IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社やまびこの特許一覧

<>
  • 特開-電動作業機 図1
  • 特開-電動作業機 図2
  • 特開-電動作業機 図3
  • 特開-電動作業機 図4
  • 特開-電動作業機 図5
  • 特開-電動作業機 図6
  • 特開-電動作業機 図7
  • 特開-電動作業機 図8
  • 特開-電動作業機 図9
  • 特開-電動作業機 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128878
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240913BHJP
   B23D 57/02 20060101ALI20240913BHJP
   A01G 3/04 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B25F5/00 A
B25F5/00 G
B23D57/02
A01G3/04 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038146
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】509264132
【氏名又は名称】株式会社やまびこ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】児玉 久夫
(72)【発明者】
【氏名】大澤 久人
(72)【発明者】
【氏名】前野 武士
(72)【発明者】
【氏名】森▲埼▼ 雄介
【テーマコード(参考)】
3C040
3C064
【Fターム(参考)】
3C040AA10
3C064AA05
3C064AA06
3C064AB01
3C064AC02
3C064BA01
3C064BA06
3C064BB02
3C064BB42
3C064BB43
3C064BB44
3C064BB45
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA23
3C064CA55
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB05
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB33
3C064CB36
3C064CB39
3C064CB63
3C064CB65
3C064CB69
3C064CB71
3C064CB92
(57)【要約】
【課題】より筐体が小型化され、また、より高出力時の作業性向上がされた電動作業機を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、作業対象を切断するための手持ち式の電動作業機が提供される。この電動作業機は、作業部と、モータと、制御ユニットと、ガイド部とを備える。作業部は、作業対象を切断するよう、構成される。モータは、作業部を駆動させるための回転動力を発生させるように構成される。制御ユニットは、モータの回転を電気的に制御するように構成される。ガイド部は、制御ユニットに設けられ、これによりガイド部と制御ユニットとで囲まれた第1の空気流路が形成される。第1の空気流路は、モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、制御ユニットが冷却される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象を切断するための手持ち式の電動作業機であって、
作業部と、モータと、制御ユニットと、ガイド部とを備え、
前記作業部は、前記作業対象を切断するよう、構成され、
前記モータは、作業部を駆動させるための回転動力を発生させるように構成され、
前記制御ユニットは、前記モータの回転を電気的に制御するように構成され、
前記ガイド部は、前記制御ユニットに設けられ、これにより前記ガイド部と前記制御ユニットとで囲まれた第1の空気流路が形成され、
前記第1の空気流路は、前記モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、前記制御ユニットが冷却される、電動作業機。
【請求項2】
請求項1に記載の電動作業機において、
前記第1の空気流路は、前記モータの近傍に設けられた第2の空気流路と連通し、
前記第2の空気流路は、前記モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、前記制御ユニットに続いて前記モータが冷却される、電動作業機。
【請求項3】
請求項1に記載の電動作業機において、
前記第1の空気流路は、その内部に、流通する空気と熱交換をするように構成されたヒートシンクを備え、
前記ヒートシンクは、前記制御ユニットで生じた熱を放熱するように、前記制御ユニットに接して設けられる、電動作業機。
【請求項4】
請求項3に記載の電動作業機において、
前記ヒートシンクは、前記制御ユニットと接する面から垂直方向に向かって延在するフィンを有し、
前記フィンは、前記第1の空気流路を流通する空気の流れに沿った方向にさらに延在する、電動作業機。
【請求項5】
請求項1に記載の電動作業機において、
さらに、筐体を備え、
前記筐体は、
ユーザが位置する後方側から前記作業対象が位置する前方側への第1の方向に延在し、
筐体内部に空気を流通させるための、吸気口と、排気口とを有し、
