(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128940
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】積層セラミックスキャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H01G4/30 201M
H01G4/30 512
H01G4/30 513
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/30 201A
H01G4/30 201K
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004051
(22)【出願日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】10-2023-0031802
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0115106
(32)【優先日】2023-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、センホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャエ ミン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ヨンーウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ヨウンジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC03
5E001AC07
5E001AF06
5E001AJ01
5E001AJ02
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC33
5E082BC39
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG26
5E082GG28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】たわみクラック発生の可能性を低下し、外部電極の形成面積を調節でき、平坦度を改善した積層セラミックスキャパシタを提供する。
【解決手段】積層セラミックスキャパシタ10は、L方向に対向する第1、第2端部面128、129、W方向に対向する第1、第2側面、T方向に対向する上、下面121、122を含み、W方向に積層された複数の誘電体層124、複数の第1、第2内部電極21、22を有するセラミックス本体と、第1端部面に配置され、複数の第1内部電極に連結される第1外部電極と、第2端部面に配置され、複数の第2内部電極に連結される第2外部電極とを含む。セラミックス本体は、複数の内部電極のうち上面に最も近い内部電極に接し、第1ダミー電極151のパターンを含む第1カバー層123と、複数の内部電極のうち下面に最も近い内部電極に接し、第2ダミー電極152のパターンを含む第2カバー層125と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1面と第2面、第2方向に対向する第3面と第4面、第3方向に対向する第5面と第6面を含み、前記第3方向に積層された複数の誘電体層、複数の第1内部電極および複数の第2内部電極を含み、厚さが幅より小さいセラミックス本体と、
前記セラミックス本体の前記第1面に配置され、前記複数の第1内部電極に連結される第1外部電極と、
前記セラミックス本体の前記第2面に配置され、前記複数の第2内部電極に連結される第2外部電極と
を含み、
前記セラミックス本体は、
前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極のうち前記第5面に最も近い内部電極に接し、第1ダミー電極のパターンを含む第1カバー層と、
前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極のうち前記第6面に最も近い内部電極に接し、第2ダミー電極のパターンを含む第2カバー層と
を含む、積層セラミックスキャパシタ。
【請求項2】
前記第1ダミー電極のパターンは、
前記第1面に接するか、または前記第1面に引き出される第1ダミー電極と、
前記第2面に接するか、または前記第2面に引き出される第2ダミー電極と
を含む、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項3】
前記セラミックス本体は、
前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が前記第3方向に重なる領域であるアクティブ(active)領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面の間の領域である第1マージン(margin)領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面の間の領域である第2マージン領域と
を含み、
前記第1ダミー電極の長さL1は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第2ダミー電極の長さL1'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項2に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項4】
前記第2ダミー電極のパターンは、
前記第1面に接するか、または前記第1面に引き出される第3ダミー電極と、
前記第2面に接するか、または前記第2面に引き出される第4ダミー電極と
を含み、
前記第3ダミー電極の長さL3は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第4ダミー電極の長さL3'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項3に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項5】
前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面と、前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面とを含み、
前記第2ダミー電極のパターンは、
前記第1露出面と離隔する第3ダミー電極と、
前記第2露出面と離隔する第4ダミー電極と
を含む、請求項2に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項6】
前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面と、前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面とを含み、
前記第2ダミー電極のパターンは、
前記第1露出面に接するか、または前記第1露出面に引き出される第3ダミー電極と、
前記第2露出面に接するか、または前記第2露出面に引き出される第4ダミー電極と
含む、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項7】
前記第1ダミー電極のパターンは、
前記第1面と離隔する第1ダミー電極と、
前記第2面と離隔する第2ダミー電極と
含む、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項8】
前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面と、前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面とを含み、
前記第2ダミー電極のパターンは、
前記第1露出面と離隔する第3ダミー電極と、
前記第2露出面と離隔する第4ダミー電極と
を含む、請求項7に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項9】
前記第1ダミー電極の長さL1は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第2ダミー電極の長さL1'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項8に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項10】
前記第3ダミー電極の長さL3は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第4ダミー電極の長さL3'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項9に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項11】
前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面と、前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面とを含み、
前記第2ダミー電極のパターンは、
前記第1露出面に接するか、または前記第1露出面に引き出される第3ダミー電極と、
前記第2露出面に接するか、または前記第2露出面に引き出される第4ダミー電極と
を含む、請求項7に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項12】
前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面と、前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面とを含み、
前記第1露出面の高さH1は前記第2カバー層の厚さtより小さく、前記第2露出面の高さH2は前記第2カバー層の厚さtより小さい、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項13】
前記第1外部電極は、前記セラミックス本体の前記第5面に配置される第1バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記セラミックス本体の前記第5面に配置される第2バンド部を含み、
前記第1バンド部と前記第5面との間に配置される第1シード(seed)電極層と、前記第2バンド部と前記第5面との間に配置される第2シード電極層とをさらに含む、請求項4に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項14】
