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特開2024-128942冷間圧延機のための拡張カルマンフィルタ状態推定を使用する動的ロール偏心識別及び制御アップグレード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128942
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】冷間圧延機のための拡張カルマンフィルタ状態推定を使用する動的ロール偏心識別及び制御アップグレード
(51)【国際特許分類】
   B21B 37/66 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B21B37/66
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016314
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】18/120,343
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アルチャナー メノン
(72)【発明者】
【氏名】ダッタラージ バート
(72)【発明者】
【氏名】シャイレンドラ クマール グプタ
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124AA07
4E124BB02
4E124CC01
4E124CC03
4E124CC05
4E124DD18
4E124EE16
4E124GG04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シート金属厚さの均一性を改善する冷間圧延機のためのコントローラ、およびコントローラをプログラミングする方法を提供する。
【解決手段】センサは、(i)ロール偏心と、(ii)圧延機動作中のロールスリップと、(iii)ロール速度又はロール力の発現による圧延機の外乱と、(iv)プロセスノイズと称される未知の外乱とを測定することによって、冷間圧延機の状態を監視する。コントローラは、センサからのデータを分析して補償する。センサによって圧延機動作中に収集されたデータは、コントローラに到達するのが遅れる。この通信遅延は、フィルタを使用することによって考慮される。コントローラソフトウェアの目的は、本質的に非線形であるバックアップロールの偏心の動的識別であるので、拡張カルマンフィルタを使用することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバックアップロールと第2のバックアップロールとの間にそれぞれ位置決めされた第1の作業ロールと第2の作業ロールとを備えるロールスタンドを出る圧延機におけるシート金属の厚さを制御するためのコントローラであって、前記コントローラが、プロセッサと、前記シート金属の厚さを制御するために前記プロセッサによって読み取り可能な媒体上に記憶されたコードとを備え、前記コントローラが、
前記シート金属の前記厚さと、前記第1のバックアップローラ及び前記第2のバックアップローラの動的偏心とを含む入力と、
前記ロールスタンドのモデルと、
前記モデルに基づくフィルタと、
前記第1の作業ロールと前記第2の作業ロールとの間のギャップを制御して前記シート金属を生産するように結合されたコントローラ出力と、を備える、コントローラ。
【請求項2】
ロールスタンドによって生産されるシート金属の厚さを制御するためのコントローラをプログラミングする方法であって、前記方法が、
前記ロールスタンドのモデルを取得することと、
前記シート金属の厚さと、前記ロールスタンドにおける第1の作業ロール及び第2の作業ロールの動的偏心とを含む入力を受信することと、
前記モデルに基づいてフィルタを生成することと、
前記入力に基づいて前記フィルタのパラメータを調整することと、
前記ロールスタンドによって生産される前記シート金属の前記厚さの制御を改善することと、を含む、方法。
【請求項3】
第1の作業ロールと第2の作業ロールとを有するロールスタンドを出るシート金属の厚さを制御するためのコントローラであって、
プロセッサと、
前記ロールスタンドを出る前記シート金属の前記厚さを測定する手段と、
前記第1の作業ロール及び前記第2の作業ロールの偏心を判定する手段と、
前記プロセッサに結合されており、
前記シート金属の前記厚さと、前記第1の作業ロール及び前記第2の作業ロールの動的偏心とを含む入力を受信し、
前記ロールスタンドのモデルを処理し、
前記モデルに基づいてフィルタを実行し、かつ
前記第1の作業ロールと前記第2の作業ロールとの間のロールギャップを制御するように結合された出力を提供するために、前記プロセッサによる実行のための可読プログラムを含む、メモリデバイスと、を備えるコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、冷間圧延機システムにおいてシート材料の厚さを低減することに関し、より具体的には、ロール偏心及び補償の動的識別によって冷間圧延機の性能を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延では、金属材料のシートは、圧力下で圧延円筒表面間に金属ストリップを通過させることによってゲージ又は厚さが減少される。典型的には、圧延機は、より薄く一定のゲージでシートのコイルを生産する。