前記吸気口は、前記筐体の中心線よりも第2の方向に位置する、前記筐体の側面に設けられ、ここで、前記中心線は、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直な方向であり、
前記排気口は、前記中心線を挟んで前記吸気口に対向する、前記筐体の側面に設けられる、電動作業機。
【請求項6】
請求項5に記載の電動作業機において、
前記第1の空気流路は、その一端が第2の空気流路と連通し、前記一端に対する他端が吸気口と連通するように構成される、電動作業機。
【請求項7】
請求項5に記載の電動作業機において、
前記第2の空気流路は、その一端が第1の空気流路と連通し、前記一端に対する他端が排気口と連通するように構成される、電動作業機。
【請求項8】
請求項5に記載の電動作業機において、
前記モータは、
前記モータの回転と連れ回るファンを備え、
右回転と左回転との2つの回転方向で回転可能に構成され、
前記ファンは、
前記モータの回転する軸の中心から周方向の外側に向かって真っすぐに延在するように、直線形状の複数の羽根を有し、
前記第2の空気流路の内部に設けられ、これにより前記空気流路の内部に空気が流通し、
前記第2の空気流路は、前記ファンの近傍で空気の流通を分岐させるように、第3の空気流路と、第4の空気流路とを有し、
前記第3の空気流路と前記第4の空気流路とは、前記モータの回転方向に応じて流通する空気の量がそれぞれ変化するように、構成される、電動作業機。
【請求項9】
請求項8に記載の電動作業機において、
前記第3の空気流路は、前記ファンの外周の略半周に沿う部分を有するように設けられ、
前記第4の空気流路は、前記軸を挟んで前記第3の空気流路に対向するよう、前記ファンの外周の略半周に沿う部分を有するように設けられる、電動作業機。
【請求項10】
請求項9に記載の電動作業機において、
前記第3の空気流路と前記第4の空気流路とは、空気の流通方向における上流から下流に向かうに連れて前記空気流路の断面の面積が拡大するように、構成される、電動作業機。
【請求項11】
請求項8に記載の電動作業機において、
前記排気口は、
第1の排気口と、前記第1の排気口とは異なる位置にある第2の排気口とを有し、
前記第1の排気口が前記第3の空気流路と連通し、前記第2の排気口が前記第4の空気流路と連通するように、構成される、電動作業機。
【請求項12】
請求項5に記載の電動作業機において、
前記筐体は、前記筐体の中心線から前記吸気口が設けられる方向に向かって、第1の幅と、前記第1の幅より狭い第2の幅とを有し、
前記吸気口は、前記筐体の前記第2の幅に位置する側面に設けられる、電動作業機。
【請求項13】
請求項5に記載の電動作業機において、
前記吸気口は、前記筐体の上方向から物体の侵入を防ぐように、ルーバを有する、電動作業機。
【請求項14】
請求項1に記載の電動作業機において、
ヘッジトリマー、刈払機又はチェーンソーである、電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、下記の文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-53268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される従来技術は、筐体の小型化及び高出力時の作業性が十分でない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、より筐体が小型化され、また、より高出力時の作業性向上がされた電動作業機を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、作業対象を切断するための手持ち式の電動作業機が提供される。この電動作業機は、作業部と、モータと、制御ユニットと、ガイド部とを備える。作業部は、作業対象を切断するよう、構成される。モータは、作業部を駆動させるための回転動力を発生させるように構成される。制御ユニットは、モータの回転を電気的に制御するように構成される。ガイド部は、制御ユニットに設けられ、これによりガイド部と制御ユニットとで囲まれた第1の空気流路が形成される。第1の空気流路は、モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、制御ユニットが冷却される。
【0007】
このような態様によれば、筐体の小型化及び高出力時の作業性向上をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ヘッジトリマー11を上側から見た全体斜視図である。
図2】ヘッジトリマー11を下側から見た全体斜視図である。
図3】後ハンドル5を取り外した状態のヘッジトリマー11を後側から見た図である。
図4図3に示すA-A断面で表した状態の筐体2及びモータ23の回転中心Oに沿って断面で表した状態のモータ23を左側から見た図である。
図5】筐体2の一部を取り外し又は断面にした状態の筐体2を上側から見た図である。
図6】筐体2の一部を取り外した状態の筐体2を上側から見た図である。
図7図1に示すB-B断面で表した状態の筐体2を上側から見た、第1の空気流路AP1を説明するための図である。
図8】ファン24を下側から見た全体斜視図である。
図9】筐体2の一部を断面にした状態の吸気口21を説明するための図である。
図10】筐体2の一部を断面にした状態の排気口22及び第2の空気流路AP2を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例について、図を参照しながら説明する。
【0010】
1.全体構成
