(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012884
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】梱包材情報管理装置、梱包材情報管理システム、及び梱包材情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20240124BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114666
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】522287721
【氏名又は名称】永屋 麗
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100220582
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 達也
(72)【発明者】
【氏名】永屋 麗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】複数回使用される梱包材をユーザに積極的に使用させる。
【解決手段】梱包材情報管理装置1は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部10と、ユーザが読取部Qを読み取った場合に、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部11と、を備えている。梱包材PCは、複数回使用されるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物を梱包する配送用の梱包材に設けられた読取部をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部と、
前記ユーザが前記読取部を読み取った場合に、前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザにリワードを付与するリワード付与部と、を備え、
前記梱包材は、複数回使用されるものである、梱包材情報管理装置。
【請求項2】
前記リワードを前記ユーザに付与する条件であるリワード条件を設定するリワード条件設定部を備え、
前記リワード付与部は、前記リワード条件設定部により設定された前記リワード条件が満たされたときに前記ユーザに前記リワードを付与する、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項3】
前記リワード条件は、前記梱包材が前記ユーザから当該ユーザとは別の前記ユーザに配送されること、及び、前記読取部が当該ユーザとは別の前記ユーザにより読み取られることの少なくともいずれかである、請求項2に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項4】
前記ユーザが前記読取部を読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項5】
前記ユーザが前記読取部を読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記リワード条件は、前記位置情報に基づく条件である、請求項2に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報受信部により前記ユーザ情報が受信された場合に、当該ユーザに前記梱包材の製造に関する製造情報を送信する製造情報送信部を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項7】
前記梱包材は、少なくとも一部が再生材により構成されており、
前記製造情報は、前記再生材の情報を少なくとも含む、請求項6の梱包材情報管理装置。
【請求項8】
前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザの環境貢献度を評価する環境貢献度評価部を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項9】
前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記環境貢献度として二酸化炭素の削減量を推定する二酸化炭素削減量推定部を備える、請求項8に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項10】
前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザに関する前記ユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められた前記ユーザに送信するユーザ情報送信部を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項11】
前記ユーザが前記読取部を読み取った履歴に関する読取履歴情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められた前記ユーザに送信するユーザ情報送信部を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項12】
前記ユーザが前記読取履歴情報を当該ユーザとは別の前記ユーザに送信することを許可した情報を含む許可情報を受信する許可情報受信部を備え、
前記ユーザ情報送信部は、前記許可情報受信部により前記許可情報が受信された場合に、前記読取履歴情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を当該ユーザとは別の前記ユーザに送信する、請求項11に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項13】
情報を発信することが可能な外部システムと連携するシステム連携部と、
前記梱包材を前記ユーザが使用した情報を少なくとも含む前記ユーザ情報を前記外部システムを介して発信する情報発信部と、を備える、請求項1に記載の梱包材情報管理装置。
【請求項14】
物を梱包する配送用の梱包材に設けられた読取部と、
前記梱包材の情報を管理する梱包材情報管理装置と、を具備する梱包材情報管理システムであって、
前記梱包材情報管理装置は、
前記読取部をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部と、
前記ユーザが前記読取部を読み取った場合に、前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザにリワードを付与するリワード付与部と、を備え、
前記梱包材は、複数回使用されるものである、梱包材情報管理システム。
【請求項15】
コンピュータを、
物を梱包する配送用の梱包材に設けられた読取部をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部と、
前記ユーザが前記読取部を読み取った場合に、前記ユーザ情報受信部により受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザにリワードを付与するリワード付与部と、として機能させ、
