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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128963
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】積層セラミックキャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H01G4/30 201M
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
H01G4/30 513
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024035050
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2023-0031803
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、セオンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャエ ミン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ヨン-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ヨウンジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AC10
5E001AD04
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF06
5E001AH01
5E001AH05
5E001AH06
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ02
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE35
5E082FG03
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082JJ03
5E082JJ06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水分浸透の可能性を低下させて耐湿信頼性を改善した積層セラミックキャパシタを提供する。
【解決手段】積層セラミックキャパシタ10は、厚さが幅より小さいセラミック本体と、セラミック本体の両端部面それぞれの一部を覆う接続部133、143及び接続部から延長してセラミック本体の幅方向の両側面一部と厚さ方向の一面一部を覆うバンド部135、145をそれぞれ含む第1、第2外部電極13,14と、第1、第2外部電極にそれぞれ連結される複数の第1、第2内部電極21、22と、セラミック本体内でセラミック本体の厚さ方向に沿って複数の第1、第2内部電極の外側に両側にそれぞれ配置される第1、第2カバー層123、125と、第1カバー層内に備えられるダミー電極15と、を有し、第1カバー層は、セラミック本体の両端部面中の接続部によって露出される部分である露出面173、183を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された大きさの長さ、幅、および厚さを有し、前記厚さが前記幅より小さいセラミック本体と、
前記セラミック本体の長さ方向に沿って互いに離隔した両端部面それぞれの一部を覆う接続部と、前記接続部から延長して前記セラミック本体の幅方向の両側面一部と厚さ方向の一面一部を覆うバンド部をそれぞれ含む第1外部電極および第2外部電極と、
前記セラミック本体内で誘電体層を挟んで積層され両端部から交互に引き出されて前記第1外部電極および前記第2外部電極にそれぞれ連結される複数の第1内部電極および第2内部電極と、
前記セラミック本体内で前記セラミック本体の厚さ方向に沿って前記複数の第1内部電極および第2内部電極の外側に両側にそれぞれ配置される第1カバー層および第2カバー層と、
前記第1カバー層内に備えられるダミー電極と
を含み、
前記第1カバー層は、前記セラミック本体の両端部面中の前記接続部によって露出される部分である露出面を含む、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記ダミー電極は、前記露出面に接するか、または前記露出面と離隔する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、
前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面または前記セラミック本体の端部面の仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、
前記ダミー電極の長さL1は前記バンド部の長さL2以下である、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記ダミー電極の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁は前記セラミック本体の厚さ方向に沿って同一の直線上にある、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記複数の第1内部電極および第2内部電極が前記セラミック本体の厚さ方向に沿って重畳する領域であるアクティブ領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミック本体の両端部面の間の領域であるマージン領域をさらに含み、
前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、
前記マージン領域の長さL3は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記マージン領域の両端部の間の距離であり、