第1章では、本実施形態に係る電動作業機1について説明する。電動作業機1は、作業対象を切断するための手持ち式の電動作業機である。また、好ましくは、電動作業機1は、ヘッジトリマー11、刈払機(不図示)又はチェーンソー(不図示)である。このような態様によれば、小型化されたヘッジトリマー11、刈払機又はチェーンソーを用いて、作業対象を切断することができる。以下ヘッジトリマー11(電動作業機1)を例に説明する。
【0011】
図1は、ヘッジトリマー11を上側から見た全体斜視図である。図2は、ヘッジトリマー11を下側から見た全体斜視図である。図1及び図2に表したように、電動作業機1であるヘッジトリマー11は、筐体2と、作業部3と、前ハンドル4と、後ハンドル5と、バッテリ6とを備える。図3は、後ハンドル5を取り外した状態のヘッジトリマー11を後側から見た図である。図4は、図3に示すA-A断面で表した状態の筐体2及びモータ23の回転中心Oに沿って断面で表した状態のモータ23を左側から見た図である。なお、図中に示した「上下」、「左右」及び「前後」に基づいて、ヘッジトリマー11及びヘッジトリマー11を構成する各部材の方向を規定する。
【0012】
(筐体2)
本実施形態において、筐体2は、ヘッジトリマー11を動作させる機械及び電気機器が収められた箱である。筐体2は、筐体2を基準にして、ユーザが位置する後方側から作業対象が位置する前方側への第1の方向AX1に延在する。筐体2は、樹脂製の箱体であり、上面が下面に対して傾斜している。筐体2の上面は、後側から前側に向かうに連れて下がるように傾斜している。すなわち、筐体2は、後部よりも前部が低く形成されている。そして、筐体2は、側面視でほぼ三角形に形成されている。筐体2の内部部品については、後に詳述する。
【0013】
(吸気口21及び排気口22)
図1及び図2に示すように、筐体2は、筐体2内部に空気を流通させるための、吸気口21と、排気口22とを有する。吸気口21は、筐体2の外部から内部に向かって空気を取り込み可能に、筐体2の右側の側面部に設けられる。排気口22は、筐体2の内部から外部に向かって空気を排出可能に、筐体2の左側の側面部に設けられる。好ましくは、図示の通り、排気口22は、第1の排気口221と、第1の排気口221とは異なる位置にある第2の排気口222とを有する。換言すると、吸気口21は、筐体2の中心線よりも第2の方向AX2に位置する、筐体2の側面に設けられる。中心線は、第1の方向AX1に延在し、第2の方向AX2は、第1の方向AX1に垂直な方向である。排気口22は、中心線を挟んで吸気口21に対向する、筐体2の側面に設けられる。このような態様によれば、吸気口21と排気口22とが互いに、筐体2の対向する側面部に設けられることで、冷却に用いた空気が再度吸気されないため、後述の制御ユニット27やモータ23を効率的に冷却することができる。冷却に関する詳細は後述する。
【0014】
(駆動伝達機構26)
図2に示すように、筐体2は、筐体2の下側に駆動伝達機構26を備える。図4に示すように、駆動伝達機構26は、駆動用ギヤ261と、駆動用ギヤ261に設けられた上下の2つのカム262と、上下の2つの可動プレート263とを備えている。駆動用ギヤ261は、円盤状の歯車であり、中心部から上下方向に支軸264が突出している。支軸264の上端部及び下端部は、ケース265内に設けられた上下の軸受に回転自在に支持されている。つまり、駆動用ギヤ261は、支軸264の軸回りに回転する。
【0015】
駆動用ギヤ261の上面及び下面には、上下の2つのカム262が、それぞれ突出している。カム262は、駆動用ギヤ261の回転中心に対して偏心した位置に設けられている。
【0016】
上側の可動プレート263の後端部の開口部に上側のカム262が挿入され、上側の可動プレート263の先端部は上側カッター32の後端部に連結されている。下側の可動プレート263の後端部の開口部に下側のカム262が挿入され、下側の可動プレート263の先端部は下側カッター31の後端部に連結されている。
【0017】
駆動伝達機構26では、駆動用ギヤ261の回転に伴って上下2つのカム262がそれぞれ回転移動することで、上下の2つの可動プレート263がそれぞれ前後方向に往復動し、上側カッター32及び下側カッター31が相反して前後方向に往復動するように構成されている。
【0018】
(作業部3)
図1及び図2に示すように、作業部3は、筐体2の前方側に設けられる。作業部3は、作業対象を切断するための刃部33を備え、モータ23の回転によって、駆動するように構成される。換言すると、作業部3は、作業対象を切断するよう、構成される。具体的には、作業部3は、下側カッター31と、上側カッター32とを備える。換言すると、作業部は、作業対象を切断するよう、構成される。下側カッター31及び上側カッター32とは、互いに重ね合わされ、長手方向(前後方向)に沿って相対的にスライド可能に設けられている。なお、下側カッター31の構成と上側カッター32の構成とは、実質的に同一の刃物構造である。図1及び図2に示すヘッジトリマー11は、刃部33が左右方向の両方に設けられた両刃仕様であるが、刃部33が左右方向の片方に設けられた片刃仕様であってもよい。
【0019】
(前ハンドル4及び後ハンドル5)
図1及び図2に示すように、ヘッジトリマー11は、筐体2の前側に設けられた前ハンドル4と、筐体2の後側に設けられた後ハンドル5とを備えている。前ハンドル4と後ハンドル5とを手で把持することにより、ヘッジトリマー11の操作を行うことができる。
【0020】
前ハンドル4は、左右方向に延びている横部と、横部の左右の端部から下方に延びる縦部とを有し、これらが一体的に形成されている。そして、2つの縦部の下端部が筐体2の前端部に固定されている。
