(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128848
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】コンベヤチェーンの付着防止装置
(51)【国際特許分類】
B65G 45/10 20060101AFI20240913BHJP
B65G 43/02 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B65G45/10 B
B65G43/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038102
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】592028031
【氏名又は名称】日本省力機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003465
【氏名又は名称】弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES
(72)【発明者】
【氏名】辰村 周平
(72)【発明者】
【氏名】辰村 創平
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA04
3F027DA24
3F027FA01
(57)【要約】
【課題】 コンベヤチェーンが屈曲不良やローラの不回転を生じないようにするための付着防止装置を提供する。
【解決手段】 スクレーパコンベヤにおいて、メカニカルバルブ1と、メカニカルバルブ1の駆動を制御するレバー2と、メカニカルバルブ1から空気の送り出しを行うエア配管3と、エア配管3の空気の送り出しによりピストン6の出し入れを行うシリンダー5と、ピストン6の出し入れによって、ベアリング用台7に設置したベアリング8の軸9を中心としてアーム10の一端を上げ下げするとアーム10の他端を下げ上げできるようにして、アーム10の他端の先端に取り付けたハンマー11とからなり、メカニカルバルブ1のレバー2をコンベヤチェーンのローラ14の動きに連動させて動かし、ハンマー11がコンベヤチェーンのローラ14を打撃するコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2条のコンベヤチェーンの間にスクレーパを取り付けて搬送物を搬送するスクレーパコンベヤにおいて、
メカニカルバルブと、
前記メカニカルバルブの駆動を制御するレバーと、
前記メカニカルバルブから空気の送り出しを行うエア配管と、
前記エア配管の空気の送り出しによりピストンの出し入れを行うシリンダーと、
前記ピストンの出し入れによって、ベアリング用台に設置したベアリングの軸を中心としてアームの一端を上げ下げすると前記アームの他端を下げ上げできるようにして、前記アームの他端の先端に取り付けたハンマーとからなり、
前記メカニカルバルブのレバーを前記コンベヤチェーンのローラの動きに連動させて動かし、前記ハンマーがコンベヤチェーンのローラを打撃することを特徴とするコンベヤチェーンの付着防止装置。
【請求項2】
前記ハンマーが前記コンベヤチェーンのローラを打撃する位置をガイドレールの間隔を開けた位置とすることを特徴とする請求項1記載のコンベヤチェーンの付着防止装置。
【請求項3】
前記レバーの位置、前記アームの長さ、前記ハンマーの重さを調整することができることを特徴とする請求項1記載のコンベヤチェーンの付着防止装置。
【請求項4】
前記メカニカルバルブの前記レバーを前記ローラに接触しないように持ち上げると共に、前記シリンダーのピストンを出し、前記アームを上部に固定させることができることを特徴とする請求項1記載のコンベヤチェーンの付着防止装置。
【請求項5】
前記左右のハンマーが前記左右のローラをそれぞれ打撃する音を集音し、左右の音のずれを確認し、前記左右のチェーンに延びが発生していることを認識できると共に、左右の音のずれの時間から前記左右のチェーンの長さの差を計算することができることを特徴とする請求項1記載のコンベヤチェーンの付着防止装置。
【請求項6】
2条のコンベヤチェーンの間にスクレーパを取り付けて搬送物を搬送するスクレーパコンベヤにおいて、
メカニカルバルブと、
前記メカニカルバルブの駆動を制御するレバーと、
前記メカニカルバルブから空気の送り出しを行うエア配管と、
前記エア配管の空気の送り出しにより動作させるノッカーと、
前記ノッカーから出し入れできるピストンとからなり、
前記メカニカルバルブのレバーを前記コンベヤチェーンのローラの動きに連動させて動かし、前記ピストンがコンベヤチェーンのローラを打撃することを特徴とするコンベヤチェーンの付着防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体、湿気のある灰等が混じった焼却灰等の搬送物を搬送するフライトコンベヤ等のコンベヤ装置において、コンベヤチェーンの動きを妨げるような固着を未然に防止するためのコンベヤチェーンの付着防止装置に関するものである。
【0002】
