(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128973
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】遠隔構成の容易化
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G01N35/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024036222
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】23161335.7
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ロート
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GD05
2G058GE08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検査室企業ネットワークに含まれるソフトウェアインスタンスの遠隔構成を容易にする。
【解決手段】検査室企業ネットワーク140は、インビトロ診断(IVD)ネットワーク20に通信可能に接続される。設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14によって、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144を構成するための構成定義入力を取得し、構成定義入力に基づいて構成オブジェクトを生成し、構成オブジェクトは、ソフトウェアインスタンス144の構成を定義するためにソフトウェアインスタンス144によって解釈可能なコンピュータ可読データを含む。ジェネレータ計算インスタンス14によって、構成オブジェクトに論理的にリンクされている構成識別子を生成し、構成オブジェクトを、設計企業ネットワーク10および検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されているホスト30内に記憶する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室企業ネットワーク(140)に含まれるソフトウェアインスタンス(144)の遠隔構成を容易にするための設計企業ネットワーク(10)のコンピュータ実装方法(110)であって、前記検査室企業ネットワーク(140)がインビトロ診断(IVD)ネットワーク(20)に通信可能に接続され、前記IVDネットワーク(20)が少なくとも1つのIVD機器(20pre、20ana、20post、20trans)を含み、前記コンピュータ実装方法が、
設計企業ネットワーク(10)に含まれるジェネレータ計算インスタンス(14)によって、前記ソフトウェアインスタンス(144)を構成するための構成定義入力(62)を取得すること(112)と、
前記設計企業ネットワーク(10)に含まれる前記ジェネレータ計算インスタンス(14)によって、前記構成定義入力(62)に基づいて構成オブジェクト(63)を生成すること(114)であって、前記構成オブジェクト(63)が、前記ソフトウェアインスタンス(144)の構成を定義するために前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)によって解釈可能なコンピュータ可読データを含む、構成オブジェクト(63)を生成すること(144)と、
前記設計企業ネットワーク(10)に含まれる前記ジェネレータ計算インスタンス(14)によって、構成識別子(68)を生成すること(116)であって、前記構成識別子(68)が前記構成オブジェクト(63)に論理的にリンクされている(67)、構成識別子(68)を生成すること(116)と、
前記構成オブジェクト(63)をホスト(30)内に記憶すること(118)であって、前記ホスト(30)が前記設計企業ネットワーク(10)および前記検査室企業ネットワーク(140)に通信可能に接続されている、前記構成オブジェクト(63)をホスト(30)内に記憶すること(118)と
を含む、コンピュータ実装方法(110)。
【請求項2】
前記ホスト(30)を介して、前記構成オブジェクト(63)が前記検査室企業ネットワーク(140)にダウンロードされたことを検出することと、
前記構成オブジェクト(63)を前記ホスト(30)から削除することと
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法(110)。
【請求項3】
前記構成識別子(68)が数字もしくは英数字コード、視覚的コード、画像、電子メール、SMSメッセージ、または所定の電話番号でアクセス可能なボイスメールメッセージのうちの1つである、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法(110)。
【請求項4】
前記構成定義入力(62)が(i)から(xvi)、すなわち、
(i)遠隔アクセスネットワーク(40)に含まれる遠隔計算装置(44)、
(ii)前記検査室企業ネットワーク(140)に含まれるさらなるソフトウェアインスタンス(146)、
(iii)分析アルゴリズムホスト(150)、
(iv)遠隔データストレージネットワーク(160)、
(v)前記IVDネットワーク(20)によってホストされるIVD検査室ソフトウェアインスタンス(24)、
(vi)前記IVDネットワーク(20)に含まれるさらなるIVD検査室分析機器(20ana)、
(vii)前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD検査室分析前機器(20pre)、
(viii)前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD移送機器(20trans)、
(ix)前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD検査室分析後機器(20post)、
(x)IVD検査室ネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、
(xi)POCネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、
(xii)POC分析器、
(xiii)前記IVD分析ネットワークによってホストされ、少なくとも1つのIVD分析機器からデータを取得するように構成されたデジタル分析ソフトウェアインスタンスであって、IVD分析結果を出力するように構成された、デジタル分析ソフトウェアインスタンス、
(xiv)IVD在庫管理ソリューション、
(xv)IVD品質管理インスタンス、および
(xvi)IVD結果検証インスタンス
のうちの1つまたは複数の遠隔アクセス属性を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(110)。
【請求項5】
通信インターフェース(102a)と、
メモリ(104a)と、
プロセッサ(106a)と
を備え、
前記プロセッサ(106a)が請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(110)を実行するように構成されている、ジェネレータ計算装置(14、100a)。
【請求項6】
検査室企業ネットワーク(140)内のソフトウェアインスタンス(144)の遠隔構成を容易にするためのコンピュータ実装方法(120)であって、前記検査室企業ネットワーク(140)がインビトロ診断(IVD)ネットワーク(20)に通信可能に接続され、前記IVDネットワーク(20)が少なくとも1つのインビトロ診断(IVD)機器(20pre、20ana、20post、20trans)を含み、前記方法が、
前記検査室企業ネットワーク(140)に含まれる前記ソフトウェアインスタンス(144)によって、設計企業ネットワーク(10)のジェネレータ計算インスタンス(14)によって生成された構成識別子(68)を取得すること(122)と、
前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)によって、前記設計企業ネットワーク(10)および前記検査室企業ネットワーク(140)に通信可能に接続されたホスト(30)に前記構成識別子(68)を送信すること(124)と、
前記ホスト(30)から、前記構成識別子(68)に論理的にリンクされた構成オブジェクト(63)を受信すること(126)であって、前記構成オブジェクト(63)が、前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)の構成を定義する、前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)によって解釈可能なコンピュータ可読データを含み、前記構成オブジェクト(63)が、前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)の前記構成を容易にするための構成データを定義する構成定義入力(62)に従って、前記設計企業ネットワーク(10)の前記ジェネレータ計算インスタンス(14)によって生成されている、構成オブジェクト(63)を受信すること(126)と、
前記構成オブジェクト(63)の前記コンピュータ可読データに従って、前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)を構成すること(128)と、
前記ソフトウェアインスタンス(144)を動作させること(130)と
を含む、コンピュータ実装方法(120)。
【請求項7】
前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)と、遠隔アクセスネットワーク(40)に含まれる遠隔計算装置(44)との間の遠隔ネットワーク接続を、前記構成オブジェクト(63)に含まれる前記遠隔計算装置(44)の遠隔アクセス属性に基づいて確立することと、
前記ソフトウェアインスタンス(144)において、前記遠隔計算装置(44)から少なくとも1つの遠隔ネットワーキングコマンドを受信することと、
前記遠隔アクセスネットワーク(40)の前記遠隔計算装置(44)によって発せられたコマンドに基づいて前記ソフトウェアインスタンス(144)を動作させることと
をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法(120)。
【請求項8】
前記構成オブジェクト(63)が、
(a)から(p)、すなわち、
a.遠隔アクセスネットワーク(40)に含まれる遠隔計算装置(44)、
b.前記検査室企業ネットワーク(140)に含まれるさらなるソフトウェアインスタンス(146)、
c.分析アルゴリズムホスト(150)、
d.遠隔データストレージネットワーク(160)、
e.前記IVDネットワーク(20)によってホストされるIVD検査室ソフトウェアインスタンス(24)、
f.前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD検査室分析機器(20ana)、
g.前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD検査室分析前機器(20pre)、
h.前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD移送機器(20trans)、
i.前記IVDネットワーク(20)に含まれるIVD検査室分析後機器(20post)、
j.IVD検査室ネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、
k.(IVD)POCネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、
l.(IVD)POC分析器、
m.前記IVD分析ネットワークによってホストされ、少なくとも1つのIVD分析機器からデータを取得するように構成されたデジタル分析ソフトウェアインスタンスであって、IVD分析結果を出力するように構成された、デジタル分析ソフトウェアインスタンス、
n.IVD在庫管理ソリューション、
o.IVD品質管理インスタンス、および
p.IVD結果検証インスタンス
のうちの1つまたは複数のうちの、1つのまたは任意の組合せの遠隔アクセス属性を含むコンピュータ可読データを含み、
前記コンピュータ実装方法は、
前記構成オブジェクト(63)に含まれる対応する前記遠隔アクセス属性を使用して、前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)と、さらなるインスタンス(a)から(p)のうちの1つまたは任意の組合せとの間のネットワーク接続を確立することと、
前記ソフトウェアインスタンス(144)および/または前記遠隔アクセスネットワーク(40)の前記遠隔計算装置(44)を介して、前記さらなるインスタンス(a)から(p)のうちの1つまたは任意の組合せの間でデータを交換することと
をさらに含む、請求項6または7に記載のコンピュータ実装方法(120)。
【請求項9】
前記ソフトウェアインスタンス(144)が以下のリスト、すなわち、
a.前記IVDネットワーク(20)に含まれる1つもしくは複数のIVD検査室機器(20pre、20ana、20post、20trans)を管理するためのソフトウェアもしくはミドルウェア、
b.POCネットワークを管理するためのソフトウェアもしくはミドルウェア、
c.IVD検査室機器および/もしくはPOC機器の予測保守ソフトウェア、
d.分析前段階および/もしくは検査室前段階の前に試料を監視するためのソフトウェア、
e.IVD検査室内の試料処理を監視するためのソフトウェア、
f.IVD検査室のデジタルインフラストラクチャを管理するためのソフトウェア、
g.POCネットワークおよび/もしくは病院、
h.IVDデータバンク、
i.医療データデータストア、
j.EMRもしくはEHRシステム、
k.IVDデータ転送用ソフトウェア、
l.IVD検査室機器もしくはPOC機器の品質管理ソフトウェア、
m.IVD検査室機器訓練ソフトウェア、
n.POC機器訓練ソフトウェア、
o.IVD機器監視ソフトウェア、
p.IVD試料処理監視ソフトウェア、
q.IVD機器管理ソフトウェア、
r.IVD試料処理分析ソフトウェア、
s.IVD機器分析ソフトウェア、
t.医療画像処理ソフトウェア、
u.IVD検査室および/もしくはPOCネットワークのためのサイバーセキュリティソフトウェア、
v.医療アルゴリズム、IVD検査室を分析するためのアルゴリズムおよび/もしくはPOCネットワーク動作を含む、オペレーティングシステム、
w.ヘルスケア情報システム、
x.検査室情報システム、ならびに/または
y.病院情報システム
から選択される1つまたは複数の項目を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)によって、インストーラ(66)を実行するように構成されたコンピュータ可読命令を取得することであって、前記インストーラ(66)が前記ソフトウェアインスタンス(144)を前記検査室企業ネットワーク(140)の計算装置(145)にインストールするように構成されている、コンピュータ可読命令を取得することと、
前記ソフトウェアインスタンスのインストール後に、前記構成識別子(68)を提供するようにユーザを促すことと
をさらに含む、請求項6から9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(120)。
【請求項11】
前記インストーラ(66)は、前記検査室企業ネットワーク(140)の外部の遠隔計算装置(44)が前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ソフトウェアインスタンス(144)上で遠隔アクセスセッションを実行することを可能にする遠隔アクセスアプリケーション(80)をインストールするように構成され、および/または
前記構成オブジェクト(63)が前記遠隔計算装置(44)の遠隔アクセス属性を含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法(120)。
【請求項12】
通信インターフェース(102b)と、
メモリ(104b)と、
プロセッサ(106b)と
を備え、
前記プロセッサ(106b)が請求項6から11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行するように構成されている、計算装置(100b)。
【請求項13】
システム(8)であって、前記システム(8)が設計企業ネットワーク(10)を備え、前記設計企業ネットワーク(10)が、
ゲートウェイ(12)と、
前記ゲートウェイ(12)に通信可能に接続されたジェネレータ計算インスタンス(14)であって、前記ジェネレータ計算インスタンス(14)が請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(110)を実行するように構成されている、ジェネレータ計算インスタンス(14)と
を備え、
前記システム(8)が、検査室企業ネットワーク(140)をさらに備え、前記検査室企業ネットワーク(140)が、
ゲートウェイ(142)と、
前記ゲートウェイに通信可能に接続された計算装置(145)であって、前記計算装置(145)が前記検査室企業ネットワーク(140)の前記ゲートウェイ(142)に通信可能に接続されたソフトウェアインスタンス(144)をホストするように構成され、前記ソフトウェアインスタンス(144)が請求項6から11のいずれか一項に記載の前記コンピュータ実装方法(120)を実行するように構成されている、計算装置(145)と
を備え、
前記システムが、IVDネットワーク(20)をさらに備え、前記IVDネットワーク(20)が、
IVD機器(20pre、20ana、20post、20trans)と、
IVDネットワークゲートウェイ(22)と
を備え、前記IVDネットワーク(20)が前記検査室企業ネットワーク(140)に通信可能に接続され、
前記システムが、ホスト(30)をさらに備え、前記ホスト(30)が、
ホストゲートウェイ(32)と、
ホストネットワーク(31)を介して前記ホストゲートウェイに通信可能に接続されたデータストア(34)と
を備え、
前記システムが、
前記設計企業ネットワーク(10)、前記検査室企業ネットワーク(140)、前記ホスト(30)、および前記IVD機器(20pre、20ana、20post、20trans)を含む前記IVDネットワーク(20)を通信可能に接続するように構成された通信ネットワーク(7)
をさらに備える、システム(8)。
【請求項14】
コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム要素であって、前記コンピュータ可読命令が、コンピュータによって実行されると、請求項1から4、または6から11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行する、コンピュータプログラム要素。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム要素を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査室企業ネットワークに含まれるソフトウェアインスタンスの遠隔構成を容易にするための設計企業ネットワークのコンピュータ実装方法、検査室企業ネットワークにおけるソフトウェアインスタンスの遠隔構成を容易にするためのコンピュータ実装方法、ならびに関連付けられたシステム、装置、コンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
インビトロ診断(IVD)分析検査室は、多数の患者試料を分析することができる。試料は、潜在的に、関心対象の少なくとも1つの分析物、例えば、分子、イオン、タンパク質、代謝産物、病原体などを含み得る。典型的には、試料中の1つまたは複数の分析物の存在、非存在および/または濃度を検出することは、IVD検査のタスクの1つである。より一般的には、IVD検査は、試料の生物学的特性を決定することを指すことができる。IVD検査は、試料に対して少なくとも1つの分析試験を実施することを含むことができ、分析試験は、試料の生物学的特性に関する結論を引き出すことができる。分析試験は、例えば、試料に試薬を添加すること、試料と試薬との可能性のある検出可能な反応、および/またはこの反応の検出もしくは非検出を含むことができる。反応の検出は、例えば、試料によって反射されたおよび/または試料を透過した放射の(試料を用いて得られた複合体についての)スペクトルならびに/あるいは強度などの試料の物理的値(試料-試薬混合物などの試料を用いて得られた複合体についての)を測定することを含むことができる。試料に対して同様の試験を行うことができるポイントオブケア(POC)装置は、スループットが低い。
