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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128984
(43)【公開日】2024-09-25
(54)【発明の名称】磁気浮上モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/09 20060101AFI20240917BHJP
   F16C 32/04 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
H02K7/09
F16C32/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038185
(22)【出願日】2023-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】518332505
【氏名又は名称】王明正
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】王明正
【テーマコード(参考)】
3J102
5H607
【Fターム(参考)】
3J102AA01
3J102BA03
3J102BA17
3J102CA04
3J102CA28
3J102DA03
3J102DA09
3J102GA13
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB25
5H607CC01
5H607GG01
5H607GG02
5H607GG19
(57)【要約】
【課題】運転過程において発生する摩擦抵抗を大幅に減少することにより、モーターの動力出力効率を大幅に高めることができる、磁気浮上モーターの提供。
【解決手段】本発明の磁気浮上モーターは、ハウジング内に設置された主軸を備え、当該主軸の上端と下端がそれぞれ磁気浮上支持座体により浮上状態で支持され、かつ当該主軸の側面方向が複数の磁気浮上軸受により支持され、当該主軸にさらにモーター回転子とするフェライトコアが設置され、かつ当該ハウジング内部に当該フェライトコアに対応するコイルと鉄環がモーターの固定子として設置され、本発明は磁気浮上方式で当該主軸を支持し、当該主軸の回動の抵抗を最低に抑えることで、高い動力出力効率を実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気浮上モーターであって、ハウジングと、下磁気浮上支持座体と、上磁気浮上支持座体と、複数の磁気浮上軸受と、主軸と、フェライトコアと、モーター固定子と、を含み、
前記ハウジングが、内部空間を備え、
前記下磁気浮上支持座体が、前記内部空間の底面に設置され、
前記上磁気浮上支持座体が、前記内部空間の頂面に設置され、
前記複数の磁気浮上軸受が、前記内部空間内で垂直方向に沿って前記上磁気浮上支持座体と前記下磁気浮上支持座体の間の異なる高さ位置に対応して設置され、
前記主軸が、前記内部空間内の前記複数の磁気浮上軸受に垂直に配置され、かつ前記主軸の上端と下端が、前記上磁気浮上支持座体と前記下磁気浮上支持座体にそれぞれ連接され、前記主軸の上端が前記ハウジングの外部に延伸され、
前記フェライトコアが、前記主軸に設置され、前記モーターの回転子とされ、
前記モーター固定子が、前記ハウジングの内側側面に設置され、コイルと鉄環を組み合わせて構成され、前記鉄環が前記フェライトコアに対向される、
ことを特徴とする、磁気浮上モーター。
【請求項2】
前記下磁気浮上支持座体が、下固定盤と、下回転盤を含み、
前記下固定盤が、前記ハウジングの前記内部空間の底面に固定され、前記下固定盤の上面に第1磁石が配置され、
前記下回転盤が、前記主軸の下端に固定され、前記下回転盤の下面に第2磁石が配置され、
前記上磁気浮上支持座体が、上固定盤と、上回転盤を含み、
前記上固定盤が、前記ハウジングの前記内部空間の頂面に固定され、前記上固定盤の下面に前記第1磁石が配置され、
前記上回転盤が、前記主軸に固定され、前記上回転盤の上面に前記第2磁石が配置され、
そのうち、前記第1磁石と前記第2磁石が同じ磁性を有し、前記上回転盤と前記上固定盤の間及び前記下回転盤と前記下固定盤の間が、前記第1磁石と前記第2磁石の相互反発により接触しない、
ことを特徴とする、請求項1に記載の、磁気浮上モーター。
【請求項3】
前記複数の磁気浮上軸受が、それぞれ回転子と固定子を含み、
前記回転子が、前記主軸の外囲に沿って配置された複数の第4磁石であり、
前記固定子が、シリンダー体であり、その内円周に沿って複数の第3磁石が配置され、前記固定子が前記ハウジングに固定され、前記複数の第3磁石により前記複数の第4磁石が包囲され、
そのうち、前記第3磁石と前記第4磁石が同じ磁性を有し、前記主軸と前記固定子間が前記第3磁石と前記第4磁石の相互に反発により接触しない、
