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特開2024-128860ノズルヘッド、及びそれを備えるタンクバルブ装置
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  • 特開-ノズルヘッド、及びそれを備えるタンクバルブ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128860
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ノズルヘッド、及びそれを備えるタンクバルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/04 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
F17C13/04 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038122
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】岡本 将佳
(72)【発明者】
【氏名】富田 力
(72)【発明者】
【氏名】二宮 誠
(72)【発明者】
【氏名】三好 良
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB04
3E172BB12
3E172BB17
3E172CA12
3E172DA90
3E172JA01
3E172JA04
3E172KA23
(57)【要約】
【課題】流出口に設けられるフィルタを、簡潔な取付構造で、強固にノズルボディに取付ることができるノズルヘッドを提供する。
【解決手段】タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置のノズルヘッドは、タンクバルブ装置のバルブブロックに締結部材によって締結され、タンクから流体を流出させる流出通路を含むノズルボディと、流出通路の入口部に嵌め込まれるフィルタと、流出通路に対応するように形成される貫通孔を含み、入口部に設けられ、フィルタの周縁部分に被せられる蓋部材と、を備え、蓋部材は、締結部材によってノズルボディと共にバルブブロックに共締めされている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置のノズルヘッドであって、
前記タンクバルブ装置のバルブブロックに締結部材によって締結され、前記タンクから流体を流出させる流出通路を含むノズルボディと、
前記流出通路の入口部に嵌め込まれるフィルタと、
前記流出通路に対応する貫通孔を含み、前記入口部に設けられ、前記フィルタの周縁部分に被せられる蓋部材と、を備え、
前記蓋部材は、前記締結部材によって前記ノズルボディと共に前記バルブブロックに共締めされている、ノズルヘッド。
【請求項2】
前記入口部は、段部を有し、
前記フィルタは、コイン型のフィルタであって、前記段部に外周縁を支持されて、前記入口部に嵌め込まれている、請求項1に記載のノズルヘッド。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記フィルタの周縁部分に被せられ、前記ノズルボディと共に前記バルブブロックに共締めされている蓋体と、
前記蓋体と前記フィルタの間に設けられ、前記フィルタの外周縁部分を前記入口部へ押し付ける押付け体とを含み、
前記押付け体は、弾性体から成る、請求項2に記載のノズルヘッド。
【請求項4】
前記蓋部材は、前記フィルタに臨む環状の取付面を有し、
前記押付け体は、環状の弾性体であって、前記蓋部材の前記取付面に取り付けられ、
前記取付面は、前記フィルタから離れるに従って外形が広がるテーパ状に形成されている、請求項3に記載のノズルヘッド。
【請求項5】
前記ノズルボディは、前記タンクに流体を流入させる流入通路を含む、請求項1に記載のノズルヘッド。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つのノズルヘッドと、
前記タンクバルブ装置において前記タンクの口部に装着され、前記締結部材によって前記ノズルヘッドが固定されている前記バルブブロックとを、備えるタンクバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置のノズルヘッド、及びそれを備えるタンクバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンクの口部に設けられるタンクバルブ装置として、特許文献1のタンク用バルブが知られている。特許文献1のタンク用バルブは、バルブ本体に取り付けられる噴流偏向ピースを有している。噴流偏向ピースの内部には、フィルタが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-64440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のタンク用バルブにおいて、フィルタはCリングによって噴流偏向ピース(ノズルヘッドのノズルボディに相当)に取付けられている。このような取付構造の場合、フィルタとCリングとの間に隙間が生じる。それ故、使用中にフィルタが動く、即ちフィルタにガタが生じる。そこで、フィルタを簡潔な取付構造で且つより強固にノズルボディに取付けることができる取付構造が求められている。
