(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129021
(43)【公開日】2024-09-26
(54)【発明の名称】核酸単離及び関連方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/24 20060101AFI20240918BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20240918BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20240918BHJP
B01D 15/08 20060101ALI20240918BHJP
C12N 15/36 20060101ALN20240918BHJP
【FI】
B01J20/24 C
C12N15/10 110Z
C12Q1/686 Z
B01D15/08
C12N15/36
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090726
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2021507751の分割
【原出願日】2019-08-16
(31)【優先権主張番号】62/765,149
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504019928
【氏名又は名称】セファイド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】クチャビン, アレックス, アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ナナシー, オリバー, ジー.
(72)【発明者】
【氏名】セルゲエフ, ドミトリ
(72)【発明者】
【氏名】ゴール, アレクサンダー, エー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】核酸を含む生体サンプルからの核酸単離を、高速で自動化された核酸検出法に適合した方法で容易に行うための、ペクチン誘導体で修飾された固体支持体、核酸含有サンプルから核酸を単離する方法、及びサンプル中の核酸を検出する方法を提供する。
【解決手段】固体支持体に共有結合している複数の修飾ペクチン分子を含む、固体支持体であって、前記修飾ペクチンが式:
又は立体異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせで表される1以上の単位を含む、アミド化ペクチンを含み、ここで、R
2及びR
3は、H、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、任意に置換されたC
3-C
6シクロアルキル、及び任意に置換されたC
2-C
20ヘテロアルキルから独立して選択される、固体支持体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体支持体に共有結合している複数の修飾ペクチン分子を含む、固体支持体。
【請求項2】
前記修飾ペクチンが複数のアミノ基を含む、請求項1の固体支持体。
【請求項3】
前記修飾ペクチンがアミド化ペクチンである、請求項1の固体支持体。
【請求項4】
前記アミド化ペクチンが、式
【化1】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせで表される1つ以上の単位を含み、
ここで、nは、0~3であり、
R
1は、H又はC
1-C
3アルキルであり、
Xは、各出現において、独立して、C
2-C
4アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、
Yは、C
2-C
3アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、及び
R
2及びR
3は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである、請求項3の固体支持体。
【請求項5】
前記アミド化ペクチンが、C4-C20ポリアミンでアミド化されたペクチンである、請求項3の固体支持体。
【請求項6】
前記ポリアミンが、エチレンジアミン、プトレスシン、カダベリン、スペルミン、又はスペルミジンである、請求項5の固体支持体。
【請求項7】
前記アミド化ペクチンが、構造
【化2】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせを有する1つ以上の単位を含み、
ここでnは、0、1、2、又は3であり、
mは、2、3、又は4であり、
pは、2、3、又は4であり、及び
R
1、R
2、及びR
3は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである、請求項3の固体支持体。
【請求項8】
前記アミド化ペクチンが、構造
【化3】
それらの異性体、塩、又は互変異性体を有する1つ以上の単位を含む、請求項3の固体支持体。
【請求項9】
前記アミド化ペクチンが、アミド化シトラスペクチン又はアミド化リンゴペクチンである。請求項3の固体支持体。
【請求項10】
前記アミド化ペクチンが、約4,000Daと約500,000Daの間、約5,000Daと約300,000Daの間、約100,000Daと約300,000Daの間、又は約50,000Daと約200,000Daの間の分子量を有する、請求項3の固体支持体。
【請求項11】
前記固体支持体が、ポリスチレン、ガラス、セラミック、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナ、ポリカーボネート、ラテックス、PMMA、ゼオライト、ポリエーテルスルホン、カルボキシメチルセルロース、及びセルロースから選択される材料を含む、請求項1の固体支持体。
【請求項12】
前記固体支持体が、磁性ビーズ、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンフィルター、ポリカーボネートフィルター、ポリエーテルスルホン、又はガラスフィルターである、請求項1の固体支持体。
【請求項13】
核酸含有サンプルから核酸を単離する方法であって、
(a)前記サンプルを請求項1~12のいずれか1項の固体支持体と接触させ、それにより前記核酸を前記固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、前記固体支持体に結合した前記核酸を洗浄する工程、及び
(c)溶出剤を用いて前記固体支持体から前記核酸を溶出する工程、
を含む、方法。
【請求項14】
前記溶出剤がアンモニア又はアルカリ金属水酸化物を含む、請求項13の方法。
【請求項15】
前記溶出剤が、約9を超えるpH、約10を超えるpH、又は約11を超えるpHを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記溶出剤が、約9と約12の間、約9.5と約12の間、約10と約12の間、又は約9と約11の間のpHを有する、請求項13の方法。
【請求項17】
前記溶出剤がポリアニオンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリアニオンがカラギーナンである、請求項17の方法。
【請求項19】
前記ポリアニオンがキャリア核酸である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記溶出剤がカラギーナン及びKOHを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記サンプルを前記固体支持体と接触させる前に、前記サンプルを溶解液と接触させ、それによって核酸を溶液中に放出する工程を含む、請求項13~20のいずれかの方法。
【請求項22】
前記溶解液がカオトロピック剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カオトロピック剤が、グアニジニウムチオシアネート、グアニジニウムヒドロクロリド、過塩素酸アルカリ、ヨウ化アルカリ、尿素、ホルムアミド、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記カオトロピック剤が、グアニジニウムチオシアネート又はグアニジニウムヒドロクロリドである、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記溶解液が塩を含む、請求項21の方法。
【請求項26】
前記塩が塩化ナトリウム又は塩化カルシウムである、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記溶解液がカオトロピック剤を含まない、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記溶解液が緩衝剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記緩衝剤がトリスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記溶解液がサーファクタントを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記溶解液が消泡剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記サンプルを前記固体支持体と接触させる工程が、カオトロピック試薬の存在なしに行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項33】
前記サンプルが、血液、血漿、血清、精液、組織生検、尿、便、唾液、塗抹標本、細菌培養物、細胞培養物、ウイルス培養物、PCR反応混合物、又はインビトロ核酸修飾反応混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項34】
前記組織生検がパラフィン包埋組織である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記核酸がゲノムDNAを含む、請求項13記載の方法。
【請求項36】
前記核酸が総RNAを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項37】
前記核酸が微生物核酸又はウイルス核酸を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項38】
