(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012903
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ラッシュアジャスタを用いるための内燃機関の動弁系構造
(51)【国際特許分類】
F01L 1/20 20060101AFI20240124BHJP
F01L 1/245 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
F01L1/20 A
F01L1/245 B
F01L1/245 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114710
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】390033042
【氏名又は名称】ダイハツディーゼル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227157
【氏名又は名称】株式会社NITTAN
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】片山 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小林 和之
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅章
(72)【発明者】
【氏名】中野 博揮
【テーマコード(参考)】
3G016
【Fターム(参考)】
3G016BA18
3G016BB11
3G016BB28
3G016BB37
3G016CA30
3G016CA50
(57)【要約】
【課題】押さえティのアーム部からのラッシュアジャスタの脱落を防止でき、バルブと押さえティとを組み付けるときの作業性を向上できる内燃機関の動弁系構造を提供する。
【解決手段】動弁系構造は、軸を中心に揺動する弁腕と、頂部(30a)が弁腕の端部(20a)に回動自在に取り付けられた押さえティ(30)と、弁腕の揺動に応じて、軸方向に移動して開閉するバルブ(40)と、押さえティ(30)のアーム部(32)に取り付けられ、バルブ(40)の押さえティ(30)側の端部(41a)に接触するラッシュアジャスタ(50A,50B)とを備える。押さえティ(30)のアーム部(32)からのラッシュアジャスタ(50A,50B)の脱落を防ぐストッパ(60)が、ラッシュアジャスタ(50A,50B)に取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心に揺動する弁腕と、
頂部が上記弁腕の端部に回動自在に取り付けられた押さえティと、
上記弁腕の揺動に応じて、軸方向に移動して開閉するバルブと、
上記押さえティのアーム部に取り付けられ、上記バルブの上記押さえティ側の端部に接触するラッシュアジャスタと
を備え、
上記押さえティの上記アーム部からの上記ラッシュアジャスタの脱落を防ぐストッパが用いられている、内燃機関の動弁系構造。
【請求項2】
上記押さえティには、上記ラッシュアジャスタに油を案内する油通路が設けられている、請求項1に記載の内燃機関の動弁系構造。
【請求項3】
上記油通路に連通し、上記ラッシュアジャスタ上に位置するエア抜き孔が設けられている、請求項2に記載の内燃機関の動弁系構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッシュアジャスタを用いるための内燃機関の動弁系構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関の動弁系構造としては、軸を中心に揺動する弁腕と、頂部が弁腕の端部に回動自在に取り付けられた押さえティと、弁腕の揺動に応じて、軸方向に移動して開閉するバルブを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、上記従来の動弁系構造は、押さえティのアーム部に取り付けられ、バルブの押さえティ側の端部に接触するピストンを備えている。上記従来の動弁系構造では、ピストンによりバルブクリアランスを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の動弁系構造においてピストンに換えてラッシュアジャスタを使用することが考えられる。上記従来の動弁系構造においてピストンがラッシュアジャスタに置き換えられた場合、押さえティのアーム部からラッシュアジャスタが脱落する恐れがあり、バルブと押さえティとを組み付けるときの作業性が低下することがある。
【0005】
本発明は、押さえティのアーム部からのラッシュアジャスタの脱落を防止でき、バルブと押さえティとを組み付けるときの作業性を向上できる内燃機関の動弁系構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
軸を中心に揺動する弁腕と、
頂部が上記弁腕の端部に回動自在に取り付けられた押さえティと、
上記弁腕の揺動に応じて、軸方向に移動して開閉するバルブと、
