(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129015
(43)【公開日】2024-09-26
(54)【発明の名称】フォトポリマー露光で使用するためのUV LED放射光源
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240918BHJP
F21K 9/66 20160101ALN20240918BHJP
F21K 9/275 20160101ALN20240918BHJP
F21V 29/503 20150101ALN20240918BHJP
F21V 29/77 20150101ALN20240918BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240918BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20240918BHJP
【FI】
G03F7/20 511
G03F7/20 501
F21K9/66
F21K9/275 100
F21V29/503
F21V29/77
F21Y103:10
F21Y113:10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024087706
(22)【出願日】2024-05-30
(62)【分割の表示】P 2022134931の分割
【原出願日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】62/893,395
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518146050
【氏名又は名称】エスコ-グラフィックス イメージング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】アールト クラウス ヴァルター
(57)【要約】
【課題】フォトポリマー露光で使用するためのUV LED放射光源を提供すること。
【解決手段】印刷プレートを硬化させるための化学線放射の光源。光源は、ヒートシンクを有する基部を含み、その幅よりも大きい長さを有する。基部上に装着される1つ以上の回路基板は、基部の長さにわたって分布する複数の発光ダイオード(LED)を提供する。透明または半透明のカバーは、基部と一緒になって、複数のLEDの筐体を画定する。光源は、基部の軸と直角をなす平面、基部の軸を包含する平面、もしくは基部の軸と平行であり、かつ目標照明平面と直角をなす平面、またはこれらの組み合わせで、単一のLEDの発光角度よりも大きい発光角度での放射を提供する。光源は、蛍光電球に置き換えられるように構成され得る。かかる光源を使用した印刷プレートのバンク露光(bank exposure)のための方法およびシステムも記載されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学線放射でフォトポリマー印刷プレートを硬化させるための放射光源であって、前記光源が、
ヒートシンクを備える基部であって、前記基部が、軸に沿って幅および長さを有し、前記長さが、前記幅よりも大きい、基部と、
前記基部上に装着される1つ以上の回路基板であって、前記1つ以上の回路基板が、前記基部の前記長さにわたって分布する複数の発光ダイオード(LED)を集合的に有する、1つ以上の回路基板と、
前記化学線放射に対して透明または半透明で、前記基部上に装着されるカバーと、を備え、前記カバーが、前記基部と一緒になって、前記複数のLEDのための筐体を画定する、放射光源。
【請求項2】
各LEDが、化学線放射を、ある発光角度で目標照明平面に向かって、ある方向に発するように構成されており、前記光源が、前記化学線放射を、前記基部の前記軸と直角をなす第1の平面内の単一のLEDの発光角度よりも大きい発光角度、前記基部の前記軸を包含するか、もしくは前記基部の前記軸と平行であり、かつ前記目標照明平面と直角をなす第2の平面内の単一のLEDの発光角度よりも大きい発光角度、またはこれらの組み合わせで提供するように構成されている、請求項1に記載の放射光源。
【請求項3】
前記LEDが、紫外線の発光中心波長を有する、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項4】
前記基部が、互いに対して角度付けされ、前記基部の前記軸と平行に配設された複数の表面を備え、前記複数のLEDのサブセット、および前記複数の表面の各々の上に装着される対応する1つ以上の回路基板またはその一部を有する、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項5】
複数の表面のうちの少なくとも1つが、前記目標照明平面と平行に配設されている、請求項4に記載の放射光源。
【請求項6】
前記複数の表面が、3つの表面を含む、請求項5に記載の放射光源。
【請求項7】
前記3つの表面が、優角で互いに対して角度付けされている、請求項6に記載の放射光源。
【請求項8】
前記優角が、210~240度の範囲である、請求項7に記載の放射光源。
【請求項9】
前記基部が、前記カバーの対応する表面を受容するための平面状のカバー装着エリアを備え、前記平面状のカバー装着エリアが、前記目標照明平面と平行である、請求項2に記載の放射光源。
【請求項10】
前記基部および前記カバーが、前記基部内の1つ以上の嵌合特徴に嵌合するように構成された、前記カバーの1つ以上のポジ型特徴またはネガ型特徴を備える、インターフェースを有する、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項11】
前記カバーと前記基部とを圧縮関係に保持するように構成された1つ以上のクランプをさらに備える、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項12】
カバーが、1つ以上のプリズム構造および/または屈折構造を備える、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項13】
前記カバーが、1つ以上の円筒形のフレネルレンズを備える、請求項12に記載の放射光源。
【請求項14】
前記基部が、前記複数のLEDを備える前記1つ以上の回路基板を受容するための前記印刷プレートに面した矩形のLED装着面を備える、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項15】
前記ヒートシンクが、前記矩形の装着面の下側に接続される下側部分を備え、前記矩形の装着面が、前記下側部分の幅よりも大きい幅を有し、前記LEDが、前記矩形の装着面の前記幅にわたって分布する複数のLEDを含むアレイ内に分布する、請求項14に記載の放射光源。
【請求項16】
前記アレイが、5つのLEDの幅である、請求項15に記載の放射光源。
【請求項17】
前記光源が、ある直径を有する管を備える蛍光電球に置き換えられるように構成されており、前記矩形の装着面の前記幅が、前記管の前記直径よりも大きい、請求項15に記載の放射光源。
【請求項18】
前記基部が、前記目標照明平面に面する表部分と、前記目標照明平面から離れる方向に面する下側部分と、を備え、前記下側部分が、半円筒形を画定する幾何学的形状を有する、請求項2に記載の放射光源。
【請求項19】
前記ヒートシンクが、前記半円筒形の幾何学的形状を画定する半径方向の縁を有する、互いに離間した複数のフィンを画定する、請求項18に記載の放射光源。