前記ダミー電極の長さL1は前記マージン領域の長さL3より大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記ダミー電極は複数の層からなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記ダミー電極のそれぞれの層は前記セラミック本体の厚さ方向に互いに離隔する、請求項6に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記ダミー電極は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記第1カバー層の厚さT1は前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面または前記第1カバー層の外面の仮想の延長面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面または前記第1カバー層の外面の仮想の延長面の間の距離であり、
前記第2カバー層の厚さT2は前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第2カバー層の外面または前記第2カバー層の外面の仮想の延長面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第2カバー層の外面または前記第2カバー層の外面の仮想の延長面の間の距離であり、
前記第1カバー層の厚さT1は前記第2カバー層の厚さT2より大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記第1カバー層の厚さT1は前記第2カバー層の厚さT2の2倍以上である、請求項9に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
前記露出面の高さHは前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面または前記第1カバー層の外面の仮想の延長面と前記接続部の縁中の前記第1カバー層側の縁の間の距離であり、
前記第1カバー層の厚さT1は前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面または前記第1カバー層の外面の仮想の延長面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面または前記第1カバー層の外面の仮想の延長面の間の距離であり、
前記露出面の高さHは前記第1カバー層の厚さT1より小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項12】
前記バンド部は、前記接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延長し、前記第2カバー層の一部を覆う、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項13】
前記バンド部と前記第2カバー層の間にはシード電極層が備えられる、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項14】
前記複数の第1内部電極および第2内部電極が前記セラミック本体の厚さ方向に沿って重畳する領域であるアクティブ領域と、
前記アクティブ領域と前記セラミック本体の両端部面の間の領域であるマージン領域をさらに含み、
前記マージン領域の長さL3は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記マージン領域の両端部の間の距離であり、
前記シード電極層の長さL4は前記セラミック本体の端部面または前記セラミック本体の端部面の仮想の延長面と前記シード電極層の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、
前記シード電極層の長さL4は前記マージン領域の長さL3より大きい、請求項13に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項15】
前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面または前記セラミック本体の端部面の仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、
前記シード電極層の長さL4は前記バンド部の長さL2以下である、請求項14に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項16】
前記ダミー電極は前記露出面から突出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項17】
前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、
前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面または前記セラミック本体の端部面の仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、
前記ダミー電極の長さL1は前記バンド部の長さL2以下である、請求項16に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層セラミックキャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を使用する電子部品としてキャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタまたはサーミスタなどがある。このようなセラミック電子部品のうちの積層セラミックキャパシタ(Multilayer Ceramic Capacitor、MLCC)は小型でありながら高容量が保障され実装が容易であるという長所によって多様な電子装置に使用できる。
【0003】