【0005】
そこで本発明は、流出口に設けられるフィルタを、簡潔な取付構造で、強固にノズルボディに取付ることができるノズルヘッド、及びタンクバルブ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のノズルヘッドは、タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置のものであって、前記タンクバルブ装置のバルブブロックに締結部材によって締結され、前記タンクから流体を流出させる流出通路を含むノズルボディと、前記流出通路の入口部に嵌め込まれるフィルタと、前記流出通路に対応する貫通孔を含み、前記入口部に設けられ、前記フィルタの周縁部分に被せられる蓋部材と、を備え、前記蓋部材は、前記締結部材によって前記ノズルボディと共に前記バルブブロックに共締めされているものである。
【0007】
本発明に従えば、フィルタの周縁部分に被せるように入口部に取り付けられる蓋部材が、締結部材によってノズルボディと共にバルブブロックに共締めされている。つまり、フィルタは、蓋部材が被せられて蓋部材を締結部材で共締めすることによって、ノズルボディに取り付ける。従って、流出通路に設けられるフィルタを、簡潔な取付構造で、強固にノズルボディに取り付けることができる。
【0008】
本発明のタンクバルブ装置は、前述するノズルヘッドと、前記タンクバルブ装置において前記タンクの口部に装着され、前記締結部材によって前記ノズルヘッドが固定されている前記バルブブロックとを、備えるものである。
【0009】
本発明に従えば、前述するような機能を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流出口に設けられるフィルタを簡潔な取付構造で、強固にノズルボディに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態のタンクバルブ装置を示す正面図である。
図2図1のタンクバルブ装置のノズルヘッドを示す斜視図である。
図3図2のノズルヘッドを底側から見た底面図である。
図4図3のノズルヘッドを切断線IV―IVで切断して見た断面図である。
図5図3のノズルヘッドを切断線V―Vで切断して見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態のタンクバルブ装置1について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明するタンクバルブ装置1は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0013】
<タンクバルブ装置>
図1に示すようなタンク2は、流体を貯留することができる。本実施形態において、流体はガスである。タンク2には、タンクバルブ装置1が設けられている。第1実施形態のタンクバルブ装置1は、図1に示すようにバルブブロック11と、ノズルヘッド12と、種々のバルブ13,14を備えている。タンクバルブ装置1は、タンク2の口部2aを封止している。これにより、タンク2が密閉される。また、タンクバルブ装置1は、例えば、オンタンク型のタンクバルブ装置である。タンクバルブ装置1は、タンク2に流体を充填させ、タンク2から流体を送出させることができる。
【0014】
[バルブブロック]
バルブブロック11は、所定方向に延在する部材である。所定方向は、例えば所定の軸線L1に沿う方向である。バルブブロック11は、タンク2の口部2aに装着されている。また、バルブブロック11には、ブロック側充填通路11a及びブロック側排出通路11bとが形成されている。ブロック側充填通路11aには、タンク2に充填される流体(例えば、水素等のガス)が流れ、ブロック側排出通路11bには、タンク2から排出させる流体が流れる。
【0015】
更に詳細に説明すると、バルブブロック11は、一部分である栓部11cが図1に示すようにタンク2の口部2aに挿通されている。栓部11cは、円柱状に形成されており、口部2aを封止している。また、バルブブロック11は、その一部分であるブロック本体11dが口部2aから外方に突き出ている。ブロック本体11dには、種々のバルブ13~15が設けられている。
【0016】
[ノズルヘッド]