上記押さえティのアーム部に取り付けられ、上記バルブの上記押さえティ側の端部に接触するラッシュアジャスタと
を備え、
上記押さえティの上記アーム部からの上記ラッシュアジャスタの脱落を防ぐストッパが用いられている、内燃機関の動弁系構造を提供する。
【0007】
この構成によれば、押さえティのアーム部からのラッシュアジャスタの脱落を防ぐストッパが用いられているので、押さえティのアーム部からのラッシュアジャスタの脱落を防止できる。これにより、バルブと押さえティとを組み付けるときの作業性を向上できる。
【0008】
一実施形態では、上記押さえティには、上記ラッシュアジャスタに油を案内する油通路が設けられている。
【0009】
一実施形態では、上記油通路に連通し、上記ラッシュアジャスタ上に位置するエア抜き孔が設けられている。
【0010】
上記実施形態では、ラッシュアジャスタに油を案内する油通路に連通するエア抜き孔がラッシュアジャスタ上に位置しているので、ラッシュアジャスタに供給される油からエアを抜くことができ、ラッシュアジャスタにエアが噛むことを抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押さえティのアーム部からのラッシュアジャスタの脱落を防止でき、バルブと押さえティとを組み付けるときの作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る舶用ガスエンジンの動弁系構造を説明するための概略構成図。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る動弁系構造の要部の断面図。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る動弁系構造の要部の断面図。
【
図4】本発明の第3実施形態に係る動弁系構造の要部の平面図(a)及び側面図(b)。
【
図5】本発明の第4実施形態に係る動弁系構造の要部の側面図(a)及び底面図(b)。
【
図6】本発明の第5実施形態に係る動弁系構造の要部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る舶用ガスエンジンの動弁系構造1を説明するための概略構成図である。
図1では、一部を断面で示している。また、
図2は、第1実施形態に係る動弁系構造1の要部拡大図である。本実施形態に係る舶用ガスエンジンは、本発明に係る内燃機関の一例である。
【0015】
図1を参照すると、本実施形態に係る動弁系構造1は、シリンダヘッド10と、弁腕20と、押さえティ30と、バルブ40A,40Bと、ラッシュアジャスタ50A,50Bとを備える。以下の説明において、バルブ40A,40Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にバルブ40という場合がある。また、以下の説明において、ラッシュアジャスタ50A,50Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にラッシュアジャスタ50という場合がある。
【0016】
シリンダヘッド10は、図示しない燃焼室の一部を画定している。シリンダヘッド10には、押さえティ30を支持する押さえティガイド11が設けられている。シリンダヘッド10には、バルブガイド12A,12Bが設けられている。バルブガイド12Aには、バルブ40Aの後述するステム41が挿し通されている。バルブガイド12Bには、バルブ40Bのステム41が挿し通されている。以下の説明において、バルブガイド12A,12Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にバルブガイド12という場合がある。
【0017】
シリンダヘッド10と押さえティガイド11との内部には、押さえティ30に油を供給するための油供給通路13が設けられている。また、シリンダヘッド10の側面には、油供給口14が設けられている。油供給通路13は、油供給口14を介して外部の油供給源(図示せず)と接続されている。油供給口14から油供給通路13に供給された油は、シリンダヘッド10の内部を通った後に押さえティガイド11の内部を通り、押さえティ30に供給される。
【0018】
弁腕20は、軸21に支持されている。弁腕20は、軸21を中心に回転可能である。弁腕20の一方の端部20aには、押さえティ30の頂部30aが取り付けられている。弁腕20の他方の端部20bには、プッシュロッド22が取り付けられている。プッシュロッド22は、軸方向に移動可能にシリンダヘッド10に取り付けられている。プッシュロッド22が軸方向に移動することで、弁腕20は、軸21を中心に揺動する。
【0019】
押さえティ30の頂部30aは、弁腕20の端部20aに回動自在に取り付けられている。
図2を併せて参照すると、押さえティ30は、胴部31と、アーム部32A,32Bとを備える。以下の説明において、アーム部32A,32Bを区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にアーム部32という場合がある。
