(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128955
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】加工機、アタッチメント、及び先端工具取付構造
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240913BHJP
B24B 23/02 20060101ALI20240913BHJP
B24B 45/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B24B23/02
B24B45/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033311
(22)【出願日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】202310229319.0
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】戴 蘇建
(72)【発明者】
【氏名】劉 玲芳
(72)【発明者】
【氏名】胡 逢美
【テーマコード(参考)】
3C034
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C034AA15
3C034BB51
3C034DD20
3C064AA06
3C064AA20
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA11
3C064BA12
3C064BB04
3C064BB32
3C064BB62
3C064BB82
3C064BB84
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA29
3C064CA54
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB06
3C064CB13
3C064CB14
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB32
3C064CB36
3C064CB64
3C064CB69
3C064CB73
3C064CB74
3C064CB82
3C064CB84
3C064CB91
3C064CB93
3C158AA04
3C158AA14
3C158BA02
3C158BA04
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB03
3C158CB04
(57)【要約】
【課題】先端工具の取付に係る作業性が向上した加工機、アタッチメント、先端工具取付構造を提供する。
【解決手段】加工機としてのホイールサンダ1は、スピンドル30と一体であり、研磨ホイール32が取り付けられる軸部115と、軸部115の先端部に回転可能に設けられた挟持部材106と、を備えている。軸部115は、長手方向に延びており径方向外方に突出している突条120を有している。挟持部材106は、径方向外方に突出している突起142を有しており、回転により、突起142が突条120と長手方向で重なる状態である着脱状態と、突起142が突条120と長手方向で重ならない状態である固定状態とで切り替わり、着脱状態で仮固定可能である。挟持部材106における仮固定は、研磨ホイール32の長手方向での反先端側への移動により、自動的に解除される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機の出力軸と一体であり、先端工具が取り付けられる軸部と、
前記軸部の先端部に回転可能に設けられた挟持部材と、
を備えており、
前記軸部は、長手方向に延びており径方向外方に突出している突条を有しており、
前記挟持部材は、前記径方向外方に突出している突起を有しており、前記回転により、前記突起が前記突条と前記長手方向で重なる状態である着脱状態と、前記突起が前記突条と前記長手方向で重ならない状態である固定状態とで切り替わり、前記着脱状態で仮固定可能であり、
前記挟持部材における前記仮固定は、前記先端工具の前記長手方向での反先端側への移動により、自動的に解除される
ことを特徴とする加工機の先端工具取付構造。
【請求項2】
前記軸部及び前記挟持部材の一方に凸部が設けられていると共に、他方に第1溝部が設けられており、
前記挟持部材は、前記凸部が前記第1溝部に入ることで前記着脱状態に仮固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項3】
前記第1溝部と共に第2溝部が設けられており、
前記挟持部材が前記固定状態であると、前記凸部が前記第2溝部に入る
ことを特徴とする請求項2に記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項4】
前記軸部は、軸体と、スリーブと、を有しており、
前記スリーブは、前記凸部を有しており、前記軸体に対して前記長手方向で移動可能であると共に、コンプレッションスプリングによって、前記軸体に対して先端側へ付勢され、
前記挟持部材は、前記第1溝部及び前記第2溝部を有しており、トーションスプリングによって、前記軸体に対して前記着脱状態から前記固定状態となる回転方向へ付勢され、
前記着脱状態の前記挟持部材は、前記スリーブが前記軸体に対して反先端側へ移動して前記凸部が前記第1溝部から外れることにより、前記固定状態へ向けて回転する
ことを特徴とする請求項3に記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項5】
前記軸体と前記スリーブとの間に、リングが設けられており、
前記リングは、前記軸体の外面と前記スリーブの内面とに接触している
ことを特徴とする請求項4に記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項6】
前記軸部は、前記凸部を有しており、
前記挟持部材は、前記第1溝部及び前記第2溝部を有しており、前記軸部に対して反先端側に付勢されると共に、前記軸部に対して前記着脱状態から前記固定状態となる回転方向へ付勢され、
前記着脱状態の前記挟持部材は、前記軸部に対して先端側へ移動して前記凸部が前記第1溝部から外れることにより、前記固定状態へ向けて回転する
ことを特徴とする請求項3に記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項7】
前記第2溝部は、前記第1溝部側に配置された傾斜面部を有している
ことを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項8】
前記突条は、複数設けられており、
前記突起は、複数設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の加工機の先端工具取付構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかに記載の加工機の先端工具取付構造を有している
ことを特徴とする加工機のアタッチメント。
【請求項10】
請求項1から請求項8の何れかに記載の加工機の先端工具取付構造を有している
ことを特徴とする加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールサンダ等の加工機、加工機のアタッチメント、及び加工機の先端工具取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第2548697号明細書(特許文献1)に示されるように、軸部110にホイール状のツール104を取り付けるホイールサンダが知られている。
このホイールサンダでは、軸部110が突条135を有している。又、ツール104の孔112が凹み136を有している。
