(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128892
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240913BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20240913BHJP
【FI】
G06Q50/08
G07C9/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038168
(22)【出願日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2022年11月7日に自社が運営する契約者向けWebサイト「建設サイト・シリーズ」(https://portal.kensetsu-site.com/portal)にて発明に関する内容を掲載。 (2)2022年11月15日に自社が運営する契約者向けWebサイト「建設サイト・シリーズ」(https://gs.kensetsu-site.com/prime/projects_top)にて発明に関する内容を掲載。
(71)【出願人】
【識別番号】516193162
【氏名又は名称】株式会社MCデータプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 飛鳥
【テーマコード(参考)】
3E138
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA02
3E138DB01
3E138JA03
3E138JB12
3E138JC19
3E138JC22
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理する。
【解決手段】情報処理システム1の入退場情報管理サーバ20は、建設工事に携わる作業員の情報を記憶し、ゲート端末30は、建設工事の現場に設置され、作業員の識別情報を取得する。入退場情報管理サーバ20は、識別情報によって識別される作業員の情報が記憶されているか否かを判定し、ゲート端末30は、判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示する。入退場情報取得部214は、工事別作業員管理データ参照部212によって、工事別作業員管理DB221に識別情報が記憶されていると判定された作業員の建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を入退場日時と共に履歴情報として記録する
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設工事に携わる作業員の情報を記憶する作業員情報記憶手段と、
前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報によって識別される前記作業員の情報が前記作業員情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示する表示手段と、
前記判定手段によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録する入退場履歴記録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記判定手段によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員において、複数種類の作業を行う作業員に対し、当該複数種類の作業を選択する選択肢を表示するための情報を前記表示手段に送信する選択肢情報送信手段と、
前記表示手段に表示された前記選択肢の選択結果を取得する選択結果取得手段と、
を備え、
前記入退場履歴記録手段は、前記判定手段によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、複数種類の作業を行う作業員について、選択された前記選択肢に対応する作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記複数種類の作業は、前記建設工事において異なる協力会社によって管理される作業であり、
前記入退場履歴記録手段は、複数種類の作業を行う作業員について、選択された前記選択肢に対応する作業の種類及び当該作業を管理する前記協力会社を前記入退場日時と共に記録することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記選択肢情報送信手段は、前記複数種類の作業を選択する選択肢として、当該複数種類の作業のいずれかを選択する選択肢を表示するための情報を前記表示手段に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記選択肢情報送信手段は、前記複数種類の作業を選択する選択肢として、当該複数種類の作業のうち、いずれかを選択する選択肢及び2種類以上の作業を選択する選択肢を表示するための情報を前記表示手段に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記識別情報取得手段は、前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報及び前記作業員が行う前記複数種類の作業のいずれかを予め選択するための情報を取得し、
前記入退場履歴記録手段は、前記識別情報取得手段によって前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報及び前記作業員が行う前記複数種類の作業のいずれかを予め選択するための情報が取得された場合、前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、選択された前記作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記選択肢情報送信手段は、前記複数種類の作業を選択する選択肢として、時間の区分毎に、当該複数種類の作業を選択する選択肢を表示するための情報を前記表示手段に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記選択結果取得手段は、前記作業員のジェスチャーを検出することによって、前記表示手段に表示された前記選択肢の選択結果を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記作業員の履歴情報の提供が要求された場合に、提供先に応じて定義されている提供情報の設定に従って、前記入退場履歴記録手段に記録された前記作業員の履歴情報を加工し、前記提供先に応じて加工された前記作業員の履歴情報を当該提供先に提供するデータ加工手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記入退場履歴記録手段は、複数種類の作業を行う作業員について、選択された作業の種類及び当該作業の種類における当該作業員の立場を前記入退場日時と共に履歴情報として記録することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記選択肢情報送信手段は、前記作業員による設定に従って、複数種類の作業を選択する選択肢のいずれかを優先して表示するための情報を前記表示手段に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
建設工事に携わる作業員の情報を記憶する作業員情報記憶手段と、
前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報によって識別される前記作業員の情報が前記作業員情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示する表示手段と、
前記判定手段によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録する入退場履歴記録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
建設工事に携わる作業員の情報を記憶する作業員情報記憶手段を備える情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報によって識別される前記作業員の情報が前記作業員情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示手段に表示する表示ステップと、
前記判定ステップにおいて、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録する入退場履歴記録ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
建設工事に携わる作業員の情報を記憶する作業員情報記憶手段にアクセス可能なコンピュータに、