水分、湿気を含む焼却灰等を搬送する場合、スクレーパコンベヤを用いて、スクレーパで搬送物を掃き取るように移動させる。この場合、スクレーパの駆動をスクレーパに取り付けるコンベヤチェーンにより行っている。
【0003】
このコンベヤチェーンは、ピン、ブッシュ、ローラ及びプレートとから構成されており、それぞれの接続又は摺動する箇所の間に焼却灰等が入り込むことがあり、入り込んだ焼却灰の水分が蒸発して、焼却灰が固化し、それぞれの接続又は摺動する箇所の動きが悪くなり、屈曲不良を生じたり、ローラが円滑に回転しなくなることがあった。
【0004】
また、ローラが回転しない場合、ローラとガイドレールとの間で滑り抵抗が生じ、運転するためのエネルギーが増大し、電気消費が増えることがあった。
【0005】
また、回転しないローラは、ガイドレール上を滑り、ローラの摩耗、ガイドレールの摩耗を起こし、コンベヤチェーンに過大な負荷をかけることになり、コンベヤチェーンの寿命及びガイドレールの寿命が短くなるなどの問題があった。
【0006】
このため、コンベヤチェーンのピン、ローラ及びプレートの間に入り込んだ焼却灰等を取り除くことが望まれ、長期間取り除かれない場合やメンテナンスが行われていない場合には、コンベヤチェーンが固着してしまうこととなり、この固着を未然に防ぐことが望まれていた。
【背景技術】
【0007】
従来、コンベヤにより焼却灰等を搬送する場合、ケーシングタイプのコンベヤが多いため、コンベヤの内部を見ることができず、搬送されている焼却灰等の量、搬送状態、コンベヤの駆動状態等を直接見ることができず、コンベヤの運転を把握することが難しかった。
【0008】
このため、コンベヤ内部の状態を把握するため、コンベヤチェーンの張力を測ることにより、コンベヤ内での運転の見える化を図り、コンベヤチェーンの摩耗、ガイドレールの変形等も予測でき、部品の取替え時期の計画等もできるようにすることが望まれている。
【0009】
しかし、コンベヤ内のコンベヤチェーンの張力を計測するにあたっては、コンベヤチェーン自体が正常に駆動していることが前提となる。
【0010】
即ち、コンベヤチェーンが正常に駆動しているとは、コンベヤチェーンを構成するピン、ブッシュ、ローラ及びプレートのそれぞれの間に焼却灰等が詰まっておらず、コンベヤチェーンが屈曲固着しておらず、チェーンを構成するローラがガイドレール上を円滑に回る状態であることが必要となる。
【0011】
コンベヤチェーンを構成するプレートの間に水分を含む灰が入り込み、水分が蒸発して灰が固着した場合、本来ならばガイドレール上を滑らかにコンベヤチェーンの摺動を行えるはずのところ、プレートが円滑に屈曲し難くなり、曲がった状態で固まる屈曲不良を起こすこともあった。
【0012】
また、このようにプレートが屈曲して固着すると、左右のコンベヤチェーンの全長が各々変わり、左右コンベヤチェーンの長さが異なることになり、正確なコンベヤチェーンの張力を測定できず、また、左右コンベヤチェーンの長さが異なることから、テークアップ作業によるチェーンの適度な張り調整をすることが難しくなっていた。
【0013】
さらに、屈曲不良のコンベヤチェーンがガイドレールに接触してコンベヤチェーンが切断してしまうことがあり、コンベヤの運転を停止せざるを得ない場合があった。
【0014】
このため、現状では、屈曲不良を起こしている箇所を1ヶ月に1回程度ハンマー等で、チェーンやローラの不回転部を叩いて固着している箇所を解消することとしている。
【0015】
この作業は、屈曲不良の固着を解消する点においては有効であるが、コンベヤを稼働しながらの作業となり危険がともなっていた。また、定期的にコンベヤ装置を長時間停止させるためには、焼却炉も停止させなければならず、システムの運転維持にも影響を与えることになり、効率的ではなかった。また、定期的な作業を怠ると、チェーンの固着や屈曲不良が原因でコンベヤ全体が停止すると共に、焼却炉も停止してしまう事態も生じていた。
【0016】
また、焼却炉等の焼却施設における焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務及び設備の保守点検等に係る作業では、ダイオキシンが発生している可能性のあるコンベヤ内での作業が必要となり、健康上の問題も生じていた。
【0017】
また、コンベヤチェーンが正常の状態であっても、チェーンの張力を測定するのが難しかったことに加えて、チェーンが屈曲不良を起こしている場合は、なおさら正確な張力を測定することができなかった。
【0018】
また、コンベヤのスクレーパと底板との間に焼却灰等が詰まった場合、コンベヤの正転・逆転させることで、詰まりを解決することがあるが、その運転を自動で行うことは難しかった。その理由として、チェーンに屈曲不良がある場合に、逆転運動をすると、コンベヤ自体を破損してしまう事故が発生する可能性があるからである。
【0019】
このため、屈曲不良が発生するのを未然に防止できれば、コンベヤチェーンの正転・逆転運動を自動化でき、また、コンベヤ内の保守・点検の作業を減らすことができることからダイオキシン類ばく露防止対策にも非常に有効である。
【0020】
