IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMC株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-漏れ検出装置 図1
  • 特開-漏れ検出装置 図2
  • 特開-漏れ検出装置 図3
  • 特開-漏れ検出装置 図4
  • 特開-漏れ検出装置 図5
  • 特開-漏れ検出装置 図6
  • 特開-漏れ検出装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012907
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】漏れ検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114719
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】大島 裕太
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA01
2G064AA11
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB24
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC02
2G064CC41
2G064DD02
(57)【要約】
【解決手段】圧縮気体の漏れを検出する漏れ検出装置10であって、超音波信号を収集し、前記超音波信号を電気信号に変換して出力するマイクロフォン20と、前記電気信号に基づいて、前記漏れに対応する特定周波数F0の信号を抽出するロックインアンプ36および38と、前記特定周波数の前記信号の振幅値A0に対応する物理量を算出する算出回路40と、前記算出回路が算出した前記物理量に応じてユーザへの報知を行う報知装置24と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮気体の漏れを検出する漏れ検出装置であって、
超音波信号を収集し、前記超音波信号を電気信号に変換して出力するマイクロフォンと、
前記電気信号に基づいて、前記漏れに対応する特定周波数の信号を抽出するロックインアンプと、
前記特定周波数の前記信号の振幅値に対応する物理量を算出する算出回路と、
前記算出回路が算出した前記物理量に応じてユーザへの報知を行う報知装置と、
を備える、漏れ検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の漏れ検出装置であって、
前記ロックインアンプは、位相検波器と第1フィルタとを含み、
前記位相検波器は、前記電気信号と、前記電気信号の反転信号とを、前記特定周波数の前記信号の周期に応じて切換えることにより、前記電気信号と前記反転信号とのうちの一方の信号を出力し、
前記第1フィルタは、前記位相検波器からの出力信号のうちの直流成分を抽出することにより、前記特定周波数の前記信号を抽出するローパスフィルタである、漏れ検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の漏れ検出装置であって、
前記ロックインアンプは、第1ロックインアンプと第2ロックインアンプとを含み、
前記第1ロックインアンプが有する前記位相検波器は、前記電気信号と前記反転信号とを、前記特定周波数の前記信号と同一の周期で切換えることにより、前記一方の信号を出力し、
前記第2ロックインアンプが有する前記位相検波器は、前記電気信号と前記反転信号とを、前記特定周波数の前記信号と同一の前記周期で切換えることにより、前記一方の信号を出力し、
前記第2ロックインアンプが有する前記位相検波器による、前記電気信号と前記反転信号との周期的な切換の第1位相は、前記第1ロックインアンプが有する前記位相検波器による、前記電気信号と前記反転信号との周期的な切換の第2位相に対して、90度シフトした位相であり、
前記算出回路は、前記第1ロックインアンプが有する前記第1フィルタにより抽出された前記特定周波数の前記信号と、前記第2ロックインアンプが有する前記第1フィルタにより抽出された前記特定周波数の前記信号とに基づいて、前記特定周波数の前記信号の前記物理量を算出する、漏れ検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の漏れ検出装置であって、
前記マイクロフォンが出力した前記電気信号から、前記特定周波数を含む所定周波数帯域の成分を抽出する第2フィルタと、
前記所定周波数帯域の前記成分を増幅する増幅器をさらに備え、
前記ロックインアンプは、前記増幅器が増幅した前記所定周波数帯域の前記成分に基づいて、前記特定周波数の前記信号を抽出する、漏れ検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の漏れ検出装置であって、
電池を収容可能な電池収容部をさらに備え、
