(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128971
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】リードフレーム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H01L23/50 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024036164
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2023037842
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023099574
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023099609
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】永田 昌博
(72)【発明者】
【氏名】中澤 進
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直大
【テーマコード(参考)】
5F067
【Fターム(参考)】
5F067AA04
5F067AB04
5F067BC12
5F067BD05
5F067BE02
5F067CC02
5F067CC05
5F067CC07
5F067DA17
5F067DA18
5F067DE01
5F067DF01
5F067EA02
5F067EA04
(57)【要約】
【課題】半導体装置と配線基板とのはんだ実装性を向上させることが可能な、リードフレーム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】リードフレーム10は、ダイパッド11と、ダイパッド11の周囲に配置されたリード部12と、ダイパッド11とリード部12の周囲であって、リードフレーム10の裏面側に配置された裏面側樹脂18と、を備える。リード部12は、インナーリード51と、外部端子面17を有する端子部53とを有し、インナーリード51は、裏面側から薄肉化され、インナーリード51の裏面51bは、裏面側樹脂18に密着する。リード部12のうち端子部53よりも外側の領域に、裏面側樹脂18が充填されていない凹部19が形成され、凹部19の深さd1は、裏面側樹脂18の厚みT2よりも深い。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、
前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、
前記凹部の深さは、前記裏面側樹脂の厚みよりも深い、リードフレーム。
【請求項2】
前記凹部の深さは、前記リードフレームの厚みの50%以上83%以下である、請求項1に記載のリードフレーム。
【請求項3】
前記裏面側樹脂の厚みは、前記リードフレームの厚みの20%以上60%以下である、請求項1に記載のリードフレーム。
【請求項4】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、
前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、
前記外部端子面のうち前記凹部に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が前記ダイパッドから遠い位置にある、リードフレーム。
【請求項5】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子外辺は、直線状である、請求項4に記載のリードフレーム。
【請求項6】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、直線状である、請求項4に記載のリードフレーム。
【請求項7】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、平面視で凸状に湾曲している、請求項4に記載のリードフレーム。
【請求項8】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、平面視で外側に向かって突出する凸形状を有する、請求項4に記載のリードフレーム。
【請求項9】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、
前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、直線状である、リードフレーム。
【請求項10】
前記凹部は、前記リード部の幅方向両側にそれぞれ側壁を有し、前記側壁のうち、パッケージ領域内に位置する部分の最大高さは、前記リードフレームの厚みの30%以上60%以下である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のリードフレーム。
【請求項11】
前記リードフレームの裏面の粗さは、前記リードフレームの表面の粗さよりも粗い、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のリードフレーム。
【請求項12】
前記リード部の長手方向に平行な断面において、前記外部端子面と前記凹部とによって形成される角部が丸みを帯びている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のリードフレーム。
【請求項13】
リードフレームの製造方法において、
金属基板を準備する工程と、
前記金属基板の裏面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、裏面側凹部を形成する工程と、
前記金属基板の裏面側に裏面側樹脂を形成し、前記裏面側樹脂によって前記裏面側凹部を覆う工程と、
前記金属基板の表面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部とを形成する工程と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、
前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、
前記凹部の深さは、前記裏面側樹脂の厚みよりも深い、リードフレームの製造方法。
【請求項14】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、
前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成されている、リードフレーム。
【請求項15】
前記凹部よりも表面側に前記表面側樹脂が位置する、請求項14に記載のリードフレーム。
【請求項16】
前記表面側樹脂の厚みは、前記リードフレームの厚みの20%以上60%以下である、請求項14に記載のリードフレーム。
【請求項17】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、
前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成され、
前記外部端子面のうち前記凹部に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が前記ダイパッドから遠い位置にある、リードフレーム。
【請求項18】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子外辺は、直線状である、請求項17に記載のリードフレーム。
【請求項19】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、直線状である、請求項17に記載のリードフレーム。
【請求項20】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、平面視で凸状に湾曲している、請求項17に記載のリードフレーム。
【請求項21】
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、平面視で外側に向かって突出する凸形状を有する、請求項17に記載のリードフレーム。
【請求項22】
リードフレームにおいて、
ダイパッドと、
前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、
前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、
前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成され、
前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、直線状である、リードフレーム。
【請求項23】
前記リードフレームの表面の粗さは、前記リードフレームの裏面の粗さよりも粗い、請求項14乃至22のいずれか一項に記載のリードフレーム。
【請求項24】
リードフレームの製造方法において、
金属基板を準備する工程と、
前記金属基板の表面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、表面側凹部を形成する工程と、
前記金属基板の表面側に表面側樹脂を形成し、前記表面側樹脂によって前記表面側凹部を覆う工程と、
前記金属基板の裏面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部とを形成する工程と、を備え、
前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、
前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、
前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成されている、リードフレームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リードフレーム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板に実装される半導体装置の小型化及び薄型化が要求されてきている。このような要求に対応すべく、従来、リードフレームを用い、その搭載面に搭載した半導体素子を封止樹脂によって封止するとともに、裏面側にリードの一部分を露出させて構成された、いわゆるQFN(Quad Flat Non-lead)タイプの半導体装置が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、金属と樹脂とを一体化したリードフレームが知られている。例えば特許文献1には、インナーリードと外部回路を接続する外部端子部を備え、一部が素材の厚さよりも薄肉に形成されたリードフレームと、全体を固定する絶縁性樹脂とからなる樹脂封止型半導体装置が開示されている。
【0005】
本開示は、半導体装置と配線基板とのはんだ実装性を向上させることが可能な、リードフレーム及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[24]に関する。
【0007】
[1]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、前記凹部の深さは、前記裏面側樹脂の厚みよりも深い、リードフレーム。
【0008】
[2]前記凹部の深さは、前記リードフレームの厚みの50%以上83%以下である、[1]に記載のリードフレーム。
【0009】
[3]前記裏面側樹脂の厚みは、前記リードフレームの厚みの20%以上60%以下である、[1]又は[2]に記載のリードフレーム。
【0010】
[4]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、前記外部端子面のうち前記凹部に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が前記ダイパッドから遠い位置にある、リードフレーム。
