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特開2024-129106制御層を有するエラストマー積層体及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129106
(43)【公開日】2024-09-26
(54)【発明の名称】制御層を有するエラストマー積層体及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20240918BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20240918BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20240918BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20240918BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A61F13/49 312
A61F13/15 355A
A61F13/15 357
A61F13/51
A61F13/511
A61F13/514
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024106447
(22)【出願日】2024-07-01
(62)【分割の表示】P 2022552281の分割
【原出願日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】62/986,887
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】トッド、エル.マンスフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、ハインズ、ターナー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】抗ブロッキング剤を利用するが不織布層に容易に接着することができる弾性ストランドのビームからエラストマー積層体を生成するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】本開示は、接着剤を使用して、第1及び第2の基材のいずれか又は両方で弾性ストランドを伸張及び接合することによって形成され得るエラストマー積層体を組み込んだ吸収性物品に関する。弾性ストランドは、弾性ストランドのビームなど、巻供給部から供給され得る。ビームは、複数の弾性ストランドがビーム上にあるときのブロッキングを低減し、信頼できる巻き出しを提供するために、制御層で処理され得る。弾性ストランドが接着剤で第1及び第2の基材と接合されてエラストマー積層体を形成すると、制御層は接着剤に吸収され得る。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ又は吸収性パンツの形態の使い捨て吸収性物品であって、液体透過性トップシート(138)と、液体不透過性バックシート(136)と、前記トップシート(138)と前記バックシート(136)との間に配設された吸収性コア(140)と、を備え、
エラストマー積層体(302)であって、互いに離間配置され、かつ接着剤(350)によって不織布ウェブ材料(306)と接合された複数の弾性ストランド(318)を含む、エラストマー積層体(302)を備え、
前記弾性ストランド(318)はストランドポリマーを含み、前記ストランドポリマーは、約18MPa1/2~約18.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有し、 前記接着剤(350)は接着剤ポリマーを含み、前記接着剤ポリマーは、約16MPa1/2~約17.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有し、
前記弾性ストランド(318)は、弾性ストランドの巻供給部から供給され、弾性ストランドの前記巻供給部は、約15.5MPa1/2~約16.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータと、約0.6kg/mol~約1.5kg/molの範囲内の数平均分子量とを有する制御層を含む、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記制御層の前記数平均分子量が、前記ストランドポリマー及び前記接着剤ポリマーの各々の分子量よりも低い、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記制御層と前記ストランドポリマーとの間のχN値が2より大きく、前記制御層と前記接着剤ポリマーとの間のχN値が2未満であり、ここで、Nは前記制御層の重合度であり、χはフローリー・ハギンズ相互作用パラメータである、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記ストランドポリマーが、約18.3MPa1/2の溶解度パラメータを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記エラストマー積層体が積層体クリープ試験に供されるとき、前記エラストマー積層体は、5ミリメートル以下の積層体クリープを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記エラストマー積層体が、700分/10mmを超える静的剥離力時間を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
38℃の前記接着剤が、38℃かつ1Hzにおいて約0.1MPaの平坦部弾性率を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
室温の前記弾性ストランドの引張弾性率が、約5MPa~約15MPaの範囲内である、請求項1~7のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記エラストマーストランドを含む前記エラストマー積層体が、ベルト、耳部、サイドパネル、カフ、ウエストバンド、バックシート、及びトップシートからなる群から選択される使い捨て物品構成要素の少なくとも一部を形成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記制御層が鉱油である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記鉱油がパラフィン系鉱油である、請求項10に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