前記梱包材は、複数回使用されるものである、梱包材情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包材情報管理装置、梱包材情報管理システム、及び梱包材情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物を配送する際には、その物を梱包材により梱包することが一般的に行われている。しかしながら、従来は主として使い捨ての梱包材が用いられており、環境への悪影響が懸念されていた。そこで、環境保全の観点から、複数回使用可能な種々の梱包材が提案されている。例えば特許文献1には、施錠可能に構成された繰り返し使用可能な通い袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、環境保全の観点からは、上述したような複数回使用可能な梱包材が積極的に使用されることが好ましい。このため、どのような梱包材を使用するかをユーザが判断する際に、複数回使用可能な梱包材が選択されるようにユーザに促すことが求められる。
【0005】
そこで、本開示に係る梱包材情報管理装置、梱包材情報管理システム、及び梱包材情報管理プログラムは、複数回使用される梱包材をユーザに積極的に使用させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、物を梱包する配送用の梱包材(PC)に設けられた読取部(Q)をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部(10)と、ユーザが読取部(Q)を読み取った場合に、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部(11)と、を備え、梱包材(PC)は、複数回使用されるものである。
【0007】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理システム(100)は、物を梱包する配送用の梱包材(PC)に設けられた読取部(Q)と、梱包材(PC)の情報を管理する梱包材情報管理装置(1)と、を具備する梱包材情報管理システム(100)であって、梱包材情報管理装置(1)は、読取部(Q)をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部(10)と、ユーザが読取部(Q)を読み取った場合に、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部(11)と、を備え、梱包材(PC)は、複数回使用されるものである。
【0008】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理プログラム(P)は、コンピュータ(C1)を、物を梱包する配送用の梱包材(PC)に設けられた読取部(Q)をユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部(10)と、ユーザが読取部(Q)を読み取った場合に、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部(11)と、として機能させ、梱包材(PC)は、複数回使用されるものである。
【0009】
これらの梱包材情報管理装置(1)、梱包材情報管理システム(100)、及び梱包材情報管理プログラム(P)の少なくともいずれかによれば、複数回使用される配送用の梱包材(PC)が使用される際に、梱包材(PC)に設けられた読取部(Q)がユーザにより読み取られると、当該ユーザにリワードが付与される。このため、ユーザは、リワードを取得することを目的として、複数回使用可能な梱包材(PC)を積極的に選択することとなる。よって、複数回使用される梱包材(PC)をユーザに積極的に使用させることができる。
【0010】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、リワードをユーザに付与する条件であるリワード条件を設定するリワード条件設定部(12)を備え、リワード付与部(11)は、リワード条件設定部(12)により設定されたリワード条件が満たされたときにユーザにリワードを付与してもよい。これによれば、好適なタイミングでユーザにリワードを付与することができるため、複数回使用される梱包材(PC)をユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)では、リワード条件は、梱包材(PC)がユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されること、及び、読取部(Q)が当該ユーザとは別のユーザにより読み取られることの少なくともいずれかであってもよい。これによれば、物が配送されたことに基づく好適なタイミングでユーザにリワードを付与することができるため、複数回使用される梱包材(PC)をユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0012】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザが読取部(Q)を読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部(13)を備えてもよい。これによれば、ユーザの位置情報を管理することができるとともに、間接的に梱包材(PC)の位置情報を管理することが可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザが読取部(Q)を読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部(13)を備え、リワード条件は、位置情報に基づく条件であってもよい。これによれば、ユーザの位置情報を管理することができるとともに、間接的に梱包材(PC)の位置情報を管理することが可能となる。さらに、位置情報に基づいて、物が配送されたことに基づく好適なタイミングでユーザにリワードを付与することが可能となる。
【0014】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)では、ユーザ情報受信部(10)によりユーザ情報が受信された場合に、当該ユーザに梱包材(PC)の製造に関する製造情報を送信する製造情報送信部(14)を備えてもよい。これによれば、使用した梱包材(PC)の製造に関する製造情報をユーザに知得させることが可能となる。
