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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129073
(43)【公開日】2024-09-26
(54)【発明の名称】使い捨て衛生用品ポッド
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240918BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240918BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20240918BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240918BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240918BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240918BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/42
A61K8/60
A61Q5/12
A61Q5/02
A61Q19/00
B65D65/46
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024103420
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2020539071の分割
【原出願日】2019-01-17
(31)【優先権主張番号】62/618,826
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/986,592
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520255942
【氏名又は名称】ノボ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Nohbo,Inc.
【住所又は居所原語表記】1581 Robert J Conlan Blvd.NE.,Suite 100,Palm Bay,FL 32905 USA.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】スターン,ベンジャミン ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ロバート ハットン
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス,ジェイムス ジェー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水溶性包被及びその包被に密封された衛生用品を備える使い捨て衛生用品を提供する。
【解決手段】水溶性包被と、前記水溶性包被中に密封された液体衛生用品と、を含む、使い捨て衛生用品ポッドであって、液体衛生用品は、(a)ブタンジオールとプロピレングリコールとのいずれか1つである有機アルコールを含むキャリアと、(b)(i)合計4重量%から8重量%の量のカプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミドの混合物と、(ii)4重量%から5重量%のリノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩と、液体衛生用品の合計重量に基づいて、20重量%未満である自由水分含量と、を含む、活性作用剤と、を含み、液体衛生用品の自由水分含量は、水溶性包被の溶解を防ぐように制御される、使い捨て衛生用品ポッドとする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用品であって、
前記衛生用品の合計重量に基づいて、約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアと、
少なくとも1種の界面活性剤を含む活性作用剤と、
を含む、衛生用品。
【請求項2】
前記ブチレングリコールは、1,3-ブタンジオールを含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項3】
前記衛生用品は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、約35重量%~約45重量%の1,3-ブタンジオールを含む、請求項2に記載の衛生用品。
【請求項4】
前記衛生用品は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、約45重量%~約50重量%の範囲の量で前記活性作用剤を含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項5】
前記キャリアは、前記衛生用品の合計重量に基づいて、
約30重量%~約46重量%のブチレングリコールと、
約5重量%~約11重量%のプロピレングリコールと、
約8重量%~約19重量%グリセリンと、
を含む、請求項4に記載の衛生用品。
【請求項6】
前記活性作用剤は、
ココイルイセチオン酸ナトリウム、
コカミドプロピルベタイン、
カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、
コカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩、
リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩、または
ラウラミンオキシド
から選択される少なくとも2種の化合物を含む、請求項4に記載の衛生用品。
【請求項7】
前記衛生用品の合計重量に基づいて、約12重量%~約18重量%の範囲の量で非イオン性界面活性剤を含む層状ゲルネットワークをさらに含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項8】
前記衛生用品の合計重量に基づいて、約0.15重量%~約0.25重量%の範囲の量でカルボキシメチルセルロースを含む増粘剤をさらに含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項9】
前記衛生用品は、
シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、もしくはそれらの任意の組み合わせ、または
シェービング用品、
を含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項10】
水溶性包被と、
前記包被中に密封された、請求項1に記載の衛生用品と、
を含む、使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項11】
前記キャリアは、前記衛生用品の合計重量に基づいて、
約30重量%~約46重量%のブチレングリコールと、
約5重量%~約11重量%のプロピレングリコールと、
約8重量%~約19重量%グリセリンと、
を含む、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項12】
前記包被は、約25℃の温度で、約4.0~約9.0の範囲のpHを有する、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項13】
前記包被は、ポリビニルアルコール(PVOH)フィルムまたはポリビニルアルコール(PVOH)織り繊維もしくは不織繊維を含む、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項14】
前記包被は、約0.5mm~約5.0mmの範囲の厚さを有する、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項15】
前記衛生用品は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、自由水分含量が約10重量%以下である、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項16】
前記衛生用品は、さらに、前記包被を通過する前記キャリアの拡散を低減するように構成された増粘剤を含む、請求項10に記載の衛生用品ポッド。
【請求項17】
前記増粘剤は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、約12重量%~約18重量%の範囲の量で非イオン性界面活性剤を含む層状ゲルネットワークを含む、請求項16に記載の衛生用品ポッド。
【請求項18】
前記増粘剤は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、約0.15重量%~約0.25重量%の範囲の量でカルボキシメチルセルロースを含む、請求項16に記載の衛生用品ポッド。
【請求項19】
水溶性包被と、
前記包被中に密封された衛生用品と、