ツール104の軸部110への取付時、凹み136に突条135が入る。又、軸部110の先端部に、挟持部材124が取り付けられる。このとき、ユーザは、挟持部材124を、軸部110の長軸122の周りでねじ込む。取付が完了すると、挟持部材124の突起132の回転方向での位置が、突条135と合致する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2548697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のツール104の取付では、ユーザは、ツール104を回転しないように押さえながら、挟持部材124をねじる必要がある。よって、ツール104即ち先端工具の取付に係る作業性に、向上の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、加工機の先端工具取付構造を開示する。この加工機の先端工具取付構造は、スピンドルと一体であり、研磨ホイールが取り付けられる軸部を備えていても良い。加工機の先端工具取付構造は、軸部の先端部に回転可能に設けられた挟持部材を備えていても良い。軸部は、長手方向に延びており径方向外方に突出している突条を有していても良い。挟持部材は、径方向外方に突出している突起142を有していても良い。挟持部材は、回転により、突起142が突条120と長手方向で重なる状態である着脱状態と、突起142が突条120と長手方向で重ならない状態である固定状態とで切り替わっても良い。挟持部材は、着脱状態で仮固定可能であっても良い。挟持部材における仮固定は、研磨ホイール32の長手方向での反先端側への移動により、自動的に解除されても良い。
【発明の効果】
【0006】
本開示の加工機、アタッチメント、先端工具取付構造によれば、先端工具の取付に係る作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施例の形態に係るホイールサンダの後側の斜視図である。
【
図6】
図1のホイールサンダにおける研磨ホイール及びその周辺の分解斜視図である。
【
図7】
図7Aは、
図6における軸部及びその周辺の着脱状態での後面図であり、
図7Bは、
図7Aの状態から研磨ホイールを右方に押した場合の後面図であり、
図7Cは、
図7Bの状態から固定状態となった場合の後面図である。
【
図11】
図11Aは、
図10のアーム孔部及びその周辺の拡大図であり、
図11Bは、ガイド部の収納開始時におけるアーム孔部及びその周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態において、軸部及び挟持部材の一方に凸部が設けられていると共に、他方に第1溝部が設けられていても良い。挟持部材は、凸部が第1溝部に入ることで着脱状態に仮固定されても良い。この場合、仮固定がよりシンプルに構成される。
本開示の一実施形態において、第1溝部と共に第2溝部が設けられていても良い。挟持部材が固定状態であると、凸部が第2溝部に入っても良い。この場合、仮固定に加えて先端工具の固定がより安定する。
本開示の一実施形態において、軸部は、軸体と、スリーブと、を有していても良い。スリーブは、凸部を有していても良い。スリーブは、軸体に対して長手方向で移動可能であっても良い。スリーブは、コンプレッションスプリングによって、軸体に対して先端側へ付勢されても良い。挟持部材は、第1溝部及び第2溝部を有していても良い。挟持部材は、トーションスプリングによって、軸体に対して着脱状態から固定状態となる回転方向へ付勢されても良い。着脱状態の挟持部材は、スリーブが軸体に対して反先端側へ移動して凸部が第1溝部から外れることにより、固定状態へ向けて回転しても良い。この場合、自動的に固定状態となり固定状態と着脱状態とでより安定する先端工具取付構造が、よりシンプルに構成される。
本開示の一実施形態において、軸体とスリーブとの間に、リングが設けられていても良い。リングは、軸体の外面とスリーブの内面とに接触していても良い。この場合、粉塵の侵入がより抑制される。
【0009】
本開示の一実施形態において、軸部は、凸部を有していても良い。挟持部材は、第1溝部及び第2溝部を有していても良い。挟持部材は、軸部に対して反先端側に付勢されても良い。挟持部材は、軸部に対して着脱状態から固定状態となる回転方向へ付勢されても良い。着脱状態の挟持部材は、軸部に対して先端側へ移動して凸部が第1溝部から外れることにより、固定状態へ向けて回転しても良い。この場合、自動的に固定状態となり固定状態と着脱状態とでより安定する先端工具取付構造が、よりシンプルに構成される。
本開示の一実施形態において、第2溝部は、第1溝部側に配置された傾斜面部を有していても良い。この場合、着脱状態から固定状態への回転がより円滑になる。
本開示の一実施形態において、突条は、複数設けられていても良い。突起は、複数設けられていても良い。この場合、先端工具の固定が、より安定する。
【0010】
又、本明細書は、加工機のアタッチメントを開示する。このアタッチメントは、上述の加工機の先端工具取付構造を有していても良い。
更に、本明細書は、加工機を開示する。この加工機は、上述の加工機の先端工具取付構造を有していても良い。
【実施例0011】
以下、本開示の実施例の形態が、適宜図面に基づいて説明される。当該説明には、当該形態の変更例が含まれる。本開示は、当該形態及び当該変更例に限定されない。
当該形態及び変更例における前後上下左右は、説明の便宜上定められたものであり、作業の状況及び部材の移動の少なくとも何れか等により変化することがある。
【0012】
図1は、本開示の実施例の形態に係る加工機及び携帯用加工機の一例としてのホイールサンダ1の後側の斜視図である。
図2は、ホイールサンダ1の前側の拡大斜視図である。
図3は、ホイールサンダ1の左側面図である。
図4は、ホイールサンダ1の前側の中央縦断面図である。
図5は、
図4のA-A線断面図である。
ホイールサンダ1は、本体部2と、ハンドル部4と、ガイド部6と、を有している。ガイド部6は、平行定規とも呼ばれ得る。尚、ガイド部6は、本体部2の構成要素とされても良いし、ハンドル部4の構成要素とされても良い。
図3において、左がホイールサンダ1の前となる。又、
図3において、上がホイールサンダ1の上となる。
【0013】
本体部2は、中心軸を前後方向とする円柱状である。
本体部2は、ハウジング10と、モータ12と、ファン14と、モータ軸受15と、バッテリ装着部16と、バッテリ18と、コントローラ20と、コネクタ22と、速度調整ダイヤル24と、メインスイッチ26と、動力伝達部28と、シャフトロック部29と、出力軸としてのスピンドル30と、先端工具取付部31と、先端工具としての研磨ホイール32と、を有する。
本体部2において、後方から順に、バッテリ18、バッテリ装着部16、コントローラ20、コネクタ22、モータ12、ファン14、動力伝達部28、及びスピンドル30が配置されている。
尚、バッテリ18及び研磨ホイール32の少なくとも一方は、本体部2又はホイールサンダ1の構成要素とせず、本体部2又はホイールサンダ1から独立した構成要素とされても良い。又、スピンドル30が動力伝達部28の構成要素とされ、先端工具取付部31が出力軸と扱われても良い。更に、スピンドル30及び先端工具取付部31は、合わせて出力部とされても良い。
【0014】
ハウジング10は、本体部2の外郭を構成する。
ハウジング10は、各種の部材を直接又は間接的に保持する。
ハウジング10は、モータハウジング40と、ファンケース42と、ギヤハウジング44と、ベアリングボックス45と、を備えている。
【0015】
モータハウジング40は、プラスチック製である。モータハウジング40は、半割状であり、左モータハウジング40L及び右モータハウジング40Rを有している。
左モータハウジング40Lは、複数のネジボス部を有している。右モータハウジング40Rは、ネジ孔部40Pを有している。ネジ孔部40Pは、ネジボス部に対応するネジ孔を有している。左モータハウジング40L及び右モータハウジング40Rは、ネジ孔部40Pとネジボス部に入るネジ46により、合わせられている。