例えば、積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)、プラズマ表示装置パネル(plasma display panel、PDP)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯用端末器およびスマートフォンのような様々の電子製品の基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサに使用できる。
【0004】
最近、電子製品の小型化および薄膜化傾向によって既存の積層セラミックキャパシタより厚さが薄い積層セラミックキャパシタに対する需要が増加している。特に幅が厚さの1.5倍または2倍以上になる程度に薄膜化された積層セラミックキャパシタは幅に比べて厚さが非常に薄いため、基板に実装する時に基板が曲げられる場合、曲げ割れ(flex crack)生成のような物理的破損の恐れがある。さらに、厚さを薄くするためにセラミック本体の上面が外部電極によって覆われていない積層セラミックキャパシタの場合、外部衝撃などによる破損および水分浸透の可能性が大きくなって耐湿信頼性が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態の一側面は、焼成時曲げ発生および基板実装時曲げ割れ生成の可能性を低下させた積層セラミックキャパシタを提供する。
【0006】
実施形態の他側面は、水分浸透の可能性を低下させて耐湿信頼性を改善した積層セラミックキャパシタを提供する。
【0007】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態による積層セラミックキャパシタは、予め設定された大きさの長さ、幅、および厚さを有し、厚さが幅より小さいセラミック本体と、前記セラミック本体の長さ方向に沿って互いに離隔した両端部面それぞれの一部を覆う接続部と、前記接続部から延長して前記セラミック本体の幅方向の両側面一部と厚さ方向の一面一部を覆うバンド部をそれぞれ含む第1外部電極および第2外部電極と、前記セラミック本体内で誘電体層を挟んで積層され両端部から交互に引き出されて前記第1外部電極および第2外部電極にそれぞれ連結される複数の第1内部電極および第2内部電極と、前記セラミック本体内で前記セラミック本体の厚さ方向に沿って前記複数の第1内部電極および第2内部電極の外側に両側にそれぞれ配置される第1カバー層および第2カバー層と、前記第1カバー層内に備えられるダミー電極とを含み、前記第1カバー層は、前記セラミック本体の両端部面中の前記接続部によって露出される部分である露出面を含むことができる。
【0009】
また、前記ダミー電極は、前記露出面に接するか、または前記露出面と離隔していてもよい。
【0010】
また、前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面またはその仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、前記ダミー電極の長さL1は前記バンド部の長さL2以下であってもよい。
【0011】
また、前記ダミー電極の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁は、前記セラミック本体の厚さ方向に沿って同一の直線上にあってもよい。
【0012】
また、前記積層セラミックキャパシタは、前記複数の第1内部電極および第2内部電極が前記セラミック本体の厚さ方向に沿って重畳する領域であるアクティブ(active)領域;および前記アクティブ領域と前記セラミック本体の両端部面の間の領域であるマージン(margin)領域をさらに含み、前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、前記マージン領域の長さL3は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記マージン領域の両端部の間の距離であり、前記ダミー電極の長さL1は前記マージン領域の長さL3より大きくてもよい。
【0013】
また、前記ダミー電極は複数の層からなってもよい。
【0014】
また、前記ダミー電極のそれぞれの層は、前記セラミック本体の厚さ方向に互いに離隔していてもよい。
【0015】
前記ダミー電極は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができる。
【0016】
また、前記第1カバー層の厚さT1は前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面またはその仮想の延長面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面またはその仮想の延長面の間の距離であり、前記第2カバー層の厚さTは前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第2カバー層の外面またはその仮想の延長面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第2カバー層の外面またはその仮想の延長面の間の距離であり、前記第1カバー層の厚さT1は前記第2カバー層の厚さT2より大きくてもよい。
【0017】
また、前記第1カバー層の厚さT1は、前記第2カバー層の厚さT2の2倍以上であってもよい。
【0018】
また、前記露出面の高さHは前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面またはその仮想の延長面と前記接続部の縁中の前記第1カバー層側の縁の間の距離であり、前記第1カバー層の厚さT1は前記複数の第1内部電極および第2内部電極のうちの前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面に最も近い内部電極と前記セラミック本体の厚さ方向に沿った前記第1カバー層の外面の間の距離であり、前記露出面の高さHは前記第1カバー層の厚さT1より小さくてもよい。
【0019】
また、前記バンド部は、前記接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延長し前記第2カバー層の一部を覆うことができる。
【0020】
また、前記バンド部と前記第2カバー層の間にはシード(seed)電極層が備えられてもよい。