【0011】
[5]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子外辺は、直線状である、[4]に記載のリードフレーム。
【0012】
[6]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、直線状である、[4]又は[5]に記載のリードフレーム。
【0013】
[7]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、平面視で凸状に湾曲している、[4]又は[5]に記載のリードフレーム。
【0014】
[8]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、平面視で外側に向かって突出する凸形状を有する、[4]に記載のリードフレーム。
【0015】
[9]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの裏面側に配置された裏面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、直線状である、リードフレーム。
【0016】
[10]前記凹部は、前記リード部の幅方向両側にそれぞれ側壁を有し、前記側壁のうち、パッケージ領域内に位置する部分の最大高さは、前記リードフレームの厚みの30%以上60%以下である、[1]乃至[9]のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【0017】
[11]前記リードフレームの裏面の粗さは、前記リードフレームの表面の粗さよりも粗い、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【0018】
[12]前記リード部の長手方向に平行な断面において、前記外部端子面と前記凹部とによって形成される角部が丸みを帯びている、[1]乃至[11]のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【0019】
[13]リードフレームの製造方法において、金属基板を準備する工程と、前記金属基板の裏面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、裏面側凹部を形成する工程と、前記金属基板の裏面側に裏面側樹脂を形成し、前記裏面側樹脂によって前記裏面側凹部を覆う工程と、前記金属基板の表面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部とを形成する工程と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記インナーリードの裏面は、前記裏面側樹脂に密着し、前記リード部のうち前記端子部よりも外側の領域に、前記裏面側樹脂が充填されていない凹部が形成され、前記凹部の深さは、前記裏面側樹脂の厚みよりも深い、リードフレームの製造方法。
【0020】
[14]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成されている、リードフレーム。
【0021】
[15]前記凹部よりも表面側に前記表面側樹脂が位置する、[14]に記載のリードフレーム。
【0022】
[16]前記表面側樹脂の厚みは、前記リードフレームの厚みの20%以上60%以下である、[14]又は[15]に記載のリードフレーム。
【0023】
[17]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成され、前記外部端子面のうち前記凹部に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が前記ダイパッドから遠い位置にある、リードフレーム。
【0024】
[18]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子外辺は、直線状である、[17]に記載のリードフレーム。
【0025】
[19]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、直線状である、[17]又は[18]に記載のリードフレーム。
【0026】
[20]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺と、前記端子外辺の両端にそれぞれ位置する端子角部とを有し、前記端子角部は、平面視で凸状に湾曲している、[17]又は[18]に記載のリードフレーム。
【0027】
[21]前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、平面視で外側に向かって突出する凸形状を有する、[17]に記載のリードフレーム。
【0028】
[22]リードフレームにおいて、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部と、前記ダイパッドと前記リード部の周囲であって、前記リードフレームの表面側に配置された表面側樹脂と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成され、前記外部端子面は、外側に位置する端子外辺を有し、前記端子外辺は、直線状である、リードフレーム。
【0029】
[23]前記リードフレームの表面の粗さは、前記リードフレームの裏面の粗さよりも粗い、[14]乃至[22]のいずれか1つに記載のリードフレーム。
【0030】
[24]リードフレームの製造方法において、金属基板を準備する工程と、前記金属基板の表面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、表面側凹部を形成する工程と、前記金属基板の表面側に表面側樹脂を形成し、前記表面側樹脂によって前記表面側凹部を覆う工程と、前記金属基板の裏面側から前記金属基板を厚み方向の途中までエッチングすることにより、ダイパッドと、前記ダイパッドの周囲に配置されたリード部とを形成する工程と、を備え、前記リード部は、インナーリードと、外部端子面を有する端子部とを有し、前記インナーリードは、裏面側から薄肉化され、前記リード部の裏面側であって前記端子部よりも外側の領域に、凹部が形成されている、リードフレームの製造方法。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、半導体装置と配線基板とのはんだ実装性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態によるリードフレームを示す平面図。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態によるリードフレームを示す裏面図。
【
図3】
図3A、Bは、第1の実施の形態によるリードフレームを示す断面図(それぞれ
図1のIIIA-IIIA線、IIIB-IIIB線断面図)。
【
図4】
図4は、外部端子面及び凹部を示す裏面側から見た斜視図。
【
図5】
図5A-Cは、それぞれ外部端子面の変形例を示す裏面図。
【
図6】
図6Aは、凹部を示す断面図であって、切断面の後方に見える部分も含む図(
図4のVI-VI線断面図)、
図6Bは、凹部の変形例を示す断面図であって、切断面の後方に見える部分も含む図。
【
図7】
図7は、凹部を示す断面図(
図4のVII-VII線断面図)。
【
図8】
図8は、端子部の変形例を示す部分拡大断面図。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態による半導体装置を示す平面図。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態による半導体装置を示す断面図(
図9のX-X線断面図)。
【
図11】
図11A-Jは、第1の実施の形態によるリードフレームの製造方法を示す断面図。
【
図12】
図12A-Fは、第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図13】
図13は、第1の実施の形態による半導体装置が配線基板に実装された状態を示す断面図。
【
図14】
図14は、第2の実施の形態によるリードフレームを示す平面図。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態によるリードフレームを示す裏面図。
【
図16】
図16A、Bは、第2の実施の形態によるリードフレームを示す断面図(それぞれ
図14のXVIA-XVIA線、XVIB-XVIB線断面図)。
【
図17】
図17は、外部端子面及び凹部を示す裏面側から見た斜視図。
【
図19】
図19は、凹部を示す断面図であって、切断面の後方に見える部分も含む図(
図17のXIX-XIX線断面図)。
【
図21】
図21は、第2の実施の形態による半導体装置を示す平面図。
【
図22】
図22は、第2の実施の形態による半導体装置を示す断面図(
図21のXXII-XXII線断面図)。
【
図23】
図23A-Jは、第2の実施の形態によるリードフレームの製造方法を示す断面図。
【
図24】
図24A-Fは、第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図25】
図25は、第2の実施の形態による半導体装置が配線基板に実装された状態を示す断面図。
【
図26】
図26は、第3の実施の形態によるリードフレームを示す断面図。
【
図27】
図27は、第3の実施の形態による半導体装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、
図1乃至
図13を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
【0034】
本明細書中、X方向、Y方向とは、リードフレーム10の各辺に平行な二方向である。X方向とY方向とは互いに直交している。Z方向は、X方向及びY方向の両方に対して垂直な方向である。「内」、「内側」とは、各パッケージ領域10aの中心方向を向く側をいう。「外」、「外側」とは、各パッケージ領域10aの中心から離れる側をいう。「表面」とは、半導体素子21が搭載される側(Z方向プラス側)の面をいう。「裏面」とは、「表面」の反対側(Z方向マイナス側)の面であって外部の図示しない配線基板に接続される側の面をいう。
【0035】
また、本明細書中、ハーフエッチングとは、被エッチング材料をその厚み方向に途中までエッチングすることをいう。ハーフエッチング後の被エッチング材料の厚みは、ハーフエッチング前の被エッチング材料の厚みの例えば30%以上75%以下、好ましくは40%以上60%以下となる。
【0036】
(リードフレームの構成)
まず、
図1乃至
図3により、本実施の形態によるリードフレームの概略について説明する。
図1乃至
図3は、本実施の形態によるリードフレームを示す図である。
【0037】
図1及び
図2に示すように、リードフレーム10は、複数のパッケージ領域(単位リードフレーム)10aを含む。パッケージ領域10aは、複数列及び複数段に(マトリックス状に)配置されている。これに限らずパッケージ領域10aは1つ以上存在していれば良い。なお、パッケージ領域10aは、それぞれ半導体装置20(後述)に対応する領域であり、
図1及び
図2において仮想線の内側に位置する領域である。
図1及び
図2の仮想線は半導体装置20の外周縁に対応している。
【0038】
次に、
図1乃至
図3を参照してリードフレーム10の構成についてさらに説明する。
【0039】
図1乃至
図3に示すように、リードフレーム10は、ダイパッド11と、複数の細長いリード部12と、裏面側樹脂18と、を備えている。リード部12は、それぞれダイパッド11の周囲に配置される。各リード部12は、半導体素子21と配線基板80(後述)とを電気的に接続する。裏面側樹脂18は、ダイパッド11とリード部12の周囲であって、リードフレーム10の裏面側に配置される。隣接するパッケージ領域10a同士の間には、支持リード(支持部材)13が配置されている。支持リード13は、ダイパッド11とリード部12とを支持する。複数の支持リード13は、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ延びている。