前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報を取得する識別情報取得機能と、
前記識別情報によって識別される前記作業員の情報が前記作業員情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能による判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示手段に表示する表示機能と、
前記判定機能によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録する入退場履歴記録機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築工事あるいは土木工事等の建設工事が行われる場合、一般に、元請会社から一次協力会社への下請けが発注され、さらに、一次協力会社から二次協力会社への下請けが行われる等、階層的な協力関係の下、建設工事が遂行される。
また、建設工事の現場においては、工事を担当する作業員の入退場が管理されており、入場時及び退場時に各作業員がIDカードを読み取り装置で読み取る等の形態で、入退場日時等の履歴が記録される。
なお、建設工事等の現場において、作業員の入退場を管理する技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような建設工事を遂行する業者の編成において、例えば、二次協力会社が異なる種類の作業を担当する複数の一次協力会社から工事を下請けすること等があり得る。この場合、同一の協力会社が電気工事及び塗装工事等の複数種類の作業に携わることがある。
同一の協力会社が複数種類の作業に携わる場合、その協力会社に所属する作業員は、建設工事の現場において複数種類の作業を担当することとなり、例えば、作業日によって異なる一次協力会社の下請け作業を行う状況が発生する。
しかしながら、従来の技術においては、建設工事の現場に入退場する作業員が複数の作業に携わる場合、入退場の時刻等を記録しているものの、いずれの作業を行うための入退場であるかが正確に管理されていなかった。そのため、複数種類の作業に重複して作業員を登録したり、実際に行う作業とは異なる作業を行うものとして作業員を登録したりする等、記録されるデータと作業の実態との間に齟齬が生じることがあった。
近年の傾向として、建設工事の現場における作業員数の把握や作業実態のデータの活用等が重要視されており、これらの基礎となる作業員の入退場記録に関しては、情報の正確性をより高いものとすることへの要求が高まっている。
即ち、従来の技術においては、建設工事の現場における作業員の入退場を正確に管理する上で、改善の余地があった。
【0005】
本発明の課題は、建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、
建設工事に携わる作業員の情報を記憶する作業員情報記憶手段と、
前記建設工事の現場に入退場する前記作業員を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報によって識別される前記作業員の情報が前記作業員情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づく入場の可否を示す情報を表示する表示手段と、
前記判定手段によって、前記作業員情報記憶手段に前記識別情報が記憶されていると判定された前記作業員の前記建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を前記入退場日時と共に履歴情報として記録する入退場履歴記録手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る情報処理システム1全体のシステム構成を示す模式図である。
【
図2】同一の作業員が複数種類の作業を行う場合の編成例を示す模式図である。
【
図3】入退場履歴のデータから提供先別データが作成される場合の概念を示す模式図である。
【
図4】複数種類の作業を選択するメニュー画面の一例を示す模式図である。
【
図5】複数種類の作業に重複して入退場の履歴が記録されている作業員の一覧表示画面例を示す模式図である。
【
図6】複数種類の作業に重複して入退場の履歴が記録されている作業員の入退場履歴のデータを示す模式図である。
【
図7】各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
【
図8】元請用端末10の機能的構成を示すブロック図である。
【
図9】入退場情報管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である
【
図10】ゲート端末30の機能的構成を示すブロック図である。
【
図11】情報登録用サーバ40の機能的構成を示すブロック図である。
【
図12】システム管理用端末50の機能的構成を示すブロック図である。
【
図13】協力会社用端末60の機能的構成を示すブロック図である。
【
図14】情報登録用サーバ40が実行する工事別作業員管理データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】情報処理システム1が実行する入退場管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】入退場情報管理サーバ20が実行する提供先別データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[構成]
[システム構成]
図1は、本発明に係る情報処理システム1全体のシステム構成を示す模式図である。
情報処理システム1は、建設工事の現場におけるゲート(出入口)において、作業員の入退場を記録すると共に、複数種類の作業(例えば、異なる協力会社が管理する作業)を行う作業員の入退場を作業の種類を識別して記録するものである。なお、本実施形態において、作業の種類は、作業の属性(作業の技術内容、作業を管理する上位の協力会社、作業員が所属する協力会社、作業員の立場、作業を管理する協力会社の編成における次数等、作業を特定する各種情報)によって定まるものであり、作業の属性の少なくともいずれかが異なる作業は、異なる種類の作業となる。ただし、作業の特定の属性が共通するものを作業の種類が同一であるものとして取り扱ったり、作業の特定の属性が共通しないものを作業の種類が異なるものとして取り扱ったりしてもよい。
また、情報処理システム1においては、作業員の入退場の記録を管理者(元請会社あるいは協力会社等)によって適宜修正することが可能となっている。
したがって、情報処理システム1によれば、建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理することができる。
また、情報処理システム1によれば、根拠となる作業員の入退場の記録がより正確なものとなっているため、建設工事の現場における作業履歴を集計する際に、より正確な集計結果を得ることができる。
なお、本実施形態において、入退場との文言は、入場、または、退場、あるいは、入場及び退場等、建設工事の現場におけるゲート(出入口)を作業員が通過する行為を意味する。
【0010】
図1に示すように、情報処理システム1は、元請用端末10と、入退場情報管理サーバ20と、ゲート端末30と、情報登録用サーバ40と、システム管理用端末50と、協力会社用端末60と、外部サーバ70と、を含んで構成され、これらの情報処理装置は、ネットワーク80を介して通信可能に構成されている。なお、説明の便宜のため、
図1においては、元請用端末10、ゲート端末30、システム管理用端末50、協力会社用端末60及び外部サーバ70をそれぞれ1つのみ示しているが、情報処理システム1には、これらの情報処理装置を複数含むことができる。さらに、以下の説明において、ネットワーク80がインターネットで構成される例について説明するが、情報処理システム1に含まれる各情報処理装置が通信可能な構成であれば、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)等の各種ネットワークによって構成することが可能である。
【0011】
元請用端末10は、元請会社によって使用される端末装置であり、各協力会社への通知あるいは作業履歴の管理及び集計等のための処理を実行する。例えば、元請用端末10は、情報登録用サーバ40に登録された各協力会社に関する情報を、必要に応じて補完したり、情報処理システム1にアクセスできない協力会社から提供される情報を情報登録用サーバ40に追加して登録したりする。また、元請用端末10は、情報登録用サーバ40に対し、当該建設工事に関連する協力会社毎に、登録された作業員に関する情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、当該作業員の識別コード等)を集約したデータ(以下、「工事別作業員管理データ」と称する。)を作成させる指示を行い、入退場情報管理サーバ20に送信させる。また、元請用端末10は、入退場情報管理サーバ20にアクセスし、工事別作業員管理データに登録される作業員のリストを編集したり、作業員の建設現場における入退場の履歴に関する情報を修正したりする処理を実行可能となっている。
