(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128939
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】圃場登録支援方法、圃場登録支援システムおよび圃場登録支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002237
(22)【出願日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2023037228
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
(57)【要約】
【課題】圃場登録処理を効率よく支援する。
【解決手段】圃場登録支援方法は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意すること(S1)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納する外部データベース(7)に対して、複数の圃場のうち、複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報の要求を行うこと(S1)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、要求に応じて取得された圃場ポリゴン情報が表す候補圃場のうち、作業装置が抽出圃場内に存在したと判定される候補圃場の圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力すること(S3)を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記位置情報を提供することと、
前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出圃場情報として抽出することと、
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圃場登録支援方法において、
前記抽出圃場情報のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内で作業をしたと判定される圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力すること、
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項3】
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うことと、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力することと、
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載の圃場登録支援方法において、
前記用意することは、
互いに異なる複数の時期のそれぞれに行なわれた複数の前記移動で測定された複数の前記位置情報を用意すること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項5】
請求項4に記載の圃場登録支援方法において、
前記複数の位置情報は、
過去の複数年にわたって複数の前記作業装置によって測定された複数の前記位置情報
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか一項に記載の圃場登録支援方法において、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報を登録する操作を受け付けること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載の圃場登録支援方法において、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報を修正する操作を受け付けること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載の圃場登録支援方法において、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記移動をしながら作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記圃場を占める面積比が所定の比率閾値を上回る前記作業領域を抽出すること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項9】
請求項7に記載の圃場登録支援方法において、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記移動をしながら作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記作業領域が前記圃場を占める面積比が所定の比率閾値以下であるときに警告を出力すること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載の圃場登録支援方法において、
前記修正する操作を受け付けることは、
前記圃場ポリゴン情報が表す圃場ポリゴンを、前記作業領域を含む第1圃場ポリゴンと、前記圃場ポリゴンから前記第1圃場ポリゴンを除いた第2圃場ポリゴンとに分割する操作を受け付けること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項11】
請求項3に記載の圃場登録支援方法において、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記移動をしながら作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記作業領域を少なくとも部分的に含む前記抽出圃場を表す前記圃場ポリゴン情報を表示すること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項12】
請求項11に記載の圃場登録支援方法において、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報としての前記圃場ポリゴン情報を、前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場の前記範囲のうち、前記作業領域が占める割合に応じた度合いで強調して表示すること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の圃場登録支援方法において、
前記位置情報と前記圃場ポリゴン情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記複数の測位点のうち、前記圃場内に存在する測位点の総数が、所定の閾値総数より多いこと
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項14】
請求項11または12に記載の圃場登録支援方法において、
前記位置情報と前記圃場ポリゴン情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記作業装置が前記圃場内に滞在した時間が、所定の閾値時間より長いこと
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項15】
請求項11または12に記載の圃場登録支援方法において、
前記用意することは、
前記複数の測位点のそれぞれにおいて前記作業装置が行った前記作業の種類を表す稼働情報を用意すること
を含み、
前記位置情報と、前記圃場ポリゴン情報と、前記稼働情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記作業装置が前記圃場内で行った前記作業の種類が、所定の作業種類群に含まれること
を含む
圃場登録支援方法。
【請求項16】
請求項11または12に記載の圃場登録支援方法において、
前記用意することは、