前記漏れ検出装置は携帯可能である、漏れ検出装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の漏れ検出装置であって、
前記物理量を所定閾値と比較する比較器をさらに備え、
前記報知装置は振動装置であり、
前記物理量が前記所定閾値よりも大きい場合、前記振動装置は、所定時間振動することにより、前記ユーザへの前記報知を行う、漏れ検出装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の漏れ検出装置であって、
前記報知装置は複数の表示灯であり、
前記複数の表示灯は、前記複数の表示灯のうちの前記物理量に応じた少なくとも一部の表示灯が点灯することにより、前記ユーザへの前記報知を行う、漏れ検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、狭帯域のバンドパスフィルタを有する超音波式漏れ検査装置が開示されている。そのバンドパスフィルタは、漏れにより発生する超音波の周波数帯域のみを通過させる。超音波式漏れ検査装置は、バンドパスフィルタを通過した信号を用いて圧縮気体が漏れている漏出位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-142279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バンドパスフィルタを狭帯域化することは困難である。したがって、特許文献1の開示によると、バンドパスフィルタは、漏れにより発生する超音波の周波数帯域のみならず、周辺の周波数帯域の信号も通過させる。このため、圧縮気体の漏出位置を精度良く検出できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、圧縮気体の漏れを検出する漏れ検出装置であって、超音波信号を収集し、前記超音波信号を電気信号に変換して出力するマイクロフォンと、前記電気信号に基づいて、前記漏れに対応する特定周波数の信号を抽出するロックインアンプと、前記特定周波数の前記信号の振幅値に対応する物理量を算出する算出回路と、前記算出回路が算出した前記物理量に応じてユーザへの報知を行う報知装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧縮気体の漏出位置を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る漏れ検出装置が配管からの圧縮気体の漏れを検出する様子を例示する図である。
図2図2は、漏れ検出装置の構成を、信号処理の流れに沿って模式的に示すブロック図である。
図3図3は、第1ロックインアンプおよび第2ロックインアンプがそれぞれ有するスイッチの切換周期を示すタイムチャートである。
図4図4は、第1ロックインアンプおよび第2ロックインアンプの各々により抽出される周波数成分毎の振幅値を例示するグラフである。
図5図5は、漏れ検出装置の全体構成を例示する図である。
図6図6は、振動制御回路が行う振動制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、表示制御回路が行う表示制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施の形態に係る漏れ検出装置10が配管12からの圧縮気体の漏れを検出する様子を例示する図である。図1に例示する配管12は、2本の配管部品12A、12Bと、継手14とを含む。2本の配管部品12Aおよび12Bが、継手14を介して互いに接続されている。
【0010】
配管12内を、圧縮気体が流通する。配管12から外部へ圧縮気体が漏れる場合がある。図1に示す例では、配管部品12Aと継手14との接続部分に圧縮気体の漏出位置16がある。圧縮気体の漏れを検出するためには、漏出位置16を特定する必要がある。漏出位置16を肉眼で特定するのは困難な場合が多い。また、例えば圧縮気体の供給対象装置内の狭い空間で圧縮気体が漏出しているために、漏出位置16を肉眼で特定することが困難な場合もある。
【0011】
圧縮気体が漏出するとき、特定周波数F0を含む周波数帯域の超音波信号が発生する。そこで、本実施の形態に係る漏れ検出装置10は、超音波信号を収集する。漏れ検出装置10は、収集した超音波信号から抽出した特定周波数F0の信号の振幅値A0に応じて、ユーザへの報知を行う。特定周波数F0は、例えば40kHzである。
【0012】
ユーザは、漏れ検出装置10を携帯する。圧縮気体の漏出をチェックするために、ユーザは、漏れ検出装置10を把持して、配管12に漏れ検出装置10を近づける。ユーザは、配管12の近くで配管12をなぞるように、漏れ検出装置10を移動させる。漏れ検出装置10が圧縮気体の漏出位置16に接近すると、抽出される特定周波数F0の信号の振幅値が大きくなる。この振幅値に応じた報知がユーザに対して行われることにより、ユーザは、漏出位置16を特定することができる。なお、圧縮気体は、配管12以外の圧縮気体の流路から漏れる場合もある。漏れ検出装置10は、配管12以外の流路に対しても適用できる。
【0013】