前記ウイルス核酸がHBV DNAである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記核酸が循環核酸である、請求項13に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が自動化カートリッジ内で行われる、請求項13~39のいずれか1項の方法。
【請求項41】
サンプル中の核酸を検出する方法であって、
(a)核酸含有サンプルを請求項1~12のいずれか1項の固体支持体と接触させ、それにより前記核酸を前記固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、前記固体支持体に結合した前記核酸を洗浄する工程、
(c)前記核酸を溶出する工程、及び
(d)前記核酸を検出する工程、
を含む、方法。
【請求項42】
前記核酸を検出する工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸の増幅を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリメラーゼ連鎖反応が、ネステッドPCR、アイソサーマルPCR、又はRT-PCRである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記アミド化ペクチンが化学的に結合した固体支持体を含む、クロマトグラフィー用分離材料。
【請求項45】
前記アミド化ペクチンが、式
【化4】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせで表される1以上の単位を含み、
ここで、R
2及びR
3は、H、任意に置換されたC
1~C
6アルキル、任意に置換されたC
3~C
6シクロアルキル、及び任意に置換されたC
2~C
20ヘテロアルキルから独立して選択される、請求項44に記載の分離材料。
【請求項46】
前記固体支持体が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、又はハイブリッドシリカ材料である、請求項44又は45の分離材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2018年8月17日に出願された米国仮出願第62/765,149号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、修飾ペクチンを含む固体支持体及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような様々な自動化された分析技術による核酸の増幅及び/又は検出を利用する分子診断アッセイは、従来の診断法と比較して、より短い時間で迅速かつ正確な結果を提供し、容易に自動化できる。しかしながら、生物学的サンプルの分子診断分析を行うためには、例えば、ポリメラーゼ活性を阻害することによってアッセイの精度に影響を与え得る要素を除去するために、核酸を生物学的材料から単離しなければならない。核酸抽出のための様々な方法が存在するにもかかわらず、現在利用可能な方法は、一般的に長い工程を伴い、自動化が容易ではない。そのため、特定の標的を増幅して検出する前の核酸サンプルの調製は、分子診断学の最も難しいステップである。
【0004】
増幅阻害剤を含まない高品質の核酸を生産するためには、大規模なサンプル処理を必要とせず、臨床検査の自動化にも対応できる簡便で迅速な核酸単離法が必要とされている。核酸を含む生体サンプルからの核酸単離を、高速で自動化された核酸検出法に適合した方法で容易に行うことができる薬剤が必要とされている。本発明は、この必要性を満たし、さらに関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、本明細書は固体支持体に共有結合した複数の修飾ペクチン分子を含む固体支持体を提供する。いくつかの実施形態では、修飾ペクチンは、複数のアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、修飾ペクチンは、アミド化ペクチンである。いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式
【化1】
その異性体、塩、互変異性体で表される1つ以上の単位を含み、
ここで、nは、0、1、2、又は3であり、
R
1は、H又はC
1-C
3アルキルであり、
Xは、各出現において、独立して、C
2-C
4アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、
Yは、C
2-C
3アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、及び
R
2及びR
3は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである。
【0006】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、C4-C20ポリアミンでアミド化されたペクチンである。いくつかの実施形態では、ポリアミンは、エチレンジアミン、プトレスシン、カダベリン、スペルミン、又はスペルミジンである。
【0007】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、構造
【化2】
異性体、塩、又は互変異性体を有する1つ以上のユニットを含み、
ここで、nは、0、1、2、又は3であり、
mは、2、3、又は4であり、
pは、2、3、又は4であり、及び
R
1、R
2、及びR
3は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである。
【0008】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、構造
【化3】
それらの異性体、塩、又は互変異性体を有する1つ以上のユニットを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、アミド化シトラスペクチン又はアミド化リンゴペクチンである。いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、約4,000 Daと約500,000 Daの間、約5,000 Daと約300,000 Daの間、約100,000 Daと約300,000 Daの間、又は約50,000 Daと約200,000 Daの間の分子量を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、ポリスチレン、ガラス、セラミック、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナ、ポリカーボネート、ラテックス、ポリエーテルスルホン、PMMA、カルボキシメチルセルロース、ゼオライト、及びセルロースから選択される材料で構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、磁性ビーズ、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンフィルター、ポリカーボネートフィルター、ポリエーテルスルホン、又はガラスフィルターである。
【0012】
別の態様では、本明細書は核酸含有サンプルから核酸を単離する方法であって、
(a)サンプルを本明細書に記載の固体支持体と接触させ、それにより核酸を固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、固体支持体に結合した核酸を洗浄する工程、及び
(c)溶出試薬を用いて固体支持体から核酸を溶出する工程、
を含む、方法を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、溶出剤は、アンモニア又はアルカリ金属水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、溶出剤は、約9を超えるpH、約10を超えるpH、又は約11を超えるpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出試薬は、約9~約12、約9.5~約12、約10~約12、又は約9~約11のpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出試薬は、ポリアニオンを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、カラギーナン又はキャリア核酸である。いくつかの実施形態では、溶出剤は、ポリアニオン及び塩基、例えば、水酸化アルカリを含む。いくつかの実施形態では、溶出剤は、i-カラギーナン及びKOHを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルを固体支持体と接触させる前に、サンプルを溶解液と接触させ、それによって核酸を溶液中に放出する工程を含む。いくつかの実施形態では、溶解液はカオトロピック剤を含む。いくつかの実施形態では、カオトロピック剤は、グアニジニウムチオシアネート、グアニジニウムヒドロクロリド、過塩素酸アルカリ、ヨウ化アルカリ、尿素、ホルムアミド、又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、カオトロピック剤は、グアニジニウムチオシアネート又はグアニジニウムヒドロクロリドである。いくつかの実施形態では、溶解液は、塩を含む。いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウム又は塩化カルシウムである。いくつかの実施形態では、溶解液はカオトロピック剤を含まない。いくつかの実施形態では、溶解液は、緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、緩衝剤はトリスである。いくつかの実施形態では、溶解液は、サーファクタントを含む。いくつかの実施形態では、溶解液は、消泡剤を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、サンプルを固体支持体と接触させる工程は、カオトロピック試薬の存在なしに行われる。
【0016】
