(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128882
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】利用者見守り装置、利用者見守り方法及び利用者見守りプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240913BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240913BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038152
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】村田 一仁
(72)【発明者】
【氏名】八鍬 里奈
(72)【発明者】
【氏名】金井 真希
(72)【発明者】
【氏名】田幡 光
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA14
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD24
5C087DD29
5C087DD30
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】精度良く利用者の異変を検知可能な利用者見守り装置、利用者見守り方法及び利用者見守りプログラムを提供する。
【解決手段】利用者見守り装置100は、施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する映像取得部110と、前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する追跡部120と、前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する警報部130と、を備える。利用者見守り装置100は、映像に基づく利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する。そのため、精度良く利用者の異変を検知可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する映像取得手段と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する追跡手段と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する警報手段と、
を備える利用者見守り装置。
【請求項2】
前記映像取得手段は、前記施設内の共用部分を撮影可能な位置に設置された前記撮影装置から前記映像を取得し、
前記追跡手段は、前記施設内の個人スペースから前記共用部分に前記利用者が移動すると前記利用者の追跡を開始し、前記共用部分から前記個人スペースに前記利用者が移動すると前記利用者の追跡を終了する、
請求項1に記載の利用者見守り装置。
【請求項3】
前記映像に写っている人物のうち追跡を行う必要がない人物を追跡の対象から除外する追跡除外手段をさらに備え、
前記追跡手段は、前記映像に写っている人物のうち追跡の対象から除外されていない人物の追跡を行う、
請求項1に記載の利用者見守り装置。
【請求項4】
前記施設のスタッフが特定の利用者について予め設定された設定時間中において追跡の必要がない旨を入力すると、前記入力を受け付ける入力受付手段をさらに備え、
前記追跡除外手段は、前記特定の利用者を前記設定時間内における追跡の対象から除外し、
前記追跡手段は、追跡の対象から除外されている前記特定の利用者の追跡を前記設定時間中に行わない、
請求項3に記載の利用者見守り装置。
【請求項5】
前記施設内に居る前記利用者以外の非利用者が所持する位置発信端末が送信する前記非利用者の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
前記追跡除外手段は、前記位置情報と前記映像に写っている人物の位置をと照合し、照合結果が一致した場合、前記人物を追跡の対象から除外する、
請求項3に記載の利用者見守り装置。
【請求項6】
前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする識別情報付与手段をさらに備え、
前記追跡手段は、前記識別情報が付与されている前記利用者の追跡を行う、
請求項2に記載の利用者見守り装置。
【請求項7】
前記識別情報付与手段は、前記映像に基づいて前記個人スペースから前記共用部分に前記利用者が移動したことを検知すると、前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする、
請求項6に記載の利用者見守り装置。
【請求項8】
前記個人スペース内における人物の有無を感知する人感センサから感知結果情報を取得する感知結果取得手段をさらに備え、
前記識別情報付与手段は、前記個人スペース内に人物が居ない旨を含む前記感知結果情報を取得した場合に、前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする、
請求項6に記載の利用者見守り装置。
【請求項9】
コンピュータが、
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得し、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡し、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する、
利用者見守り方法。
【請求項10】
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する処理と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する処理と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する処理と、