前記制御層が、白色鉱油、ポリイソプレン、及びポリブタジエンのいずれかを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項13】
前記制御層が合成油である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項14】
前記制御層が石鹸を含み、前記石鹸が、好ましくはステアリン酸マグネシウムである、請求項1~13のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項15】
前記ストランドポリマーがセグメント化ポリウレタンを含み、前記接着剤ポリマーが、スチレン系のブロックコポリマーを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エラストマー積層体を有する吸収性物品に関し、より具体的には、エラストマー積層体の接着剤、制御層、及び弾性ストランドに関する。
【背景技術】
【0002】
組立ラインに沿って、前進する材料の連続ウェブに構成要素を加えるか、かつ/又は他の形で材料の連続ウェブを加工することによって、例えばおむつ及び他の吸収性物品などの様々なタイプの物品を組み立てることができる。例えば、いくつかのプロセスでは、前進する材料ウェブが、他の前進する材料ウェブと組み合わせられる。他の例では、前進する材料ウェブから作製された個々の構成要素が、前進する材料ウェブと組み合わせられ、次いで、これらが他の前進する材料ウェブと組み合わせられる。いくつかの例では、前進するウェブ(単数又は複数)から作製される個々の構成要素は、他の前進するウェブから作製される他の個々の構成要素と組み合わされる。おむつを製造するために用いられる材料のウェブ及び構成部品は、バックシート、トップシート、脚部カフ、ウエストバンド、吸収性コア構成要素、前側耳部及び/又は後側耳部、締結する構成要素、並びに、脚部弾性体、バリア脚部カフ弾性体、伸張サイドパネル及び腰部弾性体などの様々なタイプの弾性ウェブ及び構成要素を含んでもよい。いったん望ましい構成部品部分が組み立てられると、前進するウェブ及び構成部品部分は、最終的なナイフカットに供されて、ウェブを個別のおむつ又はその他の吸収性物品に分離する。
【0003】
いくつかの吸収性物品は、エラストマー積層体を含む構成要素を有する。かかるエラストマー積層体は、1つ以上の不織布と結合した弾性材料を含み得る。弾性材料は、弾性フィルム及び/又は弾性ストランドを含み得る。いくつかの積層体では、複数のストランドが伸張状態にあるときに複数の弾性ストランドは結合されて不織布となり、その結果、弾性ストランドが弛緩すると、不織布は弾性ストランドと接合する位置の間で不織布がひだを形成し、これにより波形を形成する。得られるエラストマー積層体は、波形によって弾性ストランドが伸長し得る程度に伸張可能である。
【0004】
いくつかの組立プロセスでは、伸張された弾性ストランドが、機械方向に前進させられ、2つの前進する基材の間に接着され得、伸張された弾性ストランドは、横断方向で互いに離間している。いくつかの組立プロセスはまた、横断方向に互いに非常に近い間隔をおいたいくつかの弾性ストランドを用いて構成される。いくつかの構成では、弾性ストランド間の横断方向の近い間隔は、ビーム上で横断方向に積層された巻線から弾性ストランドを引くことによって実現することができる。例えば、様々な繊維製造者は、Karl Mayer Corporationから入手可能なものなど、ビーム弾性材及び関連するハンドリング装置を利用することができる。
【0005】
しかしながら、ビーム上に積層された弾性ストランドを使用する際に、製造プロセスにおいて問題が生じる場合がある。例えば、ビーム上の弾性ストランドは、かなりの貯蔵寿命にわたってビームが高圧縮であることにより引き起こされるストランド間の架橋が原因で、ビームから引き出される際にブロッキングを生じやすい。弾性ストランドにブロッキングが生じることを防ぐために、弾性ストランドはシリコーン油又は他のタイプのスピン仕上げで処理され得る。ビームにスピン仕上げを適用することは、ブロッキングの可能性を低減し得るが、スピン仕上げは、製造プロセスに望ましくない影響を及ぼし得る。例えば、弾性ストランドがエラストマー積層体に形成されるとき、接着剤を使用してストランドを不織布層に結合する場合、スピン仕上げは、接着剤の有効性に悪影響を及ぼし得る。
所望の接着レベルに達するために、比較的大量の接着剤が必要とされ得る。大量の接着剤を使用することは、材料のコストが増加するので望ましくなく、また吸収性物品に組み込むための所望の外観又は性能を有しない硬い積層体をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結果として、抗ブロッキング剤を利用するが不織布層に容易に接着することができる弾性ストランドのビームからエラストマー積層体を生成するための方法及び装置を提供することが有益であろう。更に、エラストマー積層体を組み込んだ使い捨て吸収性物品を形成することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、おむつ又は吸収性パンツの形態の使い捨て吸収性物品が、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、を備え得る。使い捨て吸収性物品は、エラストマー積層体を備え得る。エラストマー積層体は、接着剤によって不織布ウェブ材料と接合された複数の横方向に離間した弾性ストランドを含み得る。弾性ストランドは、ストランドポリマー(例えば、セグメント化ポリウレタン)を含み得、ストランドポリマーは、約18MPa1/2~約18.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有する。接着剤は接着剤ポリマーを含み得、接着剤ポリマーは、約16MPa1/2~約17.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有する。弾性ストランドは、弾性ストランドの巻供給部から供給され得る。弾性ストランドの巻供給部は、約15.5MPa1/2~約16.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータと、約0.6kg/mol~約1.5kg/molの範囲内の数平均分子量とを有する制御層を含み得る。