【0040】
ダイパッド11は、平面略正方形形状を有する。ダイパッド11は、ハーフエッチングされておらず、加工前の金属基板(後述する金属基板31)と同一の厚みを有している。ダイパッド11の平面形状は、正方形に限らず、長方形等の多角形としても良い。ダイパッド11の表面側が部分的にハーフエッチングされて薄肉化されていてもよい。
【0041】
ダイパッド11の四隅にはそれぞれ吊りリード14が連結されている。ダイパッド11は、4本の吊りリード14を介して支持リード13に連結支持されている。各支持リード13は、パッケージ領域10aの周囲であってパッケージ領域10aよりも外側に配置されている。各支持リード13は、細長い棒形状を有している。支持リード13には、複数のリード部12が支持リード13の長手方向に沿って間隔を空けて連結されている。支持リード13は、裏面側から薄肉化されている。支持リード13の裏面の一部は裏面側樹脂18に接触している。
【0042】
4つのパッケージ領域10aに囲まれた部分には支持リード連結部14aが位置する。4つのパッケージ領域10aからそれぞれ延びる4本の吊りリード14が、支持リード連結部14aにおいて互いに連結されている。各支持リード連結部14aには、それぞれ4本の支持リード13が連結されている。
【0043】
各パッケージ領域10a周囲には、周囲領域10bが位置する。周囲領域10bとは、各パッケージ領域10aよりも外側に位置する領域であって、各パッケージ領域10aに隣接して形成された領域をいう。周囲領域10bは、互いに隣接する2つのパッケージ領域10a同士の間に位置する。すなわち、隣接する2つのパッケージ領域10aは、周囲領域10bを介して互いに連結されている。支持リード13は、周囲領域10b内に位置する。
【0044】
図3A、Bに示すように、ダイパッド11は、ダイパッド表面11aと、ダイパッド裏面11bとを有する。ダイパッド表面11aは、表面側に位置する。ダイパッド裏面11bは、裏面側に位置する。ダイパッド表面11aには、後述する半導体素子21が搭載される。ダイパッド裏面11bは、リードフレーム10から外方に露出する。また、ダイパッド11のうちリード部12を向く側には、第1ダイパッド側面11cと、第2ダイパッド側面11dとが形成されている。第1ダイパッド側面11cは、ダイパッド表面11a側に位置しており、リードフレーム10から外方に露出している。第2ダイパッド側面11dは、ダイパッド裏面11b側に位置しており、裏面側樹脂18に密着している。
【0045】
各リード部12は、それぞれ後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に接続される。各リード部12は、ダイパッド11との間に空間を介して配置されている。一のパッケージ領域10aのリード部12と、当該パッケージ領域10aに隣接するパッケージ領域10aのリード部12とは、リード連結部16によって互いに連結されている。リード連結部16は、各パッケージ領域10aの外側に位置している。各リード連結部16は、支持リード13の一部を構成しても良い。裏面側から見たとき(
図2)、互いに隣接するリード連結部16同士の間には、裏面側樹脂18が配置されている。リード連結部16同士は裏面側樹脂18を介して互いに分離している。
【0046】
各リード部12は、ダイパッド11の周囲において支持リード13の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。リード部12の裏面には、それぞれ外部の配線基板80(
図13)に電気的に接続される外部端子面17が形成されている。各外部端子面17は、半導体装置20(後述)の製造後に、それぞれ半導体装置20から外方に露出する。
【0047】
図3Aに示すように、リード部12は、インナーリード51と、端子部53とを有する。インナーリード51は、内側(ダイパッド11側)に位置する。端子部53は、外側(支持リード13側)に位置する。インナーリード51は、端子部53からダイパッド11側に延び、その表面側の先端部には内部端子15が形成されている。内部端子15は、後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に電気的に接続される領域である。
【0048】
内部端子15上には、ボンディングワイヤ22と密着性を向上させるめっき層25が設けられている。めっき層25は、例えば銀めっきからなっていても良い。めっき層25は、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aに形成されても良い。めっき層25は、ダイパッド表面11aの一部又はインナーリード表面51aの一部に形成されても良い。また、めっき層25は、インナーリード表面51aのみ又はインナーリード表面51aの一部のみに形成されても良い。
【0049】
インナーリード51は、裏面側からハーフエッチングにより薄肉化されている。インナーリード51は、インナーリード表面51aと、インナーリード裏面51bとを有する。インナーリード表面51aの一部には、内部端子15が形成される。インナーリード裏面51bは、裏面側樹脂18に密着している。また、インナーリード51のうちダイパッド11を向く側には、インナーリード先端面51cが形成される。インナーリード先端面51cには、裏面側樹脂18が密着していない。
【0050】
端子部53は、支持リード13側に延びており、その基端部は支持リード13に連結されている。端子部53の表面には、外部端子表面53aが形成されている。端子部53の裏面には、上述した外部端子面17が形成されている。端子部53のうち外部端子面17が形成された部分は、ハーフエッチングされることなく、ダイパッド11と同一の厚みを有している。
【0051】
本実施の形態において、リード部12のうち端子部53よりも外側(インナーリード51の反対側)の領域及び周囲領域10bに、凹部19が形成されている。凹部19は、パッケージ間凹部と称しても良い。凹部19には、裏面側樹脂18が充填されておらず、金属面が露出している。凹部19は、リードフレーム10の裏面側であって、一のパッケージ領域10aのリード部12と、当該リード部12に連結されたリード連結部16と、隣接するパッケージ領域10aのリード部12とに跨がって連続的に形成される。
【0052】
凹部19は、リード部12の裏面のうち、外部端子面17よりも外側に形成されている。またパッケージ領域10aの外周に対応する線が、凹部19を横切っている。凹部19は平面視で細長い形状を有し、リード部12の長手方向に沿って延びている(
図2)。凹部19は、ハーフエッチングにより裏面側から薄肉化されることにより形成されている。凹部19は、リード部12及びリード連結部16の裏面側から厚み方向(Z方向)の途中まで凹む非貫通凹部である。凹部19の表面側は薄肉化されておらず、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aと同一平面上に位置している。また、凹部19は、リード部12及びリード連結部16の幅方向全域にわたって形成されていても良い。この場合、凹部19は、リード部12の裏面のうち外部端子面17よりも外側の部分と、リード連結部16の裏面全体とに形成されても良い。
【0053】
図1及び
図2に示すように、裏面側樹脂18は、一のパッケージ領域10aと、当該パッケージ領域10a周囲の周囲領域10bと、隣接するパッケージ領域10aとに跨がるように連続的に形成されている。
【0054】
各パッケージ領域10aにおいて、裏面側樹脂18は、ダイパッド11及びリード部12の周囲に配置されている。すなわち、
図1に示すように、表面側から見て、裏面側樹脂18は、ダイパッド11の一辺と、当該辺に対向する複数のリード部12と、2本の吊りリード14と、パッケージ領域10aの外周縁とによって取り囲まれる領域に位置する。
図2に示すように、裏面側から見て、裏面側樹脂18は、ダイパッド11の各辺と、複数のリード部12と、パッケージ領域10aの外周縁とによって取り囲まれる領域に位置する。なお、
図1及び
図2において、裏面側樹脂18を網掛けで示している(後述する
図4、
図9についても同様)。
【0055】
図3A、Bに示すように、裏面側樹脂18は、リードフレーム10の裏面側に配置されている。
【0056】
図3Aに示すように、裏面側樹脂18は、断面視で、端子部53と、インナーリード裏面51bと、第2ダイパッド側面11dとによって取り囲まれた領域に配置されている。裏面側樹脂18は、表面側に位置する樹脂表面18aと、裏面側に位置する樹脂裏面18bとを有する。このうち樹脂表面18aは、第1ダイパッド側面11cとインナーリード先端面51cとの間の空間から外方に露出する。樹脂裏面18bは、リードフレーム10の裏面側から外方に露出する。樹脂裏面18b、ダイパッド裏面11b及び外部端子面17は、互いに同一平面上に位置している。
【0057】
図3Bに示すように、リード部12が存在しない箇所の断面において、裏面側樹脂18は、一のパッケージ領域10aのダイパッド11から、隣接する他のパッケージ領域10aまで連続的に延びる。
【0058】
裏面側樹脂18としては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、裏面側樹脂18と後述する封止樹脂23との密着性を高めるため、裏面側樹脂18として、封止樹脂23と同一の材料を用いることが好ましい。
【0059】
図3Aに示すように、凹部19の深さd1は、裏面側樹脂18の厚みT2よりも深い。凹部19の深さd1とは、凹部19のうち、パッケージ領域10a内(半導体装置20に含まれる領域)で最も深い部分と、ダイパッド裏面11b及び外部端子面17が位置する平面との距離をいう。凹部19のうち最も深い部分は、ソーイングライン上に存在しても良い。裏面側樹脂18の厚みT2は、裏面側樹脂18のうち、パッケージ領域10a内(半導体装置20に含まれる領域)で最も厚い部分と、ダイパッド裏面11b及び外部端子面17が位置する平面との距離をいう。裏面側樹脂18のうち最も厚い部分は、インナーリード裏面51bに接触する部分に存在しても良い。あるいは、裏面側樹脂18のうち最も厚い部分は、リード部12同士の間に存在しても良い。
【0060】
凹部19の深さd1は、裏面側樹脂18の厚みT2の101%以上としても良く、110%以上としても良い。凹部19の深さd1は、裏面側樹脂18の厚みT2の150%以下としても良く、125%以下としても良い。凹部19の深さd1は、リードフレーム10の厚みT1の50%以上としても良く、60%以上としても良い。凹部19の深さd1は、リードフレーム10の厚みT1の83%以下としても良く、70%以下としても良い。裏面側樹脂18の厚みT2は、リードフレーム10の厚みT1の20%以上としても良く、30%以上としても良い。裏面側樹脂18の厚みT2は、リードフレーム10の厚みT1の60%以下としても良く、50%以下としても良い。
【0061】
凹部19の深さd1は、100μm以上としても良く、120μm以上としても良い。凹部19の深さd1は、170μm以下としても良く、150μm以下としても良い。裏面側樹脂18の厚みT2は、40μm以上としても良く、60μm以上としても良い。裏面側樹脂18の厚みT2は、120μm以下としても良く、100μm以下としても良い。
【0062】
次に、
図4乃至
図8を参照して、外部端子面17及び凹部19の構成について更に説明する。
【0063】