を含み、
前記衛生用品は、
前記衛生用品の合計重量に基づいて、約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアと、
少なくとも1種の界面活性剤を含む活性作用剤と、
を含む、
使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項20】
前記ブチレングリコールは、1,3-ブタンジオールを含み、
前記衛生用品は、前記衛生用品の合計重量に基づいて、約0.15重量%~約0.25重量%の範囲の量でカルボキシメチルセルロースをさらに含み、
前記包被は、ポリビニルアルコール(PVOH)フィルムまたはポリビニルアルコール(PVOH)織り繊維もしくは不織繊維を含み、
前記活性作用剤は、
ココイルイセチオン酸ナトリウム、
コカミドプロピルベタイン、
カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、
コカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩、
リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩、または
ラウラミンオキシド
から選択される少なくとも2種の化合物を含む、
請求項19に記載の衛生用品ポッド。
【請求項21】
前記キャリアは、衛生用品の合計重量に基づいて、
約30重量%~約46重量%の1,3-ブタンジオールと、
約5重量%~約11重量%のプロピレングリコールと、
約8重量%~約19重量%のグリセリンと、
を含む、請求項20に記載の衛生用品ポッド。
【請求項22】
水溶性包被と、前記包被中に密封された衛生用品とを含む衛生用品ポッドであって、前記衛生用品は、活性作用剤と、前記衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアとを含む、前記衛生用品ポッド、を使用する方法であって、
前記ポッドに水を加えて、前記包被を溶解させて前記衛生用品を放出させることと、
前記衛生用品を、使用者の身体の少なくとも一部分に塗布することと、
前記衛生用品を、前記身体部分からすすぎ落とすことと、
を含む、方法。
【請求項23】
水を加えることは、前記使用者が前記ポッドを持ったまま、約20秒~約40秒の範囲の長さの時間、水を加えて、前記包被を溶解させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記衛生用品を塗布することは、前記衛生用品を前記使用者の毛髪及び頭皮に塗布することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記衛生用品を塗布することは、前記衛生用品を前記使用者の毛髪、頭皮、及び身体に塗布することを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年5月22日出願の米国特許出願第15/986,592号、表題「HYGIENE PRODUCT POD AND METHODS OF USING SAME」の優先権を主張し、この出願は、2018年1月18日出願の米国仮出願第62/618,826号、表題「HYGIENE PRODUCT POD AND METHODS OF USING SAME」の優先権を主張する。これら出願は両方とも、その全内容が、本明細書中参照として援用される。
【0002】
本開示の態様は、使い捨て用に構成された衛生用品ポッド、及びそのようなポッドの使用法を提供する。
【背景技術】
【0003】
衛生用品、例えば、シャンプー、ボディウォッシュ、シェービングクリーム、及びコンディショナーなどは、通常、液状またはゲル状で販売されている。そのような衛生用品は、一般に、相当量の水及び/または粘度調節剤に加えて、活性作用剤、例えば、界面活性剤及び/またはコンディショニング剤を含有している。そのような衛生用品は、最も一般的には、何回も使用するのに十分な量の製品が入ったボトルで提供される。そのような製品は、多くの消費者の用途に適切であるものの、それよりも少量の衛生用品が、特に、旅行及び接客業界で必要とされている。
【0004】
衛生用品は、接客及び/または旅行業界用に小型ボトルで提供されてきた。しかしながら、接客業界では、小型ボトルのシャンプー/コンディショナー/シェービングクリームは、一般に包装対製品比が高くなり、このことが、製造費用の上昇及び過剰な廃棄物量の原因となっている。
【0005】
また、プラスチックのサシェ、バッグ、またはブリスターパックに包装された使い捨て包装シャンプー/コンディショナーも開発されている。しかしながら、そのような包装材は、一般に、再利用されず、生分解性でもない。
【発明の概要】
【0006】
様々な実施形態に、衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアと、及び少なくとも1種の界面活性剤を含む活性作用剤とを含む衛生用品が、包含される。
【0007】
様々な実施形態に、水溶性包被及びその包被に密封された衛生用品を備える使い捨て衛生用品ポッドが包含され、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアと、及び少なくとも1種の界面活性剤を含む活性作用剤とを含む。
【0008】
様々な実施形態に、水溶性包被及びその包被に密封された衛生用品を備える衛生用品ポッドの使用法が包含され、衛生用品は、活性作用剤と、及び衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量でブチレングリコールを含むキャリアとを含み、本方法は、ポッドに水を加えて包被を溶解させて衛生用品を放出させること、衛生用品を使用者の身体の少なくとも一部分に塗布すること、及び衛生用品をその身体部分からすすぎ落とすことを含む。
【0009】
添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成するものであるが、これらは、本発明の実施形態の模範例を例示するものであり、上記の一般的説明及び下記の詳細な説明と合わせて、本発明の特長を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の衛生用品ポッドの様々な実施形態の写真である。
図1B】任意選択の切断プロセス後の、図1Aのポッドの斜視図である。
図2】本開示の様々な実施形態による、衛生用品ポッドの頂面図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、衛生用品ポッドの上面図である。
図4】本開示の様々な実施形態による、衛生用品ポッドの使用法を例示する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。可能な限り、図面全体を通じて同一参照番号を使用することにより、同一または同様な部分を示す。特定の例及び実践についてなされる言及は、例示を目的とし、本発明または特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0012】
「例示の」という語の使用により、本明細書中、「一例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味する。「例示の」として本明細書中記載される実践はどれでも、必ずしも他の実践よりも好適または有利であると見なされる必要はない。
【0013】
同じく当然のことながら、本明細書中使用される場合、「the」、「a」、または「an」という用語は、「少なくとも1つの」を意味し、明白に否定されない限り、「唯一の」に限定されることは決してない。すなわち、例えば、「1つのスロット(a slot)」という言及は、文脈に別途明記されない限り、2つ以上のスロットを備える例を含む。
【0014】
範囲は、本明細書中、「約」1つの特定値から、及び/または「約」別の特定値までとして表現することができる。そのような範囲が表現される場合、例示には、一方の特定値から、及び/または他方の特定値までが含まれる。同様に、値が、先行詞「約」または「実質的に」の使用により、近似値で表される場合、当然のことながら、その特定の値は、別の態様を形成する。実施形態によっては、「約X」という値は、Xの±1%を含むことができる。さらに当然のことながら、範囲の各端点は、他方の端点との関係において、及び他方の端点とは無関係に、の両方で重要である。
【0015】
様々な実施形態が、衛生用品ポッドに関連し、この衛生用品ポッドにおいて、衛生用品は、1回量形式で水溶性包被に封入されている。衛生用品ポッドは、毛髪及び/または皮膚用の洗浄剤及び/またはコンディショニング剤を提供することができる。詳細には、衛生用品は、キャリア中に活性成分、例えば、シャンプー、コンディショナー、またはそれらの組み合わせなどを含み、キャリアは、衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールを特長とする。
【0016】
衛生用品ポッド