をコンピュータに実行させる、利用者見守りプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用者見守り装置、利用者見守り方法及び利用者見守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院、高齢者施設等の施設において、患者、入居者等の利用者に異常が発生した場合に当該施設のスタッフ等に通知するための技術が開発されている。例えば、特許文献1には、院、養老院、老人ホーム等の老弱者が居住する室内において、異常時には静止状態となる部位を被写体として撮影して、一定時間以上静止状態が続くと警報を発する技術が開示されている。特許文献2には、映像に含まれる人物をシルエットにし、当該シルエットの追跡を行う技術が開示されている。特許文献3には、施設内に設けられた人体検知センサによって人の出入りが検知される毎に人物の追跡を行い、新たな不審者が見つかると警告を発する技術が開示されている。特許文献4には、撮像画像に基づいて、見守り対象者の状態(転倒状態等の異常状態であるか否か)を推定し、推定結果を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-085671号公報
【特許文献2】特開2004-078344号公報
【特許文献3】特開2011-227851号公報
【特許文献4】特開2023-003917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1~4では、患者、入居者等の利用者の行動を撮影した映像に基づいて当該利用者の異変を発見している。しかしながら、利用者が体調不良等でうずくまると、撮影装置の撮影可能範囲外に利用者が移動することがある。この場合、撮影された映像に基づいて利用者の異変を検知することは困難であった。そのため、利用者の異変検知の精度を向上させる余地があった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、精度良く利用者の異変を検知可能な利用者見守り装置、利用者見守りシステム、利用者見守り方法及び利用者見守りプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る利用者見守り装置は、
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する映像取得部と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する追跡部と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する警報部と、
を備える。
【0007】
本開示に係る利用者見守り方法は、
コンピュータが、
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得し、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡し、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する。
【0008】
本開示に係る利用者見守りプログラムは、
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する処理と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する処理と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、精度良く利用者の異変を検知可能な利用者見守り装置、利用者見守り方法及び利用者見守りプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る利用者見守り方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係る利用者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態3に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態3に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態4に係る利用者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態4に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】実施形態4に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態5に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】実施形態5に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態6に係る利用者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【
図14】実施形態6に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図15】実施形態6に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【
図16】実施形態7に係る利用者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【
図17】実施形態7に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。
【
図18】実施形態7に係る利用者見守り装置の一動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る利用者見守り装置の構成を示すブロック図である。利用者見守り装置100は、映像取得部110、追跡部120及び警報部130を備える。