いくつかの実施形態では、サンプルは、血液、血漿、血清、精液、組織生検、尿、便、唾液、塗抹標本、細菌培養物、細胞培養物、ウイルス培養物、PCR反応混合物、又はインビトロ核酸修飾反応混合物から選択される。いくつかの実施形態では、組織生検は、パラフィン包埋組織である。いくつかの実施形態では、核酸は、ゲノムDNAを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、総RNAを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、微生物核酸又はウイルス核酸を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス核酸はHBV DNAである。いくつかの実施形態では、核酸は循環核酸である。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、自動化カートリッジ内で行われる。
【0018】
別の態様において、本明細書はサンプル中の核酸を検出する方法であって、
(a)核酸含有サンプルを本明細書に記載の固体支持体と接触させ、それにより核酸を固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、固体支持体に結合した核酸を洗浄する工程、
(c)核酸を溶出する工程、及び
(d)核酸を検出する工程、
を含む、方法を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、核酸を検出する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸の増幅を含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ連鎖反応は、ネステッドPCR、アイソサーマルPCR、又はRT-PCRである。別の態様では、本明細書はアミド化ペクチンが共有結合した固体支持体を含むクロマトグラフィー用分離材料を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式
【化4】
その異性体、塩、又は互変異性体で表される1以上の単位を含み、
ここで、R
2及びR
3は、H、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、任意に置換されたC
3-C
6シクロアルキル、及び任意に置換されたC
2-C
20ヘテロアルキルから独立して選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、又はハイブリッドシリカ材料である。
【発明の詳細な説明】
【0022】
一態様では、本明細書は核酸含有サンプルから核酸を精製するための固体支持体であって、表面に共有結合した1つ以上の修飾ペクチンの分子を含む固体支持体を提供する。いくつかの実施形態では、修飾ペクチンは、複数のアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、修飾ペクチンは、アミド化ペクチンである。本明細書で使用される用語「固体支持体」は、常磁性粒子、ゲル、制御性ポアガラス、磁気ビーズ、マイクロスフェア、ナノスフェア、キャピラリー、フィルター膜、カラム、クロス、ワイプ、ペーパー、平坦な支持体、マルチウェルプレート、多孔性膜、多孔性モノリス、ウェハ、コーム、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の基材を指す。固体支持体は、ガラス、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、エチレン性骨格ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、セラミック、セルロース、ニトロセルロース、ジビニルベンゼンなどの任意の適切な材料で構成できるが、これらに限定されない。好ましくは、固体支持体は、ポリスチレン、ガラス、セラミック、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリカ、ポリカーボネート、ラテックス、PMMA、ゼオライト、ポリエーテルスルホン、カルボキシメチルセルロース、セルロース、及びこれらの組み合わせから選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ペクチンではなく、例えば、非修飾ペクチン又は修飾ペクチンである。
【0023】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、磁性ビーズ、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンフィルター、ポリカーボネートフィルター、ポリエーテルスルホンフィルター、又はガラスフィルターである。好ましくは、本明細書に開示の固体支持体の調製に適した材料は、低い非特異的結合を有し、例えば、本明細書に記載されるペクチン修飾がない場合、これらの材料は、核酸、蛋白質、又は核酸の分離が望まれるサンプルの他の成分と結合しない。
【0024】
修飾ペクチン
いくつかの実施形態では、修飾ペクチンはアミド化ペクチンである。ペクチンは、植物の細胞壁に典型的に見られる天然に存在する複合多糖である。ペクチンは、ラムノース残基が介在するα1-4結合ポリガラクツロン酸骨格を含み、中性糖側鎖や、アセチル基、メチル基、及びフェルラ酸基などの非糖成分で修飾されている。ペクチン中のガラクツロン酸残基は部分的にエステル化され、メチルエステルとして存在している。エステル化の度合いは、エステル化されたカルボキシル基の割合として定義される。エステル化度、例えば、50%超のペクチンは、高メチルエステル(「HM」)ペクチン又は高エステルペクチンとして分類され、エステル化度が50%より低いペクチンは、低メチルエステル(「LM」)ペクチン又は低エステルペクチンと呼ばれる。果物及び野菜に見られるペクチンのほとんどは、HMペクチンである。
【0025】
本明細書で使用される「アミド化ペクチン」は、例えば、化学的、物理的、生物学的(酵素を含む)手段、又はそれらのいくつかの組み合わせによって、構造的に修飾された任意の天然由来のペクチンを指す。ここで、いくつかのエステル基や酸基がアミド基に変換されている。アミド化ペクチンは、非修飾ペクチンを適切なアミンの溶液と接触させて、それにより非修飾ペクチンのエステル基をアミドに変換することによって調製できる。
【化5】
【0026】
あるいは、非修飾ペクチン又は部分的に加水分解されたペクチンを含む加水分解ペクチンを、適切なカップリング剤の存在下でアミンと反応させて、アミド化ペクチンを形成できる。適切なカップリング剤の非限定的な例としては、DCC及びEDCIなどのカルボジイミドカップリング剤、並びにBOP、PyBOP、PyBrOP、TBTU、HBTU、HATU、COMU、及びTFFHなどのホスホニウム及びイモニウムタイプの試薬を含む。
【化6】
【0027】
いくつかの実施形態では、修飾ペクチンは、過酸化ペクチンの還元的アミノ化によって得られる修飾ペクチンである。ペクチンなどの炭水化物の還元的アミノ化の方法は、当技術分野で知られている。
【0028】
修飾ペクチンは、非修飾ペクチンから本明細書に記載された方法のいずれかによって得られる。修飾ペクチン合成のための特に有用な出発材料は、リンゴ及びシトラスペクチンである。いくつかの実施形態では、出発ペクチンは、約4,000 Da~約500,000 Da、約5,000 Da~約300,000 Da、約10,000 Da~約150,000 Da、又は約10,000 Da~約100,000 Daの分子量を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、複数のウロン酸単位及び1つ以上の追加のモノマー単位を含む。ウロン酸は、カルボニル(例えば、アルデヒド基又はケト基)及びカルボン酸(-COOH)官能基の両方を含む糖酸を含む。典型的には、ウロン酸は、末端水酸基がカルボン酸に酸化された糖に由来するものであり、一般的には親糖に応じて命名され、例えば、グルクロン酸はグルコースに由来するウロン酸である。ヘキソースに由来するウロン酸は、ヘキスロン酸として知られており、ペントースに由来するウロン酸は、ペントロン酸として知られている。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つ以上のウロン酸単位に加えて、アミド化ペクチンは、
【化7】
それらの異性体、塩、互変異性体、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の単位をさらに含み、
ここで、R
1は、任意に置換されたC
1-C
8アルキル、任意に置換されたC
3-C
8シクロアルキル、任意に置換されたC
3-C
8ヘテロシクロアルキル、及び任意に置換されたC
2-C
20ヘテロアルキルから選択され、及び
R
2及びR
3は、独立して、H、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、任意に置換されたC
3-C
6シクロアルキル、及び任意に置換されたC
2-C
20ヘテロアルキルから選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、R3は、任意に置換されたC1-C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、任意に置換されたC4-C20ヘテロアルキル、例えば、1つ以上のアミノ基で任意に置換されたショートPEG鎖である。
【0032】
いくつかの実施形態では、R1、R2、及びR3の各々は、1個以下のアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、R1、R2、及びR3の各々は、アミノ基を含まない。いくつかの実施形態では、R2及びR3の各々は、1つ以上のアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、R2はHであり、R3は任意に置換されたC4-C20ヘテロアルキル、例えば、任意に1つ以上のアミノ基で置換された、ポリアミン又は2~6個のエチレングリコール単位を含むオリゴマーエチレングリコールである。
【0033】
いくつかの実施形態では、R1は、メチル、エチル、又はプロピルである。いくつかの実施形態では、R2及びR3は、両方ともHである。いくつかの実施形態では、R2はHであり、R3は、任意に置換されたC1-C8アルキルである。いくつかの実施形態では、R2はHであり、R3はH、CH3、CH2CH2NH2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2OH、又はCH2CH2NHCH2CH2NH2である。いくつかの実施形態では、R2及びR3の両方はCH3である。