ノズルヘッド12は、図2及び図3に示すようにノズルボディ21と、フィルタ22と、蓋部材23と、締結部材24とを備えている。更に、ノズルヘッド12は、温度センサ25を備えている。ノズルヘッド12は、図4に示すようにバルブブロック11に締結部材24によって固定されている。より詳細に説明すると、ノズルヘッド12は、円柱状に形成されている。そして、ノズルヘッド12は、バルブブロック11の先端側部分、即ち栓部11cに締結部材24によって締結されている。それ故、ノズルヘッド12は、タンクバルブ装置1の先端側に位置し、タンク2内に配置されている。そして、ノズルヘッド12は、タンクバルブ装置1に供給される流体(例えば、水素等のガス)を噴出してタンク2内にガスを充填させ、またタンク2内のガスを流出させる。
【0017】
<ノズルボディ>
ノズルボディ21は、バルブブロック11に締結部材24によって締結されている。より詳細に説明すると、ノズルボディ21は、円柱状に形成されている。ノズルボディ21は、栓部11cの軸線方向一端面に突き合わせるように栓部11cに締結されている。また、ノズルボディ21は、図3に示すようにノズル側充填通路21a及びノズル側排出通路21bを含む。更に、ノズルボディ21は、締結部材挿通孔21cを含む。
【0018】
流入通路の一例であるノズル側充填通路21aは、タンク2内に充填させる流体が流れる通路である。ノズル側充填通路21aは、バルブブロック11のブロック側充填通路11aに繋がっており(図1参照)、充填させる流体をタンク2に噴出させる。本実施形態において、ノズル側充填通路21aは、軸線方向に延在している(図3参照)。そして、ノズル側充填通路21aは、ノズルボディ21の軸線方向一端面にて開口している。なお、ノズル側充填通路21aは、必ずしも軸線方向に一直線上に形成されている必要はなく、湾曲したり屈曲したりしていてもよい。
【0019】
流出通路の一例であるノズル側排出通路21bは、タンク2内から排出させる流体が流れる通路である。ノズル側排出通路21bは、バルブブロック11のブロック側排出通路11bに繋がっており(図1参照)、タンク2内の流体をブロック側排出通路11bに導く。本実施形態において、ノズル側排出通路21bは、軸線方向に延在している。そして、ノズル側排出通路21bは、ノズルボディ21の軸線方向一端面にて開口している。また、ノズル側排出通路21bは、開口部である入口部21dが残余の部分より大径に形成されている。これにより、入口部21dが段状に形成されている。即ち、入口部21dは、段部21eを有している。
【0020】
締結部材挿通孔21cは、締結部材24を挿通するための孔である。本実施形態において、締結部材挿通孔21cは、軸線方向に延在している。そして、締結部材挿通孔21cは、ノズルボディ21の軸線方向一端面にて開口している。締結部材挿通孔21cの開口は、軸線方向一方側から見た底面視でその中心とノズル側充填通路21aの開口及びノズル側排出通路21bの開口の各々中心とが頂点を成す三角形に軸線L1が内包されるように配置されている。また、締結部材挿通孔21cは、底面視で軸線L1を挟んで後述する温度センサ25の反対側に位置している。
【0021】
フィルタ22は、図5に示すようにノズル側排出通路21bの入口部21dに嵌め込まれている。フィルタ22は、タンク2内からノズル側排出通路21bに排出させる流体に含まれるコンタミ等を補足する。より詳細に説明すると、フィルタ22は、コイン型のフィルタであって、円板状に形成されている。本実施形態において、フィルタ22は、入口部21dの孔径と同じ外径を有し、且つ入口部21dの深さより薄く形成されている。そして、フィルタ22は、外周縁を入口部21dの段部21eに支持させるように入口部21dに嵌め込まれている。
【0022】
蓋部材23は、図3に示すように貫通孔31aを含んでいる。そして、蓋部材23は、フィルタ22の周縁部分に被せるように入口部21dに設けられている。これにより、ノズル側排出通路21bが貫通孔31aを介して外方、即ちタンク2内に繋がる。また、蓋部材23は、締結部材24によってノズルボディ21と共にバルブブロック11(より詳細に説明すると、栓部11c)に共締めされている。これにより、蓋部材23は、フィルタ22の周縁部分を段部21eと共に挟持し、フィルタ22を入口部21dに保持している。なお、蓋部材23は、本実施形態においてフィルタ22と共にフィルタ構造26を構成している。
【0023】
より詳細に説明すると、蓋部材23は、蓋体31と、押付け体32とを含んでいる。蓋体31は、フィルタ22の周縁部分に被せられるように入口部21dに設けられている。また、蓋体31は、ノズルボディ21と共に栓部11cに共締めされている。本実施形態において、蓋体31は、底面視でオーバル形状(例えば、両端が夫々半円状の角丸台形状)であって板状に形成されている。そして、蓋体31の長手方向の一端側部分には、貫通孔31aが形成され、他端側部分に締結部材用孔31bが形成されている。貫通孔31a及び締結部材用孔31bは、蓋体31の厚み方向(本実施形態において、軸線方向)に蓋体31を貫通している。そして、貫通孔31a及び締結部材用孔31bは、本実施形態において半円形状の両端と同心円状に夫々形成されている。
【0024】