【0021】
また、積層セラミックキャパシタは、前記複数の第1内部電極および第2内部電極が前記セラミック本体の厚さ方向に沿って重畳する領域であるアクティブ(active)領域;および前記アクティブ領域と前記セラミック本体の両端部面の間の領域であるマージン(margin)領域をさらに含み、前記マージン領域の長さL3は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記マージン領域の両端部の間の距離であり、前記シード電極層の長さL4は前記セラミック本体の端部面またはその仮想の延長面と前記シード電極層の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、前記シード電極層の長さL4は前記マージン領域の長さL3より大きくてもよい。
【0022】
また、前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面またはその仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、前記シード電極層の長さL4は前記バンド部の長さL2以下であってもよい。
【0023】
また、前記ダミー電極は、前記露出面から突出していてもよい。
【0024】
また、前記ダミー電極の長さL1は前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記ダミー電極の両端部の間の距離であり、前記バンド部の長さL2は前記セラミック本体の端部面またはその仮想の延長面と前記バンド部の縁中の前記セラミック本体の端部面の反対側にある縁の間の距離であり、前記ダミー電極の長さL1は前記バンド部の長さL2以下であってもよい。
【発明の効果】
【0025】
実施形態による積層セラミックキャパシタによれば、外部電極によって露出された露出面を有する上部カバー層を下部カバー層より厚く形成することによって破損および水分浸透の可能性を低下させて耐湿信頼性を改善することができる。
【0026】
また、実施形態による積層セラミックキャパシタによれば、外部電極によって露出された露出面を有する上部カバー層内にダミー電極を配置することによって焼成(sintering)時曲げ発生と基板実装時曲げ割れ生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示した斜視図である。
図2図1のII-II'線に沿って切断した断面図である。
図3図2のS領域を拡大した概略断面図である。
図4図2のS領域の他の形態を示す概略断面図である。
図5図2の部分拡大図である。
図6図2の他の部分拡大図である。
図7図1に示した積層セラミックキャパシタが基板に実装された形態を示した概略斜視図である。
図8図7のVIII-VIII'線に沿って切断した断面図である。
図9】他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付図面において一部構成要素は誇張されるか省略されるかまたは概略的に図示され、各構成要素の大きさは実際大きさを全的に反映するものではない。
【0029】
添付された図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むと理解すべきものである。
【0030】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0031】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分"の上に"または"上に"あるという時、これは他の部分"の直上に"ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分"の直上に"あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分"の上に"または"上に"あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向側に"の上に"または"上に"位置することを意味するのではない。
【0032】
明細書全体で、"含む"または"有する"などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するのを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきものである。したがって、ある部分がある構成要素を"含む"という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、明細書全体で、"平面上"という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、"断面上"という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0034】
また、明細書全体で、"連結される"という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、または位置や機能によって異なる名称で称されたが、一体であるのを意味することができる。
【0035】
図1は一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示した斜視図であり、図2図1のII-II'線に沿って切断した断面図である。
【0036】
図1および図2を参照すれば、本実施形態による積層セラミックキャパシタ10は、セラミック本体12、第1外部電極13および第2外部電極14、複数の第1内部電極21および第2内部電極22、およびダミー電極15を含む。
【0037】
セラミック本体12は、複数の誘電体層124を厚さ方向Tに積層した後に焼成して形成することができる。ここで、セラミック本体12の互いに隣接する複数の誘電体層124それぞれは、互いに境界が不明確な状態で一体化できる。例えば、キャパシタ本体12の互いに隣接するそれぞれの誘電体層124の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を使用せずに確認することが困難な程度に一体化できる。