そこで、本発明では、コンベヤチェーンに定期的に衝撃を加えることで、ピン、ブッシュ、ローラ及びプレートの間などに入り込んだ固着の原因となる灰等を取り除くと共に、入り込んだものが固着しないように未然に防ぐためのコンベヤチェーンの付着防止装置を提供することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2021-141052 チェーン掃除機構 この文献には、回転ブラシによってチェーンを掃除する機構が開示されているが、回転ブラシによる掃除では、チェーンのピン及びローラの僅かな隙間に入った灰等を取り除くことが困難であり、また、既にローラとプレートとの間で固着が発生してしまっている場合の対応が出来なかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
コンベヤによる焼却灰等を搬送する場合、搬送物の量、搬送状態、コンベヤの駆動状態等を見ることができるようにし、コンベヤの運転を把握できるようにするため、チェーン張力を測ることにより、コンベヤ内での運転の見える化を図り、チェーンの摩耗、ガイドレールの変形等も予測でき、部品の取替え時期の計画等もできるようにする。
【0023】
このため、コンベヤチェーンが円滑に駆動するために、コンベヤチェーンを構成するピン、ローラ及びプレート等の隙間に入り込んだ灰等を衝撃により付着しているものを取り除き、また、付着物が固着してしまうことを未然に防止するようにする。
【0024】
また、左右のコンベヤチェーンに掛かる張力の変化を把握することで、コンベヤチェーンのたるみを把握し、コンベヤチェーンの張力を適切にするため、従動軸のテークアップ作業でチェーンへ適切な張りを調整することを容易にできるようにする。
【0025】
さらに、コンベヤチェーンの摩耗をより少なくし、コンベヤチェーンの寿命を長くし、省エネルギー化を図り、ガイドレール、スプロケット等の摩耗をも少なくすることができ、ランニングコストを下げ、脱炭素に寄与することができるようにする。
【0026】
また、従来、チェーンの灰等の付着の度合いによって作動させる時間(期間)を決めており、作業員は、1ヶ月に1~2回ハンマーで打撃を与えていたが、コンベヤを停止してコンベヤ内を点検し、固着しているチェーンを作業員がハンマー等を用いて解消するなどの作業を行う必要が無くなり、安全面と人件費の削減の面でも優れたコンベヤチェーンの付着防止装置を提供する。
【0027】
本発明は、機械的な構成により、このような灰等が固着して、ローラの回転が悪くなったり、コンベヤチェーンが屈曲不良になるのを防止し、コンベヤを自動化して駆動させることを可能とするコンベヤチェーンの付着防止装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
第1発明として、2条のコンベヤチェーンの間にスクレーパを取り付けて搬送物を搬送するスクレーパコンベヤにおいて、メカニカルバルブと、前記メカニカルバルブの駆動を制御するレバーと、前記メカニカルバルブから空気の送り出しを行うエア配管と、前記エア配管の空気の送り出しによりピストンの出し入れを行うシリンダーと、前記ピストンの出し入れによって、ベアリング用台に設置したベアリングの軸を中心としてアームの一端を上げ下げすると前記アームの他端を下げ上げできるようにして、前記アームの他端の先端に取り付けたハンマーとからなり、前記メカニカルバルブのレバーを前記コンベヤチェーンのローラの動きに連動させて動かし、前記ハンマーがコンベヤチェーンのローラを打撃するコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【0029】
第2発明として、前記ハンマーが前記コンベヤチェーンのローラを打撃する位置をガイドレールの間隔を開けた位置とするコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【0030】
第3発明として、前記レバーの位置、前記アームの長さ、前記ハンマーの重さを調整することができるコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【0031】
第4発明として、前記レバーを前記ローラに接触しないように前記アームを上部に固定させることができるコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【0032】
第5発明として、前記左右のハンマーが前記左右のローラをそれぞれ打撃する音を集音し、左右の音のずれを確認し、前記左右のチェーンに延びが発生していることを認識できると共に、左右の音のずれの時間から前記左右のチェーンの長さの差を計算することができるコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【0033】