ことを特徴とする、請求項2に記載の、磁気浮上モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転過程において発生する摩擦抵抗を大幅に減少することにより、モーターの動力出力効率を大幅に高めることができる、磁気浮上モーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なモーターは、回転子と固定子を含み、回転子は回転可能な部分、固定子は固定されて動かない部分で、周囲の磁場を提供する。モーターの原理は発電機の原理と非常に相似しており、概説すると、発電機は水力、火力あるいはその他の力で磁場中の導線(回転子)を回動させることにより、導線に起電力(電圧)を発生させ、モーターは外部から電源を提供して回転子または固定子に通電することで、磁力の相互作用を発生させ、主軸を回動させる。
【0003】
従来のモーターに配置される主軸はいずれも軸受でハウジングに連接されるが、一般的な軸受は潤滑油を用いて摩擦抵抗力を低減しているものの、やはり一定程度の摩擦力が存在し、モーターの動力出力効率を高めることを困難にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、運転過程において発生する摩擦抵抗を大幅に減少することにより、モーターの動力出力効率を大幅に高めることができる、磁気浮上モーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下本発明について説明する。請求項1に記載する磁気浮上モーターは、内部空間を備えたハウジングと、当該内部空間の底面に設置された下磁気浮上支持座体と、当該内部空間の頂面に設置された上磁気浮上支持座体と、当該内部空間内の垂直方向に沿って当該上磁気浮上支持座体と当該下磁気浮上支持座体の間の異なる高さ位置に対応して設置された複数の磁気浮上軸受と、当該内部空間内の当該複数の磁気浮上軸受に垂直に配置された主軸と、当該主軸に設置され、当該モーターの回転子とするフェライトコアと、当該ハウジングの内側側面に設置されたモーター固定子と、を含み、当該主軸の上端と下端がそれぞれ当該上磁気浮上支持座体と当該下磁気浮上支持座体に連接され、当該主軸の上端が当該ハウジングの外部に延伸され、当該モーター固定子がコイルと鉄環を組み合わせて構成され、当該鉄環が当該フェライトコアに対向する。本発明の磁気浮上モーターによれば、当該主軸が磁気浮上支持座体と磁気浮上軸受の支持により非接触状態に維持され、当該主軸の回転時に完全沒有摩擦抵抗力が全くなく、動力出力効率を高めることができる。
【0006】
請求項2に記載する磁気浮上モーターは、請求項1における下磁気浮上支持座体が、下固定盤と、下回転盤を含み、当該下固定盤が当該ハウジングの当該内部空間の底面に固定され、当該下固定盤の上面に第1磁石が配置され、当該下回転盤が当該主軸の下端に固定され、当該下回転盤の下面に第2磁石が配置され、当該上磁気浮上支持座体が、上固定盤と、上回転盤を含み、当該上固定盤が当該ハウジングの当該内部空間の頂面に固定され、当該上固定盤の下面に当該第1磁石が配置され、当該上回転盤が当該主軸に固定され、当該上回転盤の上面に当該第2磁石が配置され、そのうち、当該第1磁石と当該第2磁石が同じ磁性を有し、当該上回転盤と当該上固定盤間、及び当該下回転盤と当該下固定盤間が、当該第1磁石と当該第2磁石の相互反発により接触しない。
【0007】
請求項3に記載する磁気浮上モーターは、請求項2における複数の磁気浮上軸受がそれぞれ回転子と固定子を含み、当該回転子が当該主軸の外囲に沿って配置された複数の第4磁石であり、当該固定子がシリンダー体であり、その内円周に沿って複数の第3磁石が配置され、当該固定子が当該ハウジングに固定され、当該複数の第3磁石により当該複数の第4磁石を包囲させ、そのうち、当該第3磁石と当該第4磁石が同じ磁性を有し、当該主軸と当該固定子間が当該第3磁石と当該第4磁石の相互に反発により接触しない。当該磁気浮上軸受と当該上磁気浮上支持座体及び当該下磁気浮上支持座体により、当該主軸を完全に浮上した状態で駆動させ、摩擦抵抗力を完全になくすことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の磁気浮上モーターは、主軸の上端と下端が当該ハウジング内部の上端に設置された当該上磁気浮上支持座体と、当該ハウジング内部の下端に設置された当該下磁気浮上支持座体により支持され、当該主軸の側面において提供される相互反発の磁力により当該主軸が支持されるため、当該主軸が駆動されて回転するときに完全に浮上した状態となり、摩擦抵抗力がなく、当該主軸の回転速度をより高め、持続時間をより長くし、動力出力効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の磁気浮上モーターの実施例の平面断面図である。
図2図1のII-II線での平面断面図である。
図3図1のIII-III線での平面断面図である。
図4図1のIV-IV線での平面断面図である。
図5図1のV-V線での平面断面図である。