【請求項20】
前記光源が、指定された長さ、および両側でそれぞれのソケットに装着されるように構成された電気コネクタのセット、を有する蛍光電球に置き換えられるように構成され、前記光源が、前記指定された長さ、および前記それぞれのソケットに装着されるように構成された電気コネクタのセット、を有する、請求項1または2に記載の放射光源。
【請求項21】
前記光源内に配設された前記複数のLEDの出力を制御するための制御エレクトロニクスをさらに備える、請求項20に記載の放射光源。
【請求項22】
前記制御エレクトロニクスに接続され、前記制御エレクトロニクスを動作させるための信号を受信するように構成された遠隔制御レシーバをさらに備える、請求項21に記載の放射光源。
【請求項23】
前記LEDが紫外線の発光中心波長を有し、前記基部が、前記複数のLEDを備える前記1つ以上の回路基板を受容するための、前記印刷プレートに面する矩形のLED装着面を備え、前記複数のLEDが、前記矩形の装着面の前記長さおよび幅にわたってアレイ内に分布し、前記カバーが、矩形であり、前記放射光源が、前記放射光源と電源とを接続および接続解除するための嵌合する第2の電気コネクタのセットとインターフェース接続するように構成された第1の電気コネクタのセットを有する、請求項1に記載の放射光源。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の複数の放射光源を備える、露光システム。
【請求項25】
前記複数の放射光源に対応する前記目標照明平面内に印刷プレートを受容するための基板をさらに備える、請求項24に記載の露光システム。
【請求項26】
前記複数の放射光源内の複数の遠隔制御レシーバに信号を送信するための遠隔制御トランスミッタをさらに備え、前記遠隔制御トランスミッタが、前記遠隔制御レシーバに伝送される情報を受信するための1つ以上の入力を有する、請求項25に記載の露光システム。
【請求項27】
前記1つ以上の入力が、前記放射光源について所望の照明強度を設定するための制御パネルを備える、請求項26に記載の露光システム。
【請求項28】
前記複数の放射光源のうちの1つ以上が発する放射強度を検出するための1つ以上のフォトディテクタをさらに備え、各フォトディテクタが、前記遠隔制御トランスミッタの前記1つ以上の入力にフィードバック信号を提供するように構成されており、前記制御エレクトロニクスが、前記複数の放射光源のうちの前記1つ以上が発する前記強度を制御するために前記フィードバック信号を使用するように構成されている、請求項26または27に記載の露光システム。
【請求項29】
前記基板の第1の表面の上に離間配置された第1の光源のセットを備える、請求項24または25に記載の露光システム。
【請求項30】
前記基板が、前記化学線放射に対して透明であるか、または半透明であり、前記第1の表面と反対の前記基板の第2の表面の下に離間配置された第2の光源のセットをさらに備える、請求項29に記載の露光システム。
【請求項31】
前記露光システムが、蛍光管と共に使用するように構成されたハウジングを備え、前記光源が、前記蛍光管に置き換えられる、請求項24または25に記載の露光システム。
【請求項32】
前記光源が、隣接する光源の隣接する縁間の間隙を画定する、隣接する光源の軸間の所定の間隔を有し、前記光源間の前記間隙が、前記光源が置き換えられる前記蛍光管間の対応する間隙よりも小さい、請求項31に記載の露光システム。
【請求項33】
印刷プレートを露光する方法であって、請求項20~29のいずれか一項に記載の露光システム内の前記目標照明平面上に印刷プレートを配置することと、前記放射光源を作動させて、前記プレートに向けられた化学線放射を提供することと、を含む、方法。
【請求項34】
前記目標照明平面での放射照度を測定することと、前記測定された放射照度に基づいて、前記放射光源のうちの1つ以上における前記複数のLEDの強度を制御することと、をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記複数のLEDの前記強度を制御することが、前記複数のLEDの経年劣化によって引き起こされる出力電力減衰を補償することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
第1の光源内の前記複数のLEDの前記強度を制御することが、前記第1の光源内の前記LEDの性能特性と、第2の光源内の対応する複数のLEDの性能特性との違いを補償することを含む、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記複数のLEDの前記強度を制御することが、用途要件に従って放射出力を調節することを含む、請求項34または35に記載の方法。
【請求項38】
用途要件に従って放射出力を調節することが、前記印刷プレート内にラウンドトップドットを作り出すための第1の露光特性、および前記印刷プレート内にフラットトップドットを作り出すための第2の露光特性を提供することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
用途要件に従って放射出力を調節することが、第1の強度を有する第1の露光の後に、前記第1の強度よりも高い第2の強度を有する第2の露光を提供することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の露光と前記第2の露光とを一緒に組み合わせることにより、前記プレートを硬化させるのに必要な総エネルギー量を提供する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ以上の放射光源の各々が発した放射照度を測定するように構成されたセンサと、前記測定された放射照度に基づいて前記1つ以上の放射光源の各々の強度を制御するように構成されたコントローラと、をさらに備える、請求項1~23のいずれか一項に記載の放射光源のうちの1つ以上を備える露光システム。
【請求項42】
前記コントローラが、第1の光源の前記強度を制御して、前記第1の光源の性能特性と第2の光源の性能特性との差を補償するように構成されている、請求項41に記載の露光システム。
【請求項43】
前記コントローラが、第1の光源の前記強度を制御して、経時的な前記第1の光源の性能特性の変化を補償するように構成されている、請求項41に記載の露光システム。
【請求項44】
前記露光システムが、前記第2の電気コネクタのセットと、前記電源と、を備える、請求項41に記載の露光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
蛍光管は、フォトポリマー硬化の業界で数十年にわたり使用されている。ほとんどの実施形態では、これらの管のうちの約10~30個を、フォトポリマープレートに近接して平行な1つの平面内で隣り合わせに組み合わせて、フォトポリマープレート全体を覆うライト光源を構築する。これらのシステムは、一般的に、「バンクライトシステム」または「フラッド」ライトシステムと呼ばれる。一般的な標準システムは、例えば、DuPontのECDFL1000システムである。この目的のための一般的な蛍光管は、例えば、PhilipsのTL80W/10-R SLV/25である。かかる従来技術の蛍光管の例示的な図面が