前記第1ダミー電極の長さL1は前記第1バンド部の長さL4より小さく、前記第2ダミー電極の長さL1'は前記第2バンド部の長さL4'より小さい、請求項13に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項15】
前記第3ダミー電極の長さL3は前記第1バンド部の長さL4より小さく、前記第4ダミー電極の長さL3'は前記第2バンド部の長さL4'より小さい、請求項14に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項16】
前記セラミックス本体は、
前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が前記第3方向に重なる領域であるアクティブ領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面との間の領域である第1マージン領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面との間の領域である第2マージン領域と
を含み、
前記第1ダミー電極の長さL1は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第2ダミー電極の長さL1'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項15に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項17】
前記第3ダミー電極の長さL3は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、
前記第4ダミー電極の長さL3'は前記第2マージン領域の幅L2'以上である、請求項16に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項18】
前記第1ダミー電極、前記第2ダミー電極、前記第3ダミー電極、および前記第4ダミー電極のうちの少なくとも1つは複数個である、請求項4に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項19】
前記セラミックス本体は、
前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が第3方向に重なる領域であるアクティブ領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面との間の領域である第1マージン領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面との間の領域である第2マージン領域と
を含み、
前記アクティブ領域の前記複数の第1内部電極及び前記複数の第2内部電極の厚さの合計(S1)は0より大きく、前記第1ダミー電極のパターンと前記第2ダミー電極のパターンの厚さの合計(S2)の2倍以下である、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項20】
前記セラミックス本体の厚さは0より大きく幅の80%以下である、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項21】
前記第3方向で見るとき、前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極はそれぞれ、互いに対向する第1長辺と第2長辺、および互いに対向する第1短辺と第2短辺を含む長方形形状であり、
前記複数の第1内部電極の前記第1短辺が前記第1外部電極に連結され、前記複数の第2内部電極の前記第1短辺が前記第2外部電極に連結される、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【請求項22】
前記第3方向で見るとき、前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極はそれぞれ、互いに対向する第1長辺と第2長辺、および互いに対向する第1短辺と第2短辺を含む長方形形状であり、
前記複数の第1内部電極の前記第1長辺が前記第1外部電極に連結され、前記複数の第2内部電極の前記第1長辺が前記第2外部電極に連結される、請求項1に記載の積層セラミックスキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層セラミックスキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を使用する電子部品としてキャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタまたはサーミスタなどがある。このようなセラミックス電子部品のうち積層セラミックスキャパシタ(Multilayer Ceramic Capacitor,MLCC)は小型でかつ高容量が保障され、実装が容易である長所を有するため多様な電子装置に使用できる。
【0003】
例えば、積層セラミックスキャパシタは、液晶表示装置(liquid crystal display,LCD)、プラズマ表示装置パネル(plasma display panel,PDP)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode,OLED)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯用端末およびスマートフォンのような様々な電子製品の基板に装着されて電気を充電または放電させる役割をするチップ形態のコンデンサに使用される。
【0004】
最近、電子製品の小型化および薄膜化の傾向に伴い、従来の積層セラミックスキャパシタより厚さが薄い積層セラミックスキャパシタに対する需要が増加している。特に幅が厚さの1.5倍や2倍以上になるほどの薄膜化された積層セラミックスキャパシタは幅に比べて厚さが非常に薄いので基板に実装した後に基板が曲がる場合にたわみクラック(flex crack)が生じるなどの物理的な破損の恐れがある。
【0005】
積層セラミックスキャパシタを薄膜化するために外部電極がセラミックス本体の両端部面の一部を覆うようにすることもできるが、外部電極の形成面積が過剰に大きくなると薄膜化を実現しにくい。
【0006】
一方、積層セラミックスキャパシタのアクティブ(active)領域とマージン(margin)領域の間に段差が存在すると平坦度が悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施形態の一側面は、たわみクラック発生の可能性を低下させた積層セラミックスキャパシタを提供する。
【0008】
実施形態の他の側面は、外部電極の形成面積を調節できる積層セラミックスキャパシタを提供する。
【0009】
実施形態のまた他の側面は、平坦度を改善した積層セラミックスキャパシタを提供する。
【0010】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態による積層セラミックスキャパシタは、第1方向に対向する第1面と第2面、第2方向に対向する第3面と第4面、第3方向に対向する第5面と第6面を含み、前記第3方向に積層された複数の誘電体層、複数の第1内部電極および複数の第2内部電極を含み、厚さが幅より小さいセラミックス本体と;前記セラミックス本体の前記第1面に配置され、前記複数の第1内部電極に連結される第1外部電極と;前記セラミックス本体の前記第2面に配置され、前記複数の第2内部電極に連結される第2外部電極とを含み、前記セラミックス本体は、前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極のうち前記第5面に最も近い内部電極に接し、第1ダミー電極のパターンを含む第1カバー層と;前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極のうち前記第6面に最も近い内部電極に接し、第2ダミー電極のパターンを含む第2カバー層とを含むことができる。
【0012】
また、前記第1ダミー電極のパターンは、前記第1面に接するか、または前記第1面に引き出される第1ダミー電極、および前記第2面に接するか、または前記第2面に引き出される第2ダミー電極を含むことができる。
【0013】
また、前記セラミックス本体は、前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が前記第3方向に重なる領域であるアクティブ(active)領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面との間の領域である第1マージン(margin)領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面との間の領域である第2マージン領域とを含み、前記第1ダミー電極の長さL1は、前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第2ダミー電極の長さL1'は、前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0014】
また、前記第2ダミー電極のパターンは、前記第1面に接するか、または前記第1面に引き出される第3ダミー電極、および前記第2面に接するか、または前記第2面に引き出される第4ダミー電極を含み、前記第3ダミー電極の長さL3は、前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第4ダミー電極の長さL3'は、前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0015】
また、前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面、および前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面を含み、前記第2ダミー電極のパターンは、前記第1露出面と離隔する第3ダミー電極、および前記第2露出面と離隔する第4ダミー電極を含むことができる。
【0016】
また、前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面、および前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面を含み、前記第2ダミー電極のパターンは、前記第1露出面に接するか、または前記第1露出面に引き出される第3ダミー電極、および前記第2露出面に接するか、または前記第2露出面に引き出される第4ダミー電極を含むことができる。