【0003】
IVD検査室は、複雑であり、各検査室の要件に基づいてカスタム設計されている。IVD検査室内の機器のインストールおよびその初期構成および検査は、個々の分析装置のファームウェア、分析装置を制御するように構成されたミドルウェアインスタンス、またはミドルウェアインスタンスを介して検査室全体を制御し、試料分析結果を配信するように構成された検査室情報管理システム(LIMS)に基づいて、数百または数千のソフトウェアパラメータを調整することを含む。
【0004】
したがって、IVD検査室の構成および検査は数ヶ月続く可能性があり、例えば、ソフトウェアまたはファームウェアの構成に対して比較的わずかな偶発的な変更を行うために、IVD検査室機器のメーカからのスタッフが恒久的に存在する必要がある。ポイントオブケア装置のネットワークは、通常、病院全体に分散された多数のPOC装置が、同時ソフトウェアアップグレードを必要とすることがあるため、構成上の課題を提示する可能性がある。実際には、多数のPOC装置の更新には、サービスエンジニアによる現場訪問が必要な場合がある。したがって、IVD検査室機器および/またはPOC装置に対する構成、検査、および保守の手法を改善することができる。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、検査室企業ネットワークに含まれるソフトウェアインスタンスの遠隔構成を容易にするための設計企業ネットワークのコンピュータ実装方法が提供される。検査室企業ネットワークは、インビトロ診断(IVD)ネットワークに通信可能に接続される。IVDネットワークは、少なくとも1つのIVD機器を含む。コンピュータ実装方法は、
設計企業ネットワークに含まれるジェネレータ計算インスタンスによって、ソフトウェアインスタンスを構成するための構成定義入力を取得することと、
設計企業ネットワークに含まれるジェネレータ計算インスタンスによって、構成定義入力に基づいて構成オブジェクトを生成することであって、構成オブジェクトが、ソフトウェアインスタンスの構成を定義するために検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスによって解釈可能なコンピュータ可読データを含む、構成オブジェクトを生成することと、
設計企業ネットワークに含まれるジェネレータ計算インスタンスによって、構成識別子を生成することであって、構成識別子が構成オブジェクトに論理的にリンクされている、構成識別子を生成することと、
構成オブジェクトをホスト内に記憶することであって、ホストが設計企業ネットワークおよび検査室企業ネットワークに通信可能に接続されている、構成オブジェクトをホスト内に記憶することと
を含む。
【0006】
IVD機器の例は、IVD分析機器である。
【0007】
第2の態様によれば、検査室企業ネットワークにおけるソフトウェアインスタンスの遠隔構成を容易にするためのコンピュータ実装方法が提供される。検査室企業ネットワークは、インビトロ診断(IVD)ネットワークに通信可能に接続される。IVDネットワークは、少なくとも1つのインビトロ診断(IVD)機器を含む。本方法は、
検査室企業ネットワークに含まれるソフトウェアインスタンスによって、設計企業ネットワークのジェネレータ計算インスタンスによって生成された構成識別子を取得することと、
検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスによって、設計企業ネットワークおよび検査室企業ネットワークに通信可能に接続されたホストに構成識別子を送信することと、
ホストから、構成識別子に論理的にリンクされた構成オブジェクトを受信することであって、構成オブジェクトが、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスの構成を定義する検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスによって解釈可能なコンピュータ可読データを含み、構成オブジェクトが、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスの構成を容易にするための構成データを定義する構成定義入力に従って設計企業ネットワークのジェネレータ計算インスタンスによって生成されている、構成オブジェクトを受信することと、
構成オブジェクトのコンピュータ可読データに従って、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスを構成することと、
ソフトウェアインスタンスを動作させることと
を含む。
【0008】
第3の態様によれば、通信インターフェースと、メモリと、プロセッサとを備えるジェネレータ計算装置が提供される。プロセッサは、第1の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
【0009】
第4の態様によれば、通信インターフェースと、メモリと、プロセッサとを備える計算装置が提供される。プロセッサは、第2の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
【0010】
第5の態様によれば、システムが提供される。本システムは、
設計企業ネットワークであって、ゲートウェイと、ゲートウェイに通信可能に接続されたジェネレータ計算インスタンスとを含む、設計企業ネットワークを含む。ジェネレータ計算インスタンスは、第1の態様またはその実施形態のコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
【0011】
本システムは、検査室企業ネットワークをさらに含む。検査室企業ネットワークは、ゲートウェイと、ゲートウェイに通信可能に接続された計算装置とを備える。計算装置は、検査室企業ネットワークのゲートウェイに通信可能に接続されたソフトウェアインスタンスをホストするように構成される。ソフトウェアインスタンスは、第2のインスタンスまたはその実施形態によるコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
【0012】
システムは、IVDネットワークをさらに備える。IVDネットワークは、IVD機器、例えば、IVD検査室機器またはPOC装置と、IVDネットワークゲートウェイとを備える。場合によっては、IVDネットワークゲートウェイは、IVD機器の一部であってもよい。IVDネットワークは、検査室企業ネットワークに通信可能に接続される。
【0013】
本システムは、ホストをさらに備える。ホストは、ホストゲートウェイと、ホストネットワークを介してホストゲートウェイに通信可能に接続されたデータストアとを備える。
【0014】
本システムは、設計企業ネットワーク、検査室企業ネットワーク、ホスト、およびIVD機器を含むIVDネットワークを通信可能に接続するように構成された通信ネットワークをさらに備える。
【0015】
第6の態様によれば、第1の態様および第2の態様のコンピュータ実装方法を含む、第5の態様によるシステムを動作させる方法が提供される。
【0016】
第7の態様によれば、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム要素であって、コンピュータプログラム要素が、コンピュータによって実行されると、第1もしくは第2の態様、またはそれらの実施形態のうちの1つによるコンピュータ実装方法を実行する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0017】
第8の態様によれば、第7の態様のコンピュータプログラム要素を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0018】
任意の実施形態は、ここで読者が参照し得る、本明細書でさらに説明される従属請求項に定義されている。
【0019】
前述の態様の手法の効果は、IVDネットワークの最終構成が安全なリンクを介してIT専門家の遠隔チームによって実行され得るため、セキュリティを向上させることである。メーカのフィールドサービスのソフトウェア専門家を顧客サイトに物理的に配置する必要がなく、標準インストール媒体を顧客のIT専門家が使用できるため、検査室企業ネットワーク上でソフトウェアを構成する複雑さを低減することも可能である。設計企業ネットワークから検査室企業ネットワークへのカスタマイズされたインストールソフトウェアの転送は、セキュリティ証明書、およびIVD分析器ソフトウェアまたはファームウェア構成を、(例えば、このようなカスタマイズされたインストーラを含むカスタマイズされたインストール媒体を紛失または置き忘れた場合)管理されていないドメインに置くことを伴う可能性がある。
【0020】
本明細書によれば、検査室企業ネットワーク(例えば、複数のIVD分析器、例えば、IVD検査室用分析器および/またはPOC分析器を備えるIVDネットワークに通信可能に接続されたネットワーク)でホストされた少なくとも1つのソフトウェアインスタンスへのオペレーティングソフトウェアの初期インストールは、検査室企業ネットワークに配置される典型的な標準化されたソフトウェアインスタンスを構成データにおいてどのように定義できるかを定義することを含む。一例として、検査室企業ネットワークの設計は、遠隔アクセスプログラムをホストするように構成されたソフトウェアインスタンスを含んでもよい。遠隔アクセスプログラムは、遠隔ネットワークが検査室企業ネットワークを介してIVDネットワークに接続することを可能にし、その結果、遠隔ネットワークのユーザは、IVDネットワークのさらなる構成、またはIVDネットワークの保守もしくはセキュリティスイープを実行することができる。この場合、構成データは、遠隔アクセスを可能にするために、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスにおいて標準バージョンの遠隔アクセスプログラムがプログラムされるべきであるログイン詳細およびネットワーク詳細を含み得る。
【0021】
したがって、標準的なソフトウェアインストールは、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンス上で顧客のIT専門家によって実行される。したがって、特別にカスタマイズされたソフトウェアは、最初に、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスにインストールするために提供されなくてもよい。.isoまたは仮想マシンなどの特別にカスタマイズされたインストールファイルは、顧客のインストールごとに作成する必要はない。最初に、特定のIVDネットワーク設計に対する特別なカスタマイズを必要とするのではなく、ソフトウェアパッケージの標準インストールに従うことができる。
【0022】
したがって、検査室企業ネットワークの少なくとも1つのソフトウェア環境に標準化されたソフトウェアを正常にインストールした後、検査室企業ネットワークは、設計企業ネットワークまたは関連するネットワークに、検査室企業ネットワーク内の少なくとも1つのソフトウェアインスタンスを構成するために使用され得るデータを利用可能にするように促す。実際には、設計企業ネットワークは、この構成データをホスト(クラウド計算サービスなど)内に記憶することができる。
【0023】
構成データは、顧客IVDネットワーク設計が行われる際に、設計企業ネットワークで生成された構成識別子を使用して、検査室企業ネットワークにおいて要求され得る。構成識別子は、検査室企業ネットワークに接続される関連するIVDシステムの設計中に構成データと論理的に関連付けられるか、または構成データを参照する。
【0024】
構成識別子は、例えば、IVDネットワーク用の標準化されたインストールソフトウェアが転送される際に、検査室のITエンジニアに提供される。構成識別子は、例えば、紙片上に記載された英数字コードとすることができる。標準ソフトウェアのインストールに続いて、検査室のITエンジニアは、構成識別子を(例えば、第2のネットワーク内からアクセスされるインストールウェブサイトで提供される)プロンプトに入力するように促される。構成データは、ホストから検査室企業ネットワークの少なくとも1つのソフトウェアインスタンスに自動的にダウンロードされる。構成データは、例えば、検査室企業ネットワークによってホストされる少なくとも1つのソフトウェアインスタンス、またはハードウェアインスタンスのソフトウェアモジュールおよび/もしくはファームウェアモジュールを構成するために使用される。このような遠隔アクセスアプリケーションの自動構成に続いて、メーカにいるITエンジニアは、検査室のITエンジニアからの介入を必要とせずに装置および第2のネットワークを遠隔で構成することができる。
【0025】
検査室企業ネットワークは、インビトロ診断(IVD)ネットワークに通信可能に接続される。IVDネットワークは、少なくとも1つのインビトロ診断(IVD)機器を含む。したがって、構成データを使用したソフトウェアインスタンスの構成に続いて、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスまたはハードウェアインスタンスを動作させることにより、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスまたはハードウェアインスタンスがIVDネットワーク内でアクションを実行するように動作させることが可能になる。例えば、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスまたはハードウェアインスタンスは、構成データによって、検査室企業ネットワークを介したIVDネットワークへの安全な遠隔コンピュータの遠隔アクセスを可能にするように構成される。ソフトウェアインスタンスまたはハードウェアインスタンスにより、安全な遠隔コンピュータがIVDネットワークの1つまたは複数のIVD機器に接続することが可能になる。安全な遠隔コンピュータをIVDネットワークの1つまたは複数のIVD機器に接続した後、安全な遠隔コンピュータを使用して、IVDネットワークのネットワーク設定を構成し、IVDネットワークの少なくとも1つのIVD機器にデータをダウンロードまたはアップロードし、あるいは個々のIVD機器のログファイルまたは使用データを抽出し得る。ソフトウェアインスタンスまたはハードウェアインスタンスにより、安全な遠隔コンピュータがIVDネットワークの少なくとも1つのIVD機器の物理パラメータを監視することが可能になる。例えば、監視される物理パラメータは、温度測定値、振動測定値、ノイズ測定値、IVD機器の一部の画像またはビデオ、IVD機器の近傍で取得されたオーディオ記録、ロボット機器からまたはレーザ測定装置から取得されたサービス品質測定基準などのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0026】
例では、IVDネットワークにおける異なる装置タイプに関して、異なる構成識別子が提供されることがある。検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンスからIVDネットワークを制御するために必要なネットワーク機器、サーバ、コンピュータ、およびゲートウェイだけでなく、IVDネットワーク内のすべての装置タイプへのアクセスを可能にするマスタ構成識別子が提供されてもよい。いくつかの例では、構成識別子は1回のみ有効である。言い換えれば、検査室のITエンジニアが構成識別子をプロンプトに入力すると、ホストは構成情報を検査室企業ネットワークに配信する。ホストは、同時に、それ自体のデータストアから構成情報を削除する。あるいは、ホストからの構成情報のさらなるダウンロードをブロックするフラグがホストに設定されてもよい。これにより、検査室企業ネットワークおよびIVDネットワークの具体的な構成の拡散が防止されるため、セキュリティが強化される。あるいは、構成識別子は、IVDネットワーク設計中に設計企業ネットワークによって時間制限され得て、所定の期限後に構成識別子を使用してホストから構成情報をダウンロードしようとしても失敗するようにすることができる。
【0027】
本特許出願では、特定の用語が使用されるが、その表現は、選択されたその具体的な用語によって限定されるものと解釈されるべきではなく、具体的な用語の背後にある一般的な概念に関するものと解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。
【0029】
「インビトロ診断」(IVD)機器は、特定のタイプの分析に最適化されたそれぞれのワークフローを実行するように設計された1つまたは複数の分析モジュールを含むことができる。
【0030】
IVD機器は、臨床化学、免疫化学、凝固、血液学などのうちの1つまたは複数のための分析装置を含むことができる。IVD機器は、例えば、IVD検査室機器またはPOC装置とすることができる。
【0031】
したがって、IVD機器は、1つの分析モジュール、またはそれぞれのワークフローを有するこのようなモジュールのいずれかの組合せを備えてもよく、分析前および/または分析後モジュールは、個々の分析モジュールに接続されるか、または複数の分析モジュールによって共有され得る。あるいは、分析前および/または分析後の機能は、IVD分析装置に統合されたユニットによって実行されてもよい。IVD機器は、試料および/または試薬および/またはシステム流体のピペッティングおよび/またはポンピングおよび/または混合のための液体処理ユニットなどの機能ユニット、ならびに選別、保管、移送、識別、分離、および検出のための機能ユニットを含むことができる。
【0032】
「試料」という用語は、1つまたは複数の関心対象の分析物を含有することが疑われる生物学的材料を指し、その定性的および/または定量的な検出が、特定の状態(例えば、臨床状態)に関連付けられ得る。
【0033】
試料は、血液、唾液、眼水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、粘液、滑液、腹水、羊水、組織、細胞などを含む生理学的流体などの任意の生物学的供給源に由来し得る。試料は、血液からの血漿の調製、粘性流体の希釈、溶解など、使用前に前処理され得て、処理方法は、濾過、遠心分離、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、および試薬の添加を含み得る。試料は、場合によっては、供給源から得られたままの状態で、あるいは、例えば、内部標準物質を添加した後、別の溶液で希釈した後、または試薬と混合した後など、試料の性質を変更するための前処理および/あるいは試料調製ワークフローに従って、1つまたは複数のインビトロ診断試験を実施することができるように、あるいは関心対象の分析物を濃縮(抽出/分離/濃縮)するために、および/または関心対象の分析物の検出を妨げる可能性があるマトリックス成分を除去するために、直接使用されてもよい。
【0034】
本明細書で使用される「ポイントオブケア」POCまたは「ポイントオブケア環境」という用語は、病院、救急科、集中治療室、プライマリケア環境、医療センター、患者宅、医院、薬局、または救急現場を含むがこれらに限定されない、医療検査および/または治療などの医療または医療関連サービスが提供される患者ケアのサイトまたはその近くの場所を意味するように定義される。
【0035】
ポイントオブケア検査は、ポイントオブケア環境における1つまたは複数の患者試料の分析を包含し、これは、典型的には、例えば、可搬式、携帯式、および手持ち式機器などのPOC装置/機器の使用によって達成されるが、手持ち式装置が利用できない場合には小型ベンチ型分析器または固定機器も使用することができ、その目的は、患者試料を収集し、患者の位置でまたはその(比較的)近くで(比較的)短時間で分析データを得ることである。
【0036】
本開示における「ネットワーク」とは、データ通信機能を有する複数の、例えば、1つまたは複数、または2つ以上の接続された装置を指す。ネットワーク内の接続された装置は、特定の組織によって管理されることによって指定され得る。一例では、「ネットワーク」は、1つまたは複数のドメインコントローラによって管理される、ネットワークの管理グループであるドメインであるとも考えられ得る。例えば、ネットワークは、病院ネットワーク、検査室企業ネットワーク、メーカのネットワーク、または遠隔サポートエンジニアのネットワークとすることができる。検査室企業ネットワークは、IVD機器のネットワークに通信可能に接続されているが、検査室企業ネットワーク自体は、ハードウェア分析器などの特殊な機器を含まない。いくつかの実施形態では、検査室企業ネットワークは、IVD機器のネットワークの機器から得られた結果を使用する分析ソフトウェアを含むか、またはホストする。いくつかの実施形態では、ネットワークは、論理グループ(例えば、上記で定義されたような特定の組織の装置のネットワークまたはドメイン)を形成するIVD機器、IVD検査室ミドルウェア、またはIVD分析装置などの装置のセットによって構成され得る。加えて、または代替として、ネットワーク内の装置は、比較的近い空間的関係(例えば、キャンパス、検査室、または病院の建物)に配置され得る。ネットワークの装置は、ローカルエリアネットワークによって接続され得る。しかしながら、他の実施形態では、ネットワークの装置は、2つ以上の遠隔位置(例えば、病院の2つの異なるサイト)に配置され得る。