【0020】
胴部31は、筒状である。胴部31の内径は、押さえティガイド11の外径よりも僅かに小さい。胴部31内には、シリンダヘッド10に設けられた押さえティガイド11が挿し通されている。これにより、押さえティ30は、押さえティガイド11に支持される。また、押さえティ30は、押さえティガイド11に案内されつつ、押さえティガイド11の軸方向に直線運動できる。
【0021】
アーム部32は、胴部31から横方向に向けて延びている。言い換えれば、アーム部32は、胴部31の軸心を中心とする径方向に延びている。アーム部32には、ラッシュアジャスタ50が取り付けられている。
【0022】
押さえティ30には、油を収容する油室33が設けられている。油室33は、胴部31の内周面と押さえティガイド11とにより画定されている。油室33は、押さえティガイド11内に設けられた油供給通路13(
図1に示す)に連通している。これにより、油室33には、油供給通路13を介して油が供給される。
【0023】
押さえティ30には、油をラッシュアジャスタ50に案内する油通路34と、油通路34に連通し、ラッシュアジャスタ50上に位置するエア抜き孔35とが設けられている。
【0024】
油通路34は、油室33に連通している。油室33内の油は、油通路34を介してラッシュアジャスタ50に案内される。
【0025】
押さえティ30には、油通路34から油を排出するための排出穴36が設けられている。油通路34と押さえティ30の外部とは、排出穴36を介して連通している。また、排出穴36は、バルブ40の後述するリテーナ42(
図1に示す)の上方に位置している。これにより、排出穴36を介して排出された油は、バルブ40に供給される。
【0026】
図1に示すように、バルブ40は、ステム41と、ステム41に固定されたリテーナ42とを備える。ステム41は、シリンダヘッド10内に設けられた吸気ポート(図示せず)又は排気ポート(図示せず)を開閉する。
【0027】
ステム41は、シリンダヘッド10に設けられたバルブガイド12に挿し通されている。これにより、バルブ40は、バルブガイド12に案内されつつ、ステム41の軸方向に直線移動できる。バルブ40は、弁腕20の揺動に応じて軸方向に移動して、吸気ポート又は排気ポートを開閉する。
【0028】
リテーナ42とシリンダヘッド10との間には、スプリング43が配置されている。スプリング43は、圧縮された状態でバルブ40とシリンダヘッド10との間に配置されている。バルブ40は、スプリング43の復元力により、吸気ポート又は排気ポートを閉じる方向に付勢される。
【0029】
図2に示すように、ラッシュアジャスタ50は、押さえティ30のアーム部32に取り付けられている。また、ラッシュアジャスタ50は、バルブ40の押さえティ30側の端部41aに接触している。ラッシュアジャスタ50は、バルブクリアランスをゼロに自動的に調整するための部品である。
【0030】
ラッシュアジャスタ50は、ボディ51と、プランジャ52と、スプリング53と、チェックボール54とを備える。
【0031】
ボディ51は、有底筒状である。
図2に明瞭に示すように、本実施形態のボディ51の外周面には、外周溝51aが設けられている。外周溝51aは、ボディ51の外周面から窪んで形成されている。ボディ51の底部は、バルブ40の押さえティ30側の端部41aに接触している。
【0032】
プランジャ52は、有底筒状である。プランジャ52は、ボディ51の中に挿入されている。プランジャ52の外径は、ボディ51の内径と略同じである。プランジャ52は、ボディ51に対して相対的に移動可能である。プランジャ52の底部には連通穴52aが設けられている。プランジャ52内の空間と、後述する高圧室55とは、連通穴52aを介して連通している。
【0033】
ボディ51とプランジャ52とは、高圧室55を画定している。高圧室55には、油通路34を介してラッシュアジャスタ50に案内された高圧の油が収容されている。高圧室55は、プランジャ52に設けられた連通穴52aを介してプランジャ52内の空間と連通している。
【0034】
スプリング53は、高圧室55内に配置されている。スプリング53は、ボディ51とプランジャ52との間に収縮した状態で配置されている。ボディ51とプランジャ52とは、スプリング53の復元力により互いに離れる方向に付勢されている。言い換えれば、ボディ51とプランジャ52とは、スプリング53の復元力により、ラッシュアジャスタ50の長さが長くなる方向に付勢されている。
【0035】
チェックボール54は、図示しない保持部材によって保持されている。チェックボール54が連通穴52aを塞ぐことで高圧室55内から連通穴52aを介してプランジャ52内に液体が漏れることを抑制できる。一方で、プランジャ52内の油の圧力が高圧室55の油の圧力よりも高くなると、チェックボール54が連通穴52aから離れるように移動して、プランジャ52内の空間と高圧室55とが連通する。プランジャ52内から高圧室55に油が流れ込み、高圧室55の容積が大きくなるように、ボディ51とプランジャ52とが互いに離れる。これにより、ラッシュアジャスタ50の長さが長くなり、バルブクリアランスが調整される。