図6図1のVI-VI線での平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、本発明の磁気浮上モーター1の実施例は、内部空間を備えたハウジング10を含み、当該内部空間の頂面と底面にそれぞれ上磁気浮上支持座体16と下磁気浮上支持座体12が設置され、当該内部空間内の垂直方向に沿って異なる高さ位置にそれぞれ同じ構造の第1磁気浮上軸受13と第2磁気浮上軸受15が設置される。そのうち、図1図2に示すように、当該上磁気浮上支持座体16は、第1磁石16Aが配置された上固定盤161と、第2磁石16Bが配置された上回転盤162より構成され、当該上固定盤161が当該ハウジング10内部の頂面に固定され、当該上回転盤162が当該ハウジング10内に配置された主軸11に固定され、当該第1磁石16Aと当該第2磁石16Bが相互に接触せずに対向され、かつ当該第1磁石16Aと当該第2磁石16Bは磁性が同じである。また、図1図6に示すように、当該下磁気浮上支持座体12は第1磁石12Aが配置された下固定盤121と、第2磁石12Bが配置された下回転盤122より構成され、当該下固定盤121が当該ハウジング10内部の底面に固定され、当該下回転盤122が当該主軸11の下端に固定され、当該第1磁石12Aと当該第2磁石12Bが相互に接触せずに対向され、かつ当該第1磁石12Aと当該第2磁石12Bは磁性が同じである。
【0011】
本発明は、当該主軸11の異なる位置に当該第1磁気浮上軸受13と設置第2磁気浮上軸受15がそれぞれ設置される。図1図3に示すように、当該第1磁気浮上軸受13は、第1固定子131と第1回転子で構成され、かつ当該主軸11の上方に設置される。当該第1固定子131はシリンダー体であり、その内円周に沿って複数の第3磁石13Aが配置される。当該第1固定子131は当該ハウジング10に固定され、当該第1回転子はそれ自体が複数の第4磁石13Bより構成され、当該複数の第4磁石13Bは当該主軸11の外円周に沿って配置され、かつ当該複数の第3磁石13Aにより当該複数の第4磁石13Bが包囲される。そのうち、当該第3磁石13Aと当該第4磁石13Bの磁性が同じであるため、当該第1固定子131に設置された当該第3磁石13Aが、当該主軸11に設置された当該第4磁石13Bを包囲した後、その相互の反発力により側面方向上で当該主軸11を支持することができる。同様に、図1図5に示すように、当該第2磁気浮上軸受15は第2固定子151と、第2回転子で構成され、当該主軸11の下方に設置される。当該第2固定子151はシリンダー体であり、その内円周に沿って複数の第3磁石15Aが配置される。当該第2固定子151は当該ハウジング10に固定される。当該第2回転子はそれ自体が複数の第4磁石15Bより構成され、当該複数の第4磁石15Bは当該主軸11の外円周に沿って配置され、かつ当該複数の第3磁石15Aにより当該複数の第4磁石15Bが包囲される。そのうち、当該第3磁石15Aと当該第4磁石15Bの磁性が同じであるため、当該第2固定子151に設置された当該第3磁石15Aが当該主軸11に設置された当該第4磁石15Bを包囲した後、その相互の反発力により側面方向上で当該主軸11を支持することができる。即ち、当該主軸11の上下に配置された当該第1磁気浮上軸受13と当該第2磁気浮上軸受15、及び当該主軸11の上端と下端に配置された当該上磁気浮上支持座体16と当該下磁気浮上支持座体12により、当該主軸11を浮上した状態に保持することができる。
【0012】
図1図4に示すように、本発明は当該上磁気浮上軸受13と当該下磁気浮上軸受15の間の当該主軸11に、当該主軸11を回転させるために用いるモーター固定子142とモーター回転子が設置され、そのうち、当該モーター固定子142が、当該ハウジング10内側に固定して配置されたコイル142Aと、当該コイル142A内側に配置された鉄環142Bを組み合わせて構成され、かつ当該コイル142Aに2本の導線143A、143Bが当該ハウジング10底部に設置された正極端子144Aと負極端子144Bまで電気的に接続され、当該モーター回転子が当該主軸11に固定されたフェライトコア141であり、当該フェライトコア141と当該モーター固定子142の当該コイル142Aが相互に誘導磁場を発生する。
【0013】
本発明のモーター1は、当該正極端子144Aと当該負極端子144Bを介して通電したとき、コイル142が各フェライトコア141に電磁誘導を発生させて主軸11を回転させ、主軸11の運転過程において、主軸11の上端と下端がそれぞれ上磁気浮上支持座体16と下磁気浮上支持座体12により浮上した状態で支持されており、かつ主軸11の側面方向が第1磁気浮上軸受13と第2磁気浮上軸15により支持されるため、主軸11が回転過程で完全に摩擦力を発生せず、主軸11の動力出力効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0014】
1 モーター
10 ハウジング
11 主軸
12 下磁気浮上支持座体
121 下固定盤
122 下回転盤
12A、16A 第1磁石
12B、16B 第2磁石
13 第1磁気浮上軸受
131 第1固定子
13A、15A 第3磁石
13B、15B 第4磁石
141 フェライトコア
142 モーター固定子
142A コイル
142B 鉄環
143A、143B 導線
144A 正極端子
144B 負極端子
15 第2磁気浮上軸受
151 第2固定子
16 上磁気浮上支持座体
161 上固定盤
162 上回転盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6