第6発明として、2条のコンベヤチェーンの間にスクレーパを取り付けて搬送物を搬送するスクレーパコンベヤにおいて、メカニカルバルブと、前記メカニカルバルブの駆動を制御するレバーと、前記メカニカルバルブから空気の送り出しを行うエア配管と、前記エア配管の空気の送り出しにより動作させるノッカーと、前記ノッカーから出し入れできるピストンとからなり、前記メカニカルバルブのレバーを前記コンベヤチェーンのローラの動きに連動させて動かし、前記ピストンがコンベヤチェーンのローラを打撃するコンベヤチェーンの付着防止装置とした。
【発明の効果】
【0034】
本発明により、コンベヤチェーンの動きに合わせてメカニカルバルブのレバーを駆動させることにより、コンベヤチェーンの隙間に灰等が入り込んでも、付着防止装置によりコンベヤチェーンに衝撃を与えることにより、灰等を振るい落し、チェーンの付着、また、定着した固着を防止することができる。
【0035】
また、付着防止装置を効率的に作動させることが出来るように、ハンマーの打撃位置を調整することができるようになった。
【0036】
また、付着防止装置を常に作動させる必要がないため、また、コンベヤの逆回転が必要な時には、作動を中止することができる。更に、ハンマーがローラを打撃する音を集音して、音のずれを確認し、左右のチェーンの長さの差を計算することができる。
【0037】
また、本発明の付着装置として、ノッカーを用いることで、コンベヤチェーンに強力な打撃を与えることができ、コンベヤチェーンの隙間に入り込んでいる灰等を払い出すことができると共に、コンベヤチェーンの屈曲固着を解消し、また、未然に防止することができるようになった。
【0038】
このため、コンベヤチェーンを円滑に駆動させることができることから、コンベヤチェーンの張力の測定値データに基づき、搬送物の有無、量等を正確に計測できることで、「運転の見える化」を実現することができる。
【0039】
また、張力の測定値データの基づき、スクレーパコンベヤの動きを間欠運転や速度を遅くした運転が自動で制御でき、省エネルギー化を図れる。
【0040】
さらに、コンベヤチェーン、ガイドレール、スプロケットの摩耗を少なくすることができ、部品の取替え回数が減り、部品の長寿命により、製作する部品の数を減らすことでき、脱炭素が図れる。
【0041】
また、本発明により、コンベヤチェーンを円滑に駆動させることができることから、スクレーパコンベヤのチェーンに掛かる張力を測定し、その張力を記録し、張力の数値に基づき、張力のデータを解析することで、スクレーパコンベヤのスクレーパと底板との噛み込みを正確に把握でき、正常な運転ができるよう運転支援が図れて働き方改革にも貢献できるようになる。
【0042】
さらに、本発明により、コンベヤチェーンを円滑に駆動させることができることから、スクレーパコンベヤのチェーンに掛かる張力を測定し、その張力を記録し、張力の数値に基づき、張力のデータを解析し、コンベヤの左右の変化やチェーンの取換時期、チェーンの状態を把握することができるようになる。
【0043】
例えば、左側のチェーン張力が大きい傾向があれば、左側のコンベヤのガイドレール等に摩耗などで欠損している等が推定され、点検を早め致命的なトラブルを事前に防ぐことが可能である。
【0044】
また、張力の測定に基づき、チェーンの延びを算出し、コンベヤチェーンをテークアップする調整することができるようになる。
更に、コンベヤチェーンに屈曲不良が生じないようにすることで、コンベヤチェーンの正転・逆転運動を自動化できることとなり、コンベヤの運転をより効率的に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の平面図
【
図2】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図
【
図3】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の正面図
【
図4】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図5】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図6】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図7】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図8】本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置を停止させる場合を説明する側面図
【
図9】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の平面図
【
図10】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図
【
図11】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の正面図
【