前記位置情報に基づいて、前記作業領域を含む判定範囲を表す判定範囲情報を生成すること
をさらに含み、
前記要求することは、
前記外部データベースにおいて、前記複数の圃場のうち、前記複数の圃場のそれぞれの内側に設定されている代表点が前記判定範囲に含まれる圃場の前記圃場ポリゴン情報を要求すること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項17】
請求項2に記載の圃場登録支援方法において、
用意した前記位置情報に基づいて前記データベースから得られた前記抽出圃場情報が、過去に登録された前記登録候補圃場情報と一致するとき、一致した前記抽出圃場情報が表す圃場を、実績圃場として記録すること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項18】
請求項17に記載の圃場登録支援方法において、
前記実績圃場ごとに前記作業装置が行った作業の内容を記録すること
をさらに含む
圃場登録支援方法。
【請求項19】
請求項1に記載の圃場登録支援方法において、
前記データベースは、前記データベースの外部から取得されたデータに基づいて生成された前記圃場ポリゴン情報を含む
圃場登録支援方法。
【請求項20】
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意するデータ取得部と、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出圃場情報として出力するように、前記位置情報を提供する通信装置と、
を備える
圃場登録支援システム。
【請求項21】
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意し、複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うデータ取得部と、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力する出力部と、
を備える
圃場登録支援システム。
【請求項22】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための圃場登録支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記位置情報を提供することと、
前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出候補圃場情報として出力することと、
を含む
圃場登録支援プログラム。
【請求項23】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための圃場登録支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うことと、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力することと、
を含む
圃場登録支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圃場登録支援方法、圃場登録支援システムおよび圃場登録支援プログラムに関し、例えば、圃場の位置および範囲を登録する処理の支援に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
農作業を行う対象である圃場の位置および範囲を表す圃場情報を、圃場の管理者などがデータ上に登録するための処理を効率化する需要がある。このような圃場登録処理は、特に、複数の圃場の状態を管理する上で重要であるが、それぞれの圃場の位置および範囲を精度よく測定してデータ上に登録する処理は煩雑となる場合がある。
【0003】
上記に関連して、特許文献1(特許第6773523号公報)には、圃場登録システムに係る発明が開示されている。この圃場登録システムでは、注目している圃場に進入した作業車両が作業を行いながら移動した移動軌跡と、この圃場が存在する地域の地図情報とを照合し、作業車両が圃場内に滞在した時間が所定の閾値時間より長いと判定された場合に、この圃場をサーバなどに登録することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明では、注目している圃場と、圃場に接する道路や畦などとの境界を、地図情報に画像処理を施して抽出する、という比較的複雑な作業を行う。
【0006】
上記状況に鑑み、本開示は、圃場登録処理を効率よく支援するための圃場登録支援方法、圃場登録支援システムおよび圃場登録支援プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
一実施の形態によれば、圃場登録支援方法は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意すること(S1A)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納するデータベース(7)に対して、位置情報を提供すること(S1B)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、抽出圃場情報として抽出すること(S1C)を含む。
【0009】
一実施の形態によれば、圃場登録支援方法は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意すること(S1)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納する外部データベース(7)に対して、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)の要求を行うこと(S1)を含む。圃場登録支援方法は、さらに、要求に応じて取得された圃場ポリゴン情報(90)が表す抽出圃場のうち、作業装置(2)が抽出圃場内に存在したと判定される抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、登録候補圃場情報として出力すること(S3)を含む。
【0010】
一実施の形態によれば、圃場登録支援システム(1)は、データ取得部(521)と、通信装置(54)と、を備える。データ取得部(521)は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意する。通信装置(54)は、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納するデータベース(7)に対して、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、抽出圃場情報として出力するように、位置情報(80)を提供する。
【0011】
一実施の形態によれば、圃場登録支援システム(1)は、データ取得部(521)と、出力部(523)と、を備える。データ取得部(521)は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意し、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納する外部データベース(7)に対して、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)の要求を行う。出力部(523)は、要求に応じて取得された圃場ポリゴン情報(90)が表す抽出圃場のうち、作業装置(2)が抽出圃場内に存在したと判定される抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、登録候補圃場情報として出力する。
【0012】
一実施の形態によれば、圃場登録支援プログラムは、演算装置(52)に実行させることによって所定の処理を実現するためのものである。この処理は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意すること(S1A)を含む。この処理は、さらに、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納するデータベース(7)に対して、位置情報を提供すること(S1B)を含む。この処理は、さらに、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、抽出圃場情報として抽出すること(S1C)を含む。