図8に描かれている。当技術分野で周知であるように、例示的な蛍光管は、両側の(典型的には金属である)エンドキャップ810と、各エンドキャップから延在する2つのピンコネクタ812と、エンドキャップ間のルミネセンス部分814と、を有する。かかる管は、それらの直径D、両側のエンドキャップ810間の長さA、エンドキャップから延在するプロング812の端部間の長さCによって特徴付けることができ、各プロングは長さ(C-B)を有する。TL80W/10-R SLV/25モデルの管の例示的な公開寸法は、表1において以下に示されている。
【表1】
【0003】
前述の寸法は単に1つの例であり、様々な管製造業者およびバンクライトシステムは、異なる寸法を有する管を用い得る。ピン間の間隔およびピンの幾何学的形状もまた、所定の寸法(図示せず)を有し得る。
【0004】
蛍光管を備えたバンクライトシステムは、次のような欠点を有する。
LEDと比較すると消費電力が高いこと、
ランプがオンになった後、多くの場合、短期出力がドリフトすること、
出力のドリフトを回避するために、多くの場合、管が、追加のエネルギーを消費する待機モードで動作すること、
電球の寿命にわたってライト出力が一定ではないこと、
500~1000時間後、硬化結果が許容できなくなるほどにUV出力が衰える場合があること、
管の頻繁な交換によりコストが増加すること、
管の水銀含有量が環境的な問題であること。
【0005】
LEDは、より低い消費電力、より緩徐な経年劣化、温度に対してより安定したUV出力、およびウォームアップ相が不要であることを含むが、これらに限定されない、蛍光管を上回る利点を有する。LEDのUV出力もLEDの寿命にわたって減衰するが、LEDの寿命は蛍光管よりも約1桁高い。LED出力は、オンにするとはるかに安定する。したがって、これらのメリットの利点を得るために、フレキソ印刷の分野のほぼすべてのシステム製造業者は、LEDを使用する独自の市販のUV LED露光システムを導入している。これらの市販のシステムは、典型的には、フォトポリマープレートとライト光源との間の相対的な運動に基づく。通常、LEDは、プレートの一方の寸法にわたって延在する行内に配列され、もう一方の寸法はライト光源とプレートとの間の相対的な移動によって露光される。かかるシステムのコストのかなりの部分は、プレートとUV光源との間の相対的な移動を作り出すために必要な機構に関する。かなり小さなエリアに集中したLEDを冷却する必要性から、さらなるコストが生じる。LEDのUV出力のバランスおよび制御に必要な複雑な駆動エレクトロニクスにより、さらに多くのコストが発生する。
【0006】
UV LEDがますます安価になってきているため、例えば、本出願と共通の出願人によって出願された2017年5月4日付けのPCT公開特許出願第WO2017/072588(A1)号に記載されているような、露光される印刷プレートのサイズと少なくとも同じ大きさの長さおよび幅を有するアレイにおいてUV LEDを使用することが、現在、より経済的に好ましい。
【0007】
蛍光管を、点灯目的で可視範囲のLEDを包含する管に直接置き換えることが、当技術分野において、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,507,001号などに記載されているが、LEDの利点およびそれらのコストの低下を鑑みて、現在、フォトポリマーの硬化用途にUV LEDを組み込むことへの関心も高まっている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの態様は、化学線放射でフォトポリマー印刷プレートを硬化させるための放射光源を備える。光源は、ヒートシンクを備える基部を含み、基部は、軸に沿って幅および長さを有し、長さは、幅よりも大きい。1つ以上の回路基板が基部上に装着されており、1つ以上の回路基板は、基部の長さにわたって分布する複数の発光ダイオード(LED)を集合的に有し、各LEDは、化学線放射を、ある発光角度で目標照明平面に向かって、ある方向に発するように構成されている。化学線放射に対して透明または半透明で、基部上に装着されるカバーは、基部と一緒になって、複数のLEDのための筐体を画定する。光源は、化学線放射を、基部の軸と直角をなす第1の平面内の単一のLEDの発光角度よりも大きい発光角度、基部の軸を包含するか、もしくは基部の軸と平行であり、かつ目標照明平面と直角をなす第2の平面内の単一のLEDの発光角度よりも大きい発光角度、またはこれらの組み合わせで提供するように構成され得る。1つの実施形態では、カバーは、フレネルレンズの形態などの1つ以上のプリズム構造および/または屈折構造を備え得る。光源は、指定された長さを有する蛍光電球、および両側でそれぞれのソケットに装着されるように構成された電気コネクタのセットに置き換えられるように構成され得、光源は、上記指定された長さ、およびそれぞれのソケットに装着されるように構成された電気コネクタのセット、を有する。光源は、限定はされないが、制御エレクトロニクスに接続され、制御エレクトロニクスを動作させるための信号を受信するように構成された遠隔制御レシーバなどの、上記光源内に配設された複数のLEDの出力を制御するための制御エレクトロニクスを含み得る。
【0009】
1つの実施形態では、基部は、互いに対して角度付けされ、基部の軸と平行に配設された複数の表面を備えることができ、複数のLEDのサブセット、および複数の表面の各々の上に装着される対応する1つ以上の回路基板またはその一部を有する。複数の表面のうちの少なくとも1つは、目標照明平面と平行に配設されている。1つの実施形態では、3つのかかる表面は、例えば、210~240度の角度などの優角で互いに対して角度付けされ得る。
【0010】
基部は、カバーの対応する表面を受容するための標的照明平面に平行な平面状のカバー装着エリアを有し得る。基部およびカバーは、基部内の1つ以上の嵌合特徴に嵌合するように構成された、カバーの1つ以上のポジ型特徴またはネガ型特徴を備える、インターフェースを有し得る。1つ以上のクランプは、カバーと基部とを圧縮関係に保持し得る。
【0011】
基部は、複数のLEDを備える1つ以上の回路基板を受容するための印刷プレートに面した、少なくとも1つの矩形のLED装着面を備え得る。ヒートシンクは、矩形の装着面の下側に接続される下側部分を備えることができ、矩形の装着面は、下側部分の幅よりも大きい幅を有し、LEDは、5つのLEDの幅のアレイ内など、矩形の装着面の幅にわたって分布する複数のLEDを含むアレイ内に分布する。放射光源が、ある直径を有する管を備える蛍光電球に置き換えられるように構成されている実施形態では、矩形の装着面の幅は、管の直径よりも大きい場合がある。
【0012】
基部は、目標照明平面に面する表部分と、目標照明平面から離れる方向に面する下側部分と、を備えることができ、下側部分は、半円筒形を画定する幾何学的形状を有する。1つの実施形態では、ヒートシンクは、半円筒形の幾何学的形状を画定する半径方向の縁を有する、互いに離間した複数のフィンを画定し得る。
【0013】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の複数の放射光源を含む、露光システムを備える。露光システムは、複数の放射光源に対応する目標照明平面内に印刷プレートを受容するための基板を含み得る。露光システムは、蛍光管と共に使用するように構成されたハウジングを備えることができ、光源は、蛍光管に置き換えられる。遠隔制御トランスミッタは、複数の放射光源内の複数の遠隔制御レシーバに信号を送信するように構成することができ、遠隔制御レシーバに伝送される情報を受信するための1つ以上の入力を有し得る。1つ以上の入力は、放射光源について所望の照明強度を設定するための制御パネルを備え得る。1つ以上のフォトディテクタを、複数の放射光源のうちの1つ以上が発する放射強度を検出するように構成することができ、各フォトディテクタは、遠隔制御トランスミッタの1つ以上の入力にフィードバック信号を提供するように構成され、制御エレクトロニクスは、複数の放射光源のうちの1つ以上が発する強度を制御するためにフィードバック信号を使用するように構成されている。