図2は、漏れ検出装置10の構成を、信号処理の流れに沿って模式的に示すブロック図である。漏れ検出装置10は、マイクロフォン20と、回路基板22と、回路基板22上に実装された複数の回路部品と、報知装置24とを有する。本実施の形態において、報知装置24は、振動装置26と、複数の表示灯28とを含む。
【0014】
マイクロフォン20は、超音波信号を含む音波信号を収集し、音波信号を電気信号に変換して出力する。マイクロフォン20は、MEMSで実現することにより小型化できる。回路基板22上に実装された複数の回路部品は、前処理回路30と、変換回路32と、DC成分除去回路34と、第1ロックインアンプ36と、第2ロックインアンプ38と、算出回路40と、振動制御回路42と、表示制御回路44とを含む。
【0015】
前処理回路30は、フィルタ46と、増幅器48とを含む。フィルタ46は、マイクロフォン20が出力した電気信号から、特定周波数F0を含む所定周波数帯域の成分を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)である。本実施の形態においては、特定周波数F0が40kHzの場合、例えば40kHz±4kHzの範囲の帯域の成分が、フィルタ46により抽出される。フィルタ46により、可聴域を含む低周波数帯域の成分と、高周波数帯域の成分とが除去される。
【0016】
なお、フィルタ46は、バンドパスフィルタに代えて、特定周波数F0の信号を透過させるハイパスフィルタ(HPF)であってもよい。その場合、ハイパスフィルタにより、可聴域を含む低周波数帯域の成分が除去される。
【0017】
増幅器48は、フィルタ46が抽出した所定周波数帯域の成分を増幅する。特定周波数F0が例えば40kHzであるとする。40kHzの信号は、他の周波数成分に比べ振幅値A0が小さい傾向にある。そのため、マイクロフォン20が出力した電気信号がフィルタ46を経由せずに増幅器48により増幅されると、40kHz以外の周波数帯域の成分が、より大きく増幅される。
【0018】
特に、工場での周囲雑音等に起因する低周波数帯域の成分は、音源からの距離が比較的長くても減衰しにくい。そのため、低周波数帯域の成分の振幅値は、40kHzの信号の振幅値A0よりも極めて大きい場合がある。40kHz以外の周波数帯域の成分が増幅されることにより、増幅後の信号が電源電圧の範囲で飽和する可能性がある。
【0019】
信号が飽和した場合、波形が変形するため、その後に行われる信号処理で40kHzの信号を正確に抽出することができない。したがって、フィルタ46により、40kHzを含む所定周波数帯域が抽出され、所定周波数帯域以外の周波数帯域の成分が除去されることが好ましい。フィルタ46により、特に振幅値が大きくなりやすい低周波数帯域の成分が除去されるため、増幅器48により、40kHzの信号を適切なレベルに増幅することができる。
【0020】
変換回路32は、マイクロフォン20が出力した電気信号に基づいて増幅器48から出力された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。これにより、増幅器48から出力された信号を、第1ロックインアンプ36と第2ロックインアンプ38とに、デジタル信号に変換してから入力することができる。変換回路32のサンプリングレートは、例えば160kspsである。DC成分除去回路34は、変換回路32における信号の変換処理で発生したDCオフセット成分を除去する。
【0021】
第1ロックインアンプ36は、位相検波器(PSD)50と、ローパスフィルタ(LPF)52とを含む。位相検波器50は、乗算回路54、56と、スイッチ58とを有する。スイッチ58が乗算回路54に接続されているとき、乗算回路54は、DCオフセット成分が除去されたデジタル信号を+1倍して得られるデジタル信号を、スイッチ58に出力する。スイッチ58が乗算回路56に接続されているとき、乗算回路56は、そのデジタル信号を-1倍して得られる、デジタル信号の反転信号を、スイッチ58に出力する。
【0022】
スイッチ58は、乗算回路54からのデジタル信号と、乗算回路56からの反転信号とのうちのいずれか一方を、ローパスフィルタ52に出力する。スイッチ58は、ローパスフィルタ52に出力する信号を、乗算回路54からのデジタル信号にするか、乗算回路56からの反転信号にするかを、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換える。スイッチ58の切換動作により、位相検波器50は、DC成分除去回路34の出力端子から出力されたデジタル信号と、その反転信号とを、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換えることができる。
【0023】
なお、乗算回路54は設けられなくてもよい。この場合、スイッチ58は、DC成分除去回路34の出力端子からのデジタル信号と、乗算回路56からの反転信号とのうちのいずれか一方を、ローパスフィルタ52に出力する。
【0024】