【0008】
別の態様では、おむつ又は吸収性パンツの形態の使い捨て吸収性物品は、エラストマー積層体を備え得る。エラストマー積層体は、接着剤によって不織布ウェブ材料の少なくとも第1の層と接合された複数の横方向に離間した弾性ストランドを含む。弾性ストランドは、スパンデックス系の第1のブロックコポリマーを含む。ブロックコポリマーは、ゴムブロック及び剛性ブロックを含み得る。ゴムブロックは、ポリエーテル、ポリエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。接着剤は接着剤ポリマーを含み得、接着剤ポリマーは、スチレン系の第2のブロックコポリマーを含み得る。いくつかの実装形態では、接着剤は粘着付与剤を含み得る。第2のブロックコポリマーはゴムブロックを含み得、ゴムブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン-co-ブタジエン、及びそれらの水素化変異体からなる群から選択され得る。制御層は、弾性ストランドから接着剤に少なくとも部分的に分散され得る。
【0009】
更に別の態様では、おむつ又は吸収性パンツの形態の使い捨て吸収性物品は、エラストマー積層体を備え得る。エラストマー積層体は、接着剤によって不織布ウェブ材料の少なくとも第1の層と接合された複数の横方向に離間した弾性ストランドを含み得る。弾性ストランドは、スパンデックス系の第1のブロックコポリマーを含み得る。ブロックコポリマーは、ゴムブロック及び剛性ブロックを含み得、ゴムブロックは、ポリエーテル、ポリエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。接着剤は接着剤ポリマーを含み得、接着剤ポリマーは、スチレン系の第2のブロックコポリマーを含み得る。第2のブロックコポリマーは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン-co-ブタジエン、及びそれらの水素化変異体からなる群から選択され得るゴムブロックを含み得る。エラストマー積層体は石鹸を含み得る。
【0010】
別の態様では、エラストマー積層体を作製するためのプロセスは、制御層でコーティングされたエラストマーストランドを巻き出すことを含み得る。制御層は鉱油を含み得る。
プロセスは、第1の基材層と第2の基材層との間にエラストマーストランドを結合してエラストマー積層体を形成することを更に含み得る。エラストマーストランドは、約0.25mm~約4mmの平均ストランド間隔を有し得、エラストマーストランドの平均Dtexは、約10~約500であり得る。
【0011】
更に別の態様では、エラストマー積層体を組み立てるための方法は、第1の基材及び第2の基材を提供することを含み得る。方法は、弾性ストランドを機械方向に前進させることを更に含み得る。弾性ストランドは、横断方向に互いに分離され得る。方法は、弾性ストランド、第1の基材、及び第2の基材のうちの少なくとも1つに接着剤を塗布し、弾性ストランドを第1の基材及び第2の基材と組み合わせて、エラストマー積層体を形成することを更に含み得る。方法は、制御層を弾性ストランドから接着剤に分散させることを更に含み得る。制御層は鉱油を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】おむつパンツの前側斜視図である。
図1B】おむつパンツの後側斜視図である。
図2図1A及び図1Bに示すおむつパンツの、平らな非収縮状態の、部分切り取り平面図である。
図3A】線3A-3Aに沿った、図2のおむつパンツの断面図である。
図3B】線3B-3Bに沿った、図2のおむつパンツの断面図である。
図4】第1の基材と第2の基材との間に位置付けられた第1の複数の弾性ストランドを含むエラストマー積層体を製造するように適合された加工装置の概略側面図である。
図5】線5-5に沿った、図4の加工装置の図である。
図6】空のビームの例を示す。
図7】第1の基材への弾性ストランドの接着を概略的に示す。
図8】エラストマー積層体の製造中の複数の弾性ストランド及び接着剤と制御層との経時的な相互作用を概略的に示す。
図9】積層体クリープ試験を示す。
図10】積層体クリープ試験を示す。
図11】積層体クリープ試験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示を理解する上で、以下の用語説明が有用であり得る。
本明細書において「吸収性物品」とは、主な機能が汚れ及び排泄物を吸収かつ保持することである消費者製品を指すために用いられる。本明細書において、「おむつ」は、乳幼児及び失禁症状のある人が下部胴体の周りで通常着用する吸収性物品を指すために用いられる。本明細書で「使い捨て」という用語は、洗濯されること又は他の方法で吸収性物品として再生又は再使用されることが一般に意図されていない吸収性物品を説明するために用いられる(例えば、これらは1回の使用後に廃棄されるように意図され、またリサイクル、堆肥化、ないしは別の方法で環境に適合する方法で処分するように構成されてもよい)。
【0014】
「弾性」、「エラストマー」又は「エラストマー性」とは弾性特性を示す材料を指し、これには、その弛緩した初期長さに力を加えると、その初期長さの10%を超えて上回る伸長長さに伸張又は伸長することが可能であり、かつ適用した力が解放された後で、ほぼその初期長さに実質的に回復する任意の材料が含まれる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接付着させることによって、その要素が別の要素に直接固着される構成、並びにある要素を中間部材(複数を含む)に付着させて、その中間部材を他の要素に付着させることによってその要素が別の要素に間接的に固着される構成を包含する。
【0016】
「長手方向」とは、吸収性物品が平らに広げられた非収縮状態にあるとき、その物品の腰部縁部から、長手方向に反対側の腰部縁部まで、又は腰部縁部から股部の底、すなわち2つ折りにされた物品の折り線まで、実質的に垂直に延びる方向を意味する。長手方向の45度以内の方向は、「長手方向」であると見なされる。「横方向」とは、物品の長手方向に延在する側縁部から、横方向に反対側の長手方向に延在する側縁部まで延び、かつ概ね長手方向に直角な方向を指す。横方向の45度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