【0037】
(データパッケージの文脈における)「インストール」という用語は、計算装置(例えば、PC、サーバ、マイクロコントローラおよびメモリを備える装置/装置、例えば、IVD検査室機器またはPOC装置などのIVD装置)またはクラウドインスタンスのソフトウェアを変更または更新する特定の操作に限定されない。むしろ、「インストール」という用語は、データパッケージに含まれるデータがそれらの列挙されたインスタンスの1つに(直接、または解凍もしくはコンパイルなどの処理ステップの後に)組み込まれる/展開されるあらゆる操作を包含する。例えば、データパッケージは、インスタンスを動作させる際に何らかの方法または形態で使用される情報を含んでよい。この状況では、データパッケージをインストールすることは、情報をインスタンスに利用可能にするためにそれぞれの場所に情報を記憶することを意味する場合がある。データパッケージがインスタンスにインストールされ得る方法のさらなる実施形態を以下で説明する。
【0038】
本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、WIFI、GSM、UMTS、または他の無線デジタルネットワーク、またはイーサネット、インターネットなどの有線ネットワークを含むがこれらに限定されない、あらゆるタイプの有線または無線ネットワークを包含する。例えば、通信ネットワークは、有線ネットワークと無線ネットワークとの組合せを含んでもよい。例えば、IVD分析器のステータスデータは、通信ネットワークを介して送信されてもよい。
【0039】
「ゲートウェイ」という用語は、通信ネットワーク(サーバまたは別のインターフェースなど)を介した外部エンティティとの通信を可能にするプログラムロジックを実行するように動作可能な任意のハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアベースのモジュールを包含する。ゲートウェイは、ネットワーク間のデータフローを可能にするネットワークハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えることができる。ゲートウェイは、プロキシサーバおよび/またはファイアウォールとして機能し得る。ゲートウェイは、あるネットワークから別のネットワークへのアクセスおよび/またはデータ転送を制限し得る。ゲートウェイは、例えば、インターネットと企業ネットワーク、または第1の企業ネットワークと第2の企業ネットワークなど、制御のドメインを別の制御のドメインから分離し得る。
【0040】
「サーバ」または「クラウド」という用語は、物理的なまたは仮想的なプロセッサを有する任意の物理マシンまたは仮想マシンを包含し、物理マシンまたは仮想マシンから要求を受け取り、それに応じて応答を与えることができる。マシンという用語が、物理的なハードウェア自体を指す場合もあれば、JAVA仮想マシン(JVM)などの仮想マシンを指す場合もあり、さらには、同じ物理マシン上で異なるオペレーティングシステムを実行し、そのマシンの計算リソースを共有する別々の仮想マシンを指す場合もあることは、コンピュータプログラミングの当業者には明らかであろう。サーバは、個々に「サーバ」とも呼ばれることが多い専用コンピュータ、または仮想サーバなどの共有リソースを含む任意のコンピュータ上で動作することができる。多くの場合、コンピュータは、いくつかのサービスを提供し、いくつかのサーバを動作させることができる。したがって、サーバという用語は、1つまたは複数のクライアントプロセスに対してリソースを共有する任意のコンピュータ化された装置を包含するものとする。サーバは、分析装置のステータスデータを受信、処理、および送信することができる。
【0041】
「ユーザインターフェース」という用語は、オペレータと機械との間の対話のための任意の適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを包含し、オペレータからコマンドを入力として受信し、フィードバックを提供し、情報を伝達するためのグラフィカルユーザインターフェースを含むが、これに限定されない。また、システム/装置は、異なる種類のユーザ/オペレータにサービスを提供するためにいくつかのユーザインターフェースを公開し得る。ユーザインターフェースは、分析装置のステータスデータを表示し得る。
【0042】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140は、インビトロ診断(IVD)ネットワークに通信可能に接続されていない。
【0043】
一実施形態によれば、設計企業ネットワークは第1のネットワークである。一実施形態によれば、検査室企業ネットワークは第2のネットワークである。
【0044】
一実施形態によれば、IVDネットワークは、少なくとも1つのIVD分析機器、例えば、IVD検査室分析機器またはPOC(ポイントオブケア)装置を含む少なくとも1つのIVD機器を備える。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、IVDネットワークは、1つまたは複数のIVD機器と、ゲートウェイを備える計算インスタンスとを備える。一例によれば、ゲートウェイは、例えば、IVD機器のうちの1つに含まれる。例えば、IVD機器は、接続機能(例えば、接続機能にはアクセス制限が含まれる)を備えるPOC装置である。
【0046】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワークは、IVDネットワークに通信可能に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】自動化されたインビトロ診断(IVD)検査室の例示的な概略平面図である。
【
図3】第5の態様によるシステムを用いた遠隔ソフトウェアのインストールの一例を概略的に示す図である。
【
図4A】第1の態様によるコンピュータ実装方法を概略的に示す図である。
【
図4B】第2の態様によるコンピュータ実装方法を概略的に示す図である。
【
図5】第5の態様によるシステムのシステムモデルの一例を概略的に示す図である。
【
図6A】構成定義入力の第1の変形例を概略的に示す図である。
【
図6B】構成定義入力の第1の変形例を概略的に示す図である。
【
図7】構成オブジェクトの生成および配布を概略的に示す図である。
【
図8】検査室企業ネットワークとIVDネットワークとの間のプロセスを概略的に示す図である。
【
図9A】第5の態様によるシステムを使用する遠隔ソフトウェアインストールのためのグラフィカルユーザインターフェースを概略的に示す図である。
【
図9B】第5の態様によるシステムを使用する遠隔ソフトウェアインストールのためのグラフィカルユーザインターフェースを概略的に示す図である。
【
図10A】第3の態様による装置を概略的に示す図である。
【
図10B】第4の態様による装置を概略的に示す図である。
【
図11A】構成定義入力を入力するためのダイアログボックスを概略的に示す図である。
【
図11B】識別子の有効期限の設定を概略的に示す図である。
【0048】
注:図は縮尺通りに描かれておらず、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を定義するためではなく、より良い理解のためにのみ役立つ。本発明の任意の特徴の限定は、これらの図から推測されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、自動化されたインビトロ診断(IVD)検査室1の例示的な平面図を概略的に示す。IVD検査室1は、様々なIVD機器20ana、20post、20trans、20preを備える。IVD機器20ana、20post、20trans、20preは、IVDネットワーク20(
図2に示す)を形成するように通信可能に接続される。ゲートウェイ3は、IVD機器20ana、20post、20trans、20preが、例えば、後述する検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されることを可能にする。一実施形態では、検査室企業ネットワーク140およびIVDネットワーク20は、統合ネットワークドメイン141に含まれ、および/または同じ地理的位置にある。他の実施形態では、検査室企業ネットワーク140およびIVDネットワーク20は、異なるネットワークドメインに含まれるか、または異なる地理的位置に配置される。
【0050】
図1に示すようなIVD検査室1の試料を処理することは、例えば、試料を移送すること(典型的には、IVDチューブなどのIVD容器で。IVD容器は、IVDチューブラックなどのIVD容器ホルダ内に保持されてもよい)、試料に対して分析前ステップを実行すること(例えば、遠心分離などの準備ステップ)、試料に対して分析ステップを実行すること(例えば、試料に試薬を添加し、試料と試薬との反応を測定すること)、および/または試料に対して分析後ステップを実行すること(例えば、試料を後で使用するために冷蔵庫に保管すること)を含むことができる。
【0051】
IVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、例えば、試料に対して意図されたワークフローの1つまたは複数のステップを実行するために、試料を処理するように設計された1つまたは複数のIVD検査室機器20を含む。試料の処理は、1つまたは複数の物理的処理ステップ(例えば、移動、混合、加熱などである)を含むことができる。IVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、試料を処理するための機器ハードウェア(例えば、グリッパ、試薬保管部、ピペット装置、加熱要素など)、ならびに機器ハードウェアを動作させるように設計された機器ソフトウェアを含むことができる。IVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、機器ハードウェアの動作を制御、特にステアリングするように設計された制御ユニットを備えることができ、機器ソフトウェアは、制御ユニットを使用して実行されるように設計され得る。
【0052】
IVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、典型的には、それらが実行することができる異なるタイプの試料処理ステップに従って分類される。移送IVD検査室機器20transは、例えば、あるIVD検査室機器から別のIVD検査室機器に試料を(IVD容器および/またはそれぞれのホルダに)移送するために設計されている。分析前IVD検査室機器20preは、試料に対して分析前ステップを実行するように設計されている。分析用IVD検査室機器20anaは、試料に対して分析ステップ(分析試験など)を実行するように設計され、分析用IVD検査室機器20anaは、分析計算ステップ(例えば、医療アルゴリズム)を実行するように設計されたデジタル分析用IVD検査室機器を含むことができる。分析後IVD検査室機器20postは、試料に対して分析後ステップを実行するように設計されている。いくつかのIVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、複数のタイプの試料処理ステップ、例えば分析前ステップおよび分析ステップを実行することができる。
【0053】
図1の例では、IVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preは、2つの分析前IVD検査室機器20pre、5つの分析用IVD検査室機器20ana、1つの分析後IVD検査室機器20post、および1つの移送IVD検査室機器20transを含み、
図1に示すIVD検査室機器は、1つの移送IVD検査室機器20transが他のすべてのIVD検査室機器20ana、20post、20trans、20preを接続するように設計されている。
【0054】
デジタル分析用IVD検査室機器20anaは、コンピュータ、またはコンピュータもしくはベアメタルサーバ(
図2の20sw)上で実行されるハイパーバイザによってホストされる仮想化インスタンスによって提供され得る。言い換えれば、分析用IVD検査室機器20anaは、機械部品またはセンサを備える必要はない。いくつかの実施形態では、デジタル分析用IVD検査室機器20anaは、内部IVD検査室通信ネットワーク6を介してIVD検査室の他の機器で実行された分析の結果を受信するように構成される。
【0055】
この例では、分析IVD検査室1は、さらなる通信ネットワーク4によって検査室情報システム(LIS)に通信可能に接続されたミドルウェアホスト5をさらに備えてもよい。LIS3は、例えば、LIS3によって生成されたサービス要求またはワークフローに基づいてIVD検査室1の機器を動作させるように構成されたIVD検査室1のミドルウェアホスト5とインターフェースする。LIS3は、生成されたデジタル分析用IVD検査室機器20anaからの試料分析結果を収集して保存するか、または転送し得る。LIS3は、試薬または消耗品の使用量を監視し、試薬または消耗品の現在の在庫が少なくなった場合に、試薬または消耗品の新規注文の要求を生成し得る。LIS3は、保守の必要性または分析器の不適合に関する情報を収集し、エンジニアリングチェックの要求を生成し得る。さらに、LIS3は、情報を収集し、IVD検査室1全体の性能を定義する統計を生成し得る。LIS3は、検査室スタッフおよびエンジニアリングスタッフがIVD検査室3またはその中の任意の装置の性能を評価することを可能にする組み込みウェブサイトなどの情報源をホストし得る。
【0056】
LIS3は、LANまたはWANを介して、検査室企業ネットワーク140などのさらなるネットワークまたは装置との通信を可能にするゲートウェイを備えてもよい。例えば、ゲートウェイは、外部ネットワークがIVD検査室1に検査を注文すること、または以前に注文された検査の結果をIVD検査室に要求することを可能にする。
【0057】
【0058】
システム8は、メーカまたはサービスプロバイダによって制御される設計企業ネットワーク10を備える。例えば、メーカは、IVD検査室機器および/またはポイントオブケア(POC)装置を製造し、さらに検査室企業ネットワーク用のソフトウェアインスタンスを製造/構成し得る。検査室企業ネットワークは、メーカの顧客、例えば、検査室企業または病院企業によって制御されてもよい。
【0059】
設計企業ネットワーク10内のメーカによって構成されたソフトウェアインスタンスは、検査室企業ネットワークに配置された後、IVD機器にアクセスするように、および/またはデータを交換するように設計されてもよい。このようなソフトウェアインスタンスの設計および構成は、例えば、設計企業ネットワーク10内に含まれる計算装置によって少なくとも部分的に実行される。多くの場合、この構成は、遠隔アクセスクライアントなどのソフトウェアの標準的なアイテムが、特定のクライアントネットワークコンテキストで機能するようにどのように構成され得るかを定義する形態をとる。例えば、標準的な遠隔アクセスサーバには、遠隔ユーザが遠隔アクセスサーバに接続できるようにするための遠隔ネットワーク属性が事前に設定されていない。
【0060】
一例では、設計企業ネットワーク10は、設計段階において、ソフトウェアインスタンスのための構成定義入力62、例えば、IVDネットワーク(例えば、IVD検査室ネットワークおよび/またはPOC分析器のネットワーク)内のIVD機器へのログインおよび/またはネットワークアドレス属性などの所望の遠隔アクセス属性を受信することができるユーザインターフェース18を備える。例えば、ソフトウェア設計者は、IVD検査室のシステムアーキテクチャに基づいて構成定義入力62を提供し得る。設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14は、後でより詳細に説明するように、構成定義入力62から構成オブジェクト63を生成することができる。
【0061】
設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14はまた、構成オブジェクト63にリンクされる構成識別子68を生成するように構成される。設計企業ネットワーク10は、例えば検査室企業ネットワーク140の計算装置145へのインストールが意図された標準インストールソフトウェアを有する1つまたは複数のデータストア16を備えてもよい。1つまたは複数のデータストア16はまた、特定の構成オブジェクト63を生成するために構成定義入力62に従ってカスタマイズされ得る標準インストールソフトウェアの構成テンプレートを備えてもよい。
【0062】
例えば、設計プロジェクトの終了時に、設計企業ネットワーク10は、検査室企業ネットワークにインストールされるソフトウェアインスタンスの標準インストールソフトウェアを生成または定義する。標準インストールソフトウェアは、検査室企業ネットワーク140のユーザに渡される。別の例では、標準インストールソフトウェアは、異なるネットワーク/エンティティによって設計されてもよく、および/または異なるネットワーク/エンティティから検査室企業ネットワーク検査室企業ネットワークに渡されてもよい(例えば、送信されてもよい)。
【0063】
設計企業ネットワーク10は、ホスト30から構成オブジェクト63を取得するために検査室企業ネットワーク140のユーザによって使用され得る少なくとも1つの構成識別子68を生成する。
【0064】
システムは、検査室またはサービスユーザの検査室企業ネットワーク140を含む。検査室企業ネットワークは、設計企業ネットワーク10を制御する上述のメーカとは異なる、検査室を運営するエンティティ、検査室エンティティ、または病院エンティティによって制御されてもよい。一例によれば、検査室企業ネットワーク140は、1つまたは複数のIVD機器20ana、20post、20pre、20transを含むIVDネットワーク20に通信可能に接続される。検査室企業ネットワーク140は、例えば、ネットワーキング接続89によってIVDネットワーク20に通信可能に接続される。ネットワーキング接続89は、例では、LAN接続、ヘルスレベル7接続、または別の専用の通信プロトコルであってもよい。
【0065】
システム8は、少なくともメーカの設計企業ネットワーク10および検査室またはサービスユーザの検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたホスト30を備える。例えば、ホスト30は、インターネットなどの広域通信ネットワーク7を介して、設計企業ネットワーク10および検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続される。いくつかの例によれば、設計企業ネットワーク10は、ホスト30を備える。ホスト30は、例えば、クラウド計算サービスとすることができる。ホスト30は、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14から構成オブジェクト63を受信する。
【0066】
システム8は、通信ネットワーク7を介して少なくともメーカの設計企業ネットワーク10および検査室またはサービスユーザの検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続された遠隔アクセスネットワーク40を備える。遠隔アクセスネットワーク40内に含まれる遠隔コンピュータ44は、例えば、ソフトウェアインスタンス144上の遠隔アクセスサーバの構成後に、ソフトウェアインスタンス144などの検査室企業ネットワーク140のノードに遠隔アクセスすることができる。
【0067】
いくつかの例では、遠隔コンピュータ44は、遠隔アクセスサーバがソフトウェアインスタンス144上に構成されると、ソフトウェアインスタンス144の遠隔サーバを介してIVDネットワーク20の構成要素(例えば、IVDネットワーク20の少なくとも1つのIVD機器20ana、20post、20pre、20trans)にアクセスすることができる。
【0068】
したがって、遠隔アクセスネットワーク40は、遠隔サービスエンジニアによって使用され、検査室企業ネットワーク140を遠隔で構成および/またはトラブルシューティングすることができる。いくつかの例では、遠隔アクセスネットワーク40は、設計企業ネットワーク10の制御においてメーカまたはサービスプロバイダによって運用される。いくつかの例では、遠隔アクセスネットワーク40は、第三者のコンサルタントまたは保守プロバイダによって運用される。