【0014】
露光システムは、基板の第1の表面の上に離間配置された第1の光源のセットを含み得、任意選択で、基板は、化学線放射に対して透明であっても、半透明であってもよく、第1の表面と反対の基板の第2の表面の下に離間配置された第2の光源のセットを備える。
【0015】
光源が蛍光管に置き換えられるシステムでは、光源は、隣接する光源の隣接する縁間の間隙を画定する、隣接する光源の軸間の所定の間隔を有し、光源間の間隙は、光源が置き換えられる蛍光管間の対応する間隙よりも小さい。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、印刷プレートを露光する方法であり、本方法は、本明細書に記載の露光システム内の目標照明平面上に印刷プレートを配置することと、放射光源を作動させて、プレートに向けられた化学線放射を提供することと、を含む。本方法は、目標照明平面での放射照度を測定することと、測定された放射照度に基づいて、放射光源のうちの1つ以上における複数のLEDの強度を制御することと、を含み得る。複数のLEDの強度を制御することは、複数のLEDの経年劣化によって引き起こされる出力電力減衰を補償することを含み得る。第1の光源内の複数のLEDの強度を制御することはまた、または代わりに、第1の光源内のLEDの性能特性と、第2の光源内の対応する複数のLEDの性能特性との違いを補償することを含み得る。複数のLEDの強度を制御することはまた、または代わりに、印刷プレート内にラウンドトップドットを作り出すための第1の露光特性、および印刷プレート内にフラットトップドットを作り出すための第2の露光特性を提供することなどの、用途要件に従って放射出力を調節することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】光源からの露光放射のために照明平面上に位置付けられた例示的なプレートの一部分に対して並置された本発明の例示的な光源を示す断面概略図である。
【
図2】LEDのための角度付けされた装着面を有する例示的なフィン状ヒートシンク設計の斜視概略図である。
【
図3】光源からの露光放射のための照明平面上に位置付けられた例示的なプレートの一部分に対して並置された、角度付けされた装着面上に装着されたLEDを有する、例示的な光源の断面概略図である。
【
図4】光源からの露光放射のための照明平面上に位置付けられた例示的なプレートの一部分に対して並置されたLEDの比較的幅広の矩形のアレイを有する、例示的な光源の断面概略図である。
【
図5A】複数の円筒形のフレネルレンズを具現化する例示的なカバーの概略平面図である。
【
図5C】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図5D】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図5E】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図5F】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図5G】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図5H】カバー構造と基部構造との間の例示的なインターフェースの概略平面図を例示している。
【
図6】本明細書に記載の光源を組み込む例示的なシステムを制御するための例示的な制御システムの概略図である。
【
図7】アレイを取り囲む反射側壁を有する、LEDの矩形のアレイの概略斜視図である。
【
図8】先行技術の例示的な蛍光電球の概略平面図である。
【
図9】光源構成要素とシステム構成要素との間の例示的なインターフェースを示す拡大部分を含む、中に装着された複数の例示的な光源を有する例示的なバンク露光システムの概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年8月29日出願の「UV LED RADIATION SOURCES FOR USE IN PHOTOPOLYMER EXPOSURE」と題する米国仮出願第62/893,395号からの優先権を主張するものである。
【0019】
本出願の態様は、フォトポリマー印刷プレートを化学線UV放射に露光するためのバンクライトテーブル内の蛍光管の代わりに、LEDを使用するための装置および方法に関する。最も簡単な方法では、これは、半導体LEDを包含し、バンクライトテーブル内の既存の蛍光管の置き換えとして使用するのに好適なLEDに基づいた化学線放射光源を含む、既存の蛍光管と電気的および機械的に互換性のある、ハウジングを提供することによって確立され得る。印刷プレート面全体を覆うLEDライト光源のアレイは、表または裏のプレート面全体を照射するための相対的な運動を必要としない。LEDライト光源によって作り出された熱が、完全な露光に到達するための進行時間を最小限に抑えるために、高い強度でより小さな比較的直線的なエリアに集中する代わりに、プレートとほぼ同じサイズの幅広のエリアにわたって広がる場合、冷却要件はあまり厳しくない。
【0020】
本発明の1つの態様は、UV LEDを装備した蛍光管置き換えによりフォトポリマー印刷プレートの全表面を覆うUV LEDライト光源を備え、バンクライト露光ユニット内のすべての蛍光管を、本明細書に記載の置き換え管に置き換えることによって、バンクライト露光ユニットを改造するための方法を含む。蛍光管のLED置き換えは、照明用途で知られているが、フォトポリマープレートの露光は、異なる要求を与え、異なる構造を使用する機会を提供する場合がある。
【0021】
単純な実施形態が
図1に示されており、これは、本発明の1つの態様による、例示的なLED放射露光光源の実施形態の断面を示している。LEDチップ101は、光源の長さに沿って延在する回路基板102上に位置する。回路基板は、好ましくは、金属、好ましくはアルミ製などのヒートシンクを含む基部103上に装着される。LEDは、好ましくは直列に接続され、光源の両側は、各光源が蛍光管を受容するように構成されたソケット内に設置されることを可能にするように構成されたコネクタを有する。したがって、そのように構築された光源のアレイは、バンクライトテーブルの内側に装着され、電力が供給され得る。光源の発光側は、UV LEDの感度の高い出力窓からホコリおよび溶媒を遠ざける、UV透過性カバー104によって覆われている。カバー104のための好適な構築材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(アクリル、アクリルガラス、またはプレキシガラスとしても知られる)などのプラスチック、例えば、Arkema France製のPlexiglas(登録商標)アクリル、およびEvonik(Essen、Germany)製のPMMA、またはその対象となる後継材料が挙げられるが、これらに限定されない。
図1に示されるように、カバーは、照明平面に面する基部の平面状の上部平面に接続する、半円筒形の形状を有する。カバーは、例えば、UV硬化性接着剤などの接着剤を含むが、これらに限定されない、当技術分野で既知の任意の方法で基部に取り付けられ得る。