【0017】
本明細書で「基材」という用語は、主として二次元(すなわち、XY面内)であり、その長さ(X方向)及び幅(Y方向)に比べてその厚さ(Z方向)が比較的小さい(すなわち、1/10以下)材料を説明するために用いられる。基材の非限定的な例としては、ウェブ、層(1つ又は複数)又は繊維性材料、不織布、高分子フィルム又は金属箔などのフィルム及び箔が挙げられる。これらの材料は、単独で使用される場合もあり、又は一体に積層された2つ以上の層を含む場合もある。このため、ウェブは、基材である。
【0018】
本明細書で「不織布」という用語は、スパンボンド、メルトブロー、カーディングなどのプロセスによって、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は非連続的な(短い)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。
【0019】
本明細書で「機械方向」(MD)という用語は、プロセスを通過する材料の流れの方向を指して用いられる。加えて、材料の相対的配置及び動きは、あるプロセスを通過してそのプロセスの上流からそのプロセスの下流に向かう機械方向に流れているものとして述べることができる。
【0020】
本明細書で「横断方向」(CD)という用語は、機械方向に対してほぼ垂直な方向を指して用いられる。
【0021】
用語「テープ式おむつ」(「開放型おむつ」とも呼ばれる)とは、着用者に適用される前、包装の際に、互いに締結、予備締結、又は結合されていない初期前側腰部領域及び初期後部腰部領域を有する使い捨て吸収性物品を指す。テープ式おむつは、腰部領域を共に留める又は接合することなく、一方の腰部領域の内部が反対の腰部領域の内部と表面同士が接触した状態で、横方向中心線の辺りで折り畳まれてもよい。様々な好適な構成のテープ式おむつの例が、米国特許第5,167,897号、同第5,360,420号、同第5,599,335号、同第5,643,588号、同第5,674,216号、同第5,702,551号、同第5,968,025号、同第6,107,537号、同第6,118,041号、同第6,153,209号、同第6,410,129号、同第6,426,444号、同第6,586,652号、同第6,627,787号、同第6,617,016号、同第6,825,393号、及び同第6,861,571号、並びに米国特許公開第2013/0072887(A1)号、同第2013/0211356(A1)号、及び同第2013/0306226(A1)号に開示されている。
【0022】
本明細書で「パンツ」(「トレーニングパンツ」、「予め閉じたおむつ」、「おむつパンツ」、「パンツ型おむつ」、及び「プルオンおむつ」とも称される)という用語は、乳児又は成人の着用者のために設計された、外辺部の連続した腰部開口部及び外辺部の連続した脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、物品が着用者に適用される前に、連続した又は閉じた腰部開口部及び少なくとも1つの連続した閉じた脚部開口部を有して構成されてもよい。パンツは、任意の再締結可能な閉じ部材及び/又は永久的な閉じ部材(例えば、シーム、熱的接着部、圧接部、接着剤、凝集性結合部(cohesive bond)、機械的締結具など)を使用して物品の一部を互いに接合することを含むがこれらに限定されない、様々な技法で、事前形成又は事前締結され得る。パンツは、腰部領域内の物品の外周部に沿った任意の場所で事前形成され得る(例えば、側部の締結又は縫着、前側腰部の締結又は縫着、背面側腰部の締結又は縫着)。様々な構成のおむつパンツの例が、米国特許第4,940,464号、同第5,092,861号、同第5,246,433号、同第5,569,234号、同第5,897,545号、同第5,957,908号、同第6,120,487号、同第6,120,489号、同第7,569,039号、並びに、米国特許出願公開第2003/0233082(A1)号、同第2005/0107764(A1)号、同第2012/0061016(A1)号、同第2012/0061015(A1)号、同第2013/0255861(A1)号、同第2013/0255862(A1)号、同第2013/0255863(A1)号、同第2013/0255864(A1)号、及び同第2013/0255865(A1)号に開示されている。
【0023】
「Dtex」としても知られる「デシテックス」は、糸又はフィラメントを測定するための織物産業で使用される測定値である。1デシテックス=10,000メートル当たり1グラム。換言すれば、10,000リニアメートルの弛緩した糸又はフィラメントが500グラムの重さである場合、その糸又はフィラメントは500のデシテックスを有することになる。
【0024】
本開示は、使い捨て吸収性物品、特に、エラストマー積層体を組み込んだ使い捨て吸収性物品、並びにエラストマー積層体を作製するためのプロセスに関する。本開示による使い捨て吸収性物品は、おむつ又は吸収性パンツの形態であり得、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアとを備え得る。使い捨て吸収性物品はまた、接着剤によって不織布ウェブ材料と接合された複数の横方向に離間した弾性ストランドを含むエラストマー積層体も備え得る。
弾性ストランドは、例えば、約18MPa1/2~約18.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有するストランドポリマーを含み得る。接着剤は、例えば、約16MPa1/2~約17.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有する接着剤ポリマー(例えば、スチレンブロックコポリマー若しくはポリオレフィン系ポリマー、又はそれらのブレンド)を含み得る。本開示の接着剤は、粘着付与剤を含んでも含まなくてもよい。
更に、本開示の接着剤は、20%未満の粘着付与剤、15%未満の粘着付与剤、10%未満、又は5%未満の粘着付与剤を含み得る。弾性ストランドは、ビーム、スプール、又は他の供給源など、弾性ストランドの巻供給部から供給され得る。弾性ストランドの巻供給部は、例えば、約15.5MPa1/2~約16.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータと、約0.6kg/mol~約1.5kg/molの範囲内の数平均分子量とを有する制御層を含み得る。本開示による溶解度パラメータの決定に関する追加情報については、「CRC Handbook of Chemistry and Physics, 97th Edition」,CRC Press,Taylor & Francis Group,6000 Broken Sound Parkway NW,Suite 300,Boca Raton,FL 33487-2742を参照されたい。