ローパスフィルタ52は、位相検波器50から出力された信号から、直流成分を抽出する。スイッチ58は、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換動作を行うので、ローパスフィルタ52により抽出された直流成分は、特定周波数F0の信号に対応する。
【0025】
ローパスフィルタ52の時定数が長くなるほど、特定周波数F0以外の周波数成分が除去されやすくなる。ただし、時定数が長過ぎると、ユーザが、圧縮気体の漏出位置16を探しながら漏れ検出装置10を移動させる際の漏れ検出装置10の移動速度に追従できないおそれがある。したがって、適切な時定数を決定する必要がある。本実施の形態において、ローパスフィルタ52の時定数は、例えば160msである。
【0026】
第2ロックインアンプ38は、位相検波器(PSD)60と、ローパスフィルタ(LPF)62とを含む。位相検波器60は、乗算回路64、66と、スイッチ68とを有する。スイッチ68が乗算回路64に接続されているとき、乗算回路64は、DCオフセット成分が除去されたデジタル信号を+1倍して得られるデジタル信号を、スイッチ68に出力する。スイッチ68が乗算回路66に接続されているとき、乗算回路66は、そのデジタル信号を-1倍して得られる、デジタル信号の反転信号を、スイッチ68に出力する。
【0027】
スイッチ68は、乗算回路64からのデジタル信号と、乗算回路66からの反転信号とのうちのいずれか一方を、ローパスフィルタ62に出力する。スイッチ68は、ローパスフィルタ62に出力する信号を、乗算回路64からのデジタル信号にするか、乗算回路66からの反転信号にするかを、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換える。スイッチ68の切換動作により、位相検波器60は、DC成分除去回路34の出力端子から出力されたデジタル信号と、その反転信号とを、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換えることができる。
【0028】
ただし、第2ロックインアンプ38が有する位相検波器60による、デジタル信号と反転信号との周期的な切換の第1位相は、第1ロックインアンプ36が有する位相検波器50による、デジタル信号と反転信号との周期的な切換の第2位相に対して、90度(1/4周期)シフトした位相である。
【0029】
なお、乗算回路64は設けられなくてもよい。この場合、スイッチ68は、DC成分除去回路34の出力端子からのデジタル信号と、乗算回路66からの反転信号とのうちのいずれか一方を、ローパスフィルタ62に出力する。
【0030】
ローパスフィルタ62は、位相検波器60から出力された信号から、直流成分を抽出する。スイッチ68は、特定周波数F0の信号の周期C0と同一の周期で切換動作を行うので、ローパスフィルタ62により抽出された直流成分は、特定周波数F0の信号に対応する。ローパスフィルタ52と同様に、ローパスフィルタ62の時定数として、適切な時定数を決定する必要がある。本実施の形態において、ローパスフィルタ62の時定数は、例えば160msである。
【0031】
上述した第1位相と第2位相との間には、90度のズレがある。したがって、第1ロックインアンプ36のローパスフィルタ52により抽出された直流成分の位相と、第2ロックインアンプ38のローパスフィルタ62により抽出された直流成分の位相との間には、90度のズレがある。
【0032】
すなわち、第1ロックインアンプ36のローパスフィルタ52により抽出された直流成分は、特定周波数F0の信号の余弦成分Xに対応する。第2ロックインアンプ38のローパスフィルタ62により抽出された直流成分は、特定周波数F0の信号の正弦成分Yに対応する。
【0033】
算出回路40は、特定周波数F0の信号の振幅値A0に対応する物理量を算出する。本実施の形態において、算出回路40により算出される物理量は、振幅値A0である。この場合、算出回路40は、特定周波数F0の信号の振幅値A0として、特定周波数F0の信号の余弦成分Xと正弦成分Yとの2乗和の平方根を算出する(A0=√(X+Y))。なお、算出回路40により算出される物理量は、振幅値A0に対応する物理量であればよいので、振幅値A0以外に、例えば振幅値の2乗値A0または音圧であってもよい。
【0034】
振動制御回路42および表示制御回路44は、処理回路および記憶装置(いずれも不図示)を有する。処理回路は、CPUまたはGPU等のプロセッサを含む。記憶装置は、RAM等の揮発性メモリと、ROMまたはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして用いられる。不揮発性メモリは、プロセッサが実行するプログラムと、その他必要なデータとを記憶する。
【0035】
処理回路がプロセッサの場合、処理回路は、記憶装置に保存されたプログラムを実行することにより、報知装置24を制御する。なお、処理回路は、ASICまたはFPGA等の集積回路、或いはディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
【0036】