【0038】
セラミック本体12は互いに交差する方向に沿って予め設定された大きさの長さ、幅、および厚さを有し厚さが幅より小さい大略六面体形状に形成できるが、本発明がこれに限定されるのではない。例えば、セラミック本体12は大略直六面体形状であるが、角や頂点に該当する部分が丸い形状であってもよい。
【0039】
本実施形態では、説明の便宜のために、セラミック本体12の誘電体層124が積層された厚さ方向Tの互いに対向する面を上面16および下面17と定義し、前記上面と下面を連結するセラミック本体12の長さ方向Lの互いに対向する面を第1端部面153および第2端部面163と定義し、前記第1端部面153および第2端部面163と垂直に交差する幅方向Wの互いに対向する面を第1側面19および第2側面20と定義する。
【0040】
一方、セラミック本体12内でセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って複数の第1内部電極21および第2内部電極22の外側に両側に第1カバー層123および第2カバー層125がそれぞれ配置できる。
【0041】
即ち、セラミック本体12内で、最上部にある内部電極の上部に所定厚さの第1カバー層123が備えられ、最下部にある内部電極の下部に第2カバー層125が備えられてもよい。第1カバー層123および第2カバー層125は誘電体層124と同一な組成を有することができ、内部電極を含まない誘電体層をセラミック本体12の最上部の内部電極の上部と最下部の内部電極の下部にそれぞれ1つ以上積層して形成することができる。
【0042】
第1カバー層123および第2カバー層125は、物理的または化学的ストレスによる第1内部電極21および第2内部電極22の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0043】
誘電体層124は、高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、セラミック材料は、BaTiO、CaTiO、SrTiO、またはCaZrOなどの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これら成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含んでもよい。例えば、誘電体層はBaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO、Ba(Ti1-yCa)O、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)OまたはBa(Ti1-yZr)Oなどがあるが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0044】
また、誘電体層124にはセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤のうちの一つ以上がさらに含まれてもよい。セラミック添加剤は、例えば遷移金属酸化物または炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などであってもよい。
【0045】
一例として、誘電体層111の平均厚さは0.5μm~10μmであってもよいが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0046】
第1外部電極13および第2外部電極14は、導電性金属を含む導電性ペースト(paste)によって形成することができる。例えば、第1外部電極および第2外部電極は、セラミック本体12を導電性ペーストにディッピング(dipping)する方法などで形成することができる。導電性金属はニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができるが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0047】
第1外部電極13および第2外部電極14はセラミック本体12の長さ方向Lの両端部に配置され、第1接続部133および第2接続部143と第1バンド部135および第2バンド部145をそれぞれ含む。
【0048】
第1接続部133は、セラミック本体12の長さ方向Lの第1端部面153の一部を覆い、第1内部電極21および第2内部電極22の露出された端部と接続されて電気的に連結される部分である。
【0049】
第2接続部143は、セラミック本体12の長さ方向Lの第2端部面163の一部を覆い、第1内部電極21および第2内部電極22の露出された端部とそれぞれ接続されて電気的に連結される部分である。
【0050】
第1バンド部135および第2バンド部145は、第1接続部133および第2接続部143からそれぞれ延長してセラミック本体12の下面17の一部と第1側面19、第2側面20の一部を覆う部分である。
【0051】
第1バンド部135は、第1接続部133からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延長し第2カバー層125の一部を覆うことができる。
【0052】
第2バンド部145は、第2接続部143からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延長し第2カバー層125の一部を覆うことができる。
【0053】
第1バンド部135および第2バンド部145とセラミック本体12の下面17の間にはシード(seed)電極層137、147が印刷されていてもよい。即ち、第1バンド部135とセラミック本体12の下面17の間にはシード(seed)電極層137が印刷され、第2バンド部145とセラミック本体12の下面17の間にはシード(seed)電極層137が印刷されてもよい。
【0054】
シード電極層137、147は、導電性金属(例えば、ニッケル(Ni))を含むペーストを印刷する方法で形成することができる。シード電極層137、147は、導電性金属以外に共材(sintering inhibitor)を含んでいる領域である。