【0034】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式(III)
【化8】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせの1つ以上の単位をさらに含み、
ここで、R
3は、H、CH
3、CH
2CH
2NH
2、CH
2CH
2N(CH
3)
2、CH
2CH
2OH、(CH
2)2O(CH
2)
2NH
2、又はCH
2CH
2NHCH
2CH
2NH
2である。
【0035】
多糖が式(II)又は(III)の2つ以上の単位を含む場合、それらのR3は多糖内で同じであっても異なっていてもよいことが理解される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示のアミド化ペクチンは、少なくとも1つのアミノ基を有する1つ以上のモノマー単位を含む。いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式VI
【化9】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせの構造を有する1つ以上のモノマー単位を含み、
ここで、nは、0、1、2又は3であり、
R
4は、H又はC
1-C
3アルキルであり、
Xは、各出現において、独立して、C
2-C
4アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、
Yは、C
2-C
3アルキレン又はC
4-C
6ヘテロアルキレンであり、及び
R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるアミド化ペクチンは、式V
【化10】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせの構造を有する1つ以上のモノマー単位を含み、
ここで、nは、0、1、2又は3であり、
mは、各出現において、独立して、2、3又は4であり、
pは2、3又は4であり、
R
4は、H又はC
1-C
3アルキルであり、及び
R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1-C
3アルキルである。
【0038】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、第一級アミノ基を含む1つ以上のモノマー単位を含む。いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、第四級アンモニウム基を含む1つ以上のモノマー単位を含む。いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、ポリアミンでアミド化されている。本明細書で使用される場合、ポリアミンは、2つ以上のアミノ基を含む化合物である。本明細書に開示の固体支持体のペクチンの修飾に使用できるポリアミンは、合成ポリアミン及び天然に存在するポリアミン、例えば、スペルミジン、スペルミン、プトレスシンの両方を含む。いくつかの実施形態では、ポリアミンは、スペルミジン、スペルミジン、カダベリン、エチレンジアミン、及びプトレスシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリアミンはスペルミン又はスペルミジンである。
【0039】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、それらの異性体、塩、及び互変異性体を含む、式VI、式VII、又は式VIIIの構造を有する1つ以上の単位を含む。
【化11】
【0040】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式I~VIIIの構造で表される複数の追加のモノマー単位を含む。本明細書で使用される用語「複数」は、2つ以上を意味する。例えば、複数のモノマー単位は、少なくとも2つのモノマー単位、少なくとも3つのモノマー単位、又は少なくともモノマー単位などを意味する。本発明の実施形態が2つ以上の単量体ユニットを含む場合、それらはまた、第一の単量体ユニット、第二の単量体ユニット、第三の単量体ユニットなどと呼ばれてもよい。
【0041】
本明細書で使用される用語「アルキル」、「アルケニル」、及び「アルキニル」には、直鎖、分岐鎖、及び環状の一価のヒドロカルビルラジカル、及びそれらの組み合わせが含まれ、それらが非置換の場合にはC及びHのみを含む。例としては、メチル、エチル、イソブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2-プロペニル、3-ブチニルなどを含む。そのような各基の炭素原子の合計数は、本明細書に記載されることがあり、例えば、基が最大10個の炭素原子を含むことができる場合には、1-10C、C1-C10、C1-C10、C1-10、又はC1-10として表現されることがある。本明細書で使用される用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、及び「ヘテロアルキニル」は、1つ以上の鎖状炭素原子がヘテロ原子で置換されている対応する炭化水素を意味する。例示的なヘテロ原子は、N、O、S、及びPを含む。ヘテロ原子が炭素原子を置換することが許容される場合、例えば、ヘテロアルキル基において、その基を記述する数字は、例えば、C3-C10と書かれるが、その基を記述する環又は鎖中の炭素原子の数に、記述されている環又は鎖中の炭素原子の置換として含まれるそのようなヘテロ原子の数を加えた数の合計を表す。
【0042】
単一の基は、1種類以上の多重結合、又は1つ以上の多重結合を含んでもよい。そのような基は、それらが少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む場合、用語「アルケニル」の定義内に含まれ、それらが少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む場合、用語「アルキニル」の定義内に含まれる。
【0043】
アルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、そのような置換が化学的に意味をなす範囲で任意に置換できる。代表的な置換基としては、限定されないが、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、=O、=NCN、=NOR、=NR、OR、NR2、SR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRC(O)OR、NRC(O)R、CN、C(O)OR、C(O)NR2、OC(O)R、C(O)R、及びNO2を含み、ここで、各Rは、独立して、H、C1-C8アルキル、C2-C8ヘテロアルキル、C1-C8アシル、C2-C8ヘテロアシル、C2-C8アルケニル、C2-C8ヘテロアルケニル、C2-C8アルキニル、C2-C8ヘテロアルキニル、C6-C10アリール、又はC5-C10ヘテロアリールであり、且つ各Rは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、=O、=NCN、=NOR'、=NR'、OR'、NR'2、SR'、SO2R'、SO2NR'2、NR'SO2R'、NR'CONR'2、NR'C(O)OR'、NR'C(O)R'、CN、C(O)OR'、C(O)NR'2、OC(O)R'、C(O)R'、及びNO2で任意に置換され、ここで、各R'は、独立して、H、C1-C8アルキル、C2-C8ヘテロアルキル、C1-C8アシル、C2-C8ヘテロアシル、C6-C10アリール又はC5-C10ヘテロアリールである。また、アルキル、アルケニル、及びアルキニルはC1-C8アシル、C2-C8ヘテロアシル、C6-C10アリール又はC5-C10ヘテロアリールによって置換されていてもよく、これらはそれぞれ、特定の基に適した置換基によって置換されていてもよい。
【0044】
本明細書で使用される「アルキル」は、シクロアルキル基及びシクロアルキルアルキル基を含み、本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、環炭素原子を介して連結された炭素環式非芳香族基を記述するために使用され、「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキルリンカーを介して分子に連結された炭素環式非芳香族基を記述するために使用される。同様に、「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を環メンバーとして含み、C又はNであってもよい環原子を介して分子に連結している非芳香族環基を表すために使用され、さらに、「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキレンリンカーを介して別の分子に連結するそのような基を表すために使用できる。また、本明細書で使用されるこれらの用語は環が芳香族でない限り、二重結合を含む環又は2つの環を含む。
【0045】
「芳香族」又は「アリール」置換基又は部位は、芳香族性のよく知られた特性を有する単環式又は縮合二環式の部位を指し、アリールの例は、フェニル及びナフチルを含む。同様に、「ヘテロ芳香族」及び「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子を環メンバーとして含む、そのような単環式又は縮合二環式環系を指す。好適なヘテロ原子としては、N、O、及びSが挙げられ、これらのヘテロ原子を含むことにより、5員環及び6員環の芳香族性が得られる。代表的なヘテロ芳香族系としては、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、チエニル、フラニル、ピロニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、及びイミダゾリルなどの単環C5-C6芳香族基、及びこれらの単環基のいずれかをフェニル環又はヘテロ芳香族単環基のいずれかと融合させて形成される縮合二環式基であり、インドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ピラゾロピリジル、キナゾリニル、キノキサリニル、シノリニル等のC8-C10の二環式基を形成するものを含む。環系全体の電子分布に関して芳香族性の特徴を有する任意の単環式又は縮合二環式系は、この定義に含まれる。また、少なくとも分子の残部に直接結合している環が芳香族性の特徴を有する二環式基も含まれる。典型的には、環系は5~14個の環員原子を含む。典型的には、単環式ヘテロアリールは5~6個の環員を含み、二環式ヘテロアリールは8~10個の環員を含む。