振動制御回路42の処理回路は、比較器70と、ワンショットディレイ回路72とを含む。比較器70は、算出回路40により算出された振幅値A0を所定閾値ATと比較する。所定閾値ATは、例えば、圧縮気体の漏出位置から30cm離れた位置で毎分500mlの気体の漏出が発生している場合の、特定周波数F0の信号の振幅値として定められる。この所定閾値ATは、上述した記憶装置に保存されている。
【0037】
比較器70による比較の結果、その振幅値A0が所定閾値ATよりも大きい場合、処理回路は、振動装置26を所定時間振動させる。その所定時間は、ワンショットディレイ回路72がオンの状態を維持する時間であり、例えば500msである。
【0038】
振動装置26は、例えば振動モータである。振動制御回路42の処理回路が振動モータを駆動すると、振動モータが振動する。振動モータが所定時間振動することにより、ユーザへの報知が行われる。漏れ検出装置10を把持するユーザの手に振動モータの振動が伝わることにより、ユーザは圧縮気体の漏出位置16を特定することができる。
【0039】
表示灯28は、例えばLEDランプである。表示制御回路44の処理回路は、複数のLEDランプの点灯を制御する。表示制御回路44の処理回路は、複数のLEDランプの中から、算出回路40により算出された振幅値A0に応じて点灯させるLEDランプを決定する。その振幅値A0に応じて点灯するLEDランプの個体は予め設定されている。
【0040】
点灯したLEDランプの数が、その振幅値A0に応じた数となる。その振幅値A0に応じた数のLEDランプが点灯することにより、ユーザへの報知が行われる。点灯するLEDランプの数が変化することにより、ユーザは圧縮気体の漏出位置16を特定することができる。
【0041】
図3は、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38がそれぞれ有するスイッチ58および68の切換周期を示すタイムチャートである。図3の方形波S1にしたがって、スイッチ58は、ローパスフィルタ52に出力する信号を、+1倍の乗算回路54からのデジタル信号にするか、-1倍の乗算回路56からの反転信号にするかを、周期的に切換える。方形波S1の周期は、特定周波数F0の周期C0と等しい。
【0042】
図3に示す時刻T1において、スイッチ58の接続先が、+1倍の乗算回路54の出力端子から-1倍の乗算回路56の出力端子に切換わる。時刻T1からT3までの期間、スイッチ58は、-1倍の乗算回路56の出力端子に接続する。時刻T3において、スイッチ58の接続先が、-1倍の乗算回路56の出力端子から+1倍の乗算回路54の出力端子に切換わる。
【0043】
時刻T3からT5までの期間、スイッチ58は、+1倍の乗算回路54の出力端子に接続する。時刻T5において、スイッチ58の接続先が、+1倍の乗算回路54の出力端子から-1倍の乗算回路56の出力端子に切換わる。
【0044】
図3の方形波S2にしたがって、スイッチ68は、ローパスフィルタ62に出力する信号を、+1倍の乗算回路64からのデジタル信号にするか、-1倍の乗算回路66からの反転信号にするかを、周期的に切換える。方形波S2の周期は、特定周波数F0の周期C0と等しい。
【0045】
図3に示す時刻T2において、スイッチ68の接続先が、+1倍の乗算回路64の出力端子から-1倍の乗算回路66の出力端子に切換わる。時刻T2からT4までの期間、スイッチ68は、-1倍の乗算回路66の出力端子に接続する。時刻T4において、スイッチ68の接続先が、-1倍の乗算回路66の出力端子から+1倍の乗算回路64の出力端子に切換わる。
【0046】
時刻T4からT6までの期間、スイッチ68は、+1倍の乗算回路64の出力端子に接続する。時刻T6において、スイッチ68の接続先が、+1倍の乗算回路64の出力端子から-1倍の乗算回路66の出力端子に切換わる。
【0047】
上述したように、方形波S1の周期および方形波S2の周期は、いずれも特定周波数F0の周期C0と等しい。また、図3に示すように、方形波S2の位相は、方形波S1の位相から90度(1/4・C0)遅れる方向にシフトしている。方形波S1の位相は上述した第1位相に対応し、方形波S2の位相は上述した第2位相に対応する。すなわち、第2位相は、第1位相に対して90度(1/4・C0)遅れる方向にシフトしている。
【0048】
したがって、第1ロックインアンプ36からは特定周波数F0の信号の余弦成分Xが得られ、第2ロックインアンプ38からは特定周波数F0の信号の正弦成分Yが得られる。上述したように、特定周波数F0の信号の余弦成分Xと正弦成分Yとに基づいて、特定周波数F0の信号の振幅値A0が算出される。
【0049】
図4は、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38の各々により抽出される周波数成分毎の振幅値Aを例示するグラフである。特定周波数F0の信号の振幅値A0のみが観測されるのが理想的である。しかし、実際には図4に示すように、特定周波数F0の近傍の周波数の振幅値も抽出される。その原因の一つは、図3に示す方形波S1およびS2が奇数次高調波を含むことにある。
【0050】