【0015】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)では、梱包材(PC)は、少なくとも一部が再生材により構成されており、製造情報は、再生材の情報を少なくとも含んでもよい。これによれば、使用した梱包材(PC)に再生材が用いられていることをユーザに知得させることができる。その結果、複数回使用される梱包材(PC)をユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザの環境貢献度を評価する環境貢献度評価部(15)を備えてもよい。これによれば、この梱包材(PC)を使用したことによって環境保全に貢献することができた程度をユーザに知得させることができるため、複数回使用される梱包材(PC)をユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0017】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザ情報に基づいて、環境貢献度として二酸化炭素の削減量を推定する二酸化炭素削減量推定部(16)を備えてもよい。これによれば、二酸化炭素の削減量を指標として環境貢献度を評価することができるため、環境保全に貢献することができた程度を好適に判定することが可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザ情報受信部(10)により受信されたユーザに関するユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信するユーザ情報送信部(17)を備えてもよい。これによれば、送信されたユーザ情報をマーケティング等のための情報として利用可能となる。
【0019】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザが読取部(Q)を読み取った履歴に関する読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信するユーザ情報送信部(17)を備えてもよい。これによれば、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開することにより宣伝等を行うことができる。また、他のユーザの読取履歴情報を受け取ることにより、他のユーザが梱包材(PC)を使用している程度を知得することができる。
【0020】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、ユーザが読取履歴情報を当該ユーザとは別のユーザに送信することを許可した情報を含む許可情報を受信する許可情報受信部(18)を備え、ユーザ情報送信部(17)は、許可情報受信部(18)により許可情報が受信された場合に、読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を当該ユーザとは別のユーザに送信してもよい。これによれば、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開するか否かを自ら決定することができる。また、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開することにより、例えば有名人又は著名人といったユーザが効率的に大衆の注目を集めることができる。
【0021】
本開示の一態様に係る梱包材情報管理装置(1)は、情報を発信することが可能な外部システム(3)と連携するシステム連携部(19)と、梱包材(PC)をユーザが使用した情報を少なくとも含むユーザ情報を外部システム(3)を介して発信する情報発信部(20)と、を備えてもよい。これによれば、複数回使用可能な梱包材(PC)を使用することで環境保全に貢献していることを容易に宣伝又はPRすることができる。
【0022】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0023】
このように、本開示に係る梱包材情報管理装置、梱包材情報管理システム、及び梱包材情報管理プログラムによれば、複数回使用される梱包材をユーザに積極的に使用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る梱包材情報管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、読取部が設けられた梱包材を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、リワード付与処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、ユーザ情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、情報発信処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、梱包材情報管理プログラムのモジュール構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0026】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る梱包材情報管理システム100の機能構成を示すブロック図である。
図2は、読取部Qが設けられた梱包材PCを模式的に示す図である。
図1及び
図2に示される梱包材情報管理システム100は、複数回使用可能な梱包材PCの情報を管理するシステムであり、特に、このような梱包材PCがユーザによって積極的に使用されることを促すシステムである。具体的には、梱包材情報管理システム100は、後述するように梱包材PCを使用したユーザにリワードを付与することによって、ユーザに対して梱包材PCの使用を促す。梱包材情報管理システム100は、梱包材PCに設けられた読取部Q、及び、梱包材PCの情報を管理する梱包材情報管理装置1を具備している。
【0027】
「梱包材PC」とは、物を梱包する配送用の入れ物である。「梱包」とは、入れ物等によって物の少なくとも一部を収容することを意味しており、物の全体が収容されてもよく、物の一部を覆うのみであってもよい。梱包材PCは、物を配送する際に当該物を収容する入れ物であり、例えば当該物を保護したり視認されにくくしたりするために用いられる。梱包材PCは、例えば袋状であってもよく、箱状であってもよく、これら以外の形態であってもよい。また、梱包材PCは、透明(半透明を含む)であってもよく、透明でなくてもよい。
【0028】
梱包材PCは、例えばプラスチック材料により構成されていてもよい。また、梱包材PCは、少なくとも一部が再生材により構成されていてもよい。「再生材」とは、廃棄物等を原料として新たに製造された資材を意味している。具体的には、梱包材PCは、その少なくとも一部が、廃棄漁網を原料として新たに製造された再生ナイロン樹脂により構成されていてもよい。あるいは、梱包材PCは、その少なくとも一部が、廃棄帆布(ヨットの帆)、廃棄エアーバッグ、廃棄ペットボトル、廃棄テント等を原料として新たに製造された再生生地により構成されていてもよい。梱包材PCの少なくとも一部が再生材により構成されている場合には、再生材が使用されている旨が梱包材PCに表示されていることが好ましい。
【0029】
梱包材PCは、複数回使用されるものである。換言すると、梱包材PCは、使い切り(使い捨て)のものではない。このため、梱包材PCを積極的に使用することは、環境保全の観点から好ましい。梱包材PCを繰り返し使用することができる回数は、例えば10回又は20回程度であってもよい。このように梱包材PCを繰り返し使用可能な回数は、予め定められていてもよい。梱包材PCを繰り返し使用可能な回数が予め定められている場合には、梱包材情報管理装置1は各梱包材PCの使用済み回数を管理してもよく、さらに所定の回数になったタイミングで警告を発してもよい。