【0046】
アリール及びヘテロアリール部位は、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C5-C12アリール、C1-C8アシル、及びこれらのヘテロ型を含む様々な置換基で置換されていてもよく、これらの各々はそれ自体がさらに置換されていてもよい。アリール及びヘテロアリール部位の他の置換基としては、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、OR、NR2、SR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRC(O)OR、NRC(O)R、CN、C(O)OR、C(O)NR2、OC(O)R、C(O)R、及びNO2を含み、ここで、各Rは、独立して、H、C1-C8アルキル、C2-C8ヘテロアルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8ヘテロアルケニル、C2-C8アルキニル、C2-C8ヘテロアルキニル、C6-C10アリール、C5-C10ヘテロアリール、C7-C12アリールアルキル、又はC6-C12ヘテロアリールアルキルであり、各Rは、アルキル基について上述したように任意に置換されていてもよい。アリール基又はヘテロアリール基上の置換基は、そのような置換基の種類ごとに、又は置換基の各成分ごとに適したものとして本明細書に記載された基でさらに置換されていてもよい。従って、例えば、アリールアルキル置換基は、アリール部分上に、アリール基のための典型的なものとして本明細書に記載された置換基で置換することができ、アルキル部分上に、アルキル基のための典型的な又は好適なものとして本明細書に記載された置換基でさらに置換できる。
【0047】
本明細書で使用される「任意に置換された」は、記載される特定の基が、非水素置換基で置換された1つ以上の水素置換基を有し得ることを示す。いくつかの任意に置換された基又は部位では、全ての水素置換基が非水素置換基(例えば、トリフルオロメチル等のポリフルオリネイテッドアルキル)で置換される。特に指定がない場合、存在し得るそのような置換基の総数は、記載されている基の置換されていない形態に存在するH原子の数に等しい。任意の置換基がカルボニル酸素やオキソ(=O)のような二重結合を介して結合している場合、グループは2つの利用可能な価数を取るので、含まれてもよい置換基の合計数は、利用可能な価数の数に応じて減少してもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、他に指定されない限り、用語「アミノ基」には、第一級、第二級、及び第三級のアミノ基を含む。
【0049】
アミド化ペクチンの固体支持体への共有結合は、例えば、ポリアミンアミド化ペクチンを、アミン反応性基(例えば、エポキシド、アルデヒド、ケトン、又は活性化エステル)を含む固体支持体と反応させることによって、任意の適切な方法で達成できる。また、第一級又は第二級アミノ基を含むアミド化ペクチンは架橋によって固体支持体、例えば、アミノ修飾固体表面に結合させることができる。本明細書で使用される架橋とは、2つ以上の分子を共有結合によって化学的に結合させるプロセスを意味する。いくつかの例では、架橋剤を使用して、アミド化ペクチンを固体支持体に結合させ、それによってペクチン修飾固体支持体を形成できる。本明細書で使用される架橋剤(又はクロスリンカー)は、分子及び/又は固体支持体上の特定の官能基(例えば、第一級アミン、カルボキシル、スルフヒドリルなど)に化学的に結合できる2つ以上の反応性末端を含む分子である。アミノ基を含む分子を官能化された表面や固体支持体に共有結合させる方法は当技術分野で知られている。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明のアミド化ペクチンは、アミド結合(例えば、固体支持体のカルボキシ基とアミド化ペクチンのアミノ基との間に形成されるアミド結合)を介して固体支持体に共有結合される。アミド結合の形成は、任意の適切な方法で実施できる。例えば、1つ以上の第一級アミノ基を含むアミド化ペクチンを、適切なカップリング剤の存在下で、1つ以上のカルボン酸基を含む基質と反応させることができる。適切なカップリング剤の非限定的な例としては、DCC及びEDCIなどのカルボジイミドカップリング剤、BOP、PyBOP、PyBrOP、TBTU、HBTU、HATU、COMU、及びTFFHなどのホスホニウム及びイモニウムタイプの試薬を含む。いくつかの好ましい実施形態では、固体基材のカルボン酸基を活性化エステルに変換し、その後、アミド化ペクチンのアミノ基と反応させることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、固体支持体は、式(II)~(VIII)のいずれか1つで表される1つ以上の単位を有するアミド化ペクチンを含む。ここで、アミド化ペクチンは、固体支持体に共有結合している。
【0052】
別の態様では、本明細書は核酸含有サンプルから核酸を単離する方法であって、
(a)サンプルを本明細書に開示の固体支持体と接触させ、それによって核酸を固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、固体支持体に結合した核酸を洗浄する工程、及び
(c)固体支持体に結合した核酸を溶出試薬と接触させることにより、固体支持体から核酸を溶出する工程、
を含む方法を提供する。
【0053】
溶出液
いくつかの実施形態では、核酸を含むサンプルを、固体支持体と接触させる前に、溶解液と接触させ、それによってサンプルに含まれる細胞を溶解し、核酸を溶液中に放出する。サンプルが溶解された後、核酸は、本明細書に記載のアミド化ペクチンで共有結合的に修飾されたシリカ又はガラス基材などの固体基材に結合させることができる。いくつかの実施形態では、固体支持体は、GenXpert(R)カートリッジなどの自動カートリッジに組み込まれる。結合後、上清を除去し、核酸を溶出バッファー、例えば、上述のアルカリ溶液で基材から溶出させる。その後、溶出液をカートリッジで処理して、目的の標的遺伝子を検出してもよい。いくつかの実施形態では、溶出液を使用して、凍結乾燥粒子としてカートリッジ内に存在するPCR試薬の少なくとも一部を再構成する。いくつかの実施形態では、PCRは、AptaTaq(Roche、Switzeland)などのホットスタート機能を有するTaqポリメラーゼを使用する。
【0054】
いくつかの実施形態では、溶解液は、グアニジニウムチオシアネート、グアニジニウムヒドロクロリド、過塩素酸アルカリ、ヨウ化アルカリ、尿素、ホルムアミド、及びこれらの組み合わせなどのカオトロピック剤を含む。いくつかの実施形態では、溶解液は塩を含む。好ましくは、塩は、塩化ナトリウム又は塩化カルシウムである。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、核酸を本発明の固体支持体に結合させるためにカオトロピック試薬又は高塩濃度の使用を必要としない。
【0056】
いくつかの実施形態では、多糖試薬溶液の添加及びそれに続く核酸の沈殿の前に、サンプルを溶解バッファーと接触させることにより、サンプルを溶解する。いくつかの実施形態では、溶解試薬は、核酸沈殿多糖剤の溶液に添加される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の多糖試薬は、溶解液中に溶解される。いくつかの実施形態では、溶解液は、1つ以上のプロテアーゼを含む。適切なプロテアーゼには、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。適切なプロテアーゼとしては、プロテイナーゼk(広スペクトルセリンプロテアーゼ)、サブチライシントリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパインなどが例示されるが、これらに限定されない。本明細書で提供される教示及び例を用いて、当業者は他のプロテアーゼを利用できるであろう。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のいずれかの方法に従って、固定されたパラフィン包埋生体組織サンプルから核酸(例えば、DNA、RNA)を単離し、沈殿した核酸を、標的核酸の領域を増幅できるペアーのオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅に供し、増幅サンプルを得、標的核酸の存在及び/又は量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、標的核酸は、DNA(例えば、遺伝子)である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、RNA(例えば、mRNA、ノンコーディングRNAなど)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法を用いて単離された核酸は、診断方法、予後診断方法、治療(例えば、がん治療)をモニタリングする方法などに使用するのに適している。従って、いくつかの例示的かつ非限定的な実施形態において、固定パラフィン包埋サンプル(例えば、FFPETサンプルから)から抽出された核酸は、遺伝子の存在及び/又は発現レベル、及び/又は遺伝子の変異状態を同定するために使用できる。そのような方法は、1つ以上のがんマーカーの存在、及び/又は発現レベル、及び/又は変異状態の同定に特に適している。従って、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法を用いて単離された核酸は、1つ以上のがんマーカーの存在、及び/又はコピー数、及び/又は発現レベル、及び/又は変異状態を検出するために利用される。
【0058】
洗浄及び溶出
本明細書に開示の検出及び単離方法は、任意に洗浄工程を含むことができ、即ち、沈殿した核酸を、例えば、固体支持体上で任意に洗浄して、溶解バッファーの成分を除去できる。典型的には、濃縮された、例えば、沈殿した核酸は、検出の前に溶解される。いくつかの実施形態では、濃縮核酸は、PCR反応に適合するバッファーに溶解される。