【0013】
一実施の形態によれば、圃場登録支援プログラムは、演算装置(52)に実行させることによって所定の処理を実現するためのものである。この処理は、作業装置(2)が移動を開始してから移動を終了するまで通過した複数の測位点(8)のそれぞれで位置を測定した位置情報(80)を用意すること(S1)を含む。この処理は、さらに、複数の圃場(9)の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報(90)を格納する外部データベース(7)に対して、複数の圃場(9)のうち、複数の測位点(8)のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)の要求を行うこと(S1)を含む。この処理は、さらに、要求に応じて取得された圃場ポリゴン情報(90)が表す抽出圃場のうち、作業装置(2)が抽出圃場内に存在したと判定される抽出圃場の圃場ポリゴン情報(90)を、登録候補圃場情報として出力すること(S3)を含む。
【発明の効果】
【0014】
一実施の形態によれば、圃場登録処理を効率よく支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態による圃場登録支援システムの一構成例を表す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による圃場登録支援装置の一構成例を表すブロック回路図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による圃場登録支援方法の処理の一構成例を表すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、圃場ポリゴン情報と、作業装置の位置情報との突合処理の一例について説明するための図である。
【
図4B】
図4Bは、圃場ポリゴン情報と、作業装置の位置情報との突合処理の一例について説明するための図である。
【
図4C】
図4Cは、候補圃場の表示の一例について説明するための図である。
【
図4D】
図4Dは、候補圃場の表示の一例について説明するための図である。
【
図4E】
図4Eは、候補圃場の分割登録処理の一例について説明するための図である。
【
図5A】
図5Aは、圃場ポリゴン情報と、作業装置の位置情報との突合処理の一例について説明するための図である。
【
図5B】
図5Bは、圃場ポリゴン情報と、作業装置の位置情報との突合処理の一例について説明するための図である。
【
図5C】
図5Cは、候補圃場の表示の一例について説明するための図である。
【
図5D】
図5Dは、候補圃場の表示の一例について説明するための図である。
【
図6A】
図6Aは、圃場ポリゴン情報と、作業装置の位置情報との突合処理の一例について説明するための図である。
【
図6B】
図6Bは、候補圃場の表示の一例について説明するための図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による圃場登録支援方法の処理の一構成例を表すフローチャートである。
【
図8】
図8は、一実施形態による稼働情報の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本開示による圃場登録支援方法、圃場登録支援システムおよび圃場登録支援プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0017】
(第1実施の形態)
図1に示すように、一実施形態による圃場登録支援システム1は、圃場登録支援装置5を備える。圃場登録支援システム1は、さらに、搭載端末3および/または外部端末6を含んでもよい。圃場登録支援システム1は、ネットワーク4を介して、外部データベース7に接続されている。
【0018】
搭載端末3は、作業装置2に搭載される。作業装置2は、圃場9で地上を移動しながら農作業を行うトラクターやコンバイン、野菜収穫機、田植機、移植機、播種機、スプレーヤ、搬送台車、トラックなどの作業装置を含む。作業装置2は、さらに、圃場9の上方を飛行しながら農作業を行うドローンなどを含んでもよい。
【0019】
外部端末6は、通信機能、表示機能および入力機能を有するスマートフォンやタブレット端末などを含んでもよい。
【0020】
圃場登録支援装置5と、搭載端末3と、外部端末6と、外部データベース7とは、ネットワーク4を介した無線通信および/または有線通信によって各種情報の送受信を行う。一例として、搭載端末3は、作業装置2が圃場9内での作業中などに移動しながら通過した複数の地点の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)などで測定した位置情報を、ネットワーク4を介して、圃場登録支援装置5へ送信する。このように位置を測定した地点は、測位点とも呼ばれる。圃場登録支援装置5は、受信した位置情報を記録する。記録された位置情報は、作業装置2が圃場9の外側を移動したときに通過した測位点の位置情報と、作業装置2が圃場9内で作業を行いながら移動したときに通過した測位点の位置情報とを含んでもよい。外部端末6は、圃場登録支援装置5が送信する情報を受信して、外部端末6を操作する使用者が目視などにより確認できるように出力する。外部データベース7は、圃場9が存在する地域に含まれる複数の圃場9の位置および/または範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納しており、圃場登録支援装置5からの要求に応じた圃場情報を提供する。
【0021】
図2に示すように、一実施形態による圃場登録支援装置5は、いわゆるコンピュータとして構成されてもよい。
図2の例において、圃場登録支援装置5は、バス51と、演算装置52と、記憶装置53と、通信装置54と、入出力装置55とを備える。バス51は、演算装置52、記憶装置53、通信装置54および入出力装置55の間の通信を実現するように構成されてもよい。
【0022】
演算装置52は、データ取得部521と、判定部522と、出力部523とを備える。記憶装置53は、プログラム記憶部531と、データ記憶部532とを備える。プログラム記憶部531は、圃場登録支援プログラムを記憶する。
【0023】
演算装置52は、圃場登録支援プログラムを実行することによって、データ取得部521、判定部522および出力部523のそれぞれの機能を実現する。データ取得部521、判定部522および出力部523のそれぞれは、演算装置52および記憶装置53が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。データ取得部521は、外部データベース7に圃場ポリゴン情報を要求して取得する。また、データ取得部521は、搭載端末3から位置情報を受信するなどして、作業装置2が圃場9内で通過した測位点の位置を表す位置情報を取得する。判定部522は、圃場ポリゴン情報が表す抽出圃場が、作業装置2が作業を行った圃場9の候補であるか否かを判定する。出力部523は、抽出圃場のうち、作業装置2が作業を行った圃場9の候補であると判定された候補圃場の圃場ポリゴン情報を、圃場9として登録する候補を表す登録候補圃場情報として出力する。これらの機能ブロックのより具体的な処理については、後述する。
【0024】
圃場登録支援プログラムは、外部の記録媒体530から読み出されてプログラム記憶部531に格納されてもよい。記録媒体530は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0025】
通信装置54は、ネットワーク4を介する無線通信および/または有線通信により、搭載端末3、外部端末6および外部データベース7を含む外部の装置との通信を行う。
【0026】
入出力装置55は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置55は、画像を出力する表示装置、入力を受け付けるキーボードおよび/またはマウスなどを含む。