様々な実施形態に、ポッド形式の1回量衛生用品が包含される。本明細書中、「ポッド」という用語は、カプセル、球体、ドロップなどの形状の水溶性包被に衛生用品が充填されたものを示し、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールであるキャリア中に、活性成分を含んでいる。例えば、ポッドは、液状またはゲルの衛生用品を封入する包被を備えることができる。ポッドは、任意の適切な形状及び/または寸法を有することができる。ポッドは、1回の使用に十分な量の衛生用品を含有することができる。例えば、ポッドは、頭1つ分の毛髪を洗浄するのに十分な量のシャンプーを含有することができ、1人分の身体を洗浄するのに十分な量のボディウォッシュを含有することができ、または身体の1箇所または複数箇所をシェービングするのに十分な量のシェービング用品を含有することができる。本明細書中使用される場合、「シェービング用品」という用語は、シェービングクリーム、シェービングジェル、またはシェービング用品を形成するように構成された前駆組成物を示すことができる。
【0017】
実施形態によっては、シャンプー、コンディショナー、またはシャンプーとコンディショナーを、ブチレングリコール系キャリア中に含有するポッドは、容積が、約4g~約12g、例えば、約5g~約8gの範囲であることが可能である。ボディウォッシュを含有するポッドは、容積が、約6g~約15g、例えば、約8g~約10gであることが可能である。濃縮活性作用剤を含むポッドは、希釈されていないもしくは半希釈活性作用剤を含有するポッドよりも小さい場合がある。
【0018】
図1Aは、様々な実施形態による、衛生用品ポッド100の写真である。図1Bは、任意選択の切断プロセス後の、図1Aのポッド100の斜視図である。図1A及び図1Bを参照して、ポッド100は、水溶性包被102に密封された衛生用品104を備える。ポッド100は、一般にドロップ形が可能である(示すとおり)。しかしながら、ポッド100は、どのような特定形状にも限定されない。例えば、ポッド100は、長方形、円形、三角形、正方形、五角形、円形、楕円形、錠剤形であることが可能である。
【0019】
包被102は、水などの溶媒の存在下で迅速に溶解するように構成することができる。例えば、包被102は、水溶性材料、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを含む、またはそれらで形成することができる。水溶性材料は、フィルム、または織り繊維もしくは不織繊維、例えばPVOHもしくはCMC繊維の形状であることが可能である。例えば、包被102は、PVOHフィルム、例えば、Kuraray Incから入手可能なMonosol 9643で形成することができる。
【0020】
包被102は、厚さが、約0.5mm~約5.0mmの範囲であることが可能である。包被102は、温度約25℃で、pHが約4.0~約9.0の範囲であることが可能である。包被102は、約25℃で、水に、約3秒~約15秒、例えば、約5秒~約7秒の範囲の長さの時間で溶解するように構成することができる。
【0021】
PVOHで包被102を形成すると特に有益である可能性があることがわかっている。例えば、溶解したPVOHは、膜形成剤(例えば、コンディショニング剤)及び/または発泡促進剤として作用する可能性がある。したがって、PVOH包被102は、使用時に、泡立った液、泡、発泡物に加わることにより、予期せず、衛生用品104の性質を改善する可能性がある。
【0022】
ポッド100は、衛生用品104を囲んで、水溶性材料のシートまたは層2枚をシールすることにより形成可能である。例えば、包被102は、衛生用品104を水溶性材料のシート2枚の間に置き、次いでポッド100の全外周にわたり延びるシール領域106を形成するように2枚のシートの外周をシールすることにより形成可能である。実施形態によっては、シートは、部分的にシールされ(例えば、3辺に沿ってシールされ)て包被102を形成することができ、その後、衛生用品104を、包被102の開口端から挿入することができ、続いて、開口端をシールして、ポッド100を完成させることができる。
【0023】
様々な実施形態において、シーリングは、任意の適切なシーリング法を用いて達成することができる。実施形態によっては、水溶性材料は、加熱シーリング法を用いて密封することができる。他の実施形態において、シーリングは、水溶性接着剤の使用を含むことができる。実施形態によっては、ポッド100は、包装機械、例えば、Cloud Packaging Solutions、Des Plaines、IL製のHydroforma包装機械を用いて形成することができる。
【0024】
図1Bに示すとおり、シール領域106の少なくとも一部分を、ポッド100から任意選択で除去して、タブ108を形成することができる。例えば、包被102を、ポッド100の製造中に切断することができる。タブ108は、ポッド100の取り扱い及び/またはポッド100の製品包装からの取り出しを行いやすくするための接触点として機能することができる。
【0025】
実施形態によっては、ポッド100は、任意選択で、外側防湿層を備えることができる。例えば、防湿層は、包被102の外側表面に施工された疎水性コーティングまたはフィルムであることが可能である。実施形態によっては、防湿層は、疎水性エステル化植物トリグリセリド、天然の植物脂肪などを含むことができる。実施形態によっては、防湿層は、温水で分解または溶解するように構成することができる。
【0026】
図2は、様々な実施形態による、衛生用品ポッド110の頂面図である。ポッド110はポッド100と同様であるので、両者の間の違いだけを、詳細に説明する。
【0027】
図2を参照して、ポッド110は、包被102を備え、その中に衛生用品104が配置されている。図1に示すポッド100とは対照的に、包被102は、水溶性材料の単一シートを折り畳み、衛生用品104を囲んでシールすることにより、形成されている。結果として、ポッド110は、衛生用品104の3辺に沿って延びるシール領域106、及びシール領域106の対向端の間に延びる折畳み領域112を備える。
【0028】
図3は、様々な実施形態による、衛生用品ポッド120の上面図である。ポッド120はポッド100と同様であるので、両者の間の違いだけを、詳細に説明する。
【0029】
図3を参照して、ポッド120は、包被102を備え、その中に衛生用品104が配置されている。図1に示すポッド100とは対照的に、包被102は、衛生用品104が配置されている水溶性材料の管状シートの対向端をシールすることにより形成される。結果として、ポッド120は、ポッド120の対向端に配置されたシール領域106を備える。
【0030】
ポッドを形成する3通りの方法を上記で説明してきたものの、本開示は、どのような特定の包被形成法にも限定されない。
【0031】
衛生用品
様々な実施形態に従って、衛生用品は、キャリア中に、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、またはそれらの任意の組み合わせ、例えば、混合シャンプー、ボディウォッシュ、及び/またはコンディショナーを含む形状をしていることができ、キャリアは、衛生用品の合計重量に基づいて約25重量%~約75重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールを特長とする。例えば、実施形態によっては、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて約30重量%~約70重量%、約35重量%~約65重量%、約40重量%~約60重量%、または約50重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールを含むキャリアを含む。
【0032】
記述の便宜上、そのような製品は、総称として、本明細書中「洗浄用品」と称することができる。実施形態によっては、衛生用品は、液状またはゲル状であることができる。他の実施形態において、衛生用品は、同じくキャリア中に、シェービング用品、例えば、シェービングジェル、シェービングクリーム、シェービング液などを含む形状をしていることができ、キャリアは、衛生用品の合計重量に基づいて、上記のとおりの量、例えば、約25重量%~約75重量%、または約40重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールを特長とする。
【0033】
様々な実施形態において、例えば洗浄用品の場合、衛生用品は、活性作用剤及びキャリア(例えば、界面活性剤ビヒクルまたは充填剤)を含むことができ、キャリアは、衛生用品の合計重量に基づいて、約25重量%~約75重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の範囲の量のブチレングリコールを含む。活性作用剤は、キャリアに分散させることができる。衛生用品は、任意選択で、1種または複数の増粘剤(例えば、ゲル化剤)、及び/または1種または複数の第二成分を含むことができる。
【0034】