【0013】
映像取得部110は、撮影装置(不図示)から撮影した映像を取得する。撮影装置は、施設内に設置され、施設内を撮影する。施設は、病院、又は、老人ホーム、障碍者施設等の福祉施設である。撮影装置は、施設内を撮影するカメラであり、例えば施設内の天井近傍に設置される。追跡部120は、映像取得部110が取得した映像に基づいて施設の利用者を追跡する。例えば、施設が病院である場合、当該施設の利用者は、病院の入院患者である。また、施設が老人ホームである場合、当該施設の利用者は、老人ホームの入居者である。追跡部120は、映像に写っている利用者を追跡することによって、当該利用者の所在地を把握する。警報部130は、追跡部120が追跡していた利用者が映像内から居なくなったすなわち追跡部120による利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する。
【0014】
図2は、実施形態1に係る利用者見守り方法の流れを示すフローチャートである。まず、映像取得部110は、施設内に設置され、施設内を撮影する撮影装置から施設内の映像を取得する(ステップS101)。次に、追跡部120は、ステップS101において取得された映像に基づいて施設の利用者を追跡する(ステップS102)。警報部130は、ステップS102において追跡している利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する(ステップS103)。
【0015】
このように、実施形態1に係る利用者見守り方法では、映像に基づく利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する。そのため、精度良く利用者の異変を検知可能である。
【0016】
尚、利用者見守り装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる利用者見守り方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、映像取得部110、追跡部120及び警報部130の機能を実現する。
【0017】
または、利用者見守り装置100の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0018】
また、利用者見守り装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、利用者見守り装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0019】
<実施形態2>
図3は、実施形態2に係る利用者見守りシステム200の構成を示すブロック図である。利用者見守りシステム200は、施設内において利用者を追跡し、追跡が途切れた場合に警報を当該施設のスタッフ等に対して発する情報システムである。利用者見守りシステム200は、撮影装置300、利用者見守り装置400及び通信端末500を備える。撮影装置300、利用者見守り装置400及び通信端末500は、ネットワーク600を介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク600は、無線通信回線であり、インターネットを含んでも良い。
【0020】
撮影装置300は、施設の共用部分に設置され、当該共用部分を撮影するカメラである。施設の共用部分とは、特定の人物に限らず、複数の人物が共同して利用する部分である。共用部分は、例えば、食堂、廊下、エレベータ、面会室及び談話室等である。施設には通常、利用者に対してそれぞれ割り当てられた個人スペースが存在する。1つの個人スペースには、1人の利用者が割り当てられてもよいし、複数の利用者が割り当てられてもよい。例えば、施設が病院である場合、個人スペースは、患者が入院する入院部屋である。また、施設が老人ホームである場合、個人スペースは、入居者が生活する入居室である。プライバシー保護の観点より、施設の個人スペースには、撮影装置300が設置されないことが好ましい。撮影装置300は、撮影した映像を利用者見守り装置400に送信する。尚、撮影装置300は、施設内に複数設置されてもよい。撮影装置300が複数設置される場合、施設内の共用部分全域が撮影範囲となるように各撮影装置300が配置されることが好ましいが、共用部分の一部が撮影範囲から外れているすなわち死角となっていてもよい。
【0021】
通信端末500は、施設のスタッフが所持する通信端末であり、利用者見守り装置400から送信された警報を受信する。施設が病院である場合、施設のスタッフは、例えば、医師、看護師等の医療スタッフである。施設が老人ホームである場合、施設のスタッフは、例えば、介護士等の介護スタッフである。
図3に示す例では、通信端末500が1つのみ図示されているが、利用者見守りシステム200は、通信端末500を複数備えていてもよい。複数の通信端末500は、複数のスタッフのそれぞれが所持する。
【0022】
次に、
図4を参照して実施形態2に係る利用者見守り装置400の構成を説明する。
図4は、実施形態2に係る利用者見守り装置400の構成を示すブロック図である。利用者見守り装置400は、上述した利用者見守り装置100の一例である。利用者見守り装置400は、施設のスタッフが待機する待機室等に設置される。利用者見守り装置400は、利用者見守り処理等を行う情報処理装置であり、例えば、コンピュータにより実現されるサーバ装置である。利用者見守り装置400は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータによって実現されてもよい。利用者見守り装置400は、メモリ410、通信部420、記憶部430及び制御部440を備える。
【0023】