【0069】
いくつかの例では、遠隔アクセスネットワーク40は、設計企業ネットワーク10内の標準モジュールに基づくインストーラ66のアーカイブをさらに備える。これにより、フィールドサービスエンジニア59は、検査室企業ネットワーク140に配信された特定のソフトウェア構成を理解しモデル化することができる。
【0070】
システム8は、データストレージネットワーク160を備える。データストレージネットワーク160は、WANまたはLAN7を介して他のシステム8ノードに通信可能に接続される。データストレージネットワーク160は、一例では、クラウドストレージインスタンスであってもよい。データストレージネットワーク160は、ゲートウェイ162と、データストレージネットワーク160内で管理機能を実行するためのホストコンピュータ164と、データストア166とを備える。データストア166は、安全に保持された患者データ、臨床試験結果、過去のIVD検査室結果またはログファイルなどの広範囲のデータを備えてもよい。例えば、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、データストア166内の特定の患者の過去の患者データにアクセスするように構成されてもよい。患者からの過去の患者データは、例えば、IVDネットワーク内のソフトウェア分析器20swに送信され、例えば同じ患者からの分析結果と組み合わされる。
【0071】
システム8は、分析アルゴリズムホスト150を備える。分析アルゴリズムホストは、例では、クラウドインスタンスまたはサーバであってもよい。分析アルゴリズムホスト150は、ゲートウェイ152を介してWAN/LAN7と通信可能に接続されている。内部ネットワーク153は、分析計算インスタンス154をデータストア156に接続する。一例では、データストア156は、入力としてIVDネットワークのIVD機器20anaからの結果を、場合によっては他の入力、例えば、検査室企業ネットワーク140から(例えば、ソフトウェアインスタンス144から)および/またはデータストレージネットワーク160から受信したデータと一緒に使用する、1つまたは複数のソフトウェアアルゴリズムを備える。
【0072】
図3は、第5の態様によるシステムを用いた遠隔ソフトウェアのインストールの一例を概略的に示す。
【0073】
図3のワークフローに従って、エンジニア51は、特定のIVD検査室設計プロジェクトに対して自身を認証する。例えば、エンジニア51は、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14にログオンする。あるいは、エンジニア51は、クラウド設計サービスまたは単一の設計コンピュータによってホストされる特定のIVD検査室設計プロジェクトに対して自身を認証する。これらの場合、設計企業ネットワーク10は、クラウド設計サービスまたは単一の設計コンピュータであると考えられ得る。一実施形態では、検査室設計プロジェクトは、IVD検査室メーカまたは設計コンサルタントの認証ドメイン内からアクセス可能である。
【0074】
エンジニア51は、提案された、計画された、または既存の検査室企業ネットワーク内の少なくともソフトウェアインスタンス144の設計に基づいて、ソフトウェアインスタンス144のための適切な標準ソフトウェアインストール56と、ソフトウェアインスタンス144のための標準ソフトウェアインストールの後続の特殊な構成定義入力62とを決定し、特殊な構成は、通常、標準インストール後に適用される。エンジニア51は、標準ソフトウェアインストールの特殊な構成を構成定義入力62に取り込む。
【0075】
一例として、ソフトウェアインスタンス144上の標準インストールは、遠隔アクセスコンピュータ44がソフトウェアインスタンス144にアクセスするために必要な遠隔アクセス属性のない遠隔ネットワークサーバのブランクバージョンを含む。この場合、特殊な構成は、例えば、IVDネットワーク内からIVD結果を要求および/または受信するために遠隔アクセスコンピュータ44と通信するために、ソフトウェアインスタンス144がプロビジョニングされる必要があるログインおよびネットワーキング詳細などの遠隔アクセス属性である。しかしながら、ログインおよびネットワーキング詳細は、標準インストールでは空白である。
【0076】
プロビジョニングすると、遠隔ネットワーク40内のコンピュータのオペレータは、ソフトウェアインスタンス144にアクセスすることができる。
【0077】
別の例によれば、ソフトウェアインスタンス144への標準インストールは、ヘルスケア固有のソフトウェアインスタンス、例えば、IVDネットワークのIVD機器20anaからの結果を使用して医療アルゴリズムを実行するためのシステムのエッジコンポーネントを含む。
【0078】
エンジニア51は、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14を使用して、検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144の特定の要件を考慮に入れるように標準ソフトウェアインストール56を変更することができる構成オブジェクト63を作成する(50A)。
【0079】
エンジニア51は、検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144への展開が意図されて構成オブジェクト63への論理リンクを有する識別子52Aを生成する。エンジニア51は、通常、識別子52Aを自動的に、またはウェブポータルの部分的な支援を受けて生成する。一例によれば、識別子は、構成オブジェクト63が検査室企業ネットワーク140へのダウンロードために利用可能になるホスト30の特定の場所への暗号化されたリンクである。
【0080】
構成オブジェクト63は、検査室サイト設備に固有の構成データを含む。エンジニア51は、構成オブジェクト63をホスト30または他の永続ストレージに展開する。
【0081】
次いで、エンジニア51は、検査室企業ネットワーク140およびIVDネットワーク20をホストするサイトへの標準ソフトウェアインストールの転送50Cを取りまとめることができる。転送は、例えば、CD-ROM、DVD、USBキー、テープドライブなどのインストール媒体56を用いて行われてもよい。さらに、標準製品ドキュメント、および/またはインストールガイド54Aは、標準ソフトウェアインストールを含むインストール媒体56と共に転送され得る。もちろん、他の場合には、標準ソフトウェアインストールをホスト30からのダウンロードとして利用可能にすることもできる。
【0082】
エンジニア51はまた、検査室企業ネットワーク140およびIVDネットワーク20をホストするサイトへの識別子52Aの転送を取りまとめる。例えば、識別子52Aを、ウェブポータルで利用可能にすることができ、あるいは、インストール媒体56と共に平文または暗号化された印刷で転送することができる。
【0083】
検査室企業ネットワーク140およびIVDネットワーク20をホストするサイトで、検査室ITエンジニア57は、インストール媒体56および識別子52Aを受信する。検査室ITエンジニア57は、インストールガイド54Bに従い(50D)、インストールガイド57Aに従ってソフトウェアインスタンス144をホストする計算装置145にインストールソフトウェア57Bの標準バージョンをインストールする(50E)。ソフトウェアインスタンスは、例えば、特定のヘルスケア関連の目的に使用されるオペレーティングシステムまたは仮想化された計算インスタンスであってもよい。次いで、検査室ITエンジニア57は、構成識別子52Bを計算装置145またはソフトウェアインスタンス144のユーザインターフェースに入力する(50F)。一例では、検査室ITエンジニア57は、ホスト30によってホストされたウェブページに移動し、ホスト30にリンクされたウェブページ上のプロンプトに構成識別子52Bを入力する。あるいは、計算装置145のソフトウェア環境は、構成識別子52Bを要求し、構成識別子52Bをホスト30に通信することができる。
【0084】
それに応じて、ホスト30は、識別子52Bを受信する。ホスト30は、識別子52Bをチェックする。識別子52Bがホスト30に含まれる構成オブジェクト63に対応し、構成オブジェクト63が識別子52Bと論理的にリンクされている場合、ホストは、その構成オブジェクト63のコンテンツを検査室企業ネットワーク140、具体的にはソフトウェアインスタンス144に通信する(50G)。一例によれば、ソフトウェアインスタンス144は、ホストから構成オブジェクト63をダウンロードする。
【0085】
ソフトウェアインスタンス144の検査室ITエンジニア57によって実行される標準ソフトウェアインストールは、ホスト30からダウンロードされた構成オブジェクト63に従って構成される。
【0086】
さらなる例では、構成オブジェクト63に従ってソフトウェアインスタンス144に含められる遠隔ネットワーキングサーバの特定の構成に従って、ソフトウェアインスタンス144は、例えば、構成オブジェクト63に従って構成(例えば、通信リンクの確立を可能にする特定の遠隔アクセス属性)を使用することによって、遠隔ネットワーク40との永続的通信リンク50Hを確立する。フィールドサービスエンジニア59は、遠隔ネットワーク40の遠隔計算装置44上で自身を認証する(58)。フィールドサービスエンジニア59は、ソフトウェアインスタンス144の構成設定または動作環境にアクセスして、例えば、報告されたエラーに対処するために、または新しい機能をインストールするために、構成に追加の変更を加えることができる。一例では、ソフトウェアインスタンス144は、フィールドサービスエンジニア59が、ソフトウェアインスタンス144に通信可能に接続されたIVDネットワーク20(またはその構成要素)に遠隔アクセスすることを可能にする遠隔アクセスサーバである。これにより、フィールドサービスエンジニア59は、遠隔サイトからIVDネットワーク内で診断または構成アクションを実行することができる。一例では、構成識別子68は一度だけ使用可能である。
【0087】
一例では、構成識別子68はワンタイムパスワードとして実装される。一例では、識別子68は、時間制限付きパスワードとして実装される。
【0088】
したがって、構成識別子68の機能および目的の一例は、検査室企業ネットワーク140に含まれる少なくとも1つのソフトウェアインスタンス144への遠隔アクセス、および/またはIVDネットワーク20へのアクセスを可能にすることである。実施形態によれば、IVDネットワーク20に含まれるIVD機器への遠隔アクセスが可能である。これにより、例えば、IVD機器とのデータ交換、製品保守、および/または自動化が可能になる。
【0089】
一例では、検査室ITエンジニア57が構成識別子68を検査室企業ネットワーク140のユーザインターフェースに入力すると、フィールドサービスエンジニア59は、遠隔サービスプラットフォームを介して検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144および/または他のコンポーネントにアクセスすることができる。もちろん、これは一例であり、後述するように、他の製品またはオペレーティングシステム構成値が構成識別子68によって提供され得る。有益なことに、これにより、IVD検査室機器の遠隔構成および監視のために遠隔アクセスを確立することが可能になる。さらに、検査室ITエンジニア57にかかる構成負担を最小限に抑えて、IVD検査機器のクラウドベースのシステムまたは内部データソースにアクセスすることができる。構成識別子68のエントリは、信頼できる通信が確立され得るように、セキュリティキーおよび証明書の転送も可能にする。
【0090】
図3に示すソフトウェアインスタンスは、多くの機能を実行することができる。一実施形態では、ソフトウェアインスタンスはヘルスケア固有のソフトウェア製品である。ソフトウェアインスタンス144は、(a)1つもしくは複数のIVD検査室機器20pre、20ana、20post、20transを管理するためのソフトウェアもしくはミドルウェア、(b)(IVD)POCネットワークを管理するためのソフトウェアもしくはミドルウェア、(c)IVD検査室機器および/もしくは(IVD)POC機器のための予測保守ソフトウェア、(d)分析前段階および/もしくは検査室前段階の試料を監視するためのソフトウェア、(e)IVD検査室内の試料処理を監視するためのソフトウェア、(f)IVD検査室のデジタルインフラストラクチャを管理するためのソフトウェア、(g)(IVD)POCネットワーク、および/もしくは病院、(h)IVDデータバンク、(i)医療データデータストア、(j)EMRもしくはEHRシステム、(k)IVDデータ転送用のソフトウェア、(l)IVD検査室機器用の品質管理ソフトウェアもしくは(IVD)POC機器、(m)IVD検査室機器訓練ソフトウェア、(n)(IVD)POC機器訓練ソフトウェア、(o)IVD機器監視ソフトウェア、(p)IVD試料処理監視ソフトウェア、(q)IVD機器管理ソフトウェア、(r)IVD試料処理分析ソフトウェア、(s)IVD機器分析ソフトウェア、(t)医療画像処理ソフトウェア、(u)IVD検査室および/もしくは(v)POCネットワークのためのサイバーセキュリティソフトウェア、(w)医療アルゴリズム、IVD検査室を分析するためのアルゴリズムおよび/もしくは(v)POCネットワーク動作を含む、オペレーティングシステム、(w)ヘルスケア情報システム、例えば検査室情報システムLISもしくは病院情報システムHIS、のうちの1つのまたは任意の組合せを含む。ソフトウェアインスタンス144は、オペレーティングシステム、または少なくとも1つの仮想マシンを構成するハイパーバイザであってもよく、および/またはそれを含んでもよく、仮想マシンのオペレーティングシステムは、例えばヘルスケア専用(例えば、上記の例のうちの1つを実行/ホスティング/サポートする)に使用される。
【0091】
識別子および構成情報の生成
図4Aは、第1の態様によるコンピュータ実装方法を概略的に示す。
【0092】
例えば、第1の態様およびその関連する実施形態のコンピュータ実装方法は、第1のネットワーク内で動作するのに適している。第1のネットワークは、ジェネレータ計算インスタンス14(設計コンピュータ)を含む設計企業ネットワーク10である。手短に言えば、ジェネレータ計算インスタンス14は、検査室企業ネットワーク140にインストールされた、またはインストールされることが意図された少なくともソフトウェアインスタンス144の技術仕様を受信する。ソフトウェアインスタンス144が遠隔アクセスサーバであるか、または遠隔アクセスサーバを含む例では、技術仕様は、ソフトウェアインスタンス144によってホストされる遠隔アクセスサーバが遠隔アクセスを可能にするようにプログラムされるべき、ログインおよびネットワークアドレス属性を少なくとも含む。構成定義入力62は、ユーザインターフェースを介して技術仕様をジェネレータ計算インスタンス14に転送するための手段である。ログインおよびネットワークアドレス属性の場合、構成定義入力62は、例えば、英数字ログイン詳細およびネットワークアドレスを含む。
【0093】
ジェネレータ計算インスタンス14は、例えば、検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144の標準インストールをカスタマイズすることができる構成オブジェクト63を生成する。第1の態様によるコンピュータ実装方法はまた、検査室企業ネットワーク140を担当する検査室ITエンジニアがソフトウェアインスタンス144で提供される標準インストールソフトウェア上で構成オブジェクト63の実行をトリガできるようにする構成識別子68を生成する。例えば、構成オブジェクト63は、構成定義入力62を機械可読または解釈可能な形式に圧縮、符号化、または構文解析することによって提供され得る。一例によれば、構成オブジェクト63はJSON形式である。
【0094】
第1の態様によれば、検査室企業ネットワーク140に含まれるソフトウェアインスタンス144の遠隔構成を容易にするための設計企業ネットワーク10のコンピュータ実装方法110が提供され、検査室企業ネットワーク140は、インビトロ診断(IVD)ネットワーク20に通信可能に接続され、IVDネットワーク20は、少なくとも1つのIVD機器20pre、20ana、20post、20transを含み、コンピュータ実装方法は、
設計企業ネットワーク10に含まれるジェネレータ計算インスタンス14によって、ソフトウェアインスタンス144を構成するための構成定義入力62を取得すること112と、
設計企業ネットワーク10に含まれるジェネレータ計算インスタンス14によって、構成定義入力62に基づいて構成オブジェクト63を生成すること114であって、構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144の構成を定義するために検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144によって解釈可能なコンピュータ可読データを含む、構成オブジェクト63を生成すること114と、
設計企業ネットワーク10に含まれるジェネレータ計算インスタンス14によって、構成識別子68を生成すること116であって、構成識別子68が構成オブジェクト63に論理的にリンクされている67、構成識別子68を生成すること116と、
構成オブジェクト63をホスト30内に記憶すること118であって、ホスト30が設計企業ネットワーク10および検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されている、構成オブジェクト63をホスト30内に記憶すること118と
を含む。
【0095】
一実施形態では、設計企業ネットワーク10の計算装置は、検査室企業設計ネットワーク140の少なくとも1つの計算装置145のユーザに構成識別子68を出力するように構成される。
【0096】
実施形態では、設計企業ネットワーク10の計算装置は、検査室企業設計ネットワーク140の少なくとも1つの計算装置145のユーザに構成識別子68を出力するように構成される。構成識別子68は、例えば、CD-ROM、DVD、USBドライブなどに記憶される。
【0097】
識別子を用いた自動構成
図4Bは、第2の態様によるコンピュータ実装方法を概略的に示す。
【0098】
第2の態様およびその関連する実施形態によるコンピュータ実装方法は、少なくとも検査室企業ネットワーク140内で動作するのに適している。具体的には、第2の態様の方法は、検査室企業ネットワーク140の計算装置145によってホストされるソフトウェアインスタンス144によって実行されてもよい。第2の態様によるコンピュータ実装方法は、検査室企業ネットワーク140内の計算装置のユーザから構成識別子68を受信し、構成識別子68を使用して第1の態様に従って生成された構成オブジェクトをダウンロードして実行することによって、ソフトウェアインスタンス144の自動構成を可能にする。
【0099】
一実施形態によれば、コンピュータ実装方法120は、検査室企業ネットワーク140を構成する方法である。
第2の態様によれば、検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144の遠隔構成を容易にするためのコンピュータ実装方法120が提供され、検査室企業ネットワーク140は、インビトロ診断(IVD)ネットワーク20に通信可能に接続され、IVDネットワーク20は、少なくとも1つのインビトロ診断(IVD)機器20pre、20ana、20post、20transを含み、本方法は、
検査室企業ネットワーク140に含まれるソフトウェアインスタンス144によって、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14によって生成された構成識別子68を取得すること(122)と、
検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144によって、構成識別子68を、設計企業ネットワーク10および検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたホスト30に送信すること(124)と、
ホスト30から、構成識別子68に論理的にリンクされた構成オブジェクト63を受信すること126であって、構成オブジェクト63が、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144の構成を定義する検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144によって解釈可能なコンピュータ可読データを含み、構成オブジェクト63が、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144の構成を容易にするための構成データを定義する構成定義入力62に従って設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14によって生成されている、構成オブジェクト63を受信すること126と、