【0036】
図2に明瞭に示すように、ラッシュアジャスタ50には、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ50の脱落を防ぐストッパ60が取り付けられている。本実施形態のストッパ60は、ボディ51のプランジャ52に対する相対移動を許容する一方で、押さえティ30からのラッシュアジャスタ50の脱落を防止している。本実施形態のストッパ60は、ボディ51の外周面に設けられた外周溝51aと、押さえティ30の内部に設けられた段部37との間に跨がって配置されたバネクリップである。ストッパ60の一方の端部は、外周溝51a内に配置され、ストッパ60の他方の端部は、段部37に支持されている。ストッパ60は、下方(
図2の下側)へのボディ51の移動を規制している。より詳細には、外周溝51aの上側を画定する壁51bと、ストッパ60とが当接することで、ボディ51の下方への移動を規制している。これにより、ラッシュアジャスタ50が押さえティ30から脱落することを防止している。
【0037】
本実施形態に係る動弁系構造1は、以下の機能を有する。
【0038】
押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ50の脱落を防ぐストッパ60が用いられているので、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ50の脱落を防止できる。例えば、アーム部32からのラッシュアジャスタ50の自重による落下を防止できる。これにより、バルブ40と押さえティ30とを組み付けるときの作業性を向上できる。
【0039】
ラッシュアジャスタ50に油を案内する油通路34に連通するエア抜き孔35がラッシュアジャスタ50上に位置しているので、ラッシュアジャスタ50に供給される油からエアを抜くことができ、ラッシュアジャスタにエアが噛むことを抑制できる。
【0040】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る動弁系構造101の要部の断面図である。第2実施形態に係る動弁系構造101は、押さえティ130のアーム部132からのラッシュアジャスタ150の脱落を防ぐための構造を除いて、第1実施形態に係る動弁系構造1と同様の構成を有している。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0041】
図3を参照すると、本実施形態では、プランジャ152が押さえティ130に固定されるとともに、ストッパ160によりボディ151がプランジャ152に対して抜け止めされることで、ラッシュアジャスタ150が押さえティ130から脱落することが防がれている。本実施形態のストッパ160は、ボディ151のプランジャ152に対する相対移動を許容する一方で、押さえティ130からのラッシュアジャスタ150の脱落を防止している。
【0042】
本実施形態では、プランジャ152は、押さえティ130に機械的に接続されている。より詳細には、プランジャ152に設けられた雄ねじ部152bと、アーム部132に設けられた雌ねじ部132aとは、機械的に接続されている。これにより、プランジャ152は、押さえティ130に固定されている。
【0043】
本実施形態では、ストッパ160によりボディ151がプランジャ152に対して抜け止めされている。本実施形態のストッパ160は、ボディ151の内周面に設けられた内周溝151aと、プランジャ152の外周面に設けられた外周溝152cとの間に跨がって配置されたバネクリップである。ストッパ160の一方の端部は、内周溝151a内に配置され、ストッパ160の他方の端部は、外周溝152c内に配置されている。ストッパ160は、ボディ151の下方(
図3において下側)への移動を規制している。より詳細には、内周溝151aの上側を画定する壁151bと、ストッパ160とが当接することで、ボディ151の下方への移動を規制している。
【0044】
本実施形態の動弁系構造101は、第1実施形態の動弁系構造1と同様の機能を有する。
【0045】
(第3実施形態)
図4(a)は、第3実施形態に係る動弁系構造201の要部を上方から見た平面図である。
図4(b)は、第3実施形態に係る動弁系構造201の要部の側面図である。第3実施形態に係る動弁系構造201は、押さえティ230のアーム部232からのラッシュアジャスタ50の脱落を防ぐための構造を除いて、第1実施形態に係る動弁系構造1と同様の構成を有している。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
図4を参照すると、本実施形態では、押さえティ230のアーム部232にU字状のストッパ260が取り付け可能になっている。ストッパ260は、互いに平行に延びた一対の支持部261と、一対の支持部261の端部を互いに接続する半円状の接続部262とを備える。押さえティ230には、ストッパ260の一対の支持部261が挿し通される孔230bが設けられている。支持部261は、ボディ51の外周面に設けられた外周溝51a内に配置されている。支持部261は、ボディ51の外周溝51aの上側を画定する壁51bと当接することで、ボディ51の下方への移動を規制する。これにより、押さえティ230のアーム部232からのラッシュアジャスタ50の脱落が防止されている。