モータハウジング40は、筒状である。モータハウジング40の前端部は、前方へ開口した前開口部となっている。モータハウジング40の後端部は、後方へ開口した後開口部となっている。
モータハウジング40の前後方向における中央部は、ユーザが把持可能なグリップ部Gとなっている。
【0016】
ファンケース42は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ファンケース42は、リング状である。ファンケース42は、前後に開口している。
ファンケース42は、複数の排気口47を有している。排気口47は、ファンケース42の上左部、上右部、下左部、及び下右部に配置されている。
【0017】
ギヤハウジング44は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ギヤハウジング44は、前部が後部に対して縮径した釣鐘状の部材である。ギヤハウジング44の後端部は、後方に開放されている。ギヤハウジング44の左前部は、左方に開放されている。
ギヤハウジング44は、ファンケース42を介して、モータハウジング40に固定される。モータハウジング40の前開口部に、ファンケース42の後開口部が合わせられる。ファンケース42の前開口部に、ギヤハウジング44の後開口部が合わせられる。ギヤハウジング44及びファンケース42は、前後に延びる複数(4本)のネジ48によって固定される。ネジ48は、ファンケース42及びギヤハウジング44後部の右上、右下、左上、及び左下に配置される。各ネジ48は、前側から後方に入れられる。
【0018】
ベアリングボックス45は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ベアリングボックス45は、フランジ部を有する円筒状である。ベアリングボックス45の中心軸方向は、左右に延びている。
ベアリングボックス45は、左右方向の複数(4本)のネジ49により、ギヤハウジング44に一体に固定されている。ネジ49は、ベアリングボックス45のフランジ部の前上、前下、後上、及び後下に配置される。
ベアリングボックス45の右開口部は、ギヤハウジング44の左前開口部とつながっている。
【0019】
尚、ハウジング10は、様々に変更可能である。例えば、モータハウジング40において、前部と後部とが、互いに組み合わせ可能な別体とされても良い。又、半割のモータハウジング40において、左モータハウジング40Lと右モータハウジング40Rとで大きさ及び形状の少なくとも一方が大きく異なるようにされても良い。更に、左モータハウジング40Lと右モータハウジング40Rとが、爪等の係止部及び爪穴等の被係止部等を用いて、ネジ46以外により組み合わせられても良い。ギヤハウジング44が半割とされても良い。ファンケース42がモータハウジング40又はギヤハウジング44と一体化されることで省略されても良い。ハウジング10における各種部分の材質が変更されても良い。又、排気口47の数及び配置の少なくとも一方は、適宜変更されても良い。
【0020】
モータ12は、ブラシレスモータであり、DCモータである。
モータ12は、モータ軸50を有している。
モータ軸50は、自身の中心軸の周りで回転する。モータ軸50は、前後に延びる。
モータ軸50の前端部には、ピニオン部52が形成されている。
【0021】
ファン14は、モータ軸50と一体に固定される。
ファン14は、遠心ファンである。尚、ファン14として、軸流ファン等の他のものが用いられても良い。
ファン14の径方向外方には、ファンケース42の排気口47が配置されている。
【0022】
モータ軸受15は、モータ軸50を回転可能に支持する。モータ軸受15は、ファン14とピニオン部52の間に配置される。モータ軸受15は、ファン14の前側に配置される。モータ軸受15の外輪は、ファンケース42に保持される。
【0023】
バッテリ装着部16は、本体部2の後端部に配置される。バッテリ装着部16は、前側の部分に対して上下左右に広がっている。
バッテリ装着部16には、バッテリ18が装着される。バッテリ装着部16は、バッテリ18の端子と接続される本体部側端子を有している。本体部側端子は、本体部2の後開口部内に配置されている。
バッテリ18は、バッテリ装着部16の後側に装着される。バッテリ18は、バッテリ装着部16の上側から下方へスライドすることにより装着される。尚、バッテリ18のスライド装着方向は、上側から下方への方向以外の方向であっても良い。又、バッテリ18は、スライド装着以外の態様で装着されても良い。
バッテリ18は、18V(ボルト)のリチウムイオンバッテリである。バッテリ18は、プラスチック製のバッテリケース内に、図示されないセルを8個内包するものである。セルは、軸方向に長い円柱状であり、バッテリ18の装着時に左右方向を向いている。バッテリ18は、モータ12を駆動するための電力を保持している。尚、バッテリ18として、10.8V、14.4V,25.2V,28V,36V等の任意のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。又、バッテリ18として、10.8V未満あるいは36Vを超える電圧のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。バッテリ18として、他の種類のバッテリが用いられても良い。複数のバッテリ18が用いられても良い。
【0024】
コントローラ20は、バッテリ装着部16の内部に保持される。
コントローラ20は、モータ12を制御する。コントローラ20には、コネクタ22を介して、モータ12が電気的に接続されている。更に、コントローラ20には、バッテリ装着部16の本体部側端子が電気的に接続されている。
又、コントローラ20には、速度調整ダイヤル24、及びメインスイッチ26が、それぞれ電気的に接続されている。
【0025】
コネクタ22は、モータ12とコントローラ20とを結ぶリード線(図示略)に介装されている。
コネクタ22は、再接続可能に切り離すことができる。モータ12及びコントローラ20の一方のみが、故障等により交換を要する場合、コネクタ22を切り離すことで容易に交換される。
【0026】
速度調整ダイヤル24は、モータハウジング40の後端部の上部に配置されている。
速度調整ダイヤル24は、上下左右に広がっており、前後方向の仮想軸周りで回転可能である。
速度調整ダイヤル24の上端部は、露出している。
【0027】
メインスイッチ26は、モータハウジング40の前端上部に配置される。
メインスイッチ26の上部は、露出している。メインスイッチ26は、後方のオフ位置からその前方の最大オン位置まで、前後にスライド可能である。
メインスイッチ26は、ユーザによりオフ位置から前方へのスライド操作がなされると、所定の遊びを経てオンとなる。
尚、メインスイッチ26は、オンとなった状態から更に前方へ操作されると、前方への操作量に応じて、発出する信号の状態を変えても良い。この場合、速度調整ダイヤル24が省略され、コントローラ20がメインスイッチ26の信号の状態に応じてモータ12の回転速度を変えても良い。コントローラ20は、メインスイッチ26が前方へ操作されるほど、モータ12の回転速度が速くなるように、モータ12を制御しても良い。又、遊びが省略され、メインスイッチ26が前方への操作開始によりすぐにオンとなるようにしても良い。
【0028】
動力伝達部28は、スピンドル30を介して、研磨ホイール32にモータ12の動力を伝達する。スピンドル30は、円柱状である。スピンドル30は、左右に延びる。
動力伝達部28は、ベベルギヤ60と、右スピンドル軸受62と、左スピンドル軸受64と、ワッシャ66と、を有する。
動力伝達部28は、ギヤハウジング44内に配置されている。
【0029】
ベベルギヤ60は、スピンドル30に一体に固定される。ベベルギヤ60は、スピンドル30の上部の周りに配置されている。ベベルギヤ60は、ギヤハウジング44の左前開口部内に配置されている。