【0027】
一例として、外部端末6も、演算装置と、記憶装置と、通信装置と、入出力装置とを備えるコンピュータとして構成されてもよい。入出力装置は、画像を出力する表示装置と、タッチ操作による入力を受け付けるタッチパッドとを一体化したタッチパネルを備えてもよい。
【0028】
図3のフローチャートを参照して、一実施形態による圃場登録支援方法の処理の一例について説明する。圃場登録支援方法の処理は、圃場登録支援装置5が起動するときに開始してもよい。このとき、圃場登録支援装置5の演算装置52が圃場登録支援プログラムを実行することによって、圃場登録支援方法の処理が実現される。
【0029】
図3のフローチャートの処理が開始すると、ステップS1が実行される。ステップS1において、
図2のデータ取得部521が圃場ポリゴン情報と位置情報を取得する。より詳細には、データ取得部521は、
図1の搭載端末3から、作業装置2が圃場9内で移動を開始してから該移動を終了するまで、所定の周期、例えば1分ごとに、複数の測位点で位置を測定した位置情報を受信する。受信された位置情報は、
図2のデータ記憶部532に格納されてもよい。データ記憶部532は、互いに異なる複数の時期のそれぞれに行った複数の移動で測定された複数の位置情報を蓄積してもよい。また、データ記憶部532は、複数の作業装置2によって測定された複数の位置情報を、過去の複数年にわたって蓄積してもよい。また、データ取得部521は、外部データベース7に、該圃場9を含む複数の圃場のそれぞれの位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報の要求を送信し、該要求に応じて外部データベース7が提供する圃場ポリゴン情報を受信する。受信された圃場ポリゴン情報は、
図2のデータ記憶部532に格納されてもよい。
【0030】
図3のステップS1の後、ステップS2が実行される。ステップS2において、
図2の判定部522が、圃場ポリゴン情報が条件を満たすか否かを判定する。一例として、この条件は、位置情報80に含まれる作業中測位点8Aのうち、該圃場ポリゴン情報が表す圃場内に存在する作業中測位点8Aの総数が、所定の閾値総数より多いときに満たされてもよい。判定部522は、ステップS1で取得された圃場ポリゴン情報のうち、条件を満たす圃場の圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として抽出する。ここで、判定部522は、ステップS1で取得された圃場ポリゴン情報のうち、条件を満たさずに、登録候補圃場情報として抽出されなかった残りの圃場ポリゴン情報を、データ記憶部532から削除してもよい。
【0031】
図3のステップS2の後、ステップS3が実行される。ステップS3において、
図2の出力部523が、登録候補圃場情報を出力する。一例として、出力部523は、ステップS2で抽出された登録候補圃場情報としての圃場ポリゴン情報を外部端末6へ送信する。外部端末6は、受信した登録候補圃場情報を、使用者が視認できるように表示する。
【0032】
一例として、外部端末6は、登録候補圃場情報が表す圃場を、該圃場が存在する地域の地図に重ね合わせて表示してもよい。外部端末6は、さらに、登録候補圃場情報が表す圃場と、作業領域とを重ね合わせて表示してもよい。
【0033】
外部端末6は、登録候補圃場情報を表示した後、登録候補圃場情報が表す圃場の位置および範囲を、作業装置2が作業を行った圃場9の位置および範囲として使用者が登録するための操作を受け付ける。このとき、外部端末6は、登録候補圃場情報が表す圃場の位置および範囲を使用者が修正するための操作を受け付けてもよい。使用者が行った修正および/または登録の操作の結果は、外部端末6から
図2の出力部523へ送信されて、データ記憶部532に格納される。
【0034】
図3のステップS3の後、
図3のフローチャートの処理は終了する。
【0035】
図4A~
図4Dを参照して、一実施形態による圃場登録支援方法の各ステップにおける処理の具体例について説明する。
【0036】
図4Aに示すように、
図3のステップS1で取得される位置情報80は、複数の測位点8のそれぞれの位置を表す。複数の測位点8を、それぞれの測位点8の位置を測定した測位時刻の順につなぐと、作業装置2が移動した移動軌跡が描かれる。測位点8は、作業装置2が圃場9内で行う作業を開始してから終了するまで通過した作業中測位点8Aと、作業装置2が該作業を開始する前および/または終了した後に通過した作業外測位点8Bとを含む。それぞれの測位点8において作業装置2が作業中であったか否かは、測位点8に対応する測位時刻における作業装置2の稼働状態を表す稼働情報に基づいて判定されてもよい。稼働情報は、位置情報と同様に、
図1の搭載端末3によって送信されて、
図2のデータ取得部521によって受信されてもよい。一例として、稼働情報は、刈り取り/脱穀クラッチの状態、植え付けクラッチの状態、PTO(Power Take Off:パワーテイクオフ)の回転数、作業機の昇降状態(昇降高さやリフト角度)、エンジン負荷率などを表す情報を含んでもよい。
【0037】
図4Aに示すように、
図3のステップS1で取得される圃場ポリゴン情報90は、複数の圃場の位置および範囲をそれぞれ表す複数の圃場ポリゴン90A、90B、90Cを表す情報を含んでもよい。圃場ポリゴン90A、90B、90Cのそれぞれは、圃場の境界を表す、両端が互いに接続された複数の線分で囲まれて閉じたポリゴン(多角形)である。圃場ポリゴン90A、90B、90Cのそれぞれを表す情報は、該複数の線分の両端に配置された複数の地点の座標情報と、該複数の地点を結ぶ順番を表す情報とを含んでもよい。
【0038】
図3のステップS1において、
図2のデータ取得部521は、外部データベース7に格納されている複数の圃場ポリゴン情報のうち、複数の作業中測位点8Aのいずれか1つを少なくとも含む圃場の圃場ポリゴン情報の要求を、外部データベース7に対して行う。外部データベース7は、該要求の条件を満たす圃場を抽出した抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、データ取得部521に送信する。データ取得部521は、抽出圃場の圃場ポリゴン情報を受信してデータ記憶部532に格納する。
【0039】
図4Aに示すように、圃場ポリゴン情報90と、位置情報80とを、座標が一致するように重ね合わせると、合成情報91が得られる。一例として、圃場ポリゴン情報90および位置情報80のそれぞれの座標は、緯度および経度の組み合わせであってもよい。
図4Aの例では、合成情報91において、作業中測位点8Aは、圃場ポリゴン90Bの内側に収まっており、残る圃場ポリゴン90A、90Cの内側には含まれていない。この場合、
図4Bに示すように、外部データベース7は、圃場ポリゴン90Bが境界を表す圃場を抽出圃場92として抽出し、抽出圃場92の圃場ポリゴン90Bを表す情報をデータ取得部521へ送信する。
【0040】
図3のステップS2において、
図2の判定部522が、ステップS1で取得された抽出圃場92の圃場ポリゴン90Bの内側に閾値総数より多い作業中測位点8Aが存在すると判定する。特に、
図4Bの例では、作業中測位点8Aの凸包として算出される作業領域801の全域が、圃場ポリゴン90Bの内側に存在している。その結果、
図2の判定部522は、圃場ポリゴン90Bを表す情報を登録候補圃場情報として抽出する。
【0041】
図3のステップS3において、
図2の出力部523が、ステップS2における判定の結果として抽出された登録候補圃場情報を外部端末6へ送信する。外部端末6は、
図4Cに示すように、登録候補圃場情報93としての圃場ポリゴン90Bと、圃場9のうち作業装置2が作業を行った作業領域801とを重ね合わせて表示してもよい。外部端末6は、前述したとおり、圃場ポリゴン90Bが表す圃場が存在する地域の地図をさらに重ね合わせて表示してもよい。また、外部端末6は、前述したとおり、使用者が登録候補圃場情報を修正したり登録したりするための操作を受け付けてもよい。
【0042】
前述したとおり、ステップS3の後、
図3のフローチャートの処理は終了する。
【0043】
(変形例:作業の種類による判定)
上述した実施形態では、