様々な実施形態において、衛生用品の含水量は、包被の溶解を防ぐために制御することができる。例えば、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて、約20重量%以下、例えば、15重量%以下、10重量%以下、または5重量%以下の自由水量とすることができる。実施形態によっては、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて、約1重量%~約12重量%、例えば、約2重量%~約10重量%、約3重量%~約9重量%、または約4重量%~約8重量%の範囲の自由水量であることができる。第二成分は、衛生用品の水分活性(aW)を低下させるように構成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、そのように低い含水量を利用することにより、水分活性が約0.40以下、例えば、水分活性が約0.37以下の衛生用品が得られることがわかった。したがって、衛生用品の低い水分活性により微生物の活動が阻害されることにより、衛生用品は、保存剤を含まなくてもよくなる。言い換えると、衛生用品は、天然に保存性を持つ場合がある。
【0036】
活性作用剤は、界面活性剤及び/または界面活性剤の混合物を含む界面活性剤系、1種または複数の洗浄剤、及び/または1種または複数のコンディショニング剤を含むことができる。コンディショニング剤は、界面活性剤の固有の厳しさを打ち消すように構成することができる。コンディショニング剤、キャリア、増粘剤(例えば、ゲル化剤)、及び/または第二成分は、ポッドの整合性を高めるように構成することができ、及び/またはポッドを水に溶解させた場合に、活性作用剤が分散するように機能することができる。
【0037】
活性作用剤
様々な実施形態において、活性作用剤は、シャンプー、ボディウォッシュ、コンディショナー、またはそれらの任意の組み合わせとして配合することができる(例えば、2イン1シャンプー及びコンディショナーまたは3イン1シャンプー、コンディショナー、及びボディウォッシュとして配合することができる)。他の実施形態において、活性作用剤は、シェービング用品として配合することができる。したがって、本明細書中使用される場合、「活性作用剤」は、上記配合物のいずれかを示すことができる。
【0038】
様々な実施形態において、活性作用剤は、濃縮物、例えば、濃縮シャンプー、濃縮コンディショナー、濃縮ボディウォッシュ、またはそれらの任意の組み合わせの形状をしていることができる。他の実施形態において、活性作用剤は、濃縮シェービング用品の形状をしていることができる。実施形態によっては、活性作用剤は、粉末形式で上記成分の1種または複数を含むことができる。
【0039】
様々な実施形態において、活性作用剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、及び/または両性界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。適切なアニオン性界面活性剤の非限定例として、アルカリ金属スルホリシン酸塩(sulforicinates)、脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル、例えば、ココナッツ油酸のスルホン化モノグリセリド、スルホン化一価アルコールエステルの塩、例えば、オレイルイセチアン酸ナトリウム(sodium oleylisethianate)、脂肪酸の金属石鹸、アミノスルホン酸のアミド、例えば、オレイルメチルタウリド(oleyl methyl tauride)のナトリウム塩、脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、例えば、スルホン酸パルミトニトリル(palmitonitrile sulfonate)、スルホン化芳香族炭化水素、例えば、アルファ-ナフタレンモノスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物、オクタヒドロアントラセンスルホン酸ナトリウム(sodium octahydroanthracene sulfonate)、アルカリ金属アルキル硫酸塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、またはラウリル硫酸トリエタノールアミンなど、8個以上の炭素原子を持つアルキル基を有するエーテル硫酸塩、例えば、ナトリウムラウリルエーテル硫酸塩、アンモニウムラウリルエーテル硫酸塩、ナトリウムアルキルアリールエーテル硫酸塩、及びアンモニウムアルキルアリールエーテル硫酸塩など、8個以上の炭素原子を持つアルキル基を1つまたは複数有するアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、カルシウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、及びミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩など、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、例えば、CH3(CH26CH2O(C24O)2SO3H、CH3(CH2)7CH2O(C24O)3.5SO3H、CH3(CH28CH2O(C24O)8SO3H、CH3(CH219CH2O(C24O)4SO3H、及びCH3(CH210CH2O(C24O)6SO3H、アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩が挙げられる。
【0040】
適切なカチオン性界面活性剤の非限定例として、様々な脂肪酸アミン及びアミド及びそれらの誘導体、ならびに脂肪酸アミン及びアミドの塩が挙げられる。脂肪族脂肪酸アミンの例として、酢酸ドデシルアミン、酢酸オクタデシルアミン、タロー脂肪酸のアミン酢酸塩、ドデシルアニリンなどの脂肪酸含有芳香族アミンの相同体、脂肪族ジアミン由来の脂肪アミド、例えば、ウンデシルイミダゾリン、脂肪族ジアミン由来の脂肪アミド、例えば、ウンデシルイミダゾリン、二置換アミン由来の脂肪アミド、例えば、オレイルアミノジエチルアミン、エチレンジアミン誘導体、第四級アンモニウム化合物及びそれらの塩、例えば、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルアンモニウムクロリドなど、水酸化アルキルトリメチルアンモニウム、例えば、水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム、または水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムなど、水酸化ジアルキルジメチルアンモニウム、例えば、水酸化オクチルジメチルアンモニウム、水酸化デシルジメチルアンモニウム、水酸化ジドデシルジメチルアンモニウム、水酸化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、水酸化タロートリメチルアンモニウム、水酸化トリメチルアンモニウムなど、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロリド、及びジパルミチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルファート、アミノアルコールのアミド誘導体、例えば、ベータ-ヒドロキシルエチルステアリルアミド、及び長鎖脂肪酸のアミン塩が挙げられる。
【0041】
適切なカチオン性界面活性剤の非限定例として、同じく、第四級アンモニウムハライド、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びココトリメチルアンモニウムクロリドなど、ならびにこれらの物質、脂肪アミン、及び塩基性ピリジニウム化合物の他の塩、ベンズイミダゾリンの第四級アンモニウム塩基、ポリプロパノールポリエタノールアミン、ポリエトキシ化第四級アンモニウム塩、ならびに第一級脂肪アミンのエチレンオキシド縮合物(商品名Ethoquad、Ethomeen、またはArquadで、Armak Company、Chicago、Illから入手可能)も挙げられる。適切なカチオン性界面活性剤として、エステル第四級(esterquat)型化合物も可能である。
【0042】
適切な非イオン性界面活性剤の非限定例として、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、ラウリルジメチルアミンオキシド(例えば、ラウラミンオキシド)、デシルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルが挙げられる。適切な非イオン性界面活性剤として、エチレンオキシドと長鎖(脂肪)アルコールまたは(脂肪)酸との縮合物、エチレンオキシドとアミンまたはアミドとの縮合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの縮合物、脂肪酸アルキロールアミド、及び脂肪アミンオキシドが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えば、ポリエチレングリコール長鎖(12-14C)アルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタンエーテル、ポリオキシアルキレンアルコキシラートエステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、エチレングリコールプロピレングリコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びアルキル多糖類が挙げられる。