ベベルギヤ60は、ピニオン部52と噛み合っている。
ベベルギヤ60は、モータ軸50の回転を減速し、スピンドル30に伝える。
ベベルギヤ60は、複数(3つ)のロック穴60Kを有している。各ロック穴60Kは、ベベルギヤ60の右面から左方に延びている。各ロック穴60Kは、左端に底を有している。ロック穴60Kは、右側から左方へ見て、周方向に等間隔に配置されている。各ロック穴60Kは、スピンドル30に対して同一の距離を有している。
【0030】
右スピンドル軸受62は、スピンドル30の右端部の周りに配置されている。
右スピンドル軸受62は、スピンドル30を、その中心軸の周りで回転可能に支持する。
右スピンドル軸受62は、ベベルギヤ60の右側に配置されている。右スピンドル軸受62は、ギヤハウジング44に保持される。
右スピンドル軸受62は、モータ軸50の前側に配置されている。
【0031】
左スピンドル軸受64は、スピンドル30の中央部の周りに配置されている。
左スピンドル軸受64は、スピンドル30を、その中心軸の周りで回転可能に支持する。
左スピンドル軸受64は、ベベルギヤ60の左側に配置されている。左スピンドル軸受64は、ベアリングボックス45に保持される。
【0032】
ワッシャ66は、左スピンドル軸受64の左側に配置されている。
ワッシャ66は、左スピンドル軸受64の内輪と、スピンドル30中央部の大径部との間に配置されている。
【0033】
スピンドル30の右部は、ギヤハウジング44内に配置されている。
スピンドル30の中央部は、ベアリングボックス45内に配置されている。
スピンドル30の左部即ち先端部は、ベアリングボックス45の左開口部から左方へ出ている。
【0034】
シャフトロック部29は、ギヤハウジング44の右下部に配置されている。
シャフトロック部29は、シャフトロックボタン70と、ロックピン72と、弾性体としてのコイルスプリング(図示略)と、を有する。
シャフトロックボタン70は、板状であり、前後上下に広がっている。シャフトロックボタン70の右部は、ギヤハウジング44から露出している。
ロックピン72は、円柱状である。ロックピン72は、シャフトロックボタン70の左部から左方に延びている。ロックピン72は、シャフトロックボタン70と一体に固定されている。
コイルスプリングは、ギヤハウジング44とシャフトロックボタン70との間に介装されている。コイルスプリングは、シャフトロックボタン70及びロックピン72を、右方へ付勢している。
【0035】
モータ12の非駆動時において、ユーザがシャフトロックボタン70をコイルスプリングの付勢力に抗して左方へ押すと、適宜スピンドル30及びベベルギヤ60の若干の回転を経て、ロックピン72がベベルギヤ60のロック穴60Kに入る。
よって、ユーザによるシャフトロックボタン70の押下により、ベベルギヤ60及びこれとつながる部材の回転がロックされる。
【0036】
図6は、研磨ホイール32及びその周辺の分解斜視図である。
図7Aは、
図6における先端工具取付部31及びその周辺の着脱状態での後面図である。
図7Bは、
図7Aの状態から研磨ホイールを右方に押した場合の後面図である。
図7Cは、
図7Bの状態から固定状態となった場合の後面図である。
図8Aは、
図7Aの左側面図である。
図8Bは、
図7Cの左側面図である。
図9は、
図3の前部拡大図である。
先端工具取付部31は、左右に延びる円柱状である。
先端工具取付部31は、軸体100と、スリーブ102と、軸方向に弾性を呈する弾性体であるコンプレッションスプリングとしてのコイルスプリング104と、挟持部材106と、軸周りの回転方向に弾性を呈する弾性体であるトーションスプリング108と、リング110と、キャップ112と、ネジ114と、を有する。
軸体100及びスリーブ102は、軸部115を構成する。尚、軸部115は、他の構成要素を有していても良い。
【0037】
研磨ホイール32は、研磨面Pと、中央孔32Hと、を有する。
研磨ホイール32は、中心軸に沿う中央孔32Hを有する円柱状である。
研磨面Pは、研磨ホイール32の外曲面即ち円筒面に配置されている。回転する研磨ホイール32の研磨面Pが被加工材Wの被加工部に当てられることにより、被加工部が研磨される。
中央孔32Hは、左側から右方へ見て、“+”字状あるいは“X”字状である。中央孔32Hの中央部は、左右に延びる円柱状である。中央孔32Hの中央部には、複数(4つ)のホイール溝32Dがつながっている。各ホイール溝32Dは、放射方向に凹んでおり、左右に延びている。4つのホイール溝32Dは、周方向で等間隔に配置されている。4つのホイール溝32Dのうち2つは、1つの組として、互いに向かい合っている。残る2つのホイール溝32Dは、別の1つの組として、互いに向かい合っている。
研磨ホイール32は、中央孔32Hに先端工具取付部31が入ることで、先端工具取付部31に装着される。尚、中央孔32Hは、直線部分が1本だけしかない“Φ”字状になっていても良い。
【0038】
軸体100は、左右に延びる円柱状である。
軸体100は、大径部100Rと、フランジ部100Bと、Oリング116と、小径部100Lと、を有する。
【0039】
軸体100の右部は、大径部100Rとなっている。大径部100Rの外径は、左側の外径より大きくなっている。大径部100Rの右外面部には、更に径方向外方に突出するフランジ部100Bが形成されている。フランジ部100Bの外曲面には、Oリング116が設けられている。
大径部100Rの内部には、右端部から左方に延びる右穴が開けられている。右穴内には、スピンドル30における先端部としての左部が入っている。軸体100は、スピンドル30と一体に固定される。スピンドル30の回転は、軸体100に伝達される。軸体100は、自身の中心軸の周りで回転する。
軸体100の左部は、小径部100Lとなっている。小径部100Lの外径は、右側の外径より小さくなっている。小径部100Lの内部には、左端部から右方に延びる左穴が開けられている。
【0040】
スリーブ102は、左右に延びる円筒状である。
スリーブ102は、複数(2つ)の突条120と、右大径孔部124と、拡径孔部126と、小径孔部128と、左大径孔部129と、を有する。
【0041】
各突条120は、スリーブ102の外面に形成されている。各突条120は、径方向外方に突出し、左右に延びている。各突条120は、研磨ホイール32の中央孔32Hのホイール溝32Dに進入可能である。各突条120の左端部には、凸部122が形成されている。各凸部122は、隣接部位に対して左方に突出している。各凸部122の幅即ち上下方向あるいは周方向の大きさは、その右側における突条120の幅より小さい。尚、各凸部122の幅は、その右側における突条120の幅と同じであっても良いし、その右側における突条120の幅より大きくても良い。
【0042】
スリーブ102の右部の内孔部は、右大径孔部124及び拡径孔部126となっている。右大径孔部124は、拡径孔部126の左側に配置されている。右大径孔部124は、左側より広がっている。右大径孔部124の内径は、左側の内径より大きい。拡径孔部126は、右大径孔部124に対して更に広がっている。拡径孔部126の内径は、右大径孔部124の内径より大きい。
拡径孔部126内には、軸体100のフランジ部100Bが入っている。拡径孔部126の内面に、Oリング116が接触している。Oリング116は、軸体100の外面にも接触している。よって、Oリング116より左方への粉塵の侵入が抑制される。Oリング116は、スリーブ102の軸体100に対する長手方向での移動を許容する。
拡径孔部126の外面は、突条120を除く左側の部分に対し、径方向外方に突出している。拡径孔部126の外面の突出量は、突条120と同様である。拡径孔部126の外面と、突条120を除く左側の部分の外面との間に、段部130が形成されている。段部130は、左側から右方へ見て、リング状である。段部130は、前後上下に広がる。