【0022】
図1は、基部103のヒートシンクを概略的に描いているが、ヒートシンクが、使用中に所望の程度の熱伝達を提供するのに好適な任意の幾何学的形状を有し得ることを理解されたい。
図2は、複数の冷却フィン206a~iを有するヒートシンクを備える例示的なアルミニウム基部203を描いている。ほとんどのバンクライトテーブルは、蛍光管の後方側から廃熱を除去するファンを装備しており、これは、ファンによって供給される対流気流が、複数のフィンを備えるヒートシンクを有する光源を冷却するのに特によく適している場合があることを意味する。各フィンが半径に沿って延在する、基部208の水平面207から広がるフィンの半円筒形の分布を含む設計で示されているが、ヒートシンクは、任意の特定の幾何学的形状に限定されない。しかしながら、1つの例示的な幾何学的形状では、半径の一部またはすべては、フィンの中心線(例えば、描かれるような、それぞれのフィン206c、216eの中心線216c、216e)の交差点で水平面上に離間配置されている共通の中心点210から広がっていてもよい。中央フィン206eなどのフィンのうちの1つ以上は、他のフィン206b~d、f~hよりも相対的に厚い場合があり、エンドフィン206a、206iは、一方の側で基部の水平面207に取り付けられ、それらを反対側で、隣接するフィン206b、206hから分離する間隙を有し得る。
図3を参照して論じられる実施形態に関してさらに説明されるように、多角形の上部表面209を有する基部208で示されているが、上部表面は、
図1の基部103について概略的に描かれるように、平坦であってもよい。基部の上部表面は、カバーを受容するための反対側の接続エリア220を含むことができ、各接続エリアは、目標照明平面と平行な平面を画定する。
【0023】
LEDを上回る蛍光管の1つのメリットは、蛍光管の幅広の発光角度範囲である。蛍光管の壁の蛍光コーティングは、光子をすべての方向に発し、蛍光管を、マスクを通してフォトポリマー印刷プレートを露光する場合に望ましい、ほぼ理想的なエリア光源にする。LEDは、点光源の性質を持っており、ひいては、
図1に描かれるように、各LEDが目標照明平面X(例えば、印刷プレート110の頂面)に向かって比較的狭い発光角度βで放射を発するため、この観点からあまり理想的ではない。
【0024】
この欠陥を十分に克服し、放射の角度分布を広げるために、以下を含むが、これらに限定されない、特定の手段を用いることができる。
比較的少ない数の比較的高い電力のLEDの代わりに、比較的多くの均等に分布した比較的低い電力のLEDを使用する手段、
異なる傾斜角度のグループにLEDを配列する手段、
限定はされないが、万華鏡などの反射型オプティクスを使用して、点光源をエリア光源に変換する手段、
限定はされないが、フレネルレンズまたはディフューザプレートなどの透過型オプティクスを使用する手段。
【0025】
管長当たりのLEDの数は、光源の長さ軸に沿った光の分布を特徴付けるために使用され得るパラメータである。20ワットのUV電力を送達するとみなされる光源は、例えば、各々が光源の長さに沿って配列された1ワットの出力を有する20個のLED、またはより好ましくは各々が0.5ワットの出力を有する40個のLED、またはなおもより好ましくは各々が0.33ワットの出力を有する60個のLEDを備え得る。
【0026】
図3は、対応する回路基板302a~c上に配列されたLED301a~cが、互いに対して角度付けされた基部303の上部表面上に配設されている、実施形態を描いている。かかる構成は、管の長さ軸に平行であるか、または管の長さ軸を含む平面(上にプレートが置かれている平面Yおよび平面Xの両方と直角をなす平面である)における角度分布への影響は最小限であるか、または全くない状態で、管の長さ軸Zと直角をなす照明平面Yにおける角度分布を改善する。したがって、各光源301a~cは依然として発光角度βのみを有するが、3つの光源は一緒になって、βよりも大きいθの光源の総発光角度を作り出す。
図3に描かれるヒートシンクの上部表面の形状は、3つの角度付けされた表面の各々が互いに対して優角(例えば、好ましくは、
図3に描かれるように、Ф=210~240度の角度)でオフセットしている半六角形である。互いに対して角度付けされた3つ以上の表面が提供され得る。しかしながら、好ましくは、表面の数にかかわらず、表面のうちの少なくとも1つは、目標照明平面と平行である。カバー304の両側の縁を受容するための接続エリア320もまた、好ましくは、目標照明平面Xと平行で、カバー304の対応する平面状の表面を受容するように構成されている、平面状の表面である。しかしながら、カバーと基部との間のインターフェースは、任意の特定の構成に限定されない。したがって、奇数の角度付けされた表面が好ましい。基部は、好ましくは、ヒートシンクを通る最大熱伝導のために、回路基板のすべてが基部の対応する表面上に平坦に置かれるように構成されている。基部303は、好ましくは、回路基板302aおよび302cに対応する平面が、回路基板302bに対応する平面と等しい角度で交差するように構成されているが、Φは、他の実施形態では、120~150度の範囲よりも大きくても、小さくてもよい。Θは、表面またはその一部の断片の数に等しいβの倍数であってもよい。Θは、印刷プレートに向かってLEDが発する全放射の割合を増加させるように、180度未満であることが好ましい。
【0027】
図4は、基部403および回路基板402がそれぞれ、光源が置き換えられるように設計された蛍光管の元の直径よりも大きい基部の表に面する側で、幅W
1およびW
2を有する実施形態を描いている。カバー404は、任意の特定の幾何学的形状に限定されないが、本質的に略矩形であり得る。この構成はまた、光源が置き換えられる蛍光管間の間隙内の位置に少なくともいくつかのLED(例えば、401a、401e)を含む幅にわたってアレイ内に構成された複数のLED401a~eを含む。比較の目的で、それが矩形部分403rに接続する基部の半円形の下側部分403sの寸法Dは、それが置き換えられる蛍光管の元の直径とほぼ同じサイズのものとして描かれている。寸法Dは、半円形部分の実際の直径および/または蛍光管の元の直径よりも小さい弦であってもよい。ヒートシンクは、元の蛍光管よりも小さいか、または大きい直径を有する半円形部分を有し得る。しかしながら、下側部分の幾何学的形状は限定されず、いくつかの実施形態は、半円形の幾何学的形状をまったく有していない場合がある。光源の延在幅は、隣接する光源が、隣接する光源の隣接する側縁間にほとんど間隙を含まない、1対1の比率で隣接する管に置き換えられるように設計され得るか、または各光源が、複数の蛍光管に取って代わるように設計され得る(例えば、1つのLED光源から2つの蛍光管、1~3など)。この構成はまた、各LEDの個々の発光角度βよりも大きい、光源からの発光角度θを提供する効果を有する。
【0028】
管長軸に平行であるか、または管長軸を包含する平面における角度分布を改善するために、
図1に示されるカバー104は、LEDが位置する位置にわたって、複数の円筒形のフレネルレンズなどの、プリズム構造または他の屈折構造を備え得る。
図5Aおよび
図5Bは、矢印510a~eによって表される5つのLEDの線形ポジションにわたって整列した5つの円筒形のフレネルレンズを有するかかるカバー500の例示的な部分を描いている。本明細書で使用される場合、「円筒形のフレネルレンズ」という用語は、ライトを点にまたは点から凝縮または拡散する球状のフレネルレンズとは対照的に、ライトを線(例えば、LED光源が沿って分布する軸)にまたは線から凝縮または拡散する屈折力を有するレンズの幾何学的形状を指す。各LEDの線形ポジションは、