【0003】
単スタンド冷間圧延機は、材料を巻出しリールから巻戻しリールに供給する。金属ストリップは、バックアップロールによって作用される作業ロールの間を通される。バックアップロールの少なくとも1つに力が加えられる。
【0004】
作業ロール、バックアップロール、巻出しリール、及び巻戻しリールの断面は、様々な理由により、円周が完全に円形ではない場合がある。研削の不正確さは、ロールバレルとロールネックとの間の軸方向の偏差によって生じる。不均一な熱膨張が生じる可能性がある。駆動キーを介したベアリングロールシェルの非対称調整が生じる可能性がある。熱的に誘発される摩耗及び機械的に誘発される摩耗は、位置合わせ不良又は経年変化と共に生じる可能性がある。
【0005】
ロール偏心などの構造的な不一致が結果として生じる可能性がある。各偏心は、ロールの回転周波数である基本周波数と、いくつかの高調波周波数とを含み得る。偏心周波数はロール速度と共に変化する。偏心は、厚さ及び張力誤差として現れる周期的外乱信号をもたらす。
【0006】
ほとんどの冷間圧延機は、作業ロールの外側表面に係合する2つのバックアップロールを含み、したがって、両方のバックアップロールの偏心が、出口ストリップゲージの厚さの変動を引き起こす。変動は、同相であってもよく、又は異相であってもよい。一対の作業ミルが同様の不連続性及び頻度を有し得るので、単一の偏心をフィルタリングすることは困難であり得る。
【0007】
冷間圧延機において、バックアップロールの偏心は、圧延されているストリップのゲージの変動をもたらす。これは、作業ストリップの処理中に作業ロール間の開口部が変化することによって引き起こされる。この問題は、冷間圧延機からのストリップ厚さの仕様がより厳しくなるにつれて、より顕著になっている。
【0008】
時間と共に、偏心プロファイルは変化する。偏心は、直接測定することができないので、異なる圧延機速度に対する厚さプロファイルの間接測定によって判定される。
【0009】
バックアップロールの偏心及び他の表面変動によって引き起こされる変数のために、冷間圧延機は、冷間圧延機を制御するための通常のシステムにおいて位置制御又は自動ゲージ制御を用いることができる。これらのシステムは、バックアップロールの回転変動によって引き起こされる供給ゲージの変動を補償することができる。
【0010】
受動的補償は、圧延機ストレッチ補償ループ(又はゲージメータループ)におけるロール偏心の利得効果を回避することを含む。
【0011】
能動的補償は、HGC出力で相殺されるロール偏心を計算するために位置制御のための補足信号を使用することを含む。
【0012】
偏心信号は、学習アルゴリズムを使用する間接測定を通して識別されてもよい。
【0013】
偏心情報は、ロール力から識別され、高速補償のために使用され得る。
【0014】
偏心情報は、出口厚さ測定から推定することができる。
【0015】
しかしながら、より高い速度では、質量流量及びストリップ張力の閉ループ制御で、特に時間遅延でロール偏心を補償することが困難になる場合がある。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、冷間圧延機又は熱間圧延機のための制御システムの開発に基づいて、仕様を満たすか又は超えるようにシート金属厚さの均一性を改善する。標準要件からのシート金属厚さ偏差が大幅に低減され得る。
【0017】
センサ及びゲージは、(i)ロール偏心などの圧延機ローラの特性と、(ii)圧延機動作中の作業ロールスリップと、(iii)ロール速度又はロール力の発現による圧延機の外乱と、(iv)ガウス白色ノイズとして表され得るプロセスノイズと称され得る未知の外乱とを測定することによって、冷間圧延機又は熱間圧延機の動的フィードバックを獲得するように位置決めされ得る。
【0018】
バックアップロールのロール偏心は、測定が容易ではない重要な要因である。例えば、冷間圧延機は、バックアップロールの各々の角速度又は位置を測定するように構成された様々なエンコーダ又は近接センサを装備することができる。様々なセンサによって生成されるデータの周波数は、少なくともコントローラソフトウェアの実行周波数に対応すべきである。これは、本発明の制御システムに対してある程度の機能精度を保証するはずである。加えて、ローラ1回転当たりのソフトウェア実行周波数が高いほど、偏心補償はより効果的になる。
【0019】
コントローラは、様々なセンサからのデータを継続的に分析して、冷間圧延機の状態を推定し、必要に応じて、ロールギャップ制御を通じて補正又は補償措置を開始する。センサ又はオブザーバによって冷間圧延機動作中に収集されたフィードバックデータは、コントローラソフトウェアに到達するのが遅れる場合がある。これは通信遅延と称され得る。この遅延は、カルマンフィルタなどのフィルタを使用することによるソフトウェアによって考慮される。コントローラソフトウェアの目的の1つは、本質的に非線形である偏心の識別であるので、拡張カルマンフィルタ(extended Kalman Filter、EKF)が好ましくは使用される。