右大径孔部124には、軸体100の大径部100Rが入っている。大径部100Rの左面と右大径孔部124の左面との間には、コイルスプリング104が介装されている。コイルスプリング104は、軸体100に対してスリーブ102を左方に付勢する。
【0043】
スリーブ102の左部の内孔部は、小径孔部128、及び左大径孔部129となっている。小径孔部128は、左大径孔部129の右側に配置されている。小径孔部128は、右側より狭まっている。小径孔部128の内径は、右側の内径より小さい。左大径孔部129は、小径孔部128に対して広がっている。左大径孔部129の内径は、小径孔部128の内径より大きい。左大径孔部129の内径は、右大径孔部124の内径と同じか略同じである。
【0044】
挟持部材106は、左右に延びる円筒状である。
挟持部材106は、大径部140と、複数(2つ)の突起142と、複数(2つ)の溝144と、を有する。
【0045】
大径部140は、左右方向における中央部に形成されている。大径部140は、隣接部位に対して、径方向外方に膨らんでいる。大径部140の外径は、隣接部位の外径より大きい。大径部140の外径は、各突条120を除くスリーブ102の外径と同様である。大径部140より右側の部分の外径は、スリーブ102の右大径孔部124と同様である。
大径部140より右側の部分の右部は、右大径孔部124内に入っている。
【0046】
各突起142は、大径部140の左部から径方向外方に突出している。各突起142は、周方向において等間隔に配置されており、挟持部材106の中心軸を挟んで向かい合っている。
各突起142は、ホイール溝32Dに進入可能である。
【0047】
各溝144は、互いに同様な形状を有する。
各溝144は、大径部140の右端部から左方へ凹んでいる。各溝144における挟持部材106の外径は、大径部140より右側の部分と同様である。各溝144は、後側から前方へ見た場合に“Σ”字状を呈する。
【0048】
各溝144は、第1溝部150と、第2溝部152と、を有する。
第1溝部150は、径方向に凹んでおり、左右に延びている。第1溝部150の幅即ち周方向の大きさは、スリーブ102における各凸部122の幅と同様である。各凸部122は、第1溝部150に進入可能である。第1溝部150は、対応する突起142の右側に配置されている。
第2溝部152は、径方向に凹んでおり、左右に延びている。第2溝部152は、端面部152Eと、傾斜面部152Gと、を有する。端面部152Eは、左右上下に広がる面を含む。傾斜面部152Gは、周方向において、端面部152Eと第1溝部150との間に配置されている。傾斜面部152Gは、第1溝部150側に設けられている。傾斜面部152Gは、端面部152Eの左端部の隣接部から第1溝部150の右端部まで延びている。即ち、傾斜面部152Gは、端面部152Eのより左方に凹んだ位置から、第1溝部150のより左方に凹まない位置にわたっている。第1溝部150における傾斜面部152G側の面の左右方向の長さは、第1溝部150の向かい合う面の左右方向の長さより短い。
【0049】
トーションスプリング108は、大径部140より右側の部分内と、軸体100の小径部100Lとの間に介装されている。
トーションスプリング108は、挟持部材106を、周方向であって、左側から右方へ見た場合の時計回りに付勢する。
【0050】
リング110は、フェルト製であり、リング状である。
リング110は、大径部140より右側の部分内と、スリーブ102の左大径孔部129との間に配置されている。リング110は、挟持部材106の右方に配置されている。 リング110は、軸体100の外面とスリーブ102の内面とに接触している。よって、先端工具取付部31内への粉塵の侵入が抑制される。リング110は、スリーブ102の軸体100に対する長手方向での移動を許容する。尚、リング110は、ゴム製のOリングであっても良い。
【0051】
キャップ112は、円盤状であり、前後上下に広がっている。
キャップ112は、ネジ114により、軸体100の左端部に一体に固定されている。ネジ114は、軸体100の左穴に入れられる。
挟持部材106は、キャップ112とスリーブ102とで挟まれており、左右方向の中心軸の周りで回転可能である。
【0052】
以下、先端工具取付部31に対する研磨ホイール32の着脱が説明される。リング110及びOリング116を除く先端工具取付部31は、先端工具である研磨ホイール32の取付構造Nを構成する。先端工具取付部31は、取付構造N付きのアタッチメントT1を構成する。アタッチメントT1は、アッセンブリとも呼ばれ得る。
尚、リング110及びOリング116の少なくとも一方は、取付構造Nに含められても良い。取付構造NあるいはアタッチメントT1の構成は、新たな構成要素が付加される等、様々に変更されても良い。又、研磨ホイール32の着脱は、図示された方向即ち説明上の方向とは異なる方向となるホイールサンダ1の姿勢において行われても良い。例えば、研磨ホイール32の着脱は、先端工具取付部31が鉛直方向を向き、先端工具取付部31の先端部が上方となる姿勢で行われても良い。以下の説明は、図示された方向に従う。更に、ホイールサンダ1と異なり、先端工具取付部31は、本体部2に分離困難な状態で組み込まれていても良く、即ち本体部2に容易に着脱可能なアタッチメントT1でなくても良い。
【0053】
先端工具取付部31から外されていた研磨ホイール32を装着する場合、ユーザは、
図7Aに示されるように、左側から右方へ見て、即ち先端工具取付部31の長手方向において、挟持部材106の各突起142がスリーブ102の対応する突条120と重なっていることを確認する。即ち、ユーザは、各突起142が対応する突条120と同様の回転位置となっていることを確認する。もし、各突起142が対応する突条120と同様の回転位置となっていない場合、ユーザは、挟持部材106を、各突起142が対応する突条120と同様の回転位置となるまで、左側から右方へ見て反時計回りにひねる。
このとき、挟持部材106は、着脱状態となっている。又、各凸部122は、対応する第1溝部150に進入している。よって、挟持部材106は、着脱状態で仮固定される。
【0054】
そして、ユーザは、研磨ホイール32を、先端工具取付部31に対し、左側から右方へ近づける。ユーザは、中央孔32Hに先端工具取付部31を入れる。このとき、2組のホイール溝32Dのうちの何れか一方の組に、スリーブ102の2つの突条120、及び挟持部材106の2つの突起142が入る。
【0055】
ユーザは、研磨ホイール32の左面が各突起142の右側に至るまで研磨ホイール32を入れていく。このとき、研磨ホイール32の右面が、スリーブ102の段部130に当接する。
ユーザは、
図7Bの矢印Dに示されるように、更に研磨ホイール32を、右方へ即ち先端工具取付部31の反先端側へ押す。このとき、研磨ホイール32の右面は、スリーブ102を、コイルスプリング104の付勢力に抗して、右方へ押す。スリーブ102は、挟持部材106に対し、右方に移動する。スリーブ102の凸部122は、挟持部材106の第1溝部150に対し、右方に抜けていく。
そして、凸部122の左端部が第1溝部150の右端部に達して、凸部122が第1溝部150から抜け出して外れると、挟持部材106が、トーションスプリング108の付勢力により、
図8Bの矢印Cで示されるように、左側から右方へ見て時計回りに自動的に回転する。この挟持部材106の回転は、凸部122が第2溝部152の端面部152Eに当接すると、完了する。この挟持部材106の回転により、着脱状態での挟持部材106の仮固定は解除される。
このとき、
図8Bを始めとする図面(
図7A、
図7B及び
図8Aを除く)に示されるように、各突起142は、左側から右方へ見て、斜めの方向、より詳しくは前上がりの方向を向いている。各突起142は、左側から右方へ見て、対応する突条120からずれる。即ち、挟持部材106は、研磨ホイール32を先端工具取付部31に対して固定可能である固定状態となる。
【0056】
ユーザが研磨ホイール32の右方への移動を止めると、