【0043】
適切な両性界面活性剤の非限定例として、脂肪族ラジカルが8~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖であり、少なくとも1つの水溶性アニオン基(例えば、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、ホスファート、またはホスホナート)を有する脂肪族第二級または第三級アミン誘導体が挙げられ;例として、(C8-C20)アルキル-ベタイン、スルホベタイン、(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキル-ベタイン、または(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキルスルホベタインも挙げられる。実施形態によっては、コカミドプロピルベタイン(CAPB)が、衛生用品に両性界面活性剤として含まれている場合がある。
【0044】
実施形態によっては、環境にやさしい界面活性剤、例えば、硫酸塩を含まない界面活性剤、例えば、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、スルホン酸アルファオレフィンなど、あるいはそれらの組み合わせを使用することができる。
【0045】
実施形態によっては、天然油、例えば、ココナッツ油、サフラワー油などに由来する界面活性剤及び/または洗浄剤を使用することができる。例えば、衛生用品は、天然由来の界面活性剤及び/または洗浄剤の混合物を含む界面活性剤系を含むことができ、天然由来の界面活性剤及び/または洗浄剤は、例えば、ココイルイセチオン酸ナトリウム(Hostapon SCI-85C、Clariant Corp.製)、コカミドプロピルベタイン(Chembetaine C-42、Lubrizol Corp.製)、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド(GlucoTain Plus、Clariant Corp.製)、コカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩(Cola Lipid C、Colonial Chemical Inc.製)、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩(Cola Lipid SAFL、Colonial Chemical Inc.製)、ラウラミンオキシド(Mackamine LO、Solvay Novecare Corp.製)またはそれらの組み合わせなどである。
【0046】
様々な実施形態において、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて、約20重量%~約60重量%、例えば、約30重量%~約50重量%、約35重量%~約45重量%、または約40重量%の界面活性剤系を含むことができる。
【0047】
様々な実施形態において、界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約40重量%、例えば、約10重量%~約30重量%、約15重量%~約27重量%、約18重量%~約25重量%、または約20重量%~約23重量%のココイルイセチオン酸ナトリウムを含むことができる。
【0048】
界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約20重量%、例えば、約1重量%~約10重量%、約2重量%~約8重量%、約3重量%~約7重量%、または約4重量%~約6重量%のコカミドプロピルベタインを含むことができる。
【0049】
界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約20重量%、例えば、約2重量%~約10重量%、約3重量%~約9重量%、または約4重量%~約8重量%のカプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミドを含むことができる。
【0050】
界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約12重量%、例えば、約0.5重量%~約6重量%、約1重量%~約5重量%、または約2重量%~約4%のリノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩を含むことができる。
【0051】
界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約12重量%、例えば、約0.5重量%~約6重量%、約1重量%~約5重量%、または約2重量%~約4%のコカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩を含むことができる。
【0052】
界面活性剤系は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約15重量%、例えば、約1重量%~約5重量%、約2重量%~約4重量%、または約3重量%のラウラミンオキシドを含むことができる。
【0053】
実施形態によっては、界面活性剤系は、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド(及び)ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、ココイルイセチオン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ならびにコカミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩を含むことができる。
【0054】
実施形態によっては、活性作用剤は、1種または複数のコンディショナーを含むことができる。適切なコンディショナーの非限定例として、ワセリン、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、エトキシ化アルコール、ポリオールポリエステル、グリセリン、グリセリンモノエステル、グリセリンポリエステル、表皮性及び皮脂腺性炭化水素、ラノリン、直鎖及び分岐鎖炭化水素、シリコーンオイル、シリコーンガム、植物油、植物油付加物、水素化植物油、非イオン性重合体、天然ワックス、合成ワックス、ポリオレフィングリコール、ポリオレフィンモノエステル、ポリオレフィンポリエステル、コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0055】
キャリア
様々な実施形態において、キャリアは、界面活性剤のビヒクル及び/または充填剤として機能することができる。実施形態によっては、キャリアは、衛生用品及び包被の全体的な反応性を低下させるように選択または構成することができる。例えば、キャリアは、衛生用品の自由水分パーセンテージを制御するように機能することができる。実施形態によっては、キャリアは非水性液体であることが可能であり、及び/またはポッドの成分を湿潤させるように構成することができる。実施形態によっては、キャリアは、毛髪及び/または皮膚用コンディショナーとしても機能することができる。
【0056】
実施形態によっては、キャリアは、有機アルコール、例えば、ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、N-アセチルジグリコアミン(N-acetyl diglycoamine)、グリセリン(例えば、グリセロール)、それらの組み合わせなどを含むことができる。ブタンジオールに関しては、1,3-ブチレングリコール(例えば、ブチレングリコール)がキャリアとして特に有用である場合がある。なぜなら、ブチレングリコールは、衛生用品ポッド包被材料と適合性があること、及びコンディショニング及び/または製品の感触にも利益をもたらすことが、本発明者らにより見出されているからである。しかしながら、他のブタンジオール、例えば、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、及び1,4-ブタンジオールなどを、単独でまたは1,3-ブタンジオールと併用してのいずれかで使用することもできる。
【0057】
実施形態によっては、衛生用品は、ブチレングリコール(すなわち、1,3-ブタンジオール)を、衛生用品の合計重量に基づいて、約25重量%~約75重量%、例えば、約30重量%~約70重量%、約40重量%~約70重量%、約35重量%~約65重量%、約45重量%~約70重量%、約50重量%~約70重量%、または約50重量%~約60重量%の範囲で含むことができる。実施形態によっては、ブチレングリコールは、サトウキビなどの植物材料に由来する天然のブチレングリコールが可能である。適切な天然ブチレングリコールは、Genomatica Incから入手可能である。