【0055】
第1接続部133は、セラミック本体12の第1端部面153の一部を覆う。第1接続部133はセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って第1端部面153の下端から上側に延長するが、上端までには延長しない。即ち、第1接続部133の上端と第1端部面153の上端の間には間隔がある。したがって、第1接続部133によって第1端部面153の上側一部分が露出される。ここで、第1端部面153中の第1接続部133によって覆われていない部分を第1露出面173と称する。
【0056】
第2接続部143は、セラミック本体の第2端部面163の一部を覆う。第2接続部143はセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って第2端部面163の下端から上側に延長するが、上端までには延長しない。即ち、第2接続部143の上端と第2端部面163の上端の間には間隔がある。したがって、第2接続部143によって第2端部面163の上側一部分が露出される。ここで、第2端部面163中の第2接続部143によって覆われていない部分を第2露出面183と称する。
【0057】
第1露出面173および第2露出面183は、第1カバー層123の一部分であってもよい。即ち、第1露出面173および第2露出面183は、セラミック本体12の長さ方向Lに対向する第1カバー層123の両端部面の一部分であってもよい。第1露出面173および第2露出面183を含む第1カバー層123内にダミー電極15、15が備えられる。ダミー電極15、15は第1露出面173および第2露出面183に接するか第1露出面173および第2露出面183から外部に突出していてもよい。ダミー電極については以下でさらに詳しく説明する。
【0058】
複数の第1内部電極21および第2内部電極22は、誘電体層124を介して交互に積層される。第1内部電極21および第2内部電極22は、誘電体層124を形成するセラミックシート上に形成されて積層された後、焼成によって一つの誘電体層124を挟んでセラミック本体12の内部に厚さ方向に交互に配置できる。このような第1内部電極21および第2内部電極22は互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層124の積層方向に沿って互いに対向するように配置され、中間に配置された誘電体層124によって互いに電気的に絶縁できる。
【0059】
第1内部電極21および第2内部電極22は誘電体層124を挟んで互いに長さ方向にずれるように配置され、その一端がセラミック本体12の長さ方向Lの第1端部面153および第2端部面163を通じてそれぞれ露出される。このようにセラミック本体12の長さ方向Lの第1端部面153および第2端部面163を通じて交互に露出された第1内部電極21および第2内部電極22の端部は、セラミック本体12の長さ方向Lの第1端部面153および第2端部面163で第1外部電極13および第2外部電極14の第1接続部133および第2接続部143とそれぞれ接続されて電気的に連結できる。また、第1内部電極21および第2内部電極22は導電性金属から形成され、例えば、ニッケル(Ni)またはニッケル(Ni)合金などを含むことができるが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0060】
以上のような構成により、第1外部電極13および第2外部電極14に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1内部電極21および第2内部電極22の間に電荷が蓄積される。この場合、積層セラミックキャパシタ10の静電容量は、誘電体層124の積層方向に沿って互いに重畳する第1内部電極21および第2内部電極22の重畳(overlap)された面積に比例する。
【0061】
以下では、図1図2図3図4図5および図6を共に参照して本実施形態をさらに具体的に説明する。図3図2のS領域を拡大した概略断面図であり、図4図2のS領域の他の形態を示す概略断面図であり、図5図2の部分拡大図であり、図6図2のまた他の部分拡大図である。
【0062】
第1カバー層123は、第1露出面173と第2露出面183を含む。第1露出面173はセラミック本体12の第1端部面153中の第1外部電極13によって覆われていない部分であり、第2露出面183はセラミック本体12の第2端部面163中の第2外部電極14によって覆われていない部分である。言い換えれば、第1露出面173は第1端部面153の一部分であって第1外部電極13によって露出された面であり、第2露出面183は第2端部面163の一部分であって第2外部電極14によって露出された面である。
【0063】
第2カバー層125は露出面を含まない。即ち、セラミック本体12の長さ方向Lの第2カバー層125の両端部面は、第1外部電極13および第2外部電極14によって覆われる。
【0064】
第2カバー層125の両端部面は第1外部電極13および第2外部電極14によって全部覆われる反面、第1カバー層123の両端部面は第1外部電極13および第2外部電極14によって部分的に覆われ露出面173、183を有する。
【0065】
第1カバー層123の厚さT1は、第2カバー層125の厚さT2より大きくてもよい。例えば、第1カバー層の厚さT1は、第2カバー層の厚さT2の2倍以上であってもよく、セラミック本体12の厚さの1/2以下であってもよい。ここで、T1は複数の第1内部電極21および第2内部電極22のうちのセラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1カバー層123の外面またはその仮想の延長面に最も近い内部電極とセラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1カバー層123の外面またはその仮想の延長面の間の距離を意味し、T2は複数の第1内部電極21および第2内部電極22のうちのセラミック本体12の厚さ方向Tの第2カバー層125の外面またはその仮想の延長面に最も近い内部電極とセラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第2カバー層125の外面またはその仮想の延長面の間の距離を意味する。