【0012】
入退場情報管理サーバ20は、例えば、サーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、情報登録用サーバ40から送信される工事別作業員管理データをデータベースに記憶する。また、入退場情報管理サーバ20は、ゲート端末30から作業員を識別する情報を受信すると、工事別作業員管理データを参照し、その作業員の入場を承認する。具体的には、入退場情報管理サーバ20は、ゲート端末30から作業員を識別する情報が送信された場合に、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員であるか否かを判定する。入退場情報管理サーバ20は、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員でない場合、ゲート端末30にエラー情報(作業員の入場が許可されない旨の情報)を送信する。また、入退場情報管理サーバ20は、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員である場合、さらに、その作業員が複数種類の作業を行う作業員であるか否かを判定する。入退場情報管理サーバ20は、その作業員が複数種類の作業を行う作業員でない場合、その作業員の入場が許可される旨の情報をゲート端末30に送信する。また、入退場情報管理サーバ20は、その作業員が複数種類の作業を行う作業員である場合、その作業員が行う複数種類の作業を選択するメニュー(作業の種類及び管理する一次協力会社名等)をゲート端末30に送信する。
【0013】
また、入退場情報管理サーバ20は、ゲート端末30から、その作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューの選択結果が送信された場合、その作業員の選択結果(作業の種類及び管理する一次協力会社名等)を、入退場履歴を記録するデータベースに記録する。そして、入退場情報管理サーバ20は、ゲート端末30から識別情報が送信された作業員の入場が承認された場合、当該作業員の入場日時を、入退場履歴を記録するデータベースに記録する。
また、入退場情報管理サーバ20は、入場が記録されている作業員を識別する情報が送信された場合、その作業員が退場するものとして、作業員の入退場履歴を記録するデータベースに退場日時を記録する。
【0014】
図2は、同一の作業員が複数種類の作業を行う場合の編成例を示す模式図である。
図2に示すように、「〇〇ビル工事」の建設現場において、「BB1工務店」に所属する作業員Pが塗装工事及び電気工事を行う作業員である場合、塗装工事については、「BB工務店」が一次協力会社として管理し、電気工事については、「CC工務店」が一次協力会社として管理する編成となることがある。
このとき、従来の入退場の記録方法では、作業員Pの入退場が、複数種類の作業を区別できない状態で二重に記録されたり、実際の作業の種類とは異なる作業を行ったものとして記録されたりしていた。
本実施形態における情報処理システム1では、このような場合に、作業員Pが行う塗装工事及び電気工事を選択肢として作業員Pに提示し、これらのいずれを行うかを作業員Pに選択させることとしている。
そのため、建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理することができる。
【0015】
また、入退場情報管理サーバ20は、元請用端末10、情報登録用サーバ40、システム管理用端末50、協力会社用端末60あるいは外部サーバ70向けに作業員の入退場履歴のデータを提供する要求が行われた場合に、各提供先に応じて定義されている提供情報の設定に応じて、作業員の入退場履歴のデータを加工(一部を削除する、あるいは、数値を集計する等)し、加工したデータ(以下、「提供先別データ」と称する。)を各提供先に提供する。
例えば、入退場情報管理サーバ20は、協力会社用端末60から工期内の各日において、入退場した作業員のリストが要求された場合、工期内の各日において、建設工事の現場に入退場した当該協力会社に所属する作業員の氏名と、入退場日時とを一覧としたデータを提供先別データとして協力会社用端末60に送信する。また、入退場情報管理サーバ20は、協力会社用端末60または外部サーバ70から特定の作業員に関する作業履歴の情報(就業履歴データ)が要求された場合、当該作業員の氏名、入退場日時、作業の種類及び立場(例えば、職長、班長等)を抽出し、抽出結果を提供先別データとして協力会社用端末60または外部サーバ70に送信する。
【0016】
図3は、入退場履歴のデータから提供先別データが作成される場合の概念を示す模式図である。
図3に示すように、入退場情報管理サーバ20が保有する入退場履歴のデータ全体は、関連する全ての情報を含むことから、入退場履歴のデータの使用目的によっては、不要な項目等が含まれている。
そこで、本実施形態においては、提供先毎に提供情報の設定(どのような情報を提供するか)を定義することが可能となっており、入退場情報管理サーバ20に対して作業員の入退場履歴のデータを提供する要求が行われた場合に、それぞれの設定に応じた適切なデータ(提供先別データ)に加工することにより、必要十分な内容のデータが提供されるものとなっている。
図3に示す例では、「XX工務店」用に定義された提供情報の設定に従って、入退場履歴のデータが加工され、「XX工務店」において必要とする項目(「作業員ID」、「作業員氏名」、「職種」、「立場」、「入退場日時」)のみが選別されて、提供先別データとして提供されている。
これにより、提供先別データを利用する際の利便性を高めることができる。
【0017】
ゲート端末30は、例えば、タブレット端末等の情報処理装置によって構成され、建設工事の現場におけるゲート(出入口)に設置される。ゲート端末30は、作業員が保有する当該作業員の識別情報(例えば、2次元コード)を読み取り、読み取った識別情報を入退場情報管理サーバ20に送信する。また、ゲート端末30は、入退場情報管理サーバ20から送信された作業員の入場に関する承認結果に基づいて、作業員の入場の可否を示す情報を表示する。また、ゲート端末30は、入退場情報管理サーバ20から作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューが送信された場合、複数種類の作業を選択するメニュー画面を表示し、作業員によるいずれかの作業の選択を受け付ける。そして、ゲート端末30は、作業員による選択結果(選択された作業の種類を示す情報)を入退場情報管理サーバ20に送信する。なお、作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューには、例えば、一次協力会社及び作業の種類を表示することが可能であるが、作業員に関するその他の各種情報(例えば、職長、班長等の作業員の立場)を表示することとしてもよい。
【0018】
図4は、複数種類の作業を選択するメニュー画面の一例を示す模式図である。
図4に示すように、作業員がゲート端末30に自身が保有する識別情報(IDカードに記載された2次元コード、スマートフォンのアプリが表示した2次元コード、あるいは、顔認証や、その他の生体認証情報等)を読み取らせると、ゲート端末30が入退場情報管理サーバ20に識別情報を送信する。このとき、識別情報を読み取らせた作業員が複数種類の作業を行う作業員であるものとすると、その作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューが表示される。例えば、作業員Pが「BB1工務店」に所属し、「BB1工務店」が「BB工務店」の塗装工事を請け負うと共に、「CC工務店」の電気工事を請け負っており、作業員Pは、これら塗装工事及び電気工事を担当しているものとする。すると、作業員Pについて、「BB工務店」を一次協力会社とする塗装工事を示す編成情報と、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を示す編成情報とがメニューとして表示される。
【0019】
本実施形態において、作業員Pは、これら2つの編成情報のうち、当日に行ういずれかの作業に該当する選択肢を選択する。ここでは、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を示す編成情報が選択されたものとする。
すると、作業員Pについて、入退場情報管理サーバ20に、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を選択した結果が送信され、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を示す編成情報に対応付けて、作業員Pの入場日時が記録される。