【0017】
また、前記第1ダミー電極のパターンは、前記第1面と離隔する第1ダミー電極、および前記第2面と離隔する第2ダミー電極を含むことができる。
【0018】
また、前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面、および前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面を含み、前記第2ダミー電極のパターンは、前記第1露出面と離隔する第3ダミー電極、および前記第2露出面と離隔する第4ダミー電極を含むことができる。
【0019】
また、前記第1ダミー電極の長さL1は、前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第2ダミー電極の長さL1'は、前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0020】
また、前記第3ダミー電極の長さL3は、前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第4ダミー電極の長さL3'は、前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0021】
また、前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面、および前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面を含み、前記第2ダミー電極のパターンは、前記第1露出面に接するか、または前記第1露出面に引き出される第3ダミー電極、および前記第2露出面に接するか、または前記第2露出面に引き出される第4ダミー電極を含むことができる。
【0022】
また、前記第2カバー層は、前記第1面が前記第1外部電極によって露出する部分である第1露出面、および前記第2面が前記第2外部電極によって露出する部分である第2露出面を含み、前記第1露出面の高さH1は、前記第2カバー層の厚さtより小さく、前記第2露出面の高さH2は、前記第2カバー層の厚さtより小さくてもよい。
【0023】
また、前記第1外部電極は、前記セラミックス本体の前記第5面に配置される第1バンド部を含み、前記第2外部電極は、前記セラミックス本体の前記第5面に配置される第2バンド部を含み、前記第1バンド部と前記第5面との間に配置される第1シード(seed)電極層、および前記第2バンド部と前記第5面との間に配置される第2シード電極層をさらに含むことができる。
【0024】
また、前記第1ダミー電極の長さL1は、前記第1バンド部の長さL4より小さく、前記第2ダミー電極の長さL1'は、前記第2バンド部の長さL4'より小さくてもよい。
【0025】
また、前記第3ダミー電極の長さL3は、前記第1バンド部の長さL4より小さく、前記第4ダミー電極の長さL3'は、前記第2バンド部の長さL4'より小さくてもよい。
【0026】
また、前記セラミックス本体は、前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が前記第3方向に重なる領域であるアクティブ領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面との間の領域である第1マージン領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面との間の領域である第2マージン領域を含み、前記第1ダミー電極の長さL1は前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第2ダミー電極の長さL1'は前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0027】
また、前記第3ダミー電極の長さL3は、前記第1マージン領域の幅L2以上であり、前記第4ダミー電極の長さL3'は前記第2マージン領域の幅L2'以上であり得る。
【0028】
また、前記第1ダミー電極、前記第2ダミー電極、前記第3ダミー電極、および前記第4ダミー電極のうちの少なくとも1つは複数個であり得る。
【0029】
また、前記セラミックス本体は、前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極が第3方向に重なる領域であるアクティブ領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第1面との間の領域である第1マージン領域と;前記アクティブ領域と前記セラミックス本体の前記第2面との間の領域である第2マージン領域とを含み、前記アクティブ領域の前記複数の第1内部電極および前記複数の第2内部電極の厚さの合計(S1)は0より大きく、前記第1ダミー電極のパターンと前記第2ダミー電極のパターンの厚さの合計(S2)の2倍以下であり得る。
【0030】
また、前記セラミックス本体の厚さは、0より大きく幅の80%以下であり得る。
【0031】
また、前記第3方向で見るとき、前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極はそれぞれ、互いに対向する第1長辺と第2長辺、および互いに対向する第1短辺と第2短辺を含む長方形形状であり、前記第1内部電極の前記第1短辺が前記第1外部電極に連結され、前記第2内部電極の前記第1短辺が前記第2外部電極に連結される。
【0032】
また、前記第3方向で見るとき、前記複数の第1内部電極と前記複数の第2内部電極はそれぞれ、互いに対向する第1長辺と第2長辺、および互いに対向する第1短辺と第2短辺を含む長方形形状であり、前記第1内部電極の前記第1長辺が前記第1外部電極に連結され、前記第2内部電極の前記第1長辺が前記第2外部電極に連結される。
【発明の効果】
【0033】
実施形態による積層セラミックスキャパシタによれば、積層セラミックスキャパシタを回路基板に実装する際に応力が集中する部位にダミー電極を配置することによってたわみクラックの発生を抑制することができる。
【0034】
また、実施形態による積層セラミックスキャパシタによれば、マージン領域にダミー電極を配置することによってアクティブ領域とマージン領域の間の段差発生を抑制して平坦度を改善することができる。
【0035】
また、実施形態による積層セラミックスキャパシタによれば、セラミックス本体の内部電極の端部をシード(seed)にして外部電極をメッキすることによって外部電極の形成面積を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】一実施形態による積層セラミックスキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II'線に沿って切断した断面図である。
【
図3a】
図1の積層セラミックスキャパシタの第1内部電極を概略的に示した平面図である。
【
図3b】
図1の積層セラミックスキャパシタの第2内部電極を概略的に示した平面図である。
【
図4a】他の実施形態による積層セラミックスキャパシタの第1内部電極を概略的に示した平面図である。
【
図4b】他の実施形態による積層セラミックスキャパシタの第2内部電極を概略的に示した平面図である。
【
図7】
図1に示す積層セラミックスキャパシタが基板に実装した形態を示す概略断面図である。
【
図8】他の実施形態による積層セラミックスキャパシタを示す概略断面図である。
【
図11】また他の実施形態による積層セラミックスキャパシタを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付する図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付けた。また、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略するかまたは概略的に図示し、各構成要素の大きさは実際の大きさを全面的に反映するものではない。
【0038】
添付する図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、本明細書に開示された技術的思想は添付する図面によって制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0039】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0040】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるというとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるというときには中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向側に「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0041】
明細書全体で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0042】
また、明細書全体で、「平面上」というとき、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0043】
また、明細書全体で、「連結される」というとき、これは二つ以上の構成要素が直接連結されることだけを意味するものではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素により間接的に連結されることや、物理的に連結されることだけでなく電気的に接続されることや、または位置や機能によって異なる名称で称されたが、一体のものを意味する。
【0044】
図1は一実施形態による積層セラミックスキャパシタを概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のII-II'線に沿って切断した断面図であり、
図3aは
図1の積層セラミックスキャパシタの第1内部電極を概略的に示した平面図であり、
図3bは
図1の積層セラミックスキャパシタの第2内部電極を概略的に示した平面図である。
【0045】
図1、
図2、
図3aおよび
図3bを参照すると、本実施形態による積層セラミックスキャパシタ10はセラミックス本体12、第1および第2外部電極13,14、複数の第1および第2内部電極21,22、第1ダミー電極のパターン150および第2ダミー電極のパターン160を含む。
【0046】
まず、本実施形態を明確に説明するために方向を定義すると、図面に表示されたL軸、W軸、およびT軸は、それぞれ積層セラミックスキャパシタ10の長手方向、幅方向、および厚さ方向を示す軸を指す。
【0047】