【0030】
梱包材PCには、読取部Qが設けられている。「読取部Q」とは、ユーザにより読み取り可能な部分であり、視認可能な表示又はタグ等として構成されていてもよく、視認不能又は視認困難なものとして構成されていてもよい。具体的には、読取部Qは、QRコード(登録商標)等の二次元コード、バーコード、URL、数字、又は記号等を含んで構成されていてもよい。また、「ユーザにより読み取り可能」とは、ユーザが何らかの手段により読取部Qに含まれる情報を取得することを意味している。例えば、ユーザが後述するユーザ端末2のカメラ機能を用いて読取部Qの表示(例えば、QRコード(登録商標)又はバーコード)を撮像することにより、読取部Qをユーザが読み取ってもよい。あるいは、ユーザが読取部Qの表示(例えば、URL、数字、又は記号)を視認し、視認した情報をユーザ端末2に手入力することにより、読取部Qをユーザが読み取ってもよい。
【0031】
本実施形態においては、読取部Qは梱包材PCの外面に設けられた二次元コードであるものとする。そして、ユーザは、ユーザ端末2のカメラ機能を用いて当該二次元コードを撮像することにより、読取部Qを読み取るものとする。
【0032】
「ユーザ」とは、梱包材情報管理システム100を利用する者である。具体的には、ユーザとは、物(商品等)を提供又は配送する会社であってもよく、購入した物を配送されて受け取る消費者であってもよい。あるいは、ユーザとは、物を他者に送る者であってもよく、物を他者から送られる者であってもよい。ここで、「他者」とは、梱包材情報管理システム100を利用する別のユーザであってもよく、梱包材情報管理システム100を利用しない非ユーザであってもよい。
【0033】
梱包材情報管理装置1は、例えばネットワークを介して後述するユーザ端末2及び外部システム3と通信可能なコンピュータC1(サーバ)として構成されている。梱包材情報管理装置1は、物理的な構成として、制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラにより構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。
【0034】
梱包材情報管理装置1は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。具体的には、梱包材情報管理装置1は、ROMに記憶されている梱包材情報管理プログラムPをRAMに読み込み、RAMに読み込まれた梱包材情報管理プログラムPをCPUにより実行することにより、後述するリワード付与処理、ユーザ情報送信処理、及び情報発信処理の少なくともいずれかを実行する。なお、梱包材情報管理装置1を構成するコンピュータC1は、物理的に、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0035】
続いて、ユーザ端末2について説明する。ユーザ端末2は、ユーザにより使用される端末である。ユーザ端末2は、例えばネットワークを介して梱包材情報管理装置1と通信可能な端末コンピュータC2を備えている。ユーザ端末2は、物理的な構成として、制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU等のコントローラにより構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAMにより構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROMにより構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。ユーザ端末2は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。
【0036】
また、ユーザ端末2は、読み取り装置R2を備えている。読み取り装置R2は、梱包材PCに設けられた読取部Qを読み取り可能な装置である。例えば、読取部QがQRコード(登録商標)又はバーコード等である場合には、読み取り装置R2は読取部Qの表示を撮像するためのカメラであってもよい。あるいは、読取部QがURL、数字、又は記号等である場合には、ユーザにより読取部Qを手入力するための入力装置(ボタン等)であってもよい。
【0037】
ユーザ端末2は、例えばスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよい。ここでは、ユーザ端末2としてスマートフォンが例示されている。ユーザ端末2は複数存在していてもよく、
図1においては3個のユーザ端末2が示されている。
【0038】
外部システム3は、例えばネットワークを介して梱包材情報管理装置1と通信可能なコンピュータ(サーバ)として構成されていてもよく、ユーザ端末2又はユーザ端末2以外の端末上で実行される所定のアプリケーションとして構成されていてもよい。外部システム3は、例えばネットワークを介して広く情報を発信することが可能なシステムであってもよい。具体的には、外部システム3は、TWITTER(登録商標)、Instagram(登録商標)、Facebook(登録商標)等のSNS(Social networking service)のシステムであってもよい。
【0039】
外部システム3は、梱包材情報管理装置1との間で連携(システム連携)することができる。具体的には、外部システム3は、梱包材情報管理装置1との間でAPI(Application Programming Interface)連携をすることができてもよい。外部システム3は、梱包材情報管理装置1と連携して、ユーザ情報等の情報をネットワークを介して発信する。
【0040】
次に、梱包材情報管理装置1の機能について説明する。梱包材情報管理装置1のコンピュータC1は、機能的には、ユーザ情報受信部10、リワード付与部11、リワード条件設定部12、位置情報取得部13、製造情報送信部14、環境貢献度評価部15、二酸化炭素削減量推定部16、ユーザ情報送信部17、許可情報受信部18、システム連携部19、及び情報発信部20を備えている。
【0041】
ユーザ情報受信部10は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信する。具体的には、梱包材PCの外面に設けられた二次元コードである読取部Qがユーザ端末2のカメラ機能を用いて撮像されることにより読取部Qをユーザが読み取った場合に、梱包材情報管理装置1とユーザ端末2との間で通信を行うことで、ユーザ情報受信部10は当該ユーザに関するユーザ情報を受信してもよい。なお、読取部Qがバーコード等であっても同様に、読取部Qがユーザ端末2のカメラ機能を用いて撮像されることにより読取部Qをユーザが読み取った場合に、梱包材情報管理装置1とユーザ端末2との間で通信を行うことで、ユーザ情報受信部10は当該ユーザに関するユーザ情報を受信してもよい。一方、読取部QがURL、数字、又は記号等である場合には、ユーザが読取部Qの表示を視認し、視認した情報をユーザ端末2に手入力することにより読取部Qをユーザが読み取った場合に、梱包材情報管理装置1とユーザ端末2との間で通信を行うことで、ユーザ情報受信部10は当該ユーザに関するユーザ情報を受信してもよい。
【0042】