本開示による数平均分子量(校正標準としてポリスチレンを使用し、屈折率(RI)検出器に基づく)の決定に関する追加情報については、「Introduction to Polymers,2nd Edition」,R.J.Young and P.A.Lovell,pages 211-221を参照されたい。
【0025】
ビームは、約40~約1000本の弾性ストランド、又は約100~約750本の弾性ストランド、又は約200~約600本の弾性ストランド、又は約300~約500本の弾性ストランドを含み得る。本開示は、多くの微細な(約500デシテックス未満の)弾性ストランドを含むビームと共に制御層を使用する利点を強調するが、単一の弾性ストランドを含み得るスプール上で制御層を使用することも望ましい場合があることを理解されたい。更に、伝統的なサイズの弾性ストランド(約500dtex超)上で制御層を使用することが望ましい場合がある。
【0026】
更に、本開示によるエラストマー積層体は、スパンデックス系ポリマーを含む複数の横方向に離間した弾性ストランドを含み得る。市販のスパンデックスストランドはまた、Lycra、Creora、Roica、又はDorlastanとしても知られている。
スパンデックスポリマーは、エラステーン、セグメント化ポリウレタンコポリマー、又はセグメント化ポリ尿素コポリマーと呼ばれることもある。スパンデックスポリマーは、ゴムブロック及び剛性ブロックを含有する。これらのブロックは、ウレタン又は尿素化学結合によって接続される。典型的なゴムブロックとしては、ポリテトラメチレンオキシドのようなポリエーテル又はポリカプロラクトンなどのポリエステルが挙げられる。剛性ブロックは、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(MDI)及びトルエン-2,4-ジイソシアネート(TDI)などのジイソシアネートを含み得る。これらのジイソシアネートは、ブタンジオールなどのジオール又はヒドラジン若しくはエチレンジアミンなどのジアミンを使用して、任意選択で一緒に結合することができる。様々なゴムブロック、剛性ブロック、及びカップリング剤が使用のために企図され得ることが理解される。例えば、ゴムブロックポリマーは、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、及びポリブチレンアジペートなどのポリエステル、ポリ-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、若しくは1,10-デカンジオール、又はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルを含むことができる。同様に、剛性ブロックは、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(MDI)、トルエン-2,4-ジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(水素化MDI(HMDI))又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)を含有することができる。同様に、剛性ブロック用の任意のカップリング剤は、ジアミン(ヒドラジン及びエチレンジアミンなど)又はジオール(ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど)を含むことができる。
【0027】
エラストマー積層体の接着剤は、スチレン系のブロックコポリマーを含む接着剤ポリマーを含み得る。ブロックコポリマーは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン-co-ブタジエン、及びそれらの水素化変異体からなる群から選択されるゴムブロックを含み得る。いくつかの実施形態では、エラストマー積層体はまた、石鹸を含み得る。
【0028】
更に、本開示の接着剤ポリマーは、スチレンブロックコポリマー若しくはポリオレフィン系ポリマー、又はそれらのブレンドとすることができる。本開示のスチレンブロックコポリマーは、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン(SI)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-ブチレン(SEB)スチレン-エチレンプロピレン-スチレン(SEPS)及びスチレン-エチレンプロピレン(SEP)及びスチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS又は水素化SIBS)を含み得る。本開示のスチレンブロックコポリマーは、一般構成A-B-A、又はA-BとA-B-Aとの混合物を有し得、ポリマー末端ブロックAがスチレンであると同時に、ポリマー中間ブロックBは、部分的又は実質的に水素化され得るイソプレン、ブタジエン、若しくはイソブチレン、又はそれらの混合物に由来する。更に、コポリマーは、線状又は分枝状であってもよい。特に、スチレンブロックコポリマー中の40%を超えるスチレン含有量は耐クリープ性を補強し得、同時に33を超えるメルトフローインデックスは、望ましい粘度を可能にし得る。本開示のポリオレフィン系ポリマーは、プロピレンホモポリマー、及び1種以上の他のコモノマー(例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、オクテンなど)とのコポリマーであるプロピレン系ポリマーとすることができる。プロピレン系ポリマーは全体的にオレフィン系とすることができ、すなわち、いずれの官能基も含有しない。プロピレン系ポリマーは、75重量%超のプロピレン、又は更には80重量%超のプロピレンを含むことができる。更に、プロピレン系ポリマーは、10~20mol%のコモノマー又は13~16mol%のコモノマーを含むことができる。プロピレン系ポリマーは、約5未満、約3未満、又は更には約2の多分散性(Mw/Mn)を有することができる。有用なプロピレン系ポリマーは、約0.90以下、約0.89以下、又は更には約0.88以下の密度を有することができる。有用なプロピレン系ポリマーとしては、シングルサイト(例えば、メタロセン)触媒によるプロピレン系ポリマーが挙げられる。更に、ポリオレフィン系ポリマーは、触媒としてのメタロセンの存在下で調製された、エチレンとC~C20のα-オレフィンとのコポリマーとすることができる。