厚さ方向(T軸方向)は、シート(sheet)形状を有する構成要素の広い面(主面)に垂直な方向であり得る。例えば、厚さ方向(T軸方向)は、誘電体層が積層される方向と同じ概念で用いることができる。
【0048】
長手方向(L軸方向)は、シート形状を有する構成要素の広い面(主面)に並んだ方向であって、厚さ方向(T軸方向)と交差(または直交)する方向であり得る。例えば、長手方向(L軸方向)は、第1外部電極13と第2外部電極14が互いに対向する方向であり得る。
【0049】
幅方向(W軸方向)は、シート形状を有する構成要素の広い面(主面)に並んだ方向であって、厚さ方向(T軸方向)および長手方向(L軸方向)と同時に交差(または直交)する方向であり得る。
【0050】
セラミックス本体12は複数の誘電体層124を厚さ方向(T軸方向)に積層した後焼成して形成される。ここで、セラミックス本体12の互いに隣接する複数の誘電体層124それぞれは互いに境界が不明確な状態で一体化することができる。セラミックス本体12は互いに交差する方向に沿ってあらかじめ設定された大きさの長さ、幅、および厚さを有し、厚さが幅より小さい概ね六面体形状からなるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
本実施形態では、説明の便宜上、セラミックス本体12の誘電体層124が積層された厚さ方向(T軸方向)の互いに対向する面を上面121と下面122と定義し、上面121と下面122を連結するセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)の互いに対向する面を第1および第2端部面128,129と定義し、第1および第2端部面128,129と垂直に交差する幅方向(W軸方向)の互いに対向する面を第1および第2側面126,127と定義する。
【0052】
したがって、第1端部面128と第2端部面129が対向する方向である第1方向は、長手方向(L軸方向)であってもよく、第1方向に垂直であり互いに垂直な第2方向および第3方向は、それぞれ厚さ方向(T軸方向)および幅方向(W軸方向)、または幅方向(W軸方向)および厚さ方向(T軸方向)であり得る。
【0053】
セラミックス本体12の長さは、セラミックス本体12の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最大値を意味することができる。一方、セラミックス本体12の長さは、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最小値を意味する。他の一方、セラミックス本体12の長さは、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分中少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0054】
セラミックス本体12の厚さは、セラミックス本体12の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最大値を意味することができる。一方、セラミックス本体12の厚さは、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最小値を意味する。他の一方、セラミックス本体12の厚さは、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分中少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0055】
セラミックス本体12の幅は、セラミックス本体12の厚さ方向(T軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-幅方向(W軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最大値を意味することができる。一方、セラミックス本体12の幅は、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最小値を意味することができる。他の一方、セラミックス本体12の幅は、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分中少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0056】
一方、セラミックス本体12の長さ、幅および厚さそれぞれは、マイクロメータ(micrometer)測定法で測定されてもよい。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータで零点を設定し、マイクロメータのチップの間に本実施形態によるセラミックス本体12を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法でセラミックス本体12の長さを測定する時、セラミックス本体12の長さは、1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、セラミックス本体12の幅および厚さの測定にも同様に適用される。
【0057】
一方、セラミックス本体12内で最上部にある内部電極の上部に所定の厚さの第1カバー層123が備えられ、最下部にある内部電極の下部に第2カバー層125が備えられる。第1カバー層123および第2カバー層125は誘電体層124と同じ組成を有することができ、誘電体層をセラミックス本体12の最上部の内部電極の上部と最下部の内部電極の下部にそれぞれ1個以上積層して形成される。
【0058】
第1カバー層123内には第1ダミー電極のパターン150が備えられ、第2カバー層125内には第2ダミー電極のパターン160が備えられる。第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160については以下でより詳しく説明する。
【0059】
誘電体層124は高誘電率のセラミック材料を含み得、例えばBaTiO3(チタン酸バリウム)系セラミック材料を含み得るが、本実施形態はこれに限定されるものではない。BaTiO3系セラミック材料は、例えばBaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などがあるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0060】
また、誘電体層124にはセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤のうちの一つ以上がさらに含まれ得る。セラミック添加剤は、例えば遷移金属酸化物または炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などであり得る。
【0061】
第1および第2外部電極13,14は導電性金属をメッキして形成される。導電性金属はニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含み得るが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0062】
第1外部電極13はセラミックス本体12の第1端部面128に配置され、第2外部電極14はセラミックス本体12の第2端部面129に配置される。
【0063】
第1外部電極13は、第1接続部133と第12バンド部135を含む。
【0064】
第1接続部133は、セラミックス本体12の第1端部面128の一部を覆い、第1内部電極21の露出した端部と接続されて電気的に連結される部分である。導電性金属が第1内部電極21の露出した端部にメッキされてセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)だけでなく厚さ方向(T軸方向)にも成長して第1接続部133をなす。
【0065】
ただし、導電性金属はセラミックス本体12の第1端部面128をすべて覆わず、第1端部面128の第2カバー層125側の一部まで覆うようにメッキされ得る。導電性金属が第1端部面128をすべて覆うようにメッキされると、セラミックス本体12の下面122まで第1外部電極13が成長することができ、積層セラミックスキャパシタ10がそれだけ厚くなるので、薄膜化された積層セラミックスキャパシタを実現し難い。
【0066】
第1バンド部135は第1接続部133からセラミックス本体12の上面121の一部、第1側面126の一部、及び第2側面127の一部を覆うように延びる部分である。
【0067】
第1バンド部135とセラミックス本体12の上面121との間には第1シード(seed)電極層137が印刷されている。この場合、導電性金属が第1シード電極層137にメッキされて第1バンド部135をなす。
【0068】
第1シード電極層137は、導電性金属(例えばニッケル(Ni))を含むペーストを印刷する方法で形成される。したがって、第1シード電極層137は導電性金属の他に共材(sintering inhibitor)を含んでいる領域である。導電性金属を第1シード電極層137にメッキして第1バンド部135が形成される。第1バンド部135は第1シード電極層137とは異なり導電性金属以外の成分はほとんど含んでいない領域である。
【0069】
第1接続部133はセラミックス本体12の第1端部面128の一部を覆う。第1接続部133は第1端部面128の上端から下側に延びるが、下端まで延びない。すなわち、第1接続部133の下端と第1端部面128の下端の間には間隔がある。したがって、第1接続部133により第1端部面128の下側の一部分が露出する。第1端部面128は第1接続部133により覆われていない第1露出面173を含む。
【0070】
第2外部電極14は、第2接続部143と第2バンド部145をそれぞれ含む。
【0071】
第2接続部143は、セラミックス本体12の第2端部面129の一部をそれぞれ覆い、第2内部電極22の露出した端部と接続されて電気的に連結される部分である。導電性金属が、第2内部電極22の露出した端部にメッキされてセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)だけでなく厚さ方向(T軸方向)にも成長して第2接続部143をなす。
【0072】
ただし、導電性金属は、セラミックス本体12の第2端部面129をすべては覆わず、第2端部面129の第2カバー層125側の一部まで覆うようにメッキされ得る。導電性金属が、第2端部面129をすべて覆うようにメッキされると、セラミックス本体12の下面122まで第2外部電極14が成長することができ、積層セラミックスキャパシタ10がそれだけ厚くなるので、薄膜化された積層セラミックスキャパシタを実現し難い。
【0073】