図4に示すように、外部端子面17は、端子内辺17aと、端子側辺17bと、端子外辺17cと、端子角部17dとを有する。端子内辺17aは、内側(ダイパッド11側)を向く辺である。端子内辺17aは、凸状に湾曲した曲線からなっても良く、直線状であっても良い。端子内辺17aは、裏面側樹脂18に接する。端子側辺17bは、リード部12の長手方向に沿って延びる辺である。端子側辺17bは、端子内辺17aに接続されている。端子側辺17bは、直線状であっても良い。端子側辺17bは、裏面側樹脂18に接する。端子外辺17cは、外側(ダイパッド11の反対側)に位置する辺である。端子外辺17cは、リード部12の幅方向に沿って延びる。端子外辺17cは、直線状であっても良い。端子外辺17cは、凹部19に面しており、裏面側樹脂18に接していない。
【0064】
外部端子面17は、外側(ダイパッド11の反対側)の角が切り欠かれた形状である。この切り欠かれた部分に、端子角部17dが存在する。端子角部17dは、それぞれ端子外辺17cの両端に位置する。端子角部17dは、リード部12の長手方向及び幅方向のいずれの方向に対しても傾斜して延びる。端子角部17dは、端子外辺17cと各端子側辺17bとを接続する。端子角部17dは、直線状であっても良い。端子角部17dは、凹部19に面しており、裏面側樹脂18に接していない。端子角部17dは、端子外辺17cよりも内側(ダイパッド11側)に位置する。
【0065】
このように、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c及び端子角部17d)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側(ダイパッド11から遠い側)に位置する。これにより、端子外辺17cの両端が凹部19側に突出する場合と比較して、端子外辺17cの両端が他の場所よりも薄肉化せず、端子外辺17cの両端の変形を抑えられる。このため、端子外辺17cの両端に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。また、半導体装置20と配線基板80との実装性が低下することを抑制できる。リード部12の長手方向に沿う端子角部17dの長さL1は、0.010mm以上0.025mm以下としても良い。リード部12の幅方向に沿う端子角部17dの長さL2は、0.010mm以上0.050mm以下としても良い。
【0066】
図5A-Cは、外部端子面17の変形例を示す裏面図である。
図5A-Cにおいて、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c及び端子角部17d)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側(ダイパッド11から遠い側)に位置する。これにより、端子外辺17cの両端が他の場所よりも薄肉化せず、端子外辺17cの両端の変形を抑えられる。このため、端子外辺の両端に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0067】
具体的には、
図5Aに示すように、外部端子面17の端子角部17dは、平面視で凸状に湾曲していても良い。
【0068】
図5Bに示すように、端子外辺17cは、平面視で外側(ダイパッド11の反対側)に向かって突出する凸形状を有しても良い。例えば、端子外辺17cは、凹部19に向けて突出するV字形状を有していても良い。端子外辺17cのうち、最も外側(ダイパッド11の反対側)に位置する部分に頂点17eが形成されている。頂点17eは、一対の端子側辺17bの中間の位置に存在しても良く、いずれか一方の端子側辺17bに近い位置に存在しても良い。このように、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側に位置する。これにより、凹部19の表面積を増やし、後述する半導体装置20の凹部19aへ充填する半田フィレット82の量を増加させることができる。
【0069】
図5Cに示すように、端子外辺17cは、平面視で外側(ダイパッド11の反対側)に向かって突出する凸形状を有しても良い。具体的には、端子外辺17cのうち、一対の端子側辺17bとの境界となる位置と、一対の端子側辺17b同士の間の位置とがそれぞれ凹部19に向けて突出するM字形状であっても良い。これにより、凹部19の表面積を増やし、後述する半導体装置20の凹部19aへ充填する半田フィレット82の量を増加させることができる。
【0070】
外部端子面17が
図5B、Cに示す形状を持つ場合、外部端子面17の位置を内側(ダイパッド11側)にすることなく、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c)を幅方向両端よりも幅方向中央を外側に位置させつつ、平面視での凹部19の面積を増やせる。これにより、凹部19への半田充填量を増やすことができる。
図5B、Cにおいて、頂点17eの先端が鋭角でなく、鈍角でもよい。頂点17eが丸くなっていてもよい。頂点17eが丸くなっている場合、半田を充填しやすい。頂点17eが角ばっている場合、端子外辺17cと半田との密着性を向上できる。
【0071】
さらに、外部端子面17が
図5Cに示す形状を持つ場合、凹部19の側面(半田との密着面)の面積が増えるので、凹部19と半田との密着性をより向上できる。
【0072】
図4、
図6A、B及び
図7に示すように、凹部19は、頂部19bと、側壁19cとを有する。頂部19bは、凹部19のうち表面側に位置する部分である。側壁19cは、リード部12の幅方向両側に位置する。側壁19cは、頂部19bから裏面側に向けて延びている。
【0073】
図6A、Bに示すように、リード部12の長手方向に平行な断面において、側壁19cは、側壁上縁19dと、側壁下縁19eとを有する。側壁下縁19eの端部19fは、それぞれ点状であっても良く(
図6A)、直線状であっても良い(
図6B)。側壁19cのうち、パッケージ領域10a内に位置する部分(半導体装置20に含まれる領域)の最大高さH1は、リードフレーム10の厚みT1の30%以上としても良く、40%以上としても良い。上記最大高さH1は、リードフレーム10の厚みT1の60%以下としても良く、50%以下としても良い。最大高さH1とは、パッケージ領域10a内(半導体装置20に含まれる領域)で、側壁上縁19dと側壁下縁19eとの間の距離をリードフレーム10の厚み方向に測定したとき、最も長くなる箇所の距離をいう。
【0074】
図7に示すように、リード部12の幅方向に平行な断面において、側壁19cは、表面側に凸となる曲線形状を有する。リード部12の幅方向両側には、それぞれリード部側面12aが形成される。側壁19cの下端及びリード部側面12aの下端は、それぞれ裏面側樹脂18に連結されている。
【0075】
以上説明したリードフレーム10は、全体として銅、銅合金、42合金(Ni42%のFe合金)等の金属から構成されている。また、リードフレーム10の厚みは、80μm以上としても良く、100μm以上としても良く、150μm以上としても良い。リードフレーム10の厚みは、250μm以下としても良く、200μm以下としても良い。
【0076】
後述するように、裏面側樹脂18は裏面側から研磨される(
図11F)。裏面側樹脂18の研磨を終了したとき、金属基板31の裏面もわずかに研磨される。このため、リードフレーム10の裏面の粗さは、リードフレーム10の表面の粗さよりも粗くても良い。例えば、リードフレーム10の裏面の平均粗さRaは、例えば0.1μm超0.35μm以下であっても良い。リードフレーム10の裏面の平均粗さRaが0.1μm超となることにより、リードフレーム10の裏面と半田めっきとの密着性を向上できる。リードフレーム10の裏面の平均粗さRaが0.35μm以下となることにより、リードフレーム10の裏面に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。リードフレーム10の表面の平均粗さRaは、例えば0.01μm以上0.15μm以下であっても良い。平均粗さRaとは、JIS B0601で規定される算術平均粗さである。
【0077】
図8は、本実施の形態によるリードフレーム10の変形例を示す部分拡大断面図であって、
図3AのVIII部に対応する図である。
図8に示すように、リード部12の長手方向に平行な断面において、外部端子面17と凹部19とによって形成される角部に位置する端子外辺17cが丸みを帯びていても良い。端子外辺17cの断面の曲率半径Rは、5μm以上であっても良く、10μm以上であっても良い。端子外辺17cの断面の曲率半径Rは、25μm以下であっても良く、15μm以下であっても良い。端子外辺17cの断面が丸みを帯びていることにより、端子外辺17cが薄くなることを抑制し、端子外辺17cに金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0078】
(半導体装置の構成)
次に、
図9及び
図10により、本実施の形態による半導体装置について説明する。
図9及び
図10は、本実施の形態による半導体装置(QFNタイプ)を示す図である。
【0079】
図9及び
図10に示すように、半導体装置(半導体パッケージ)20は、ダイパッド11と、複数のリード部12と、裏面側樹脂18と、半導体素子21と、複数のボンディングワイヤ(接続部材)22と、封止樹脂23とを備える。複数のリード部12は、ダイパッド11の周囲に配置されている。半導体素子21は、ダイパッド11上に搭載されている。ボンディングワイヤ22は、リード部12と半導体素子21とをそれぞれ電気的に接続する。裏面側樹脂18は、ダイパッド11とリード部12の周囲であって、半導体装置20の裏面側に配置されている。封止樹脂23は、ダイパッド11、リード部12、半導体素子21及びボンディングワイヤ22を樹脂封止している。
【0080】
このうちダイパッド11、リード部12及び裏面側樹脂18は、上述したリードフレーム10から作製されたものである。各リード部12の裏面のうち、半導体装置20の外周に対応する位置に、それぞれ凹部19aが形成されている。凹部19aは、上述した凹部19の一部からなる。各凹部19aは、リード部12のうち外部端子面17よりも外側に形成されている。凹部19aは、リード部12の裏面側に開口するとともに、リード部12の側面にも開口している。凹部19aは、半導体装置20の外周側から見た場合、四角形形状を有している。封止樹脂23及び裏面側樹脂18は、凹部19a内には充填されていない。
【0081】
このほか、ダイパッド11、リード部12及び裏面側樹脂18の構成は、半導体装置20に含まれない領域を除き、上述した
図1乃至
図8に示すものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0082】
半導体素子21としては、従来一般に用いられている各種半導体素子を使用可能である。半導体素子21としては、特に限定されないが、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等を用いても良い。半導体素子21は、各々ボンディングワイヤ22が取り付けられる複数の電極21aを有している。半導体素子21は、例えばダイボンディングペースト等の接着剤24により、ダイパッド11の表面に固定されている。
【0083】
各ボンディングワイヤ22は、例えば金、銅等の導電性の良い材料からなっている。各ボンディングワイヤ22は、それぞれその一端が半導体素子21の電極21aに接続される。ボンディングワイヤ22の他端は、各リード部12の内部端子15上に位置するめっき層25にそれぞれ接続されている。
【0084】
封止樹脂23としては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。封止樹脂23全体の厚みは、300μm以上1500μm以下程度とすることができる。また、封止樹脂23の一辺(半導体装置20の一辺)は、例えば1mm以上16mm以下することができる。ダイパッド11とリード部12との間の空間において、封止樹脂23は、裏面側樹脂18の樹脂表面18aに密着している。なお、
図9において、封止樹脂23の表示を省略している。
【0085】
(リードフレームの製造方法)
次に、
図1乃至
図8に示すリードフレーム10の製造方法について、
図11A-Jを用いて説明する。
【0086】
まず