メモリ410は、制御部440の処理内容を一時的に記憶する記憶領域であり、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。通信部420は、利用者見守り装置400の外部との通信を行うインターフェースである。記憶部430は、プログラム431等を記憶する記憶装置である。プログラム431は、本実施形態に係る利用者見守り処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0024】
制御部440は、映像取得部441、追跡部442及び警報部443を備える。制御部440は、利用者見守り装置400の動作を制御する制御装置であり、例えばCPU等のプロセッサである。制御部440は、記憶部430からプログラム431をメモリ410へ読み込ませ、実行する。これにより、制御部440は、映像取得部441、追跡部442及び警報部443としての機能を実現する。
【0025】
映像取得部110は、撮影装置300が送信した映像を受信することによって、映像を取得する。撮影装置300が複数設置されている場合、撮影装置300が送信する映像は、撮影装置識別情報を含んでいてもよい。撮影装置識別情報は、映像を撮影した撮影装置300を識別するための情報である。追跡部120は、映像取得部110が取得した映像に写っている利用者を追跡する。具体的には、追跡部120は、映像に写っている利用者が個人スペースから共用部分に移動した場合、追跡を開始し、当該利用者が共用部分から個人スペースに移動した場合、追跡を終了する。撮影装置300が複数設置されている場合、追跡部120は、複数の撮影装置300から送信された映像を組み合わせて利用者の追跡を行う。この場合、追跡部120は、映像に含まれる撮影装置識別情報を利用し、当該映像が撮影された場所すなわち利用者の所在地を把握してもよい。
【0026】
警報部130は、追跡部120が追跡している利用者について、追跡が途切れた場合すなわち利用者が追跡中に映像から居なくなった場合、警報を通信端末500に送信する。警報部130は、例えば、利用者が追跡中に映像から居なくなって所定時間経過した場合に、警報を通信端末500に送信する。所定時間は、例えば、施設のスタッフ等の操作によって適宜設定される。所定時間は、時間帯に応じて変更されてもよく、例えば、夜間は昼間よりも短い所定時間が設定されてもよい。警報部130が送信する警報には、追跡が途切れた映像が撮影された場所を示す情報が含まれていてもよい。追跡が途切れた映像が撮影された場所を示す情報が警報に含まれる場合、施設のスタッフは、通信端末500に発信された警報に基づいて、追跡が途切れた場所すなわち異変が起きた利用者が居る可能性が高い場所に向かうことができる。
【0027】
次に、
図5を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置400の動作の一例を説明する。
図5は、実施形態2に係る利用者見守り装置400の一動作例を示すフローチャートである。まず、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS201)。撮影装置300は、定期的に又は不定期に撮影した映像を利用者見守り装置400に送信する。映像取得部110は、撮影装置300から映像を受信する度に映像を取得する。
【0028】
次に、追跡部120は、ステップS201において取得された映像を分析し、映像内において個人スペースから共用部分に利用者が移動したことを検知すると(ステップS202Yes)、追跡を開始する(ステップS203)。追跡部120は、映像内において個人スペースから共用部分に利用者が移動したことを検知しなかった場合(ステップS202No)、映像取得部110が次なる映像を取得するまで追跡を開始せずに待機する。
【0029】
追跡部120は、利用者が映像に写っている間すなわち利用者が共用部分に居る間、追跡を継続する(ステップS204Yes)。追跡部120は、利用者が映像から居なくなったすなわち追跡が途切れた場合(ステップS204No)、共用部分から個人スペースに利用者が移動したか否かを映像に基づいて判定する(ステップS205)。追跡部120は、共用部分から個人スペースに利用者が移動した場合(ステップS205Yes)、利用者が個人スペースに戻ったと判断し、追跡を終了する(ステップS206)。共用部分から個人スペースに利用者が移動していない場合(ステップS205No)、警報部130は、利用者が映像から居なくなった時点から所定時間が経過すると(ステップS207)、警報を通信端末500に送信する(ステップS208)。尚、利用者が映像から居なくなった時点から所定時間が経過する前に利用者が映像に再度写り出した場合、追跡部120は、追跡を継続する。
【0030】
このように、実施形態2に係る利用者見守り方法では、映像に基づいて行われる利用者の追跡が途切れた場合に当該利用者に異変が起こったと判断し、警報を通信端末500に送信する。そのため、利用者が体調不良等のためうずくまって映像から居なくなった場合において、施設のスタッフに異変を通知することができる。
【0031】
尚、利用者見守り装置400は、追跡が途切れた場合に加えて、追跡中の利用者が映像内で動作を停止している場合等においても警報を発信してもよい。追跡中の利用者が映像内で動作を停止している場合すなわち利用者が映像に写る場所で倒れている場合等にも警報を送信すると、より精度良く利用者の異変を検知可能である。また、利用者見守り装置400は、図示しない表示部を備えていてもよい。利用者見守り装置400は、警報を発する際に表示部に当該警報を表示してもよい。この場合、施設のスタッフは、利用者見守り装置400に表示された警報を確認し、異変が起きている可能性が高い利用者の元に向かう。
【0032】
<実施形態3>
実施形態3は、上述した実施形態2の変形例である。実施形態3では、追跡が所定時間以上途切れることが予め分かっている利用者について、予め設定された設定時間中において追跡の対象から除外する。以下、実施形態3に係る利用者見守り装置700について実施形態2等と重複する説明については適宜省略しつつ説明する。
【0033】
図6は、実施形態3に係る利用者見守り装置700の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、利用者見守り装置700は、制御部440に代えて制御部740を備える点で