第2バンド部145は、第2接続部143からセラミックス本体12の上面121の一部、第1側面126の一部および第2の側面127の一部を覆うように延びる部分である。
【0074】
第2バンド部145とセラミックス本体12の上面との間には第2シード電極層147が印刷されている。この場合、導電性金属が第2シード電極層147にメッキされて第2バンド部145をなす。
【0075】
第2シード電極層147は、導電性金属(例えば、ニッケル(Ni))を含むペーストを印刷する方法で形成される。したがって、第2シード電極層147は、導電性金属以外に共材(sintering inhibitor)を含んでいる領域である。導電性金属を第2シード電極層147にメッキして第2バンド部145が形成される。第2バンド部145は、第2シード電極層147と異なり導電性金属以外の成分はほとんど含まない領域である。
【0076】
第2接続部143はセラミックス本体12の第2端部面129の一部を覆う。第2接続部143は第2端部面129の上端から下側に延びるが下端まで延びない。すなわち、第2接続部143の下端と第2端部面129の下端の間には間隔がある。したがって、第2接続部143により第2端部面129の下側の一部分が露出する。第2端部面129は第2接続部143により覆われていない第2露出面183を含む。
【0077】
第1および第2露出面173,183は第2カバー層125の一部分であり得る。すなわち、第1および第2露出面173,183は第2カバー層125の長手方向(L軸方向)両端部面の一部分であり得る。第1および第2露出面173,183を含む第2カバー層125内に第2ダミー電極のパターン160が備えられる。第2ダミー電極のパターン160は第1および第2露出面173,183に接するか第1および第2露出面173,183に引き出され得る。第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160については以下でより詳しく説明する。
【0078】
複数の第1および第2内部電極21,22は誘電体層124を介在して交互に積層される。第1および第2内部電極21,22は誘電体層124を形成するセラミックシート上に形成されて積層された後、焼成(sintering)によって一つの誘電体層124を間に置いてセラミックス本体12の内部に厚さ方向に交互に配置される。このような第1および第2内部電極21,22は互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層124の積層方向に沿って互いに対向するように配置され、中間に配置された誘電体層124によって電気的に絶縁され得る。
【0079】
第1および第2内部電極21,22は誘電体層124を間に置いて互いに長手方向にずれるように配置され、第1内部電極21の一端が第1端部面128を介して露出し、第2内部電極22の一端が第2端部面129を介して露出する。このようにセラミックス本体12の第1端部面128を介して露出した第1内部電極21の端部は第1端部面128で第1外部電極13の第1接続部133と接続されて電気的に連結される。セラミックス本体12の第2端部面129を介して露出した第2内部電極22の端部は、第2端部面129で第2外部電極14の第2接続部143と接続されて電気的に連結される。
【0080】
図3aおよび
図3bを参照すると、第1内部電極21は、幅方向(W軸方向)に対向する一対の長辺A11、A12と長手方向(L軸方向)に対向する一対の短辺B11、B12を有する長方形形状であり、第2内部電極22は、幅方向(W軸方向)に対向する一対の長辺A21、A22と長手方向(L軸方向)に対向する一対の短辺B21、B22を有する長方形形状である。第1内部電極21は、短辺B11が誘電体層124の長手方向(L軸方向)の一側縁に接し、短辺B12が誘電体層124の長手方向(L軸方向)の反対側縁と離隔するように配置される。第2内部電極22は、短辺B21が誘電体層124の長手方向(L軸方向)の一側縁と離隔し、短辺B22が誘電体層124の長手方向(L軸方向)の反対側縁に接するように配置される。すなわち、第1内部電極21と第2内部電極22は、厚さ方向(T軸方向)に部分的に重なるように配置される。第1内部電極21の短辺B11は第1外部電極13に接続され、第2内部電極22の短辺B22は第2外部電極14に接続される。このように、本実施形態では第1外部電極13と第2外部電極14が、セラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に対向する二つの表面にそれぞれ配置される。
【0081】
また、第1および第2内部電極21,22は導電性金属で形成され、例えばニッケル(Ni)またはニッケル(Ni)合金などを含み得るが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
【0082】
上記のような構成により、第1および第2外部電極13,14に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1および第2内部電極21,22の間に電荷が蓄積される。この時、積層セラミックスキャパシタ10の静電容量は誘電体層124の積層方向に沿って互いに重なる第1および第2内部電極21,22の重畳(overlap)された面積に比例する。
【0083】
一方、他の実施形態では、外部電極がセラミックス本体の幅方向(W軸方向)に対向する二つの表面にそれぞれ配置される。例えば、
図4aおよび
図4bを参照すると、第1内部電極21'は、幅方向(W軸方向)に対向する一対の長辺A31、A32と、長手方向(L軸方向)に対向する一対の短辺B31、B32を有する長方形形状であり、第2内部電極22'は、幅方向(W軸方向)に対向する一対の長辺A41、A42と、長手方向(L軸方向)に対向する一対の短辺B41、B42を有する長方形形状である。第1内部電極21'は、長辺A31が誘電体層124の幅方向(W軸方向)の一側縁に接し、長辺A32が誘電体層124の幅方向(W軸方向)の反対側縁と離隔するように配置される。第2内部電極22'は、長辺A41が誘電体層124の幅方向(W軸方向)の一側縁と離隔し、長辺A42が誘電体層124の幅方向(W軸方向)の反対側縁に接するように配置される。すなわち、第1内部電極21と第2内部電極22は、厚さ方向(T軸方向)に部分的に重なるように配置される。この場合、第1内部電極21'の長辺A31は、第1外部電極13'に接続され、第2内部電極22'の長辺A42は、第2外部電極14'に接続される。すなわち、第1外部電極13'と第2外部電極14'が、セラミックス本体12の幅方向(W軸方向)に対向する二つの表面にそれぞれ配置される。
【0084】
【0085】
第1カバー層123の長さ方向(L軸方向)両端部面は第1および第2外部電極13,14によりすべて覆われることに対して、第2カバー層125の長さ方向(L軸方向) 両端部面は第1および第2外部電極13,14により部分的に覆われて露出面173,183を有する。
【0086】
第2カバー層125とは異なり第1カバー層123は露出面を含まない。すなわち、第1カバー層123の長さ方向(L軸方向)両端部面は第1および第2外部電極13,14により覆われる。
【0087】
第2カバー層125は第1露出面173と第2露出面183を含む。第1露出面173はセラミックス本体12の第1端部面128のうち第1外部電極13により覆われていない部分であり、第2露出面183はセラミックス本体12の第2端部面129のうち第2外部電極14により覆われていない部分である。言い換えると、第1露出面173は第1端部面128の一部分として第1外部電極13により露出した面であり、第2露出面183は第2端部面129の一部分として第2外部電極14により露出した面である。
【0088】
第1露出面173の高さH1と第2露出面183の高さH2は第2カバー層125の厚さtより小さくてもよい。
【0089】
例えば、第1露出面173の高さH1、第2露出面183の高さH2と第2カバー層125の厚さtは、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第1露出面173の高さH1は、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の下面122の厚さ方向(T軸方向)の最外側地点を通り長手方向(L軸方向)に平行な直線と第1接続部133の下端との間の最短距離を意味することができる。第2露出面183の高さH2は、前述した断面写真に現れたセラミックス本体12の下面122の厚さ方向(T軸方向)の最外側地点を通り長手方向(L軸方向)に平行な直線と第2接続部143の下端との間の最短距離を意味することができる。第2カバー層125の厚さtは、前述した断面写真に現れた第2カバー層125の厚さの最小値を意味することができる。
【0090】
他の例として、第1露出面173の高さH1は第2カバー層125の外周面またはその仮想の延長面と第1接続部133の縁のうち第2カバー層125側にある縁の間の距離を意味することができ、第2露出面183の高さH2は第2カバー層125の外周面またはその仮想の延長面と第2接続部143の縁のうち第2カバー層125側にある縁の間の距離を意味することができ、第2カバー層125の厚さtは複数の第1および第2内部電極21,22のうちセラミックス本体12の厚さ方向に沿った第2カバー層125の外周面に最も近い内部電極とセラミックス本体12の厚さ方向に沿った第2カバー層125の外周面の間の距離を意味することができる。
【0091】
第1外部電極13はセラミックス本体12の第1端部面128に引き出された第1内部電極21をシード(seed)にしてメッキされて成長する。厚さ方向(T軸方向)最下部の内部電極22をシードにしてメッキされる第1外部電極13はセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)だけでなく厚さ方向(T軸方向)にも成長するので、第1外部電極13の下端が厚さ方向(T軸方向)の最下部の内部電極22より下側にさらに長く形成できる。言い換えると、第1露出面173の高さH1が第2カバー層125の厚さtより小さくてもよい。
【0092】
第1露出面173の高さH1が第2カバー層125の厚さtより大きい場合には厚さ方向(T軸方向)の最下部の内部電極が第1露出面173に引き出されるが、第1外部電極13の第1接続部133には連結されない。
【0093】
第2外部電極14は、セラミックス本体12の第2端部面129に引き出された第1および第2内部電極21、22をシード(seed)にしてメッキされて成長する。厚さ方向(T軸方向)の最下部の内部電極22をシードにしてメッキされる第2外部電極14は、セラミックス本体12の長手方向(L軸方向)だけでなく厚さ方向(T軸方向)にも成長するので、第2外部電極14の下端が厚さ方向(T軸方向)の最下部の内部電極22より下側にさらに長く形成できる。言い換えると、第2露出面183の高さH2が第2カバー層125の厚さtより小さくてもよい。