【0059】
いくつかの実施形態では、例えば、核酸を沈殿させるためにポリアミン修飾多糖が使用される場合、沈殿した核酸は、適切な溶出剤と接触させることによってポリアミンから溶出させることができる。いくつかの実施形態では、溶出剤は、アンモニア又はアルカリ金属水酸化物からなる。いくつかの実施形態では、溶出剤は、塩基性のpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出剤は、約9~約12、約9.5~約12、約10~約12、又は約9~約11のpHを有する。好ましくは、溶出剤のpHは10超である。好ましくは、溶出剤は、核酸と多糖剤との結合を破壊するのに十分な濃度の水酸化アンモニウム、NaOH、又はKOHを含む。例示的な溶出剤は、1%アンモニア、15mM KOH、又は15mM NaOHを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、溶出剤は、ポリアニオンを含む。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、複数のアニオン性基を含むポリマーである。いくつかの実施形態では、アニオン性基は、ホスフェート、ホスホネート、スルフェート、もしくはスルホネート基、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ポリアニオンは、約7超のpHで負に帯電するポリマーである。合成ポリアニオンと天然由来のポリアニオンの両方が、本明細書で開示される方法に使用できる。いくつかの実施形態では、ポリアニオンはカラギーナンである。他の実施形態では、ポリアニオンは、キャリア核酸である。本明細書で使用されるキャリア核酸は、例えば、PCRによる、濃縮核酸の後続の検出を妨害しない核酸である。例示的なキャリア核酸には、ポリrA、ポリdA、ヘリング精子DNA、サルモン精子DNA、及び当業者に知られるその他のものがある。いくつかの実施形態では、溶出剤は、カラギーナン及びアルカリ金属水酸化物、例えば、NaOH又はKOHを含む。
【0061】
核酸
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、核酸含有溶液から核酸を単離するために使用される。核酸含有溶液は、核酸含有材料からの溶解によって得ることができる。核酸含有材料は、典型的には、血液、パラフィン包埋組織などの組織生検、塗抹標本、細菌培養物、ウイルス培養物、尿、精液、細胞懸濁液及び付着細胞、PCR反応混合物、及びインビトロ核酸修飾反応混合物を含む群から選択される。核酸含有材料は、ヒト、細菌、真菌、動物、又は植物材料を含んでいてもよい。他の実施形態では、核酸含有溶液は、核酸修飾反応又は核酸合成反応から得ることができる。他の実施形態では、核酸含有溶液は、核酸修飾反応又は核酸合成反応から得ることができる。
【0062】
本明細書で使用される用語「核酸」は、任意の可能な構成(即ち、二本鎖核酸、一本鎖核酸、アプタマー、又はそれらの任意の組み合わせの形態)での、DNA又はRNAなどの任意の合成又は天然由来の核酸を指す。核酸は、ゲノムDNAなどのDNAであってもよい。また、核酸は、総RNAなどのRNAであってもよい。核酸は、一本鎖又はショート二本鎖DNA断片などの二本鎖の核酸であり得る。核酸は、合成核酸であってもよい。いくつかの実施形態では、核酸は循環核酸である。
【0063】
本明細書に記載の方法及び固体支持体を用いて単離された核酸は、サンプル中の1つ以上の標的核酸配列を検出及び/又は定量するために増幅するのに適した品質である。本明細書に記載の核酸単離方法及び固体支持体は、疾患の診断及び予後に関連する遺伝子発現プロファイルの発見を目的とした基礎研究での使用に適用可能である。また、本明細書に記載された方法は、疾患の診断及び/又は予後、特定の治療レジメンの決定、及び/又は治療効果のモニタリングにも適用可能である。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、核酸含有サンプルから核酸を沈殿させるために使用される。核酸含有材料は、血液、血清、パラフィン包埋組織などの組織生検、口腔液、塗抹標本、細菌培養物、ウイルス培養物、尿、精液、細胞懸濁液及び付着細胞、PCR反応混合物、及びインビトロ核酸修飾反応混合物を含む群から選択できる。核酸含有材料は、ヒト、動物、又は植物材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、核酸は溶液中にある。核酸含有溶液には、細胞外核酸の溶液や、核酸含有細胞の溶解によって得られる溶液を含む。他の実施形態では、核酸含有溶液は、核酸修飾反応又は核酸合成反応から得ることができる。
【0065】
増幅方法
本明細書に記載の方法は、生物学的サンプルからの核酸の単離を単純化し、RT-PCRシステムでの使用に適した単離核酸を効率的に生産する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法を用いて核酸含有サンプルから単離された核酸は、任意の適切な既知の核酸検出方法によって検出できる。いくつかの実施形態では、抽出された核酸は増幅反応に使用されるが、他の用途も企図される。従って、例えば、単離された核酸又はその増幅産物は、核酸ベースのマイクロアレイや次世代シーケンシングを含むがこれらに限定されない、様々なシーケンシング又はハイブリダイゼーションプロトコルに使用できる。
【0066】
一態様において、本明細書は核酸を検出するための方法であって、
(a)核酸含有サンプルを、本明細書に開示の固体支持体と接触させ、それによって核酸を固体支持体に結合させる工程、
(b)任意に、固体支持体に結合した核酸を洗浄する工程、
(c)固体支持体に結合した核酸を溶出試薬と接触させることにより、固体支持体から核酸を溶出する工程、及び
(d)核酸を検出する工程、
を含む方法を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、検出方法は核酸増幅を含む。好適な非限定的な例示的増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、マルチプレックスPCR、定量PCR(Q-PCR)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、及びストランド置換増幅(SDA)を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、増幅方法は、約90℃~約100℃で約1~約10分間の初期変性、続く、約90℃~約100℃で約1~約30秒間の変性、約55℃~約75℃で約1~約30秒間のアニーリング、及び約55℃~約75℃で約5~約60秒間の伸長を含むサイクリングを含む。いくつかの実施形態では、初期変性に続く最初のサイクルについては、サイクル変性工程は省略される。特定の時間及び温度は、増幅される特定の核酸配列に依存し、当業者によって容易に決定され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、核酸の単離及び検出は、自動化サンプルハンドリング及び/又は分析プラットフォームで行われる。いくつかの実施形態では、商業的に入手可能な自動分析プラットフォームが利用される。例えば、いくつかの実施形態では、GeneXpertシステム(Cepheid, Sunnyvale, Calif.)が利用される。しかし、本発明は、特定の検出方法又は分析プラットフォームに限定されるものではない。当業者であれば、任意の数のプラットフォーム及び方法を利用できることを認識する。
【0070】
GeneXpertシステムは、自己充足型の単回使用カートリッジを利用する。サンプルの抽出、増幅、及び核酸の検出はすべて、この自己充足型の「カートリッジ内のラボラトリー」で行うことができる。例えば、米国特許第6,374,684号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照。カートリッジの構成要素には、試薬、フィルター、及び標的核酸の抽出、精製、増幅に有用な捕捉技術を含む処理チャンバーを含むが、これらに限定されない。バルブは、チャンバーからチャンバーへの流体の移動を可能にし、核酸の溶解及びろ過のコンポーネントを含む。光学窓は、リアルタイムの光学検出を可能にする。反応管は、非常に迅速な熱サイクルを可能にする。いくつかの実施形態では、GenXpertシステムは、拡張性のために複数のモジュールを含む。各モジュールには、複数のカートリッジと、サンプルハンドリング及び分析コンポーネントが含まれている。
【0071】
クロマトグラフィーの固相
いくつかの実施形態では、本明細書はそれに結合した多糖を有する固体支持体を含む、クロマトグラフィー用分離材料を開示する。いくつかの実施形態では、多糖は、ポリウロン酸又はアミド化ペクチンである。いくつかの実施形態では、多糖は、固体支持体の表面に吸着したアミド化ペクチンである。他の実施形態では、アミド化ペクチンは、共有結合、非共有結合、又は共有結合と非共有結合の相互作用の組み合わせを介して、固体支持体の表面に固定化されている。
【0072】
いくつかの実施形態では、分離材料は、固体支持体に結合した多糖を含み、ここで、多糖は、式II
【化12】
異性体、塩、互変異性体、又はそれらの組み合わせで表される1以上の単位を含み、
ここで、R
2及びR
3は、H、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、任意に置換されたC
3-C
6シクロアルキル、及び任意に置換されたC
2-C
20ヘテロアルキルから独立して選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、式II~VIIIの構造を有する単位を1つ以上含むペクチンである。
【0074】
分離材料の調製に適した固体支持体には、シリカゲル及び他の無機材料、例えば、Al2O3(アルミナ)、TiO2(チタニア)、又はZrO2(ジルコニア)を含む。また、本明細書に開示の分離材料の調製には、有機高分子樹脂も使用できる。ハイブリッド粒子技術(HPT)を伴う特定の材料は、本明細書に開示の分離材料の調製に適しており、例えば、Waters BEH TechnologyTM材料などのハイブリッド有機/無機材料を含む。HPT材料は、純度の高い機械的強度、高度な球形状、粒子径、ポア直径、表面積、表面化学的性質の調整能力など、シリカの主要な利点を保持している。同時に、そのようなハイブリッド材料は、基本的なpHで安定しており、例えば、8以上のpHで安定している。