【0058】
増粘剤/ゲル化剤
様々な実施形態において、衛生用品ポッドは、1種または複数の増粘剤を含むことができ、これらはゲル化剤と称する場合がある。例えば、増粘剤は、吸湿性重合体、例えば、グアーガム(例えば、cyamopsis tetragonolobaのガム)、カチオン性グアーガム、キサンタンガム、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン及びデンプングリコール酸ナトリウムなどの改質デンプン、はちみつ、ポリビニルピロリドン(PVP)、ExpertGel EG312(ポロキサマー338/PPG-12/SMDI共重合体、DKSH Inc.から入手可能)、ExpertGel EG412(ポロキサマー407、PPG-12/SMDI共重合体、DKSH Inc.から入手可能)、それらの組み合わせなどを含むことができる。実施形態によっては、増粘剤は、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、または、タイロース粉末などを含むことができる。実施形態によっては、衛生用品は、ポリオキシエチレンエーテルを含むことができる。
【0059】
実施形態によっては、衛生用品は、吸湿性重合体増粘剤を、衛生用品の合計重量に基づいて、約0重量%~約0.4重量%、例えば、約0.05重量%~約0.3重量%、または約0.1重量%~約0.2重量%の範囲の量で含むことができる。
【0060】
例えば、衛生用品は、改質デンプン増粘剤を、衛生用品の合計重量に基づいて、約0.1重量%~約3重量%、例えば、約0.2重量%~約2重量%、または約0.3重量%~約1重量%の範囲の量で含むことができる。
【0061】
実施形態によっては、増粘剤は、層状ネットワークを形成するように構成された非イオン性界面活性剤を含むことができる。例えば、増粘剤は、高分子量飽和脂肪アルコール、主にセチルアルコール及びステアリルアルコールの混合物、例えばceteareth-20などを含むポリオキシエチレンエーテルから形成された層状ネットワークを含むことができる。実施形態によっては、衛生用品は、非イオン性界面活性剤を、衛生用品の合計重量に基づいて、約8重量%~約18重量%、例えば、約12重量%の範囲の量で含むことができる。
【0062】
キャリア拡散制御
実施形態によっては、衛生用品ポッドの包被は、衛生用品に関してある程度の透過性を有する場合がある。このことは、衛生用品の1種または複数の成分が、時間とともに包被を通過して拡散することにつながる可能性があり、拡散によりポッドの品質保持期間が短縮する可能性がある。例えば、PVOHで形成された包被は、ブチレングリコールキャリアに関してある程度の透過性を本質的に有する可能性がある。したがって、衛生用品は、包被を通過するキャリアの透過を減少させるように構成された増粘剤を含む場合がある。
【0063】
例えば、様々な実施形態に従って、衛生用品は、層状ゲル化剤系として構成することができる。例えば、増粘剤/ゲル化剤を、第二成分として、衛生用品に添加することができる。実施形態によっては、非イオン性界面活性剤増粘剤/ゲル化剤、例えば、脂肪アルコール、活性作用剤、及びキャリアを含む混合物を、界面活性剤の融点より高温に加熱することができ、次いで混合物を界面活性剤の融点より低温に冷却することができる。その結果、界面活性剤は、キャリア内にラメラ相を形成することができる。
【0064】
例えば、混合物は、ceteareth-20、活性作用剤、及びブチレングリコールを含むキャリアを含むことができる。混合物は、ceteareth-20がブチレングリコールを取り囲む層状ゲルネットワークを形成するように、ceteareth-20の融点より高温に加熱し、次いで冷却することができる。
【0065】
衛生用品に含まれる非イオン性界面活性剤(例えば、ceteareth-20)の量は、衛生用品の合計重量に基づいて、約8重量%~約18重量%、例えば、約12重量%の範囲であることが可能である。18重量%を超える量は、水を加えた後の発泡を過剰に減少させる可能性がある。約8重量%未満の量は、安定ゲルの形成及びブチレングリコール拡散の減少には不十分である可能性がある。上記範囲内の量は、適切な発泡性を持つ、流動性があり滑らかなシャンプーまたはボディウォッシュ衛生用品を提供することができ、しかも1年以上の品質保持期間を有するポッドを提供することができる。
【0066】
いくつかの実施形態に従って、衛生用品は、油相を含む場合がある。例えば、油は、活性作用剤/キャリア混合物の加熱中またはその前に、活性作用剤/キャリア混合物に加えることができる。加熱した混合物をブレンドして、ポリオール中油乳濁液を形成させることができ、続いて冷却する。例えば、そのような乳濁液は、活性作用剤として無水濃縮コンディショナーを含むことができる。
【0067】
様々な実施形態において、増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、またはタイロース粉末などを、衛生用品に添加して、包被を通過して拡散するブチレングリコールを減少させることができる。例えば、タイロース粉末は、衛生用品の合計重量に基づいて、約0.05重量%~約0.5重量%、例えば、約0.15重量%~約0.25重量%、または約、の範囲の量で衛生用品に加えることができる。
【0068】
ポリオールカクテル
実施形態によっては、衛生用品は、ポリオール「カクテル」を含むキャリアを含むことができ、ポリオール「カクテル」として、炭素鎖長の異なるポリオールの混合物、例えば、異なるジオール及び/またはグリコールの混合物などが挙げられる。例えば、ポリオールカクテルは、ブチレングリコール及びポリオール、例えば、プロピレングリコール及びグリセリンを含むことができる。特定の理論に固執するつもりはないが、そのようなジオール及びグリコールを含めることで、予期せず、ブチレングリコールが水溶性包被を通過するのが抑制されたと思われる。したがって、ポリオールカクテルを使用することで、衛生用品ポッドは、予期せず、ブチレングリコールが水溶性カプセル包被を通過する問題を伴わずにブチレングリコールを主要キャリアとして使用することの恩恵を受けられるようになった。
【0069】
詳細には、衛生用品は、衛生用品の合計重量に基づいて、以下を含むポリオールカクテルを含むことができる:約30重量%~約46重量%、例えば、約32重量%~約44重量%、または約34重量%~約41重量%のブチレングリコール;約5重量%~約11重量%、例えば、約6重量%~約7重量%、または約8重量%のプロピレングリコール;及び約8重量%~約19重量%、例えば、約10重量%~約17重量%、または約11重量%~約16重量%のグリセリン。
【0070】
第二成分
様々な実施形態において、衛生用品ポッドは、第二成分を含むことができる。例えば、第二成分として、緩衝剤/pH調節剤、染料/着色剤、湿潤剤、香料、ビタミン、改質剤、精油、発泡促進剤、及び抗菌剤、ならびにそれらの組み合わせなどを挙げることができる。様々な実施形態において、衛生用品は、約0重量%~約8重量%の第二成分を含むことができる。
【0071】
緩衝剤/pH調節剤として、カルシウムイオン、カリウムイオン、またはヒドロキシドイオン、それらの任意の組み合わせ、あるいはそのようなイオンを生成することができる任意の塩または化合物を挙げることができる。緩衝剤/pH調節剤は、適切なpHにする目的で、様々な比でブレンドすることができる。例えば、適切な量の緩衝剤/pH調節剤を衛生用品に加えて、PVOH包被と適合性があるように弱酸性pHにすることができる。例えば、衛生用品は、有利なように、約4.8~約6.9、例えば、約5.0~約6.8の範囲にある室温pHを有することができる。
【0072】
実施形態によっては、第二成分は、精油、例えば、ラベンダー油、ローズマリー油、シダーウッド油、タイム油、ペパーミント油、カモミール油、セージ油、レモン油、パチュリー油、ティーツリー油、イランイラン油、ベチバー油、ニンジン種子油、ヒノキ油、ヘリクリサム油、それらの組み合わせなどを含むことができる。
【0073】
実施形態によっては、衛生用品は、ベタイン(Genencare OSMS BA、Dupont Corp.製)などの湿潤剤を含むことができる。実施形態によっては、衛生用品は、ビタミン、例えば、トコフェロール、DLパンテノール、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0074】
溶解性及び/または発泡性を改善するのに有用な第二成分として、ココナツミルク粉末、葛粉、コロイド状オートミール粉末、それらの組み合わせなどを挙げることができる。様々な実施形態において、衛生用品は、ココナツミルク粉末、葛粉、コロイド状オートミール粉末、またはそれらの任意の組み合わせなどの第二成分を、約0重量%~約22重量%、例えば、約5重量%~約20重量%、または約8重量%~約15重量%の範囲の量で含むことができる。コロイド状オートミール粉末は、改質剤としても機能して、より滑らかな質感を提供することができる。
【0075】
任意の適切な着色剤を使用することができる。衛生用品は、着色剤を、約0重量%~約0.3重量%、例えば、約0.1重量%~約0.2重量%の範囲の量で含むことができる。
【0076】