【0020】
好ましい実施形態では、制御システムは、センサベースのデータに基づくロール偏心の動的識別と、動的部分状態フィードバックを使用する状態推定に基づく拡張カルマンフィルタ(EKF)を使用する補償とを特徴とする。これは、未知の圧延機欠陥又は状態が白色ノイズ又はプロセスノイズとして修正され得るため、部分的と称される。圧延機欠陥の状態又は条件に関する直接的なフィードバックはない。それらは、コントローラのソフトウェアの次の実行フレームを通して、次の動作状態のために識別及び推定され得る。偏心の識別は、所望のシート厚さに対して、ロールギャップの設定点に関して、達成されている厚さの有効差の粗い測定を介して行われる。これは、「厚さの不正確さの初期推定値」と称され得る。ロール力に関して、フィードバックは、油圧ねじの制御を通して設定点/加えられたロール力で補完され、これは、圧延機の偏心、ロールスリップ、及び他の欠陥を間接的に反映すると仮定される、「有効ロール力信号」と称され得る。この有効ロール力は、バックアップローラの円周にわたる偏心信号の初期推定値を生成するために、上記で参照した「厚さ不正確さの初期推定値」にわたって位置合わせされる。これは、偏心補償信号を生成するために、圧延機状態のEKFベースの状態推定を通して改良される。バックアップローラの円周にわたる偏心信号のそのような動的生成は、圧延機動作中に、経時的な圧延機における実際の偏心変化に適応する。冷間圧延機における現在の製品で観察される厚さ偏差は、0.5~1.5%の範囲である。
【0021】
本発明の実施形態を実施することによって、冷間圧延機は、少なくとも2~5%の改善を達成することができる。既存の冷間圧延機の制御システムは、本発明を使用してアップグレードすることができる。圧延機の判定された状態に応答して補償を計算することに加えて、センサは、ある公称範囲内で調整され得る調整可能なプロセスパラメータをもたらし得る。パラメータは、圧延機オペレータの裁量に基づいて所望のシート金属結果を達成するために補償のレベルを調整する際に、拡大又は縮小されてもよい。識別された偏心信号はまた、効果的な補償のためにオペレータによって異なる振幅に対してスケーリングされてもよく、これはローラ/圧延機速度の周波数によって影響される。
【0022】
本発明のコントローラは、圧延シート金属圧延機の動作の機能として試験されてもよい。圧延機の動作は、作業を試験し、次に関心のある特定の圧延機に本発明を展開するために、オフラインなどでシミュレートすることができる。拡張カルマンフィルタパラメータは、圧延機状態のオペレータの裁量によって適宜調整されてもよい。拡張カルマンフィルタパラメータは、圧延機のコミッショニング中に提供されるガイダンスに従って、圧延機オペレータによってオペレータ調整可能であってもよい。オペレータはフィルタ値を調整することができるが、通常、ガイダンスの限界を超えるべきではない。これらの限界は、圧延機の状態又は条件に基づいて、圧延機のコミッショニングエンジニアによって設計されるか、又は他の方法で指定されるままにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】シート金属冷間圧延機システムを例示する。
図2】偏心を例示するために重ねられた理想的なロールと実際のロールの概略図である。
図3】冷間圧延機(プラントモデル)の制御手法の動作を示すフロー図である。
図4】ロール速度とその同期、ロール偏心の識別方法の状態を説明するフロー図である。
図5図1に示される冷間圧延機(プラントモデル)の動作のために拡張カルマンフィルタを使用して、センサフィードバックを用いて圧延機の状態又は条件を推定する方法を説明するフロー図である。
図6】シート金属の厚さを感知し制御するための圧延シート金属システムを例示する。
図7】コントローラを実装するためのコンピュータシステムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の方法は、以下の構成要素の様々な独創的な組み合わせを含む:
(1)ロール偏心の動的識別及びロール偏心の補償、(2)ロールスリップの識別及び補償、(3)動的部分状態フィードバックを使用する拡張カルマンフィルタ(EKF)ベースの状態推定、及び(4)圧延機の状態の推定を改善するためのオペレータ調整可能パラメータ。
【0025】
必要に応じて、圧延機オペレータが調整可能なパラメータを実装してもよい。本発明の制御システムは、基本的基準として採用される4ハイスタンド冷間圧延機(4ハイ圧延機)で生産されるシート金属の厚さを制御する際に説明される。しかしながら、本発明は、様々な他の冷間圧延機構成に適用可能であることが理解される。本明細書の説明は、それを仮定するコントローラ計算の周波数及び捕捉されたセンサ又は観測器フィードバックデータの周波数は、圧延機動作に対して有効であるとみなされる好適な周期的時間間隔で生じるように設計及び実装され得る。
【0026】
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0027】