ただし、フィルタ46により、特定周波数F0を含む所定周波数帯域の成分に限定して抽出されるため、図4に示すように、振幅値Aが観測される周波数帯域は狭く限られる。特定周波数F0が40kHzの場合、振幅値Aが観測される周波数帯域は、例えば40kHz±4kHzの範囲の帯域である。そのため、この狭い周波数帯域に周囲雑音が含まれる可能性は低く抑えられる。さらに、フィルタ46の後段に配置されたローパスフィルタ52、62の時定数が、例えば160ms等の適切な値に決定されている。そのため、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38の各々により抽出される周波数成分は、極めて狭い範囲に限られる。
【0051】
したがって、配管12から圧縮気体が漏出している場合、図4に例示するように、特定周波数F0の信号の振幅値Azが際立って高い値を示し、支配的になる。そのため、算出回路40により算出される特定周波数F0の信号の振幅値A0は、図4に示す特定周波数F0の信号の振幅値Azに略等しいとみなせる。
【0052】
なお、図4に示す例では、特定周波数F0の信号の振幅値Az(≒A0)が所定閾値ATを超過している。報知装置24は、算出回路40が算出した特定周波数F0の信号の振幅値A0に応じてユーザへの報知を行う。具体的には、振動装置26は、所定時間振動する。また、複数の表示灯28のうち、算出回路40が算出した特定周波数F0の信号の振幅値A0に応じた表示灯28が点灯する。
【0053】
図5は、漏れ検出装置10の全体構成を例示する図である。本実施の形態による漏れ検出装置10は、一部が湾曲した形状の樹脂製の筐体を有する。図2を用いて上述したように、漏れ検出装置10は、マイクロフォン20と、回路基板22と、回路基板22上に実装された複数の回路部品と、振動装置26と、複数の表示灯28とを有する。
【0054】
漏れ検出装置10は、さらに電池収容部100を有する。図5には、電池収容部100に電池102が収容されている様子が示されている。本実施の形態による漏れ検出装置10に用いられる電池102の電圧は例えば9ボルトである。
【0055】
なお、電池102の電圧は商用電源の電圧に比べると極めて小さい。そのため、特定周波数F0以外の周波数成分の振幅値が大きい場合、この周波数成分が増幅器48により増幅されると、電池102の小さな電圧の範囲で飽和が生じやすい。したがって、上述したように、フィルタ46により、特に低周波数帯域の成分が除去されることが好ましい。
【0056】
ユーザは、漏れ検出装置10を把持するとき、筐体のグリップ110の部分を手で握る。ユーザは、グリップ110を握る手の指のうち、1本の指(例えば人差し指)をトリガ式スイッチ112にあてがう。ユーザがその指でトリガ式スイッチ112を押し込むと、電池102からの電力供給により、漏れ検出装置10が通電状態となる。
【0057】
ユーザが指をトリガ式スイッチ112から離すと、トリガ式スイッチ112が、押し込まれる前の初期位置に戻る。この場合、電池102からの電力供給は停止する。したがって、電池102の電力使用を抑えることができる。
【0058】
なお、トリガ式スイッチ112の裏には、振動装置26が配置されている。ユーザがトリガ式スイッチ112を押し込むと、振動装置26も移動する。漏れ検出装置10が通電状態であって、特定周波数F0の信号の振幅値A0が所定閾値ATよりも大きい場合、振動装置26は所定時間振動する。振動装置26の振動は、トリガ式スイッチ112を押し込んでいるユーザの指に伝わる。こうして、ユーザへの報知が行われる。
【0059】
これにより、ユーザは、工場のような騒がしい場所であっても、圧縮気体の漏出に関する報知に気づきやすくなる。また、ユーザは、漏れ検出装置10の付近に圧縮気体の漏出位置16が存在する可能性に気づくことができるため、漏出位置16を特定しやすい。
【0060】
図5に例示する漏れ検出装置10は、8個の表示灯28を有する。8個の表示灯28は、筐体の湾曲部分に沿って1列に並んで配置されている。ユーザがトリガ式スイッチ112を押し込むと、漏れ検出装置10が通電状態になる。その場合、表示制御回路44の処理回路が特定周波数F0の信号の振幅値A0に応じて決定した表示灯28に対して、電池102からの電力が供給される。電力が供給された表示灯28が点灯する。
【0061】
例えば、特定周波数F0の信号の振幅値A0が所定閾値ATよりも十分小さい場合、振幅値A0に応じて、端から並び順に1~6個目までの表示灯28のうちの1~N個目が点灯する(1≦N≦6)。これら6個の表示灯28から出射される光の色は、すべて同じ第1の色(例えば緑色)である。なお、特定周波数F0の信号の振幅値A0が極めて小さい場合、すべての表示灯28が消灯されてもよい。
【0062】
振幅値A0が、所定閾値ATより小さく且つ所定閾値ATに近い警告基準値を超過した場合、並び順で7個目の表示灯28が点灯する。7個目の表示灯28から出射される光の色は、第1の色とは異なる第2の色(例えば赤色)である。振幅値A0が所定閾値ATよりも大きい場合は、8個すべての表示灯28が点灯する。8個目の表示灯28から出射される光の色は、7個目の表示灯28と同じ第2の色である。こうして、ユーザへの報知が行われる。