【0094】
第2露出面183の高さH2が第2カバー層125の厚さtより大きい場合には厚さ方向(T軸方向)の最下部の内部電極が第2露出面183に引き出されるが、第2外部電極14の第2接続部143には連結されない。
【0095】
図2を参照すると、本実施形態による積層セラミックスキャパシタ10はアクティブ領域A、第1マージンM1及び第2マージン領域M2を含む。
【0096】
アクティブ領域Aは複数の第1および第2内部電極21,22がセラミックス本体12の厚さ方向(T軸方向)に重なる領域であり、第1マージン領域M1はアクティブ領域Aとセラミックス本体12の第1端部面128との間の領域であり、第2マージン領域M2はアクティブ領域Aとセラミックス本体12の第2端部面129との間の領域である。
【0097】
アクティブ領域Aには複数の第1および第2内部電極21,22が重なることに対して第1マージン領域M1には複数の第1内部電極21が存在し、第2マージン領域M2には複数の第2内部電極22が存在するので、アクティブ領域Aとマージン領域M1,M2との間には厚さの差が生じ得る。言い換えると、マージン領域M1,M2には段差が存在し得る。段差が存在する場合、積層セラミックスキャパシタが概ね直方体形状を有することができなくなり、実装性と信頼性の問題が引き起こされる。
【0098】
一方、セラミックス本体12はセラミック材質であるが、外部電極13,14は金属(例えばニッケル(Ni))材質であるから焼成(sintering)時のセラミックと金属の収縮率の差によってセラミックス本体12に応力が集中する区域が生じてたわみが発生し得る。たわみが発生すると積層セラミックスキャパシタを回路基板に実装する際にクラック(crack)が生じ得る。
【0099】
本実施形態によるセラミックス本体12は厚さが幅より小さい構造を有する。例えば、セラミックス本体12の厚さは0より大きく、幅の80%以下であり得る。このような構造を有するセラミックス本体は厚さが相対的に薄いので、基板に実装する際に外部の衝撃によるクラック(crack)発生など物理的に破損する恐れが高い。さらに、セラミックス本体の平坦度が高くないと、基板に実装する際の応力が特定位置に集中して破損可能性が高くなり、それに伴い電気的特性が低下するだけでなく、破損部位による水分浸透の可能性も高くなる。
【0100】
したがって、本実施形態ではセラミックス本体12のマージン領域M1,M2にダミー電極のパターンを形成することによって段差発生を抑制して平坦度を改善する一方、焼成時に発生する収縮率の差を制御してたわみ発生を抑制する。
【0101】
第1ダミー電極のパターン150は第1カバー層123内に備えられる。第1ダミー電極のパターン150は第1および第2内部電極21,22と同様に誘電体層124上に導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することによって形成される。
【0102】
第1ダミー電極のパターン150は少なくとも一つの第1ダミー電極151:151a、151bと少なくとも一つの第2ダミー電極152:152a、152bを含み得る。第1ダミー電極151は第1端部面128に接するか、または第1端部面128に引き出され得る。第2ダミー電極152は第2端部面129に接するか、または第2端部面129に引き出され得る。言い換えると、第1ダミー電極151は第1端部面128からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置され、第2ダミー電極152は第2端部面129からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置される。
【0103】
第1ダミー電極151の長さL1は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよい。ここで、L1はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1ダミー電極151の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0104】
例えば、第1ダミー電極151の長さL1は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第1ダミー電極151の長さL1は、前述した断面写真に現れた第1ダミー電極151の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。第1マージン領域M1の幅L2は、前述した断面写真に現れた第1マージン領域M1の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0105】
第1ダミー電極151の長さL1が第1マージン領域M1の幅L2より小さいと、第1マージン領域M1とアクティブ領域Aの間に段差が発生して平坦度が悪くなる。
【0106】
第2ダミー電極152の長さL1'は、第2マージン領域M2の幅L2'と同じかそれより大きくなる。ここで、L1'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2ダミー電極152の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0107】
例えば、第2ダミー電極152の長さL1'は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第2ダミー電極152の長さL1'は、前述した断面写真に現れた第2ダミー電極152の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第2マージン領域M2の幅L2'は、前述した断面写真に現れた第2マージン領域M2の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0108】
第2ダミー電極152の長さL1'が第2マージン領域M2の幅L2'より小さいと、第2マージン領域M2とアクティブ領域Aの間に段差が発生して平坦度が悪くなる。
【0109】
第2ダミー電極のパターン160は第2カバー層125内に備えられる。第2ダミー電極のパターン160は第1および第2内部電極21,22と同様に誘電体層124上に導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することによって形成される。
【0110】
第2ダミー電極のパターン160は、少なくとも一つの第3ダミー電極161:161a、161bと少なくとも一つの第4ダミー電極162:162a、162bを含み得る。第3ダミー電極161は第1露出面173に接するか、または第1露出面173に引き出され得る。第4ダミー電極162は、第2露出面183に接するか、または第2露出面183に引き出され得る。言い換えると、第3ダミー電極161は、第1露出面173からセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に沿って内側に向かって延びるように配置され、第4ダミー電極162は、第2露出面183からセラミックス本体12の長手方向(L軸方向)に沿って内側に向かって延びるように配置される。
【0111】
第3ダミー電極161の長さL3は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよい。ここで、L3はセラミックス本体12の長手方向に沿った第3ダミー電極161の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0112】
例えば、第3ダミー電極161の長さL3は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第3ダミー電極161の長さL3は、前述した断面写真に現れた第3ダミー電極161の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第1マージン領域M1の幅L2は、前述した断面写真に現れた第1マージン領域M1の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0113】
第3ダミー電極161の長さL3が第1マージン領域M1の幅L2より小さいと、第1マージン領域M1とアクティブ領域Aとの間に段差が発生して平坦度が悪くなる。
【0114】
第4ダミー電極162の長さL3'は、第2マージン領域M2の幅L2'と同じかそれより大きくなる。ここで、L3'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第4ダミー電極162の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0115】
例えば、第4ダミー電極162の長さL3'は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第4ダミー電極162の長さL3'は、前述した断面写真に現れた第4ダミー電極162の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第2マージン領域M2の幅L2'は、前述した断面写真に現れた第2マージン領域M2の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0116】
第4ダミー電極162の長さL3'が第2マージン領域M2の幅L2'より小さいと、第2マージン領域M2とアクティブ領域Aとの間に段差が発生して平坦度が悪くなる。
【0117】
また、アクティブ領域Aの複数の第1内部電極21及び複数の第2内部電極22の厚さの合計(S1)は0より大きく、第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160の厚さの合計(S2)の2倍以下であり得る。すなわち、0<S1=<2*S2であり得る。
【0118】
例えば、アクティブ領域Aに分布する内部電極の総厚さはマージン領域M1,M2に分布する内部電極の総厚さの2倍である場合,この厚さの差を補償するようにダミー電極のパターンの厚さが定められる。言い換えると、この場合、ダミー電極のパターンの総厚さはマージン領域M1,M2に分布する内部電極の総厚さと同じであり得る。
【0119】
このようにダミー電極のパターンと内部電極の厚さが前述した範囲を満たせば、アクティブ領域Aとマージン領域M1,M2の内部電極分布の差による段差発生が最小化されるか抑制されることができる。
【0120】
反面、アクティブ領域Aの複数の第1内部電極21及び複数の第2内部電極22の厚さの合計(S1)が第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160の厚さの合計(S2)の2倍より大きければ、ダミー電極のパターンの配置による平坦度の改善効果が充分でない。