用語「作業ロール」(Work Roll、WR)は、生産されるシート金属の表面と接触する一組のローラを指す。
【0028】
用語「バックアップロール」(Back Up Roll、BUR)は、より高い圧力をWRに加えるために使用される一対のローラを指す。2対のローラ、すなわち、WR及びBURは、4ハイスタンド圧延機の一部である。
【0029】
用語「ストリップ/作業ピース」は、生産されている金属シートを指す。
【0030】
「ロールギャップ」という用語は、シートが生産されている一対のWRの間のギャップを指す。
【0031】
用語「材料特性」(c)は、ストリップの特性を指す。
【0032】
用語「油圧ギャップ制御(Hydraulic Gap Control、HGC)時定数」(τhyd)は、ロールギャップについてのコントローラの時定数を指す。基準4のハイ圧延機に関しては、油圧作動がローラに力を加える。
【0033】
用語「WR主駆動定数」(τroll)は、WRのための速度コントローラの駆動定数を指す。
【0034】
用語「基準角速度」(ωWR)は、設定点WR速度に従って計算される基準角速度を指す。
【0035】
「BURの直径」(DBUR)という用語は、BURの直径を指す。
【0036】
以下のパラメータは、圧延機の状態又は条件を監視するセンサを記述する。
【0037】
用語「入口厚さ」(h_1)は、ロールギャップに入る間のストリップの厚さ/高さプロファイルを指す。
【0038】
用語「出口厚さ」(h_2)は、ロールギャップを出るストリップの厚さ/高さプロファイルを指す。
【0039】
用語「WR角速度」(ωWR)は、WR(上部及び下部)の角速度を指す。
【0040】
用語「BUR角速度」(ωBUR)は、BURの角速度を指し、上部速度及び下部速度は、それぞれN1及びN2として測定され、(ωBUR)を判定するために使用される。
【0041】
用語「ロール力」(F_roll)は、ロールに加えられる力を指す。
【0042】
用語「Avg_gap」は、その長さにわたるWR間の平均ギャップを指す。
【0043】
以下のパラメータは、圧延機に対する能動的に制御された作用を説明する。
【0044】
用語「ねじ位置」(S)は、ロールギャップを調整するために能動的に制御されるねじ位置を指す。
【0045】
以下のパラメータは、圧延機動作の前にプリセット/事前決定される。
【0046】
用語「ストリップ速度」(vstrip)は、ロールギャップを出るストリップの速度を指す。
【0047】
用語「圧延機速度」は、圧延機オペレータによって設定され、WR角速度に変換される圧延機速度を指す。
【0048】
用語「圧延機延伸」「c」は、4ハイ圧延機スタンドが圧延機操作中に受ける延伸を指す。
【0049】
用語「材料弾性率」(c)は、生産されている金属ストリップの体積弾性率を指す。
【0050】
用語「基準ねじ位置」Srefは、圧延機動作の開始時に設定されたねじ位置を指す。
【0051】
用語「基準WR角速度」(ωWRref)は、圧延機動作の開始時におけるWRの角速度を指す。
【0052】
以下のパラメータは、推定され補償されるシステム不確実性である。
【0053】
用語「偏心率」(e)は、ストリップ厚さの誤差/偏差につながる大きいBURの円周の偏心率を指す。
【0054】
用語「ロール偏心の振幅」(aecc=[a])は、BURにわたる偏心を指す。
【0055】
用語「ロールスリップ」は、上部WRと下部WRとの間の速度の差を指す。
【0056】
用語「ロールギャップ」は、制御されたねじ位置変化の結果として達成される最終効果ロールギャップを指し、ストリップ特性、圧延機ストレッチ、ロール力、及び偏心度の変動に起因して不確定である。
【0057】
図1は、厚さ制御を備えた金属圧延機システム2を例示する。一実施例は、本発明の実施形態を含むように修正されたHoneywell International,Inc.からのMETALSMASTERプロセスである。圧延機スタンドは、垂直に取り付けられた4つ以上のロール、例えば、各々が別個に取り付けられたより大きい直径のバックアップロールと接触している2つのより小さい直径の作業ロールを含んでもよい。
【0058】
入ってくる厚さHの金属ストリップ18は、上部バックアップロール4、上部作業ロール12、下部作業ロール14、及び下部バックアップロール8(これらは集合的に4ハイスタンド30と称される)からなる複数のロール4、12、14、8を通して厚さhに低減される材料のロール16によって提供される。金属ストリップ18は、鉄及び/又は非鉄であってもよい。スタンド30から出るストリップ20は、ロール22によって収集される。近接センサ6は上部BUR4の回転位置を測定し、近接センサ10は下部BUR8の回転位置を測定する。負荷信号サンプリングのために、ロール円周の周りの回転は、32個のセグメントなどのいくつかのセグメントに分割され得る。これらの回転位置は、圧延機状態パラメータの一部である2つのBUR4、8の角速度を計算するために使用される。本発明の特徴は、バックアップロールの角速度を測定することである。様々な従来のデバイスを用いることができる。近接センサを使用することができる。代表的な近接センサとしては、EGE-Electronik Spezial Sensoren GmbH(デラウェア州Gettorf)製のシリーズIGMF/INFW誘導型近接スイッチが挙げられる。BUR4、8角速度は、作業ロール12、14の角速度と同じであると仮定することができる。代替的に、上部及び下部作業ロール12、14は、それらの実際の角速度を測定するために近接センサ(図示せず)を備えていてもよい。