図7Cの矢印Eで示されるように、コイルスプリング104の付勢力により、スリーブ102が軸体100に対して左方へ移動する。このとき、スリーブ102の段部130が、研磨ホイール32を左方へ押し、スリーブ102が、研磨ホイール32と共に移動する。
そして、
図7Cに示されるように、研磨ホイール32の左面が挟持部材106の突起142に当接し、研磨ホイール32が各突起142と段部130との間で挟持される。即ち、研磨ホイール32は、挟持部材106とスリーブ102とで挟持される。よって、研磨ホイール32は、先端工具取付部31に対し取り付けられる。各突起142の回転位置は、対応する突条120の回転位置に対してずれるため、研磨ホイール32の各ホイール溝32Dの回転位置に対してずれる。よって、各突起142は、周方向で隣接するホイール溝32Dの間の部分に当接する。
研磨ホイール32は、1組のホイール溝32Dに対して対応する突条120が入る状態で装着される。よって、研磨ホイール32の先端工具取付部31に対する相対回転が抑制される。
【0057】
ユーザは、装着された研磨ホイール32を抜き取る場合、まずメインスイッチ26のオフ即ちモータ12の停止を確認する。
次いで、ユーザは、シャフトロックボタン70を押す。すると、先端工具取付部31の回転が、ベベルギヤ60、及びスピンドル30を介して、ロックされる。
【0058】
ユーザは、シャフトロックボタン70を押したまま、挟持部材106を、トーションスプリング108の付勢力に抗して、左側から右方へ見て反時計回りに回転させる。このとき、ユーザは、必要に応じ、研磨ホイール32を介してスリーブ102を右方へ押して、凸部122を第2溝部152から抜け出させる。
挟持部材106は、反時計回りの回転により、
図7A及び
図8Aに示される着脱状態となる。このとき、スリーブ102の凸部122は、コイルスプリング104の付勢力により、挟持部材106の第1溝部150に対し進入する。よって、挟持部材106は、着脱状態で固定される。又、研磨ホイール32は、コイルスプリング104の付勢力を受けたスリーブ102を介して、左方に弾み出る。
ユーザは、研磨ホイール32を、先端工具取付部31に対して左方へ移動させ、先端工具取付部31から抜き取る。
ユーザは、研磨ホイール32の取り出しの完了後、シャフトロックボタン70の押下を止める。
【0059】
図10は、
図4のB-B線断面図である。
ハンドル部4は、ハンドルホルダ200と、グリップ202と、研磨ホイールカバー204と、を有する。
【0060】
ハンドルホルダ200は、アーム状であり、上下に延びている。ハンドルホルダ200は、金属製である。
ハンドルホルダ200は、装着部210と、基台部212と、上孔部214と、を有している。
【0061】
装着部210は、ハンドルホルダ200の下端部に配置されている。装着部210は、左側から右方へ見て“C”字状の部分である。装着部210の切れ目は、後端部に配置されている。装着部210の切れ目の上側の部分及び下側の部分には、それぞれネジ孔220が設けられている。各ネジ孔220は、上下に延びている。
装着部210は、ベアリングボックス45の周りに配置されている。装着部210は、各ネジ孔220に1つのネジ(図示略)を入れることで、ベアリングボックス45に対し一体に固定される。各ネジ孔220へのネジの進入に従って、装着部210の内径が小さくなり、ベアリングボックス45の外面に対し締め付けられる。よって、ハンドル部4は、本体部2に対して装着される。
【0062】
基台部212は、装着部210の前側に配置されている。基台部212は、装着部210と一連である。尚、基台部212は、装着部210と別体であっても良い。又、基台部212は、本体部2に設けられても良い。例えば、基台部21は、ベアリングボックス45の前部に形成されても良い。
基台部212は、上側から下方へ見て、二股状である。基台部212は、前方へ開いている。基台部212は、後壁部222と、左壁部224と、右壁部226と、を有する。
【0063】
後壁部222の上部前面は、上下左右に広がる平面である。後壁部222の上部前面は、先端工具取付部31が水平である場合、鉛直方向に沿う。
後壁部222の中央部前面は、中心軸を左右方向とする円筒面である。後壁部222の中央部は、装着部210と一連である。
後壁部222の下部は、上下左右に広がる平板状である。後壁部222の下部の下辺は、後壁部222の上部に対して、より前方に配置されている。即ち、後壁部222の下部は、前下がりに傾斜している。
【0064】
左壁部224は、上下左右に広がる平板状である。左壁部224は、後壁部222の左辺中央部から前方へ延びている。
左壁部224は、ピン孔230を有している。ピン孔230は、左右に延びる。
【0065】
右壁部226は、右壁部基部232と、止めリブ234と、を有する。
右壁部基部232は、上下左右に広がる平板状である。右壁部基部232は、後壁部222の右辺中央部から前方へ延びている。右壁部基部232の内面即ち左面は、先端工具取付部31が水平である場合、鉛直方向に沿っている。
右壁部基部232は、ピン孔236を有している。ピン孔236は、左右に延びる。
止めリブ234は、後壁部222の前面に平行な折れ板状である。止めリブ234は、右壁部基部232の前辺部から左方へ延びている。止めリブ234の上左辺部234Uは、後側から前方へ見て、下方へ行くほど右方となる状態、即ち右下がりで延びている。止めリブ234の下左辺部234Dは、後側から前方へ見て、下方へ行くほど左方となる状態、即ち左下がりで延びている。
【0066】
止めリブ234の下部と、右壁部基部232の下部と、後壁部222の下部とにより、第1凹部237が形成される。第1凹部237は、右方に凹んでいる。
止めリブ234の上部と、右壁部基部232の上部と、後壁部222の上部とにより、第2凹部238が形成される。第2凹部238は、右方に凹んでいる。
【0067】
上孔部214は、ハンドルホルダ200の上端部に配置されている。
上孔部214は、複数(3つ)のグリップ取付孔239を有している。各グリップ取付孔239は、左右に延びている。グリップ取付孔239は、上下に並んでいる。グリップ取付孔239は、等間隔に並んでいる。
【0068】
グリップ202は、ユーザが把持可能な部分である。グリップ202は、左右に延びている。グリップ202は、先端工具取付部31と平行である。
グリップ202は、ハンドルホルダ200の上孔部214における何れかのグリップ取付孔239に取り付けられている。
図1~
図3に示されるように、グリップ202は、上のグリップ取付孔239に取り付けられると、先端工具取付部31から最も離れる。グリップ202は、下のグリップ取付孔239に取り付けられると、先端工具取付部31に最も近づく。グリップ202が中央のグリップ取付孔239に取り付けられた場合のグリップ202と先端工具取付部31との間の距離は、グリップ202が上のグリップ取付孔239に取り付けられた場合の距離と、グリップ202が下のグリップ取付孔239に取り付けられた場合の距離との中間になる。かように、グリップ202の取付位置は、調整可能である。
【0069】
研磨ホイールカバー204は、研磨ホイールカバー本体240と、カバー支持部242と、複数(2本)のネジ244と、を有する。
研磨ホイールカバー本体240は、曲板状である。研磨ホイールカバー本体240は、円筒面状である。研磨ホイールカバー本体240は、研磨ホイール32の上方及び後方、即ち研磨ホイール32のユーザ側を覆う。又、研磨ホイールカバー本体240は、研磨ホイール32の右上方、即ちカバー支持部242側を覆う。
カバー支持部242は、研磨ホイールカバー本体240の右側に配置されている。カバー支持部242は、右方に開いた二股状である。カバー支持部242は、ハンドルホルダ200の上下方向における中央部の前面、左面及び右面に接触する。カバー支持部242の前壁部は、前側から後方へ入れられる1つのネジ244により、ハンドルホルダ200に一体に固定される。カバー支持部242の後壁部は、後側から前方へ入れられるもう1つのネジ244により、ハンドルホルダ200に一体に固定される。各ネジ244は、前後に延びる。