【0075】
好ましくは、分離材料の調製に使用される固体支持体は多孔性である。いくつかの実施形態では、分離材料は、共有結合又は非共有結合の相互作用を介してそれに結合したアミド化ペクチンを有する多孔性粒子であり、他の実施形態では、分離材料は、共有結合又は非共有結合の相互作用を介してそれに結合したアミド化ペクチンを有する多孔性モノリシック支持体である。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の分離材料の調製に使用される固体支持体は、シリカゲル又はシリカである。シリカは、ポア直径、粒子径、及び/又は比表面積によって特徴付けられる。シリカゲルベースの分離材料は、好ましくは、約30~約1000オングストロームのポア直径、約2~約300ミクロンの粒径、及び約35m2/g~約1000m2/gの比表面積を有する。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、約40オングストローム~約500オングストローム、約60オングストローム~約500オングストローム、約100オングストローム~約300オングストローム、及び約150オングストローム~約500オングストロームのポア直径を有する。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、約2~約25ミクロン、約5~約25ミクロン、約15ミクロン、約63~約200ミクロン、及び約75~約200ミクロンの粒径を有し、さらに約100m2/g~約350m2/g、約100m2/g~約500m2/g、約65m2/g~約550m2/g、約100m2/g~約675m2/g、約35m2/g~約750m2/gの比表面積を有している。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明によるクロマトグラフィー材料は、磁性シリカ粒子を含む。磁性シリカ粒子は、含水シリカ酸化物吸着性表面(即ち、シラノール基又はSi-OH基を有する表面)で被覆された超常磁性コアを含む。適切な市販の磁性シリカ粒子には、Promega Corporation(Madison, Wis)から入手可能なMagneSilTM粒子を含む。いくつかの実施形態では、固体支持体は酸化アルミニウムである。例示的な酸化アルミニウム固体支持体には、約150メッシュ及び58オングストロームのブロックマン酸化アルミニウムを含むが、これらに限定されない。
【0078】
いくつかの実施形態では、アミド化ペクチンは、リンカーを介して固体支持体に化学的に結合している。固体支持体とアミド化ペクチンとの間のリンカーは、アルキレン鎖又はヘテロアルキレン鎖を含むことができる。好ましくは、リンカーは、2~20個の炭素原子を含み、炭素原子に加えて窒素原子及び酸素原子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リンカーは、オリゴエチレンリンカー、例えば、PEGオリゴマーである。
【0079】
分離材料の調製は、任意の適切な方法で行うことができる。例えば、固体支持体を表面修飾剤と反応させることができる。本明細書では、表面修飾剤は、ベースの固体支持体に何らかのクロマトグラフィー機能を付与する部分である。本明細書に開示のアミド化ペクチンなどの表面修飾剤は、誘導体化反応、非共有結合コーティング、又はそれらの組み合わせを介してベースの固体支持体に付着させることができる。いくつかの実施形態では、ベースの固体支持体の有機基は、反応性基を含むアミド化ペクチンなどの表面修飾剤と共有結合を形成する。アミド化ペクチンのそのような共有結合は、環化付加や求核置換及び求電子置換など、当技術分野でよく知られている多くのメカニズムを介して達成できる。
【0080】
いくつかの実施形態では、ベースの固体支持体は、シラノール基を含むシリカゲルである。このようなシリカゲル固体支持体を、シラン化基を含む修飾剤と反応させることで、本明細書に開示の分離材料を得ることができる。例えば、シラノール基は、式XaRbSi-L-Zを有するシラン化試薬で表面修飾される。ここで、Xは、Cl、Br、I、C1-C5アルコキシ、ジアルキルアミノ、又はトリフルオロメタンスルホネートであり、a及びbはそれぞれ0~3の整数であり、ここで、aとbの合計は3であり、Rは、C1-C6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルであり、Lは、任意に置換されていてもよいC1-C20アルキレン又はヘテロアルキレンリンカー基であり、及びZは官能基である。
【0081】
いくつかの実施形態では、Zは、アミド化ペクチンを含む。他の実施形態では、Zは、アミド化ペクチンでさらに官能化できる官能基、例えば、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を含む。シラン化剤の例としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノアルキルシラトラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、及び3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン化剤を含む。シリカゲルとアミノシラン化剤との反応により、1つ以上の反応性基を有するアミド化ペクチンをさらに修飾及び/又は反応させることができる表面アミノ基を有するシリカゲルが得られる。他の実施形態では、シリカゲルを、シラトラン又はトリアルコキシシラン誘導体などのシリカ反応性基を含むアミド化ペクチン誘導体と反応させる。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書は吸着剤又は支持体として、表面と、その表面に結合した1つ以上のアミド化ペクチンの分子とを含む固体支持体を含むカラム、キャピラリー、又はカートリッジを開示する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の分離材料及びクロマトグラフィーカラムは、例えば、生物学的サンプル又は化学反応混合物からの核酸の単離、分離、及び精製に有用である。いくつかの実施形態では、分離は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー、又は電気泳動によって行われる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の分離材料は、限定されないが、dsDNA、ssDNA、RNA、及びそれらのハイブリッドを含む核酸の分離に適している。分離材料からの核酸の溶出及びそれらの分離は、溶出移動相のイオン強度を増加させることによって、又は溶出剤の濃度を段階的又は勾配的に増加させることによって行うことができる。移動相は、任意に、アセトニトリルやメタノールなどのHPLC分離に適した有機溶媒を含んでもよい。イオン強度の増加は、塩化ナトリウムやグアニジニウム塩などの適切な塩の濃度を増加させることで行うことができる。
【0084】
本発明の各要素は、複数の実施形態を含むものとして本明細書に記載されているが、別段の指示がない限り、本発明の所定の要素の実施形態のそれぞれは、本発明の他の要素の実施形態のそれぞれと一緒に使用することが可能であり、そのような使用のそれぞれは、本発明の別個の実施形態を形成することを意図していることを理解すべきである。本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は単にさらに説明することを意図しており、限定的に解釈すべきではない。
【実施例0085】
実施例1:アミド化ペクチン修飾固体支持体の調製(EDCルート)
A. アミド化ペクチン修飾ビーズの調製
全ての試薬は、特に明記しない限り市販のものを使用した。
【0086】
スペルミンでアミド化されたペクチンは、以下に記載の手順に従って調製した。他のアミド化ペクチンも同様の方法で調製した。
【0087】
(A)リンゴペクチン(2.5g)を250mLの脱イオン水に少しずつ加え、すべてが溶解するまで磁気的に攪拌した。この溶液に、2.5mLの5M NaOHを加えて20分間撹拌した後、pHが~4.5に安定するまで1M HClを加えた(~12mLの1M HClを加えた)。次に、l-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミドヒドロクロリド(EDC.HCl、2.5g)を加え、さらに0.75gのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を加え、活性化のために1時間撹拌した。続いてスペルミン(Sigma, 18.63g, 7eq)を一度に加えた。溶液はゲル状になり、すべてが溶けるまで振って、さらに室温で20時間インキュベートした。
【0088】
(B)(A)の反応混合物を500mLのMeOHに撹拌しながら注ぎ、ゲル状の沈殿物を形成した。その後、混合物を30分間攪拌し、ポリエチレンフリット付き500 mLプラスチックディスポーザブルフィルター(Opti-Chem, OP-6602-18)でろ過した。集めたゲル状のケーキをメタノール(100mL)でリンスし、さらに一晩ろ過させて乾燥した茶色のゲルの塊を形成させた。この物質をさらに150mLのMeOHで洗浄し、真空オーブンで50℃で18時間乾燥させた。形成した硬いペレットを乳鉢と乳棒で粉砕して粉末にした。
【0089】
(C)洗浄
材料
A. 酸洗浄。1000mLボトルに以下の混合物を調整した。IPA(550mL、メスシリンダー)、DI水(345mL)、及び濃HCl(105mL)。
B. 中性洗浄。1000mLのフラスコに以下の混合物を調整した。590mLのIPA、410mLのDI水。
【0090】
工程(B)の生成物を125 mLフラスコに装填し、110 mLの洗浄液を粉末状の物質に加えた。懸濁液をRTで30分間撹拌し、ガラス漏斗上でろ過し、5x15-20mLの酸洗浄液で洗浄し、5x15-20mLの中性洗浄液で洗浄し、2x35mLのMeOHで洗浄した。さらに60分間風乾した後、0.15mbarで17時間乾燥させた。
【0091】
B. アミド化ペクチン修飾ビーズの調製
以下の固体支持体(ビーズ)材料を、以下に記載の手順に従って、アミド化ペクチンで修飾した。シリカマイクロスフェア、カルボキシル、1.0μm (Polysciences, Warrington, PA, 24754-1)
カルボキシル-ポリスチレン粒子、5.11μm(Spherotec, Germany, CP-50-10)