図3のステップS2における判定に用いる条件が、位置情報80に含まれる作業中測位点8Aのうち、圃場ポリゴン情報が表す圃場9内に存在する作業中測位点8Aの総数が、所定の閾値総数より多いことである場合の構成について説明した。この構成の変形例として、ステップS2の条件は、作業装置2が圃場9内に滞在した時間が、所定の閾値時間より長いときに満たされてもよい。また、別の変形例として、ステップS2の条件は、作業装置2が圃場9内で行った作業の種類が、所定の作業種類群に含まれるときに満たされてもよい。一例として、該作業種類群には、刈り取り、脱穀、植え付けなどが含まれてもよい。
【0044】
(変形例:作業領域が圃場を占める割合による判定)
上述した実施形態では、
図3のステップS2における判定に用いる条件が、位置情報80に含まれる作業中測位点8Aのうち、圃場ポリゴン情報が表す圃場9内に存在する作業中測位点8Aの総数が、所定の閾値総数より多いことである場合の構成について説明した。この構成の変形例として、ステップS2の条件は、作業領域801が圃場9を占める割合が所定の比率閾値を上回るときに満たされてもよい。該割合は、作業領域801の面積を圃場9の面積で除した面積比であってもよい。また、別の変形例として、割合による判定を、
図3のステップS2で行う代わりに、ステップS3で行ってもよい。この場合は、
図2の出力部523が、登録候補圃場として、圃場9を占める割合が所定の比率閾値を上回る作業領域801を抽出して出力してもよい。
【0045】
(変形例:強調表示)
上述した実施形態では、
図3のステップS3における出力として、圃場と作業領域とを重ね合わせて表示する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、外部端末6は、登録候補圃場情報を表示するとき、登録候補圃場情報が表す圃場のうち作業装置2が作業を行った作業領域が占める割合に応じた度合いで強調して表示してもよい。一例として、強調表示は、
図4Dに示すように、複数の段階で分けられた濃度や色などを用いた表示であってもよい。より詳細には、登録候補圃場情報94を作業領域が占める割合を算出し、該割合が含まれる数値範囲を求め、該数値範囲ごとに予め設定された段階の濃度や色などを用いて強調表示を行ってもよい。
【0046】
(変形例:圃場の分割登録)
上述した実施形態では、
図3のステップS3における出力処理において、使用者が登録候補圃場情報を修正したり登録したりするための操作を、出力部523または出力部523の制御下にある外部端末6が受け付ける場合の構成について説明した。この構成の変形例として、出力部523または外部端末6は、登録候補圃場の圃場ポリゴン90Bを、作業領域801を含む第1の圃場ポリゴンと、圃場ポリゴン90Bから第1の圃場ポリゴンを除いた第2圃場ポリゴンとに分割して登録するための、使用者による操作を受け付けてもよい。一例として、使用者は、
図4Eに示すように、圃場ポリゴン90Bを、作業領域801を含む第1の圃場ポリゴン90Dと、圃場ポリゴン90Bから第1の圃場ポリゴンを除いた第2の圃場ポリゴン90Eとに分割する操作を行い、その後、第1の圃場ポリゴン90Dの部分を圃場として登録してもよい。このとき、使用者は、さらに、第2の圃場ポリゴン90Eの部分を別の圃場として登録してもよい。出力部523または外部端末6は、圃場ポリゴン90Bを分割して登録する操作を使用者に促す処理を、作業領域801が圃場9を占める割合が所定の比率閾値以下であるときに行ってもよい。また、出力部523または外部端末6は、作業領域801が圃場9を占める割合が所定の比率閾値以下であるとき、このことを使用者に報知するための警告を出力してもよい。
【0047】
(変形例:圃場登録支援装置による出力処理)
上述した実施形態では、
図3のステップS3の処理を、登録候補圃場情報の表示、修正および登録を、外部端末6を用いて行う場合の構成について説明した。この構成の変形例として、外部端末6の代わりに、圃場登録支援装置5の入出力装置55を用いて行ってもよい。
【0048】
以上に説明したように、本実施形態による圃場登録支援システム1、圃場登録支援方法および圃場登録支援プログラムによれば、作業装置2が作業を行った圃場9の位置および範囲をデータ上に登録する処理を、効率的に行うことができる。具体的には、作業装置2が圃場9内で作業を行いながら通過した測位点8の位置情報と、外部データベース7から供給される圃場ポリゴン情報とを利用することで、圃場9の位置および範囲の測定をそのためだけに行う必要が無く、地図情報に対する複雑な画像処理を行う必要も無い。また、外部データベース7から供給される圃場ポリゴン情報を、位置情報に基づいて限定することで、圃場ポリゴン情報を送受信するための通信量および通信時間を節約することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
本実施形態による圃場登録支援システム1および圃場登録支援装置5は、それぞれ、
図1および
図2に示した第1の実施形態と同じ構成を有していてもよい。また、本実施形態による圃場登録支援方法の処理は、
図3に示した第1の実施形態と同じフローチャートで表されてもよい。ただし、本実施形態による圃場登録支援方法の処理は、第1の実施形態による処理に、以下の変更を加えることで得られる。
【0050】
本実施形態では、
図3のステップS1において、
図2のデータ取得部521が、外部データベース7に格納されている複数の圃場ポリゴン情報のうち、作業中測位点8Aに基づいて算出した作業領域の少なくとも一部を含む圃場の圃場ポリゴン情報の要求を、外部データベース7に対して行う。一例として、データ取得部521は、作業領域の位置および範囲を、作業中測位点8Aの凸包や凹法などとして算出してもよい。外部データベース7は、該要求の条件を満たす圃場を抽出した抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、データ取得部521に送信する。データ取得部521は、抽出圃場の圃場ポリゴン情報を受信してデータ記憶部532に格納する。
【0051】
なお、上記のように算出した作業領域の少なくとも一部を含む圃場ポリゴンは、該作業領域の算出に用いられた複数の作業中測位点8Aのうちの少なくとも1つを含むことが期待される。
【0052】
図3のステップS2において、
図2の判定部522が、圃場ポリゴン情報が条件を満たすか否かを判定する。一例として、この条件は、該圃場ポリゴン情報90に含まれる圃場ポリゴン90A、90B、90Cに、作業領域の少なくとも一部が含まれているときに満たされてもよい。判定部522は、第1の実施形態の場合と同様に、ステップS1で取得された圃場ポリゴン情報のうち、条件を満たす圃場の圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として抽出する。
【0053】
本実施形態でも、
図3のステップS3において、第1の実施形態の場合と同様に、
図2の出力部523が登録候補圃場情報を出力し、使用者による修正および/または登録の操作を、外部端末6を介して受け付けて、その結果をデータ記憶部532に格納する。
図3のステップS3の後、
図3のフローチャートの処理は終了する。
【0054】
図5A~
図5Dを参照して、一実施形態による圃場登録支援方法の各ステップについてより詳細に説明する。
【0055】
図5Aの例では、圃場ポリゴン情報90に含まれる圃場ポリゴン90A、90B、90Cと作業領域802とを重ね合わせた合成情報95が示すように、圃場ポリゴン90A、90Bは、作業領域802の少なくとも一部を含んでいる。この場合、
図5Bに示すように、抽出圃場96には圃場ポリゴン90A、90Bが含まれる。また、
図5Cに示すように、登録候補圃場情報97として、圃場ポリゴン90A、90Bを外部端末6が表示する。さらに、
図5Dに示すように、登録候補圃場情報98を作業領域802が占める割合が含まれる数値範囲ごとに予め設定された濃度や色などを用いて強調表示を行ってもよい。
【0056】