図12】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図13】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図14】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図15】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図16】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図17】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置におけるメカニカルバルブのレバーとチェーンのローラとの動作の流れを示す説明図
【
図18】他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置を停止させる場合を説明する側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
(実施例1)
図1は、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の平面図、
図2は、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図、
図3は、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の正面図である。
【0047】
本発明はスクレーパコンベヤの他に、エプロンコンベヤ、バケットエレベーター、スラットコンベヤ等の左右の2条のコンベヤチェーンによって駆動するコンベヤにも対応することができ、コンベヤチェーンの付着防止装置となっている。また、スクレーパコンベヤとして、上部リターン式のもののみならず、その他のスクレーパコンベヤにもコンベヤチェーンの付着防止装置として対応することができるようになっている。
更に、1条のコンベヤチェーンによるフローコンベヤについて適用可能である。
【0048】
図1~
図3において、1はメカニカルバルブである。2がレバーで、メカニカルバルブ1の駆動を制御する。レバー2の位置、長さ、動作は、適宜調整することができる。メカニカルバルブ1は、レバー2の位置、動きにより、エアの方向をコントロールできるものであり、エアがあれば、電気の制御も不要であり、機械的に制御できるものである。
【0049】
3はエア配管であり、レバー2の位置、動きによりエアの方向を機械的に制御することができるようになっている。5はシリンダー、6はピストンで、シリンダー5に設けられている。
【0050】
ピストン6の出し入れは、メカニカルバルブ1のレバー2の位置、動きによって、調整することができるようになっている。
7はベアリング用台、8はベアリングであり、ベアリング用台7の上に固定されている。9は軸であり、2条のコンベヤチェーンを跨ぐように設けられており、ベアリング8の中を摺動することができるようになっている。
【0051】
10はアームで、軸9に固定されており、軸9を中心として回動することができるようになっている。アーム10の一端は、前記シリンダー5のピストン6に当接するように位置し、アーム10の他端の先端には、ハンマー11を取り付ける。
【0052】
軸9を中心としてアーム10が、てこの原理によりピストン6がアーム10の一端を押すことにより、アーム10の他端の先端に取り付けているハンマー11が持ち上がることになる。
【0053】
図3に示すように、軸9にアーム10が固定されているため、アーム10の他端の先端に取り付けているハンマー11は、2条のコンベヤチェーンのそれぞれを打撃することができるようにしている。
【0054】
アーム10を軸9に固定していることで、2条のコンベヤチェーンの一方のアーム10をシリンダー5のピストン6が押すことにより駆動することができる。
【0055】
11はハンマーであり、アーム10の他端の先端に取り付けている。ハンマー11の大きさ、重さ、アーム10に取り付ける位置等は適宜調整することができる。
【0056】
12はチェーン全体を示す。13はプレートであり、14はローラである。チェーン12は、プレート13及びローラ14、ピン等の部品から構成されている。
【0057】
次に、メカニカルバルブ1のレバー2とコンベヤチェーン12のローラ14との接触状態の動作の流れを説明する。
図4から
図6は、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置のメカニカルバルブ1のレバー2の動作の一連の流れを示す説明図である。
【0058】
各図面では、コンベヤチェーンを左から右へ移動させる場合を説明している。
ローラ14の位置を、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)の符号をつけて動きを示している。
【0059】
図4はメカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(イ)に当たっている状態、
図5はメカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(イ)を乗り越えて、いずれのローラ14にも当たっていない状態を示している。
【0060】
