンズ本体5がダメージを負うおそれを低減することができる。
【0017】
第1レンズ1、第3レンズ3、および第4レンズ4それぞれは、プラスチックレンズであってもよい。当接部8は、3つ以上の突起9の形態に限定されず、例えばレンズ面7を囲む環状の突出部の形態であってもよい。
【0018】
撮像レンズ51は、第1レンズ1が設けられておりかつ第1レンズ1と電気的に接続されている、フレキシブル基板11を備えていてもよい。撮像レンズ51は、第1レンズ1を収容しておりかつフレキシブル基板11を保持している、基板保持部材12を備えていてもよい。撮像レンズ51は、第2レンズ2における物体側の面の周囲を覆うレンズカバー13を備えていてもよい。撮像レンズ51は、第3レンズ3および第4レンズ4を収容しているレンズバレル14を備えていてもよい。カメラモジュール101は、撮像素子52を覆うカバーガラス53を備えていてもよい。
【0019】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る撮像レンズは、レンズ本体、および、前記レンズ本体の外周に位置しているフレームを有している第1レンズと、前記第1レンズよりも物体側に位置している第2レンズであって、前記レンズ本体と対向しているレンズ面、および、前記レンズ面の外周に位置しており前記フレームに対して当接している当接部を有している第2レンズと、を備えている。
【0020】
前記の構成によれば、当接部がフレームに対して当接することによって第2レンズが第1レンズに対して位置決めされるため、第2レンズが第1レンズに対して意図せず傾くことに起因する光学特性の劣化のおそれを低減することができる。レンズ面の外周に当接部を設けるだけの簡単な構成で、光学特性の劣化のおそれを低減することができる。
【0021】
本開示の態様2に係る撮像レンズは、前記態様1において、前記当接部は、3つ以上の突起からなり、前記3つ以上の突起の各々は、前記フレームへ向けて突出している。
【0022】
前記の構成によれば、平面視における当接部の総面積が小さいため、平面視における当接部の位置ずれが生じたときに、当接部がレンズ本体に衝突してレンズ本体がダメージを負うおそれを低減することができる。
【0023】
本開示の態様3に係る撮像レンズは、前記態様2において、前記突起の先端は、前記レンズ面の全てよりも、前記第1レンズの側に位置している。
【0024】
前記の構成によれば、レンズ面がレンズ本体に衝突して、レンズ面および/またはレンズ本体がダメージを負うおそれを低減することができる。
【0025】
本開示の態様4に係る撮像レンズは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記レンズ本体は、ポリマーレンズを有している。
【0026】
前記の構成によれば、第1レンズを用いたオートフォーカス機能を容易に実現できる。
【0027】
本開示の態様5に係る撮像レンズは、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記第1レンズよりも結像面側に位置している第3レンズを備えている。
【0028】
前記の構成によれば、より高い光学特性を実現できる。
【0029】
本開示の態様6に係るカメラモジュールは、前記撮像レンズと、前記撮像レンズを通過した光を受光する撮像素子と、を備えている。
【0030】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 第1レンズ
2 第2レンズ
3 第3レンズ
4 第4レンズ
5 レンズ本体
6 フレーム
7 レンズ面
8 当接部
9 突起
10 突起の先端
11 フレキシブル基板
12 基板保持部材
13 レンズカバー
14 レンズバレル
51 撮像レンズ
52 撮像素子
53 カバーガラス
101 カメラモジュール