【0059】
スタンド30はギャップ位置決めシステム26を備えており、ギャップ位置決めシステム26は、機械式、油圧式、又は両方の組み合わせであってもよく、フィードバックデバイス28によって制御される。ギャップ位置決めシステム26は、作業ロールギャップ又は開口部を変化させることができ、2つのBUR4、8の対向する端部に対してクランプし、それによって作業ロール12、14に圧力(ロール力)を加えるねじ締め又はねじを各々が備えた一対のねじ締めモータを含む。ストリップ20は、厚さhでスタンド30を離れ、これは、X線ゲージであってもよいセンサ24によって測定される。「L」はスタンド30の中心線である。制御の目的は、この出て行く厚さhを、例えば中心線において、指定された目標厚さにできるだけ近く調節することである。
【0060】
図2は、実線42によって示される実際のロール形状及び実質的に同軸である破線40によって示される理想的なロール形状としてのロール上の偏心の概略図である。偏心量は、46における最大偏心eにおいて、理想半径と実際半径との差として示されている。近接センサ44は、図1の下部BUR14内に位置決めされている。圧延用途における厚さに対する偏心の影響は、通常、増加した力は、出る厚さが増加したことを意味する(したがって、ロールを押し離す)というように説明することができる。しかしながら、ロールが偏心している場合、最大半径がロールギャップを通過するとき、力は増加するが、出る厚さは実際に減少する。したがって、偏心成分が存在する場合、力の変化は誤って解釈される。
【0061】
ロール偏心に直接関係しない厚さ変動は、別個に補償されてもよい。上部作業ロール12及び下部作業ロール14からの圧力分布は、ロールトルクによるロール曲げなどの他の理由により、公称中立位置で変化する可能性がある。
【0062】
圧延機延伸係数は、圧延機スタンドモデルにおいて補償され得る。HGC(油圧ギャップ制御)モデルは、圧延力の非線形関数である圧延機ストレッチを説明することができる。
【0063】
一連の非線形常微分方程式を含む主駆動モデルを使用して、主駆動動力学をモデル化することができる。
【0064】
変形抵抗は、張力を用いた冷間ストリップ圧延における圧延力についてのBland、Ford、及びEllisモデルに基づき得る。
【0065】
減衰係数及びバネ定数を調整することができる。
【0066】
ロールギャップ制御を使用することなどによって、前方スリップを含むロールスリップに対する補償を含めることができる。上部及び下部作業ロールは、摩擦の変動などによるロールスリップを受ける可能性があり、したがって、異なる速度で回転する可能性がある。これは、冷間圧延されるストリップのゲージの変動を低減する作業を複雑にする。スリップ率変数は、作業ロールとバックアップロールとの間の速度の変化を含むことができる。スリップ係数は、ユーザ調整可能オプションとして公開されてもよい。
【0067】
本発明のロール偏心補償(Roll Eccentricity Compensation、REC)モデルは、フィードバックにおける通信遅延及び圧延機動作のプロセスノイズを考慮するために、EKFを用いて偏心信号を動的に生成するためのリアルタイム/動的フィードバックを使用する。これは、バックアップロールの円周にわたる偏心信号の初期推定値を生成するモデルへの、既存の厚さ偏差、有効力、及び現れたロールギャップの相関及び学習を含む。これは、圧延機動作の現在の状態に好適である偏心補償信号のリアルタイム識別のために改良される。
【0068】
本発明では、BUR4、8の角度位置を追跡するために近接センサ6、10が用いられる。直接制御概念-方法偏心情報は、ロール力及び動的状態の識別及び推定から識別される。理論モデルは、以下のセクション1~9で説明される。
【0069】
セクション1.定義
作業ロール(WR):ロータリエンコーダからの基準角速度{ωWR
バックアップロール(BUR):上部BUR及び下部BURの直径{直径BUR
ストリップ/作業ピース:材料特性{c
ロールギャップ:油圧ギャップ制御(Hydraulic Gap Control、HGC)時定数{τhyd
WR主駆動定数{τroll
【0070】
セクション2.測定:
状態オブザーバ
ストリップの厚さ/高さプロファイル
入口厚さ{h}作業ロールギャップに入る前のストリップの厚さを測定する。X線ゲージを用いることができる。
【0071】
出た厚さ{h}作業ロールギャップを出た後のストリップの厚さを測定する。
【0072】
角速度/回転速度
WR角速度{ωWR}この速度は、回転位置を測定し、したがって角速度を導出する近接センサを用いて判定することができる。
【0073】
BUR角速度{ωBUR}この速度は、近接センサで判定することができる。