図11Aに示すように、平板状の金属基板31を準備する。金属基板31としては、銅、銅合金、42合金(Ni42%のFe合金)等の金属からなる基板を使用できる。なお金属基板31は、その両面に対して脱脂等を行い、洗浄処理を施したものを使用することが好ましい。
【0087】
次に、金属基板31の表裏全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、金属基板31上の感光性レジストに対してフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、金属基板31の表面側にエッチング用レジスト層32を形成する。同様に、金属基板31の裏面側に所望の開口部33b及び網点部(ハーフトーン部)33cを有するエッチング用レジスト層33を形成する。(
図11B)。開口部33bは凹部19に対応する位置に設けられ、網点部33cは裏面側樹脂18に対応する位置に設けられる。
【0088】
次に、ハーフエッチングにより、金属基板31の裏面側から金属基板31を厚み方向の途中まで薄肉化する(
図11C)。この場合、裏面側のエッチング用レジスト層33を耐腐蝕膜として、金属基板31の裏面側に腐蝕液でエッチングを施す。これにより、金属基板31の裏面側に非貫通凹部である裏面側凹部36及び凹部19を形成する。裏面側凹部36は、裏面側樹脂18に対応する形状を有する。裏面側凹部36は網点部33cが存在する位置に形成される。凹部19は、開口部33bに対応する位置に形成される。このため、凹部19の深さは、裏面側凹部36の深さよりも深くなる。なお、エッチングにより、網点部33cは除去される。腐蝕液は、使用する金属基板31の材質に応じて適宜選択できる。例えば、金属基板31として銅を用いる場合、腐蝕液としては、塩化第二鉄水溶液を使用しても良い。この塩化第二鉄水溶液を金属基板31の一方の面又は両面からスプレーエッチングしても良い。
【0089】
次に、表面側のエッチング用レジスト層32及び裏面側のエッチング用レジスト層33を剥離除去する(
図11D)。次いで金属基板31を水洗及び乾燥させる。
【0090】
続いて、外部端子面17及び凹部19に対応する領域を部分開口マスク39によって覆う。部分開口マスク39は、例えばメタルマスクやスクリーン印刷マスクによって形成されても良い。次に、金属基板31の裏面側に裏面側樹脂18を形成する(
図11E)。裏面側樹脂18は、金属基板31の裏面のうち、部分開口マスク39に覆われていない領域を覆う。この際、金属基板31の裏面側に、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いてインクジェット法やスクリーン印刷法により、裏面側樹脂18を形成しても良い。これにより、裏面側樹脂18が裏面側凹部36内に充填される。なお、裏面側樹脂18は凹部19内には充填されない。
【0091】
次に、部分開口マスク39を除去する。次いで、裏面側樹脂18を所定の厚みだけ研磨して、金属基板31の裏面を露出させる(
図11F)。具体的には、裏面側樹脂18を裏面側から研磨してゆき、金属基板31の裏面が出現した際、裏面側樹脂18の研磨を終了する。このとき、ダイパッド11のダイパッド裏面11bを構成する金属面が裏面側に露出する。なお、裏面側樹脂18を研磨する方法としては、例えば、半導体素子21を所定の厚さに仕上げるための裏面研削(バックグラインドともいう)と同様の方法を用いても良い。
【0092】
次に、金属基板31の表裏全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、金属基板31上の感光性レジストに対してフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、エッチング用レジスト層34、35を形成する(
図11G)。表面側のエッチング用レジスト層34は、開口部34bを有する。裏面側のエッチング用レジスト層35は、開口部を有していない。なお、エッチング用レジスト層34、35としては、例えばドライフィルムレジストを用いても良い。
【0093】
続いて、ハーフエッチングにより、金属基板31の表裏からそれぞれ金属基板31を厚み方向の途中まで薄肉化する(
図11H)。この場合、表面側のエッチング用レジスト層34を耐腐蝕膜として、金属基板31の表面側に腐蝕液でエッチングを施す。これにより、ダイパッド11及びリード部12の外形が形成される。金属基板31の表面側がハーフエッチングされることにより、ダイパッド11とリード部12との間に隙間が形成され、裏面側樹脂18が表面側に露出する。また、裏面側のエッチング用レジスト層35は開口部を有していないため、金属基板31はエッチングされない。なお、腐蝕液としては、金属基板31の裏面側をエッチングする際に用いたものと同様のものを用いても良い(
図11C)。
【0094】
次に、エッチング用レジスト層34、35を剥離除去し、次いで金属基板31を水洗及び乾燥させる(
図11I)。
【0095】
その後、ダイパッド11及びリード部12の一部を図示しないレジスト層で覆うとともに、ダイパッド11及びリード部12に電解めっきを施す。これによりダイパッド11のダイパッド表面11a及びリード部12のインナーリード表面51a上に金属(例えば銀)を析出させて、めっき層25を形成する。このようにして
図1乃至
図8に示すリードフレーム10が得られる(
図11J)。
【0096】
なお、凹部19は2段階のエッチングによって形成されても良い。この場合、例えば、まず金属基板31の裏面に裏面側凹部36とともに、凹部19に対応する裏面側凹部を形成する。その後、凹部19に対応する裏面側凹部のみを再度裏面側からエッチングすることにより、裏面側凹部36よりも深さが深い凹部19を形成しても良い。
【0097】
(半導体装置の製造方法)
次に、
図9及び
図10に示す半導体装置20の製造方法について、
図12A-Fを用いて説明する。
【0098】
まず、例えば
図11A-Jに示す方法により、リードフレーム10を作製する(
図12A)。
【0099】
次に、リードフレーム10のダイパッド11上に、半導体素子21を搭載する。この場合、例えばダイボンディングペースト等の接着剤24を用いて、半導体素子21をダイパッド11上に載置して固定する(ダイアタッチ工程)(
図12B)。
【0100】
次に、半導体素子21の各電極21aと、各リード部12に形成された内部端子15上のめっき層25とを、それぞれボンディングワイヤ(接続部材)22によって互いに電気的に接続する(ワイヤボンディング工程)(
図12C)。
【0101】
次に、リードフレーム10に対して、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を射出成形又はトランスファ成形することにより、封止樹脂23を形成する(
図12D)。このようにして、リードフレーム10、リード部12、半導体素子21及びボンディングワイヤ22を封止する。なお、封止樹脂23は、凹部19内には充填されない。
【0102】
次に、各半導体素子21間の周囲領域10bに位置する封止樹脂23及びリード連結部16をダイシングすることにより、リードフレーム10を各半導体装置20に分離する(
図12E)。このとき、例えばダイヤモンド砥石からなるブレード38を回転させながら、周囲領域10bに位置する封止樹脂23及びリード連結部16(支持リード13)を切断しても良い。これにより、周囲領域10bに位置するリード連結部16が除去される。また各リード部12のうち外部端子面17よりも外側の領域に、凹部19の一部からなる凹部19aが形成される。凹部19aは、リード部12の裏面側及び側面側に開口する。
【0103】
【0104】
その後、半導体装置20は配線基板80に接続される(
図13)。このとき、ダイパッド11のダイパッド裏面11bは、半田部81によって配線基板80に接続される。また、リード部12の外部端子面17及び凹部19aに設けられた半田めっきが、半田フィレット82を形成する。本実施の形態によれば、凹部19(19a)の深さd1は、裏面側樹脂18の厚みT2よりも深い。このため、凹部19aの容積を大きくでき、半田フィレット82を凹部19a内に充填しやすい。また半田フィレット82の外面を滑らかな凹状の傾斜面としやすい。これにより、リード部12と配線基板80とを安定して接続でき、半導体装置20の接続信頼性を向上できる。また、半田フィレット82が凹部19aの内部に充填されるので、外観検査時にリード部12と配線基板80とが接続されたことを外側から容易に確認できる。
【0105】
この場合、凹部19の深さd1は、リードフレーム10の厚みT1の50%以上83%以下としても良い。このように凹部19の深さd1を深くすることにより、周囲領域10bに存在する金属の量を減らすことができる。これにより、リードフレーム10を個片化する工程において(
図12E)、周囲領域10bの周辺に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0106】
また、裏面側樹脂18の厚みT2は、リードフレーム10の厚みT1の20%以上60%以下としても良い。このように裏面側樹脂18の厚みT2を浅くすることにより、リード部12の体積を大きくできる。これにより、リード部12の熱容量と電気抵抗を低減できる。
【0107】
本実施の形態によれば、外部端子面17のうち凹部19に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方がダイパッド11から遠い位置にある。外部端子面17の端子角部17dは、直線状であっても良く、平面視で凸状に湾曲していても良い。これにより、外部端子面17の端子角部17dに肉厚が薄い箇所が存在しないため、端子角部17dが変形することにより金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、外部端子面17の端子外辺17cが直線状である。これにより、外部端子面17の形状をエッチングにより作製する際に、外部端子面17の寸法のばらつきを抑制できる。また、外部端子面17の端子外辺17cが内側(ダイパッド11側)に向けて湾曲する場合と比較して、外部端子面17の面積を増加できる。これにより外部端子面17と配線基板80との電気抵抗を低下できる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、凹部19は、リード部12の幅方向両側にそれぞれ側壁19cを有し、側壁19cのうち、パッケージ領域10a内に位置する部分の最大高さH1は、リードフレーム10の厚みT1の30%以上60%以下である。このように、凹部19の内側に存在する側壁19cの面積を広くすることにより、半田フィレット82と凹部19aとを強固に密着できる。これにより、リード部12と配線基板80とを安定して接続でき、半導体装置20の接続信頼性を向上できる。
【0110】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、
図14乃至
図25を参照して説明する。
図14乃至
図25において、
図1乃至
図13に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
【0111】
(リードフレームの構成)
まず、
図14乃至
図16により、本実施の形態によるリードフレームの概略について説明する。
図14乃至
図16は、本実施の形態によるリードフレームを示す図である。
【0112】
図14乃至
図16に示すように、リードフレーム10は、ダイパッド11と、複数の細長いリード部12と、表面側樹脂18Aと、を備えている。リード部12は、それぞれダイパッド11の周囲に配置される。各リード部12は、半導体素子21と配線基板80(後述)とを電気的に接続する。表面側樹脂18Aは、ダイパッド11とリード部12の周囲であって、リードフレーム10の表面側に配置される。隣接するパッケージ領域10a同士の間には、支持リード(支持部材)13が配置されている。支持リード13は、ダイパッド11とリード部12とを支持する。複数の支持リード13は、X方向及びY方向に沿ってそれぞれ延びている。
【0113】