構成オブジェクト63のコンピュータ可読データに従って、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144を構成すること(128)と、
ソフトウェアインスタンス144を動作させること(130)と
を含む。
【0100】
例えば、ソフトウェアインスタンスは、構成オブジェクト63のコンピュータ可読データによる構成を使用して動作する。一例では、ソフトウェアインスタンス144を、構成定義入力に従って、および/またはコンピュータ可読データに含まれるログインデータおよびネットワークアドレス属性などの遠隔アクセス属性を使用して動作させる。
【0101】
ソフトウェアインスタンス144を動作させることは、IVDネットワーク20に含まれるIVD機器20anaからのメッセージング、データの要求、またはデータのダウンロードを含む。ソフトウェアインスタンス144を動作させることは、ソフトウェアインスタンス144へのアプリケーションインストールを開始、継続、または終了することを含む。ソフトウェアインスタンス144を動作させることは、IVDネットワーク20内のワークフローを起動、終了、または変更することを含む。ソフトウェアインスタンス144を動作させることは、少なくとも一つの遠隔アクセスコンピュータ40がソフトウェアインスタンス144にアクセスできるようにすることを含む。ソフトウェアインスタンス144を動作させることは、ソフトウェアインスタンス144に、分析アルゴリズムホスト150、データストレージネットワーク160、またはLANもしくはWAN接続を介してアクセス可能な別のインスタンスのうちの1つまたは複数にアクセスさせ、接続を確立させることを含む。
【0102】
一実施形態によれば、第2の態様120のコンピュータ実装方法は、検査室企業ネットワーク140および/またはソフトウェアインスタンス144を構成する方法である。
【0103】
図5は、システムのシステムモデルの一例を概略的に示す。
【0104】
図5のシステムモデル60は、いくつかの異なるモジュールおよびデータストアの相互作用を示しており、それらのすべてが後述する特定の実施形態にとって必須というわけではない。したがって、
図5に示されたすべての要素が存在することは必須ではない。
【0105】
設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14は、設計エンジニア51(ソフトウェアインテグレータなど)によって構成定義入力62として提供された検査室固有の構成から、構成識別子68に論理的にリンクされた構成オブジェクト63の生成を調整するように構成される。1つまたは複数のデータストア16は、検査室固有の構成定義入力62を生成する際に情報テンプレートを提供するために、ジェネレータ計算インスタンス14と通信可能に接続される。
【0106】
図5に示すシステムモデル60は、本明細書の技術を実施するために使用され得るシステムモデルの一例であるが、当業者であれば、提示されたものに対して多くの変形例があることを理解するであろう。
【0107】
一例では、設計企業ネットワーク10は構成インターフェース61を含む。例えば、構成インターフェース61は、構成コンピュータによってネイティブにホストされたウェブポータルまたはソフトウェアアプリケーションである。構成エンジニア51は、構成インターフェース61を使用して、例えば、設計または再構成されているIVDシステムまたはポイントオブケアシステムの全部または一部の構成定義入力62を生成する。構成定義入力62のサイズおよび複雑さは、構成エンジニア51が対話する設計の詳細に依存する。構成定義入力62は、標準インストールソフトウェア56が検査室企業ネットワーク140の計算装置145のソフトウェア環境144にインストールされた直後に、標準インストールソフトウェア56をどのように構成すべきかを定義する。あるいは、構成定義入力62は、標準インストールソフトウェア56に基づくソフトウェア環境144の以前に実行されたインストールへの部分的な変更を定義することができる。
【0108】
後で説明するように、1つの使用例は、遠隔アクセスコンピュータ44にアクセスできるフィールドサービスエンジニア59が検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144に遠隔アクセスしてさらなる遠隔構成を実行できるように、検査室企業ネットワーク140のソフトウェア環境144に遠隔アクセスクライアントをインストールすることである。
【0109】
一例では、インストール媒体56は、遠隔アクセスサーバの標準インストールファイルを含む。この例では、構成定義入力62は、遠隔ネットワーキング接続87を検査室企業ネットワーク140と遠隔ネットワーク40との間でインスタンス化することを可能にするために必要なログイン属性およびネットワークアドレス属性を含む。この場合、構成定義入力62は、例えば、
図9Aに示すようなウェブインターフェースを介してログインおよびネットワークアドレス属性を提供することによって生成され得る。
【0110】
図5のシステムモデル60に戻ると、設計企業ネットワーク10は、構成定義入力62に基づいて構成オブジェクト63を生成する(70)ように構成される。一例では、エンジニア51によって提供された構成定義入力62は、生成プロセス70の一部として、JSON、XML、またはYAMLデータオブジェクトに自動的に変換される。構成オブジェクト63は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144に含まれる構成マネージャ81によって読み取り可能であるようにコンパイルされる。例えば、ソフトウェアインスタンスがオペレーティングシステムである場合、構成マネージャ81は、構成オブジェクト63を解釈し、構成オブジェクト63のコンテンツをソフトウェアインスタンス44のアドレス指定された標準インストールプログラムに書き込むことができるパッケージマネージャであってもよい。後で説明するように、検査室企業ネットワーク140内の構成マネージャ81は、検査室企業ネットワーク140内の標準ソフトウェアインストールの変更を指示する。
【0111】
構成定義入力62の前、最中、または完了後に、エンジニア51は、構成インターフェース61によって、構成識別子68を提供するように促される。構成識別子68は、標準インストールが実行された後に検査室ITエンジニア57が検査室企業ネットワーク140の要素の自動構成を開始するために使用できる単純で覚えやすいコードであることが意図されている。構成インターフェース61は、構成識別子68と構成オブジェクト63とを接続する論理リンク67を確立する。例えば、論理リンク67は、データベースキーを使用することによって実施されてもよい。
【0112】
構成オブジェクト63は、完成すると、ホスト30にアップロードされ、構成オブジェクトのセット75に記憶される。構成識別子68もホスト30に転送され、構成オブジェクトのセット75の論理的にリンクされたフィールドに記憶される。
【0113】
他の例示的な使用例は、検査室情報システム5への標準ファームウェアのインストール、ならびに検査室機器20ana、20pre、20postおよび移送機構20transの構成に関する。この場合、構成オブジェクト63は実質的により複雑になる。本実施形態では、標準化されたソフトウェアが誤った優先順位で構成された場合にインストールの競合を防ぐために、構成オブジェクト63の個々のサブエンティティが検査室企業ネットワーク140で適用される順序を構成オブジェクト63で指定することができる。
【0114】
設計企業ネットワーク10は、標準モジュール71のレジスタを備える。IVDネットワーク20にインストールすることができる各製品について、標準インストールソフトウェアが標準モジュール71のレジスタに記憶され、または標準インストールソフトウェアの存在への参照が標準モジュール71のレジスタに記憶される。構成インターフェース61を使用してエンジニア51によって定義された検査室企業ネットワーク140の構成に応じて、ソフトウェア部品表(ソフトウェアBOM)が自動的に設計される。ソフトウェアBOMは、検査室企業ネットワーク140での使用またはインストールを意図したソフトウェア(またはファームウェア)の標準インストールを含んでもよい。ソフトウェアBOMは、自動生成後に任意にカスタマイズ可能である。
【0115】
一実施形態では、インストーラ66は、構成インターフェース61を介してエンジニア51によって提供されたソフトウェア構成に基づいてプロビジョニングされる。インストーラ66は、標準モジュール71のレジスタからの1つまたは複数のソフトウェアモジュールを含むことができる。例えば、複数の標準モジュールが標準モジュール71のレジスタからロードされ、DVDディスク56上に書き込まれてもよい。あるいは、複数の標準モジュールは、標準モジュール71のレジスタからUSBキーにロードされてもよい。別の変形例では、複数の標準モジュール71は、標準モジュール71のレジスタからホスト30にアップロードされてもよい。ホスト30は、標準インストールファイルをホスト34からダウンロードして第2のサブシステム20にインストールできるように、インストールミラーファイル74を備えることができる。したがって、標準モジュール71のレジスタにより、標準ソフトウェアモジュールのインストーラ66を、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144への配布および/またはインストールのために組み立てることが可能になる。
【0116】
いくつかの実施形態では、構成識別子68はインストーラ66に組み込まれる。例えば、検査室ITエンジニア57が標準ソフトウェアモジュールのインストールを完了すると、第2のサブシステム20の構成マネージャ81は自動的にホスト30に接続し、ホストからの構成オブジェクト63のダウンロードを要求し得る。
【0117】
構成識別子68に論理的にリンクされた構成オブジェクト63は、検査室企業ネットワーク140および/またはIVDネットワーク140内のソフトウェア、ファームウェア、および/またはミドルウェアの既存のセットの予測される部分的または完全な構成に関して設計企業ネットワーク10内で生成され得るため、インストーラ66のプロビジョニングおよび検査室企業ネットワーク20へのその通信は任意である。
【0118】
一実施形態によれば、設計企業ネットワーク10は、構成テンプレート69のセットを含むデータストアを備える。検査室企業ネットワーク140の設計の所与の要素について、エンジニア51は、構成定義入力のいくつかの態様が適切に標準化されることを確実にするために、構成インターフェース61を介して1つまたは複数の構成テンプレート69を取得することができる。
【0119】
少なくとも構成識別子68は、検査室企業ネットワーク140に提供される(83)。典型的には、構成識別子68は、電子通信ネットワークを少なくとも部分的に回避する通信チャネルによって検査室企業ネットワーク140に提供される(83)。一例では、通信識別子68は、検査室のITエンジニア57によって、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144をホストする計算装置145のユーザインターフェースに入力され得る。
【0120】
検査室企業ネットワーク140は、構成マネージャ81を備える。構成マネージャ81は、計算装置145、または検査室企業ネットワーク140の論理メンバである任意の他の計算装置内のソフトウェアモジュールとして提供され得る。構成マネージャ81は、構成マネージャ81が少なくともソフトウェアインスタンス144にアクセスし、それに対して構成変更を行うことを可能にするセキュリティ特権レベルを有する。例えば、構成マネージャ81は、検査室企業ネットワーク140の要素内で実行することができるソフトウェアまたはファームウェアの構成パラメータを含む初期化ファイル(.ini)または他のデータストレージ構造をレジストリファイル書き込むことができる。
【0121】
一実施形態では、構成マネージャ81は、インストーラ66に含まれる標準ソフトウェアコンポーネントのインストールを指示することができる。一実施形態では、構成マネージャ81は、検査室ITエンジニア57によってインストーラ66に含められた標準ソフトウェアコンポーネントのインストールを確認し、検査室企業ネットワーク140内でthe内の(within the)予期しないソフトウェア構成が検出された場合にエラーメッセージを返すことができる。
【0122】
検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、初期化またはブートストラップ処理を実行するように要求される場合がある。例えば、遠隔アクセスサーバをソフトウェアインスタンス144に標準的にインストールした後、遠隔アクセスサーバへの遠隔アクセスは、一連のステップが検査室企業ネットワーク140内で完了するまで不可能である。
【0123】
例えば、初期化モジュール82は、計算装置のキーボードレイアウトオプションの変更、計算装置によってホストされるソフトウェア環境内の時間帯領域または場所の変更、遠隔アクセスサーバをホストする計算装置145のホスト名の変更、DCHPまたは他のネットワーキング設定(第2のサブシステム内の計算装置のIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ、またはDNS設定など)の構成などの、構成ステップを完了するようにユーザを促すことができる。別の例として、NTP(Network Time Protocol)サーバのアドレスが初期化ステップとして提供される。
【0124】
標準的なソフトウェアインストールのカスタマイズを開始する一例として、構成マネージャ81は、構成識別子68について検査室のITエンジニアに(例えば、ソフトウェアインスタンス144をホストする計算装置145のグラフィカルユーザインターフェースを介して)プロンプトを出す。検査室のITエンジニアは、構成識別子68をプロンプトに入力する。代替形態では、構成識別子68はインストーラ66に組み込まれ、構成マネージャ81が、標準化された(カスタマイズされていない)ソフトウェアを検査室企業ネットワーク140の1つまたは複数の要素にインストールするときに識別子68を取得できるようにする。
【0125】
構成マネージャ81は、構成識別子68を用いてホスト30に問い合わせる(85)。ホスト30は、構成識別子68に論理的にリンクされた構成オブジェクト63について構成オブジェクト75のセットを検索する。ホスト30が構成識別子68に論理的にリンクされている構成オブジェクト63を見つけた場合、この構成オブジェクト63は、ホスト30から検査室企業ネットワーク140内に含まれる計算装置145にダウンロード86される。例えば、構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144をホストするように構成された計算装置145にダウンロードされてもよい。
【0126】
構成識別子68と構成オブジェクト63との間の論理リンクの例は、データベースキー、インデックスファイル、またはハッシュテーブルである。
【0127】
構成マネージャ81は、構成オブジェクト63を読み取るように構成される。通常、構成オブジェクト63を読み取ることは、.JSON、.XML、または.YAMLオブジェクトを構文解析することを含む。
【0128】
一例では、構成マネージャ81は、検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたIVDネットワーク20の複数のIVD機器20anaのうちのどれが、構成オブジェクト63のコンテンツに基づいて構成アクションを実行する必要があるかを識別する。
【0129】
一実施形態では、構成マネージャ81は、関連するIVD機器20anaのそれぞれと通信して、それらのファイルシステムが書き込み可能であることを保証するように構成される。一実施形態では、構成マネージャ81は、ソフトウェアインスタンス144、IVD機器20ana、ソフトウェア構成マネージャ81によって書き込まれるべき優先順位を識別する。
【0130】
次いで、構成マネージャ81は、構成オブジェクト63によって定義されるように、ソフトウェアインスタンス144、IVD機器20ana、ソフトウェアモジュール、またはファームウェアモジュール、検査室企業ネットワーク140ならびに/あるいはIVDネットワーク20に含まれるソフトウェアモジュールおよび/またはファームウェアモジュールに対する一連の書き込みアクションを実行し、一連の書き込みアクションの終わりまでに、検査室企業ネットワーク140および/またはIVDネットワーク20の装置、ソフトウェアモジュール、および/またはファームウェアモジュールが、エンジニア51によって提供された構成定義入力62で定義されるように、データがプロビジョニングされるようにする。一実施形態では、構成マネージャ81は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144をホストする計算装置145のグラフィカルユーザインターフェースを介して、構成プロセスが成功または失敗したことを検査室ITエンジニア57に報告する。
【0131】
一実施形態では、構成オブジェクト63は、遠隔アクセスサーバ80は、遠隔アクセスネットワーク40の遠隔アクセスクライアント79との遠隔ネットワーキング接続87を確立することができるように、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144内の、またはそれによって動作可能な遠隔アクセスサーバ80のカスタマイズを可能にする。より具体的には、遠隔アクセスネットワーク40は、検査室支援システムのITネットワークである。例えば、遠隔アクセスアプリケーション80は、「Axeda」サーバアプリケーション、またはXRDPサーバアプリケーションである。別の例では、遠隔アクセスアプリケーション80は、Windows Remote Desktop(TM)サーバである。
【0132】
構成定義入力
図6Aおよび
図6Bは、構成定義入力62の2つの変形例を概略的に示す。
【0133】
構成オブジェクト63によって定義された検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144に対する構成変更の範囲は、設計企業ネットワーク10を使用してITエンジニアによって提供された構成定義入力62の構造によって設定される。
【0134】
図6Aは、1つのソフトウェアモジュールの構成ファイル内の1つのフィールドを変更すること、例えばSSH通信クライアントのポート設定を変更することを含む、限定された構成定義入力62の一例を概略的に示す。
【0135】
図6Bは、検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたIVDネットワーク20内の分析マシンのネットワーク全体にわたる新しい分析ワークフローの自動インストールに必要なファイルを含む、より複雑な構成定義入力62の一例を概略的に示す。このような構成の変更は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144を使用して管理される、第2のサブシステム内のすべての装置(20pre、20post、20ana、20trans)に関連付けられた複数の構成ファイルの複数のフィールドの変更を必要とする。
【0136】
構成定義入力62は、例えば、設計企業ネットワーク10の構成インターフェース61を使用して生成される。一例では、構成定義入力62を生成することは、構成インターフェース61と設計エンジニア51との間の対話プロセスである。
【0137】
図11A~
図11Cを簡単に参照すると、これは、例えば、Axeda(商標)遠隔アクセスソフトウェアに関連する構成定義入力62の一部を生成するためのグラフィカルユーザインターフェースを示す。しかしながら、このようなインターフェースにより、広範囲のソフトウェア、ハードウェア、およびファームウェア構成のための構成定義入力62の生成が可能になる場合があり、本明細書の他の箇所で実施例について説明する。
【0138】
一例では、構成変更により、遠隔アクセスネットワーク40上で動作可能なフィールドサービスエンジニア59が、検査室企業ネットワーク140に含まれるソフトウェアインスタンス144に遠隔アクセスできるようになる。この場合、検査室企業ネットワーク140のゲートウェイ142のファイアウォール設定(例えば、許可されたポート番号の変更)、ならびに計算装置145および/またはソフトウェアインスタンス144のネットワーキング設定に対する比較的限定された変更を実行する必要がある。
【0139】