【0029】
本開示によれば、エラストマー積層体を作製するためのプロセスは、制御層でコーティングされたエラストマーストランドを巻き出すことを含み得る。制御層は、例えば、鉱油、パラフィン系鉱油、白色鉱油、合成油、ポリイソプレン、及び/又はポリブタジエンを含み得る。プロセスは、エラストマーストランドを第1の基材層と第2の基材層との間に結合して、エラストマー積層体を形成することを含み得、エラストマーストランドは、例えば、約0.25mm~約4mm、又は約0.25mm~約3mm、又は約0.5mm~約3mm、又は約0.25mm~約2mm、又は約0.5mm~約2mmの平均ストランド間隔を有する。更に、エラストマーストランドの平均Dtexは、約10~約500、又は約10~約400、又は約10~約300の範囲であり得る。エラストマーストランド上で利用される制御層の相対量は様々であり得るが、いくつかの実施形態では、制御層は、エラストマーストランドの約5重量%未満、又は3重量%未満、又は2重量%未満である。
【0030】
更に、本開示によれば、エラストマー積層体を組み立てるための方法は、第1の基材及び第2の基材を提供することと、弾性ストランドを機械方向に前進させることと、を含み得る。弾性ストランドは、横断方向に互いに分離され得る。方法はまた、弾性ストランド、第1の基材、及び第2の基材のうちの少なくとも1つに接着剤を塗布し、弾性ストランドを第1の基材及び第2の基材と組み合わせて、エラストマー積層体を形成することを含み得る。方法はまた、鉱油を含む制御層を弾性ストランドから接着剤に分散させることを含み得る。
【0031】
前述したように、本明細書に論じるプロセス及び装置に従って作製されたエラストマー積層体は、おむつパンツ及びテープ式おむつなどの異なるタイプの吸収性物品の製造で使用される様々なタイプの構成要素を構築するために使用され得る。プロセス実施形態の後の考察に更なる文脈を提供するのを助けるために、本明細書に開示される方法及び装置を用いて製造され得るエラストマー積層体などの構成要素を含むおむつ形態の吸収性物品の概要を、以下で提供する。
【0032】
図1A図1B及び図2は、本明細書に開示される装置及び方法に従って組み立てられるエラストマー積層体から構築された構成要素を含み得るおむつパンツ100の一例を示す。具体的には、図1A及び図1Bは、予め締結された形態のおむつパンツ100の斜視図を示し、図2は、着用者とは反対方向に面するおむつの部分が見る人に向けられた、おむつパンツ100の平面図を示す。おむつパンツ100は、シャーシ102及び環状弾性ベルト104を含む。以下でより詳細に論じられるように、第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は共に結合されて、環状弾性ベルト104を形成し得る。
【0033】
図2を続けて参照すると、おむつパンツ100及びシャーシ102はそれぞれ、第1の腰部領域116、第2の腰部領域118、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との中間に配設された股部領域119を含む。第1の腰部領域116は、前側腰部領域として構成されてもよく、第2の腰部領域118は、後側腰部領域として構成されてもよい。おむつ100はまた、前側腰部領域116で横方向に延在する前側腰部縁部121と、後側腰部領域118で長手方向に対向し、かつ横方向に延在する後側腰部縁部122と、を含んでもよい。本考察に関する基準系を提供するため、図2のおむつ100及びシャーシ102は、長手方向軸124及び横方向軸126を備えるものとして示される。いくつかの実施形態において、長手方向軸線124は、前側腰部縁部121及び後側腰部縁部122を通って延在してもよい。そして、横方向軸線126は、シャーシ102の第1の長手方向又は右側縁部128を通り、かつ第2の長手方向又は左側縁部130の中点を通って延在してもよい。
【0034】
図1A図1B、及び図2に示すように、おむつパンツ100は、内側の、身体に面する表面132、及び外側の、衣類に面する表面134を含み得る。シャーシ102は、バックシート136及びトップシート138を含んでもよい。シャーシ102はまた、トップシート138の一部とバックシート136との間に配設された吸収性コア142を含む吸収性組立体140を含み得る。以下により詳細に説明されるように、おむつ100はまた、着用者の脚の周りのフィット性を高めるために、脚部弾性部材及び/又は脚部カフなどの他の特徴部を含んでもよい。
【0035】
図2に示すように、シャーシ102の周縁部は、第1の長手方向側縁部128、第2の長手方向側縁部130、第1の腰部区域116内に配設される第1の横方向に延在する端縁部144、及び第2の腰部区域118内に配設される第2の横方向に延在する端縁部146によって画定され得る。側縁部128及び130はいずれも、第1の端縁部144と第2の端縁部146との間に長手方向に延在する。図2に示すように、横方向に延在する端縁部144及び146は、前側腰部領域116で横方向に延在する前側腰部縁部121から長手方向内部に、及び後側腰部領域118で横方向に延在する後側腰部縁部122から長手方向内部に位置し得る。おむつパンツ100が着用者の下胴部に着用されるとき、前側腰部縁部121及び後側腰部縁部122は、着用者の腰部の部分を取り囲んでもよい。同時に側縁部128及び130は、着用者の脚部の少なくとも一部を取り囲み得る。また股部領域119は概ね、着用者の脚の間に位置決めされてよく、吸収性コア142は、前側腰部領域116から股部領域119を通って後側腰部領域118まで延在する。
【0036】
上述のように、おむつパンツ100はバックシート136を含んでもよい。バックシート136はまた、シャーシ102の外側表面134を画定してもよい。バックシート136はまた、織布若しくは不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルム、並びに/又はフィルム及び不織布材料を含む多層若しくは複合材料を含んでもよい。バックシートはまた、エラストマーフィルムを含んでもよい。