図6は更にチェーンが左から右へ動き、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(ア)に当たる前の状態を示している。さらに、
図7はメカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(ア)に当たった状態を示している。
【0061】
図4において、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(イ)に当たっている状態では、メカニカルバルブ1からエア配管3を通じてシリンダー5へエアが送られシリンダー5の下から上へエアが抜け、ピストン6が引きあがる。
この時、ピストン6がアーム10から離れて、ハンマー11がローラ14(オ)を打撃することになる。
従って、ハンマー11がローラ14(オ)を打撃して、コンベヤチェーンのローラ14(オ)に付着した灰等を払い落とすことができる。
【0062】
図5において、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(イ)を乗り越えて、いずれのローラ14にも当たっていない状態になると、メカニカルバルブ1からエア配管3を通じて、シリンダー5にエアが送られ、シリンダー5の上から下へエアが抜け、ピストン6が押し下げられる。
この時、ピストン6がアーム10を押し、ハンマー11が持ち上がることになる。
【0063】
次に、
図6に示しているが、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(イ)を乗り越えて、いずれのローラ14にも当たっていない状態が継続している間にも、メカニカルバルブ1からエア配管3を通じて、シリンダー5にエアが送られ、シリンダー5の上から下へエアが抜け、ピストン6が押し下げられている状態が続き、ピストン6がアーム10を押し、ハンマー11が持ち上がっている状態が続くことになる。
【0064】
更に、
図7において、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14(ア)に当たると、メカニカルバルブ1からエア配管3を通じてシリンダー5へエアが送られシリンダー5の下から上へエアが抜け、ピストン6が引きあがる。
この時、ピストン6がアーム10から離れて、ハンマー11がローラ14(エ)を打撃することになる。
従って、ハンマー11がローラ14(エ)を打撃して、コンベヤチェーンのローラ14(エ)に付着した灰等を払い落とすことができる。
【0065】
以上の一連の動きを繰り返すことにより、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14に当接している時に、ハンマー11がローラ14を打撃することができ、順次、チェーン12が進行することにより、順次ローラ14を打撃することを繰り返せることとなる。
このため、コンベヤチェーンの灰等の付着物を払い落とすことができると共に、コンベヤチェーンの屈曲固着を解消し、また、屈曲固着が生じることを未然に防止することができるようになる。
【0066】
図8は、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置を停止させる場合を説明する側面図であり、メカニカルバルブ1のレバー2をチェーンのローラ14に触れることなく、持ち上げた状態であり、メカニカルバルブ1のレバー2がローラ14に当接していないことから、シリンダー5のピストン6が押し下がった状態であり、アーム10の一端を押し下げていることで、ハンマー11もチェーン12に当接していない状態となる。付着防止装置を停止する場合に対応できる。
【0067】
(実施例2)
図9は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の平面図、
図10は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図、
図11は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の正面図である。
【0068】
図9~
図11において、17はメカニカルバルブで、18がレバーで、メカニカルバルブ17の駆動を制御する。レバー18の位置、長さ、動作は、適宜調整することができる。
【0069】
19はエア配管であり、レバー18の位置、動きによりエアの方向を機械的にコントロールすることができるようになっている。
20はノッカーブラケットで、21はノッカーである。ノッカーブラケット20の上にノッカー21を載置する。22はピストンで、ノッカー21に設けられている。ノッカー21は、圧縮空気の力でピストン22を勢いよく突出させることができるようになっている。
【0070】
このノッカー21からピストン22が突き出すことで、コンベヤチェーンに強力な打撃を与えることができ、コンベヤチェーンの隙間に入り込んでいる灰等を払い出すことができると共に、コンベヤチェーンの屈曲固着を解消し、また、未然に防止することができるようになる。
ピストン22の大きさ、長さ、突出力、等は適宜調整することができる。