また、蓋体31は、図5に示すように突出部31cを有している。突出部31cは、蓋体31の貫通孔31aの周りに軸線方向他方に突き出るように形成されている。突出部31cは、円環状に形成されている。突出部31cは、ノズル側排出通路21bの入口部21dに嵌り込んでいる。また、蓋体31は、先端をフィルタ22から軸線方向に離して配置されている。
【0025】
更に、蓋体31は、環状の取付面31dを有している。取付面31dは、フィルタ22に臨む環状の面である。更に詳細に説明すると、取付面31dは、蓋体31において貫通孔31aの開口端に形成されている。本実施形態において、取付面31dは、突出部31cの先端の外周縁に形成されている。取付面31dは、フィルタ22から離れるに従って外形が広がるようなテーパ状に形成されている。即ち、取付面31dは、軸線方向一方に進むにつれて拡径するようなテーパ状に形成されている。取付面31dは、突出部31cの先端の外周縁をC面取りすることによって形成されている。
【0026】
押付け体32は、フィルタ22の外周縁部分を入口部21dに押し付ける。より詳細に説明すると、押付け体32は、合成ゴム等の弾性体から成る部材である。また、押付け体32は、円環状に形成されている。本実施形態において、押付け体32は、環状のシール部材であり、例えばOリングである。押付け体32は、取付面31dに取り付けられている。本実施形態において、押付け体32は、取付面31dに外装されている。また、押付け体32は、取付面31dからフィルタ22に向かって突き出ており、押し潰された状態でフィルタ22に押し当てられている。それ故、フィルタ22の外周縁部は、押付け体32によって入口部21dの段部21eに押し付けられる。これにより、押付け体32は、段部21eとフィルタ22を挟持し、入口部21d内にフィルタ22を保持する。
【0027】
締結部材24は、図4に示すようにノズルボディ21を蓋部材23と共にバルブブロック11に共締めする。より詳細に説明すると、締結部材24は、ボルトであって、締結部材挿通孔21cに挿通されている。そして、締結部材24は、先端部をバルブブロック11(より詳細に説明すると、栓部11c)に螺合させている。そして、締結部材24は、締結部材24の頭部を蓋部材23に当接させて、ノズルボディ21及び蓋部材23をバルブブロック11と共に挟持している。
【0028】
温度センサ25は、タンク2内の流体温度を計測する。温度センサ25は、棒状に形成されている。温度センサ25は、ノズルボディ21を軸線方向に貫通するように配置されている。そして、温度センサ25は、先端側部分をノズルボディ21から突出させており、センタ側部分にある検知部25aによってタンク2内の温度を計測する。
【0029】
タンクバルブ装置1では、図示しない充填口から流体が供給されると、流体がブロック側充填通路11a及びノズル側充填通路21aを通ってタンク2内に導かれ、タンク2内に流体が充填される。また、タンクバルブ装置1では、タンク2内の流体がノズル側排出通路21bからブロック側排出通路11bを通ってタンクバルブ装置1から排出される。この際、排出される流体に含まれるコンタミがフィルタ22によって補足される。これにより、排出される流体にコンタミが含まれることを更に抑制することができる。
【0030】
本実施形態のノズルヘッド12において、フィルタ22の周縁部分に被せるように入口部21dに取り付けられる蓋部材23が、締結部材24によってノズルボディ21と共にバルブブロック11に共締めされている。つまり、フィルタ22は、蓋部材23が被せられ且つ蓋部材22を締結部材24で共締めすることによってノズルボディ21に取り付ける。従って、ノズル側排出通路21bに設けられるフィルタ22を、簡潔な取付構造で、強固にノズルボディ21に取り付けることができる。
【0031】
また、本実施形態のノズルヘッド12において、フィルタ22は、コイン型のフィルタであって、入口部21dの段部21eに外周縁を支持させるように入口部21dに嵌め込まれている。それ故、入口部21dにフィルタ22を嵌め込むことによってフィルタ22を入口部21dに配置することができる。従って、フィルタ22の配置が容易である。
【0032】
更に、本実施形態のノズルヘッド12において、フィルタ22の外周縁部分を入口部21dに押し付けて挟持する押付け体32が弾性部材から成る。それ故、挟持する際にフィルタ22の外周縁部分が押し潰されて損傷することを抑制することができる。
【0033】
更に、本実施形態のノズルヘッド12において、押付け体32が取り付けられる取付面31dがテーパ状に形成されている。それ故、押付け体32をフィルタ22に隙間なく押し付けることができ、押付け体32が縮径等することによって貫通孔31aから抜け出ることを抑制することができる。
【0034】
更に、本実施形態のノズルヘッド12において、ノズルボディ21には、タンク2内に流体を流入させるノズル側充填通路21aが形成されている。即ち、ノズルボディ21では、タンク25に対して流体を流出入させる流路21a,21bが別々に構成されている。それ故、フィルタ22を介してタンク2内に流体を流入させる際に補足したコンタミ等が流出時においてノズル側排出通路21bに戻されることを抑制できる。