図16A、Bに示すように、ダイパッド11は、ダイパッド表面11aと、ダイパッド裏面11bとを有する。ダイパッド11のうちリード部12を向く側には、第1ダイパッド側面11cと、第2ダイパッド側面11dとが形成されている。第1ダイパッド側面11cは、ダイパッド表面11a側に位置しており、表面側樹脂18Aに密着している。第2ダイパッド側面11dは、ダイパッド裏面11b側に位置しており、リードフレーム10から外方に露出している。
【0114】
図16Aに示すように、リード部12は、インナーリード51と、端子部53と、接続部52とを有する。インナーリード51は、内側(ダイパッド11側)に位置する。端子部53は、インナーリード51よりも外側(支持リード13側)に位置する。接続部52は、端子部53よりも外側(支持リード13側)に位置する。インナーリード51は、端子部53からダイパッド11側に延び、その表面側の先端部には内部端子15が形成されている。内部端子15は、後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に電気的に接続される領域である。
【0115】
インナーリード51は、裏面側からハーフエッチングにより薄肉化されている。インナーリード51は、インナーリード表面51aと、インナーリード裏面51bとを有する。インナーリード表面51aの一部には、内部端子15が形成される。インナーリード裏面51bは、リードフレーム10から外方に露出している。また、インナーリード51のうちダイパッド11を向く側には、インナーリード先端面51cが形成される。インナーリード先端面51cは、表面側樹脂18Aに密着している。
【0116】
端子部53は、インナーリード51と接続部52との間に位置している。端子部53の表面には、外部端子表面53aが形成されている。端子部53の裏面には、上述した外部端子面17が形成されている。端子部53のうち外部端子面17が形成された部分は、ハーフエッチングされることなく、ダイパッド11と同一の厚みを有している。
【0117】
接続部52は、凹部19よりも表面側の位置に存在する金属の部分である。接続部52は、リード部12を支持リード13に接続する部分である。接続部52を構成する金属は、後述するリードフレーム10を構成する金属と同一である。接続部52は、支持リード13側に延びており、その基端部はリード連結部16に連結されている。接続部52は、端子部53とリード連結部16との間に位置する。接続部52は、裏面側から薄肉化されている。接続部52の裏面には、上述した凹部19が形成されている。接続部52は、各パッケージ領域10a内に位置している。
【0118】
本実施の形態において、リード部12のうち端子部53よりも外側(インナーリード51の反対側)の領域及び周囲領域10bに、凹部19が形成されている。凹部19は、パッケージ間凹部と称しても良い。凹部19には、表面側樹脂18A等の樹脂が充填されておらず、金属面がリードフレーム10から外方に露出している。凹部19は、リードフレーム10の裏面側であって、一のパッケージ領域10aのリード部12と、当該リード部12に連結されたリード連結部16と、隣接するパッケージ領域10aのリード部12とに跨がって連続的に形成される。
【0119】
凹部19は、リード部12の裏面のうち、外部端子面17よりも外側に形成されている。またパッケージ領域10aの外周に対応する線が、凹部19を横切っている。凹部19は平面視で細長い形状を有し、リード部12の長手方向に沿って延びている(
図15)。凹部19は、ハーフエッチングにより裏面側から薄肉化されることにより形成されている。凹部19は、リード部12及びリード連結部16の裏面側から厚み方向(Z方向)の途中まで凹む非貫通凹部である。また、凹部19は、リード部12及びリード連結部16の幅方向全域にわたって形成されていても良い。この場合、凹部19は、リード部12の裏面のうち外部端子面17よりも外側の部分と、リード連結部16の裏面全体とに形成されても良い。
【0120】
リード連結部16は、凹部19よりも表面側の位置に存在する。リード連結部16は、上述したように、一のパッケージ領域10aのリード部12と、当該パッケージ領域10aに隣接するパッケージ領域10aのリード部12とを連結する。リード連結部16は、リード部12と一体化されている。リード連結部16は、金属からなる。リード連結部16を構成する金属は、後述するリードフレーム10を構成する金属と同一である。リード連結部16の表面側は薄肉化されておらず、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aと同一平面上に位置している。
【0121】
リード連結部16の厚みT3は、14μm以上としても良く、30μm以上としても良い。リード連結部16の厚みT3は、125μm以下としても良く、100μm以下としても良い。リード連結部16の厚みT3は、リード連結部16のうち最も薄い部分の裏面と、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aが位置する平面との距離をいう。リード連結部16のうち最も薄い部分は、リード連結部16の長手方向中間位置に存在しても良い。
【0122】
リード連結部16の厚みT3は、表面側樹脂18Aの厚みT5より薄くても良い。リード連結部16の厚みT3は、表面側樹脂18Aの厚みT5の50%以上としても良く、70%以上としても良い。リード連結部16の厚みT3は、表面側樹脂18Aの厚みT5の99%以下としても良く、90%以下としても良い。リード連結部16の厚みT3は、リードフレーム10の厚みT1の17%以上としても良く、30%以上としても良い。リード連結部16の厚みT3は、リードフレーム10の厚みT1の50%以下としても良く、40%以下としても良い。
【0123】
表面側樹脂18Aは、各パッケージ領域10aにおいて、ダイパッド11及びリード部12の周囲に配置されている。すなわち、
図14に示すように、表面側から見て、表面側樹脂18Aは、ダイパッド11の一辺と、当該辺に対向する複数のリード部12と、2本の吊りリード14と、パッケージ領域10aの外周縁とによって取り囲まれる領域に位置する。
図15に示すように、裏面側から見て、表面側樹脂18Aは、ダイパッド11の一辺と、当該辺に対向する複数のリード部12と、2本の吊りリード14と、パッケージ領域10aの外周縁とによって取り囲まれる領域に位置する。なお、
図14及び
図15において、表面側樹脂18Aを網掛けで示している(後述する
図17、
図21についても同様)。
【0124】
図16A、Bに示すように、表面側樹脂18Aは、リードフレーム10の表面側に配置されている。
【0125】
図16Aに示すように、表面側樹脂18Aは、断面視で、第1ダイパッド側面11cと、インナーリード先端面51cとの間に配置されている。表面側樹脂18Aは、表面側に位置する樹脂表面18aと、裏面側に位置する樹脂裏面18bとを有する。樹脂表面18aは、ダイパッド表面11aとインナーリード表面51aとの間から外方に露出する。樹脂表面18a、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aは、互いに同一平面上に位置している。樹脂裏面18bは、リードフレーム10の裏面側から外方に露出する。樹脂裏面18bは、インナーリード裏面51bよりも裏面側に位置していても良い。すなわち樹脂裏面18bは、インナーリード裏面51bと、ダイパッド裏面11b及び外部端子面17が位置する平面との間に位置する。この場合、表面側樹脂18Aが、インナーリード51と表面側樹脂18Aとの接触面よりも裏面側に突出するため、インナーリード51と表面側樹脂18Aとの界面からの水分侵入を抑制できる。
【0126】
図16Aに示すように、断面視で、第1ダイパッド側面11c(ダイパッド11の表面側樹脂18Aと密着している側面)の方が、インナーリード先端面51c(インナーリード51の表面側樹脂18Aと密着している先端面)よりも長い。第1ダイパッド側面11cの下端の突起が、インナーリード先端面51cの下側の突起よりも、裏面側にある。これにより、インナーリード51の厚みを薄くした場合であっても、表面側樹脂18Aを裏面側に脱落しにくくできる。
【0127】
図16Bに示すように、リード部12が存在しない箇所の断面において、表面側樹脂18Aは、第1ダイパッド側面11cから支持リード13まで延びる。樹脂表面18aと、支持リード13の表面とは、互いに同一平面上に位置している。樹脂裏面18bは、支持リード13の裏面よりも裏面側に位置しても良い。これにより、支持リード13を薄くした場合であっても表面側樹脂18Aにより支持リード13の周辺の強度を確保できる。そのため、支持リード13を薄くでき、半導体装置20を個片化する際のソーイングの負担を減らすことができる。あるいは、樹脂裏面18bは、支持リード13の裏面と同一表面上に位置しても良い。
【0128】
表面側樹脂18Aとしては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、表面側樹脂18Aと後述する封止樹脂23との密着性を高めるため、表面側樹脂18Aとして、封止樹脂23と同一の材料を用いることが好ましい。
【0129】
図16Aにおいて、凹部19の深さd1は、リードフレーム10の厚みT1の50%以上としても良く、60%以上としても良い。凹部19の深さd1は、リードフレーム10の厚みT1の83%以下としても良く、70%以下としても良い。凹部19の深さd1は、100μm以上としても良く、120μm以上としても良い。凹部19の深さd1は、170μm以下としても良く、150μm以下としても良い。凹部19の深さd1とは、凹部19のうち、パッケージ領域10a内(半導体装置20に含まれる領域)で最も深い部分と、ダイパッド裏面11b及び外部端子面17が位置する平面との距離をいう。凹部19のうち最も深い部分は、ソーイングライン上に存在しても良い。凹部19のうち最も深い部分は、インナーリード裏面51bよりも深くてよい。すなわち、凹部19は、インナーリード裏面51bよりも裏面側から深くエッチングされていてもよい。この場合、半導体装置20と配線基板80とのはんだ実装性を向上できる。
【0130】
表面側樹脂18Aの厚みT5は、表面側樹脂18Aのうち、パッケージ領域10a内(半導体装置20に含まれる領域)で最も厚い部分の裏面と、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aが位置する平面との距離をいう。表面側樹脂18Aのうち最も厚い部分は、第1ダイパッド側面11cと、インナーリード先端面51cとの間に存在しても良い。あるいは、表面側樹脂18Aのうち最も厚い部分は、リード部12同士の間に存在しても良い。
【0131】
表面側樹脂18Aの厚みT5は、リードフレーム10の厚みT1の20%以上としても良く、30%以上としても良い。表面側樹脂18Aの厚みT5は、リードフレーム10の厚みT1の80%以下としても良く、60%以下としても良く、50%以下としても良い。表面側樹脂18Aの厚みT5は、40μm以上としても良く、60μm以上としても良い。表面側樹脂18Aの厚みT5は、120μm以下としても良く、100μm以下としても良い。
【0132】
次に、
図17乃至
図20を参照して、外部端子面17及び凹部19の構成について更に説明する。
【0133】
図17に示すように、外部端子面17は、表面側樹脂18Aの樹脂裏面18bよりも裏面側に位置する。外部端子面17は、端子内辺17aと、端子側辺17bと、端子外辺17cと、端子角部17dとを有する。端子内辺17aは、内側(ダイパッド11側)を向く辺である。端子内辺17aは、凸状に湾曲した曲線からなっても良く、直線状であっても良い。端子側辺17bは、リード部12の長手方向に沿って延びる辺である。端子側辺17bは、端子内辺17aに接続されている。端子側辺17bは、直線状であっても良い。端子外辺17cは、外側(ダイパッド11の反対側)に位置する辺である。端子外辺17cは、リード部12の幅方向に沿って延びる。端子外辺17cは、直線状であっても良い。端子外辺17cは、凹部19に面している。
【0134】