【0021】
後ハンドル5は、前後方向に沿った軸を中心軸として回転可能に、筐体2の後部に連結されている。後ハンドル5には、左右方向に貫通した開口部56が形成された把持部51が形成されている。ユーザである作業者がヘッジトリマー11を持つときには、把持部51の開口部56に手を差し入れて、後ハンドル5を把持する。
【0022】
図1及び図2に示すように、後ハンドル5の把持部51の内周部には、作業者が把持した状態で作業部3を駆動させるための操作手段であるスロットルレバー52が設けられている。また、把持部51の上側には、スロットルレバー52の変位(作動)を阻止及びそれを解除するロック解除レバー53が設けられるとともに、電源スイッチ54が設けられている。さらに、把持部51の下側には、作業部3の非駆動時に、後ハンドル5の筐体2に対する回転を阻止及びそれを解除する回転ロックレバー55が設けられている。
【0023】
(バッテリ6)
バッテリ6は、前後方向に延びている直方体のケースに、複数個のリチウムイオン電池セルを収容して所定の出力を実現した一般的なバッテリである。バッテリ6は、筐体2の上面に設けられたバッテリ取付部62に取り付け可能に構成されている。バッテリ取付部62は、筐体2の上面に合わせて、後部から前部に向かうに連れて下がるように傾斜している。
【0024】
図示しないが、バッテリ6の下面の後端部には、バッテリ取付部62に係合する係合部が突出している。バッテリ取付部62にバッテリ6を取り付けるときには、バッテリ6をバッテリ取付部62に対して後方から前方に向けてスライドさせながら、バッテリ6の下部をバッテリ取付部62に嵌合させる。そして、バッテリ6の前端部がバッテリ取付部62の前端部に支持される位置まで、バッテリ6を移動させると、バッテリ6の係合部がバッテリ取付部62に係合して、バッテリ6がバッテリ取付部62に固定される。
【0025】
バッテリ取付部62に取り付けられたバッテリ6は、後側から前側に向かうに連れて下がるように傾斜し、後部よりも前部が低く配置される。バッテリ取付部62の上面には、金属製の接続端子(図示せず)が設けられている。接続端子は、モータ23や制御ユニット27に電気的に接続されている。そして、バッテリ取付部62の接続端子にバッテリ6の接続端子が電気的に接続されることにより、バッテリ6からモータ23や制御ユニット27に電力が供給される。
【0026】
バッテリ取付部62からバッテリ6を取り外すときには、バッテリ6の後端部に設けられた連結用レバー61(図3参照)を引き上げると、バッテリ取付部62と係合部との係合状態が解除され、バッテリ6をバッテリ取付部62に対して後方に向けてスライドさせることが可能となる。
【0027】
2.筐体2の内部部品
本章では、筐体2の内部部品について説明する。図5は、筐体2の一部を取り外し又は断面にした状態の筐体2を上側から見た図である。図6は、筐体2の一部を取り外した状態の筐体2を上側から見た図である。図7は、図1に示すB-B断面で表した状態の筐体2を上側から見た、第1の空気流路AP1を説明するための図である。図8は、ファン24を下側から見た全体斜視図である。図9は、筐体2の一部を断面にした状態の吸気口21を説明するための図である。図10は、筐体2の一部を断面にした状態の排気口22及び第2の空気流路AP2を説明するための図である。図4図10に示すように、筐体2は、その内部に、モータ23と、ファン24と、ガイド部25と、制御ユニット27と、ヒートシンク28とを備える。
【0028】
(モータ23)
図4に示すように、モータ23は、ステータ231と、アウターロータ232と、出力軸233と、出力ギヤ234と、ベース部材235とを備えている。ステータ231には、複数のコイルが設けられている。ベース部材235の下端部は、駆動伝達機構26のケース265に固定されている。
【0029】
出力軸233は、ベース部材235の内周面に設けられた軸受に挿通されている。これにより、出力軸233は、ベース部材235に回転自在に支持されている。出力軸233は、ステータ231の内周面に設けられた軸受に挿通されている。これにより、出力軸233は、ステータ231に回転自在に支持されている。出力軸233の下端部には、出力ギヤ234が設けられている。出力ギヤ234は、駆動伝達機構26の駆動用ギヤ261に噛み合っている。
【0030】
アウターロータ232には、ステータ231及び各コイルの外周を囲んでいる円筒状の周壁部232aと、周壁部232aの上面を覆う頂部232bとを備える。周壁部232aの内周面には、複数の磁石が取り付けられている。
【0031】
アウターロータ232の頂部232bの中心部には、出力軸233の上端部が連結されている。これにより、アウターロータ232は、ステータ231に回転自在に支持されており、出力軸233とアウターロータ232とが連動して回転する。アウターロータ232及び出力軸233の回転中心Oは、筐体2の上下方向に延びている。
【0032】
アウターロータ232は、ステータ231に回転自在に支持されるとともに、駆動伝達機構26を介して作業部3の後端部に連結されている。そして、バッテリ6からステータ231の各コイルに通電されると、アウターロータ232及び出力軸233が回転し、この駆動力が駆動伝達機構26を介して作業部3に伝達されることで、下側カッター31及び上側カッター32が相反して前後方向に往復動する。換言すると、モータ23は、作業部3を駆動させるための回転動力を発生させるように構成される。
【0033】
(ファン24)