図4に示した利用者見守り装置400と異なる。制御部740は、制御部440が備える構成に加えて、入力受付部744及び追跡除外部745を備える。入力受付部744は、通信端末500等からの入力を受け付ける。具体的には、入力受付部744は、施設のスタッフが特定の利用者について設定時間中において追跡の必要がない旨を通信端末500等に入力すると、当該入力を受け付ける。追跡除外部745は、追跡を行う必要ない人物が映像に写っている場合、当該人物を追跡の対象から除外する。本実施形態において、追跡部120は、映像に写っている人物のうち追跡の対象から除外されていない人物の追跡を行う。
【0034】
尚、本実施形態において、利用者見守り装置700は、警報等を表示する表示部(不図示)及びスタッフが操作可能な入力部(不図示)を備えていてもよい。この場合、施設のスタッフは、利用者見守り装置700が備える入力部を操作し、特定の利用者について設定時間中において追跡の必要がない旨を入力してもよい。具体的には例えば、利用者見守り装置700は、警報等を表示する表示部に表示可能なユーザインターフェースを備えており、施設のスタッフは、当該ユーザインターフェースを操作することによって追跡除外対象者を登録することができる。また、ユーザインターフェースは、各利用者に対して追跡対象フラグをそれぞれ付したものであってもよく、この場合、施設のスタッフは、各フラグを切り替えることによって各利用者を追跡の対象とするか否かを設定可能である。
【0035】
次に、
図7を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置700の動作の一例を説明する。
図7は、実施形態3に係る利用者見守り装置700の一動作例を示すフローチャートである。まず、入力受付部744は、通信端末500から、特定の利用者について設定時間中において追跡の必要がない旨の入力を受け付ける(ステップS301)。追跡除外部745は、ステップS301において受け付けた入力内容に基づいて、特定の利用者を設定時間中における追跡の対象から除外する(ステップS302)。次に、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS303)。
【0036】
次に、追跡部120は、ステップS303において取得された映像を分析する。追跡部120は、映像内において個人スペースから共用部分にステップS302において追跡の対象から除外された特定の利用者が移動したことを検知すると(ステップS304Yes)、映像が設定時間中に撮影されたか否かを判定する(ステップS305)。追跡部120は、映像が設定時間中に撮影されていた場合(ステップS305Yes)、特定の利用者について追跡を開始しない。追跡部120は、映像が設定時間外に撮影されていた場合(ステップS305No)、特定の利用者について追跡を開始する。尚、追跡開始後の利用者見守り装置700の動作は
図5において説明した各ステップと同様であるため、説明を省略する。
【0037】
このように、実施形態3に係る利用者見守り方法では、見守りが不要な利用者が映像に写っている場合に、当該利用者を追跡の対象から除外することができる。そのため、見守りを行う必要がある利用者に対してのみ追跡を行うことができる。
【0038】
<実施形態4>
実施形態4は、上述した実施形態3の変形例である。実施形態4では、施設のスタッフ等の位置情報に基づいて当該スタッフ等を追跡の対象から除外する。
図8は、実施形態4に係る利用者見守りシステム800の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、利用者見守りシステム800は、利用者見守り装置700に代えて利用者見守り装置900を備え、さらに位置発信端末1000を備える。
【0039】
位置発信端末1000は、施設の非利用者が所持する通信端末である。位置発信端末1000は、例えばUWB(Ultra-Wide Band)等の無線通信機能を備えており、ネットワーク600を介して利用者見守り装置900と通信可能である。位置発信端末1000は、利用者見守り装置900に自身の位置情報を送信する。施設の非利用者は、施設内に居るが追跡の対象とする必要がない人物であり、例えば、施設のスタッフ及び施設への来訪者である。
図8に示す例では、位置発信端末1000が1つのみ図示されているが、利用者見守りシステム800は、位置発信端末1000を複数備えていてもよい。複数の位置発信端末1000は、複数の非利用者のそれぞれが所持する。位置発信端末1000は、施設のスタッフが所持する場合、例えば、通信端末500と一体化された端末であってもよい。この場合、通信端末500は、位置発信機能を備えるものとする。位置発信端末1000は、施設の来訪者が所持する場合、例えば、来訪者カード等に付されたUWBタグ等である。
【0040】
図9は、実施形態4に係る利用者見守り装置900の構成を示すブロック図である。利用者見守り装置900は、制御部740に代えて制御部940を備える点で
図6に示した利用者見守り装置700と異なる。制御部940は、制御部740が備える構成に加えて、位置情報取得部946を備える。位置情報取得部946は、位置発信端末1000が送信する位置情報を受信することによって取得する。本実施形態において、追跡除外部745は、位置情報取得部946が取得した位置情報に基づいて映像に写っている人物が施設の非利用者であるか否かを判定し、施設の非利用者を追跡の対象から除外する。具体的には、追跡除外部745は、位置情報取得部946が取得した位置情報と、映像に写っている人物の位置と、を照合し、照合結果が一致した場合、当該人物が非利用者であると判定し、追跡の対象から除外する。
【0041】
次に、
図10を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置900の動作の一例を説明する。