【0074】
ロール力{Froll}圧力は、典型的にはフィードバックに応答して作業ロールに対する油圧プレスのねじ位置を変更することによって加えられる。
【0075】
3.アクティブ制御変数
ロールギャップを調整するためのねじ位置{S}
【0076】
4.システムプリセット/定数パラメータ
ストリップ速度{νstrip
圧延機速度(又は)WR角速度{ωWR
圧延機延伸{c
材料弾性率{c
基準ねじ位置{Sref
基準WR角速度
【0077】
【数1】

セクション5.システム不確実性
ロール偏心
偏心{e}
ロール偏心の振幅{aecc=[a]}
上部BUR及び下部BURの各々
【0078】
セクション6.数学的モデル
以下の仮定を適宜行うことができる:
【0079】
6.1 HGCダイナミクス
第1のオーダシステムを仮定する
【0080】
【数2】

これを以下とする
【0081】
【数3】
【0082】
6.2 主駆動ダイナミクス
第1のオーダシステムを仮定する
【0083】
【数4】

これを以下とする
【0084】
【数5】
【0085】
6.3 ロール力の推定
【0086】
【数6】
【0087】
6.4 出た厚さの推定
【0088】
【数7】

仮定する、
【0089】
【数8】

次に、
【0090】
【数9】

及びc入口厚さhの効果がないと仮定する、
次に、
【0091】
【数10】
【0092】
6.5 ねじ補償信号の推定
以下から、
【0093】
【数11】

出た厚さのロール力w.r.t.偏導関数、
【0094】
【数12】
【0095】
ねじ補償は次のとおりである。
【0096】
【数13】
【0097】
6.6 偏心信号の推定
ロール偏心は、BUR周面上の変形を捕捉する周期関数である。この周期的信号は、新しい作業ピース、WR角速度、ロール力、及び圧延機ストレッチと共にその特性を変化させる。
【0098】
仮定すると、
【0099】
【数14】

式中、
【0100】
【数15】
【0101】
ここで、単一の正弦成分は、
【0102】
【数16】

である。
【0103】
【数17】

とする
次に、導関数は以下のとおりである:
【0104】
【数18】
【0105】
偏心の2つの成分があり、各々が上部BUR及び下部BURであるとする
次に、
【0106】
【数19】

が得られ
式中、
上部BUR
【0107】
【数20】

下部BUR
【0108】
【数21】
【0109】
次に、導関数は以下のとおりである:
【0110】
【数22】
【0111】
非線形プロファイルが与えられると、拡張カルマンフィルタ(EKF)が状態推定のために選択される。
【0112】
拡張カルマンフィルタは、統計的推論に基づくことができる。
【0113】
セクション7.数学モデルの状態空間表現
7.1 状態空間表現
【0114】
【数23】
【0115】
上記から、次のように構築される:
【0116】
状態遷移モデル
【0117】
【数24】

A状態遷移行列
【表1】
【0118】
X状態
【0119】
【表2】
【0120】
偏心のプロファイルは、ロールギャップ及びロール力からのフィードバックを使用する相補的な方法によってフィルタリングされる。振幅は、厚さ補正のための補償値を満たすように、ミリメートルにスケーリングされる。計算されたこの補正は、合計成分として平均ギャップ出力に加えられる。
【0121】
図3は、冷間圧延機の運転時間中にロール偏心を識別するプロセスを説明する制御概略図である。ステップ100、102及び110において、2つのBUR(N1及びN2)の「ロール力」、「平均ギャップ」及び角速度が測定される。これらは、システム全体の動的部分状態フィードバックに寄与する。ステップ124は、測定された平均ロールギャップと設定されたロールギャップとの間に差があるかどうかを判定し、差がある場合、計算は、「ギャップノイズ」130と呼ばれるノイズのある有効ギャップを推定するために使用される。これは、ステップ100で有効な「ロール力」を識別するために使用され、ステップ122で「ギャップノイズ」を使用してフィルタリングされる。一方、ステップ126、108では、偏心信号の波形の瞬間から偏心の瞬間振幅を抽出する。オプションとして、偏心信号の波形を示す瞬時データは、保守及び効率などのための圧延機状態の更なる調査のためにいつでもオペレータによって抽出されてもよい。偏心の推定された振幅は、補正される必要がある「ロールギャップ」における偏差に対応する。この偏心の振幅は、ステップ128においてデフォルトで1に等しくなり得る利得定数によって定義されるように、圧延機における他の不確実性に対応するために、オペレータによって拡大又は縮小され得る。
【0122】
セクション8.オペレータ調整可能パラメータ
本発明の方法はまた、圧延機サイトに適した様々なパラメータの調整可能性を可能にする。これらのパラメータは、オペレータによっていつでもアクセス可能であり、更なる改善のために偏心振幅をスケーリングするために用いられ得る。調整は、動作上の問題を解決するためにのみ必要とされ得る。これらのパラメータは例えば以下のものを含む:
上部及び下部の半径、WR及びBUR。
【0123】
圧延機延伸{c}。