また、当日に作業員Pが自身の識別情報を再びゲート端末30に読み取らせると、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を示す編成情報に対応付けて、作業員Pの退場日時が記録される。
【0020】
なお、例えば、作業員Pが、午前に「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を行い、午後に「BB工務店」を一次協力会社とする塗装工事を行う場合には、作業員Pが午前の入場時に、「CC工務店」を一次協力会社とする電気工事を示す編成情報を選択し、午前の作業終了後に、一旦、退場の記録を行うことで、午前の作業に関する入退場情報が入退場情報管理サーバ20に記録される。そして、作業員Pが午後の入場時に、「BB工務店」を一次協力会社とする塗装工事を示す編成情報を選択し、午後の作業終了時に、退場の記録を行うことで、午後の作業に関する入退場情報が入退場情報管理サーバ20に記録される。
作業員の入退場を検出する方法としては、ゲート端末30に識別情報を読み取らせることの他、GPS(Global Positioning System)等の測位システムによって、作業員(作業員が保有するスマートフォン等の測位端末)の位置を検出し、作業員がゲートを通過したことを入退場情報管理サーバ20が認識することも可能である。
【0021】
情報登録用サーバ40は、例えば、サーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、建設工事に関連する元請会社及び各協力会社に関する情報をデータベースに登録する。具体的には、情報登録用サーバ40は、元請会社及び各協力会社自体の属性を表す情報と、階層的な協力会社間の関係性を表す情報と、建設工事現場で作業を行う作業員の情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、作業員の立場(職長、班長等)、当該作業員の識別コード等)と、をデータベースに登録する。本実施形態において、元請会社及び各協力会社に関する情報は、それぞれの会社が自社の情報を情報登録用サーバ40にアップロードするものとする。なお、協力会社の情報については、上位の協力会社が下位の協力会社に関する情報を取りまとめて登録することとしてもよい。
また、情報登録用サーバ40は、元請用端末10から工事別作業員管理データの作成が指示された場合、当該建設工事に関連する協力会社毎に、工期内に現場で作業を行う作業員に関する情報を集約し、工事別作業員管理データを作成する。そして、情報登録用サーバ40は、作成した工事別作業員管理データを入退場情報管理サーバ20に送信する。
【0022】
システム管理用端末50は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成される。システム管理用端末50は、情報処理システム1全体を管理し、ユーザとして新たな元請会社あるいは協力会社を登録したり、情報処理システム1の運用のための処理を行ったりする。本実施形態において、システム管理用端末50は、入退場情報管理サーバ20にアクセスし、工事別作業員管理データに登録される作業員のリストを編集したり、作業員の建設現場における入退場の履歴に関する情報を修正したりする処理を実行可能となっている。なお、システム管理用端末50を元請用端末10と共通の端末として情報処理システム1を構成してもよい。
【0023】
協力会社用端末60は、例えば、PC等の情報処理装置によって構成され、各協力会社において使用される。協力会社用端末60は、情報登録用サーバ40に自社に関する情報を送信し、情報登録用サーバ40のデータベースに登録する。例えば、協力会社用端末60は、自社の属性を表す情報と、階層的な協力会社間の関係性を表す情報と、建設工事現場で作業を行う作業員の情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、作業員の立場(職長、班長等)、当該作業員の識別コード等)を情報登録用サーバ40に送信し、データベースに登録する。
【0024】
また、協力会社用端末60は、入退場情報管理サーバ20にアクセスし、自社に所属する作業員について、作業員の建設現場における入退場の履歴に関する情報を修正する処理を実行可能となっている。
【0025】
外部サーバ70は、例えば、サーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成される。外部サーバ70は、各種運用主体によって運用される種々の機能を有するサーバとすることができ、本実施形態における作業員の入退場の管理に関連する各種情報処理を行う。
例えば、外部サーバ70は、CCUS(Construction Career Up System)において就業履歴データを管理するサーバ等とすることができる。
なお、本実施形態において、外部サーバ70は、任意に設置されるものとする。
【0026】
ここで、本実施形態に係る情報処理システム1では、上述のように記録された入退場履歴において、修正の必要がある場合に、元請用端末10、システム管理用端末50あるいは協力会社用端末60から入退場情報管理サーバ20にアクセスすることで、事後的に入退場履歴のデータを修正することが可能となっている。
図5は、複数種類の作業に重複して入退場の履歴が記録されている作業員の一覧表示画面例を示す模式図である。
図5に示すように、ゲート端末30において、複数種類の作業のいずれかが選択されず、複数種類の作業全てにおいて入退場の履歴が記録された場合、複数種類の作業が区別できない状態で重複した入退場記録となることから、不適切なデータとなる。
【0027】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム1では、元請用端末10、システム管理用端末50あるいは協力会社用端末60から入退場情報管理サーバ20にアクセスすることで、事後的に入退場履歴のデータを修正することができる。
ここでは、
図5において、修正対象として、作業員「〇山二郎」のデータが選択されたものとする。
【0028】
図6は、複数種類の作業に重複して入退場の履歴が記録されている作業員の入退場履歴のデータを示す模式図である。
図6に示す例では、作業員「〇山二郎」が「YY組」に所属しており、「YY組」が「MM建設株式会社」の管理下で建築一式工事を行うと共に、「NN建設株式会社」の管理下で鉄筋加工組立工事を行う編成となっている。
なお、元請用端末10、システム管理用端末50あるいは協力会社用端末60から入退場情報管理サーバ20にアクセスして入退場履歴のデータの修正を行う場合、各端末装置を使用する主体に付与された権限に応じて、入退場履歴のデータを修正可能な範囲を異ならせることとしてもよい。例えば、協力会社用端末60からは、作業員の入退場日時のみを修正可能とする、元請用端末10からは、全てのデータを修正可能とするといった設定を行うことができる。
【0029】
このとき、作業員「〇山二郎」は、ゲート端末30が表示したメニュー画面において、「建築一式工事」の選択肢を選択する必要があったにもかかわらず、いずれの選択肢も選択しないまま入退場を記録したことから、「鉄筋加工組立工事」についても入退場が記録されており、複数種類の作業が区別できない状態で重複した入退場記録となっている。
図6に示す例において、「優先度」として表されているチェックボックスのうち、入退場の記録を残したい作業(入退場の記録を対応付ける作業)のチェックボックスを選択した状態として、「登録」ボタンを押すことで、入退場情報管理サーバ20において、作業員の入退場履歴のデータが修正され、チェックボックスを選択した方の作業についてのみ、入退場を行った状態に修正することができる。
【0030】
[ハードウェア構成]
次に、情報処理システム1における各装置のハードウェア構成を説明する。
情報処理システム1において、各装置はPC、サーバコンピュータ、タブレット端末あるいはスマートフォン等の情報処理装置によって構成され、その基本的構成は同様である。
【0031】
図7は、各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図7に示すように、各装置を構成する情報処理装置800は、CPU(Central Processing Unit)811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0032】
CPU811は、ROM812に記録されているプログラム、または、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、CPU811が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0033】
CPU811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818、ドライブ819及び撮像部820が接続されている。
【0034】