図10は、実施形態4に係る利用者見守り装置900の一動作例を示すフローチャートである。まず、位置情報取得部946は、位置発信端末1000から発信された位置情報を受信することによって、施設の非利用者の位置情報を取得する(ステップS401)。位置発信端末1000は、定期的に又は不定期に自身の位置情報を利用者見守り装置900に送信する。位置情報取得部946は、位置発信端末1000から位置情報を受信する度に位置情報を取得する。
【0042】
次に、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS402)。追跡部120は、ステップS402において取得された映像を分析する。追跡部120は、映像内において個人スペースから共用部分に人物が移動したことを検知すると(ステップS403Yes)、ステップS401において取得した位置情報と、当該人物の位置と、を照合する(ステップS404)。当該人物の位置がステップS401において取得した位置情報と一致する場合(ステップS404Yes)、追跡除外部745は、当該人物が非利用者すなわち追跡を行う必要がない人物であると判定し、当該人物を追跡の対象から除外する。この場合追跡部120は、当該人物について追跡を行わない。当該人物の位置がステップS401において取得した位置情報と一致しない場合(ステップS404No)、追跡除外部745は、当該人物が利用者すなわち追跡を行う必要がある人物であると判定し、当該人物を追跡の対象とする。この場合、追跡部120は、当該人物の追跡を開始する(ステップS405)。尚、追跡開始後の利用者見守り装置900の動作は
図5において説明した各ステップと同様であるため、説明を省略する。
【0043】
このように、実施形態4に係る利用者見守り方法では、スタッフ及び来訪者等の非利用者が映像に写っている場合に、当該非利用者を追跡の対象から除外することができる。そのため、施設の利用者に対してのみ追跡を行うことができる。
【0044】
<実施形態5>
実施形態5は、上述した実施形態2の変形例である。実施形態5では、個人スペースから共用部分に移動した人物に対して識別情報を付与し、識別情報が付与されている人物を追跡の対象とする。以下、実施形態5に係る利用者見守り装置1100について実施形態2等と重複する説明については適宜省略しつつ説明する。
【0045】
図11は、実施形態5に係る利用者見守り装置1100の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、利用者見守り装置1100は、制御部440に代えて制御部1140を備える点で
図4に示した利用者見守り装置400と異なる。制御部1140は、制御部440が備える構成に加えて、識別情報付与部1144を備える。識別情報付与部1144は、識別情報を利用者に付与し、識別情報が付与されている利用者を追跡の対象とする。識別情報は、利用者の個人スペースを識別するための情報であり、例えば部屋番号及びベッド番号等である。本実施形態において、追跡部120は、映像に写っている人物のうち識別番号が付与されている人物の追跡を行う。
【0046】
次に、
図12を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置1100の動作の一例を説明する。
図12は、実施形態5に係る利用者見守り装置1100の一動作例を示すフローチャートである。まず、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS501)。次に、追跡部120は、ステップS501において取得された映像を分析する。追跡部120は、映像内において個人スペースから共用部分に人物が移動したことを検知すると(ステップS502Yes)、当該個人スペースに対応する識別情報を当該人物に付与する(ステップS503)。次に、追跡部120は、ステップS503において識別情報が付与された人物の追跡を開始する(ステップS504)。尚、追跡開始後の利用者見守り装置1100の動作は
図3において説明した各ステップと同様であるため、説明を省略する。本実施形態において、警報部130は、追跡が途切れた場合、追跡が途切れた人物に付与された識別情報を含む警報を通信端末500に発信してもよい。施設のスタッフは、警報に含まれる識別情報を確認することによって、いずれの利用者に異変が起きている可能性が高いかを把握することができる。
【0047】
このように、実施形態5に係る利用者見守り方法では、映像に写っている人物が出てきた個人スペースに対応する識別情報を当該人物に付与し、追跡を行う。そのため、追跡中の人物がいずれの個人スペースを割り当てられている利用者であるかを識別可能である。
【0048】
<実施形態6>
実施形態6は、上述した実施形態5の変形例である。実施形態6では、個人スペースに設置された人感センサの感知結果に基づいて映像に写っている人物に識別情報を付与する。
図13は、実施形態6に係る利用者見守りシステム1200の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、利用者見守りシステム1200は、利用者見守り装置1100に代えて利用者見守り装置1300を備え、さらに人感センサ1400を備える。
【0049】
人感センサ1400は、施設の個人スペースに設置され、当該個人スペース内における人物の有無を感知するセンサである。人感センサ1400は、例えば赤外線センサである。施設には、通常、複数の個人スペースが存在する。人感センサ1400は、通常、複数の個人スペースのそれぞれに配置される。人感センサ1400は、ネットワーク600を介して利用者見守り装置1300と通信可能である。人感センサ1400は、個人スペース内における人物の有無を検知し、感知結果情報を利用者見守り装置1300に送信する。
【0050】
図14は、実施形態6に係る利用者見守り装置1300の構成を示すブロック図である。利用者見守り装置1300は、制御部1140に代えて制御部1340を備える点で