ファン24は、図4に示すように、モータ23の出力軸233の上端部に連結され、空気流路APの内部に設けられている。換言すると、モータ23は、モータ23の回転と連れ回るファン24を備える。これにより、ファン24は、モータ23の回転によって、空気流路APの内部に空気を流通させるように構成される。具体的には、ファン24は、排気口22から筐体2外部に向かって、空気流路APの内部の空気を排出するように構成され、また、吸気口21から筐体2内部に向かって、筐体2外部の空気を吸い込むように構成される。また、モータ23は、右回転と左回転との2つの回転方向で回転可能に構成される。ファン24は、図8に示すように、モータ23の回転する軸の中心である回転中心Oから周方向の外側に向かって真っすぐに延在するように、直線形状の複数の羽根24aを有する。このような態様によれば、回転方向が左右のどちらであっても空気を流通させることが可能である。
【0034】
(制御ユニット27)
図5及び図6に示すように、制御ユニット27は、箱形状を有し、筐体2に固定されている。制御ユニット27は、バッテリ6及びモータ23と配線及びコネクター等によって電気的に接続され、バッテリ6からモータ23への通電を制御する。換言すると、制御ユニット27は、モータ23の回転を電気的に制御するように構成される。
【0035】
(ガイド部25)
図6及び図7に示すように、ガイド部25は、板状の部材によって、空気流路APを形成するように設けられる。ガイド部25は、制御ユニット27に設けられ、これによりガイド部25と制御ユニット27とで囲まれた第1の空気流路AP1が形成される。第1の空気流路AP1は、モータ23の回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、制御ユニット27が冷却される。このような態様によれば、ガイド部25と制御ユニット27とで囲まれた空気流路APを設けることで、制御ユニット27を十分に冷却することができるので、小型化及び高出力時の作業性を向上させることができる。
【0036】
(ファンケース29)
図4及び図6に示すように、ファンケース29は、モータ23の外部を覆い、第2の空気流路AP2を形成するように設けられる。図6及び図10に示すように、第2の空気流路AP2は、第1の吐出部291と、第2の吐出部292とを有する。第1の吐出部291は、第1の排気口221と連結する位置に設けられ、第2の吐出部292は、第2の排気口222と連結する位置に設けられる。好ましくは、第2の空気流路AP2は、モータ23内部を空気が流通するように、形成してもよい。さらに好ましくは、第2の空気流路AP2は、モータ23の下部から空気を取り入れ、モータ23の上部方向に向かって空気が流れるように形成してもよい。また、好ましくは、第1の空気流路AP1は、モータ23の近傍に設けられた第2の空気流路AP2と連通する。第2の空気流路AP2は、モータ23の回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、制御ユニット27に続いてモータ23が冷却される。換言すると、モータ23の回転に伴うファン24の回転によって、筐体2の外部から内部に取り込まれる空気が第1の空気流路AP1を通り、制御ユニット27を冷却し、制御ユニット27を冷却した空気をモータ23の下部から取り入れ、モータ23内部の空気流路を通り、筐体2の外部に電子機器(制御ユニット27及びモータ23等)を冷却した空気を排出する。このような態様によれば、制御ユニット27に続いてモータ23を配置し冷却することで、温度上昇を抑え高負荷での連続運転が可能となる。
【0037】
(ヒートシンク28)
図6及び図7に示すように、ヒートシンク28は、制御ユニット27で生じた熱を放熱するように、制御ユニット27に接して設けられる。ヒートシンク28は、ガイド部25と制御ユニット27とで囲まれて形成される第1の空気流路AP1の内部に設けられる。換言すると、第1の空気流路AP1は、その内部に、流通する空気と熱交換をするように構成されたヒートシンク28を備える。このような態様によれば、ヒートシンク28を設けることで、制御ユニット27をさらに冷却することができるので、小型化及び高出力時の作業が可能となる。
【0038】
好ましくは、図7に示すように、ヒートシンク28は、制御ユニット27と接する面から垂直方向に向かって延在するフィン281を有する。フィン281は、第1の空気流路AP1を流通する空気の流れに沿った方向にさらに延在する。このような態様によれば、冷却性能を向上させ、小型化及び高出力時の作業を可能にできる。
【0039】
ところで、図6に示すように、筐体2は、その内部に、空気流路APを備える。空気流路APは、第1の空気流路AP1と、第2の空気流路AP2とを備え、さらに、第2の空気流路AP2は、第3の空気流路AP3と第4の空気流路AP4とを備える。第1の空気流路AP1は、その一端が第2の空気流路AP2と連通し、一端に対する他端が吸気口21と連通するように構成される。このような態様によれば、制御ユニット27を効率的に冷却することができる。第2の空気流路AP2は、その一端が第1の空気流路AP1と連通し、一端に対する他端が排気口22と連通するように構成される。このような態様によれば、吸気口21から排気口22までの間に、制御ユニット27に続いてモータ23を配置し冷却することで、温度上昇を抑え高負荷での連続運転が可能となる。
【0040】