別の例では、フィールドサービスエンジニア59が検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144からファイルをアップロードおよびダウンロードできるようにするために、ソフトウェアインスタンス144の通信スタックの一部は、STFP(セキュアファイル転送プロトコル)を使用することがある。したがって、ソフトウェアインスタンス144は、実施形態では、STFPクライアントまたはサーバと、構成定義入力としてのSTFPパスワードの指定とを含む。この例では、検査室企業ネットワーク140の対応する標準インストール媒体は、STFPクライアントまたはサーバソフトウェアを含むことができ、構成定義入力62は、ネットワーキングアドレス、ログイン詳細、およびパスワードを含む。
【0140】
さらに、構成定義入力62は、ソフトウェアインスタンス144に通信可能にリンクされたデータストレージネットワーク160にアクセスするためのログイン詳細および/またはネットワーキング詳細などの遠隔アクセス属性を含むことができる。
【0141】
一実施形態では、構成オブジェクト63は構成定義入力(62)から生成され、JSONオブジェクトとしてフォーマットされる。JSON文字列は、例えばXMLなどの他のフォーマットよりもコンパクトであり、幅広いタイプのソフトウェアで読み取り可能である。JSON形式の構成オブジェクト(63)の例を以下に示す。
【0142】
上記のJSONオブジェクトは、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144内の3つのソフトウェアモジュールを構成することができるJSONオブジェクトの一例である。例えば、その標準インストール状態から構成されるソフトウェアインスタンス144の最初のソフトウェアモジュールは、「Axeda」遠隔アクセスアプリケーションを正しく初期化するために、動作中にソフトウェアシリアル番号、ソフトウェアモデルタイプ、および環境名を引数として提供する必要がある「Axeda」遠隔アクセスモジュールである。
【0143】
ソフトウェアインスタンス144の2番目の元々インストールされているソフトウェアモジュールは、SSHプロトコルを使用して検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144との間でファイル転送を可能にするために適切なパスワードでプロビジョニングされなければならない「SFTP」アプリケーションである。
【0144】
元々インストールされている3番目のモジュールは、遠隔データストレージネットワーク160にアクセスするための「クラスタ」アクセスモジュールである。JSON構成オブジェクト63は、例えば、ストレージクラスタへのソフトウェアインスタンス144のアクセスを可能にするためのパスワードを含む。
【0145】
一実施形態では、構成オブジェクト63はXMLオブジェクトとしてフォーマットされる。一実施形態では、構成オブジェクト63は、YAMLオブジェクトとしてフォーマットされる。一実施形態では、構成オブジェクト63は、.iniファイルとしてフォーマットされる。
【0146】
一実施形態では、構成オブジェクト63はコンピュータ実行可能命令を含み、コンピュータ実行可能命令が、ソフトウェアインスタンス144によって実行または解釈されると、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144へのオペレーティングシステムおよび/またはアプリケーションソフトウェアのインストールを指示する。
【0147】
本実施形態では、構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144への標準ソフトウェア56のインストール中に使用されるフォルダ位置およびファイル名を与えるプリミティブを含む。メーカは、ソフトウェアインスタンス144への標準ソフトウェア56のインストール中にフォルダおよびファイル名ターゲットの命名について特定の規約を有することがある。検査室のITエンジニアがこのようなフォルダおよびファイル名のターゲットを決定できるようにすると、その後、遠隔サービスエンジニアが遠隔保守を実行しようとするときに、予想されるフォルダおよびファイル名のターゲットを識別することが困難になり得る。したがって、構成識別子68を使用して容易に参照可能な方法で、構成オブジェクト63を使用してインストール場所のフォルダおよびファイル名を標準化することにより、遠隔保守を容易にすることができる。
【0148】
一実施形態では、構成オブジェクト63はコンピュータ実行可能または解釈可能命令を含み、コンピュータ実行可能または解釈可能命令が実行されると、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144上のオペレーティングシステム、仮想マシン、ハイパーバイザ、および/またはアプリケーションソフトウェアの再構成を指示する。
【0149】
一実施形態では、構成オブジェクト63はコンピュータ実行可能命令を含み、コンピュータ実行可能命令が、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144によってホストされるハイパーバイザによって実行されると、ハイパーバイザによってホストされる仮想マシンをインスタンス化し、仮想マシンは、オペレーティングシステムおよび/またはアプリケーションソフトウェアを含む。例えば、ソフトウェアインスタンス144がDebian(商標)Linux(商標)オペレーティングシステムをホストする場合、構成オブジェクト63は、KVM(Kernel Virtual Machine)ハイパーバイザ仮想化サーバを初期化するためのコマンドを含んでもよい。次に、標準ソフトウェア56は、構成オブジェクト63に含まれるコマンドを使用して実装および構成され得る少なくとも1つの仮想マシンを備えてもよい。
【0150】
一実施形態では、構成オブジェクト63は、遠隔アクセスアプリケーション80がインストールされている検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144に遠隔計算装置44がアクセスすることを可能にする、遠隔アクセスアプリケーション80用のインストーラ66の構成設定を含む。
【0151】
特に、構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144内に配置された遠隔アクセスアプリケーション80の遠隔アクセス属性を含む。遠隔アクセス属性は、例えば、遠隔アクセスアプリケーション80のログインおよび/またはネットワークアドレス属性である。遠隔アクセス属性は、例えば、遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44のユーザが検査室企業ネットワーク40のソフトウェアインスタンス144を制御することを可能にする。一例では、遠隔アクセス属性は、IVDネットワークアクセス属性(例えば、IVDネットワークログインおよび/もしくはネットワークアドレス属性、または独自のIVDネットワークプロトコルログイン情報)をさらに含み、遠隔計算装置44のユーザが、遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44からIVDネットワーク20内の要素を構成することを可能にする。
【0152】
例えば、遠隔アクセスアプリケーション80のインストーラ66は、Axeda(商標)、またはXRDPサーバ、またはMicrosoft(商標)RDPサーバをインストールするように構成されてもよく、遠隔エンジニアが遠隔ネットワークからソフトウェアインスタンス144にグラフィカルにログインして操作することを可能にする。
【0153】
一実施形態では、構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144が、少なくとも1つのIVD機器20pre、20ana、20post、20transを含む少なくとも1つのIVDネットワーク20に接続することを可能にする設定を含む。したがって、フィールドサービスエンジニア59は、1つのIVDネットワーク20の遠隔計算装置44から1つのIVDネットワーク20に含まれるハードウェアインスタンス、ソフトウェアインスタンス、またはファームウェアインスタンスにアクセスすることができる。
【0154】
一実施形態では、構成オブジェクト63は、少なくとも1つの暗号化キーおよび/または少なくとも1つのセキュリティ証明書を含む。本実施形態によれば、提供された構成識別子68のみを使用して、ソフトウェアインスタンス144に、セキュリティの標準を改善するためのデータ要素を自動的にププロビジョニングすることができる。例えば、少なくとも1つのメーカ固有の暗号化キーおよび/またはセキュリティ証明書は、検査室のITエンジニアの積極的な関与なしに、標準ソフトウェア56を搭載する媒体上でメーカ固有の暗号化キーおよび/またはセキュリティ証明書を転送する必要なしに、ソフトウェアインスタンス144に自動的にプロビジョニングされ得る。
【0155】
実施形態によれば、構成定義入力62および/またはコンピュータ可読データは、以下の項目のうちの1つまたは複数、または任意の組合せの遠隔アクセス属性を含む。(i)遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44と、(ii)検査室企業ネットワーク140に含まれるさらなるソフトウェアインスタンス146と、(iii)分析アルゴリズムホスト150と、(iv)遠隔データストレージネットワーク160と、(v)IVDネットワーク20によってホストされるIVD検査室ソフトウェアインスタンス24と、(vi)IVD検査室分析機器20anaと、(vii)IVD検査室分析前機器20preと、(viii)IVD移送機器20transと、(ix)IVD検査室分析後機器20postと、(x)IVDネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンスと、(xi)(IVD)POCネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンスと、(xii)(IVD)POC分析器と、(xiii)IVD分析ネットワークによってホストされ、少なくとも1つのIVD分析機器からデータを取得するように構成されたデジタル分析ソフトウェアインスタンスであって、IVD分析結果を出力するように構成された、デジタル分析ソフトウェアインスタンスと、(xiv)IVD在庫管理ソリューションと、(xv)IVD品質管理インスタンスと、(xvi)IVD結果検証インスタンスと、である。
【0156】
実施形態によれば、構成定義入力62および/またはコンピュータ可読データは、ソフトウェアインスタンス144に関連して、以下のリスト、すなわち、マスターパスワード、管理ユーザアカウント識別子、管理アカウントパスワード、組織名、サイト名、サイト記述、ロケールコード、国コード、ロケール日時フォーマット、ロケール時間フォーマットの項目のうちの1つのまたは任意の組合せを含む。
【0157】
実施形態によれば、構成定義入力62および/またはコンピュータ可読データは、ソフトウェアインスタンス144に関連して、デフォルトの管理者電子メールアドレス、管理者ドメイン名、またはライセンスサーバアドレスを含む。
【0158】
一実施形態によれば、IVDネットワーク20は、列挙された項目(i)~(xvi)のうちの1つ、または任意の組合せを含む。
【0159】
構成入力定義62および構成オブジェクト63の生成は、限定されたソフトウェアプログラムまたはミドルウェアプログラム(例えば、遠隔アクセスプログラム)のセットに関連して説明されているが、検査室またはポイントオブケアネットワークに存在するソフトウェア、ミドルウェア、またはファームウェアの実質的に任意の構成可能な態様は、ホスト30から構成オブジェクト63をダウンロードするための構成識別子68の使用に従って自動的に構成され得ることが当業者には理解されよう。
【0160】
図7は、構成オブジェクトを生成し配信する際のシステムにおけるシグナリングの一例を概略的に示す。
図7において、
図5の同様の要素は、同様の参照番号で示されている。
【0161】
インストーラ
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144は、インストーラ66を実行するように構成されたコンピュータ実行可能命令を取得するように構成される。インストーラ66は、検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144のソフトウェア環境を部分的に構成するように構成される。インストール後、検査室企業ネットワーク144のソフトウェア環境144は、構成オブジェクト63に従って構成される。
【0162】
一例では、インストーラ66は、ソフトウェアインスタンス144上にインストールまたは更新されることが意図されたプログラムまたはプログラム一式に関連付けられたライブラリ、ドキュメント、および実行可能ファイルを含むDebianパッケージ(またはアーカイブファイル)である。一例として、ソフトウェアインスタンス144の構成マネージャ81は、インストーラ66内に含まれるファイルを、例えば、Debianオペレーティングシステムのターゲットディレクトリにバイナリに解凍することができるパッケージマネージャを実行することができる。一例では、インストーラ66は、設計企業ネットワーク10内の構成インターフェース61を使用して定義可能な1つまたは複数の標準モジュール71から構成される。
【0163】
一実施形態では、ソフトウェアインスタンス144の構成マネージャ81が構成識別子68を受信すると、構成マネージャ81は、インストーラ66に含まれる1つまたは複数のパッケージのインストールを開始し、構成オブジェクト63の機械可読命令に従ってそれらのパッケージを構成することができる。
【0164】
別の例では、インストーラ66は、ライブラリ、ドキュメント、および実行可能ファイルを含まない。代わりに、インストーラ66は、関連するソフトウェアを検査室企業ネットワーク144内の構成マネージャ81によってダウンロードされ得るFTP位置(例えば)への参照を含んでもよい。これにより、ソフトウェアインスタンス144のインストールを、大量のデータ(例えば、ライブラリ、ドキュメンテーション、および実行可能ファイルを含む)を転送する必要なく、設計企業ネットワーク10において完全に定義および構成することができる。一実施形態では、検査室企業ネットワーク144の構成マネージャ81が構成識別子68を受信すると、構成マネージャ81は、インストーラ66によって参照される1つまたは複数のパッケージのダウンロードを開始し、構成オブジェクト63の機械可読命令に従ってそれらのパッケージを構成することができる。
【0165】
一実施形態によれば、インストーラ66は、検査室企業ネットワーク144の外部の遠隔計算装置44が検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144上で遠隔アクセスセッションを実行することを可能にする遠隔アクセスアプリケーション80をインストールするように構成される。
【0166】
例えば、遠隔アクセスアプリケーション80は、「Axeda」サーバアプリケーション、またはXRDPサーバアプリケーションである。別の例では、遠隔アクセスアプリケーション80は、Windows Remote Desktop(TM)サーバである。本実施形態では、識別子68によって、検査室ITエンジニア57が、構成オブジェクト63に従って検査室企業ネットワーク144の1つまたは複数のソフトウェアインスタンス144上に遠隔アクセスアプリケーション80を自動的に構成することが可能になる。実施形態では、遠隔アクセスネットワーク40はまた、構成オブジェクト63のミラーを含む。したがって、遠隔アクセスアプリケーション80が構成オブジェクト63に従って構成されると、フィールドサービスエンジニア59は、遠隔アクセスネットワーク40に基づく遠隔アクセスクライアント79を使用して、検査室企業ネットワーク144および/またはIVDネットワーク20上でさらなる遠隔構成操作を実行することができる。
【0167】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144は、ソフトウェア環境144の初期化情報を取得するように構成される。初期化情報は、例えば、検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144の時間帯、ネットワーク設定、ユーザ資格情報、または暗号化構成のうちの1つ、または任意の組合せを含む。
【0168】
いくつかの例では、構成オブジェクト63の定義によるソフトウェアの構成は、ソフトウェアインスタンス144の初期使用からは不可能である。例えば、新しいIT機器は、キーボードのタイプおよびシステム時間などの基本的なパラメータの定義を欠いている可能性がある。この場合、検査室ITエンジニア57は、初期化モジュール82を介して基本的な初期化情報を提供する。初期化モジュール82は、例えば、ウィザードであってもよく、または例えば、IVD検査室ソフトウェアインスタンス24によって実行される初期化ファイル内にあってもよい。検査室ITエンジニア57によって提供された初期化情報によって、ソフトウェアインスタンス144のソフトウェア環境またはオペレーティングシステムが、インストーラ66を実行することができる時点までブートストラップすることが可能になり、および/または識別子68を、検査室ITエンジニア57によってIVD検査室ソフトウェアインスタンス24のユーザインターフェースに入力することができる。
【0169】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク144のソフトウェアインスタンス144はハイパーバイザを含み、構成オブジェクト63は、ハイパーバイザによってホストされる仮想マシンをインスタンス化または構成するように構成され、仮想マシンは、オペレーティングシステムおよび/またはアプリケーションソフトウェアを含む。
【0170】
Debianソフトウェア環境の例では、KVM(Kernel Virtual Machine)は、ハイパーバイザとして動作するLinuxカーネル用の仮想化モジュールの一例である。例では、インストーラ66は、ハイパーバイザによってソフトウェアインスタンス144上にマウントされると特定の機能を実行する.ISOイメージを含むことができる。例えば、いくつかの異なる数値解析モジュールを、対応する仮想マシンのセット内に含めることができる。IVD検査室の作業負荷が変化するにつれて、異なる数またはタイプの数値解析モジュールをソフトウェアインスタンス144に実装することができる。IVD検査室ワークフローの様々な段階に必要な仮想マシンの特定のシーケンスおよび数は、例えば、構成オブジェクト63内の情報によって部分的に定義され得る。
【0171】
したがって、IVD検査室を異なる検査ワークフローに再割当てする必要がある場合、第1サブシステムの設計エンジニアは、更新されたエンティティ定義62を介して、新しいタスクの要件を満たす数値解析を実行するのに必要な仮想マシンの再構成を指定することができる。一例として、識別子68が検査室のITエンジニア57に提供されと、更新された構成オブジェクト63が検査室企業ネットワーク140内の構成マネージャ81によってダウンロードされ、ソフトウェアインスタンス144によって使用されて、ソフトウェアインスタンス144にマウントされた仮想マシンの一式を更新する。
【0172】
一実施形態によれば、インストーラ66を検査室企業ネットワーク144で受信すると、検査室ITエンジニア57、または構成マネージャ81の自動プロセスは、インストーラ66のファイルに対してチェックサムを実行して、ファイルの完全性を検証し得る。
【0173】
図9Aおよび
図9Bは、第5の態様によるシステムを使用して遠隔ソフトウェアをインストールするためのグラフィカルユーザインターフェースを概略的に示す。
【0174】
検査室企業ネットワーク144内のソフトウェアインスタンス144に接続されたユーザインターフェースによって表示され得るランディングページ90は、ユーザが構成識別子68(「LaunchCode」)を入力するオプションを選択することを可能にするボタン92を含む。ボタン92を作動させると、構成識別子68(「LaunchCode」)を入力するようにユーザを促すダイアログボックス94が提示される。構成識別子68の入力に続いて、自動構成が、例えば構成マネージャ81によって実行される。
【0175】
タイムスタンプ
図11Bは、例えば、起動コードおよび/または構成オブジェクト63の有効期限日時を設定するための設計企業ネットワーク10の構成インターフェースによって提示され得るグラフィカルユーザインターフェースの一例を示す。
【0176】