入力部815は、各種ボタン等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワーク80を介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0035】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
【0036】
なお、情報処理装置800が入退場情報管理サーバ20、情報登録用サーバ40あるいは外部サーバ70として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800がタブレット端末として構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。また、情報処理装置800におけるハードウェア構成は、上述の構成例以外にも、目的に応じて適宜変更することが可能であり、例えば、ドライブ819を備えない構成とすること等が可能である。
【0037】
[機能的構成]
次に、情報処理システム1における各装置の機能的構成について説明する。
[元請用端末10の構成]
図8は、元請用端末10の機能的構成を示すブロック図である。
図8に示すように、元請用端末10のCPU811においては、UI制御部111と、データ管理部112と、が機能する。
【0038】
UI制御部111は、元請会社の担当者が各協力会社への通知あるいは作業履歴の管理及び集計等の処理を行う際の各種入出力画面(以下、「UI画面」と称する。)の表示を制御する。例えば、UI制御部111は、工事別作業員管理データや作業員の入退場履歴のデータを修正するためのUI画面を表示する。
【0039】
データ管理部112は、当該建設工事に関連する協力会社に関する情報の情報登録用サーバ40への登録を管理(登録の有無及び内容の適否の管理等)する。また、データ管理部112は、工事別作業員管理データの作成を情報登録用サーバ40に指示する。
【0040】
[入退場情報管理サーバ20の構成]
図9は、入退場情報管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
図9に示すように、入退場情報管理サーバ20のCPU811においては、工事別作業員管理データ取得部211と、工事別作業員管理データ参照部212と、作業選択肢提示部213と、入退場情報取得部214と、データ加工処理部215と、が機能する。また、入退場情報管理サーバ20の記憶部817には、工事別作業員管理データベース(工事別作業員管理DB)221と、入退場履歴データベース(入退場履歴DB)222と、が形成される。
【0041】
工事別作業員管理DB221には、情報登録用サーバ40から送信された工事別作業員管理データが建設工事毎に記憶される。即ち、工事別作業員管理DB221には、建設工事に関連する協力会社毎の工事別作業員管理データが対応付けて記憶される。
【0042】
入退場履歴DB222には、ゲート端末30から送信された各作業員の建設現場への入場日時、退場日時、作業員が行った作業の種類及び作業を管理する協力会社等に関する各種情報が対応付けて記憶される。
【0043】
工事別作業員管理データ取得部211は、情報登録用サーバ40から送信された工事別作業員管理データを取得し、工事別作業員管理DB221に記憶する。
【0044】
工事別作業員管理データ参照部212は、ゲート端末30から作業員の識別情報が送信された場合に、工事別作業員管理DB221を参照し、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員であるか否かを判定する。そして、工事別作業員管理データ参照部212は、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員でなく、入場を承認しない場合、ゲート端末30にエラー情報(作業員の入場が許可されない旨の情報)を送信する。また、工事別作業員管理データ参照部212は、その作業員が当日の当該建設工事現場で作業を行う作業員である場合、さらに、その作業員が複数種類の作業を行う作業員であるか否かを判定する。工事別作業員管理データ参照部212は、その作業員が複数種類の作業を行う作業員でない場合、その作業員の入場を承認し、その作業員の入場が許可される旨の情報をゲート端末30に送信する。また、工事別作業員管理データ参照部212は、その作業員が複数種類の作業を行う作業員である場合、その作業員が行う複数種類の作業を工事別作業員管理DB221から抽出し、作業選択肢提示部213に出力する。そして、工事別作業員管理データ参照部212は、その作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューの選択結果が作業選択肢提示部213から入力されると、その作業員の入場を承認し、その作業員の入場が許可される旨の情報をゲート端末30に送信する。
【0045】
作業選択肢提示部213は、工事別作業員管理データ参照部212によって、識別情報が送信された作業員が行う複数種類の作業が抽出された場合に、抽出された複数種類の作業を選択するメニュー(作業の種類及び管理する一次協力会社名等)をゲート端末30に送信する。また、作業選択肢提示部213は、ゲート端末30から、その作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューの選択結果が送信された場合、その作業員の選択結果を工事別作業員管理データ参照部212及び入退場情報取得部214に出力する。
【0046】
入退場情報取得部214は、工事別作業員管理データ参照部212によって建設工事の現場への入場が承認された作業員について、入場日時の情報を取得し、入退場履歴DB222に記憶する。また、入退場情報取得部214は、複数種類の作業を選択するメニューの選択結果が送信された場合、その作業員について、入場日時の情報を取得し、選択された作業の種類及び当該作業を管理する協力会社と共に、入退場履歴DB222に記憶する。さらに、入退場情報取得部214は、入場が記録されている作業員の識別情報が送信された場合、その作業員が退場するものとして、入退場履歴DB222に退場日時を記録する。
【0047】
データ加工処理部215は、元請用端末10、情報登録用サーバ40、システム管理用端末50、協力会社用端末60あるいは外部サーバ70向けに作業員の入退場履歴のデータを提供する要求が行われた場合に、各提供先に応じて定義されている提供情報の設定に従って、作業員の入退場履歴のデータを加工する(一部を削除する、あるいは、数値を集計する等)。そして、データ加工処理部215は、加工したデータ(提供先別データ)を各提供先に提供する。
【0048】
[ゲート端末30の構成]
図10は、ゲート端末30の機能的構成を示すブロック図である。
図10に示すように、ゲート端末30のCPU811においては、UI制御部311と、識別情報取得部312と、入場承認要求部313と、が機能する。
UI制御部311は、ゲート端末30において、作業員が建設工事の現場に入退場する際の入出力画面(UI画面)の表示を制御する。例えば、UI制御部311は、作業員が自身の識別情報をゲート端末30に読み取らせた場合に、入場が許可されるか否かを示す情報、あるいは、複数種類の作業を選択するメニュー画面等を表示する。
また、UI制御部311は、複数種類の作業を選択するメニュー画面を表示した場合に、作業者による選択肢の選択を受け付ける。
【0049】
識別情報取得部312は、ゲート端末30に備えられた撮像部820によって作業員の識別情報(2次元コード等)を読み取り、読み取った識別情報を入場承認要求部313に出力する。
入場承認要求部313は、識別情報取得部312が読み取った識別情報を入退場情報管理サーバ20に送信し、作業員の入場に関する承認を要求する。また、入場承認要求部313は、入退場情報管理サーバ20から送信された作業員の承認結果または複数種類の作業を選択するメニューを受信し、UI制御部311に送信する。さらに、入場承認要求部313は、複数種類の作業を選択するメニュー画面において、いずれかの作業の選択が行われた場合に、選択結果を入退場情報管理サーバ20に送信する。
なお、ここでは、入場承認要求部313が入退場情報管理サーバ20に作業員の識別情報を送信し、その承認結果を受信することで、作業員の承認を行うものとするが、ゲート端末30に工事別作業員管理DB221に相当するデータを記憶しておき、ゲート端末30において作業員の承認を行うことも可能である。
【0050】
[情報登録用サーバ40の構成]
図11は、情報登録用サーバ40の機能的構成を示すブロック図である。
図11に示すように、情報登録用サーバ40のCPU811においては、登録情報取得部411と、データベース管理部412と、工事別作業員管理データ作成部413と、が機能する。また、情報登録用サーバ40の記憶部817には、建設工事関連会社データベース(建設工事関連会社DB)421が形成される。
【0051】