このようにすることで、本実施形態のステップS1では、第1の実施形態の場合と比較して、データ取得部521から外部データベース7への要求として送信する通信量を節約できる場合があり、また、外部データベース7が該要求の条件を満たす圃場ポリゴン情報90を抽出する処理を軽減できる場合がある。これは、複数の作業中測位点8Aのそれぞれの位置を表す情報より、該複数の作業中測位点8Aの凸包または凹法などとして算出される作業領域の位置および範囲を表す情報の方が、情報量が少ない場合があるからである。
【0057】
(第3の実施形態)
本実施形態による圃場登録支援システム1および圃場登録支援装置5は、それぞれ、
図1および
図2に示した第1の実施形態と同じ構成を有していてもよい。また、本実施形態による圃場登録支援方法の処理は、
図3に示した第1の実施形態と同じフローチャートで表されてもよい。ただし、本実施形態による圃場登録支援方法の処理は、第2の実施形態による処理に、以下の変更を加えることで得られる。
【0058】
本実施形態では、外部データベース7が、圃場ポリゴン情報に加えて、各圃場の代表点を表す代表点情報を含んでいる。一例として、圃場の代表点情報は、圃場の登記情報に一対一対応する緯度および経度の組み合わせを含む。また、一例として、外部データベース7は、圃場ポリゴン情報を格納する第1のデータベースと、代表点情報を格納する第2のデータベースとの組み合わせであってもよい。
【0059】
本実施形態では、
図3のステップS1において、
図2のデータ取得部521が、外部データベース7に格納されている複数の圃場ポリゴン情報のうち、作業中測位点8Aに基づいて算出した作業領域802に代表点が含まれる圃場の圃場ポリゴン情報の要求を、外部データベース7に対して行う。外部データベース7は、該要求の条件を満たす圃場を抽出した抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、データ取得部521に送信する。データ取得部521は、抽出圃場の圃場ポリゴン情報を受信してデータ記憶部532に格納する。
【0060】
図3のステップS2において、
図2の判定部522が、圃場ポリゴン情報が条件を満たすか否かを判定する。一例として、この条件は、該圃場ポリゴン情報90に含まれる圃場ポリゴン90A、90B、90Cのそれぞれについて、代表点が作業領域802に含まれるときに満たされてもよい。判定部522は、第1の実施形態の場合と同様に、ステップS1で取得された圃場ポリゴン情報のうち、条件を満たす圃場の圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として抽出する。
【0061】
本実施形態でも、
図3のステップS3において、第1の実施形態の場合と同様に、
図2の出力部523が登録候補圃場情報を出力し、使用者による修正および/または登録の操作を、外部端末6を介して受け付けて、その結果をデータ記憶部532に格納する。
図3のステップS3の後、
図3のフローチャートの処理は終了する。
【0062】
図6Aおよび
図6Bを参照して、一実施形態による圃場登録支援方法の各ステップについてより詳細に説明する。
【0063】
図6Aの例では、圃場ポリゴン情報90に含まれる圃場ポリゴン90A、90B、90Cと作業領域802とを重ね合わせた合成情報95が示すように、圃場ポリゴン90Bの代表点900Bは作業領域802に含まれている。その一方で、圃場ポリゴン90Aの代表点900Aと、圃場ポリゴン90Cの代表点900Cとは、作業領域802に含まれていない。この場合、
図6Bに示すように、抽出圃場99には圃場ポリゴン90Bが含まれる。
【0064】
こうすることで、本実施形態のステップS1では、第2の実施形態の場合と比較して、外部データベース7が該要求の条件を満たす圃場ポリゴン情報90を抽出する処理を軽減できる場合がある。
【0065】
(変形例:判定範囲)
上述した第3の実施形態では、
図2のステップS1において、作業領域802に代表点が含まれる圃場の圃場ポリゴン情報を外部データベース7に要求する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、作業領域802の代わりに、作業領域802を含む判定範囲803に代表点が含まれる圃場の圃場ポリゴン情報を要求する場合の構成について説明する。一例として、
図6A、
図6Bに示すように、判定範囲803の形状は、作業領域802に外接する長方形であってもよい。ここで、判定範囲803の長方形の各辺は、緯線または経線に平行であってもよい。このとき、判定範囲803を表す判定範囲情報は、2つの緯度と、2つの経度との組み合わせとして表すことができる。こうすることで、データ取得部521から外部データベース7への要求として送信する通信量を節約できる場合があり、また、外部データベース7が該要求の条件を満たす圃場ポリゴン情報90を抽出する処理を軽減できる場合がある。
【0066】
(第4の実施形態)
本実施形態では、上述した各実施形態と同様に圃場ポリゴン情報に基づいて圃場9の登録を支援するとともに、作業装置2が圃場9で稼働した実績を記録する。本実施形態による圃場登録支援システム1および圃場登録支援装置5は、それぞれ、
図1および
図2に示した第1の実施形態と同じ構成を有していてもよい。本実施形態による圃場登録支援方法の処理は、
図7に示すフローチャートによって表されてもよい。
【0067】
図7のフローチャートの処理が開始すると、ステップS1Aが実行される。
図7のステップS1Aの処理は、
図3のステップS1の処理の一部を含む。
図7のステップS1Aにおいて、
図2のデータ取得部521が作業装置2の位置情報を用意する。一例として、データ取得部521は、作業装置2が圃場9内で移動を開始してから該移動を終了するまで、所定の周期で、例えば1分ごとに、作業装置2が通過した複数の地点で位置を測定した位置情報を、作業装置2に搭載された搭載端末20から受信する。位置を測定した地点を、測位点8と呼ぶ。
【0068】
図7のステップS1Aの後、ステップS1Bが実行される。
図7のステップS1Bの処理は、
図3のステップS1の処理の一部を含む。
図7のステップS1Bにおいて、
図2のデータ取得部521が、
図1の外部データベース7に対して、作業装置2の位置情報を提供する。より詳細には、データ取得部521は、通信装置54を制御して、作業装置2の位置情報の少なくとも一部を、ネットワーク4を介して外部データベース7へ送信し、外部データベース7は当該位置情報の少なくとも一部を受信する。送受信される位置情報には、少なくとも、複数の測位点8のいずれかの位置を表す情報が含まれる。
【0069】
図7のステップS1Bの後、ステップS1Cが実行される。
図7のステップS1Cの処理は、
図3のステップS1の処理の一部を含む。
図7のステップS1Cにおいて、
図1の外部データベース7が、外部データベース7に格納されている複数の圃場ポリゴン情報のうち、受信した位置情報を含む圃場ポリゴン情報を抽出する。抽出された圃場ポリゴン情報を、抽出圃場情報と呼ぶ。抽出圃場情報が表す抽出圃場は、少なくとも、複数の測位点8のいずれかを含む。外部データベース7は、抽出した抽出圃場情報を、ネットワーク4を介して
図2の圃場登録支援装置5へ送信し、圃場登録支援装置5のデータ取得部521は、該抽出圃場情報を受信する。
【0070】
図7のステップS1Cの後、ステップS2が実行される。
図7のステップS2の処理は、
図3のステップS2の処理と同じである。
図7のステップS2において、
図2の判定部522が、抽出圃場情報として受信された圃場ポリゴン情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。より詳細には、
図2の判定部522は、抽出圃場情報が表す抽出圃場内で作業装置2が作業をしたか否かを判定する。
【0071】
図7のステップS2の後、ステップS3が実行される。
図7のステップS3の処理は、
図3のステップS3の処理と同じである。
図7のステップS3において、
図2の出力部523が、登録候補圃場情報を出力する。より詳細には、出力部523は、外部データベース7から受信された抽出圃場情報が表す抽出圃場のうち、作業装置2が作業したと判定された圃場を表す圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力する。出力部523は、出力された登録候補圃場情報を、登録候補圃場情報が表す圃場9で作業装置2が行った作業の内容を表す稼働情報と対応付けて、実績圃場情報として