一実施形態によれば、本方法は、構成オブジェクト63を生成する際に、構成オブジェクト63がホスト30および/または少なくともソフトウェアインスタンス144から削除されるべき時間を定義する第1の時間基準TAを構成オブジェクト63に組み込むことを含む。
【0177】
例えば、エンジニア51は、構成オブジェクト63によって定義されたカスタマイズされたインストールが古くなり、削除されるべき時間を定義することができる。あるいは、第1の時間基準TAを、ポリシーの一部として自動的に含めることができる。第1の時間基準TAは、構成定義入力62から構成オブジェクト63を生成する際に、構成オブジェクト63に含められる。
【0178】
したがって、ホスト30は、永続的削除プロセス72を含む。永続的削除プロセス72は、ホスト30の構成オブジェクト63のセットに記憶された各構成オブジェクト75を監視する。永続的削除プロセス72が、第1の時間基準TAを有するがシステムの時間基準(例えば、ホスト30のローカル時間)よりも古い構成オブジェクト63を検出した場合、永続的削除プロセス72は、構成オブジェクト63を削除し、任意に、検査室企業ネットワーク140内の構成マネージャ81にメッセージを送信し、設計企業ネットワーク10内の構成インターフェース61に、期限切れの構成オブジェクト63の削除を通知するメッセージを送信する。この場合、構成オブジェクト63が削除される時刻は、メーカのエンジニア50の管理下にある。したがって、潜在的に機密性の高い構成設定は、ホスト30に永続的に残されない。
【0179】
一実施形態では、構成識別子68は第1の時間基準を含む。
【0180】
この例では、検査室ITエンジニア57は、構成オブジェクト63を使用したインストールプロセスを完了すべき時間、および第1の時間基準TAによって制限される時間を明確に識別することができる。例えば、第1の時間基準TAは、DD-MM-YYYY-00:00フォーマットの日付および24時間の時間を含む。したがって、第1の時間基準TAは、構成識別子68に接尾辞、接頭辞、またはその他の様態で含まれる。
【0181】
一実施形態によれば、本方法は、構成オブジェクト63を生成する際に、構成オブジェクト63が生成された時間を定義する第2の時間基準TBを構成オブジェクト63に組み込むことを含む。
【0182】
この変形例によれば、検査室ITエンジニアは、識別子68を入力し、第2の時間基準TBを含む構成オブジェクト63をダウンロードする(86)。例えば、第2の時間基準TBは、構成オブジェクト63が生成された時間を示すDD-MM-YYYY-00:00フォーマットの日付および24時間の時間を含む。構成マネージャ81は、第2の時間基準TBを読み取る。一実施形態では、構成マネージャ81は、過去に生成されすぎた構成オブジェクトを拒否し、より最近に生成された構成オブジェクトを許可するポリシーを適用することができる。利点は、標準的なインストール媒体が既に利用可能であるにもかかわらず、旧式のソフトウェア構成を検査室企業ネットワーク140またはIVDネットワーク20にインストールするリスクが低減されることである。
【0183】
一実施形態では、構成識別子68は第2の時間基準TAを含む。
【0184】
この例では、検査室のITエンジニア57は、識別子68から、構成オブジェクト63が生成された時刻を明確に識別することができる。例えば、第2の時間基準TBは、DD-MM-YYYY-00:00フォーマットのグレオリオ暦の日付および24時間の時間を含む。したがって、第2の時間基準TBは、構成識別子68に接尾辞、接頭辞、またはその他の様態で含まれる。
【0185】
起動コードのインストーラへの組み込み
一実施形態によれば、識別子68はインストーラ66に組み込まれる。
【0186】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144にソフトウェア環境をインストールする際に、識別子68がインストーラ66内で検出される。
【0187】
一実施形態によれば、識別子68がインストーラ66内で検出された後、ソフトウェアインスタンス144、または検査室企業ネットワーク140内に含まれる別の計算装置は、識別子68をホスト30に通信し、したがって構成オブジェクト63のダウンロードをトリガする。
【0188】
この例によれば、インストーラ66を形成するために組み合わされた複数のモジュール71に識別子68を組み込むことが有益な場合がある。例えば、構成識別子68を含む追加の.iniファイルが、インストーラ66を含むパッケージの1つまたは複数のセットに付加される。これは、構成識別子68を検査室ITエンジニア57に通信する別個のステップを省略することができ、代わりに検査室ITエンジニア57は、インストーラ66を形成するパッケージのリスト内で構成識別子68を探すことを意味する。一実施形態では、検査室企業ネットワーク140のネットワーク内の構成マネージャ81、または検査室企業ネットワーク140内の別の計算装置は、インストーラ66内の構成識別子68を検出し、ホスト30と通信して構成オブジェクト63を自動的に取得するように構成される。
【0189】
構成が正常に完了すると、構成マネージャ81または検査室企業ネットワーク140内の別の要素は、ホスト30にメッセージを送信して、検査室企業ネットワーク140を構成するために使用される構成オブジェクト63を削除またはアーカイブすることを要求することができる。
【0190】
別の変形例では、構成識別子68は、検査室企業ネットワーク140からホスト30に提供される。構成オブジェクトのセット75が構成識別子68によって参照される構成オブジェクト63を含む場合、選択された構成オブジェクト63は、検査室企業ネットワーク140に通信される。この変形例によれば、ホスト30は、構成オブジェクト63を第2のサブシステム20に通信した直後に、識別子68によって参照される構成オブジェクト63を削除する。言い換えれば、ホスト30は、構成オブジェクト63による構成が成功したという第2のサブシステムからの肯定的な確認を待つことなく、構成オブジェクト63を削除する。検査室企業ネットワーク140を構成する際にエラーが発生した場合、検査室ITエンジニア57は、設計企業ネットワーク10から、構成オブジェクトの重複セットに関する新しい識別子を要求しなければならない。
【0191】
認証
一実施形態では、構成オブジェクト63は、保護されたデータを含む。
【0192】
一実施形態によれば、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14は、ジェネレータ計算インスタンス14において、設計企業ネットワーク10を信頼されたネットワークとして一意に識別するチャレンジデータを生成し、設計企業ネットワーク10および/またはホスト30にチャレンジデータを記憶し、チャレンジデータを構成オブジェクト63に組み込んで、検査室企業ネットワーク140における構成オブジェクト63の認証を可能にするように構成される。したがって、検査室企業ネットワーク140は、ホスト30からダウンロードされた構成データ63の項目が、信頼できないインスタンスではなく、メーカの設計企業ネットワークによって生成されたことを検証することができる。
【0193】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、
構成オブジェクト63から、チャレンジデータを抽出することと、
抽出されたチャレンジデータを設計企業ネットワーク10に送信することと、
抽出されたチャレンジデータを、構成オブジェクト63を生成するために使用された設計企業ネットワーク10内の元のチャレンジデータと比較することであって、元のチャレンジデータが設計企業ネットワーク10を信頼されたネットワークとして一意に識別する、抽出されたチャレンジデータを、構成オブジェクト63を生成するために使用された設計企業ネットワーク10内の元のチャレンジデータと比較することと、
抽出されたチャレンジデータと元のチャレンジデータとの比較に基づいて、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144において、検査室企業ネットワーク140で受信された構成オブジェクト63が設計企業ネットワーク10によって生成されたことの認証確認を受信することと
を含む。
【0194】
検査室企業ネットワーク140の認証インスタンス88Aは、設計企業ネットワーク10から受信したチャレンジデータを処理するように構成される。
【0195】
例えば、設計企業ネットワーク10の認証インスタンス64Cは、要求に応じてジェネレータ計算インスタンス14にチャレンジデータを提供するように構成される。チャレンジデータは、例えば暗号ベースである。例えば、チャレンジデータは、SCRAM、OATH、またはCHAPチャレンジ応答アルゴリズムに基づいて生成される。
【0196】
図8は、ブレース250における認証シグナリングの例を示す。この例では、ソフトウェアインスタンス144は、チャレンジデータを含む構成オブジェクト63を受信する。ソフトウェアインスタンス144は、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14にチャレンジデータを送信する。設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14は、チャレンジデータを構成オブジェクトの元の認証チャレンジと比較する。比較は成功し、ジェネレータ計算インスタンス14は確認応答をソフトウェアインスタンス144にシグナリングする。これにより、ソフトウェアインスタンス144は、構成オブジェクト63の命令を適用し続けることができる。一例によれば、チャレンジデータはデジタル署名である。
【0197】
暗号化
一実施形態によれば、前述の請求項のいずれか一項に記載のジェネレータ計算インスタンス14のコンピュータ実装方法110が提供され、本方法は、
構成オブジェクト63を暗号化することであって、構成オブジェクト63を暗号化するために使用される暗号化キーが構成識別子68またはユーザ指定のキーのいずれかである、構成オブジェクト63を暗号化することをさらに含む。
【0198】
一実施形態によれば、ジェネレータ計算インスタンス14のコンピュータ実装方法110が提供され、本方法は、
ソフトウェアインスタンス144において、構成オブジェクト63を復号するためのキーを取得することであって、キーは構成識別子68またはユーザ指定のキーのいずれかである、構成オブジェクト63を復号するためのキーを取得することと、
構成識別子68によって以前に暗号化された構成オブジェクト63、またはユーザ指定のキーを復号することと
を含む。
【0199】
ソフトウェアインスタンス144の一実施形態によれば、コンピュータ実装方法が提供され、本方法は、
ソフトウェアインスタンス144において、構成オブジェクト63を復号するためのキーを取得することであって、キーは構成識別子68またはユーザ指定のキーのいずれかである、構成オブジェクト63を復号するためのキーを取得することと、
構成識別子68によって以前に暗号化された構成オブジェクト63、またはユーザ指定のキーを復号することと
を含む。
【0200】
暗号化および復号化は、例えば、対称性または非対称暗号化に基づいてもよい。キーは、128ビット以下、256ビット以下、1024ビット以下、または2048ビット以下の長さを有してもよい。
【0201】
構成オブジェクト63は、ソフトウェアインスタンス144および/またはIVDネットワーク20内の複数の分析器のログイン詳細およびネットワークアドレスなどのセキュリティ上重要なデータを記憶することができる。上記で詳述した暗号化手法により、構成オブジェクト63に含まれるセキュリティ上重要なデータを保護することができる。これにより、ホスト30、ならびに設計企業ネットワーク10、ホスト30、および検査室企業ネットワーク140を接続するネットワークのセキュリティ要件が緩和され、構成オブジェクト63は公衆LANまたはWANネットワーク上で送信され得る。
【0202】
構成識別子
図11Cは、代替的に「起動コード」と命名された構成識別子68の一例を示す。これは、検査室のITエンジニア57に転送するために、構成プロセスの終了時にエンジニア51に提供される構成識別子68の一例である。
【0203】
一実施形態では、構成識別子68は、数字、ASCII、または英数字コード、視覚コード、印刷された識別子、電子メール、SMSメッセージ、または所定の電話番号でアクセス可能なボイスメールメッセージのうちのいずれかである。構成識別子68としては、ホスト30の構成オブジェクトストア75に記憶された構成オブジェクト63を一意に識別可能な任意のフォーマットを用いることができる。いくつかの例では、構成識別子68は、少なくとも4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、または52個の英数字またはASCII文字を含んでもよい。短いコードは個人にとって覚えやすいが、長いコードほどセキュリティが向上する。
【0204】
一実施形態では、構成識別子68により、構成オブジェクト63をインストーラ66と比較してより高いレベルのセキュリティで通信することが可能になる。
【0205】
一実施形態では、構成識別子68は、REST APIを使用して設計企業ネットワーク10からホスト30に送信される。
【0206】
一実施形態では、構成識別子68は、複数の一意のコードを含む複合識別子である。複雑なインストールプロセスでは、検査室のITエンジニアがインストール構成要素のステージングに対して何らかの制御を行うことを可能にすることが有利である場合がある。したがって、インストールは、複数の構成オブジェクト63によって定義され得て、各構成オブジェクト63は、対応する一意の構成識別子68に関連する。
【0207】
検査室のITエンジニアには、優先度順に複数の構成識別子68のリストが提供されてもよい。検査室のITエンジニアは、インストール媒体56を使用してソフトウェアインスタンス144に標準インストールを実行した後、優先度順に複数の識別子68を入力し得る。ソフトウェアインスタンス144が、最初の構成識別子68の使用によって構成が成功したというフィードバックを提供すると、検査室のITエンジニアは、次の構成識別子68に、システム構成の次の段階に進むように促してもよい。次の構成識別子68の入力の結果、構成ステップが失敗した場合、検査室のITエンジニアは、失敗した構成ステップに遠隔で対処するためにフィールドサービスエンジニア59に連絡することができる。
【0208】
一実施形態では、第1の構成識別子68は、検査室企業ネットワーク140内のソフトウェアインスタンス144の構成を定義する第1の構成オブジェクト63に論理的にリンクされている。第2の構成識別子68は、インビトロ診断(IVD)ネットワーク20に含まれる少なくとも1つのIVD機器20pre、20ana、20post、20transの構成を定義する第2の構成オブジェクト68に論理的にリンクされている。したがって、検査室のITエンジニアは、ソフトウェアの更新を様々なネットワークに適用するタイミングをある程度段階的に制御することができるが、細かい構成は依然として遠隔エンジニアが行ってもよい。
【0209】
インストール後の構成オブジェクトの削除
一実施形態によれば、設計企業ネットワーク10は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144から、構成オブジェクト63がホスト30から削除および/またはアーカイブされるという要求を受信するように構成され、要求を受信すると、メッセージが設計企業ネットワーク20からホスト30に送信され、ホスト30に、ホスト30内の構成オブジェクト63のセットから構成オブジェクト75を削除および/またはアーカイブさせる。
【0210】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、構成オブジェクト63が正常に展開されたことを確認するように構成される。少なくとも1つの構成オブジェクト63が正常に展開された場合、構成オブジェクト63がホスト30から削除および/またはアーカイブされることを要求するメッセージが、ソフトウェアインスタンス144から設計企業ネットワーク10内のジェネレータ計算インスタンス14および/またはホスト30に送信される。
【0211】
一実施形態によれば、設計企業ネットワーク10において、ホスト30を介して、構成オブジェクト63が検査室企業ネットワーク140にダウンロードされたことを検出すると、メッセージが設計企業ネットワーク10からホスト30に送信され、ホスト30に、ホスト内の構成オブジェクト63のセットから構成オブジェクト75を削除させる。
【0212】
一実施形態によれば、ホスト30は、構成オブジェクト63が検査室企業ネットワーク140にダウンロードされたことを検出し、構成オブジェクト63をホスト30から削除する。
【0213】
いくつかの例では、構成オブジェクト63がもはや必要でなくなった場合、構成オブジェクト63をホスト30から除去することが有益である。例えば、元の構成定義入力62および/または構成オブジェクト63は、設計企業ネットワーク10内で依然として利用可能である場合がある。構成オブジェクト63を必要以上に長くホスト30に公開することは、起動コードを取得した当事者によって、構成オブジェクト63の意図しないダウンロードが行われる可能性が生じる可能性がある。
【0214】
したがって、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、例えば、構成オブジェクト63によって構成されたアプリケーション(遠隔ネットワーキングツールなど)に関連するソフトウェアインスタンス144のメモリ位置にわたってハッシュを実行することによって、構成オブジェクト63が正常に展開されたことを検出することができる。あるいは、構成マネージャ81は、構成オブジェクト63によって要求される構成アクションのログファイル、および構成オブジェクト63によって要求される各アクションの成功または失敗を維持するように構成されてもよい。
【0215】
遠隔アクセス
図9Bは、第5の態様によるシステムを使用する遠隔ソフトウェアインストールのためのグラフィカルユーザインターフェースを概略的に示す図。特に、
図9Bには、構成識別子68(「LaunchCode」)を入力するようにユーザを促すダイアログボックス94が提示されている。
【0216】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144は、インストーラ66を実行するように構成されたコンピュータ可読命令を取得する。インストーラ66は、検査室企業ネットワーク140の計算装置145にソフトウェアインスタンス144をインストールするように構成される。ソフトウェアインスタンス144のインストール後、ユーザは構成識別子68を提供するように促される。例えば、構成オブジェクト63は、構成識別子68に基づいてホスト30からダウンロードされる。次いで、ソフトウェアインスタンス144は、構成オブジェクト63に従って構成される。
【0217】
一実施形態によれば、インストーラ66は、検査室企業ネットワーク140の外部の遠隔計算装置44が検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144上で遠隔アクセスセッションを実行することを可能にする遠隔アクセスアプリケーション80をインストールするように構成され、および/または
構成オブジェクト63は、遠隔計算装置44の遠隔アクセス属性を含む。
【0218】
一実施形態によれば、ソフトウェアインスタンス144は、
構成オブジェクト63に含まれる遠隔計算装置44の遠隔アクセス属性に基づいて、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144と、遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44との間の遠隔ネットワーク接続を確立することと、ソフトウェアインスタンス144において、遠隔計算装置44から少なくとも1つの遠隔ネットワーキングコマンドを受信することと、遠隔アクセスネットワーク40の遠隔計算装置44によって発せられたコマンドに基づいてソフトウェアインスタンス144を動作させることと、を実行する。
【0219】
例えば、遠隔ネットワーキングサーバ80は、ソフトウェアインスタンス144、またはIVDネットワーク20のIVD検査室ソフトウェアインスタンス24などの計算装置上にインストールされてもよい。例えば、遠隔アクセスアプリケーション80は、「Axeda」サーバアプリケーション、またはXRDPサーバアプリケーションである。別の例では、遠隔アクセスアプリケーション80は、Windows Remote Desktop(TM)サーバである。
【0220】
遠隔ネットワーキングサーバ80の標準バージョンは、最初に、検査室企業ネットワーク140に自動的にインストールされる。次いで、遠隔フィールドサービスエンジニア59は、遠隔計算装置44から検査室企業ネットワーク144の1つまたは複数のソフトウェアインスタンス144にアクセスすることができる。