【0035】
また、本実施形態のタンクバルブ装置1において、前述するような機能を実現することができる。
【0036】
<その他の実施形態>
タンクバルブ装置1において、ノズルヘッド12は、底面視で円形状の円柱状に形成されているが、底面視で半円形状又は四半円形状の柱状に形成されていてもよい。半円形状の場合、例えば温度センサ25がノズルヘッド外に配置される。また、蓋部材23の取付面31dは、必ずしもテーパ状である必要はない。この場合、例えば突出部31cの開口端に段部又は溝が形成される等して、押付け体32が貫通孔31aに引き込まれないように係止させてもよい。また、押付け体32は、必ずしもフィルタ22に当接している必要はなく、また設けられていなくてもよい。更に温度センサ25もまた、必ずしも設けられている必要はなく、形状及び配置も前述するような構成に限定されない。
【0037】
<例示的な実施形態>
第1の局面におけるノズルヘッドは、タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置のノズルヘッドであって、前記タンクバルブ装置のバルブブロックに締結部材によって締結され、前記タンクから流体を流出させる流出通路を含むノズルボディと、前記流出通路の入口部に嵌め込まれるフィルタと、前記流出通路に対応する貫通孔を含み、前記入口部に設けられ、前記フィルタの周縁部分に被せられる蓋部材と、を備え、前記蓋部材は、前記締結部材によって前記ノズルボディと共に前記バルブブロックに共締めされている。
【0038】
上記局面によれば、フィルタの周縁部分に被せるように入口部に取り付けられる蓋部材が、締結部材によってノズルボディと共にバルブブロックに共締めされている。つまり、フィルタは、蓋部材が被せられて蓋部材を締結部材で共締めすることによって、ノズルボディに取り付ける。従って、流出通路に設けられるフィルタを、簡潔な取付構造で、強固にノズルボディに取り付けることができる。
【0039】
第2の局面におけるノズルヘッドでは、第1の局面のノズルヘッドにおいて、前記入口部は、段部を有し、前記フィルタは、コイン型のフィルタであって、前記段部に外周縁を支持されて、前記入口部に嵌め込まれている。
【0040】
上記局面によれば、フィルタは、コイン型のフィルタであって、入口部の段部に外周縁を支持させるように嵌め込まれている。それ故、入口部にフィルタを嵌め込むことによって、フィルタを入口部に配置できるので、フィルタの配置が容易である。
【0041】
第3の局面におけるノズルヘッドでは、第2の局面のノズルヘッドにおいて、前記蓋部材は、前記フィルタの周縁部分に被せられ、前記ノズルボディと共に前記バルブブロックに共締めされている蓋体と、前記蓋体と前記フィルタの間に設けられ、前記フィルタの外周縁部分を前記入口部へ押し付ける押付け体とを含み、前記押付け体は、弾性体から成る。
【0042】
上記局面によれば、フィルタの外周縁部分を入口部に押し付けて挟持する押付け体が弾性部材から成る。それ故、挟持する際にフィルタの外周縁部分が押し潰されて損傷することを抑制することができる。
【0043】
第4の局面におけるノズルヘッドでは、第3の局面のノズルヘッドにおいて、前記蓋部材は、前記フィルタに臨む環状の取付面を有し、前記押付け体は、環状の弾性体であって、前記蓋部材の前記取付面に取り付けられ、前記取付面は、前記フィルタから離れるに従って外形が広がるテーパ状に形成されている。
【0044】
上記局面によれば、押付け体が取り付けられる取付面がテーパ状に形成されている。それ故、押付け体がフィルタを押し付ける押付荷重を確保しつつ、押付け体が縮径等することによって貫通孔から抜け出ることを抑制することができる。
【0045】
第5の局面におけるノズルヘッドでは、第1乃至4の何れかの局面のノズルヘッドにおいて、前記ノズルボディは、前記タンクに流体を流入させる流入通路を含む。
【0046】
上記局面によれば、ノズルボディには、タンク内に流体を流入させる流入通路が形成されている。即ち、ノズルボディでは、タンクに対して流体を流出入させる流路が別々に構成されている。それ故、フィルタを介してタンク内に流体を流入させる際に補足したコンタミ等が流出時において流出通路に戻されることを抑制できる。
【0047】
第6の局面におけるタンクバルブ装置は、第1乃至5の何れかの局面のノズルヘッドと、前記タンクバルブ装置において前記タンクの口部に装着され、前記締結部材によって前記ノズルヘッドが固定されている前記バルブブロックとを、を備える。
【0048】
上記局面によれば、前述するような機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 タンクバルブ装置
2 タンク
2a 口部
11 バルブブロック
12 ノズルヘッド
21 ノズルボディ
21a ノズル側充填通路(流入通路)
21b ノズル側排出通路(流出通路)
21d 入口部
21e 段部
22 フィルタ
23 蓋部材
24 締結部材
31 蓋体
31a 貫通孔
31d 取付面
32 押付け体
図1
図2
図3
図4
図5