【0066】
本実施形態による積層セラミックキャパシタ10では、第2カバー層125と比較する時、第1カバー層123が第1外部電極13および第2外部電極14によって覆われる部分がさらに少ない。したがって、第1カバー層123と第2カバー層125に同一の大きさの外力が作用しても第1カバー層123が破損または損傷される可能性がさらに大きく、それにより水分が侵入する可能性が大きくなることがある。結局、第1カバー層123の厚さが第2カバー層125の厚さと同一であれば積層セラミックキャパシタの耐湿信頼性が低下する恐れがある。このような問題を予防するために、本実施形態による積層セラミックキャパシタでは第1カバー層123の厚さが第2カバー層125の厚さより大きく形成される。このように厚くなった第1カバー層123側では水分浸透経路が長くなるので、それだけ耐湿信頼性低下が抑制できる。
【0067】
露出面173、183の高さHは、第1カバー層123の厚さT1より小さくてもよい。ここで、Hはセラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1カバー層123の外面またはその仮想の延長面と接続部133、143の縁中の第1カバー層123側縁の間の距離を意味する。言い換えれば、Hはセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って接続部133、143によって覆われていない露出面173、183の長さを意味する。一方、T1は複数の第1内部電極21および第2内部電極22のうちのセラミック本体12の厚さ方向Tの第1カバー層123の外面またはその仮想の延長面に最も近い内部電極とセラミック本体12の厚さ方向Tの第1カバー層123の外面またはその仮想の延長面の間の距離を意味する。
【0068】
露出面173、183の高さHが第1カバー層123の厚さT1より大きい場合、最上部内部電極が露出面173、183に引き出されるが、外部電極13、14の接続部133、143には連結されないことがあるので、積層セラミックキャパシタの性能が低下することがある。
【0069】
図2を参照すれば、本実施形態による積層セラミックキャパシタ10は、アクティブ領域Aとマージン領域Mを含む。
【0070】
アクティブ領域Aは複数の第1内部電極21および第2内部電極22がセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って重畳する領域であり、マージン領域Mはアクティブ領域Aとセラミック本体12の両端部面153、163の間の領域である。
【0071】
アクティブ領域Aには複数の第1内部電極21および第2内部電極22が重畳する反面、マージン領域Mには複数の第1内部電極21または複数の第2内部電極22がそれぞれ存在して重畳しない。したがって、アクティブ領域Aとマージン領域M間には内部電極の個数に差があり、それによりアクティブ領域Aとマージン領域M間にはセラミック本体12の厚さ方向Tに沿った厚さの差が生じることがある。言い換えれば、マージン領域Mには段差が存在することがある。段差が存在する場合、セラミック本体の平坦度が低下して積層セラミックキャパシタが大略直六面体形状を有しなくなり、実装性と信頼性の問題が引き起こされることがある。
【0072】
一方、セラミック本体12はセラミック材質である反面、外部電極13、14は金属(例えば、ニッケル(Ni))材質であるので、焼成(sintering)時セラミックと金属の収縮率差によってセラミック本体12に応力が集中する区域ができて曲げが発生することがある。曲げが発生すれば、積層セラミックキャパシタを回路基板に実装する時にクラック(crack)が生成されることがある。
【0073】
本実施形態によるセラミック本体12は、厚さが幅より小さい構造を有する。このような構造を有するセラミック本体は厚さが薄いので、基板実装時外部の衝撃によるクラック(crack)発生など物理的破損の恐れが高いことがある。さらに、セラミック本体の平坦度が高くなければ、基板実装時応力が特定位置に集中されて破損の可能性が高まり、それにより電気的特性が低下するだけでなく破損部位を通じた水分浸透の可能性も高まることがある。
【0074】
従って、本実施形態では、セラミック本体12の第1カバー層123内にダミー電極15、15を配置することによって段差発生を抑制して平坦度を改善する一方、焼成時発生する収縮率の差を制御し曲げ発生を抑制する。
【0075】
ダミー電極15、15は、第1露出面173および第2露出面183を含む第1カバー層123内に備えられる。ダミー電極15、15は第1内部電極21および第2内部電極22と同様に、誘電体層124上に導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することによって形成することができる。
【0076】
ダミー電極15、15は、第1露出面173および第2露出面183に接するか、第1露出面173および第2露出面183から外部に突出していてもよい。例えば、図3を参照すれば、ダミー電極15の端部は第1露出面173に接し、図4を参照すれば、ダミー電極15の端部が第1露出面173から突出する。いずれの場合でもダミー電極15、15は第1露出面173および第2露出面183からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って内側に向かって延長するように配置される。
【0077】
ダミー電極15の長さL1は、バンド部135、145の長さL2と同一であるか、それより小さくてもよい。ここで、L1はセラミック本体12の長さ方向Lに沿ったそれぞれのダミー電極15、15の両端部の間の距離を意味し、L2はセラミック本体12の端部面153、163またはその仮想の延長面とバンド部135、145の縁中のセラミック本体12の端部面153、163の反対側にある縁の間の距離を意味する。
【0078】
また、ダミー電極15、15の縁中のセラミック本体12の端部面153、163の反対側にある縁とバンド部135、145の縁中のセラミック本体12の端部面153、163の反対側にある縁は、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿って同一の直線上にあり得る。