図2のデータ記憶部532に記録する。
【0072】
一例として、稼働情報は、
図8に示すように、作業装置2が該作業を行った日付を表す稼働日情報と、該圃場9を表す圃場識別情報と、該作業を行った作業装置2の種類を表す装置情報と、作業装置2が該圃場9内での該作業中に通過した各地点の位置情報とを含んでもよい。
【0073】
図7のステップS3の後、ステップS4が実行される。
図7のステップS4において、
図2の判定部522が、新しく取得した位置情報との関連について、過去の実績圃場情報を判定する。より詳細には、
図2の判定部522は、データ記憶部532を検索して、新しく取得した位置情報に基づいて出力された登録候補圃場情報が表す圃場9に対応付けられて過去に記録された実績圃場情報が存在するか否かを判定する。一例として、過去に記録された実績圃場情報に、新しく出力された登録候補圃場情報が表す圃場9の圃場識別情報が含まれるとき、出力部523は、該圃場識別情報に対応付けられた稼働情報をデータ記憶部532から読み出して出力してもよい。このとき、一例として、出力部523は、抽出された該稼働情報を、ネットワーク4を介して外部端末6へ送信し、外部端末6は、受信した該稼働情報を、使用者が視認できるように表示してもよい。
【0074】
図7のステップS4の後、
図7のフローチャートの処理は終了する。
【0075】
以上に説明したように、本実施形態による圃場登録支援システム1、圃場登録支援方法および圃場登録支援プログラムによれば、作業装置2が作業を行った圃場9の位置および範囲をデータ上に登録する処理を、効率的に行うことができる。さらに、新しく取得した位置情報に基づいて登録可能になった圃場9が実績圃場として過去に登録されているか否かを判定し、過去に登録されている圃場9で行われた作業を表す稼働情報を読み出すこともできる。一例として、読み出された稼働情報に含まれる稼働日情報に基づいて、同じ圃場9で最後に作業を行ってから今回の作業までの休耕期間を算出することもできる。
【0076】
(変形例:外部データベースが登録候補圃場情報を出力する)
上述した各実施形態では、
図3に示すフローチャートのステップS1で、
図2に示す圃場登録支援装置5のデータ取得部521が、
図1に示す外部データベース7に、注目している圃場9を含む複数の圃場のそれぞれの位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報の要求を送信し、外部データベース7が該要求に応じて提供する圃場ポリゴン情報をデータ取得部521に提供する場合の構成について説明した。また、この構成において、
図3のステップS2で
図2の判定部522が、所定の条件を満たす圃場ポリゴン情報を登録候補圃場情報として抽出し、
図3のステップS3で
図2の出力部523が登録候補圃場情報を出力することを説明した。この構成の変形例として、
図1の外部データベース7が、所定の条件を満たす圃場ポリゴン情報を登録候補圃場情報として出力してもよい。このとき、
図3のステップS1で
図1の外部データベース7が圃場ポリゴン情報をデータ取得部521に提供する処理と、
図3のステップS2で
図2の判定部522が登録候補圃場情報を抽出する処理と、
図3のステップS3で出力部523が登録候補圃場情報を出力する処理とは、省略されてもよい。ただし、いずれの構成にも共通して、
図3のステップS1で
図2のデータ取得部521が、作業装置2が圃場9での作業中に移動を開始してから終了するまでに通過した複数の地点(測位点8)の位置をそれぞれ測定した位置情報を、
図1の外部データベース7に対して提供することに注目されたい。
【0077】
(変形例:データベースは圃場登録支援システムの一部)
上述した各実施形態および各変形例では、外部データベース7を、圃場登録支援装置5を備える圃場登録支援システム1の外部に設ける場合の構成について説明した。この構成の変形例として、外部データベース7に相当する内部データベースを、圃場登録支援システム1の一部として設けてもよい。一例として、内部データベースは、圃場登録支援装置5の外部に設けられ、
図2に示した圃場登録支援装置5の通信装置54との通信を、ネットワーク4を介して行ってもよい。別の一例として、内部データベースは、圃場登録支援装置5の内部に、
図2に示した圃場登録支援装置5の記憶装置53の一部として設けられてもよい。いずれの場合も、外部データベース7の一部または全てが、内部データベースに置き換えられてもよい。
【0078】
(変形例:データベースは、外部から取得したデータに基づいて生成されたポリゴン情報を含む)
一例として、外部データベース7および/または内部データベースに格納されている圃場ポリゴン情報は、農林水産省が公開する、農地の区画情報としての筆ポリゴンの情報であってもよい。このような区画情報は、農林水産省による地上の耕地面積調査によって生成されている。別の一例として、外部データベース7および/または内部データベースに格納されている圃場ポリゴン情報は、圃場9の上方から人工衛星、航空機、ドローンなどの、圃場登録支援システム1の外部の構成が撮影するなどして取得された画像データに基づいて生成されたポリゴン情報であってもよい。
【0079】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【0080】
(付記)
各実施の形態で記載した圃場登録支援方法、圃場登録支援システムおよび圃場登録支援プログラムは、以下のように言うことができる。
【0081】
第1の態様に係る圃場登録支援方法は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記位置情報を提供することと、
前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出圃場情報として抽出することと、
を含む。
【0082】
第2の態様に係る圃場登録支援方法は、第1の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記抽出圃場情報のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内で作業をしたと判定される圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力すること、
をさらに含む。
【0083】
第3の態様に係る圃場登録支援方法は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うことと、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力することと、
を含む。
【0084】
第4の態様に係る圃場登録支援方法は、第3の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記用意することは、
互いに異なる複数の時期のそれぞれに行なわれた複数の前記移動で測定された複数の前記位置情報を用意すること
を含む。
【0085】
第5の態様に係る圃場登録支援方法は、第4の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記複数の位置情報は、
過去の複数年にわたって複数の前記作業装置によって測定された複数の前記位置情報
を含む。
【0086】
第6の態様に係る圃場登録支援方法は、第1~第5の態様のいずれかに係る圃場登録支援方法であって、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報を登録する操作を受け付けること
を含む。
【0087】
第7の態様に係る圃場登録支援方法は、第6の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報を修正する操作を受け付けること
をさらに含む。
【0088】
第8の態様に係る圃場登録支援方法は、第7の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記移動をしながら作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記圃場を占める面積比が所定の比率閾値を上回る前記作業領域を抽出すること