「ユーザ情報」とは、ユーザに関する情報である。ユーザ情報は、複数のユーザが存在する場合には、ユーザ毎に区別して設定及び管理されていてもよい。ユーザが物(商品等)を提供又は配送する会社等である場合には、ユーザ情報は、会社名、所在地、業種、事業内容、資本金、従業員数、梱包材を読み取った履歴(梱包材の使用履歴)、提供(配送)した商品等であってもよい。一方、ユーザが購入した物を配送されて受け取る消費者、物を他者に送る者であってもよく、又は物を他者から送られる者等である場合には、ユーザ情報は、氏名、年齢、居住地、職業、年収、趣味、梱包材を読み取った履歴(梱包材の使用履歴)、購入した商品等であってもよい。
【0043】
リワード付与部11は、ユーザが読取部Qを読み取った場合に、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与する。「リワード」とは、ユーザにとって報酬又は利益になるものを意味している。リワードは、金銭的な価値があるものであってもよく、金銭的な価値がないものであってもよい。リワードは、無形物であってもよく、有形物であってもよい。リワードが無形物である場合には、リワードは、例えばポイント、電子クーポン、電子チケット、静止画、動画、資格、又は肩書等であってもよい。「資格」とは、環境への貢献を示す資格であってもよい。同様に、「肩書」とは、環境への貢献を示す肩書であってもよい。リワードが有形物である場合には、リワードは、例えば商品、キャラクター等のカード、ギフトカード、又はチケット等であってもよい。「ユーザにリワードを付与する」とは、例えば無形物たるリワードを当該ユーザが授与されたことをデータとして記録することであってもよく、有形物たるリワードを当該ユーザに譲渡等することであってもよく、これら以外であってもよい。
【0044】
リワード付与部11は、後述するリワード条件設定部12により設定されたリワード条件が満たされたときにユーザにリワードを付与してもよい。「リワード条件」とは、リワードをユーザに付与する条件である。例えば、リワード条件は、梱包材PCがユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されることであってもよい。この場合、例えば物を配送する者(配送業者)が配送完了後にユーザ端末2を用いて読取部Qを読み取り、配送完了の処理(例えば配送完了ボタンの押下)を行ったことを契機として、梱包材PCがユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されたと判定されてもよい。また、リワード条件は、読取部Qが当該ユーザとは別のユーザにより読み取られることであってもよい。この場合、例えば物を配送された別のユーザ(他の消費者)が配送完了後にユーザ端末2を用いて読取部Qを読み取り、配送完了の処理(例えば配送完了ボタンの押下)を行ったことを契機として、梱包材PCがユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されたと判定されてもよい。また、リワード条件は、梱包材PCがユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されること、及び、読取部Qが当該ユーザとは別のユーザにより読み取られることの両方であってもよい。なお、梱包材PCは、一の消費者に配送された後に元の保有者(例えば、物の販売事業者等)に返却される場合と、一の消費者に配送された後に当該一の消費者から別の消費者への物の輸送に使用される場合と、があり得る。
【0045】
リワード条件は、後述する位置情報取得部13によりユーザの位置情報が取得されている場合には、ユーザの位置情報に基づく条件であってもよい。例えば、リワード条件は、配送先の住所とユーザの位置情報とを比較して、配送先の住所から所定の範囲内(例えば、半径30m以内)にユーザがいると判定されることを含んでもよい。あるいは、リワード条件は、ユーザの位置情報を基準として、所定の期間内(例えば、3日以内)に同一の又は近い場所(例えば、半径100m以内)で当該梱包材PCの読取部Qが読み取られていないことを含んでもよい。
【0046】
また、リワード条件は、例えばユーザが読取部Qを読み取った回数(ユーザが読取部Qを読み取ったことが梱包材情報管理装置1により受理された回数)であってもよい。この場合、ユーザが読取部Qを読み取った回数に応じて段階的に異なるリワードが付与されてもよい。具体的な一例として、ユーザが読取部Qを読み取った回数が10回、30回、50回、100回に達したときに、それぞれ異なるリワードが付与されてもよい。なお、「ユーザが読取部Qを読み取った回数」とは、複数の梱包材PCの読取部Qを読み取った回数を合算した回数であってもよい(すなわち、複数の梱包材PCの読取部Qに跨っていてもよい。)。
【0047】
リワード条件は、上述したものの他に、例えば梱包材PCを購入すること、購入した梱包材PCの個数、配送に梱包材PCが使われる商品を購入すること、配送に梱包材PCが使われる商品を購入した回数等であってもよい。つまり、リワード条件は、梱包材PC自体を購入することに関するものであってもよく、配送に梱包材PCが使われる商品を購入することに関するものであってもよい。
【0048】
リワード条件設定部12は、リワード条件を設定する。リワード条件設定部12は、例えばユーザ端末2からリワード条件の設定の情報を受信することにより、リワード条件を設定してもよい。
【0049】
位置情報取得部13は、ユーザが読取部Qを読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する。「ユーザの位置情報」とは、当該ユーザ(ユーザ端末2)が位置している緯度及び経度の情報であってもよい。位置情報取得部13は、例えばユーザ端末2に搭載されたGPS受信機により取得されたユーザの位置情報を、ユーザ端末2からネットワークを介して取得してもよい。
【0050】
製造情報送信部14は、ユーザ情報受信部10によりユーザ情報が受信された場合に、当該ユーザに製造情報を送信する。「製造情報」とは、梱包材PCの製造に関する情報である。例えば、製造情報は、梱包材PCの製造に用いられた材料、材料の仕入れ先、及び製造が行われた工場の少なくともいずれかの情報を含んでいてもよい。あるいは、梱包材PCの少なくとも一部が再生材により構成されている場合には、製造情報は、再生材の情報を少なくとも含んでいてもよい。例えば、梱包材PCの少なくとも一部が再生材により構成されている場合には、製造情報は、再生材の材料、再生材の仕入れ先、及び再生材が用いられている割合の少なくともいずれかの情報を含んでいてもよい。なお、「ユーザに送信する」とは、ユーザ端末2に直接送信することであってもよく、ユーザのメールアドレス(メールサーバ)等に送信することであってもよい。
【0051】
環境貢献度評価部15は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザの環境貢献度を評価する。「環境貢献度」とは、環境保全に貢献した程度を表す指標である。例えば、環境貢献度評価部15は、ユーザが読取部Qを読み取った回数に基づいて、環境貢献度を評価してもよい。例えば、環境貢献度評価部15は、ユーザが読取部Qを読み取った回数が10回~29回の場合に環境貢献度「1」、30回~49回の場合に環境貢献度「2」、50回~99回の場合に環境貢献度「3」、100回~199回の場合に環境貢献度「4」というように段階的に環境貢献度を評価してもよい。あるいは、環境貢献度評価部15は、ユーザが商品を購入した際に当該商品を梱包する梱包材PCが配送された回数に基づいて、環境貢献度を評価してもよい。