建設工事関連会社DB421には、建設工事毎に、当該建設工事に関連する会社(元請会社及び協力会社)に関する情報が記憶される。建設工事に関連する会社に関する情報には、元請会社及び各協力会社自体の属性を表す情報と、階層的な協力会社間の関係性を表す情報と、建設工事現場で作業を行う作業員の情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、作業員の立場(職長、班長等)、当該作業員の識別コード等)と、が含まれている。
【0052】
登録情報取得部411は、建設工事に関連する会社に関する情報として、元請会社及び各協力会社の属性を表す情報と、建設工事における元請会社及び各協力会社の階層的な関係性を表す情報と、建設工事現場で作業を行う作業員の情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、作業員の立場(職長、班長等)、当該作業員の識別コード等)と、を取得する。建設工事に関連する会社に関する情報は、例えば、それぞれの会社が自社の情報をアップロードすることで、情報登録用サーバ40において取得される。
データベース管理部412は、登録情報取得部411によって取得された建設工事に関連する会社に関する情報を、建設工事を識別する情報(工事名称等)と対応付けて、建設工事関連会社DB421に記憶する。なお、建設工事関連会社DB421に記憶された建設工事に関連する会社に関する情報は、元請用端末10(担当者)において内容が管理されている。
【0053】
工事別作業員管理データ作成部413は、元請用端末10から工事別作業員管理データの作成が指示された場合に、工事別作業員管理データを作成する。
そして、工事別作業員管理データ作成部413は、作成した工事別作業員管理データを入退場情報管理サーバ20に送信する。
【0054】
[システム管理用端末50の構成]
図12は、システム管理用端末50の機能的構成を示すブロック図である。
図12に示すように、システム管理用端末50のCPU811においては、UI制御部511と、システム管理部512と、が機能する。
UI制御部511は、システム管理用端末50において、システムの管理を行う担当者が各種処理を行う際の入出力画面(UI画面)の表示を制御する。例えば、UI制御部511は、ユーザとして新たな元請会社あるいは協力会社を登録する処理のための表示画面や、情報処理システム1の運用に関する各種表示画面を表示する。また、UI制御部511は、工事別作業員管理データに登録される作業員のリストを編集したり、作業員の建設現場における入退場履歴のデータを修正したりする処理のための表示画面を表示する。
【0055】
システム管理部512は、情報処理システム1の機能及び運用等に関する各種管理を実行する。例えば、システム管理部512は、入退場情報管理サーバ20の稼動状態を監視し、ゲート端末30からのアクセスに対して適切な応答を返していない場合に、UI制御部511等を介して、システムの管理を行う担当者にアラートを通知する。
【0056】
[協力会社用端末60の構成]
図13は、協力会社用端末60の機能的構成を示すブロック図である。
図13に示すように、協力会社用端末60のCPU811においては、UI制御部611と、データ管理部612と、が機能する。
【0057】
UI制御部611は、協力会社の担当者が自社に関する情報を情報処理システム1に登録する際の各種入出力画面(UI画面)の表示を制御する。例えば、UI制御部611は、自社の属性を表す情報、建設工事における自社の階層的な関係性を表す情報、及び、建設工事現場で作業を行う作業員の情報(所属会社、氏名、担当する作業内容、作業員の立場(職長、班長等)、当該作業員の識別コード等)を登録するためのUI画面を表示する。また、UI制御部611は、自社に所属する作業員について、作業員の建設現場における入退場の履歴に関する情報を修正するためのUI画面を表示する。
【0058】
データ管理部612は、自社に関する情報(自社の属性を表す情報、建設工事における自社の階層的な関係性を表す情報、及び、建設工事現場で作業を行う作業員の情報)を管理する。また、データ管理部612は、UI制御部611を介して、自社に関する情報を情報登録用サーバ40に登録する指示が行われた場合に、自社に関する情報を情報登録用サーバ40に送信し、情報登録用サーバ40の建設工事関連会社DB421に登録する。
【0059】
[動作]
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
[工事別作業員管理データ作成処理]
図14は、情報登録用サーバ40が実行する工事別作業員管理データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
工事別作業員管理データ作成処理は、元請用端末10から工事別作業員管理データの作成が指示されることを契機として実行される。
工事別作業員管理データ作成処理が開始されると、ステップS1において、情報登録用サーバ40の工事別作業員管理データ作成部413は、建設工事関連会社DB421から対象となる建設工事に関連する協力会社の作業員の情報を抽出する。
【0060】
ステップS2において、工事別作業員管理データ作成部413は、協力会社毎に工事別作業員管理データを作成する。
ステップS3において、工事別作業員管理データ作成部413は、対象となる建設工事に関連する協力会社の工事別作業員管理データを対応付ける。
ステップS4において、工事別作業員管理データ作成部413は、対応付けた工事別作業員管理データを入退場情報管理サーバ20に送信する。
ステップS4の後、工事別作業員管理データ作成処理は終了する。
【0061】
このような処理により、建設工事に関する情報を統合的に管理している情報登録用サーバ40が保有する情報を基に、建設工事の現場における作業員の入退場を管理するための工事別作業員管理データを自動的に作成することができる。
【0062】
[入退場管理処理]
図15は、情報処理システム1が実行する入退場管理処理の流れを示すフローチャートである。
入退場管理処理は、情報処理システム1の稼動と共に実行される。
入退場管理処理が開始されると、ステップS11において、ゲート端末30の識別情報取得部312は、作業員の識別情報を読み取る。
ステップS12において、ゲート端末30の入場承認要求部313は、読み取られた作業員の識別情報を入退場情報管理サーバ20に送信する。
【0063】
ステップS13において、入退場情報管理サーバ20の工事別作業員管理データ参照部212は、識別情報によって示される作業員が工事別作業員管理DB221に登録されているか否かの判定を行う。
識別情報によって示される作業員が工事別作業員管理DB221に登録されていない場合、ステップS13においてNOと判定されて、処理はステップS14に移行する。
一方、識別情報によって示される作業員が工事別作業員管理DB221に登録されている場合、ステップS13においてYESと判定されて、処理はステップS16に移行する。
ステップS14において、入退場情報管理サーバ20の工事別作業員管理データ参照部212は、エラー情報(作業員の入場が許可されない旨の情報)をゲート端末30に送信する。
【0064】
ステップS15において、ゲート端末30のUI制御部311は、作業員の入場が許可されない旨の情報が表示する。これにより、作業員は建設工事の現場への入場を拒絶される。
ステップS15の後、入退場管理処理が繰り返される。
ステップS16において、入退場情報管理サーバ20の入退場情報取得部214は、識別情報によって示される作業員の入場記録があるか否かの判定を行う。
識別情報によって示される作業員の入場記録がない場合、ステップS16においてNOと判定されて、処理はステップS18に移行する。
一方、識別情報によって示される作業員の入場記録がある場合、ステップS16においてYESと判定されて、処理はステップS17に移行する。
【0065】
ステップS17において、入退場情報管理サーバ20の入退場情報取得部214は、識別情報によって示される作業員の退場日時を記録する。
ステップS17の後、入退場管理処理が繰り返される。
ステップS18において、入退場情報管理サーバ20の工事別作業員管理データ参照部212は、識別情報によって示される作業員が複数種類の作業を行う作業員であるか否かの判定を行う。
識別情報によって示される作業員が複数種類の作業を行う作業員でない場合、ステップS18においてNOと判定されて、処理はステップS19に移行する。
一方、識別情報によって示される作業員が複数種類の作業を行う作業員である場合、ステップS18においてYESと判定されて、処理はステップS20に移行する。
【0066】
ステップS19において、入退場情報管理サーバ20の入退場情報取得部214は、識別情報によって示される作業員の入場日時を記録する。
ステップS19の後、入退場管理処理が繰り返される。
ステップS20において、入退場情報管理サーバ20の作業選択肢提示部213は、識別情報によって示される作業員が行う複数種類の作業を選択するメニューをゲート端末30に送信する。