図2に描かれる3つのLEDの角度付けされた分布などで、2つ以上のLEDを表し得る。カバー500内の構造は、フレネルレンズの数学的精度に正確に準拠していないが、かかる構造を含まないものよりも幅広の角度分布を引き起こす方法で、依然としてUV放射を屈折させるプリズム構造を備え得る。したがって、レンズカバー内のプリズム屈折構造は、任意の特定の幾何学的形状に限定されない。
【0029】
特に、
図5Bに描かれるカバー500は、両側に、
図2および
図3に描かれる平面状の装着エリア220、320とインターフェース接続するように構成された平面状の表面502を有する。したがって、対応する基部に組み立てた場合、平面状の表面502は、目標照明平面と平行である。カバーの端部の平面状の表面は、本明細書で考察される他の実施形態のいずれかに描写されるもののいずれかなど、任意のカバー構造内に存在し得る。代替的な構成では、カバーは、基部内の嵌合溝または穴とインターフェース接続する、1つ以上の突出部を有し得る。例えば、
図5Cに描かれる1つの代替的な構成では、基部550は、カバー540の端部から半径方向内向きに延在するリップ552を受容するように構成された溝551を有し得る。溝および対応するリップは、光源の全長に延在し得るか、または選択された嵌合位置にのみ存在し得る。溝とリップとの間の物理的接続の強度は、リップと溝との嵌合面上で接着剤を使用することによって増強され得る。溝およびリップの幾何学的形状は、当技術分野で既知の任意の幾何学的形状を有し得、描かれているものに限定されない。カバーと基部との間のインターフェースは、任意の特定の構造に限定されない。非限定的な例として、
図5D~
図5Hに描かれるインターフェースなどの追加のインターフェースを提供することができる。
【0030】
図5Dに描かれるように、基部560は、内部にカバー564から突出するプロングまたはタブ562が挿入される、1つ以上の溝または穴561を有し得る。これらのインターフェースは、接着剤で強化され得る。基部およびカバーの幅は、
図5Dのインターフェースにおいて実質的に同じであるように描かれているが、基部590は、
図5Gに示されるように、インターフェースにおいてカバー594よりも大きな幅を有することができ、プロングまたはタブ592は、カバーと同じ幅または直径でカバー594から延在する突出部を備え、基部は、対応するプロングまたはタブを受容するように構成された基部の比較的大きな着地エリア内に、対応する溝または穴591を有する。
【0031】
別の実施形態では、(ばね鋼製などの)クランプ576は、
図5Eに描かれるように、カバー574の一部の周りに、基部570の下に延在して配設され得る。かかるクランプは、好ましくは、先行技術の電球上のエンドキャップ810が
図8に示される場所に位置し得、その結果、クランプによって遮断されるいかなる放射も硬化露光のためには必要ではない。
【0032】
図5Fに描かれるようなさらに他の構成では、カバー584は、断面が180度を超えて延在するPlexiglas管の一部を含むことができ、管587内の後方開口部が冷却用に提供されている。管は、管の表に面する部分の第1の厚さと、表に面する表面585とインターフェース接続する、
図5Fの右側に描かれるリップ588を提供するような、基部580の周囲と接触するより小さい厚さと、を有し得るか、または管は、基部の表に面する表面と接触する突出部589を有し得る。
図5Fでは、右側と左側において異なる構造で描かれているが、図面は例示目的のためのみであること、ならびにカバーの両側および基部は通常、同じ構造特徴を有するが、構造は、壁厚および突出部の変更の組み合わせを含み得、いくつかの実施形態は、組み立てを容易にするために、一方の側と別の側とで異なる構造を有し得ること、を理解されたい。
【0033】
基部内の穴、溝、または他のネガ型特徴とインターフェース接続する、カバー上の突出部または他のポジ型特徴として描かれているが、基部595からの突出部597がカバー596の縁を受容する、
図5Hに描かれるような、カバーが基部上のポジ型特徴とインターフェース接続する実施形態も提供され得る。突出部は、カバーおよび基部の全長に延在し得るか、または一連の別個の突出部を含み得る。カバーは、全体を通して同じ厚さの連続した縁を有し得るか、または基部からの対応する突出部に嵌合するように、比較的薄いおよび厚い壁厚のくぼみまたはエリアを有し得る。接着剤の層は、基部の嵌合面とカバーとの間に提供され得る。
【0034】
クランプおよび/または接着剤を、本明細書に記載のインターフェースのいずれかと組み合わせることができ、本明細書に記載の以下のいずれかまたはすべてを含むが、これらに限定されない、基部の対応する嵌合特徴とインターフェース接続するカバーのネガ型特徴、ポジ型特徴、または中立型特徴の組み合わせを組み合わせることができる。本明細書で使用される場合、「ポジ型」という用語は、縁または表面から突出する特徴を指すことが意図され、「ネガ型」という用語は、縁または表面に対してくぼんでいる特徴を指すことが意図され、「中立型」とは、対応する特徴との平面接触を行う特徴などの、ポジ型でもネガ型でもない特徴を指すことが意図される。「嵌合」特徴は、例えば、穴561などのネガ型特徴に嵌る、プロング562などのポジ型特徴、あるいは中立型の表面(例えば、基部の表に面する表面585)を受容するリップを作り出す、ポジ型589もしくはネガ型588特徴(例えば、低減した壁厚のエリア)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
図5C~
図5Hには半円筒形のカバーで描かれているが、カバーと基部との間のインターフェースのいずれかは、
図4に描かれる矩形のカバーの幾何学的形状などであるが、これらに限定されない、他の形状を有する実施形態にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【0035】
好ましくは、各単一の光源内のLEDは、これらのLEDのライト出力の性質(および任意の他の材料特性)が光源の全長にわたって一定のUV出力を得るのに十分に同じであるように、同じ製造バッチから選択される。1つのバンク露光ユニット内の光源のすべてにおいて、すべてのLEDが同じLEDバッチから生産され得るわけではないため、単位電流当たりの異なるLEDバッチから発する異なる出力強度を補償するために、LEDを通して所望の電流を維持する制御エレクトロニクスを有することが望ましい場合がある。かかる制御エレクトロニクスを使用して、すべての管の総UV出力を所定の許容範囲内で共通の強度レベルに調節することができ、それにより、プレート上のすべての位置が、所望の許容範囲内で同じ強度レベルのUV放射に露光される。
【0036】
LEDおよびLED強度を制御するための好適な制御エレクトロニクスは、制御信号に対するUV出力の許容可能な線形性を得るためのパルス幅変調の使用などのライティング技術の分野で周知である。経年劣化によって引き起こされる出力電力減衰を補償するためなど、LED光源の出力を設定するために遠隔制御信号を使用することができる。制御信号は、赤外線(IR)または無線周波数(RF)信号などにより、各光源内に位置する個々の電力コントローラに伝送され得る。放射強度の遠隔制御により、当技術分野で既知のように、ラウンドトップ対フラットトップモードでの高感度ポリマープレート(例えば、DuPont(登録商標)EFXプレート)を露光するためなどの用途要件に従って放射出力を調節することもできる。用途要件に従って放射出力を調節することは、印刷プレートを完全に硬化させるために、低い強度を用いた第1の露光に続いて、より高い強度を用いた第2の露光を提供することも含み得る。第1の露光は、必要とされる総硬化の第1の断片を提供し得、第2の露光は、第1および第2の露光が一緒になって、プレートを硬化するために必要とされる総エネルギー量を集合的に提供するように、必要とされる総硬化の残りの断片を提供する。