研磨ホイールカバー204は、ハンドルホルダ200に取り付けられる。研磨ホイールカバー204は、各ネジ244を外すことで、ハンドルホルダ200から取り外すことができる。
【0070】
ガイド部6は、ガイドアーム250と、当接部としての複数(2つ)の転動体252と、ピン254と、サークリップ256と、ガイド部弾性体としてのコイルスプリング258と、スプリング受け259と、を有する。
【0071】
ガイドアーム250は、前側から後方へ見て“L”字状である。ガイドアーム250は、
図2~
図5で図示された姿勢即ち作業姿勢において、下方と左方とに延びる。ガイドアーム250の先端部は、作業姿勢において、下方に配置される。
ガイドアーム250の下方に延びる部分は、作業姿勢において、前下がりに傾斜している。ガイドアーム250の左方に延びる部分は、作業姿勢において、前上がりに傾斜している。
ガイドアーム250と基台部212とは、互いに隣接している。
【0072】
図11A及び
図11Bに示されるように、ガイドアーム250は、アーム孔部260を有している。アーム孔部260は、ガイドアーム250の上端部に配置されている。アーム孔部260は、ガイドアーム250の隣接する部分に対して、円筒状に左方に突出している。アーム孔部260の先端部は、左側に配置される。尚、
図11A及び
図11Bにおいて、ガイド部6におけるガイドアーム250及びピン254以外の部材は省略されている。
アーム孔部260は、アーム孔262と、左面部264と、を有する。
アーム孔262は、左右に延びる。アーム孔262は、孔本体262Mと、孔拡大部262Eと、を有する。孔本体262Mは、作業姿勢において、左右方向に水平に延びる。孔拡大部262Eは、孔本体262Mの左部に配置されている。アーム孔262の左部は、孔拡大部262Eにより、アーム孔262の右部に対して拡大される。孔拡大部262Eは、作業姿勢において、孔本体262Mの下側に配置される。作業姿勢において、孔拡大部262Eの下面は、左下がりに傾斜している。
左面部264は、作業姿勢において、右下がりとなっている。即ち、左面部264の上部は、作業姿勢において、下部より左方に突出している。又、左面部264の下部は、作業姿勢において、上部より右方に逃げている。左面部264の下部は、ガイドアーム250をピン254に対して傾斜させるために、
図11Aで示される非傾斜時に基台部212から逃げている逃げ部264Eとなっている。
【0073】
各転動体252は、ガイドアーム250の左下部に設けられる。各転動体252の左部は、露出している。各転動体252は、転動可能である。転動体252は、作業姿勢において、前後に並べられている。前の転動体252の中心は、作業姿勢において、後の転動体252の中心より上方に配置されている。
尚、転動体252は、1個でも良いし、3個以上であっても良い。又、転動体252に代えて、あるいは転動体252と共に、ローラ及び摺動部材の少なくとも一方が設けられても良い。
【0074】
ガイドアーム250は、作業姿勢において、各転動体252を介して被加工材Wに当接することで、ホイールサンダ1を、被加工材Wに沿って案内可能である。ガイド部6は、ホイールサンダ1における加工作業の進行方向をガイドする。各転動体252は、被加工材Wにより転動される。各転動体252は、被加工材Wに当接する当接部である。例えば、ユーザは、作業姿勢のガイドアーム250に係る各転動体252を、前後に長い直方体状の被加工材Wの右面に当てた状態で、被加工材Wの上面に対し研磨ホイール32の研磨面Pを作用させつつ、ホイールサンダ1を、被加工材Wの長手方向に沿って移動させることができる。ホイールサンダ1では、複数の転動体252が設けられることで、1つの転動体252が設けられる場合に比べて、案内がより安定する。
尚、当接部は、ガイドアーム250の一部であっても良い。又、当接部は、被加工材W以外に当接しても良い。例えば、当接部は、ガイド用定規に当接しても良い。
【0075】
ガイドアーム250は、作業姿勢において、第1凹部237に入って係合する。
作業姿勢に係るガイドアーム250の前方への移動は、止めリブ234の下部により抑制される。止めリブ234は、ガイドアーム250の姿勢を、作業姿勢に保持する。止めリブ234は、作業姿勢に係るガイドアーム250を保持する。作業姿勢に係るガイドアーム250の後方への移動は、後壁部222の下部により抑制される。作業姿勢に係るガイドアーム250の右方への移動は、右壁部基部232の下部により抑制される。
図10において、厳密には、各転動体252の左端は、ガイドアーム250での保持における遊びにより、被加工材Wの右面上に位置する。
図10で図示された各転動体252の左右方向の位置は、被加工材Wに接触する前のものである。
【0076】
ピン254は、円柱状であり、左右に延びている。ピン254は、基台部212に保持される。ピン254は、左壁部224と右壁部226との間に渡されている。
ピン254は、ガイドアーム250を、アーム孔262の周りで回転可能に支持している。ピン254は、ピン孔230,236内、及びアーム孔262内を通っている。ピン254の右端部は、他の部分に対して径方向に膨出した頭部となっている。ピン254は、頭部により、抜け止めされる。
【0077】
サークリップ256は、ピン254の左端部外面に一体に固定される。サークリップ256は、左壁部224の左側に配置されている。サークリップ256の外径は、ピン孔230の外径より大きい。ピン254は、サークリップ256により、抜け止めされる。
【0078】
コイルスプリング258は、左壁部224とアーム孔部260の基端部即ち右端部との間に渡されている。コイルスプリング258は、左右に延びる。コイルスプリング258の径方向内方には、アーム孔部260と、ピン254とが配置される。
コイルスプリング258の左端は、左壁部224の右面に接触している。コイルスプリング258の右端は、スプリング受け259を介して、アーム孔部260の基端部に接触している。スプリング受け259は、リング状である。スプリング受け259は、ワッシャである。尚、スプリング受け259は、省略されても良い。
コイルスプリング258は、ガイドアーム250のアーム孔部260を、右方へ付勢している。
【0079】
ガイド部6の姿勢は、作業姿勢から収納姿勢に変更可能である。ガイド部6及び基台部212は、ホイールサンダ1のガイド部6用の収納機構Fを構成する。ハンドル部4及びガイド部6は、収納機構F付きのアタッチメントT2を構成する。アタッチメントT2は、アッセンブリとも呼ばれ得る。
かような姿勢の変更、即ちガイド部6の収納において、ユーザは、例えばホイールサンダ1の前側から後方を向いて収納操作を行っても良い。この場合、収納操作を行うユーザから見た前後左右は、図示された方向の前後左右即ち説明上の前後左右とは異なる。以下の説明は、図示された方向に従う。又、ガイド部6の姿勢の変更は、図示されたホイールサンダ1の姿勢以外のホイールサンダ1の姿勢において行われても良い。更に、ホイールサンダ1と異なり、ガイド部6及び基台部212は、本体部2に分離困難な状態で組み込まれていても良く、即ち本体部2に容易に着脱可能なアタッチメントT2でなくても良い。
【0080】
ガイド部6の収納において、まず、ユーザは、
図10の実線及び
図11Aで現された作業姿勢のガイドアーム250の下部を、コイルスプリング258の付勢力に抗して左方へ押す。すると、ガイドアーム250は、
図10の二点鎖線S1及び
図11Bに示されるように、左下がりの姿勢に傾く。このとき、ピン254の一部は、アーム孔262の孔拡大部262Eに入る。孔拡大部262Eは、ガイドアーム250の傾斜時にピン254の一部を孔本体262Mから逃がす逃がし孔部である。孔拡大部262Eは、ガイドアーム250をピン254に対して傾斜させるためのものである。又、ガイドアーム250の傾斜は、左面部264下部の逃げ部264Eの分だけ左壁部224への接近が可能であることにより許容される。更に、傾斜したガイドアーム250の右面は、止めリブ234の下左辺部234Dより左方に位置する。