【0052】
また、環境貢献度評価部15は、後述するように二酸化炭素削減量推定部16により二酸化炭素の削減量が推定された場合には、当該二酸化炭素の削減量を環境貢献度として推定してもよい。
【0053】
二酸化炭素削減量推定部16は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、環境貢献度として二酸化炭素の削減量を推定する。二酸化炭素削減量推定部16は、所定の計算式に基づいて、二酸化炭素の削減量を推定してもよい。二酸化炭素削減量推定部16は、梱包材PCが1回使われた場合の二酸化炭素の削減量(1回あたり削減量)を予め設定し、梱包材PCが使用された回数に1回あたり削減量を乗じた値を、二酸化炭素の削減量として推定してもよい。1回あたり削減量は、例えば一般的な段ボール箱が配送に使われた場合と梱包材PCが配送に使われた場合とで比較した、製造段階及び処分段階等での二酸化炭素の排出量の差であってもよい。なお、二酸化炭素削減量推定部16は、ユーザが読取部Qを読み取った回数、梱包材PCを購入した回数、又は配送に梱包材PCが使われる商品を購入した回数等に応じて、二酸化炭素の削減量を推定してもよい。
【0054】
ユーザ情報送信部17は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザに関するユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信する。「予め定められたユーザ」とは、例えば商品を販売又は配送する業者であってもよく、これら以外の業者であってもよい。例えば、予め定められたユーザは、事前の契約等によりユーザ情報をマーケティング情報として収集することができると定められたユーザであってもよい。ここで、「マーケティング情報」とは、商品又はサービスの販売に役立つ情報を意味しており、具体的には、ユーザの年齢、性別、職業、年収、趣味、商品の購入履歴、読取部Qを読み取った回数等の情報であってもよい。
【0055】
ユーザ情報送信部17は、ユーザの読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信してもよい。「ユーザの読取履歴情報」とは、ユーザが読取部Qを読み取った履歴に関する情報である。なお、ユーザ情報送信部17は、後述するように許可情報受信部18により許可情報が受信された場合に、読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を当該ユーザとは別のユーザに送信することとしてもよい。
【0056】
許可情報受信部18は、ユーザから許可情報を受信する。「許可情報」とは、ユーザが読取履歴情報を当該ユーザとは別のユーザに送信することを許可した情報を含む情報である。具体的には、梱包材情報管理装置1とユーザ端末2との間で通信を行うことで、許可情報受信部18はユーザから許可情報を受信してもよい。つまり、「ユーザから許可情報を受信する」とは、ユーザのユーザ端末2から許可情報を受信することを意味していてもよい。
【0057】
システム連携部19は、情報を発信することが可能な外部システム3と連携(システム連携)する。具体的には、システム連携部19は、外部システム3との間でAPI連携をしてもよい。
【0058】
情報発信部20は、梱包材PCをユーザが使用した情報を少なくとも含むユーザ情報を外部システム3を介して発信する。すなわち、情報発信部20は、ユーザ情報を外部システム3に送信することにより、外部システム3から一般公衆又は指定された登録者に向けて当該ユーザ情報を発信する。例えば、情報発信部20は、システム連携部19が連携するSNS等にユーザ情報を公開(アップ)することにより、当該ユーザ情報を発信してもよい。
【0059】
[リワード付与処理]
梱包材情報管理装置1により実行されるリワード付与処理について説明する。
図3は、リワード付与処理を示すフローチャートである。
図3に示されるリワード付与処理は、ユーザにリワードを付与する処理である。
【0060】
ステップS10において、梱包材情報管理装置1のリワード条件設定部12は、リワード条件を設定する。リワード条件設定部12は、例えばユーザ端末2からリワード条件の設定の情報を受信することにより、リワード条件を設定する。その後、ステップS12に移行する。
【0061】
ステップS12において、梱包材情報管理装置1のユーザ情報受信部10は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信する。その後、ステップS14に移行する。
【0062】
ステップS14において、梱包材情報管理装置1の位置情報取得部13は、ユーザが読取部Qを読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する。位置情報取得部13は、例えばユーザ端末2に搭載されたGPS受信機により取得されたユーザの位置情報を、ユーザ端末2からネットワークを介して取得する。その後、ステップS16に移行する。
【0063】
ステップS16において、梱包材情報管理装置1の二酸化炭素削減量推定部16は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、環境貢献度として二酸化炭素の削減量を推定する。二酸化炭素削減量推定部16は、例えば所定の計算式に基づいて二酸化炭素の削減量を推定する。その後、ステップS18に移行する。
【0064】
ステップS18において、梱包材情報管理装置1の環境貢献度評価部15は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザの環境貢献度を評価する。ここでは、具体的には、環境貢献度評価部15は、二酸化炭素削減量推定部16により推定された二酸化炭素の削減量を環境貢献度として推定する。また、環境貢献度評価部15は、評価した環境貢献度をユーザに送信する。例えば、環境貢献度評価部15は、評価した環境貢献度に関する情報をユーザのユーザ端末2に送信してもよい。その後、ステップS20に移行する。
【0065】
ステップS20において、梱包材情報管理装置1の製造情報送信部14は、ユーザ情報受信部10によりユーザ情報が受信された場合に、当該ユーザに製造情報を送信する。その後、ステップS22に移行する。
【0066】
ステップS22において、梱包材情報管理装置1のリワード付与部11は、リワード条件設定部12により設定されたリワード条件が満たされているか否かを判定する。ここでは、リワード条件は、位置情報取得部13により取得されたユーザの位置情報に基づく条件とされている。リワード条件が満たされていると判定された場合(ステップS22:YES)、ステップS24に移行する。一方、リワード条件が満たされていないと判定された場合(ステップS22:NO)、ステップS22を繰り返す。
【0067】
