(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128985
(43)【公開日】2024-09-25
(54)【発明の名称】GPSロガー
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20240917BHJP
G01S 19/14 20100101ALI20240917BHJP
【FI】
G06Q30/0273
G01S19/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024052486
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2023054336
(32)【優先日】2023-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510317933
【氏名又は名称】澤越 武志
(72)【発明者】
【氏名】澤越 武志
【テーマコード(参考)】
5J062
5L030
【Fターム(参考)】
5J062BB05
5J062CC07
5L030BB08
(57)【要約】
【課題】 チラシのポスティングを時給制の料金で依頼した場合に、ゆっくりと時間をかけて料金を吊り上げることを防止する。
【解決手段】 ポスティングの監視のために用いるGPSロガーにおいて、記録された移動距離と配布数に対して所定のペースで移動と配布を行った場合に要する時間を算定し、実際に要した時間と比較できるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間との和を、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間で割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガー。
【請求項2】
手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数に所定の入力ペースを乗じて算定された時間との和を、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間で割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガー。
【請求項3】
手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間との和で、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガー。
【請求項4】
手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数に所定の入力ペースを乗じて算定された時間との和で、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地の位置情報を記録するGPSロガーに関し、特にポスティングの監視に適したGPSロガーに関する。
【背景技術】
【0002】
広告宣伝方法の一つとして、ポスティングと呼ばれる行為がある。ポスティングは、チラシ(広告宣伝用の印刷物)を建物の郵便受けに投函して配布する行為であり、居住者の黙認を前提として成り立つものである。
【0003】
ポスティングを業者に依頼する場合は、一般に、ポスティングを希望するエリアを指定し、GPSによる監視下でポスティングが行われた後に配布数の報告を受け、それに応じた料金(報酬)を支払う、すなわち、歩合制による料金であることが一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、歩合制は、一見すると時給制よりも合理的なポスティングの料金制度であるが、GPSによる監視では配布数までを確認することはできないので、配布数を実際よりも多く報告されて不正に高額の料金を請求される恐れがあり、依頼者にとって必ずしも時給制よりも有利(安価)であるとは限らない。
【0005】
一方、時給制にすれば、そのような不正の恐れはなくなるので、その点では安心であるが、ゆっくりとポスティングを行うことによって時間の引き延ばしをされるという、それとは別の恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、ポスティングの料金を時給制とする場合に、ゆっくりとポスティングを行うことによって時間を引き延ばして料金を吊り上げることを防止するために考え出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一は、手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間との和を、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間で割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガーである。
【0008】
本発明の第二は、手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数に所定の入力ペースを乗じて算定された時間との和を、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間で割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガーである。
【0009】
本発明の第三は、手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間との和で、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガーである。
【0010】
本発明の第四は、手動で入力された配布数を当該入力時の位置情報とともに記録するGPSロガーであって、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離に所定の移動ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値に所定の配布ペースを乗じて算定された時間と、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数に所定の入力ペースを乗じて算定された時間との和で、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を割って算定された値を表示することを特徴とするGPSロガーである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第一又は第二のGPSロガーによれば、表示された値(以下「稼働率」と呼ぶ)が1を下回る場合は、所定のペース(予め依頼者が設定や認容したペース)よりも遅いペースでポスティング(移動、配布、配布数の入力という一連の行為)を行っていることが分かる。
【0012】
その場合は、料金を時給にポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間とともに稼働率も乗じて算定すれば、ゆっくりと(所定のペースよりも遅いペースで)ポスティングを行うことによって時間を引き延ばして料金を吊り上げることはできなくなる。
【0013】
本発明の第三又は第四のGPSロガーによれば、表示された値(以下「逆稼働率」と呼ぶ)が1を上回る場合は、所定のペース(予め依頼者が設定や認容したペース)よりも遅いペースでポスティング(移動、配布、配布数の入力という一連の行為)を行っていることが分かる。
【0014】
その場合は、料金を時給にポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を乗じた後に逆稼働率で割って算定すれば、ゆっくりと(所定のペースよりも遅いペースで)ポスティングを行うことによって時間を引き延ばして料金を吊り上げることはできなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のGPSロガーは、専用機としても携帯端末で利用するアプリケーションとしても実施可能であり、双方で備わるべきスイッチ類に違いはない。以下、専用機について、
図1に基づいて実施の形態を説明する。
【0017】
まず、スイッチ類1について説明する。スイッチ類1は、配布数を入力するための0か9までの数字ボタンと、配布数の入力を確定するための決定ボタンと、配布数の入力を確定前にやり直すためのクリアボタンと、ポスティングの開始を記録するための開始ボタンと、ポスティングの終了を記録するための終了ボタンとで構成されている。なお、電源スイッチは側面に設けられている。
【0018】
次に、表示画面2について説明する。表示枠21は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数を表示する。表示枠22は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の時間を表示する。表示枠23は、入力しようとする配布数を表示する。表示枠24は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値を表示する。表示枠25は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離を表示する。表示枠26は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の稼働率を百分率で表示する。表示枠27は、ポスティングの開始時から最新の入力時まで(ポスティングの中断中を除く)の料金を表示する。
【0019】
次に、スイッチ類1の操作手順と、それに伴う表示画面2の表示について説明する。所定の移動ペース、所定の配布ペース、所定の入力ペース、時給については、あらかじめ記録されているものとする。
【0020】
電源スイッチをオンにし、開始ボタンを押すと、表示枠23を除いた全ての表示が0の状態からポスティングの開始となる。ただし、前回の使用においてポスティングの中断のために電源スイッチをオフにしていた場合は、電源スイッチをオンにすると、電源スイッチをオフにした時点での表示の状態からポスティングの再開となる。
【0021】
ポスティングの開始後は、ポスティングの中断中を除き、建物ごとに配布を終えるたび(屋内であればGPS電波を受信できる屋外に出た直後)に、数字ボタンと決定ボタンを押すことによって配布数を入力する。決定ボタンを押す前には、必ず表示枠23に表示された数値を確認し、誤っていればクリアボタンを押して配布数の入力をやり直す。なお、0の数字ボタンのみを押して決定ボタンを押すと0を入力したことになり(諸事情により配布数0となった建物を記録するため)、いずれの数字ボタンも押さずに決定ボタンのみを押すと1を入力したことになる(配布数1の場合の入力の手間を軽減するため)。
【0022】
決定ボタンを押すと、表示枠21には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)の入力回数が表示され、表示枠22には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)の時間が表示され、表示枠24には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)に入力された配布数の合計値が表示され、表示枠25には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)の移動距離が表示される。また、表示枠26には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)の稼動率が百分率で表示され、表示枠27には、ポスティングの開始時から決定ボタンを押した時点まで(ポスティングの中断中を除く)の料金が表示される。また、表示枠23は、表示なしの状態に戻る。
【0023】
ポスティングの開始後に休憩をしたり、ポスティングを翌日以降に持ち越して帰宅する場合は、電源スイッチをオフにしてポスティングを中断する。ポスティングの中断を終えて再開する場合は、電源スイッチをオンにすると、全ての表示が電源スイッチをオフにした時点での状態からポスティングの再開となる。なお、このようなポスティングの中断と再開は、中断ボタンと再開ボタンを設けることによって行ってもよい。
【0024】
ポスティングを終了する場合は、終了ボタンを押す。ただし、全ての表示は最後の入力時のままであり、実際には最後の入力時にポスティングは終了した扱いとなる。