次いで、ユーザは、ガイドアーム250を、左方へ押して傾斜させたまま、ピン254の周りで回転させ、
図10の二点鎖線S2で示される位置に到達させる。このとき、傾斜したガイドアーム250は、止めリブ234の下左辺部234Dを超える。又、傾斜したガイドアーム250は、止めリブ234の上左辺部234Uを超えて、後壁部222の前側に達する。
続いて、ユーザは、ガイドアーム250の左方への押下を止める。すると、ガイドアーム250は、コイルスプリング258の付勢力により右方へ移動し、
図10の太二点鎖線S3及び
図3の二点鎖線250Sで示されるように、右壁部226上部に沿って上下方向に向いた姿勢、即ち収納姿勢となる。このとき、ガイドアーム250は、第2凹部238に入って係合する。ガイドアーム250の前方への移動は、止めリブ234の上部により抑制される。止めリブ234は、ガイドアーム250の姿勢を、収納姿勢に保持する。止めリブ234は、収納姿勢に係るガイドアーム250を保持する。又、ガイドアーム250の後方への移動は、後壁部222の上部により抑制される。更に、ガイドアーム250の右方への移動は、右壁部基部232の上部により抑制される。加えて、ピン254の一部の孔拡大部262Eへの進入が解除されている。よって、ピン254は、孔本体262Mに沿っている。
収納姿勢におけるガイドアーム250及び転動体252は、研磨ホイール32の右上方に位置しており、研磨ホイール32及び被加工材Wから退避している。よって、ユーザは、ガイド部6を作用させない状態で、ホイールサンダ1による作業を行うことができる。
【0081】
他方、ユーザは、上述と概ね逆の手順により、ガイド部6の姿勢を収納姿勢から作業姿勢に変更することができる。
即ち、ユーザは、収納姿勢のガイドアーム250の上部を左方へ押して、ガイドアーム250を
図10の二点鎖線S2の姿勢とする。次いで、ユーザは、ガイドアーム250を、アーム孔部260の周りで回転させ、
図10の二点鎖線S1の姿勢とする。続いて、ユーザは、ガイドアーム250の左方への押下を止めて、コイルスプリング258の付勢力をガイドアーム250に作用させ、ガイドアーム250を作業姿勢とする。
【0082】
このようなホイールサンダ1の動作例が説明される。
ユーザは、バッテリ装着部16に、充電されたバッテリ18を装着する。
又、ユーザは、先端工具取付部31に研磨ホイール32を装着する。研磨ホイール32は、先端工具取付部31に対して、中央孔32Hを通していき、最後に僅かに押し込むだけで装着される。このとき、挟持部材106は、自動的に固定状態となる。
【0083】
ユーザがメインスイッチ26を操作すると、メインスイッチ26がオンとなる。すると、コントローラ20は、モータ軸50が速度調整ダイヤル24の回転位置に応じた速度で回転するように、バッテリ18の電力を、モータ12へ制御のうえで供給する。これにより、モータ12は、速度調整ダイヤル24の回転位置に応じた速度で駆動される。尚、モータ軸50の回転方向は、切り替え可能とされても良い。
【0084】
モータ軸50の回転により、ファン14が回転して、各排気口47への排気により、本体部2内に空気の流れ(風)が形成される。
かような風によって、モータ12を始めとするホイールサンダ1の内部機構が冷却される。
【0085】
更に、モータ軸50の回転力は、ベベルギヤ60での減速を経て、スピンドル30及び研磨ホイール32に伝達される。
ユーザは、右手で本体部2のグリップ部Gを握り、左手でハンドル部4のグリップ202を握る。
そして、ユーザは、被加工材Wの被加工部に、回転している研磨ホイール32の研磨面Pを当てる。すると、被加工材Wの被加工部は、研磨ホイール32により研磨される。
ユーザは、被加工部の全体形状に応じ、適宜研磨ホイール32の被加工部に対する当たり方、即ち研磨ホイール32が被加工部に当たる位置、範囲等を変えることができる。
又、ユーザは、必要に応じ、ガイド部6を収納姿勢とし、あるいは作業姿勢として、被加工材Wを研磨することができる。ガイド部6が作業姿勢とされた場合、ユーザは、ガイド部6を被加工材Wに作用させて、研磨ホイール32の移動をガイド部6によりガイドさせる。作業姿勢において、ガイドアーム250は前下がりとなっている。よって、ガイドアーム250の先端部及び各転動体252は、鉛直方向に沿う場合に比べ、より前方に位置する。従って、ユーザは、よりガイドアーム250の先端部及び各転動体252を視認し易くなる。よって、ホイールサンダ1におけるガイドの作業性が向上する。
【0086】
ユーザは、研磨完了時、メインスイッチ26の前方スライド操作を停止して、モータ12をオフにさせる。このとき、研磨ホイール32は停止する。ユーザは、適宜、研磨ホイール32、バッテリ18を外す。
【0087】
尚、本開示の実施例の形態は、上記のもの及び変更例に限定されず、例えば更に次のような変更を適宜施すことができる。
挟持部材106の回転位置は、挟持部材106に設けられた挟持部材突条が、スリーブ102の突条の先端側に設けられたスリーブ溝部に入ることによって固定されても良い。
又、挟持部材106は、挟持部材106の中心軸の周りでの回転により固定状態と着脱状態とを切り替えるものに代えて、あるいはこれと共に、挟持部材106の長手方向での移動により固定状態と着脱状態とを切り替えるものとして形成されても良い。この場合、例えば、軸部115は、凸部122を有しており、挟持部材106は、第1溝部150及び第2溝部152を有しており、軸部115に対して反先端側に付勢されると共に、軸部115に対して着脱状態から固定状態となる回転方向へ付勢され、着脱状態の挟持部材106は、軸部115に対して先端側へ移動して凸部122が第1溝部150から外れることにより、固定状態へ向けて回転しても良い。
【0088】
ホイールサンダ1におけるモータ軸50から研磨ホイール32への減速機構は、ピニオン部52及びベベルギヤ60以外の減速機構に代えられても良い。
ホイールサンダ1は、バッテリ装着部16に代えて、電源コードを有することで、商用電源に係る交流駆動とされても良い。各種のケース及びハウジングの少なくとも何れかの材質が、樹脂、金属、及びこれらの複合体等に変更されても良い。ハウジング10の区分が、上述のものから変えられても良い。その他、各種部材、部分の個数、設置の有無、材質、配置、構造、及び形式の少なくとも何れか等は、適宜変更されても良い。
【0089】
更に、上記形態又はその変更例は、他の加工機に適用されても良い。例えば、上記形態又はその変更例は、手持ち式の加工機に代えて、据え置き型即ち定置式の加工機に適用されても良い。あるいは、上記形態又はその変更例は、研磨ホイール32以外の先端工具を装着する加工機に適用されても良く、マルノコ、ジグソー、ルータに適用されても良い。
1・・ホイールサンダ(加工機,携帯用加工機)、4・・ハンドル部、6・・ガイド部、30・・スピンドル(出力軸)、32・・研磨ホイール(先端工具)、100・・軸体、102・・スリーブ、104・・コイルスプリング(コンプレッションスプリング)、106・・挟持部材、108・・トーションスプリング、110・・リング、115・・軸部、116・・Oリング、120・・突条、122・・凸部、142・・突起、150・・第1溝部、152・・第2溝部、152G・・傾斜面部、212・・基台部、234・・止めリブ、237・・第1凹部、238・・第2凹部、250・・ガイドアーム(アーム)、252・・転動体(当接部)、254・・ピン、258・・コイルスプリング(ガイド部弾性体)、260・・アーム孔部、262・・アーム孔、262E・・孔拡大部、264E・・逃げ部、F・・(ガイド部6用の)収納機構、N・・(研磨ホイール32の)取付構造、T1・・(取付構造N用の)アタッチメント、T2・・(収納機構F用の)アタッチメント。