様々な実施形態において、適切な香料を使用することができる。有用な香料、例えば、合成及び天然の化合物の混合物である従来の香料、天然の抽出物及び精油のブレンドからなる天然香料、または純粋なもしくは無処理の形状の精油などは、液状である場合がある。衛生用品は、香料油を、約0重量%~約0.3重量%、例えば、約0.1重量%~約0.2重量%の範囲の量で含むことができる。
【0077】
様々な実施形態において、改質剤は、例えば、ポッドがボディスクラブを備えている場合に、小粒または大粒の研磨剤を含むことができる。適切な研磨剤として、例えば、ナッツ粉末、シリカ粉末、ワックスビーズなどの重合体ビーズ、それらの組み合わせなどが挙げられる。実施形態によっては、衛生用品は、研磨剤を、約0重量%~約3重量%、例えば、約0.1重量%~約2重量%、または約0.2重量%~約1重量%の範囲の量で含むことができる。
【0078】
実施形態によっては、改質剤は、膨潤性、架橋性、吸湿性の重合体、例えば、グアーガム(例えば、cyamopsis tetragonolobaのガム)、カチオン性グアーガム、キサンタンガムなど、またはそれらの組み合わせを含むことができる。実施形態によっては、衛生用品は、吸湿性重合体を、約0重量%~約0.4重量%、例えば、約0.05重量%~約0.3重量%、または約0.1重量%~約0.2重量%の範囲の量で含むことができる。
【0079】
様々な実施形態において、抗菌剤は、抗菌効果を有する天然材料であることが可能である。例えば、抗菌剤として、タイム油、ティーツリー油、オレガノ油、ラベンダー油、柑橘類精油、グレープフルーツ種子エキス、オリーブ葉エキス、はちみつなどを挙げることができる。衛生用品は、抗菌剤を、約0重量%~約3重量%、例えば、約0.1重量%~約2重量%、または約0.2重量%~約1重量%の範囲の量で含むことができる。
【0080】
衛生用品ポッドの使用法
図4は、様々な実施形態による衛生用品ポッドの使用法を例示する工程系統図である。図4を参照して、工程402では、上記のとおりのポッドを、容器または包装から取り出すことができ、使用者の手に置くことができる。容器は、複数のポッドを収容することができ、容器に収容されられたポッドと水分の接触を制限するように構成することができる。例えば、容器は、耐水性の紙または板紙、例えば、石鹸、砂糖、または小麦粉の包装に使用される種類の紙などで形成されていることができる。他の実施形態において、ポッドは、生分解性または再利用可能なパック、例えば、ブリスターパック、例えば、ポリ乳酸バッグに包装されていることができる。したがって、ポッドは、環境への影響を最小限に抑えた1回量形式で包装することができる。
【0081】
工程404では、例えばポッドを使用者の手に持ったまま、水を、ポッドに加える。実施形態によっては、摩擦及び/または撹拌も任意選択でポッドに加えることができる。ポッドは、使用者の手の中で水と接触したまま、そこに任意選択の摩擦を加えることができ、その時間は、水が、ポッドの包被を溶解させて、その中に収容された衛生用品を放出するのに十分な長さである。例えば、ポッドの包被を完全にまたは実質的に完全に溶解させる時間の長さは、約0.5秒~約1分間、例えば、約1秒~約30秒、約1秒~約20秒、または約1秒~約10秒の範囲が可能である。溶解時間は、加えられた摩擦及び/または加えられた水の温度より変わる可能性がある(例えば、摩擦が強い及び/または水温が高いほど、溶解時間が短くなる可能性がある)。
【0082】
工程406では、衛生用品を使用者の身体に塗布する。例えば、衛生用品が、シャンプー及び/または混合型シャンプー、コンディショナー、及び/またはボディウォッシュの形状をしている場合、衛生用品は、使用者の毛髪に塗布することができる。他の実施形態において、衛生用品が、ボディウォッシュ、混合型シャンプー及びボディウォッシュ、及び/または混合型ボディウォッシュ、シャンプー、及びコンディショナーの形状をしている場合、衛生用品は、使用者の身体及び/または毛髪に塗布することができる。他の実施形態において、衛生用品が、シェービング用品の形状をしている場合、使用者の皮膚の体毛を除去する予定の範囲に衛生用品を塗布することができる。
【0083】
工程408では、衛生用品を、塗布した1箇所または複数箇所の範囲からすすぎ落とすことができる。
【0084】
配合例
衛生用品組成物例1~40を、以下の表1~10に列挙する。組成物例それぞれの成分を混合して、衛生用品、詳細には、毛髪を洗浄及び/またはコンディショニングするように構成された衛生用品を形成する。次いで、衛生用品を包被に包装して、上記のとおりの方法で使用するポッドを形成する。次いで、ポッドを耐水性包装に挿入する。
【0085】
【表1】
【0086】
組成物1は、混合した際、直ちに相分離を示した。組成物2は、過度に濃厚なクリーミー固形物を形成した。組成物3及び4は、Hostapon SCI-85Pの代わりにCola Det.EQ-154を使用した場合を試験するために調製した。組成物3及び4は、両方とも、相分離を示した。組成物5は、組成物2の変異形態であり、これはCola Lipid Cの代わりにCola Lipid SAFLを使用した。組成物5は、濃厚かつクリーミーであり、保持されている気泡及び割れ目にわずかな相分離を示した。
【0087】
【表2】
【0088】
安定な濃厚衛生用品を製造するために、組成物6~13には、コンディショニング剤及び精油、ならびに追加成分が含まれていた。組成物6では、最初にMerquat 3330PRとブチレングリコールを混合し、迅速に重合させて、残りの成分を含まない小球を形成させた。組成物7は、試料の底部で相分離を示した。組成物8には、追加の発泡促進剤及びHostapon SCI-85 Pを部分的に水和させる目的で水が含まれていた。組成物8は、濃厚なペーストを形成した。組成物9は、先の組成物より柔らかく、よりクリーミーな衛生用品を形成した。組成物10は、比較的柔らかくてクリーミーな衛生用品ペーストを形成したが、流動性はなく、いくらか相分離を示した。
【0089】
【表3】
【0090】
組成物11は、比較的柔らかくてクリーミーなペーストを形成したが、流動性はなかった。組成物12は、スポンジ状固形物を形成した。組成物13は、塗り広げ可能及び柔らかく、高い安定性を示した。組成物14は、アルニカエキス及び乳化剤としてPoly Sugamulseを加えた場合を試験したもので、これは、顆粒ペーストになった。組成物15は、組成物5と同様であるが、液体対界面活性剤比が高くなっていた。
【0091】
【表4】
【0092】
組成物16~22は、粘度の低い衛生用品を提供するために配合した。組成物16及び17は、混合中に加温して、Genencare及びパンテノールコンディショナーの溶解を促進した。組成物18は、比較的低い粘度を示したが、48時間後にわずかな相分離も示した。組成物19は、さらに低い粘度を有していたが、相分離の増大も示した。組成物20は、組成物19の欠点を補正すべく配合したが、得られた衛生用品は過剰に粘稠(固い)であった。
【0093】
【表5】
【0094】
組成物21は、組成物20と同様であるが、ただしパンテノールの代わりにGenencarを用い、その結果、流動性、安定性、及び質感が改善された。組成物22には、ブチレングリコール及びプロピレングリコール両方が含まれており、その結果、組成物をPVOH包被に挿入したときに、組成物は包被を溶解させた。
【0095】
【表6】
【0096】
組成物23~26は、ブチレングリコールがPVOH包被を通過して拡散するのを低減するために配合した。組成物23~26は、Ceteareth-20の融点より高温に加熱しながら、Ceteareth-20をブチレングリコールに溶解させることにより形成した。混合物を冷却して、ブチレングリコールを取り囲む層状ネットワークを形成させ、SCIを加え、次いで残りの成分を加えて、衛生用品を形成した。
【0097】
組成物23は、中度のゲル化を示し、シネレシスは示さなかった。組成物24は、安定なゲル化を示したが、Ceteareth-20乳化が過剰なために性能が劣っていた。組成物25は、中度のゲル化を示したが、試料の底部でSCI粉末の相分離を示した。組成物26は、組成物25に比べて改善されたゲル化を示したが、SCI粉末の相分離も示した。
【0098】
【表7】
【0099】
組成物27~29には、ブチレングリコール拡散を防ぐためにゲル化剤としてタイロース粉末を使用した。組成物27~29は全て、PVOH包被と高い適合性があった。組成物27~29は、約60℃で加熱しながら、タイロースをブチレングリコールに溶解させることにより形成した。混合物を冷却し、次いで、残りの成分を加えた。組成物27は、良好な安定性を示したが、過剰に粘稠であり、未分散のタイロース粉末を含んでいた。組成物28は、組成物27に比べて良好な安定性、低下した粘度を示した。
【0100】
組成物29は、良好な安定性及び粘度を有する自由流動ゲルを生成した。しかしながら、安定性カップ試料及びカプセル化試料の両方において硬化後に、液状外側相(ゲル化グリコール)のわずかな貯蔵がいくらか観察された。
【0101】
【表8】
【0102】