【0071】
ピストン22の出し入れは、メカニカルバルブ17のレバー18の位置、動きによって調整することができるようになっている。
2条のコンベヤチェーンに対応するため、ノッカー21はそれぞれのコンベヤチェーンの上に設置し、メカニカルバルブ17のレバー18によりエア配管19をリレー配管とすることで、それぞれのノッカー21につなげることで、ピストン22がチェーンを打撃するタイミングや場所を調整することができるようになっている。ノッカー21を複数個同時に設置することでより効率的な付着防止装置とすることができる。
【0072】
23はチェーン全体を示す。24はプレートであり、25はローラである。チェーン23は、プレート24及びローラ25、ピン等の部品から構成されている。
【0073】
次に、メカニカルバルブ17のレバー18とコンベヤチェーン23のローラ25との接触状態の動作の流れを説明する。
図12から
図15は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置のメカニカルバルブ17のレバー18の動作の一連の流れを示す説明図である。
【0074】
各図面では、コンベヤチェーンを左から右へ移動させる場合を説明している。ローラ25の位置を、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)の符号をつけて動きを示している。
【0075】
図12はメカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(イ)に当たっている状態、
図13はメカニカルバルブ1のレバー18がローラ25(イ)を乗り越えて、いずれのローラ25にも当たっていない状態を示している。
図14はさらにチェーンが左から右へ動き、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)に当たる前の状態を示している。さらに、
図15はメカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)に当たった状態を示している。
【0076】
図12において、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(イ)に当たっている状態では、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じてノッカー21のピストン22がローラ25(エ)を打撃することになる。
従って、ノッカー21のピストン22がローラ25(エ)を打撃して、コンベヤチェーンのローラ25(エ)に付着した灰等を払い落とすことができる。
【0077】
図13において、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(イ)を乗り越えて、いずれのローラ25にも当たっていない状態になると、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じて、ノッカー21のピストン22が押し上げられる。
【0078】
次に、
図14に示しているが、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(イ)を乗り越えて、いずれのローラ25にも当たっていない状態が継続している間にも、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じて、ノッカー21のピストン22が押し上げられている状態が続くことになる。
【0079】
更に、
図15において、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)に当たると、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じてノッカー21のピストン22がローラ25(ウ)を打撃することになる。
従って、ノッカー21のピストン22がローラ25(ウ)を打撃して、コンベヤチェーンのローラ25(ウ)に付着した灰等を払い落とすことができる。
以上の一連の動きを繰り返すことにより、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25に当接している時に、ノッカー21のピストン22がローラ25を打撃することになる。
【0080】
この打撃で、ローラ25に付着している灰等を払い落すことが出来るようになる。また、ローラ25が既に固着している場合又はチェーンの屈曲不良が生じている場合にあっては、打撃により固着を解消させることができる。
【0081】
(実施例3)
図16は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図、
図17は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置の側面図である。
図16及び
図17に示した他実施例の本発明のコンベヤチェーンは、ノッカー21をガイドレール27の下方に設置した場合である。
【0082】