例示のバックシート136は、厚さが約0.012mm(0.5ミル)~約0.051mm(2.0ミル)のポリエチレンフィルムであり得る。更に、バックシート136は、蒸気を吸収性コアから逃がすことを可能にしながらも(すなわち、バックシートは通気性である)、なお排出物がバックシート136を通過するのを防ぐことができる。
【0037】
また上述のように、おむつパンツ100はトップシート138を含んでもよい。トップシート138はまた、シャーシ102の内側表面132の全て又は一部を画定してもよい。トップシート138は、液体透過性であって、その厚さを通して液体(例えば、経血、尿及び/又は液状の糞便)が浸透できてもよい。トップシート138は、織布材料及び不織布材料、有孔又はハイドロフォーミング成形された熱可塑性フィルム、有孔不織布、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムなどの、広範囲の材料から製造されてもよい。織布又は不織布材料は、木部繊維若しくは綿繊維などの天然繊維、ポリエステル、ポリプロピレン若しくはポリエチレン繊維などの合成繊維、又はこれらの組み合わせなどの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシート138が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド法、カーディング法、湿式法、メルトブローン法、水流交絡法、又は当該技術分野において既知の別の方法で処理されてもよい。トップシート138は、嵩高不織布トップシート、有孔フィルムトップシート及び有孔不織布トップシートから選択されてもよい。例示的な有孔フィルムとしては、米国特許第5,628,097号、同第5,916,661号、同第6,545,197号、及び同第6,107,539号に記載のものが挙げられ得る。
【0038】
前述のように、おむつパンツ100はまた、シャーシ102に接合される吸収性組立体140を含んでもよい。図2に示すように、吸収性組立体140は、前側腰部領域116内に横方向に延在する前側縁部148を有してもよく、後側腰部領域118内に長手方向に対向しかつ横方向に延在する後側縁部150を有してもよい。吸収性アセンブリは、長手方向に延在する右側縁部152を有してもよく、横方向に反対側にありかつ長手方向に延在する左側縁部154を有してもよく、吸収性アセンブリの側縁部152及び154は両方とも、前側縁部148と後側縁部150との間に長手方向に延在してもよい。吸収性アセンブリ140は、1つ以上の吸収性コア142又は吸収性コア層を追加で含んでもよい。吸収性コア142は、トップシート138とバックシート136との間に少なくとも部分的に配設されてもよく、おむつと適合性のある種々のサイズ及び形状で形成されてもよい。本開示の吸収性コアとして使用するための例示的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,888,231号、及び同第4,834,735号に記載されている。
【0039】
いくつかの吸収性コアの実施形態は、低減された量のセルロース系エアフェルト材料を含有する流体貯蔵コアを備えてもよい。例えば、そのようなコアは、約40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、又は更には約1%未満のセルロース系エアフェルト材料を含んでもよい。こうしたコアは、主として、少なくとも約60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は更には約100%の量で、吸収性ゲル材料を含んでもよく、その場合コアの残部はマイクロファイバー接着剤を含む(適用可能な場合)。そのようなコア、マイクロファイバー接着剤、及び吸収性ゲル材料は、米国特許第5,599,335号、同第5,562,646号、同第5,669,894号及び同第6,790,798号、並びに米国特許公開第2004/0158212(A1)号及び同第2004/0097895(A1)号に記載されている。
【0040】
上述のように、おむつ100はまた、弾性脚部カフ156を含んでもよい。脚部カフ156は、脚部バンド、サイドフラップ、バリヤカフ、弾性カフ又はガスケッティングカフであり得、場合によってはそのように呼ばれることが理解されよう。弾性脚部カフ156は、脚部領域における身体滲出物の漏れを低減するのに役立つ様々な方法で構成されてもよい。例示的なレッグカフ156には、米国特許第3,860,003号、同第4,909,803号、同第4,695,278号、同第4,795,454号、同第4,704,115号、同第4,909,803号、及び米国特許出願公開第2009/0312730(A1)号に記載のものが挙げられ得る。
【0041】
おむつパンツは、環状弾性ベルト104を備えて製造され、着用者に適用される前に、前側腰部領域116と後側腰部領域118とが互いに接続され、パッケージ化された構成で消費者に提供されてもよい。したがって、おむつパンツは、図1A及び図1Bに示すような連続的な外辺部腰部開口部110及び連続的な外辺部脚部開口部112を有してもよい。この環状弾性ベルトは、恒久的なサイドシームを用いて、又は、ベルトの横方向に対向する側部にあるか若しくはこれに隣接して配設される開放可能かつ再閉鎖可能な締結システムを用いて、第1の弾性ベルトを第2の弾性ベルトに接合することによって形成され得る。
【0042】
環状弾性ベルト104は、第2の弾性ベルト108と連結された第1の弾性ベルト106によって画定されてもよい。図2に示すように、第1の弾性ベルト106は、第1の長手方向側縁部111aと第2の長手方向側縁部111bとの間に延在し、第1及び第2の対向する末端領域106a、106b及び中央領域106cを画定する。そして、第2の弾性ベルト108は、第1の長手方向側縁部113aと第2の長手方向側縁部113bとの間に延在し、第1及び第2の対向する末端領域108a、108b及び中央領域108cを画定する。第1の長手方向側縁部111aと第2の長手方向側縁部111bとの間の距離は、第1の弾性ベルト106のピッチ長さPLを画定し、第1の長手方向側縁部113aと第2の長手方向側縁部113bとの間の距離は、第2の弾性ベルト108のピッチ長さPLを画定する。第1の弾性ベルトの中央領域106cは、シャーシ102の第1の腰部領域116と接続され得、第2の弾性ベルト108の中央領域108cは、シャーシ102の第2の腰部領域118と接続され得る。図1A及び図1Bに示すように、第1の弾性ベルト106の第1の末端領域106aは、第1のサイドシーム178において第2の弾性ベルト108の第1の末端領域108aと接続され得、第1の弾性ベルト106の第2の末端領域106bは、第2のサイドシーム180において第2の弾性ベルト108の第2の末端領域108bと接続されて、環状弾性ベルト104並びに腰部開口部110及び脚部開口部112を画定し得る。