ステップS21において、ゲート端末30のUI制御部311は、複数種類の作業を選択するメニュー画面を表示する。
【0067】
ステップS22において、ゲート端末30のUI制御部311は、複数種類の作業を選択するメニュー画面に対する作業員による選択を受け付ける。
ステップS23において、ゲート端末30の入場承認要求部313は、作業員による選択結果を入退場情報管理サーバ20に送信する。
ステップS24において、入退場情報管理サーバ20の入退場情報取得部214は、選択結果が送信された作業員について、作業の種類と共に入場日時を記録する。
ステップS24の後、入退場管理処理が繰り返される。
【0068】
このような処理により、建設工事の現場への作業員の入場の可否及び入退場日時を管理することができると共に、複数種類の作業を行う作業員についても、当日に行う作業の種類を適切に区分して、作業の種類に適合した入退場日時を管理することができる。
【0069】
[提供先別データ作成処理]
図16は、入退場情報管理サーバ20が実行する提供先別データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
提供先別データ作成処理は、作業員の入退場履歴のデータを提供する要求を受信することに対応して実行される。
提供先別データ作成処理が開始されると、ステップS31において、入退場情報管理サーバ20のデータ加工処理部215は、入退場履歴のデータを提供する要求を受け付ける。
ステップS32において、データ加工処理部215は、入退場履歴のデータを提供する要求に関連する作業員の入退場履歴のデータを入退場履歴DB222から抽出する。
ステップS33において、データ加工処理部215は、作業員の入退場履歴のデータの提供先に応じた設定に従って、入退場履歴のデータを加工する(一部を削除する、あるいは、数値を集計する等)。
ステップS34において、データ加工処理部215は、作業員の入退場履歴のデータを提供する要求を行った提供先に提供先別データを送信する。
【0070】
このような処理により、情報処理システム1において適切に管理されている作業員の入退場履歴のデータを基に、各提供先に応じて定義されている提供情報の設定に従った内容の提供先別データを提供することができる。
そのため、作業員の正確な就業履歴等が必要な場合に、信頼性の高いデータを提供することができる。
【0071】
[変形例1]
上述の実施形態において、複数種類の作業を行う作業員がゲート端末30に識別情報を読み取らせた際に、複数種類の作業のいずれかを選択するメニュー画面を表示する例について説明したが、これに限られない。
例えば、メニュー画面において、2種類以上の作業を選択する場合に、いずれか1つを選択する選択肢に加え、2つ以上の作業を組み合わせた選択肢を用意し、作業員が実際に行う作業に応じて、いずれか1種類の作業または複数種類の作業を選択できるものとしてもよい。
これにより、作業員が実際に行う作業の種類に適合する選択を容易に行うことができる。
また、このとき、午前及び午後等の時間の区分毎に複数種類の作業が設定された選択肢を作業の種類の組み合わせの数だけ用意し、選択肢として表示することとしてもよい。
これにより、時間の区分に適合した作業の種類を容易に選択することが可能となる。
【0072】
[変形例2]
上述の実施形態において、作業員の識別情報として、IDカードに記載された2次元コードあるいはスマートフォンのアプリが表示した2次元コード等を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。
例えば、作業員の顔、指紋あるいは虹彩等の生体情報を作業員の識別情報として用いることが可能である。
この場合、作業員は2次元コードを表すIDカードやスマートフォン等の物品を所持する必要がないため、建設工事の現場に入退場する際の承認のための手間を軽減することができる。
【0073】
[変形例3]
上述の実施形態において、複数種類の作業を行う作業員がメニュー画面に表示された選択肢を選択する場合、選択肢を選択するための操作方法として、メニュー画面のタッチやボタンあるいはキーの押下等を用いることの他、作業員のジェスチャーによって選択肢を選択することができる。
例えば、ゲート端末30において、作業員の顔を撮像することによって生体認証を行い、複数種類の作業を行う作業員については、表示された複数の選択肢のうち、画面上で目的とする選択肢が位置する方向に顔を向けることで、その選択肢を選択する操作方法とすることができる。
作業員のジェスチャーによって選択肢を選択する操作方法とした場合、両手に作業道具を持っている状況、作業によって手が汚れている状況あるいは感染症対策が求められる状況等、機器に触れることが困難な状況において、適切に選択肢を選択することが可能となる。
【0074】
[変形例4]
上述の実施形態において、複数種類の作業を選択するメニューの中で、優先して表示する作業の種類を設定することとしてもよい。例えば、作業員がスマートフォンに識別情報を表示するためのアプリをインストールする際に、作業員自身が行う複数種類の作業のうち、優先して表示するもの(最上覧に表示するもの、他の選択肢よりも拡大して表示するもの等)を設定することができる。
これにより、作業員自身が選択する頻度が高いと判断した選択肢等を優先して表示することができ、選択肢を選択する際の利便性を向上させることができる。
【0075】
[変形例5]
上述の実施形態において、入退場管理処理では、ステップS11で作業員の識別情報を読み取り、識別情報によって示される作業員が複数種類の作業を行う作業員である場合に、ステップS21で複数種類の作業を選択するメニュー画面を表示し、ステップS22で複数種類の作業を選択するメニュー画面に対する作業員による選択を受け付けるものとしたが、これに限られない。
例えば、作業員が自身の識別情報を読み取らせる際に、複数種類の作業のいずれを行うかを選択する情報を併せて入力し、メニュー画面に対する作業員による選択を省略することができる。
一例として、複数種類の作業に対応する識別情報(2次元コード等)を作業員が保有しておき、当日に実行するいずれかの種類の作業に対応する識別情報を作業員がゲート端末30に読み取らせることができる。この場合、各2次元コードが識別情報及び複数種類の作業のいずれかを選択する情報としての意義を有するものとなる。
【0076】
また、複数種類の作業それぞれに対応するゲート端末30を設置しておき、当日に実行するいずれかの種類の作業に対応するゲート端末30に作業員が識別情報を読み取らせることができる。この場合、識別情報を読み取ったゲート端末30を示す情報(装置の名称、MACアドレス、IPアドレス等、ゲート端末30を一意に識別する情報)が複数種類の作業のいずれかを選択する情報としての意義を有するものとなる。
さらに、生体認証を行う場合の生体認証情報を複数種類の作業と対応付けておき、作業員が、当日に実行するいずれかの種類の作業に対応する生体認証を行うことができる。例えば、作業員が右を向いた顔(即ち、顔の左側面)と左を向いた顔(即ち、顔の右側面)を生体認証情報としてそれぞれ登録しておき、当日に実行するいずれかの種類の作業に対応する顔の向きで生体認証を行うことにより、複数種類の作業のいずれかを選択することができる。この場合、各生体認証情報が識別情報及び複数種類の作業のいずれかを選択する情報としての意義を有するものとなる。
また、生体認証を行う場合に、生体認証情報を識別情報とすると共に、生体認証を行う際のジェスチャーによって、複数種類の作業のいずれかを選択することも可能である。例えば、顔認証を行うことによって作業員を識別する場合に、作業員が右を向くジェスチャーと、左を向くジェスチャーとで、複数種類の作業のいずれかを選択することができる。この場合、生体認証情報が識別情報としての意義を有すると共に、ジェスチャーを表す情報が複数種類の作業のいずれかを選択する情報としての意義を有するものとなる。
【0077】
[変形例6]
上述の実施形態において、同一の作業員が複数種類の作業を行う場合の編成例として、
図2に示すように、同一の作業員が1つの協力会社に所属し、編成における上位の協力会社(一次協力会社)が異なる条件の下で、異なる技術内容の作業を行う場合について説明したが、これに限られない。
即ち、同一の協力会社において、技術内容が異なる複数種類の作業を行う場合もあり、作業員が同一の協力会社の中で、複数種類の作業を行う場合も本発明の適用対象となる。
また、編成における上位の協力会社が同一であっても、作業を担当する協力会社の編成における次数が異なる場合もあり(塗装工事においては2次協力会社であり、電気工事においては3次協力会社である場合等)、この場合も作業員は複数種類の作業を行うことになるため、本発明の適用対象となる。
さらに、同一の作業員が複数の協力会社に所属している場合もあり、この場合も作業員が複数種類の作業を行うことになるため、本発明の適用対象となる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1は、入退場情報管理サーバ20と、ゲート端末30と、を備える。入退場情報管理サーバ20は、工事別作業員管理DB221と、工事別作業員管理データ参照部212と、入退場情報取得部214と、作業選択肢提示部213と、データ加工処理部215と、を備える。ゲート端末30は、識別情報取得部312と、UI制御部311と、入場承認要求部313と、を備える。