【0124】
材料弾性率{c}。
【0125】
偏心振幅スケーリング。
【0126】
高調波の数。
【0127】
実行速度。
【0128】
プロセスノイズ(q)及び測定ノイズ(r)のパワースペクトル密度(Power Spectral Density、PSD)定数:q_s、q_v、q_h、q_a、q_f、r_s、r_v、r_h、r_f
PSD定数は、ノイズ関数をサポートする一般的な数学的概念である。これらは、圧延機オペレータによって調整することができる。
【0129】
セクション9.方法の説明
図4は、本発明のセンサ及びEKFベースのロール偏心及び補償技術のためのロール同期及び偏心識別ステップを列挙する。
【0130】
ロール同期は、マーカーパルス追跡を含むプロセスステップ140から始まる。
【0131】
プロセスステップ140の後、次のプロセスステップ142は、ロール円周セグメント化を含む。
【0132】
プロセスステップ142の後、次のプロセスステップ144は、BUR回転を状態/参照変数と同期させることを含む。
【0133】
プロセスステップ144の後、次のプロセスステップ146は、セグメント単位でデルタ回転位置を追跡することを含む。
【0134】
プロセスステップ146は、ロール同期を完了し、次いで、偏心識別が続き、偏心識別は、上部BUR及び下部BURについてセグメント単位でロール力センサデータを追跡することを含むプロセスステップ150から始まる。
【0135】
プロセスステップ150の後、次のプロセスステップ152は、上部BURと下部BURとの間で、セグメント単位でデルタロール力分布を構築することを含む。
【0136】
プロセスステップ152の後、次のプロセスステップ154は、偏心ロール力信号を計算することを含む。
【0137】
プロセスステップ154は、偏心識別を完了する。
【0138】
プロセスステップ144、146、及び152はまた、ロール力を使用して、各BUR表面にわたるロールスリップ/偏心のプロファイリングを特定する。
【0139】
図5は、MATLAB/ソフトウェア/ファームウェア実装などにおける全体的な方法の構成を示す。
【0140】
プロセスステップ160は、状態変数を初期化することから始まる。
【0141】
プロセスステップ160の後、次のプロセスステップ162は、サンプリング時間及び初期回転位置を宣言することを含む。
【0142】
プロセスステップ162の後、次のプロセスステップ163は、上部BUR及び下部BURの偏心識別を含む。
【0143】
プロセスステップ163の後、次のプロセスステップ164は、状態遷移行列[11×11]を構築することを含む。
【0144】
プロセスステップ164の後、次のプロセスステップ166は、測定ノイズ影響行列[11×11]を仮定することを含む。
【0145】
プロセスステップ166の後、次のプロセスステップ168は、測定された状態変数を使用して測定ノイズに対する白色ノイズPSD定数を仮定することを含む。
【0146】
プロセス状態168の後、次のプロセス状態170は、ガウスノイズを用いてLTI ODEを離散化することを含む。
【0147】
プロセスステップ170の後、次のプロセス状態172は、状態推定及び共分散推定を時間ステッピングするEKFモデルを構築することを含む。
【0148】
プロセスステップ172の後、次のプロセスステップ174は、状態及び共分散推定の各時間ステップで計算される偏心設定点を推定することを含む。
【0149】
本発明のプロセスは、生産されるシートの厚さ精度を改善するために、自動ゲージ制御(automatic gauge control、AGC)及び油圧ギャップ制御(HGC)コントローラを有するものを含む、冷間圧延機システム200などのプラントに組み込まれてもよい。図6に示すように、圧延機202は、コントローラ20からの出力210を含むことができる。出力210は、参照により本明細書に組み込まれるMcGahanの米国特許出願公開第2018/0161839号に記載されているようなロール偏心補償を含むことができる。コントローラ206は、上部BUR及び下部BURなどのセンサ204からの入力208を含むことができる。コントローラ206は、フィルタ220を含んでよい。フィルタ220は、MATLABスクリプト又は別の好適なプログラムなどにおいて、本発明の方法をコントローラ環境に統合することによって、様々なモデル222、224を含むことができる。モデル222は、状態推定及び共分散(ノイズ効果)推定を含んでもよい。モデル224は、動的部分状態フィードバックを有する状態遷移モデルを含んでもよい。
【0150】
本発明の方法は、予め設定された条件の様々な場合に対して、HTSラボシミュレーション環境において実施され、検証され得る。本発明の一実施形態では、既存0.5~1.5%の厚さ偏差の範囲に対して最大10%の改善を示した。本発明の別の実施形態では、厚さ精度は、AGCコントローラの性能よりも更に10%改善された。
1.偏心推定は、圧延機における経時的な実際の偏心変化に適応する。
2.オペレータが、更なる改善のために偏心振幅をスケーリングすることを可能にする。