【0121】
第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160は、複数のダミー電極を含むことができる。すなわち、第1ダミー電極のパターン150は、複数の第1ダミー電極151a、151bと複数の第2ダミー電極152a、152bを含むことができる。複数の第1ダミー電極151a、151bは、厚さ方向(T軸方向)に互いに離隔でき、その間隔は均一であり得る。複数の第2ダミー電極152a、152bは、厚さ方向(T軸方向)に互いに離隔でき、その間隔は均一であり得る。また、第2ダミー電極のパターン160は、複数の第3ダミー電極161a、161bと複数の第4ダミー電極162a、162bを含むことができる。複数の第3ダミー電極161a、161bは、厚さ方向(T軸方向)に互いに離隔でき、その間隔は均一であり得る。複数の第4ダミー電極162a、162bは、厚さ方向(T軸方向)に互いに離隔でき、その間隔は均一であり得る。
【0122】
第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含み得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0123】
図7は
図1に示す積層セラミックスキャパシタが基板に実装した形態を示す概略断面図である。
【0124】
図7を参照すると、積層セラミックスキャパシタ10は回路基板200の上面に備えられた第1および第2電極パッド211,213に導電性接合部材215を介して連結される。すなわち、積層セラミックスキャパシタ10は回路基板200上で第1および第2電極パッド211,213を介して実装することができる。
【0125】
第1および第2電極パッド211,213は回路基板200の上面で互いに離隔して配置される。積層セラミックスキャパシタ10の第1外部電極13の第1バンド部135は第1電極パッド211と接触するように配置された状態で導電性接合部材215を用いて回路基板200に固定され、第2外部電極14の第2バンド部145は第2電極パッド213と接触するように配置された状態で導電性接合部材215を用いて回路基板200に固定される。なお、第1外部電極13の第1接続部133にも導電性接合部材215が覆われ、第2外部電極14の第2接続部143にも導電性接合部材215が覆われ得る。そのため、積層セラミックスキャパシタ10は回路基板200の第1および第2電極パッド211,213に電気的に接続されることができる。導電性接合部材215は一例としてソルダ(solder)を含むことができる。
【0126】
本実施形態で積層セラミックスキャパシタ10の第1外部電極13は、導電性接合部材215により第1電極パッド211に固定されることによって回路基板200に実装し、第2外部電極14は導電性接合部材215により第2電極パッド213に固定されることによって回路基板200に実装する。
【0127】
一般的な積層セラミックスキャパシタを回路基板に実装するとき、基板が曲がると外部電極のバンド部の端部に応力が集中することによってたわみクラック(flex crack)が伝播し得る。しかし、本実施形態では実装時の応力が集中する部位に前述した長さの第1ダミー電極のパターン150を配置することによってたわみクラックの発生を抑制することができる。
【0128】
すなわち、本実施形態による積層セラミックスキャパシタ10は、第1カバー層123と第2カバー層125にそれぞれ第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160を備え、第1ダミー電極のパターン150の第1ダミー電極151及び第2ダミー電極152と第2ダミー電極のパターン160の第3ダミー電極161及び第4ダミー電極162は前述したような厚さと長さを有する。第1ダミー電極151の長さL1は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよく、第2ダミー電極152の長さL1'は第2マージン領域M2の幅L2'と同じであるかそれより大きくてもよい。また、第3ダミー電極161の長さL3は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよく、第4ダミー電極162の長さL3'は第2マージン領域M2の幅L2'と同じであるかそれより大きくてもよい。また、アクティブ領域Aの複数の第1内部電極21及び複数の第2内部電極22の厚さの合計(S1)は0より大きく、第1ダミー電極のパターン150と第2ダミー電極のパターン160の厚さの合計(S2)の2倍以下であり得る。すなわち、0<S1=<2*S2であり得る。
【0129】
このように、本実施形態による積層セラミックスキャパシタ10は、ダミー電極のパターンを備えるので、回路基板200に実装する際にバンド部135,145の端部に応力が集中しても応力に対する抵抗が大きいので、たわみクラック発生が防止されることができる。
【0130】
反面、本実施形態による積層セラミックスキャパシタとは異なり、ダミー電極が備えられていない場合は積層セラミックスキャパシタ10を回路基板200に実装する際にバンド部135,145の端部に応力が集中して破壊が進行して結果的にたわみクラックが発生し得る。
【0131】
図8は他の実施形態による積層セラミックスキャパシタを示す概略断面図であり、
図9は
図8の部分拡大図であり、
図10は
図8のまた他の部分拡大図である。
【0132】
図8、
図9および
図10を参照すると、第1ダミー電極のパターン150は少なくとも一つの第1ダミー電極1151:1151a,1151bと少なくとも一つの第2ダミー電極1152,1152a,1152bを含み得る。第1ダミー電極1151はセラミックス本体12の長手方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第1端部面128までは至らなく、第2ダミー電極1152はセラミックス本体12の長さ方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第2端部面129までは至らない。すなわち、第1ダミー電極1151とセラミックス本体12の第1端部面128との間には間隔が存在し、第2ダミー電極1152とセラミックス本体12の第2端部面129との間には間隔が存在する。
【0133】
第1ダミー電極1151の長さL1は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよい。ここで、L1はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1ダミー電極1151の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0134】
例えば、第1ダミー電極1151の長さL1は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第1ダミー電極1151の長さL1は、前述した断面写真に現れた第1ダミー電極1151の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第1マージン領域M1の幅L2は、前述した断面写真に現れた第1マージン領域M1の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0135】
第2ダミー電極1152の長さL1'は第2マージン領域M2の幅L2'と同じかそれより大きくなる。ここで、L1'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2ダミー電極1152の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0136】
例えば、第2ダミー電極1152の長さL1'は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第2ダミー電極1152の長さL1'は、前述した断面写真に現れた第2ダミー電極1152の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第2マージン領域M2の幅L2'は、前述した断面写真に現れた第2マージン領域M2の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0137】
第2ダミー電極のパターン1160は、少なくとも一つの第3ダミー電極1161:1161a,1161bと少なくとも一つの第4ダミー電極1162:1162a、1162bを含むことができる。第3ダミー電極1161はセラミックス本体12の長手方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第1露出面173までは至らなく、第4ダミー電極1162はセラミックス本体12の長さ方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第2露出面183までは至らない。すなわち、第3ダミー電極1161とセラミックス本体12の第1露出面173との間には間隔が存在し、第4ダミー電極1162とセラミックス本体12の第2露出面183との間には間隔が存在する。
【0138】
第3ダミー電極1161の長さL3は第1マージン領域M1の幅L2と同じであるかそれより大きくてもよい。ここで、L3はセラミックス本体12の長手方向に沿った第3ダミー電極1161の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0139】
第4ダミー電極1162の長さL3'は第2マージン領域M2の幅L2'と同じかそれより大きくてもよい。ここで、L3'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第4ダミー電極1162の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0140】
第3ダミー電極1161の長さL3と第4ダミー電極1162の長さL3'は、第1ダミー電極1151および第2ダミー電極1152の長さと同様の方法で測定することができるため、それに関する重複する説明は省略する。
【0141】
以上を除けば、
図8~10に示す実施形態による積層セラミックスキャパシタは、
図1~7に示す実施形態による積層セラミックスキャパシタと同様であるので重複または同じ部分に係る説明は省略する。
【0142】
図11また他の実施形態による積層セラミックスキャパシタを示す概略断面図であり、
図12は
図11の部分拡大図であり、
図13は
図11のまた他の部分拡大図である。