図11に示した利用者見守り装置1100と異なる。制御部1340は、制御部1140が備える構成に加えて、感知結果取得部1345を備える。感知結果取得部1345は、人感センサ1400が送信する感知結果情報を取得する。本実施形態において、識別情報付与部1144は、感知結果取得部1345が取得した感知結果情報に基づいて映像に写っている人物に識別情報を付与する。具体的には、識別情報付与部1144は、人物が居ないと感知された個人スペースに対応する識別情報を、映像において個人スペースから共用部分に移動した人物に付与する。
【0051】
次に、
図15を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置1300の動作の一例を説明する。
図15は、実施形態6に係る利用者見守り装置1300の一動作例を示すフローチャートである。まず、感知結果取得部1345は、人感センサ1400から送信された感知結果情報を受信することによって、感知結果情報を取得する(ステップS601)。人感センサ1400は、定期的に又は不定期に感知結果情報を利用者見守り装置1300に送信する。感知結果取得部1345は、人感センサ1400から感知結果情報を受信する度に感知結果情報を取得する。ステップS601において取得された感知結果情報に個人スペースに人物が居る旨が含まれる場合(ステップS602Yes)、追跡部120は、感知結果取得部1345が次なる感知結果情報を取得するまで追跡を開始せずに待機する。ステップS601において取得された感知結果情報に個人スペースに人物が居ない旨が含まれる場合(ステップS602No)、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS603)。
【0052】
次に、追跡部120は、ステップS603において取得された映像を分析する。追跡部120は、映像内において個人スペースから共用部分に人物が移動したことを検知すると(ステップS604Yes)、ステップS602において人物が居ないと判定された個人スペースに対応する識別情報を当該人物に付与する(ステップS605)。次に、追跡部120は、ステップS605において識別情報が付与された人物の追跡を開始する(ステップS606)。尚、追跡開始後の利用者見守り装置1300の動作は
図5において説明した各ステップと同様であるため、説明を省略する。
【0053】
このように、実施形態6に係る利用者見守り方法では、人物が居なくなった個人スペースに対応する識別情報を映像に写っている人物に付与し、追跡を行う。そのため、追跡中の人物を識別可能である。
【0054】
<実施形態7>
実施形態7は、上述した実施形態5の変形例である。実施形態7では、映像に写っている人物の特徴量に基づいて当該人物を識別し、識別情報を付与する。
図16は、実施形態7に係る利用者見守りシステム1500の構成を示すブロック図である。
図16に示すように、利用者見守りシステム1500は、利用者見守り装置1100に代えて利用者見守り装置1600を備え、さらに人物画像データベース1700を備える。
【0055】
人物画像データベース1700は、人物画像1702を識別情報1701に紐付けて記憶する記憶装置である。人物画像1702は、予め撮影された利用者の画像データである。人物画像1702は、例えば入院手続き時等に撮影された患者の全身画像である。人物画像データベース1700は、ネットワーク600を介して利用者見守り装置1600と通信可能である。
【0056】
図17は、実施形態7に係る利用者見守り装置1600の構成を示すブロック図である。利用者見守り装置1600は、制御部1140に代えて制御部1640を備える点で
図11に示した利用者見守り装置1100と異なる。制御部1640は、制御部1140が備える構成に加えて、利用者特定部1645を備える。利用者特定部1645は、人物画像データベース1700に記憶されている人物画像1702から抽出された特徴量と映像に写っている人物から抽出される特徴量とを照合することによって、当該映像に写っている利用者を特定する。本実施形態において、識別情報付与部1144は、利用者特定部1645が特定した利用者に対応する識別情報を映像に写っている人物に付与する。
【0057】
次に、
図18を参照して、利用者の見守りを行う際における利用者見守り装置1600の動作の一例を説明する。
図18は、実施形態7に係る利用者見守り装置1600の一動作例を示すフローチャートである。まず、映像取得部110は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS701)。
【0058】
次に、追跡部120は、ステップS701において取得された映像を分析する。追跡部120が映像内において個人スペースから共用部分に人物が移動したことを検知すると(ステップS702Yes)、利用者特定部1645は、ステップS701において取得された映像に写っている利用者を特定する(ステップS703)。具体的には、利用者特定部1645は、人物画像1702から抽出された特徴量とステップS701において取得された映像に写っている人物から抽出される特徴量とを照合することによって、当該映像に写っている利用者を特定する。次に識別情報付与部1144は、ステップS703において特定された利用者に対応する識別情報を映像に写っている人物に付与する(ステップS704)。次に、追跡部120は、ステップS704において識別情報が付与された人物の追跡を開始する(ステップS705)。尚、追跡開始後の利用者見守り装置1600の動作は
図5において説明した各ステップと同様であるため、説明を省略する。
【0059】
このように、実施形態7に係る利用者見守り方法では、映像に写っている人物の特徴量に基づいて当該人物を特定し、識別情報を付与して追跡を行う。そのため、追跡中の人物を識別可能である。
【0060】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0061】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0062】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0063】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0064】