図4に示すように、ファン24は、空気流路APを形成するファンケース29の内部に設けられる。また、ファン24は、モータ23の出力軸233の上端部に連結されることで、モータの回転に伴って回転する。これによって、ファン24は、筐体2の外部から筐体2の内部に空気を流入させ、空気流路APに空気を流通させる。換言すると、ファン24は、モータ23の出力軸233の上端部に連結されることで、第2の空気流路AP2の内部に設けられ、これにより空気流路APの内部に空気が流通する。図10に示すように、第2の空気流路AP2は、ファン24の近傍で空気の流通を分岐させるように、第3の空気流路AP3と、第4の空気流路AP4とを有する。第3の空気流路AP3と第4の空気流路AP4とは、モータ23の回転方向に応じて流通する空気の量がそれぞれ変化するように構成される。このような態様によれば、回転方向に応じた空気流路を設け且つ羽根24aが直線形状のファン24のため、回転方向が左右のどちらであっても空気を流通させることが可能である。好ましくは、図10に示すように、第3の空気流路AP3は、ファン24の外周の略半周に沿う部分を有するように設けられる。第4の空気流路AP4は、軸を挟んで第3の空気流路AP3に対向するよう、ファン24の外周の略半周に沿う部分を有するように設けられる。このような態様によれば、空気を効率的に流通させることが可能である。さらに好ましくは、図10に示すように、第3の空気流路AP3と第4の空気流路AP4とは、空気の流通方向における上流から下流に向かうに連れて空気流路APの断面の面積が拡大するように、構成される。このような態様によれば、空気を効率的に流通させることが可能である。
【0041】
図10に示すように、排気口22は、第1の排気口221が第3の空気流路AP3と連通し、第2の排気口222が第4の空気流路AP4と連通するように、構成される。このような態様によれば、第1の排気口221又は第2の排気口222から排気される空気が筐体2の内部に戻ることがなくなる。
【0042】
吸気口21又は排気口22は、好ましくは、筐体2の外形より凹んだ面上に設けるとよい。具体的には、図9に示すように、筐体2は、筐体2の中心線から吸気口21が設けられる方向に向かって、第1の幅L1と、第1の幅L1より狭い第2の幅L2とを有する。吸気口21は、筐体2の第2の幅L2に位置する側面に設けられる。このような態様によれば、作業者であるユーザが筐体2に接しても、ユーザの体や衣服等の密着し、吸気口21又は排気口22を塞いでしまうことを回避することができる。
【0043】
好ましくは、図9に示すように、吸気口21は、筐体2の上方向から物体の侵入を防ぐように、ルーバを有するとよい。このような態様によれば、筐体2の上側から下側に向かう雨水等が、筐体2の内部に入り込むことを遮ることができる。
【0044】
3.モータ23及び制御ユニット27の配置
本章では、筐体2の内部部品であるモータ23と、制御ユニット27との配置位置に関して、説明する。図5に示すように、モータ23は、筐体2の後方側において、筐体2の中心線よりも第2の方向AX2に偏位して設けられる。そして、制御ユニット27は、筐体2の中心線を挟んでモータ23に対向する位置に設けられる。ここで、筐体2の中心線は、第1の方向AX1に延在し、第2の方向AX2は、第1の方向AX1に垂直な方向である。このような態様によれば、筐体2の小型化をすることができる。さらに、図5に示すように、筐体2は、第2の方向AX2に所定幅Lを有する。モータ23と制御ユニット27とは、所定幅Lを超えないように、筐体2内部にそれぞれ設けられる。このような態様によれば、所定幅Lを超えないように部品が配置され、小型化することができる。換言すると、駆動伝達機構26、筐体2等における第2の方向AX2の幅(所定幅L)を超えないように、モータ23及び制御ユニット27を配置することで、第2の方向AX2の筐体2の幅を大きくすることなく、且つ、第1の方向AX1の筐体2の幅を小さくすることができので、筐体2の小型化が可能となる。
【0045】
モータ23は、筐体2の小型化を可能とするために、最適な位置に配置させることが好ましい。図5に示すように、モータ23の配置に関して、第1の角度AN1が採用されることが好ましい。具体的には、第1の角度AN1は、モータ23の回転する軸である出力軸233の中心と筐体2の中心線上にある支軸264の中心(所定位置)とを結ぶ線と、筐体2の中心線とでなされる鋭角である。モータ23は、第1の角度AN1が15度から45度までの何れかの角度となるように設けられる。第1の角度AN1は、具体的には例えば、15,15.5,16,16.5,17,17.5,18,18.5,19,19.5,20,20.5,21,21.5,22,22.5,23,23.5,24,24.5,25,25.5,26,26.5,27,27.5,28,28.5,29,29.5,30,30.5,31,31.5,32,32.5,33,33.5,34,34.5,35,35.5,36,36.5,37,37.5,38,38.5,39,39.5,40,40.5,41,41.5,42,42.5,43,43.5,44,44.5,45度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような態様によれば、最適な位置にモータ23を配置させ、筐体2の小型化をすることができる。
【0046】