組成物30~34は、配合物の現行レベルの性能を維持したままで、硬化、ひび割れ、分離を起こさない、より流動性の高い系を提供することにより、シャンプー組成物の長期安定性を改善するように設計された。組成物30~34には、グリコールの集合物、すなわち「グリコール」カクテル、炭素鎖長が異なるジオール、及び他の可塑剤を使用して、安定性を向上させつつ、シャンプーとしてより液状に近づける(液滴のグリコールの移動及びPVOH膜の通過を軽減しつつ、シネリシスを減少させる)。含水量を測定したところ、組成物29で9%に近かった。そこで、PVOH膜に充填されるシャンプー液滴での全体的な安定性を補助する目的で、配合物30~40ではそれより少し低い水レベルを配合目的とした。
【0103】
組成物30は、安定性を向上させる目的で、はちみつを含むように組成物29を修飾することにより形成した。しかしながら、時間とともに分離が観察された。組成物31は、組成物30で見られた分離を低減する目的で、精油及びアルガン油をあらかじめ溶解させることにより調製した。安定性は改善されたが、分離については、処理から1~2週間後のマークで依然として生じてしまった。
【0104】
組成物32は、組成物29からChembetaine C-42を除外するように修飾し、残りの成分の量を増加させることにより形成した。しかしながら、組成物32の安定性の結果は、組成物29のものとほぼ同一であり、包被の余白で最終的に硬化及びリーチング(leeching)を示した。
【0105】
組成物33は、組成物29を10重量%ラクタミドMEAを含むように修飾することにより形成した。組成物29と比べた場合、組成物33は、濃厚でゆっくり流れるゲルを提供することにより、軟度の改善を示した。組成物33は、同様な安定性も示したが、PVOH包被を通過するグリコール移動に関しては改善を示さなかった。
【0106】
【表9】
【0107】
組成物34は、ラクタミドMEAの添加を最大限にし、ブチレングリコールの全パーセンテージを低下させる目的で作成した。18%のLMEAを使用した。新たに発泡する性能が顕著に低下するのは、この添加レベルだった。また、LMEAは、高価な成分であり、完成品1つあたりの値段に対するそれらの寄与に基づいて、LMEAの添加レベルが高くなるほど、経済的に実現可能でなくなることが、ほどなくわかった。
【0108】
組成物35には、潜在的界面活性剤添加としてデシルグルコシドが含まれており、これにより全ブチレングリコール量も減少していた。残念ながら、得られる試料は、処理後迅速に粘度が高くなった。組成物36は、組成物33の修飾形態であり、グリセリンを除去し、グリセリンの添加レベルを残りの成分の間で比例再分配したものである。その目的は、そのような粘稠保湿剤を除去することが最終形態にどのような影響を及ぼすかを見ることであった。物性では予想していたよりもわずかな差異しか観察されず、粘度及び皮膚の感触のみが、組成物33とはわずかに異なっていた。
【0109】
組成物37は、2イン1製品応用の可能性を求めてコンディショニング剤を増加させるように、LMEA含有量をわずかに上昇させて含ませることにより、組成物36を修飾したものであった。
【0110】
【表10】
【0111】
組成物38は、プロピレングリコールを採用し、それにより、ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンを含むポリオール「カクテル」を形成させることにより、組成物37を修飾したものである。ブチレングリコールを依然として主要可塑剤に維持しながら、PVOH包被を通過するグリコール移動を軽減する目的で、比較的低いブチレングリコール含有量(36重量%)を用いた。
【0112】
組成物39は、SCI粉末の添加のわずかな増加を採用することにより、組成物38を修飾したものである。この変更は、配合物を濃厚すぎるものにし、配合物の液体/固体バランスをペースト側に倒すのに十分であった。
【0113】
組成物40は、組成物38の18重量%SCI粉末添加レベルを採用しており、タイロース含有量が0.21重量%に上昇していた。これらの添加が、組成物のゲル化ポリオールカクテル外側連続相を増強したことがわかった。さらに、組成物40は、予期せぬ長い品質保持期間をもたらし、PVOH包被を通過するグリコール移動がわずかであった。
【0114】
衛生用品組成物例1~14を、以下の表11~14に列挙する。組成物例それぞれの成分を混合して、衛生用品、詳細には、毛髪及び/または皮膚をコンディショニング及び/または潤滑化するように構成された衛生用品を形成する。次いで、衛生用品を包被に包装して、上記のとおりの方法で使用するポッドを形成する。次いで、ポッドを耐水性包装に挿入する。
【0115】
【表11】
【0116】
【表12】
【0117】
【表13】
【0118】
【表14】
【0119】
表11~14の組成物は、シェービング及び/またはコンディショニング用品が、シャンプー及びボディウォッシュ組成物のものと同様なキャリア組成を用いて形成できることを実証する。シェービング及び/またはコンディショニング組成物は、本開示の水溶性包被に包装した場合、高いレベルの潤滑化及びコンディショニングを提供した。
【0120】
開示される実施形態の上記説明は、当業者なら誰でも本発明を作製または利用することができるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修飾は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書中定義される一般的原則は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。すなわち、本発明は、本明細書中示される態様及び/または実施形態に限定されることを意図せず、そうではなくて、以下の特許請求の範囲ならびに本明細書中開示される原則及び新規特長と矛盾しない最広義の範囲と一致するべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性包被と、
前記水溶性包被中に密封された液体衛生用品と、を含む、使い捨て衛生用品ポッドであって、
前記液体衛生用品は、
(a)ブタンジオールとプロピレングリコールとのいずれか1つである有機アルコールを含むキャリアと、
(b)(i)合計4重量%から8重量%の量のカプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミドの混合物と、(ii)4重量%から5重量%のリノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩と、前記液体衛生用品の合計重量に基づいて、20重量%未満である自由水分含量と、を含む、活性作用剤と、を含み、
前記液体衛生用品の前記自由水分含量は、前記水溶性包被の溶解を防ぐように制御される、
使い捨て衛生用品ポッド
【請求項2】
前記水溶性包被は、25℃の温度で、4.0~9.0の範囲のpHを有する、請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項3】
前記水溶性包被は、ポリビニルアルコール(PVOH)フィルムまたはポリビニルアルコール(PVOH)織り繊維もしくは不織繊維を含む、請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項4】
前記水溶性包被は、0.5mm~5.0mmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項5】
前記液体衛生用品は、前記液体衛生用品の合計重量に基づいて、自由水分含量が10重量%以下である、請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項6】
前記リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩は、4重量%の量で存在する、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項7】
前記リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドリン酸塩は、5重量%の量で存在する、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項8】
前記カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミドの混合物は、5重量%の量で存在する、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項9】
前記カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド及びラウロイル/ミリストイルメチルグルカミドは、4重量%の量で存在する、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項10】
前記キャリアは、ブタンジオールを含み、
前記ブタンジオールは、1,3-ブタンジオールである、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【請求項11】
前記キャリアは、プロピレングリコールを含む、
請求項1に記載の使い捨て衛生用品ポッド。
【外国語明細書】