ステップS24において、梱包材情報管理装置1のリワード付与部11は、ユーザにリワードを付与する。リワード付与部11は、リワードが付与されたことをユーザに通知してもよい。以上により、リワード付与処理は終了する。
【0068】
なお、上述したリワード付与処理において、例えばステップS10,S14,S16,S18,S20,S22等は省略されてもよい。また、ステップS22においてリワード条件が満たされていないと判定された場合(ステップS22:NO)、ステップS22を繰り返さずにリワード付与処理は終了してもよい。
【0069】
[ユーザ情報送信処理]
梱包材情報管理装置1により実行されるユーザ情報送信処理について説明する。
図4は、ユーザ情報送信処理を示すフローチャートである。
図4に示されるユーザ情報送信処理は、ユーザに関するユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信する処理である。
【0070】
ステップS30において、梱包材情報管理装置1のユーザ情報受信部10は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信する。ここでは、ユーザ情報は、ユーザの読取履歴情報を含んでいる。その後、ステップS32に移行する。
【0071】
ステップS32において、梱包材情報管理装置1のユーザ情報送信部17は、許可情報受信部18により許可情報が受信されているか否かを判定する。許可情報が受信されていると判定された場合(ステップS32:YES)、ステップS34に移行する。一方、許可情報が受信されていないと判定された場合(ステップS32:NO)、ユーザ情報送信処理は終了する。
【0072】
ステップS34において、梱包材情報管理装置1のユーザ情報送信部17は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信する。以上により、ユーザ情報送信処理は終了する。
【0073】
なお、上述したユーザ情報送信処理において、例えばユーザ情報がユーザの読取履歴情報を含んでいない場合には、ステップS34は省略されてもよい。
【0074】
[情報発信処理]
梱包材情報管理装置1により実行される情報発信処理について説明する。
図5は、情報発信処理を示すフローチャートである。
図5に示される情報発信処理は、ユーザ情報を外部システム3を介して発信する処理である。
【0075】
ステップS40において、梱包材情報管理装置1のユーザ情報受信部10は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信する。その後、ステップS42に移行する。
【0076】
ステップS42において、梱包材情報管理装置1のシステム連携部19は、情報を発信することが可能な外部システム3と連携(システム連携)する。例えば、システム連携部19は、外部システム3との連携状態を確立又は確認する。その後、ステップS44に移行する。
【0077】
ステップS44において、梱包材情報管理装置1の情報発信部20は、梱包材PCをユーザが使用した情報を少なくとも含むユーザ情報を外部システム3を介して発信する。すなわち、情報発信部20は、ユーザ情報を外部システム3に送信することにより、外部システム3から一般公衆又は指定された登録者に向けて当該ユーザ情報を発信する。ここでは、情報発信部20は、システム連携部19が連携するSNS等にユーザ情報を公開(アップ)することにより、当該ユーザ情報を発信する。以上により、情報発信処理は終了する。
【0078】
[梱包材情報管理プログラム]
図6は、梱包材情報管理プログラムPのモジュール構成を示すブロック図である。
図6に示される梱包材情報管理プログラムPは、コンピュータC1を梱包材情報管理装置1として機能させるプログラムである。
【0079】
梱包材情報管理プログラムPは、メインモジュールMM、ユーザ情報受信モジュールM10、リワード付与モジュールM11、リワード条件設定モジュールM12、位置情報取得モジュールM13、製造情報送信モジュールM14、環境貢献度評価モジュールM15、二酸化炭素削減量推定モジュールM16、ユーザ情報送信モジュールM17、許可情報受信モジュールM18、システム連携モジュールM19、及び情報発信モジュールM20を備えている。メインモジュールMMは、コンピュータC1を統括的に制御する部分である。ユーザ情報受信モジュールM10、リワード付与モジュールM11、リワード条件設定モジュールM12、位置情報取得モジュールM13、製造情報送信モジュールM14、環境貢献度評価モジュールM15、二酸化炭素削減量推定モジュールM16、ユーザ情報送信モジュールM17、許可情報受信モジュールM18、システム連携モジュールM19、及び情報発信モジュールM20のそれぞれを実行することにより実現される機能は、上述したユーザ情報受信部10、リワード付与部11、リワード条件設定部12、位置情報取得部13、製造情報送信部14、環境貢献度評価部15、二酸化炭素削減量推定部16、ユーザ情報送信部17、許可情報受信部18、システム連携部19、及び情報発信部20のそれぞれが有する機能と同一である。
【0080】
なお、梱包材情報管理プログラムPは、メインモジュールMM、ユーザ情報受信モジュールM10、及びリワード付与モジュールM11以外の少なくともいずれかのモジュールを備えていなくてもよい。
【0081】
[作用及び効果]
以上説明したように、梱包材情報管理装置1は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部10と、ユーザが読取部Qを読み取った場合に、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部11と、を備え、梱包材PCは、複数回使用されるものである。
【0082】
梱包材情報管理システム100は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qと、梱包材PCの情報を管理する梱包材情報管理装置1と、を具備する梱包材情報管理システム100であって、梱包材情報管理装置1は、読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部10と、ユーザが読取部Qを読み取った場合に、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部11と、を備え、梱包材PCは、複数回使用されるものである。
【0083】
梱包材情報管理プログラムPは、コンピュータC1を、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合に、当該ユーザに関するユーザ情報を受信するユーザ情報受信部10と、ユーザが読取部Qを読み取った場合に、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザにリワードを付与するリワード付与部11と、として機能させ、梱包材PCは、複数回使用されるものである。
【0084】
梱包材情報管理装置1、梱包材情報管理システム100、及び梱包材情報管理プログラムPの少なくともいずれかによれば、複数回使用される配送用の梱包材PCが使用される際に、梱包材PCに設けられた読取部Qがユーザにより読み取られると、当該ユーザにリワードが付与される。このため、ユーザは、リワードを取得することを目的として、複数回使用可能な梱包材PCを積極的に選択することとなる。よって、複数回使用される梱包材PCをユーザに積極的に使用させることができる。