【0037】
エレクトロニクスの非線形性または調光LED光源のための制御曲線を補償するために、露光中にフォトポリマープレートを保持する支持面内に統合されるか、または支持面上に配置される、1つ以上のフォトディテクタは、所定の許容範囲内で正確な量のUV強度が提供されるように、フィードバックをUV出力コントローラに提供し得る。
図6は、例示的なかかるフィードバックループ、ならびに本明細書に記載の例示的なLED光源を制御するための全般的な概要を概略的に例示している。電源601は、各LED光源603内のLEDを制御する制御エレクトロニクス602に電力供給する。各光源内の個々のLEDは、個々に制御可能であってもよいし、より好ましくは、ユニットごとに制御可能であってもよい。フォトディテクタ606は、較正された位置で受信した放射を測定して、印刷プレートが受信したその放射を表し、次いで、フォトディテクタからの信号が、制御エレクトロニクスに接続された遠隔制御レシーバ604に信号を送信する遠隔制御トランスミッタ605に提供され、遠隔制御トランスミッタ605は、そのフィードバック信号を、変更なしに電流を増加させるか、減少させるか、または維持する必要があるかどうかを決定するための入力として使用する。制御パネル607は、所望の強度レベルの命令を遠隔制御トランスミッタに提供することができ、遠隔制御トランスミッタは、かかる情報をフィードフォワード信号として使用して、次いでフィードバックを使用して調節されるおよその電流レベルを設定することができる。
【0038】
図9は、複数の光源902を組み込んだ例示的な放射システム900を描いており、これらの光源は、蛍光管を置き換えるための本明細書に記載の構成のいずれかであり得る。システムは、例えば、蛍光電球と共に使用するように設計され、本発明の光源と共に改造された既存のシステムであってもよく、その光源は、任意選択で、本明細書に記載の追加のコントローラおよびセンサのいずれかを含むこともできる。システムはまた、本明細書に記載の光源と共に使用するために新たに設計されたシステムであってもよい。例示的なシステムは、プレートを受容するための支持面916上に印刷プレート(図示せず)を挿入するために、通常、蓋を基部に対して移動させるためのヒンジ913または他の手段によって、基部914に取り付けられる蓋912を備える。支持面916は、概して、ユニットが露光されるとみなされる最大の印刷プレートと少なくとも同じサイズの(および好ましくは所定のマージンよりも大きい)幅および長さを有するように寸法決めされる。それに応じて、放射光源のアレイは、ユニットが露光されるとみなされるプレートの全長および幅にわたってライトを提供するように構成され、ひいては、最大のプレートサイズよりもわずかに大きいエリアにわたってライトのバンクまたはフラッドを所定のマージンだけ提供するようにサイズ決めされることも好ましい。
【0039】
示される例示的な構成では、開いた構成で描かれる蓋が、内部に光源の軸に対してオン中心型の間隔S(a spacing S on-center)を有する第1の複数の上部放射光源902が装着されている。示される上部放射光源902の数は、典型的なシステム内の光源の実際の数または光源の相対的なサイズを表すことを意図するものではないが、単に参照のために概略的に示されている。さらに、描かれるように、光源の幅/直径は、隣接する光源間に間隙Gを残すように描かれている。
図4に描かれる実施形態に関して本明細書で考察されるように、光源が、間隙Gの寸法が第1の値を有する直径Dを有する蛍光電球に置き換えられる実施形態では、光源の幅は、間隙Gの寸法が第1の値よりも小さい第2の値を有するように、Dよりも大きい場合がある。
【0040】
各上部光源は、描かれるように、左側の装着ユニット910ulおよび右側の装着ユニット910ur内に電気的および物理的に受容される。各装着ユニットは、基部914内に装着されたブロック918によって集合的に表される電源および他の制御部に取り付けられる。
図9の拡大部分に示されるように、各光源902は、電気ソケット954と互換性があるように構成されたエンドコネクタ958を有し、このソケットは、先行技術の管800のピン812を受容するように元々構成されていた可能性がある。各ソケットは、電源の両極956、957に接続された電気配線に接続されている。各光源902は、LED950への電力を規制するためのローカルコントローラ952を有し得る。管の一方の端部に位置するボックス952として描かれているが、コントローラの構成要素は両端に配設され得るか、またはコントローラは、LEDが装着される回路基板上に収容された構成要素を備えることができ、描かれるように別個の構成要素でなくてもよい。しかしながら、当技術分野で既知であるように、蛍光電球のエンドキャップ810は、通常、金属、ひいては、非ルミネセンスであるため、置き換え用の管は、必ずしも、蛍光管性能を再現するために、この領域内で照明を提供する必要はない。これにより、管のこの部分は、所望の方法でLEDを制御、電源供給、または操作するために必要とされ得る、電子構成要素のための理想的な位置となる。蛍光管を受容するように構成されたシステム内で改造されたLED光源を操作するための制御、ならびに米国特許第7,507,001号に記載されるような、かかるLED光源に概して電力供給するためのシステムに対する任意の他の修正例が、当技術分野において広く知られている。拡大部分に描かれる光源902は、
図3に描かれる実施形態と一致する構成を有するが、光源は、本明細書に記載の光源のいずれかに適合する設計を有し得る。
【0041】
例示的な制御システムは、
図6に描かれ、本明細書において上で説明した、いくつかのまたはすべての特徴と共に、集合的にプログラムされた1つ以上のコントローラを含み得る。電源および制御部の位置は、基部内の配置に限定されず、本明細書に記載されるように、制御システムのいくつかの部分が基部内に装着され、いくつかが蓋内に装着され、いくつかが光源内に装着される、分布配列を含む、他の場所に位置し得る。ブロック918を接続する示される線は、(有線接続である)電気接続、ならびに(有線であっても、無線であってもよい)制御信号接続を意味する。描かれるように、蓋内の光源902は、好ましくは、支持面916上に装着されるプレートの表側の露光のために使用され得る。
【0042】
基部内の支持面916は、任意選択で、化学線放射に対して透明であっても、半透明であってもよく、追加の任意選択の光源902のバンクは、裏側露光を提供するために、支持面の下の下部左側のソケット910llと下部右側のソケット910lrとの間に装着され得る。制御システムは、参照により本明細書に組み込まれる、本出願の共通の出願人を列挙する、「PROCESS AND APPARATUS FOR CONTROLLED EXPOSURE OF FLEXOGRAPHIC PRINTING PLATES AND ADJUSTING THE FLOOR THEREO」と題する、米国公開特許出願第2018/0210345(A1)号に概して記載されるように、複数の断片の露光サイクルを含み、かつ/または1つ以上の裏側のみの露光ステップを含む、表の露光と裏の露光との間に所定の遅延を有する、プレートへの裏側の露光と表側の露光との組み合わせを提供するようにプログラムされたコントローラを有し得る。