外部端子面17は、外側(ダイパッド11の反対側)の角が切り欠かれた形状である。この切り欠かれた部分に、端子角部17dが存在する。端子角部17dは、それぞれ端子外辺17cの両端に位置する。端子角部17dは、リード部12の長手方向及び幅方向のいずれの方向に対しても傾斜して延びる。端子角部17dは、端子外辺17cと各端子側辺17bとを接続する。端子角部17dは、直線状であっても良い。端子角部17dは、凹部19に面している。端子角部17dは、端子外辺17cよりも内側(ダイパッド11側)に位置する。
【0135】
このように、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c及び端子角部17d)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側(ダイパッド11から遠い側)に位置する。これにより、端子外辺17cの両端が凹部19側に突出する場合と比較して、端子外辺17cの両端が他の場所よりも薄肉化せず、端子外辺17cの両端の変形を抑えられる。このため、端子外辺17cの両端に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。また、半導体装置20と配線基板80との実装性が低下することを抑制できる。リード部12の長手方向に沿う端子角部17dの長さL1は、0.010mm以上0.025mm以下としても良い。リード部12の幅方向に沿う端子角部17dの長さL2は、0.010mm以上0.050mm以下としても良い。
【0136】
図18A-Cは、外部端子面17の変形例を示す裏面図である。
図18A-Cにおいて、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c及び端子角部17d)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側(ダイパッド11から遠い側)に位置する。これにより、端子外辺17cの両端が他の場所よりも薄肉化せず、端子外辺17cの両端の変形を抑えられる。このため、端子外辺の両端に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0137】
具体的には、
図18Aに示すように、外部端子面17の端子角部17dは、平面視で凸状に湾曲していても良い。
【0138】
図18Bに示すように、端子外辺17cは、平面視で外側(ダイパッド11の反対側)に向かって突出する凸形状を有しても良い。例えば、端子外辺17cは、凹部19に向けて突出するV字形状を有していても良い。端子外辺17cのうち、最も外側(ダイパッド11の反対側)に位置する部分に頂点17eが形成されている。頂点17eは、一対の端子側辺17bの中間の位置に存在しても良く、いずれか一方の端子側辺17bに近い位置に存在しても良い。このように、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c)は、幅方向両端よりも幅方向中央の方が外側に位置する。これにより、凹部19の表面積を増やし、後述する半導体装置20の凹部19aへ充填する半田フィレット82の量を増加させることができる。
【0139】
図18Cに示すように、端子外辺17cは、平面視で外側(ダイパッド11の反対側)に向かって突出する凸形状を有しても良い。具体的には、端子外辺17cのうち、一対の端子側辺17bとの境界となる位置と、一対の端子側辺17b同士の間の位置とがそれぞれ凹部19に向けて突出するM字形状であっても良い。これにより、凹部19の表面積を増やし、後述する半導体装置20の凹部19aへ充填する半田フィレット82の量を増加させることができる。
【0140】
外部端子面17が
図18B、Cに示す形状を持つ場合、外部端子面17の位置を内側(ダイパッド11側)にすることなく、外部端子面17のうち凹部19に面する部分(端子外辺17c)を幅方向両端よりも幅方向中央を外側に位置させつつ、平面視での凹部19の面積を増やせる。これにより、凹部19への半田充填量を増やすことができる。
図18B、Cにおいて、頂点17eの先端が鋭角でなく、鈍角でもよい。頂点17eが丸くなっていてもよい。頂点17eが丸くなっている場合、半田を充填しやすい。頂点17eが角ばっている場合、端子外辺17cと半田との密着性を向上できる。
【0141】
さらに、外部端子面17が
図18Cに示す形状を持つ場合、凹部19の側面(半田との密着面)の面積が増えるので、凹部19と半田との密着性をより向上できる。
【0142】
図17、
図19及び
図20に示すように、凹部19は、頂部19bを有する。頂部19bは、凹部19のうち表面側に位置する部分である。頂部19bは、リード連結部16の裏面に存在しても良い。
図20に示すように、リード部12の幅方向に平行な断面において、リード部12の幅方向両側には、それぞれリード部側面12aが形成される。リード部側面12aは、それぞれ表面側樹脂18Aに密着している。
【0143】
図20において、凹部(端子切り欠き)19内に表面側樹脂18Aが露出している、あるいは、表面側樹脂18Aが、凹部(端子切り欠き)19の側面の一部を構成している。これにより、半田が入る空間を広くするために接続部52を薄くした場合であっても、半田がリード部12の幅方向に濡れ広がり過ぎるのを防ぎ、配線基板80との半田実装性を確保できる。
【0144】
リードフレーム10の材料及び厚みは第1の実施の形態の場合と同様にしても良い。
【0145】
後述するように、表面側樹脂18Aは表面側から研磨される(
図23F)。表面側樹脂18Aの研磨を終了したとき、金属基板31の表面もわずかに研磨される。このため、リードフレーム10の表面の粗さは、リードフレーム10の裏面の粗さよりも粗くても良い。例えば、リードフレーム10の表面の平均粗さRaは、例えば0.1μm超0.35μm以下であっても良い。リードフレーム10の表面の平均粗さRaが0.1μm超となることにより、リードフレーム10の表面と後述する封止樹脂23との密着性を向上できる。リードフレーム10の表面の平均粗さRaが0.35μm以下となることにより、リードフレーム10の表面に金属片(バリ)が発生することを抑制できる。リードフレーム10の表面の平均粗さRaは、例えば0.01μm以上0.15μm以下であっても良い。平均粗さRaとは、JIS B0601で規定される算術平均粗さである。
【0146】
(半導体装置の構成)
次に、
図21及び
図22により、本実施の形態による半導体装置について説明する。
図21及び
図22は、本実施の形態による半導体装置(QFNタイプ)を示す図である。
【0147】
図21及び
図22に示すように、半導体装置(半導体パッケージ)20は、ダイパッド11と、複数のリード部12と、表面側樹脂18Aと、半導体素子21と、複数のボンディングワイヤ(接続部材)22と、封止樹脂23とを備える。表面側樹脂18Aは、ダイパッド11とリード部12の周囲であって、半導体装置20の表面側に配置されている。
【0148】
ダイパッド11、リード部12及び表面側樹脂18Aは、上述したリードフレーム10から作製されたものである。各リード部12の裏面のうち、半導体装置20の外周に対応する位置に、それぞれ凹部19aが形成されている。凹部19aよりも表面側の位置に、金属の部分である接続部52が存在する。封止樹脂23及び表面側樹脂18Aは、凹部19a内には充填されていない。ダイパッド11とリード部12との間の空間において、封止樹脂23は、表面側樹脂18Aの樹脂表面18aに密着している。
【0149】
このほか、ダイパッド11、リード部12及び表面側樹脂18Aの構成は、半導体装置20に含まれない領域を除き、上述した
図14乃至
図20に示すものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、半導体素子21、ボンディングワイヤ22、及び封止樹脂23の構成は、第1の実施の形態のものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0150】
(リードフレームの製造方法)
次に、
図14乃至
図20に示すリードフレーム10の製造方法について、
図23A-Jを用いて説明する。
【0151】
まず
図23Aに示すように、第1の実施の形態の場合と同様にして、平板状の金属基板31を準備する。
【0152】
次に、金属基板31の表裏全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、金属基板31上の感光性レジストに対してフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、金属基板31の表面側に所望の開口部32bを有するエッチング用レジスト層32を形成する。開口部32bは表面側樹脂18Aに対応する位置に設けられる。同様に、金属基板31の裏面側にエッチング用レジスト層33を形成する。(
図23B)。エッチング用レジスト層33は、開口部を有していなくても良い。
【0153】
次に、ハーフエッチングにより、金属基板31の表面側から金属基板31を厚み方向の途中まで薄肉化する(
図23C)。この場合、表面側のエッチング用レジスト層32を耐腐蝕膜として、金属基板31の表面側に腐蝕液でエッチングを施す。これにより、金属基板31の表面側に非貫通凹部である表面側凹部36Aを形成する。表面側凹部36Aは、表面側樹脂18Aに対応する形状を有する。表面側凹部36Aは開口部32bが存在する位置に形成される。腐蝕液は、使用する金属基板31の材質に応じて適宜選択できる。例えば、金属基板31として銅を用いる場合、腐蝕液としては、塩化第二鉄水溶液を使用しても良い。この塩化第二鉄水溶液を金属基板31の一方の面又は両面からスプレーエッチングしても良い。
【0154】
次に、金属基板31から表面側のエッチング用レジスト層32及び裏面側のエッチング用レジスト層33を剥離除去する(
図23D)。次いで金属基板31を水洗及び乾燥させる。
【0155】
続いて、金属基板31の表面側に表面側樹脂18Aを形成する(
図23E)。この際、金属基板31の表面側に、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いてインクジェット法やスクリーン印刷法により、表面側樹脂18Aを形成しても良い。このとき、表面側樹脂18Aが表面側凹部36A内に充填される。表面側樹脂18Aは、金属基板31の表面の全域を覆っても良い。
【0156】
次いで、表面側樹脂18Aを所定の厚みだけ研磨して、金属基板31の表面を露出させる(
図23F)。具体的には、表面側樹脂18Aを表面側から研磨してゆき、金属基板31の表面が出現した際、表面側樹脂18Aの研磨を終了する。このとき、ダイパッド11のダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aを構成する金属面が表面側に露出する。なお、表面側樹脂18Aを研磨する方法としてとは、例えば、半導体素子21を所定の厚さに仕上げるための裏面研削(バックグラインドともいう)と同様の方法を用いても良い。
【0157】
次に、金属基板31の表裏全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、金属基板31上の感光性レジストに対してフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、エッチング用レジスト層34、35を形成する(
図23G)。裏面側のエッチング用レジスト層35は、開口部35bを有する。表面側のエッチング用レジスト層34は、開口部を有していなくても良い。なお、エッチング用レジスト層34、35としては、例えばドライフィルムレジストを用いても良い。
【0158】
続いて、ハーフエッチングにより、金属基板31の表裏からそれぞれ金属基板31を厚み方向の途中まで薄肉化する(