制御ユニット27は、筐体2の小型化を可能とするために、最適な位置に配置させることが好ましい。図5に示すように、制御ユニット27の配置は、第2の角度AN2を用いることが好ましい。具体的には、第2の角度AN2は、制御ユニット27の長手方向に沿った線と、筐体2の中心線とでなされる鋭角である。制御ユニット27は、第2の角度AN2が15度から45度までの何れかの角度となるように設けられる。第2の角度AN2は、具体的には例えば、15,15.5,16,16.5,17,17.5,18,18.5,19,19.5,20,20.5,21,21.5,22,22.5,23,23.5,24,24.5,25,25.5,26,26.5,27,27.5,28,28.5,29,29.5,30,30.5,31,31.5,32,32.5,33,33.5,34,34.5,35,35.5,36,36.5,37,37.5,38,38.5,39,39.5,40,40.5,41,41.5,42,42.5,43,43.5,44,44.5,45度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような態様によれば、最適な位置に制御ユニット27を配置させ、筐体2の小型化をすることができる。さらに好ましくは、制御ユニット27は、第2の角度AN2が第1の角度AN1より小さな角度となるように設けられる。このような態様によれば、最適な位置にモータ23及び制御ユニット27を配置させ、筐体2の小型化をすることができる。
【0047】
[その他]
本実施形態を以下のような態様で実施してもよい。
【0048】
図1及び図2に示す例においては、筐体2の右側の側面部に吸気口21を設け、筐体2の左側の側面部に排気口22を設けるものであったが、これに限定するものではない。具体的に例えば、吸気口21及び排気口22は、作業者であるユーザが電動作業機1を把持し作業する位置に応じて、筐体2に設けてもよい。例えば、吸気口21及び排気口22は、ヘッジトリマー11の両刃仕様の場合、ヘッジトリマー11に対し作業者であるユーザが長い時間立つ側に吸気口21を設け、ヘッジトリマー11に対し作業者であるユーザが長い時間立つ側に対向する側に排気口22を設ける。また、吸気口21及び排気口22は、ヘッジトリマー11の片刃仕様の場合、ヘッジトリマー11に対し作業者であるユーザが立つ側に吸気口21を設け、ヘッジトリマー11に対し作業者であるユーザが立つ側に対向する側に排気口22を設ける。
【0049】
さらに、筐体2は、吸気口21以外の部位から、筐体2の外部から内部に向かって空気を取り込む態様であってもよい。例えば、筐体2は、隙間や穴等を有してもよい。このような態様により、作業者であるユーザが吸気口21側に立って、ユーザの体や衣服等で吸気口21を塞いだ場合、隙間や穴等から筐体2の内部向かって空気を取り込むことができる。
【0050】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0051】
(1)作業対象を切断するための手持ち式の電動作業機であって、作業部と、モータと、制御ユニットと、ガイド部とを備え、前記作業部は、前記作業対象を切断するよう、構成され、前記モータは、作業部を駆動させるための回転動力を発生させるように構成され、前記制御ユニットは、前記モータの回転を電気的に制御するように構成され、前記ガイド部は、前記制御ユニットに設けられ、これにより前記ガイド部と前記制御ユニットとで囲まれた第1の空気流路が形成され、前記第1の空気流路は、前記モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、前記制御ユニットが冷却される、電動作業機。
【0052】
このような態様によれば、ガイド部と制御ユニットとで囲まれた空気流路を設けることで、制御ユニットを十分に冷却することができるので、小型化及び高出力時の作業性を向上させることができる。
【0053】
(2)上記(1)に記載の電動作業機において、前記第1の空気流路は、前記モータの近傍に設けられた第2の空気流路と連通し、前記第2の空気流路は、前記モータの回転によってその内部に空気が流通するように構成され、これにより、前記制御ユニットに続いて前記モータが冷却される、電動作業機。
【0054】
このような態様によれば、制御ユニットに続いてモータを配置し冷却することで、温度上昇を抑え高負荷での連続運転が可能となる。
【0055】
(3)上記(1)又は(2)に記載の電動作業機において、前記第1の空気流路は、その内部に、流通する空気と熱交換をするように構成されたヒートシンクを備え、前記ヒートシンクは、前記制御ユニットで生じた熱を放熱するように、前記制御ユニットに接して設けられる、電動作業機。
【0056】
このような態様によれば、ヒートシンクを設けることで、制御ユニットをさらに冷却することができるので、小型化及び高出力時の作業が可能となる。
【0057】
(4)上記(3)に記載の電動作業機において、前記ヒートシンクは、前記制御ユニットと接する面から垂直方向に向かって延在するフィンを有し、前記フィンは、前記第1の空気流路を流通する空気の流れに沿った方向にさらに延在する、電動作業機。
【0058】
このような態様によれば、冷却性能を向上させ、小型化及び高出力時の作業を可能にできる。
【0059】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の電動作業機において、さらに、筐体を備え、前記筐体は、ユーザが位置する後方側から前記作業対象が位置する前方側への第1の方向に延在し、筐体内部に空気を流通させるための、吸気口と、排気口とを有し、前記吸気口は、前記筐体の中心線よりも第2の方向に位置する、前記筐体の側面に設けられ、ここで、前記中心線は、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直な方向であり、前記排気口は、前記中心線を挟んで前記吸気口に対向する、前記筐体の側面に設けられる、電動作業機。
【0060】
このような態様によれば、吸気口と排気口とが互いに、筐体2の対向する側面部に設けられることで、冷却に用いた空気が再度吸気されないため、効率的に冷却することができる。