ノッカー21のピストン22をガイドレール27の下方からローラ25を打撃できるようにガイドレール27に孔を設ける。
次に、メカニカルバルブ17のレバー18とコンベヤチェーン23のローラ25との接触状態の動作の流れを説明する。
図16及び
図17は、他実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置のメカニカルバルブ17のレバー18の動作の一連の流れを示す説明図である。
【0083】
各図面では、コンベヤチェーンを左から右へ移動させる場合を説明している。ローラ25の位置を、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)の符号をつけて動きを示している。
図16はメカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)に当たっている状態、
図17はメカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)を乗り越えて、いずれのローラ25にも当たっていない状態を示している。
【0084】
図16において、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)に当たっている状態では、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じてノッカー21のピストン22がローラ25(ウ)を打撃することになる。従って、ノッカー21のピストン22がローラ25(ウ)を打撃して、コンベヤチェーンのローラ25(ウ)に付着した灰等を払い落とすことができる。
【0085】
図17において、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25(ア)を乗り越えて、いずれのローラ25にも当たっていない状態になると、メカニカルバルブ17からエア配管19を通じて、ノッカー21のピストン22が押し下げられる。
以上の一連の動きを繰り返すことにより、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25に当接している時に、ノッカー21のピストン22がローラ25を打撃することになる。
【0086】
この打撃で、ローラ25に付着している灰等を払い落すことが出来るようになる。また、ローラ25が既に固着している場合又はチェーンの屈曲不良が生じている場合にあっては、打撃により固着を解消させることができる。
【0087】
図18は、実施例の本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置を停止させる場合を説明する側面図であり、メカニカルバルブ17のレバー18をチェーンのローラ25に触れることなく、持ち上げた状態であり、メカニカルバルブ17のレバー18がローラ25に当接していないことから、ノッカー21がチェーン23に当接していない状態となる。付着防止装置を停止する場合に対応できる。
【0088】
また、本発明のコンベヤチェーンの付着防止装置は、常に運転させておく必要なく、コンベヤチェーンに付着物が多くなった時に作動するようにすることができ、無駄な電力の消費及び騒音の防止を図れる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、メカニカルバルブにより機械的に制御できるコンベヤチェーンの付着防止装置であり、ハンマーによりコンベヤチェーンに衝撃を与えることで、コンベヤチェーンの屈曲不良を起こすことなく、コンベヤチェーンの摩耗を減らすことができる装置を提供する。
また、本発明は、ノッカーによりコンベヤチェーンに衝撃を与えることで、コンベヤチェーンの屈曲不良を起こすことなく、コンベヤチェーンの摩耗を減らすことができる装置を提供する。
【0090】
また、本発明は、コンベヤチェーンの動きに同調して動くため、機械的な構造であり、付着防止装置を既存のコンベヤに設置することも容易である。また、電気的な信号や制御を必要としない装置であることから、省エネにもなる。
【0091】
また、コンベヤチェーンが円滑に駆動することにより、コンベヤチェーンに掛かる張力を測定することで、どのような状態で運転、運搬されているかが判る「運転の見える化」、「故障の予知」、「運転の支援」、「省力化」、「脱炭素」に対応できるものである。
【0092】
更に、コンベヤチェーンに屈曲不良や不回転が生じないようにすることで、コンベヤチェーンの正転・逆転運動を自動化できることができ、コンベヤの運転をより効率的に行えるようになる。
【符号の説明】
【0093】
1 メカニカルバルブ
2 レバー
3 エア配管
4 シリンダー用台
5 シリンダー
6 ピストン
7 ベアリング用台
8 ベアリング
9 軸
10 アーム
11 ハンマー
12 チェーン
13 プレート
14 ローラ
15 スクレーパ
16 ガイドレール
17 メカニカルバルブ
18 レバー
19 エア配管
20 ノッカーブラケット
21 ノッカー
22 ピストン
23 チェーン
24 プレート
25 ローラ
26 スクレーパ
27 ガイドレール