をさらに含む。
【0089】
第9の態様に係る圃場登録支援方法は、第7の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記移動をしながら作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記作業領域が前記圃場を占める面積比が所定の比率閾値以下であるときに警告を出力すること
をさらに含む。
【0090】
第10の態様に係る圃場登録支援方法は、第9の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記修正する操作を受け付けることは、
前記圃場ポリゴン情報が表す圃場ポリゴンを、前記作業領域を含む第1圃場ポリゴンと、前記圃場ポリゴンから前記第1圃場ポリゴンを除いた第2圃場ポリゴンとに分割する操作を受け付けること
を含む。
【0091】
第11の態様に係る圃場登録支援方法は、第1~第10の態様のいずれかに係る圃場登録支援方法であって、
前記位置情報に基づいて、前記作業装置が前記作業を行った作業領域を表す作業領域情報を生成すること
をさらに含み、
前記出力することは、
前記作業領域を少なくとも部分的に含む前記抽出圃場を表す前記圃場ポリゴン情報を表示すること
を含む。
【0092】
第12の態様に係る圃場登録支援方法は、第11の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記出力することは、
前記登録候補圃場情報としての前記圃場ポリゴン情報を、前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場の前記範囲のうち、前記作業領域が占める割合に応じた度合いで強調して表示すること
を含む。
【0093】
第13の態様に係る圃場登録支援方法は、第11または第12の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記位置情報と前記圃場ポリゴン情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記複数の測位点のうち、前記圃場内に存在する測位点の総数が、所定の閾値総数より多いこと
を含む。
【0094】
第14の態様に係る圃場登録支援方法は、第11または第12の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記位置情報と前記圃場ポリゴン情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記作業装置が前記圃場内に滞在した時間が、所定の閾値時間より長いこと
を含む。
【0095】
第15の態様に係る圃場登録支援方法は、第11または第12の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記用意することは、
前記複数の測位点のそれぞれにおいて前記作業装置が行った前記作業の種類を表す稼働情報を用意すること
を含み、
前記位置情報と、前記圃場ポリゴン情報と、前記稼働情報とが所定の条件を満たすときに、前記圃場ポリゴン情報に対応する前記圃場で前記作業装置が前記作業を行ったと判定すること
をさらに含み、
前記条件は、
前記作業装置が前記圃場内で行った前記作業の種類が、所定の作業種類群に含まれること
を含む。
【0096】
第16の態様に係る圃場登録支援方法は、第11または第12の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記用意することは、
前記位置情報に基づいて、前記作業領域を含む判定範囲を表す判定範囲情報を生成すること
をさらに含み、
前記要求することは、
前記外部データベースにおいて、前記複数の圃場のうち、前記複数の圃場のそれぞれの内側に設定されている代表点が前記判定範囲に含まれる圃場の前記圃場ポリゴン情報を要求すること
をさらに含む。
【0097】
第17の態様に係る圃場登録支援方法は、第6の態様に係る圃場登録支援方法であって、
用意した前記位置情報に基づいて前記データベースから得られた前記抽出圃場情報が、過去に登録された前記登録候補圃場情報と一致するとき、一致した前記抽出圃場情報が表す圃場を、実績圃場として記録すること
をさらに含む。
【0098】
第18の態様に係る圃場登録支援方法は、第17の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記実績圃場ごとに前記作業装置が行った作業の内容を記録すること
をさらに含む。
【0099】
第19の態様に係る圃場登録支援方法は、第1~第18の態様に係る圃場登録支援方法であって、
前記データベースは、前記データベースの外部から取得されたデータに基づいて生成された前記圃場ポリゴン情報を含む。
【0100】
第20の態様に係る圃場登録支援システムは、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意するデータ取得部と、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出圃場情報として出力するように、前記位置情報を提供する通信装置と、
を備える。
【0101】
第21の態様に係る圃場登録支援システムは、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意し、複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うデータ取得部と、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力する出力部と、
を備える。
【0102】
第22の態様に係る圃場登録支援プログラムは、
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための圃場登録支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納するデータベースに対して、前記位置情報を提供することと、
前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の圃場ポリゴン情報を、抽出候補圃場情報として出力することと、
を含む。
【0103】
第23の態様に係る圃場登録支援プログラムは、
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための圃場登録支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が移動を開始してから前記移動を終了するまで通過した複数の測位点のそれぞれで位置を測定した位置情報を用意することと、
複数の圃場の位置および範囲を表す圃場ポリゴン情報を格納する外部データベースに対して、前記複数の圃場のうち、前記複数の測位点のいずれかを含む抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報の要求を行うことと、
前記要求に応じて取得された前記圃場ポリゴン情報が表す前記抽出圃場のうち、前記作業装置が前記抽出圃場内に存在したと判定される前記抽出圃場の前記圃場ポリゴン情報を、登録候補圃場情報として出力することと、
を含む。
【符号の説明】
【0104】
1 圃場登録支援システム
2 作業装置
3 搭載端末
4 ネットワーク
5 圃場登録支援装置
51 バス
52 演算装置
521 データ取得部
522 判定部
523 出力部
53 記憶装置
530 記録媒体
531 プログラム記憶部
532 データ記憶部
54 通信装置
55 入出力装置
6 外部端末
7 外部データベース
8 測位点
8A 作業中測位点
8B 作業外測位点
80 位置情報
801、802 作業領域
9 圃場
90 圃場ポリゴン情報
90A、90B、90C 圃場ポリゴン
90D 第1の圃場ポリゴン
90E 第2の圃場ポリゴン
91、95 合成情報
92、96 抽出圃場
93、94、97、98 登録候補圃場情報