【0043】
したがって、ユーザは、例示的な露光システムを使用して、プレートを支持面上に配置し、蓋を閉じ、所望の時間量にわたって、以下でさらに説明する露光の所望のパターンを含む、上部光源および任意選択で下部光源を作動させることによって、印刷プレートを露光することができる。露光方法は、本明細書で考察される理由のいずれかについて、
図6に描かれるように、制御システムを使用してLEDが発する強度を制御することを含み得る。
【0044】
他の実施形態では、UV LED701は、
図7に描かれるように、平面状のアレイ内に配列され得、このアレイは、照射されるフォトポリマー印刷プレートと同じサイズであってもよいし、または好ましくは少なくともわずかに大きくてもよい。LEDアレイの縁における放射照度を維持するために、アレイは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,578,854号に概して開示されるように、鏡張りの壁702によって取り囲むことができる。描かれるように、鏡張りの壁は、平面状のアレイのサイズに適合される。万華鏡のアプローチもまた、本出願の共通の出願人によって所有され、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8578854号に開示されている。米国特許第8,578,854号の
図3~
図6および対応する開示は、フォトポリマープレート内の印刷ドットの硬化のためにエリア光源を使用する利点を例示している。エリア光源は、プレート頂面の印刷細部の下にあるより幅広の支持ソケットを硬化する。より幅広の支持ソケットにより、より小さい印刷細部が溶剤洗浄プロセス中にプレート上に保持され、ドットが外れる前のプレスでのプレートのより長い実行時間も提供される。
【0045】
本明細書では、主に紫外線(UV)発光範囲(例えば、紫外線UVスペクトル内、好ましくは320nm~420nmの範囲内、より好ましくは360nm~420nmの範囲内に発光中心波長を有する)のLEDの文脈において考察されているが、LEDの放射出力は、硬化されることを求められるフォトポリマープレートに対して化学線放射である限り、任意の特定の波長に限定されない。
図7において行および列の規則的なアレイとして矩形のアレイが描かれているが、LEDのアレイは、行間または列間にスタッガード構成を有し得ることも理解されたい。さらに、各光源は、各種類が異なる共通の発光中心波長を有し、それぞれの種類が繰り返しの順序で互いに隣接して配設されている、LEDの2つ以上の種類を含み得る。例えば、LEDは、本発明の共通の出願人によって出願され、参照により本明細書に組み込まれる、共に「APPARAUS AND METHOD FOR EXPOSING PRINTING PLATES USING LIGHT EMITTING DIODES」と題される、2019年4月26日出願の米国仮特許出願第62/839,171号からの優先権を主張する、2020年4月26日出願のPCT出願第PCT/EP20/061556号に記載のパターンで分布していてもよく、かつ/または同出願に記載の波長特性を有することができる。したがって、前述の組み込まれた参照に従って、光源は、列および行のアレイ内に配列された複数の発光ダイオード(LED)を含むことができ、複数のLEDは、複数の種類(例えば、2種類、3種類、4種類など)のLEDを含み、各種類は、任意の他の種類の部材とは異なる共通の発光中心波長を含む複数の部材を有する。LEDの各種類は、好ましくは、UVスペクトル内、より好ましくは320nm~420nm、最も好ましくは360nm~420nmの範囲内に発光中心波長を有する。例えば、3種類の構成では、365nm、395nm、および415nm。アレイは、1つおきの行が、任意選択でスタッガード構成の行内の単一の種類からなるパターン、または各行内の1つおきの種類が、隣接する行内の同じ種類の隣接する部材と対角線上で整列するように分布しているパターンなどの、繰り返しの順序で互いに隣接して配設されたそれぞれの種類で構成され得る。アレイのコントローラは、各種類を独立して制御し、かつ複数の種類を、LEDのそれぞれの種類の隣接する部材の発光パターンがプレート上で互いに重なり合うように、同時に発光させるように構成され得る。異なる種類は、それぞれの種類から異なる集合的な発光強度、または相対的な発光強度の異なるブレンドを提供するように調整され得る。LEDの各種類の部材は、種類内で電気的に接続された部材の各々を共通の強度で発光させるように構成された共通のドライバに電気的に接続され得る。かかるアレイを備える各光源は、ユーザが調節可能な発光強度などの1つ以上のユーザが調節可能な発光特性を有し得る。いくつかの実装例では、複数の光源は、1つの光源が別の光源とは異なる発光特性を同時に発することを可能にし、かつ/または同じ光源が露光継続期間の異なる部分の間に異なる発光特性を発することを可能にするように構成可能であり得る。LEDのそれぞれの種類の相対的な強度を、プレートの異なるバッチ間の露光感度の差を補正するため、またはそれぞれの露光システム間の差を補正するために調整することもできる。前述で記載の異なる種類または分布パターンの使用は、本明細書に描かれる実施形態のいずれかにおいて使用され得る。したがって、例えば、
図1、
図3、および
図4に描かれる実施形態の断面図のみが提供されているが、LEDは、各光源の長さに沿って分布すること、ならびにかかる分布は、矩形の規則的なアレイ、または前述の第62/839,171号の出願に開示されるパターンのいずれかによる、単一もしくは複数の種類のパターンを含むが、これらに限定されない、動作可能な利点を有することがわかっている任意の他の間隔パターンであってもよいことを理解されたい。
【0046】
本明細書では、蛍光電球の置き換えとしての光源の使用、および本明細書に開示される光源を用いてフォトポリマープレートを露光するための既存のバンクライトシステムの改造を参照して考察されているが、光源およびそれらを使用するためのシステムは、改造用途に限定されないが、任意の使用のために設計された元の機器を含み得ることを理解されたい。
【0047】
本発明は本明細書において特定の実施形態を参照して例示および説明されているが、本発明は、示される詳細に制限されることを意図するものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の趣旨および均等範囲内の詳細に様々な修正を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学線放射でフォトポリマー印刷プレートを硬化させるための放射光源であって、前記光源が、
ヒートシンクを備える基部であって、前記基部が、軸に沿って幅および長さを有し、前記長さが、前記幅よりも大きい、基部と、
前記基部上に装着される1つ以上の回路基板であって、前記1つ以上の回路基板が、前記基部の前記長さにわたって分布する複数の発光ダイオード(LED)を集合的に有する、1つ以上の回路基板と、
前記化学線放射に対して透明または半透明で、前記基部上に装着されるカバーと、を備え、前記カバーが、前記基部と一緒になって、前記複数のLEDのための筐体を画定する、放射光源。
【外国語明細書】