【0063】
7個目および8個目の表示灯28から出射される光の色(第2の色)は、1~6個目までの表示灯28から出射される光の色(第1の色)とは異なる。そのため、ユーザは、7個目の表示灯28が点灯したことに気づきやすい。この場合、ユーザは、漏れ検出装置10が、圧縮気体の漏出位置16に接近している可能性に気づくことができる。その後、ユーザは、さらに漏れ検出装置10を移動させて、8個すべての表示灯28が点灯することにより、漏れ検出装置10が、漏出位置16に、より接近したことが分かる。そのため、ユーザは漏出位置16を特定しやすい。
【0064】
図5に示す漏れ検出装置10には、感度変更用のスライド式スイッチ118が設けられている。ユーザがスライド式スイッチ118を操作することで、アッテネータによる超音波信号の減衰レベルを調節することができる。こうして、超音波信号に対するマイクロフォン20の感度を引き下げることができる。
【0065】
図5に示す漏れ検出装置10には、ノズルの装着部120が設けられている。狭い空間内に配置された配管12に漏れ検出装置10を近づけることが困難な場合がある。しかし、装着部120に細いノズルが装着されることにより、細いノズルを配管12に近づけることができる。こうして、狭い空間に配置された配管12においても、漏出位置16を特定することができる。
【0066】
図6は、振動制御回路42が行う振動制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、振動制御回路42が有する処理回路が、記憶装置に保存されたプログラムを実行することにより行われる。本処理手順が開始されると、ステップS10において、比較器70は、算出回路40により算出された特定周波数F0の信号の振幅値A0を、所定閾値ATと比較する。
【0067】
ステップS20において、処理回路は、比較器70による比較結果に基づいて、振幅値A0が所定閾値ATを超過したか否かを判定する。ステップS20でYESとなった場合、本処理手順はステップS30へ進む。ステップS20でNOとなった場合、本処理手順はステップS10へ戻る。ステップS30において、処理回路は、ワンショットディレイ回路72をオンの状態にする。ステップS40において、処理回路は、振動装置26の駆動を開始する。振動装置26は振動を開始する。
【0068】
ステップS50において、処理回路は、振動装置26が振動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。ワンショットディレイ回路72がオンの状態の間は、所定時間がまだ経過していない。所定時間が経過すると、ワンショットディレイ回路72がオンの状態からオフの状態に転じる。このとき、処理回路は、振動装置26が振動を開始してから所定時間が経過したと判定する。ステップS50でYESとなった場合、本処理手順はステップS60へ進む。ステップS50でNOとなった場合、本処理手順はステップS50の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS60において、処理回路は、振動装置26の駆動を停止する。この時点で振幅値A0が所定閾値ATを超過した状態が継続していた場合であっても、振動装置26の振動は停止する。これにより、電池102の電力使用を抑えることができる。ステップS60の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0070】
図7は、表示制御回路44が行う表示制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、表示制御回路44が有する処理回路が、記憶装置に保存されたプログラムを実行することにより行われる。本処理手順が開始されると、ステップS110において、処理回路は、複数の表示灯28の中から、算出回路40により算出された特定周波数F0の信号の振幅値A0に応じて点灯させる表示灯28を決定する。ステップS120において、処理回路は、決定した表示灯28を点灯させる。ステップS120の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0071】
[変形例]
上記実施の形態は、以下のように変形されてもよい。
【0072】
上記実施の形態において、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38には、デジタル信号が入力される。すなわち、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38は、デジタルロックインアンプである。
【0073】
しかし、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38は、アナログロックインアンプであってもよい。その場合、変換回路32およびDC成分除去回路34は用いられない。マイクロフォン20が出力した電気信号に基づいて増幅器48から出力された信号(アナログ信号)が、第1ロックインアンプ36および第2ロックインアンプ38に入力する。