工事別作業員管理DB221は、建設工事に携わる作業員の情報を記憶する。
識別情報取得部312は、建設工事の現場に設置され、作業員を識別する識別情報を取得する。
工事別作業員管理データ参照部212は、識別情報によって識別される作業員の情報が工事別作業員管理DB221に記憶されているか否かを判定する。
UI制御部311は、工事別作業員管理データ参照部212による判定結果に基づく入場の可否を示す情報をUI画面に表示する。
入退場情報取得部214は、工事別作業員管理データ参照部212によって、工事別作業員管理DB221に識別情報が記憶されていると判定された作業員の建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、作業属性が異なる複数種類の作業を行う作業員について、当該作業員によって選択された作業の種類を入退場日時と共に履歴情報として記録する。
これにより、建設工事の現場への作業員の入場の可否及び入退場日時を管理することができると共に、複数種類の作業を行う作業員についても、当日に行う作業の種類を適切に区分して、作業の種類に適合した入退場日時を管理することができる。
したがって、建設工事の現場における作業員の入退場をより正確に管理することができる。
【0079】
作業選択肢提示部213は、工事別作業員管理DB221に識別情報が記憶されていると判定された作業員において、複数種類の作業を行う作業員に対し、当該複数種類の作業を選択する選択肢を表示するための情報をUI制御部311に送信する。
入場承認要求部313は、UI制御部311(UI画面)に表示された選択肢の選択結果を取得する。
入退場情報取得部214は、工事別作業員管理データ参照部212によって、工事別作業員管理DB221に識別情報が記憶されていると判定された作業員の建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、複数種類の作業を行う作業員について、選択された選択肢に対応する作業の種類を入退場日時と共に履歴情報として記録する。
これにより、作業員に対し、複数種類の作業を選択する選択肢を表示し、作業員による作業の種類の選択を受け付けることができる。
【0080】
複数種類の作業は、建設工事において異なる協力会社によって管理される作業である。
入退場情報取得部214は、複数種類の作業を行う作業員について、選択された選択肢に対応する作業の種類及び当該作業を管理する協力会社を入退場日時と共に記録する。
これにより、複数種類の作業を行う作業員についても、当日に行う作業の種類を適切に区分して、作業の種類に適合した入退場日時を管理することができる。
【0081】
作業選択肢提示部213は、複数種類の作業を選択する選択肢として、当該複数種類の作業のいずれかを選択する選択肢を表示するための情報をUI制御部311に送信する。
これにより、作業員は、自らが行う作業の種類を簡単に選択することができる。
【0082】
作業選択肢提示部213は、複数種類の作業を選択する選択肢として、当該複数種類の作業のうち、いずれかを選択する選択肢及び2種類以上の作業を選択する選択肢を表示するための情報をUI制御部311に送信する。
これにより、作業員が実際に行う作業の種類に適合する選択を容易に行うことができる。
【0083】
識別情報取得部312は、建設工事の現場に入退場する作業員を識別する識別情報及び作業員が行う複数種類の作業のいずれかを予め選択するための情報を取得する。
入退場情報取得部214は、識別情報取得部312によって建設工事の現場に入退場する作業員を識別する識別情報及び作業員が行う複数種類の作業のいずれかを予め選択するための情報が取得された場合、作業員の建設工事の現場における入退場日時を履歴情報として記録すると共に、選択された作業の種類を入退場日時と共に履歴情報として記録する。
これにより、複数種類の作業を選択する選択肢を作業員に提示し、作業員が選択肢を選択する工程を省略することができる。
【0084】
作業選択肢提示部213は、複数種類の作業を選択する選択肢として、時間の区分毎に、当該複数種類の作業を選択する選択肢を表示するための情報をUI制御部311に送信する。
これにより、時間の区分に適合した作業の種類を容易に選択することが可能となる。
【0085】
入場承認要求部313は、作業員のジェスチャーを検出することによって、UI制御部311(UI画面)に表示された選択肢の選択結果を取得する。
これにより、機器に触れることが困難な状況において、適切に選択肢を選択することが可能となる。
【0086】
データ加工処理部215は、作業員の履歴情報の提供が要求された場合に、提供先に応じて定義されている提供情報の設定に従って、入退場情報取得部214が入退場履歴DB222に記録した作業員の履歴情報を加工し、提供先に応じて加工された作業員の履歴情報を当該提供先に提供する。
これにより、情報処理システム1において適切に管理されている作業員の入退場履歴のデータを基に、各提供先に応じて定義されている提供情報の設定に従った内容の提供先別データを提供することができる。
【0087】
入退場情報取得部214は、複数種類の作業を行う作業員について、選択された選択肢に対応する作業の種類及び当該作業の種類における当該作業員の立場を入退場日時と共に履歴情報として記録する。
これにより、作業員の正確な就業履歴等が必要な場合に、信頼性の高いデータを提供することができる。
【0088】
作業選択肢提示部213は、作業員による設定に従って、複数種類の作業を選択する選択肢のいずれかを優先して表示するための情報をUI制御部311に送信する。
これにより、作業員自身が選択する頻度が高いと判断した選択肢等を優先して表示することができ、選択肢を選択する際の利便性を向上させることができる。
【0089】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態における情報処理システム1のシステム構成は一例であり、情報処理システム1の機能が全体として実現されていれば、より多くのサーバに機能を分散して実装したりすることが可能である。また、情報処理システム1における複数の情報処理装置の機能をより少ない数の情報処理装置にまとめて実装することも可能であり、例えば、元請用端末10、システム管理用端末50及び協力会社用端末60等の端末装置の機能を1つの端末装置に実装することも可能である。さらに、ゲート端末30及び入退場情報管理サーバ20の機能を1つの装置に実装することも可能であり、この場合、情報処理システム1の主要な機能をスタンドアローン型の装置として実現することができる。
また、上述の実施形態における情報処理システム1は、クラウドサーバを利用してクラウドシステムとして実現することや、オンプレミスサーバを利用してオンプレミスシステムとして実現することが可能であり、これらの組み合わせで実現することも可能である。
【0090】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の実施形態における機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム1を構成するいずれかのコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に示した例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0091】
また、上述した一連の処理を実行するためのプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0092】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理システム、10 元請用端末、20 入退場情報管理サーバ、30 ゲート端末、40 情報登録用サーバ、50 システム管理用端末、60 協力会社用端末、70 外部サーバ、80 ネットワーク、800 情報処理装置、811 CPU、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア、111,311,511,611 UI制御部、112,612 データ管理部、211 工事別作業員管理データ取得部、212 工事別作業員管理データ参照部、213 作業選択肢提示部、214 入退場情報取得部、215 データ加工処理部、221 工事別作業員管理データベース(工事別作業員管理DB)、222 入退場履歴データベース(入退場履歴DB)、312 識別情報取得部、313 入場承認要求部、411 登録情報取得部、412 データベース管理部、413 工事別作業員管理データ作成部、421 建設工事関連会社データベース(建設工事関連会社DB)、512 システム管理部