【0143】
図11、
図12および
図13を参照すると、第1ダミー電極のパターン2150は、少なくとも一つの第1ダミー電極2151:2151a、2151bと少なくとも一つの第2ダミー電極2152:2152a,2152bを含むことができる。第1ダミー電極2151は、セラミックス本体12の長手方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第1端部面128まで至り、第2ダミー電極2152はセラミックス本体12の長さ方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第2端部面129まで至る。すなわち、第1ダミー電極2151はセラミックス本体12の第1端部面128に接するか、または第1端部面128に引き出され、第2ダミー電極2152はセラミックス本体12の第2端部面129に接するか、または第2端部面129に引き出され得る。言い換えると、第1ダミー電極2151は第1端部面128からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置され、第2ダミー電極2152は第2端部面129からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置される。
【0144】
第1ダミー電極2151の長さL1は第1バンド部135の長さL4より小さくてもよい。ここで、L1はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1ダミー電極2151の両端部の間の距離を意味し、L4はセラミックス本体12の第1端部面128またはその仮想の延長面と第1バンド部135の縁のうちセラミックス本体12の第1端部面128の反対側にある縁の間の距離を意味する。
【0145】
第1ダミー電極2151の長さL1は第1マージン領域M1の幅L2より大きくてもよい。ここで、L1はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1ダミー電極2151の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0146】
例えば、第1ダミー電極2151の長さL1は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第1ダミー電極2151の長さL1は、前述した断面写真に現れた第1ダミー電極2151の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第1バンド部135の長さL4は、前述した断面写真に現れた第1端部面128の長手方向(L軸方向)の最外側地点を通る直線と第1バンド部135の第1端部面128の反対側縁との間の最短距離を意味することができる。また、第1マージン領域M1の幅L2は、前述した断面写真に現れた第1マージン領域M1の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0147】
第2ダミー電極2152の長さL1'は第2バンド部145の長さL4'より小さくてもよい。ここで、L1'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2ダミー電極2152の両端部の間の距離を意味し、L4'はセラミックス本体12の第2端部面129またはその仮想の延長面と第2バンド部145の縁のうちセラミックス本体12の第2端部面129の反対側にある縁との間の距離を意味する。
【0148】
第2ダミー電極2152の長さL1'は第2マージン領域M2の幅L2'より大きくてもよい。ここで、L1'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2ダミー電極2152の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0149】
例えば、第2ダミー電極2152の長さL1'は、積層セラミックスキャパシタ10の幅方向(W軸方向)の中央部での長手方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡または走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真を基準に測定する。第2ダミー電極2152の長さL1'は、前述した断面写真に現れた第2ダミー電極2152の長手方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ連結し、長手方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さ中最大値または最小値を意味するか、前述した複数の線分の長さの算術平均値を意味することができる。また、第2バンド部145の長さL4'は、前述した断面写真に現れた第2端部面129の長手方向(L軸方向)の最外側地点を通る直線と第2バンド部145の第2端部面129の反対側縁との間の最短距離を意味することができる。また、第2マージン領域M2の幅L2'は、前述した断面写真に現れた第2マージン領域M2の最上部の均等な間隔を有する三つの地点、中間部の均等な間隔を有する三つの地点、および最下部の均等な間隔を有する三つの地点でそれぞれ測定した値の算術平均値を意味することができる。
【0150】
第2ダミー電極のパターン2160は、少なくとも一つの第3ダミー電極2161:2161a、2161bと少なくとも一つの第4ダミー電極2162:2162a、2162bを含むことができる。第3ダミー電極2161は、セラミックス本体12の長手方向に沿って内側から外側に延びてセラミックス本体12の第1露出面173まで至る。すなわち、第3ダミー電極2161はセラミックス本体12の第1露出面173に接するか、または第1露出面173に引き出され得る。言い換えると、第3ダミー電極2161は第1露出面173からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置される。
【0151】
第3ダミー電極2161の長さL3は第1バンド部135の長さL4より小さくてもよい。ここで、L3はセラミックス本体12の長手方向に沿った第3ダミー電極2161の両端部の間の距離を意味し、L4はセラミックス本体12の第1端部面128またはその仮想の延長面と第1バンド部135の縁のうちセラミックス本体12の第1端部面128の反対側にある縁の間の距離を意味する。
【0152】
第3ダミー電極2161の長さL3は第1マージン領域M1の幅L2より大きくてもよい。ここで、L3はセラミックス本体12の長手方向に沿った第3ダミー電極2161の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミックス本体12の長手方向に沿った第1マージン領域M1の両端部の間の距離を意味する。
【0153】
第4ダミー電極2162は、セラミックス本体12の長手方向に沿って内側から外側に延びるが、セラミックス本体12の第2露出面183まで至る。すなわち、第4ダミー電極2162は、セラミックス本体12の第2露出面183に接するか、第2露出面183に引き出される。言い換えると、第4ダミー電極2162は、第2露出面183からセラミックス本体12の長手方向に沿って内側に向かって延びるように配置される。
【0154】
第4ダミー電極2162の長さL3'は、第2バンド部145の長さL4'より小さくてもよい。ここで、L3'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第4ダミー電極2162の両端部の間の距離を意味し、L4'はセラミックス本体12の第2端部面129またはその仮想の延長面と第2バンド部145の縁のうちセラミックス本体12の第2端部面129の反対側にある縁との間の距離を意味する。
【0155】
第4ダミー電極2162の長さL3'は、第2マージン領域M2の幅L2'より大きくてもよい。ここで、L3'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第4ダミー電極2162の両端部の間の距離を意味し、L2'はセラミックス本体12の長手方向に沿った第2マージン領域M2の両端部の間の距離を意味する。
【0156】
第3ダミー電極2161の長さL3と第4ダミー電極2162の長さL3'は、第1ダミー電極2151および第2ダミー電極2152の長さと同様の方法で測定すことができるため、それに関する重複する説明は省略する。
【0157】
以上を除けば、
図11~13に示す実施形態による積層セラミックスキャパシタは、
図1~7に示す実施形態による積層セラミックスキャパシタと同様であるので、重複または同じ部分に係る説明は省略する。
【0158】
一方、
図1~7に示す実施形態による積層セラミックスキャパシタの特徴の一部と
図8~10に示す積層セラミックスキャパシタの特徴の一部を組合わせた積層セラミックスキャパシタも提供することができる。
【0159】
第1ダミー電極及び第2ダミー電極は
図1~7に示す構造を有し、第3ダミー電極及び第4ダミー電極は
図8~10に示す構造を有することができ、その逆も可能である。
【0160】
さらに、第1ダミー電極及び第2ダミー電極は
図1~7に示す構造を有し、第3ダミー電極及び第4ダミー電極は
図11~13に示す構造を有することができ、その逆も可能である。
【0161】
また、第1ダミー電極及び第2ダミー電極は
図8~10に示す構造を有し、第3ダミー電極及び第4ダミー電極は
図11~13に示す構造を有することができ、その逆も可能である。
【0162】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付する図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0163】
10 積層セラミックスキャパシタ
12 セラミックス本体
13 第1外部電極
14 第2外部電極
150,2150 第1ダミー電極のパターン
151,1151,2151 第1ダミー電極
152,1152,2152 第2ダミー電極
160,1160,2160 第2ダミー電極のパターン
161,1161,2161 第3ダミー電極
162,1162,2162 第4ダミー電極
121 上面
122 下面
A アクティブ領域
M マージン領域
21,22 内部電極
123 第1カバー層
124 誘電体層
125 第2カバー層
126 第1側面
127 第2側面
133 第1接続部
143 第2接続部
135 第1バンド部
145 第2バンド部
137,147 シード電極層
128 第1端部面
129 第2端部面
173 第1露出面
183 第2露出面
200 回路基板
211,213 第1および第2電極パッド
215 導電性接合部材