(付記A1)
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する映像取得部と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する追跡部と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する警報部と、
を備える利用者見守り装置。
【0065】
(付記A2)
前記映像取得部は、前記施設内の共用部分を撮影可能な位置に設置された前記撮影装置から前記映像を取得し、
前記追跡部は、前記施設内の個人スペースから前記共用部分に前記利用者が移動すると前記利用者の追跡を開始し、前記共用部分から前記個人スペースに前記利用者が移動すると前記利用者の追跡を終了する、
付記A1に記載の利用者見守り装置。
【0066】
(付記A3)
前記映像に写っている人物のうち追跡を行う必要がない人物を追跡の対象から除外する追跡除外部をさらに備え、
前記追跡部は、前記映像に写っている人物のうち追跡の対象から除外されていない人物の追跡を行う、
付記A1に記載の利用者見守り装置。
【0067】
(付記A4)
前記施設のスタッフが特定の利用者について予め設定された設定時間中において追跡の必要がない旨を入力すると、前記入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記追跡除外部は、前記特定の利用者を前記設定時間内における追跡の対象から除外し、
前記追跡部は、追跡の対象から除外されている前記特定の利用者の追跡を前記設定時間中に行わない、
付記A3に記載の利用者見守り装置。
【0068】
(付記A5)
前記施設内に居る前記利用者以外の非利用者が所持する位置発信端末が送信する前記非利用者の位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記追跡除外部は、前記位置情報と前記映像に写っている人物の位置をと照合し、照合結果が一致した場合、前記人物を追跡の対象から除外する、
付記A3に記載の利用者見守り装置。
【0069】
(付記A6)
前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする識別情報付与部をさらに備え、
前記追跡部は、前記識別情報が付与されている前記利用者の追跡を行う、
付記A2に記載の利用者見守り装置。
【0070】
(付記A7)
前記識別情報付与部は、前記映像に基づいて前記個人スペースから前記共用部分に前記利用者が移動したことを検知すると、前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする、
付記A6に記載の利用者見守り装置。
【0071】
(付記A8)
前記個人スペース内における人物の有無を感知する人感センサから感知結果情報を取得する感知結果取得部をさらに備え、
前記識別情報付与部は、前記個人スペース内に人物が居ない旨を含む前記感知結果情報を取得した場合に、前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする、
付記A6に記載の利用者見守り装置。
【0072】
(付記A9)
予め撮影された前記利用者の写真から抽出される特徴量と前記映像から抽出される特徴量とを照合することによって前記利用者を特定する利用者特定部をさらに備え、
前記識別情報付与部は、特定された前記利用者の前記個人スペースを識別するための識別情報を前記利用者に付与し、前記識別情報が付与されている前記利用者を追跡の対象とする、
付記A6に記載の利用者見守り装置。
【0073】
(付記A10)
前記警報部は、前記施設内のスタッフが所持する通信端末に前記警報を送信する、
付記A1に記載の利用者見守り装置。
【0074】
(付記A11)
前記警報部は、追跡している前記利用者が前記映像内で所定時間以上動作を停止している場合に警報を発する、
付記A1に記載の利用者見守り装置。
【0075】
(付記A12)
前記警報部は、前記利用者の追跡が所定時間以上途切れた場合に警報を発する、
付記A1に記載の利用者見守り装置。
【0076】
(付記B1)
コンピュータが、
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得し、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡し、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する、
利用者見守り方法。
【0077】
(付記C1)
施設内に設置され、前記施設内を撮影する撮影装置から前記施設内の映像を取得する処理と、
前記映像に基づいて前記施設の利用者を追跡する処理と、
前記利用者の追跡が途切れた場合に警報を発する処理と、
をコンピュータに実行させる、利用者見守りプログラム。
【符号の説明】
【0078】
100 利用者見守り装置
110 映像取得部
120 追跡部
130 警報部
200 利用者見守りシステム
300 撮影装置
400 利用者見守り装置
410 メモリ
420 通信部
430 記憶部
431 プログラム
440 制御部
441 映像取得部
442 追跡部
443 警報部
500 通信端末
600 ネットワーク
700 利用者見守り装置
740 制御部
744 入力受付部
745 追跡除外部
800 利用者見守りシステム
900 利用者見守り装置
940 制御部
946 位置情報取得部
1000 位置発信端末
1100 利用者見守り装置
1140 制御部
1144 識別情報付与部
1200 利用者見守りシステム
1300 利用者見守り装置
1340 制御部
1345 感知結果取得部
1400 人感センサ
1500 利用者見守りシステム
1600 利用者見守り装置
1640 制御部
1645 利用者特定部
1700 人物画像データベース
1701 識別情報
1702 人物画像