【0221】
一実施形態によれば、遠隔計算装置44は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144に含まれる遠隔アクセスアプリケーション80を介して、IVD機器20pre、20ana、20post、20transなどのIVDネットワークの少なくとも1つのノードにアクセスすることができる。
【0222】
これは、診断、トラブルシューティング、または他のソフトウェア構成を実行するために、フィールドサービスエンジニア59がIVD検査室のサイトに出向く必要がないことを意味する。
【0223】
一実施形態によれば、構成オブジェクト63は、以下のうちの1つ、または(a)から(p)の任意の組合せの遠隔アクセス属性を含むコンピュータ可読データを含む。(a)遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44、(b)検査室企業ネットワーク140に含まれるさらなるソフトウェアインスタンス146、(c)分析アルゴリズムホスト150、(d)遠隔データストレージネットワーク160、(e)IVDネットワーク20によってホストされるIVD検査室ソフトウェアインスタンス24、(f)IVD検査室分析機器20ana、(g)IVD検査室分析前機器20pre、(h)IVD移送機器20trans、(i)IVD検査室分析後機器20post、(j)IVD検査室ネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、(k)(IVD)POCネットワークを管理するためのミドルウェアインスタンス、(l)(IVD)POC分析器、(m)IVD分析ネットワークによってホストされ、少なくとも1つのIVD分析機器からデータを取得するように構成されたデジタル分析ソフトウェアインスタンスであって、IVD分析結果を出力するように構成された、デジタル分析ソフトウェアインスタンス、(n)IVD在庫管理ソリューション、(o)IVD品質管理インスタンス、および(p)IVD結果検証インスタンスである。例えば、遠隔アクセス属性は、(a)から(p)のいずれか1つのログイン属性および/またはネットワークアドレス属性である。
【0224】
一実施形態によれば、コンピュータ実装方法は、
構成オブジェクト63に含まれる対応するコンピュータ可読データ、例えば遠隔アクセス属性を使用して、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144と、さらなるインスタンス(a)から(p)のうちの1つのまたは任意の組合せとの間のネットワーク接続を確立することと、
ソフトウェアインスタンス144および/または遠隔アクセスネットワーク40の遠隔計算装置44を介して、さらなるインスタンス(a)から(p)のうちの1つ、または任意の組合せの間で、データを交換することと
をさらに含む。
【0225】
図8は、遠隔アクセスセッションを確立するためのシグナリングを示す。ブレース210において、ソフトウェアインスタンス144は、構成オブジェクト63を遠隔アクセスネットワーク40に通信する。構成オブジェクト63は、例えば、ソフトウェアインスタンス144の遠隔アクセスインスタンスのログインおよびネットワーキング詳細を含んでもよい。遠隔アクセスネットワーク40は、ソフトウェアインスタンス144への遠隔ネットワーク接続を確立する。
【0226】
また、
図8のブレース220には、210において遠隔ネットワーク接続が確立された後、遠隔アクセスネットワーク40がIVDネットワーク20のIVD機器20anaにアクセスする例が示されている。例えば、遠隔アクセスネットワークに含まれる計算装置のオペレータは、210において確立されたソフトウェアインスタンス144への遠隔接続を利用して、検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたIVDネットワーク20内に含まれるIVD機器20anaにアクセスすることができる。いくつかの例では、遠隔アクセスネットワークに含まれる計算装置のオペレータは、例えば、IVD機器20anaの不適合を診断するために、IVD機器20anaから情報を読み取ることに限定される。他の例では、遠隔アクセスネットワークに含まれる計算装置のオペレータは、遠隔アクセスネットワークからIVD機器20anaを構成してもよい。
【0227】
ブレース230は、データストアからデータを要求するソフトウェアインスタンス144を示す。
【0228】
ブレース240は、クラウドソフトウェア分析器のホストに対する構成情報を検知するソフトウェアインスタンス240を示す。
【0229】
構成入力定義変更後の更新
一実施形態によれば、方法110は、設計企業ネットワーク10のジェネレータ計算インスタンス14によって、構成入力定義62を変更することと、ジェネレータ計算インスタンス14によって、変更された構成入力定義62に従って構成オブジェクト63を更新することと、ホスト30内の構成オブジェクト63を更新することと、構成オブジェクト63がジェネレータ計算インスタンス14によって変更されたことを報告するために、検査室企業ネットワークのソフトウェアインスタンス144にメッセージングすることと、をさらに含む。
【0230】
一実施形態によれば、方法120は、設計企業ネットワーク10および検査室企業ネットワーク140に通信可能に接続されたホスト30内の構成識別子68に対応する構成オブジェクト63が、設計企業ネットワーク10のコンピュータによって変更されたことを検出することと、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンスに含まれる構成オブジェクト63を、変更された構成オブジェクトで再プロビジョニングすることと、をさらに含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、構成オブジェクト63によって指定された構成は1回限りのプロセスであり、入力された新しい構成識別子68ごとに新しい構成オブジェクト63が必要であることを意味する。
【0232】
他の実施形態では、構成識別子68を第2のサブシステムの計算装置に入力し、ホスト30から構成オブジェクト63を取得することは、検査室企業ネットワーク140とホスト30および/または設計企業ネットワーク10の設計機能との間の永続的な関係を確立すると見なされ得る。例えば、設計ITエンジニア51が、バグを解決するために、または「ゼロデイ」セキュリティ問題に対処するためにわずかな設計変更を行うと、設計ITエンジニア51は、例えば、検査室企業ネットワーク140、または接続されたIVDネットワーク20の所与のソフトウェアインスタンス144に関連する構成入力定義62を修正することができる。
【0233】
図5を簡単に参照すると、設計企業ネットワーク10は、アップデータモジュール64Bを備える。ホスト73は、アップデータモジュール73を備える。
【0234】
したがって、設計企業ネットワーク10内のアップデータ65は、構成入力定義62が更新されたことを検出することができる。構成入力定義62にリンクされた構成オブジェクト63の再生成に続いて、再生成された構成オブジェクト63は、ホスト30内の構成オブジェクト75のセットにプッシュされる。設計企業ネットワーク10のアップデータモジュール64Bはまた、第2のサブシステムに関連する更新された構成がホストで利用可能であることをアナウンスするために、検査室企業ネットワーク140に含まれるソフトウェアインスタンス144の構成マネージャ81にメッセージを送ってもよい。
【0235】
検査室ITエンジニア57は、例えば、再生成された構成オブジェクト63を検査室企業ネットワーク140にいつ適用するかを選択し得る。あるいは、構成マネージャ81の自動化されたロジックは、再生成された構成オブジェクト63を検査室企業ネットワーク140に自動的に適用することが安全である時間を決定することができる。例えば、構成マネージャ81が、構成オブジェクト63が検査室企業ネットワーク140にリンクされたIVDネットワーク20の稼働中のIVD機器の再構成を必要としていることを識別した場合、構成マネージャ81は、IVDネットワーク20の稼働中のIVD機器20anaによって分析検査が実行されている過程にある場合には、再生成された構成オブジェクト63を第2のサブシステム20に自動的に適用しない。
【0236】
一実施形態によれば、構成入力定義62の変更により、新しい構成識別子68と論理的にリンクされた新しい構成オブジェクト63が生成される。新しい構成識別子68は、合意された通信チャネルを介して検査室ITエンジニア57に通信され、例えば、検査室企業ネットワーク140の少なくとも1つのソフトウェアインスタンス144の再構成を可能にする。
【0237】
図8は、ソフトウェアインスタンス144と、IVDネットワーク20の複数の機器との間のシグナリングを例示する。
【0238】
図10Aは、第3の態様によるジェネレータ計算装置を示す。
【0239】
第3の態様によれば、通信インターフェース102aと、メモリ104aと、プロセッサ106aとを備えるジェネレータ計算装置14、100aが提供され、プロセッサ106aは、第1の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法110を実行するように構成されている。
【0240】
例えば、第1の態様によるジェネレータ計算装置は、パーソナルコンピュータ(PC)、設計企業ネットワーク10内に含まれる企業コンピュータ、またはクラウド設計インスタンスへのアクセスを提供する企業コンピュータである。クラウド設計インスタンスは、例えば、構成定義入力62を受信し、対応する構成オブジェクトをホスト30にアップロードするように構成される。
【0241】
ジェネレータ計算装置14、100aは、ユーザが構成定義入力62を定義することができるように、モニタ、コンピュータマウス、およびコンピュータキーボードなどのユーザインターフェースをさらに備える。
【0242】
【0243】
第4の態様によれば、通信インターフェース102bと、メモリ104bと、プロセッサ106bとを備える計算装置145、100bが提供される。プロセッサ106bは、第2の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
【0244】
例えば、第4の態様による計算装置145、100bは、パーソナルコンピュータ(PC)、ベアメタルサーバ、検査室企業ネットワーク140内に含まれる企業コンピュータ、またはクラウドインスタンスへのアクセスを提供する企業コンピュータである。クラウドインスタンスは、例えば、検査室企業ネットワーク140を管理するように構成されている。
【0245】
通信インターフェースは、WANまたはLANアダプタのうちの1つまたは複数を備えてもよい。さらに、通信インターフェースは、IVDネットワーク20の少なくとも1つのIVD機器と通信するように構成されたユニットを備えてもよい。例えば、ユニットは、ヘルスレベル7(HL7)プロトコルを利用することができる通信アダプタを備えてもよい。
【0246】
計算装置145、100bは、ユーザが構成識別子68を入力することができるように、モニタ、コンピュータマウス、およびコンピュータキーボードなどのユーザインターフェースをさらに備える。さらに、ユーザインターフェースは、例えば、構成識別子68を用紙からスキャンすることができるように、カメラを備えてもよい。
【0247】
第5の態様によれば、システムが提供される。
【0248】
システム8は、設計企業ネットワーク10を含み、設計企業ネットワーク10は、ゲートウェイ12と、ゲートウェイ12に通信可能に接続されたジェネレータ計算インスタンス14とを含み、ジェネレータ計算インスタンス14は、第1の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法110を実行するように構成されている。
【0249】
システム8は、検査室企業ネットワーク140をさらに備え、検査室企業ネットワーク140は、ゲートウェイ142と、ゲートウェイに通信可能に接続された計算装置145とを備え、計算装置145は、検査室企業ネットワーク140のゲートウェイ142に通信可能に接続されたソフトウェアインスタンス144をホストするように構成されている。ソフトウェアインスタンス144は、第2の態様またはその実施形態によるコンピュータ実装方法120を実行するように構成されている。検査室企業ネットワーク140は、IVDネットワーク20に通信可能に接続され、IVDネットワーク20は、例えば、POC装置などの少なくともIVD分析器(20ana)またはPOC装置を含む、IVD機器20pre、20ana、20post、20trans、およびIVDネットワークゲートウェイ22(これは、例えば、IVD機器の一部であってもよい)を備える。
【0250】
システム8は、ホスト30をさらに備える。ホスト30は、ホストゲートウェイ32と、ホストネットワーク31を介してホストゲートウェイに通信可能に接続されたデータストア34とを備え、システムは、設計企業ネットワーク10、検査室企業ネットワーク140、ホスト30を通信可能に接続するように構成された通信ネットワーク7をさらに備え、IVDネットワーク20は、IVD機器20pre、20ana、20post、20trans、例えば、IVD検査室分析機器またはPOC装置などのIVD分析器(20ana)を含む。
【0251】
通信ネットワーク7は、例えば、イーサネットネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはインターネットなどの通信ネットワーク7を介して提供されるローカルエリアネットワークLANの1つまたは複数を備えてもよい。通信ネットワークは、3G、4G、または5Gシステムなどのモバイル通信ネットワーク、および/または病院PACSネットワークを備えてもよい。
【0252】
任意に、通信ネットワーク7は、病院または医療施設の内部通信システムとインターフェースする。内部通信システムは、例えば、イントラネットであると考えられてもよい。セキュリティおよび機密性を確保するために、内部通信システムと通信ネットワーク7との間に、当業者に知られているファイアウォールおよび他のセキュリティ手段が配置されてもよい。
【0253】
一実施形態では、ソフトウェアインスタンス145をホストするように構成された検査室企業ネットワーク140の計算装置145は、医療分析器、医療分析器のネットワークを動作させるように構成されたミドルウェアをホストするIVDネットワーク20のIVD検査室ソフトウェアインスタンス24、ならびび/あるいは検査室もしくは医療分析ソフトウェア、IVD分析器、検査室情報システム、および/または病院情報システムを実行するように構成されたIVDネットワーク20のコンピュータ、のうちの1つまたは複数に遠隔アクセスして構成するように構成されている。
【0254】
一実施形態によれば、設計企業ネットワーク10は、メーカシステム構成施設のコンピュータネットワークである。
【0255】
一実施形態によれば、検査室企業ネットワーク140は、分析検査室、病院、またはポイントオブケア装置ネットワークのコンピュータネットワークである。
【0256】
一実施形態によれば、遠隔ネットワーク40は、遠隔エンジニアリング保守施設のコンピュータネットワークである。
【0257】
一例では、通信ネットワーク7は、WANおよび/またはLANである。一例では、IVDネットワークゲートウェイ22は、「ヘルスレベル7」(HL7)フォーマットなどの分析機器と通信するための特殊なフォーマットを使用してIVDネットワーク20と通信するように構成されている。
【0258】
一実施形態によれば、システム8は、遠隔アクセスネットワーク40をさらに備え、遠隔アクセスネットワークは、通信ネットワーク7に通信可能に接続された遠隔ゲートウェイ42を備える。システム8は、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144と通信するように構成された遠隔計算装置44をさらに備える。遠隔アクセスネットワーク40の遠隔計算装置44は、構成オブジェクト63に含まれる遠隔計算装置44の遠隔アクセス属性に基づいて、検査室企業ネットワーク140のソフトウェアインスタンス144と、遠隔アクセスネットワーク40に含まれる遠隔計算装置44との間の遠隔ネットワーク接続を確立するように構成され、
遠隔アクセスネットワーク40の遠隔計算装置44によって発せられたコマンドに基づいてソフトウェアインスタンス144を動作させるように構成されている。
【0259】
第7の態様によれば、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム要素であって、コンピュータ可読命令が、コンピュータによって実行されると、第5の態様またはその実施形態の方法を実行する、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0260】
第8の態様によれば、第7の態様によるコンピュータプログラム要素を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0261】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる実施形態のうちの1つまたは複数において本開示による方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアに記憶されてもよい。他の例では、コンピュータプログラムはクラウドベースのコンピュータプログラムとすることができる。したがって、具体的には、本明細書に開示される方法ステップの1つ、2つ以上、またはさらにはすべては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって実行され得る。
【0262】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に含まれる実施形態のうちの1つまたは複数において本開示による方法を実行するための、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品がさらに開示される。具体的には、プログラムコードは、コンピュータ可読データキャリアに記憶されてもよい。
【0263】
コンピュータまたはコンピュータネットワークに、例えばコンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリもしくはメインメモリにロードした後、本明細書に開示された実施形態のうちの1つまたは複数による方法を実行し得る、データ構造が記憶されたデータキャリアがさらに開示される。
【0264】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に開示された実施形態のうちの1つまたは複数による方法を実行するために、プログラムコードが機械可読キャリア上に記憶されたコンピュータプログラム製品がさらに開示される。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配信されてもよい。
【0265】
本明細書に開示された実施形態のうちの1つまたは複数による方法を実行するための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号がさらに開示される。
【0266】
データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つによる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造がさらに開示される。
【0267】
前述の説明、または添付の特許請求の範囲、または図面に開示された特徴は、装置の特徴として、または開示された機能を実行するための手段に関して、または方法もしくはプロセスステップに関して記載されているかどうかにかかわらず、本発明を提供するために別々に、または任意の組合せで使用されてもよい。本発明を本明細書の実施形態に関して説明してきたが、当業者は、本開示に基づいて多くの同等の修正および変形を提供することができるであろう。したがって、上記で開示された例示的な実施形態は、例示の目的のためのものであり、限定するものではない。本明細書に記載された実施形態に対する変更は、本発明の趣旨および範囲を変更することなく提供され得る。本明細書に導入されたパラグラフの見出しは、記載された主題を限定することを意図しない。本明細書および添付の特許請求の範囲において、「備える(comprise)」および「含む(include)」という用語およびそれらの変形は、記載された特徴、または特徴のステップもしくはグループを含むことを意味するが、他の特徴を除外することを意味しないと理解されるべきである。
【外国語明細書】