3.プラントプロセス及び測定において仮定されるノイズモデルは、更なる改善のためにパワースペクトル密度(PSD)定数に対してオペレータ調整可能である。
【0151】
図7は、例示的実施形態によるコントローラ及び方法を実装するためのコンピュータシステム240のブロック概略図である。全ての構成要素が様々な実施形態において使用される必要はない。コンピュータシステム240の形態の1つの例示的なコンピューティングデバイスは、処理ユニット242と、メモリ244と、リムーバブルストレージ252と、非リムーバブルストレージ256と、を含むことができる。例示的なコンピューティングデバイスがコンピュータシステム240として例示され、説明されているが、コンピューティングデバイスは、異なる実施形態において異なる形態であってもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、代わりに、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、又は図7に関して例示及び説明されるものと同一若しくは同様の要素を含む他のコンピューティングデバイスであってもよい。スマートフォン、タブレット、及びスマートウォッチなどのデバイスは、一般に、モバイルデバイスと総称される。更に、様々なデータストレージ素子がコンピュータシステム240の一部として例示されているが、ストレージはまた、又は代替的に、インターネットなどのネットワークを介してアクセス可能なクラウドベースのストレージを含んでもよい。
【0152】
メモリ244は、揮発性メモリ248と、不揮発性メモリ259と、を含んでもよい。コンピュータシステム240は、揮発性メモリ248及び不揮発性メモリ259、リムーバブルストレージ252及び非リムーバブルストレージ256などの様々なコンピュータ可読媒体を含むか、又はそれらを含むコンピューティング環境へのアクセスを有することができる。コンピュータストレージは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)及び電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(compact disc read-only memory、CD ROM)、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disk、DVD)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は本明細書で説明される機能を実行するためのコンピュータ可読命令を記憶することが可能な他の磁気ストレージデバイスを含む。
【0153】
コンピュータシステム240は、入力258と、出力260と、通信インターフェース254とを含むコンピューティング環境を含むか、又はコンピューティング環境にアクセスすることができる。出力260は、入力デバイスとしても機能し得るタッチスクリーンなどのディスプレイデバイスを含み得る。入力258は、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボード、カメラ、1つ以上のデバイス固有ボタン、コンピュータシステム240内に統合された、又は有線若しくは無線データ接続を介して結合された1つ以上のセンサ、及び他の入力デバイスのうちの1つ以上を含むことができる。コンピュータは、クラウドベースのサーバ及びストレージを含むデータベースサーバなどの1つ以上のリモートコンピュータに接続するために通信接続を使用してネットワーク化された環境で動作することができる。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)と、サーバと、ルータと、ネットワークPCと、ピアデバイス又は他の共通ネットワークノードなどと、を含むことができる。通信接続は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network、WAN)、セルラー、WiFi、Bluetooth(登録商標)、又は他のネットワークを含んでもよい。
【0154】
コンピュータ可読ストレージデバイスに記憶されたコンピュータ可読命令は、コンピュータシステム240の処理ユニット242によって実行可能である。ハードドライブ。CD-ROM及びRAMは、ストレージデバイスなどの非一時的コンピュータ可読媒体を含む物品のいくつかの例である。コンピュータ可読媒体及びストレージデバイスという用語は、搬送波を含まない。例えば、コンピュータプログラム246を使用して、処理ユニット242に、本明細書で説明する1つ以上の方法又はアルゴリズムを実行させることができる。
【0155】
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、考察される特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、上述の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態において変形が行われ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】