【0061】
(6)上記(5)に記載の電動作業機において、前記第1の空気流路は、その一端が第2の空気流路と連通し、前記一端に対する他端が吸気口と連通するように構成される、電動作業機。
【0062】
このような態様によれば、制御ユニットを効率的に冷却することができる。
【0063】
(7)上記(5)又は(6)に記載の電動作業機において、前記第2の空気流路は、その一端が第1の空気流路と連通し、前記一端に対する他端が排気口と連通するように構成される、電動作業機。
【0064】
このような態様によれば、吸気口から排気口までの間に、制御ユニットに続いてモータを配置し冷却することで、温度上昇を抑え高負荷での連続運転が可能となる。
【0065】
(8)上記(5)~(7)の何れか1つに記載の電動作業機において、前記モータは、前記モータの回転と連れ回るファンを備え、右回転と左回転との2つの回転方向で回転可能に構成され、前記ファンは、前記モータの回転する軸の中心から周方向の外側に向かって真っすぐに延在するように、直線形状の複数の羽根を有し、前記第2の空気流路の内部に設けられ、これにより前記空気流路の内部に空気が流通し、前記第2の空気流路は、前記ファンの近傍で空気の流通を分岐させるように、第3の空気流路と、第4の空気流路とを有し、前記第3の空気流路と前記第4の空気流路とは、前記モータの回転方向に応じて流通する空気の量がそれぞれ変化するように、構成される、電動作業機。
【0066】
このような態様によれば、回転方向に応じた空気流路を設け且つ羽根が直線形状のファンのため、回転方向が左右のどちらであっても空気を流通させることが可能である。
【0067】
(9)上記(8)に記載の電動作業機において、前記第3の空気流路は、前記ファンの外周の略半周に沿う部分を有するように設けられ、前記第4の空気流路は、前記軸を挟んで前記第3の空気流路に対向するよう、前記ファンの外周の略半周に沿う部分を有するように設けられる、電動作業機。
【0068】
このような態様によれば、空気を効率的に流通させることが可能である。
【0069】
(10)上記(9)に記載の電動作業機において、前記第3の空気流路と前記第4の空気流路とは、空気の流通方向における上流から下流に向かうに連れて前記空気流路の断面の面積が拡大するように、構成される、電動作業機。
【0070】
このような態様によれば、空気を効率的に流通させることが可能である。
【0071】
(11)上記(8)~(10)の何れか1つに記載の電動作業機において、前記排気口は、第1の排気口と、前記第1の排気口とは異なる位置にある第2の排気口とを有し、前記第1の排気口が前記第3の空気流路と連通し、前記第2の排気口が前記第4の空気流路と連通するように、構成される、電動作業機。
【0072】
このような態様によれば、第1の排気口又は第2の排気口から排気される空気が筐体の内部に戻ることがなくなる。
【0073】
(12)上記(5)~(11)の何れか1つに記載の電動作業機において、前記筐体は、前記筐体の中心線から前記吸気口が設けられる方向に向かって、第1の幅と、前記第1の幅より狭い第2の幅とを有し、前記吸気口は、前記筐体の前記第2の幅に位置する側面に設けられる、電動作業機。
【0074】
このような態様によれば、作業者であるユーザが筐体に接しても、ユーザの体や衣服等の密着し、吸気口又は排気口を塞いでしまうことを回避することができる。
【0075】
(13)上記(5)~(12)の何れか1つに記載の電動作業機において、前記吸気口は、前記筐体の上方向から物体の侵入を防ぐように、ルーバを有する、電動作業機。
【0076】
このような態様によれば、筐体の上側から下側に向かう雨水等が、筐体の内部に入り込むことを遮ることができる。
【0077】
(14)上記(1)~(13)の何れか1つに記載の電動作業機において、ヘッジトリマー、刈払機又はチェーンソーである、電動作業機。
【0078】
このような態様によれば、小型化されたヘッジトリマー、刈払機又はチェーンソーを用いて、作業対象を切断することができる。
もちろん、この限りではない。
【0079】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1 :電動作業機
11 :ヘッジトリマー
2 :筐体
21 :吸気口
22 :排気口
221 :第1の排気口
222 :第2の排気口
23 :モータ
231 :ステータ
232 :アウターロータ
232a:周辺部
232b:頂部
233 :出力軸
234 :出力ギヤ
235 :ベース部材
24 :ファン
24a :羽根
25 :ガイド部
26 :駆動伝達機構
261 :駆動用ギヤ
262 :カム
263 :可動プレート
264 :支軸
265 :ケース
27 :制御ユニット
28 :ヒートシンク
281 :フィン
29 :ファンケース
291 :第1の吐出部
292 :第2の吐出部
3 :作業部
31 :下側カッター
32 :上側カッター
33 :刃部
4 :前ハンドル
5 :後ハンドル
51 :把持部
52 :スロットルレバー
53 :ロック解除レバー
54 :電源スイッチ
55 :回転ロックレバー
56 :開口部
6 :バッテリ
61 :連結用レバー
62 :バッテリ取付部
AN1 :第1の角度
AN2 :第2の角度
AP :空気流路
AP1 :第1の空気流路
AP2 :第2の空気流路
AP3 :第3の空気流路
AP4 :第4の空気流路
AX1 :第1の方向
AX2 :第2の方向
L :所定幅
L1 :第1の幅
L2 :第2の幅
O :回転中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10