NHS活性化セファロース4ファストフロー(Sepharose beads, GE healthcare, Chicago, IL,17-0906-01)及び
カルボキシル修飾磁気ビーズ、5.7μm(Spherotec, Germany)
【0092】
セファロースビーズについては、NHS活性化ビーズフォームを使用し、EDC/NHS活性化工程は省略した。加水分解NHSセファロースビーズを非修飾ビーズの測定に使用した。
【0093】
本実施例では、実施例1の生成物のようなアミン含有アミド化ペクチンによるカルボキシル修飾ビーズの官能化の手順が提供される。
【0094】
カルボキシル基で修飾されたポリスチレンビーズ(~5ミクロン、2mLの5wt%懸濁液)(Spherotec, CP-50-10)を脱イオン(DI)水(4mL)で希釈し、15分間超音波処理した。ビーズ懸濁液に40mgのEDC HClと40mgのNHSを加えた。懸濁液を活性化のために24時間撹拌した後、4000rpmで5分間の短時間遠心分離を行い、上清をデカントした。ビーズを5mLのDI水に再懸濁し、これにアミド化ペクチンの1%溶液(5mL)を加えた。アミド化ペクチンをDI水で18時間撹拌した後、9000rpmで30分間遠心分離し、溶解した物質を除去してアミド化ペクチン溶液を調製した。得られた懸濁液を18時間撹拌した後、9000rpmで30分間遠心分離し、45mLの水で希釈し、同じ方法でリンスした。このプロセスを、0.1M NaOH(1x)、0.1M HCl(1x)、及びDI水(2x)で繰り返した。ビーズを5mLのDI水に再懸濁し、30分間超音波処理を行い、150μLのアリコートをSpeedVacで真空乾燥した後に残ったビーズの量を測定して濃度を測定した。
【0095】
実施例2:アミド化ペクチン修飾固体支持体の調製(還元的アミノ化ルート)
この実施例では、酸化に続く還元的アミノ化を介した、様々なポリアミンによる多糖(例えば、ペクチン)の修飾の一般的な手順を提供する。
【0096】
(A)酸化。リンゴペクチン(2.5g)を250mLの脱イオン水に少しずつ加え、すべてが溶解するまで磁気的に攪拌した。これに過ヨウ素酸カリウム(2.43g)を撹拌しながら少しずつ加え、18時間撹拌を続けた。その後、反応混合物を8kDa MWCOの透析チューブを用いて水に対して3日かけて透析した。その後、得られた脱塩ポリマーを凍結乾燥して、酸化ペクチンをオフホワイトの固形物として得た。アルデヒドの濃度は、ヒドロキシルアミン滴定(例えば、Zhao, H.; Heindel, N. D. J. Pharm. Res. 8(3), 400-402に記載)によって容易に測定できる。アルデヒド含有量は4.9mmol/g(ポリマーユニットあたり約1eqのアルデヒド)と測定された。
【0097】
(B)還元的アミノ化。工程Aの酸化ペクチン(1.0g)を100mLの脱イオン水に懸濁し、スペルミン(1.32g、1.25eq)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。反応物にソディウムボロヒドリドペレット(1.0g)を加え、混合物を18時間撹拌した。次に、反応混合物を、8kDa MWCOの透析チューブを通して水に対して3日かけて透析し、その後凍結乾燥して、200mgのアミド化ペクチンをオフホワイトのふわふわした固形物として得た。
【0098】
上記の反応からの生成物を、実施例1に記載したように固体支持体の修飾に使用した。
【0099】
実施例3:フィルター上での修飾ビーズによる核酸捕捉の評価
この実験では、例示的な固体支持体(例えば、実施例1に記載されたように調製されたアミド化ペクチン修飾ビーズ)が、フィルター上でDNA又はRNAを捕捉できることが示された。
【0100】
材料
本実施例では、以下の材料を使用した。
ゲノムDNA(Promega Cat#G3041 ~202 ng/μL)、
RNAコントロール(Life Tech Cat# 4307281, 50 ng/μL)、
定量的蛍光性ピコグリーンDNA色素(Thermo)、
定量的蛍光性リボグリーンRNA色素(Thermo)、
Biotek蛍光光度計及び核酸の蛍光定量に適したブラックアッセイプレート、
校正ピペット及びピペットチップ、
1x TEバッファー(メーカー説明書の通り、Thermo: EnzChek(R)逆転写酵素アッセイキット、P/N E22064)又はpH~8.5で調製した20 mM Tris、
Whatman GF/Fフィルター及びPall Supor 0.2ミクロンフィルター、
フィルターホルダー。
【0101】
方法
1xTEバッファー中のDNA又はRNAの試験溶液を目的の最終濃度(例えば、100ng/ml)に調製した。この試験溶液に、修飾ビーズを有するTE中のDNA又はRNAを加えた。対照として、ビーズを添加していないDNA又はRNA溶液を調製した。
例示的な試験溶液:
0.1~1.5mgの修飾ビーズを有する核酸入りTEバッファー
ビーズなしの核酸入りTEバッファー(ネガティブコントロール)
フィルターなしビーズなしの核酸入りTEバッファー
【0102】
核酸溶液の1mLサンプルを修飾ビーズと15秒間混合し、混合とビーズ表面への核酸の結合を促進した。サンプルを1mLシリンジに吸引し、シリンジフィルターデバイス又はプレメイドフィルターを用いて、GF/F又はその他の目的のフィルターに通した。溶出液を2mLのエッペンドルフチューブに回収した。捕捉された核酸はフィルター上のビーズに保持されていたため、溶出液中の核酸の減少により、捕捉された核酸の量を以下のように間接的に評価できる。
【0103】
DNA又はRNAの標準曲線を、メーカー指示書に従って調製した。各標準液500μLとブランク液を合計8本のチューブに入れて調製した。作業用色素溶液は、色素をTEバッファーで1:200に希釈して調製し、遮光した。Biotekプレートリーダーを用いて、メーカー指示書に従い、標準曲線サンプル及び各溶出液サンプルの蛍光を測定した。標準曲線を用いて、溶出液サンプル中の核酸濃度を算出し、理論濃度に対する捕捉率を算出した。テストサンプルを100%非濾過コントロールと比較し、核酸の回収率を決定した。ビーズなしのコントロールサンプルをバックグラウンドのフィルター捕捉を評価するためにろ過したが、これは最小限であった。100%コントロールはろ過しなかった。
【0104】
表1~5は、アミド化ペクチンで修飾された固体支持体が核酸を効率的に捕捉できることを示す濾過実験の結果を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0105】
実施例4. 尿及び便からの核酸の抽出
この実験は、固体支持体を用いて、便や尿のサンプルから核酸を抽出し、単離されたDNAをPCR増幅によって検出できることを示す。
【0106】
尿及び便サンプルの調整
以下に示すように、断片化MTB DNA(fMTB DNA 200-400 bp)を様々な量の尿又は便サンプルにスパイクした。この実験のコントロールは、100%の抽出及び回収効率との比較をするために、同量のfMTB DNAを別のRT-PCR反応に直接スパイクして作製した。
【0107】
アミド化ペクチンで修飾された例示的なマイクロ粒子を用いた尿又は便からの断片化MTB DNAの抽出
1~10mLの尿/便サンプルを適切な大きさの遠心分離チューブ又はエッペンドルフチューブに加えた。アミド化ペクチンで修飾された例示的なマイクロ粒子をサンプルに加えた。最適な添加量は、各実験で選択したビーズのロット、サンプルの種類、及びサンプルの量によって異なる。サンプルを十分に混合した後、核酸の結合を高めるために60分までインキュベートし、その後、マイクロ粒子を沈降させるためにテーブルトップの遠心分離機で2分間高速でスピンダウンさせた。上清をマイクロ粒子ペレットを乱さないように注意深くデカントした。ビーズのペレットを洗浄するために1mLの水を使用し、ペレットを洗浄するために穏やかに混合し、マイクロ粒子を沈降させるためにテーブルトップの遠心分離機で高速で2分間スピンダウンさせた。上清をマイクロ粒子のペレットを乱さないように注意深くデカントした。100μLの低塩溶出バッファーをビーズペレットに加えた。これは0.01% i-カラギーナン(Sigma)と10mM KOHを含む。ペレットを穏やかに混合し、任意に60分までインキュベートして、マイクロ粒子からの溶出を増加させた。溶出した核酸を含む上清を、ビーズのペレットを乱さないように慎重に取り除いた。その後、この溶出液をRT-PCR反応に直接使用した。PCRは、Chakravorty et al. mBio, July/August 2017 Volume 8 Issue 4 e00812-17のXpert MTB/RIF Ultra Assayに記載されているように実施した。その結果を以下の表6~8に示す。
【表6】
【表7】
【表8】
【0108】
例示的な実施形態を図示及び説明してきたが、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。
前記アミド化ペクチンが、4,000Daと500,000Daの間、5,000Daと300,000Daの間、100,000Daと300,000Daの間、又は50,000Daと200,000Daの間の分子量を有する、請求項2の固体支持体。
前記固体支持体が、ポリスチレン、ガラス、セラミック、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナ、ポリカーボネート、ラテックス、PMMA、ゼオライト、ポリエーテルスルホン、カルボキシメチルセルロース、及びセルロースから選択される材料を含む、請求項1の固体支持体。
前記固体支持体が、磁性ビーズ、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンフィルター、ポリカーボネートフィルター、ポリエーテルスルホン、又はガラスフィルターである、請求項1の固体支持体。
前記サンプルを前記固体支持体と接触させる前に、前記サンプルを溶解液と接触させ、それによって核酸を溶液中に放出する工程を含む、請求項12~19のいずれかの方法。
前記カオトロピック剤が、グアニジニウムチオシアネート、グアニジニウムヒドロクロリド、過塩素酸アルカリ、ヨウ化アルカリ、尿素、ホルムアミド、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項21に記載の方法。
前記サンプルが、血液、血漿、血清、精液、組織生検、尿、便、唾液、塗抹標本、細菌培養物、細胞培養物、ウイルス培養物、PCR反応混合物、又はインビトロ核酸修飾反応混合物から選択される、請求項12に記載の方法。