【0085】
梱包材情報管理装置1は、リワードをユーザに付与する条件であるリワード条件を設定するリワード条件設定部12を備え、リワード付与部11は、リワード条件設定部12により設定されたリワード条件が満たされたときにユーザにリワードを付与する。これによれば、好適なタイミングでユーザにリワードを付与することができるため、複数回使用される梱包材PCをユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0086】
梱包材情報管理装置1では、リワード条件は、梱包材PCがユーザから当該ユーザとは別のユーザに配送されること、及び、読取部Qが当該ユーザとは別のユーザにより読み取られることの少なくともいずれかである。これによれば、物が配送されたことに基づく好適なタイミングでユーザにリワードを付与することができるため、複数回使用される梱包材PCをユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0087】
梱包材情報管理装置1は、ユーザが読取部Qを読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部13を備えている。これによれば、ユーザの位置情報を管理することができるとともに、間接的に梱包材PCの位置情報を管理することが可能となる。
【0088】
梱包材情報管理装置1は、ユーザが読取部Qを読み取ったときの当該ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部13を備え、リワード条件は、位置情報に基づく条件である。これによれば、ユーザの位置情報を管理することができるとともに、間接的に梱包材PCの位置情報を管理することが可能となる。さらに、位置情報に基づいて、物が配送されたことに基づく好適なタイミングでユーザにリワードを付与することが可能となる。
【0089】
梱包材情報管理装置1では、ユーザ情報受信部10によりユーザ情報が受信された場合に、当該ユーザに梱包材PCの製造に関する製造情報を送信する製造情報送信部14を備えている。これによれば、使用した梱包材PCの製造に関する製造情報をユーザに知得させることが可能となる。
【0090】
梱包材情報管理装置1では、梱包材PCは、少なくとも一部が再生材により構成されており、製造情報は、再生材の情報を少なくとも含んでいる。これによれば、使用した梱包材PCに再生材が用いられていることをユーザに知得させることができる。その結果、複数回使用される梱包材PCをユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0091】
梱包材情報管理装置1は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザの環境貢献度を評価する環境貢献度評価部15を備えている。これによれば、この梱包材PCを使用したことによって環境保全に貢献することができた程度をユーザに知得させることができるため、複数回使用される梱包材PCをユーザに一層積極的に使用させることが可能となる。
【0092】
梱包材情報管理装置1は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザ情報に基づいて、環境貢献度として二酸化炭素の削減量を推定する二酸化炭素削減量推定部16を備えている。これによれば、二酸化炭素の削減量を指標として環境貢献度を評価することができるため、環境保全に貢献することができた程度を好適に判定することが可能となる。
【0093】
梱包材情報管理装置1は、ユーザ情報受信部10により受信されたユーザに関するユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信するユーザ情報送信部17を備えている。これによれば、送信されたユーザ情報をマーケティング等のための情報として利用可能となる。
【0094】
梱包材情報管理装置1は、ユーザが読取部Qを読み取った履歴に関する読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を、当該ユーザとは別の予め定められたユーザに送信するユーザ情報送信部17を備えている。これによれば、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開することにより宣伝等を行うことができる。また、他のユーザの読取履歴情報を受け取ることにより、他のユーザが梱包材PCを使用している程度を知得することができる。
【0095】
梱包材情報管理装置1は、ユーザが読取履歴情報を当該ユーザとは別のユーザに送信することを許可した情報を含む許可情報を受信する許可情報受信部18を備え、ユーザ情報送信部17は、許可情報受信部18により許可情報が受信された場合に、読取履歴情報を少なくとも含むユーザ情報を当該ユーザとは別のユーザに送信する。これによれば、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開するか否かを自ら決定することができる。また、自分の読取履歴情報を別のユーザに公開することにより、例えば有名人又は著名人といったユーザが効率的に大衆の注目を集めることができる。
【0096】
梱包材情報管理装置1は、情報を発信することが可能な外部システム3と連携するシステム連携部19と、梱包材PCをユーザが使用した情報を少なくとも含むユーザ情報を外部システム3を介して発信する情報発信部20と、を備えている。これによれば、複数回使用可能な梱包材PCを使用することで環境保全に貢献していることを容易に宣伝又はPRすることができる。
【0097】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0098】
例えば、梱包材PCの具体的な形状、大きさ、使用方法等は上述した実施形態に係るものに限定されない。
【0099】
また、ユーザ情報は、物を梱包する配送用の梱包材PCに設けられた読取部Qをユーザが読み取った場合において、当該ユーザを特定する情報及び読取部Qが当該ユーザにより読み取られたことの情報を含んでいてもよい。
【0100】
また、梱包材情報管理装置1の各機能は、必ずしも一の装置により全て備えられていなくてもよく、複数の装置に分散して備えられていてもよい。換言すると、梱包材情報管理装置1は、必ずしも一の装置(サーバ等)として構成されてなくてもよく、複数の装置(サーバ等)として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 梱包材情報管理装置
2 ユーザ端末
3 外部システム
10 ユーザ情報受信部
11 リワード付与部
12 リワード条件設定部
13 位置情報取得部
14 製造情報送信部
15 環境貢献度評価部
16 二酸化炭素削減量推定部
17 ユーザ情報送信部
18 許可情報受信部
19 システム連携部
20 情報発信部
C1 コンピュータ
C2 端末コンピュータ
P 梱包材情報管理プログラム
PC 梱包材
Q 読取部
R2 読み取り装置
100 梱包材情報管理システム