【0079】
一方、ダミー電極15の長さL1がバンド部135、145の長さL2より大きければ、セラミック本体12がダミー電極15側にさらに収縮して曲げ割れ改善に負効果が発生することがある。
【0080】
ダミー電極15の長さL1は、マージン領域の長さL3より大きくてもよい。ここでL3は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿ったマージン領域Mの両端部の間の距離を意味する。ダミー電極15の長さL1がマージン領域の長さL3より小さければ、マージン領域Mの段差を減らしにくいので、セラミック本体12の平坦度が低下することがある。
【0081】
シード電極層137、147の長さL4は、マージン領域Mの長さL3より大きくてもよい。ここで、L4は、セラミック本体12の端部面153、163またはその仮想の延長面とシード電極層137、147の縁中のセラミック本体12の端部面153、163の反対側にある縁の間の距離を意味する。
【0082】
一方、シード電極層137、147の長さL4は、バンド部137、147の長さL2と同一であるかそれより小さくてもよい。
【0083】
ダミー電極15、15は複数の層からなってもよく、ダミー電極15、15のそれぞれの層はセラミック本体12の厚さ方向Tに互いに離隔していてもよい。一方、ダミー電極15、15の複数の層は、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿って均一な間隔で配置できる。
【0084】
ダミー電極15、15はニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができるが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0085】
ダミー電極15、15は、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿って複数の第1内部電極21および第2内部電極22と部分的に重畳していてもよい。
【0086】
以上説明した通り、セラミック本体12が外部電極13、14によって露出された露出面173、183を有する積層セラミックキャパシタ10で、ダミー電極15、15を第1カバー層123の内部に配置すれば、焼成(sintering)時セラミックと金属の収縮率差による曲げを制御して平坦度を改善することができる。また、ダミー電極15、15を第1カバー層123の内部に配置すれば、積層セラミックキャパシタ10を基板に実装する時曲げ割れ(flex crack)発生も防止することができる。
【0087】
また、本実施形態による積層セラミックキャパシタ10では第1カバー層123を第2カバー層125より厚く形成することによって水分浸透経路が長くなるようにして耐湿信頼性を向上させることができる。
【0088】
図7図1に示した積層セラミックキャパシタが基板に実装された形態を示した概略斜視図であり、図8図7のVIII-VIII'線に沿って切断した断面図である。
【0089】
図7および図8を参照すれば、積層セラミックキャパシタ10は回路基板200の上面に備えられた第1電極パッド211および第2電極パッド213に導電性接合部材215を通じて連結される。即ち、積層セラミックキャパシタ10は回路基板200上で第1電極パッド211および第2電極パッド213を通じて実装できる。
【0090】
第1電極パッド211および第2電極パッド213は、回路基板200の上面で互いに離隔して配置できる。積層セラミックキャパシタ10の第1外部電極13および第2外部電極14のバンド部135、145は、第1電極パッド211および第2電極パッド213と接触するように配置された状態で導電性接合部材215を用いて回路基板200に固定できる。一方、第1外部電極13および第2外部電極14の第1接続部133および第2接続部143にも導電性接合部材215が覆われてもよい。これにより、積層セラミックキャパシタ10は回路基板200の第1電極パッド211および第2電極パッド213に電気的に接続できる。導電性接合部材215は、一例としてソルダ(solder)を含むことができる。
【0091】
本実施形態で、積層セラミックキャパシタ10の第1外部電極13および第2外部電極14それぞれは、導電性接合部材215によって第1電極パッド211および第2電極パッド213に固定されることによって回路基板200に実装される。
【0092】
図9は、他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略断面図である。
【0093】
図9を参照すれば、ダミー電極15'、15'は第1カバー層123内でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延長するが、セラミック本体12の第1露出面173および第2露出面183までには達しない。即ち、ダミー電極15'、15'とセラミック本体12の第1露出面173および第2露出面183の間には間隔が存在する。この点を除けば、図9に示された実施形態による積層セラミックキャパシタは図1に示された実施形態による積層セラミックキャパシタと同一なので、重複または同一の部分に対する説明は省略する。
【0094】
以上を通じて本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0095】
10:積層セラミックキャパシタ
12:セラミック本体
13、14:外部電極
15、15':ダミー電極
16:上面
17:下面
21、22:内部電極
123:第1カバー層
124:誘電体層
125:第2カバー層
133、143:接続部
135、145:バンド部
137、147:シード電極層
153:第1端部面
163:第2端部面
173:第1露出面
183:第2露出面
A:アクティブ(active)領域
M:マージン(margin)領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9