【0074】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0075】
(1)圧縮気体の漏れを検出する漏れ検出装置(10)は、超音波信号を収集し、前記超音波信号を電気信号に変換して出力するマイクロフォン(20)と、前記電気信号に基づいて、前記漏れに対応する特定周波数(F0)の信号(X、Y)を抽出するロックインアンプ(36、38)と、前記特定周波数の前記信号の振幅値(A0)に対応する物理量を算出する算出回路(40)と、前記算出回路が算出した前記物理量に応じてユーザへの報知を行う報知装置(24)と、を備える。これにより、ユーザは圧縮気体の漏出位置を特定しやすくなる。
【0076】
(2)前記ロックインアンプは、位相検波器(50、60)と第1フィルタ(52、62)とを含み、前記位相検波器は、前記電気信号と、前記電気信号の反転信号とを、前記特定周波数の前記信号の周期(C0)に応じて切換えることにより、前記電気信号と前記反転信号とのうちの一方の信号を出力し、前記第1フィルタは、前記位相検波器からの出力信号のうちの直流成分を抽出することにより、前記特定周波数の前記信号を抽出するローパスフィルタであってもよい。これにより、特定周波数の信号を精度良く抽出することができる。
【0077】
(3)前記ロックインアンプは、第1ロックインアンプ(36)と第2ロックインアンプ(38)とを含み、前記第1ロックインアンプが有する前記位相検波器は、前記電気信号と前記反転信号とを、前記特定周波数の前記信号と同一の周期で切換えることにより、前記一方の信号を出力し、前記第2ロックインアンプが有する前記位相検波器は、前記電気信号と前記反転信号とを、前記特定周波数の前記信号と同一の前記周期で切換えることにより、前記一方の信号を出力し、前記第2ロックインアンプが有する前記位相検波器による、前記電気信号と前記反転信号との周期的な切換の第1位相は、前記第1ロックインアンプが有する前記位相検波器による、前記電気信号と前記反転信号との周期的な切換の第2位相に対して、90度シフトした位相であり、前記算出回路は、前記第1ロックインアンプが有する前記第1フィルタにより抽出された前記特定周波数の前記信号と、前記第2ロックインアンプが有する前記第1フィルタにより抽出された前記特定周波数の前記信号とに基づいて、前記特定周波数の前記信号の前記物理量を算出してもよい。これにより、特定周波数の信号を簡便に抽出することができる。
【0078】
(4)前記漏れ検出装置は、前記マイクロフォンが出力した前記電気信号から、前記特定周波数を含む所定周波数帯域の成分を抽出する第2フィルタ(46)と、前記所定周波数帯域の前記成分を増幅する増幅器(48)をさらに備え、前記ロックインアンプは、前記増幅器が増幅した前記所定周波数帯域の前記成分に基づいて、前記特定周波数の前記信号を抽出してもよい。これにより、微小な特定周波数の信号を、比較的大きな周囲雑音から分離して抽出することができる。
【0079】
(5)前記漏れ検出装置は、電池(102)を収容可能な電池収容部(100)をさらに備え、前記漏れ検出装置は携帯可能であってもよい。これにより、給電ケーブルの長さに影響されることなく、圧縮気体の漏出位置を特定することができる。
【0080】
(6)前記漏れ検出装置は、前記物理量を所定閾値(AT)と比較する比較器(70)をさらに備え、前記報知装置は振動装置(26)であり、前記物理量が前記所定閾値(AT)よりも大きい場合、前記振動装置は、所定時間振動することにより、前記ユーザへの前記報知を行ってもよい。これにより、ユーザは、圧縮気体の漏出に関する報知に気づきやすくなる。
【0081】
(7)前記漏れ検出装置は、前記報知装置は複数の表示灯(28)であり、前記複数の表示灯は、前記複数の表示灯のうちの前記物理量に応じた少なくとも一部の表示灯が点灯することにより、前記ユーザへの前記報知を行ってもよい。これにより、ユーザは、漏れ検出装置を把持して移動させている間に、漏れ検出装置が圧縮気体の漏出位置へ接近していることに気づきやすくなる。
【0082】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0083】
10…漏れ検出装置 12…配管
14…継手 16…漏出位置
20…マイクロフォン 22…回路基板
24…報知装置 26…振動装置
28…表示灯 30…前処理回路
32…変換回路 34…DC成分除去回路
36…第1ロックインアンプ 38…第2ロックインアンプ
40…算出回路 42…振動制御回路
44…表示制御回路 46…フィルタ(第2フィルタ)
48…増幅器 50、60…位相検波器
52、62…ローパスフィルタ(第1フィルタ)
54、56、64、66…乗算回路 58、68…スイッチ
70…比較器 72…ワンショットディレイ回路
100…電池収容部 102…電池
110…グリップ 112…トリガ式スイッチ
118…スライド式スイッチ 120…装着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7