図23H)。この場合、裏面側のエッチング用レジスト層35を耐腐蝕膜として、金属基板31の裏面側に腐蝕液でエッチングを施す。これにより、ダイパッド11及びリード部12の外形が形成される。金属基板31の裏面側がハーフエッチングされることにより、ダイパッド11とリード部12とが互いに分離され、表面側樹脂18Aが裏面側に露出する。また、金属基板31の裏面には凹部19が形成される。このとき、凹部19よりも表面側の位置に、金属基板31の一部からなる接続部52及びリード連結部16が形成される。表面側のエッチング用レジスト層34は開口部を有していないため、金属基板31の表面側はエッチングされない。なお、腐蝕液としては、金属基板31の表面側をエッチングする際に用いたものと同様のものを用いても良い(
図23C)。
【0159】
次に、エッチング用レジスト層34、35を剥離除去し、次いで金属基板31を水洗及び乾燥させる(
図23I)。
【0160】
その後、第1の実施の形態の場合と同様に、ダイパッド11のダイパッド表面11a及びリード部12のインナーリード表面51a上にめっき層25を形成する。このようにして
図14乃至
図20に示すリードフレーム10が得られる(
図23J)。
【0161】
(半導体装置の製造方法)
次に、
図21及び
図22に示す半導体装置20の製造方法について、
図24A-Fを用いて説明する。
【0162】
まず、例えば
図23A-Jに示す方法により、リードフレーム10を作製する(
図24A)。
【0163】
次に、第1の実施の形態の場合と同様に、リードフレーム10のダイパッド11上に、半導体素子21を搭載する(
図24B)。
【0164】
次に、第1の実施の形態の場合と同様に、半導体素子21の各電極21aと、各リード部12に形成された内部端子15上のめっき層25とを、それぞれボンディングワイヤ(接続部材)22によって互いに電気的に接続する(
図24C)。
【0165】
次に、第1の実施の形態の場合と同様に、リードフレーム10に対して、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を射出成形又はトランスファ成形することにより、封止樹脂23を形成する(
図24D)。
【0166】
次に、第1の実施の形態の場合と同様に、各半導体素子21間の周囲領域10bに位置する封止樹脂23及びリード連結部16をダイシングすることにより、リードフレーム10を各半導体装置20に分離する(
図24E)。
【0167】
【0168】
その後、半導体装置20は配線基板80に接続される(
図25)。このとき、ダイパッド11のダイパッド裏面11bは、半田部81によって配線基板80に接続される。また、リード部12の外部端子面17及び凹部19aに設けられた半田めっきが、半田フィレット82を形成する。これにより、リード部12と配線基板80とを安定して接続でき、半導体装置20の接続信頼性を向上できる。また、半田フィレット82が凹部19aの内部に充填されるので、外観検査時にリード部12と配線基板80とが接続されたことを外側から容易に確認できる。
【0169】
また、本実施の形態による半導体装置20において、ダイパッド11のダイパッド裏面11bと、リード部12の外部端子面17とが、それぞれ裏面側に突出する(スタンドオフ形状)。これにより、半導体装置20を配線基板80に実装しやすい。
【0170】
ところで、このようにして作製された半導体装置20を長期間使用している間、空気中の水分等が、半導体装置20の側面から半導体装置20内部に侵入することが考えられる。本実施の形態によれば、凹部19aよりも表面側の位置に、金属の接続部52が存在する。これにより、空気中の水分等が、半導体装置20の側面から半導体装置20の内部に侵入することを抑えられる。この結果、長期間の使用後における半導体装置20の信頼性を向上させることができる。
【0171】
また、本実施の形態によれば、表面側樹脂18Aの厚みT5は、リードフレーム10の厚みT1の20%以上80%以下としても良く、20%以上60%以下としても良い。厚みT5を厚みT1の20%以上60%以下とした場合、表面側樹脂18Aの厚みT5を浅くすることにより、凹部19を深く形成することが容易となる。これにより、半導体装置20を配線基板80に実装しやすくなる。また、厚みT5を厚みT1の50%以上80%以下とした場合、表面側樹脂18Aの厚みT5を厚くすることにより、リードフレーム10の強度を向上させることができる。また、この場合、凹部19を深くしても、リードフレーム10の強度を維持することができる。
【0172】
本実施の形態によれば、外部端子面17のうち凹部19に面する部分は、幅方向両端よりも幅方向中央の方がダイパッド11から遠い位置にある。外部端子面17の端子角部17dは、直線状であっても良く、平面視で凸状に湾曲していても良い。これにより、外部端子面17の端子角部17dに肉厚が薄い箇所が存在しないため、端子角部17dが変形することにより金属片(バリ)が発生することを抑制できる。
【0173】
また、本実施の形態によれば、外部端子面17の端子外辺17cが直線状である。これにより、外部端子面17の形状をエッチングにより作製する際に、外部端子面17の寸法のばらつきを抑制できる。また、外部端子面17の端子外辺17cが内側(ダイパッド11側)に向けて湾曲する場合と比較して、外部端子面17の面積を増加できる。これにより外部端子面17と配線基板80との電気抵抗を低下できる。
【0174】
(第3の実施の形態)
次に、
図26及び
図27を参照して第3の実施の形態について説明する。
図26及び
図27は第3の実施の形態を示す図である。
図26及び
図27に示す第3の実施の形態は、主として、接続部52及びリード連結部16よりも表面側に表面側樹脂18Aが存在する点が異なるものであり、他の構成は上述した第2の実施の形態と略同一である。
図26及び
図27において、
図14乃至
図25に示す第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0175】
(リードフレームの構成)
図26は本実施の形態によるリードフレーム10Aを示す断面図である。
【0176】
図26に示すリードフレーム10Aにおいて、リード部12のうち端子部53よりも外側(インナーリード51の反対側)の領域及び周囲領域10bに、凹部19が形成されている。凹部19には、表面側樹脂18A等の樹脂が充填されておらず、金属面がリードフレーム10Aから外方に露出している。凹部19は、リード部12の裏面のうち、外部端子面17よりも外側に形成されている。凹部19は、接続部52及びリード連結部16の裏面側から厚み方向(Z方向)の途中まで凹む非貫通凹部である。
【0177】
接続部52及びリード連結部16は、凹部19よりも表面側に位置する金属の部分である。接続部52及びリード連結部16は、裏面側から薄肉化されている。接続部52及びリード連結部16の裏面には、凹部19が形成されている。接続部52及びリード連結部16は、凹部19よりも表面側の位置に存在する。リード連結部16は、リード部12と一体化されている。
【0178】
リード連結部16の厚みT3は、14μm以上としても良く、30μm以上としても良い。リード連結部16の厚みT3は、125μm以下としても良く、100μm以下としても良い。リード連結部16の厚みT3は、リード連結部16のうち最も薄い部分を厚み方向(Z方向)に測定した長さをいう。リード連結部16のうち最も薄い部分は、リード連結部16の長手方向中間位置に存在しても良い。リード連結部16の厚みT3は、リードフレーム10Aの厚みT1の17%以上としても良く、30%以上としても良い。リード連結部16の厚みT3は、リードフレーム10Aの厚みT1の50%以下としても良く、40%以下としても良い。
【0179】
図14及び
図15に示すように、接続部52及びリード連結部16の表面側には外周凹部57が形成されている。外周凹部57には、表面側樹脂18Aが充填されている。外周凹部57は、リード部12の表面のうち、外部端子表面53aよりも外側に形成されている。外周凹部57は、接続部52及びリード連結部16の表面側から厚み方向(Z方向)の途中まで凹む非貫通凹部である。すなわち、接続部52及びリード連結部16は、表面側及び裏面側の両方から薄肉化されている。
【0180】
表面側樹脂18Aは、接続部52及びリード連結部16よりも表面側の位置に存在する。表面側樹脂18Aは、凹部19よりも表面側の位置に存在する。表面側樹脂18Aは、パッケージ領域10aと、当該パッケージ領域10a周囲の周囲領域10bと、隣接するパッケージ領域10aとに跨がるように連続的に形成されている。表面側樹脂18Aの表面は、ダイパッド表面11a及びインナーリード表面51aと同一平面上に位置する。接続部52及びリード連結部16の表面側に位置する表面側樹脂18Aは、第1ダイパッド側面11cとインナーリード先端面51cとの間に位置する表面側樹脂18Aと一体化されている。
【0181】
接続部52及びリード連結部16の表面側に位置する表面側樹脂18Aの厚みT4は、20μm以上としても良く、30μm以上としても良い。接続部52及びリード連結部16の表面側に位置する表面側樹脂18Aの厚みT4は、75μm以下としても良く、50μm以下としても良い。上記厚みT4は、接続部52及びリード連結部16の表面側に位置する表面側樹脂18Aのうち、最も厚い部分を厚み方向(Z方向)に測定した距離をいう。上記厚みT4は、リードフレーム10Aの厚みT1の10%以上としても良く、15%以上としても良い。上記厚みT4は、リードフレーム10Aの厚みT1の35%以下としても良く、25%以下としても良い。
【0182】
(半導体装置の構成)
図27は本実施の形態による半導体装置20Aを示す断面図である。
【0183】
図27に示すように、半導体装置20Aは、ダイパッド11と、複数のリード部12と、表面側樹脂18Aと、半導体素子21と、複数のボンディングワイヤ(接続部材)22と、封止樹脂23とを備える。各リード部12の裏面のうち、半導体装置20Aの外周に対応する位置に、それぞれ凹部19aが形成されている。凹部19aは、上述した凹部19の一部からなる。各凹部19aは、リード部12のうち外部端子面17よりも外側に形成されている。
【0184】
凹部19aの表面側には、金属の接続部52が位置する。接続部52の表面側には外周凹部57が形成されている。外周凹部57には、表面側樹脂18Aが充填されている。表面側樹脂18Aは、リード部12の表面のうち、外部端子表面53aよりも外側に形成されている。このほか、本実施の形態による半導体装置20Aは、上述した第2の実施の形態による半導体装置20と略同一である。
【0185】
(リードフレームの製造方法)
本実施の形態によるリードフレーム10Aを製造する場合、金属基板31の表面側から金属基板31をハーフエッチングする工程で(
図23C)、表面側凹部36Aとともに外周凹部57を形成する。その後、金属基板31の表面側に表面側樹脂18Aを形成する工程で(
図23E)、表面側凹部36A内とともに外周凹部57内に表面側樹脂18Aを充填する。このほか、本実施の形態によるリードフレーム10Aの製造方法は、
図23A-Fに示すリードフレーム10の製造方法と略同様としても良い。
【0186】
(半導体装置の製造方法)
本実施の形態による半導体装置の製造方法は、
図24A-Fに示す半導体装置20の製造方法と略同様としても良い。
【0187】
本実施の形態によれば、接続部52及びリード連結部16よりも表面側の位置に表面側樹脂18Aが存在する。これにより、リード部12と封止樹脂23との界面から、半導体素子21側に水分が侵入することを抑えられる。この結果、長期間の使用後における半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0188】
また本実施の形態によれば、リードフレーム10Aを個片化する工程において(
図24E)、周囲領域10bの周辺に金属片(バリ)が発生した場合でも、この金属片が表面側樹脂18Aに埋没する。この結果、半導体装置20Aの周辺に金属片が突出することを抑制できる。
【0189】
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0190】
10 リードフレーム
10a パッケージ領域
10b 周囲領域
11 ダイパッド
12 リード部
15 内部端子
16 リード連結部
17 外部端子面
18 裏面側樹脂
18A 表面側樹脂
19 凹部
25 めっき層
51 インナーリード
52 接続部
53 端子部