【0047】
本実施形態の動弁系構造201は、第1実施形態の動弁系構造1と同様の機能を有する。
【0048】
(第4実施形態)
図5(a)は、第4実施形態に係る動弁系構造301の要部の側面図である。
図5(b)は、第4実施形態に係る動弁系構造301の要部の底面図である。第4実施形態に係る動弁系構造301は、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ50の脱落を防ぐための構造を除いて、第1実施形態に係る動弁系構造1と同様の構成を有している。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0049】
図5を参照すると、本実施形態では、押さえティ30のアーム部32の下側の端面に一対のストッパ360が固定されている。より詳細には、ストッパ360は、アーム部32の下側の端面にボルト361によって固定されている。本実施形態のストッパ360は、円弧状である。ストッパ360は、ボディ51の外周面に設けられた外周溝51a内に配置されている。ストッパ360は、ボディ51の外周溝51aの上側を画定する壁51bと当接することで、ボディ51の下方への移動を規制する。これにより、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ50の脱落が防止されている。
【0050】
本実施形態の動弁系構造301は、第1実施形態の動弁系構造1と同様の機能を有する。
【0051】
(第5実施形態)
図6は、第5実施形態に係る動弁系構造401の側面図である。第5実施形態に係る動弁系構造1は、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ450の脱落を防ぐための構造を除いて、第1実施形態に係る動弁系構造1と同様の構成を有している。第5実施形態において、第1実施形態と同様の構成には、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。本実施形態のラッシュアジャスタ450は、ボディ451に外周溝が設けられていない点を除いて、第1実施形態のラッシュアジャスタ50と同様の構成を有している。
【0052】
図6を参照すると、本実施形態のストッパ460は、押さえティ30とラッシュアジャスタ450とを上下から挟み込むクリップである。本実施形態のストッパ460は、側面視で、U字状である。本実施形態のストッパ460は、ボディ51を下方から支持している。これにより、押さえティ30のアーム部32からのラッシュアジャスタ450の脱落が防止されている。
【0053】
本実施形態の動弁系構造401は、第1実施形態の動弁系構造1と同様の機能を有する。
【0054】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1から第5実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1から第5実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
【0055】
例えば、
図7に示す変形例のように、油供給通路13は、シリンダヘッド10と弁腕20との内部に設けられてもよい。この場合、油供給口14から油供給通路13に供給された油は、シリンダヘッド10の内部を通過した後に、弁腕20の内部を通過して押さえティ30に供給される。つまり、押さえティ30に弁腕20から油が供給されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 動弁系構造
10 シリンダヘッド
11 押さえティガイド
12,12A,12B バルブガイド
13 油供給通路
14 油供給口
20 弁腕
20a 端部
20b 端部
21 軸
22 プッシュロッド
30 押さえティ
30a 頂部
31 胴部
32,32A,32B アーム部
33 油室
34 油通路
35 エア抜き孔
36 排出穴
37 段部
40,40A,40B バルブ
41 ステム
41a 端部
42 リテーナ
43 スプリング
50,50A,50B ラッシュアジャスタ
51 ボディ
51a 外周溝
51b 壁
52 プランジャ
52a 連通穴
53 スプリング
54 チェックボール
60 ストッパ
101 動弁系構造
130 押さえティ
132 アーム部
132a 雌ねじ部
150 ラッシュアジャスタ
151 ボディ
151a 内周溝
151b 壁
152 プランジャ
152b 雄ねじ部
152c 外周溝
160 ストッパ
201 動弁系構造
230 押さえティ
230b 孔
232 アーム部
260 ストッパ
261 支持部
262 接続部
301 動弁系構造
360 ストッパ
401 動弁系構造
450 ラッシュアジャスタ
451 ボディ
460 ストッパ