【0043】
図2図3A、及び図3Bに示すように、第1の弾性ベルト106はまた、外側の横方向に延在する縁部107a及び内側の横方向に延在する縁部107bを画定し、第2の弾性ベルト108は、外側の横方向に延在する縁部109a及び内側の横方向に延在する縁部109bを画定する。このようにして、1つの脚部開口部の外辺部縁部112aは、第1の弾性ベルト106の横方向に延在する内側縁部107b、第2の弾性ベルト108の横方向に延在する内側縁部109b、及びシャーシ102の第1の長手方向又は右側縁部128の部分によって画定され得る。更に、他方の脚部開口部の外辺部縁部112bは、横方向に延在する内側縁部107b、横方向に延在する内側縁部109b、及びシャーシ102の第2の長手方向又は左側側縁部130の部分によって画定され得る。横方向に延在する外側縁部107a、109aは、おむつパンツ100の前側腰部縁部121及び横方向に延在する後側腰部縁部122も画定し得る。第1の弾性ベルト及び第2の弾性ベルトはそれぞれまた、外側の衣類に面する層162及び内側の着用者に面する層164を含んでもよい。第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は、同一の材料を含んでもよく、かつ/又は同一の構造を有してもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態において、第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルトは、異なる材料を含んでもよく、かつ/又は異なる構造を有してもよい。第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は、様々な材料から作られてもよいこともまた理解されよう。例えば、第1のベルト及び第2のベルトは、プラスチックフィルム、有孔プラスチックフィルム、天然材料(例えば、木部繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び/若しくは合成繊維の組み合わせによる織布ウェブ若しくは不織布ウェブ、あるいは、コーティングされた織布又は不織布ウェブなどの広範な材料から製造され得る。いくつかの実施形態において、第1及び第2の弾性ベルトは、合成繊維の不織布のウェブを含み、伸縮性不織布を含んでもよい。他の実施形態において、第1及び第2の弾性ベルトは、内側の疎水性で非伸縮性の不織布材料、及び外側の疎水性で非伸縮性の不織布材料を含む。
【0044】
また、第1及び第2の弾性ベルト106、108はそれぞれ、外側基材層162と内側基材層164との間に間置されたベルト弾性材料を更に含んでもよい。ベルト弾性材料は、ストランド、リボン、フィルム、又はパネルなど、弾性ベルトの長さに沿って延在する1つ以上の弾性要素を含み得る。図2図3A及び図3Bに示すように、ベルト弾性材料は、複数の弾性ストランド168を含んでよく、これらは本明細書では、外側腰部弾性体170及び内側腰部弾性体172と称され得る。弾性ストランド168(例えば外側腰部弾性部材170)は、第1の弾性ベルト106の対向する第1の末端領域106aと第2の末端領域106bとの間、及び第2の弾性ベルト108の対向する第1の末端領域108aと第2の末端領域108bとの間に、横方向に連続的に延在し得る。いくつかの実施形態において、弾性ストランド168(例えば内側腰部弾性部材172)によっては、例えば、第1及び第2の弾性ベルト106、108が吸収性組立体140に重なるような領域内では、不連続部を有して構成されてもよい。いくつかの実施形態では、弾性ストランド168は、一定間隔で長手方向に配設されてもよい。他の実施形態では、弾性ストランド168は、長手方向に異なる間隔で配設されてもよい。伸張状態のベルト弾性材料は、非収縮外側層と非収縮内側層との間に間置され、接合されてもよい。ベルト弾性材料が弛緩されると、ベルト弾性材料は、非伸張状態に戻り、外側層及び内側層を収縮させる。ベルト弾性材料は、環状弾性ベルトの領域内で望ましい収縮力の変化をもたらしてもよい。
シャーシ102及び弾性ベルト106、108は、図2に表すものとは異なる方法で構成されてもよいことを理解されたい。ベルト弾性材料は、外側層及び/又は内側層に、そのベルト弾性材料と外側層及び/又は内側層との間の界面に沿って連続的又は断続的に接合されていてもよい。
【0045】
いくつかの構成では、第1の弾性ベルト106及び/又は第2の弾性ベルト108は、湾曲した輪郭を画定し得る。例えば、第1及び/又は第2の弾性ベルト106、108の内側横方向縁部107b、109bは、第1及び第2の対向する末端領域において、非線形又は曲線部分を含み得る。そのような湾曲した輪郭は、例えば、比較的丸みを帯びた脚部開口部などの脚部開口部112に所望の形状を画定する助けになり得る。弾性ベルト106、108は、湾曲した輪郭を有するだけでなく、内側横方向縁部107b、109bの湾曲した輪郭と一致し得る非線形又は湾曲した経路に沿って延在する弾性ストランド168、172を含む場合もある。
【0046】
本開示による装置及び方法は、弾性ベルト、脚部カフなど、おむつの様々な構成要素を構築するために使用され得るエラストマー積層体を製造するために利用されてもよい。例えば、図4図8は、エラストマー積層体302を製造するように適合された加工装置300の様々な概略図を示す。以下により詳細に記載されるように、図4図8に示される加工装置300は、連続長の弾性材料304、連続長の第1の基材306、及び連続長の第2の基材308を機械方向MDに沿って前進させるように動作する。いくつかの構成では、本明細書の第1の基材306及び第2の基材308は、2つの別個の基材によって画定されてもよく、又は単一の基材の折り畳まれた部分によって画定されてもよいことも理解されたい。装置300は、弾性材料304を伸張させ、伸張された弾性材料304を第1及び第2の基材306、308に接合して、エラストマー積層体302を製造し得る。
弾性材料304は、弾性ストランドが巻かれている回転ビーム、又は弾性ストランドの他のタイプの巻供給部から供給され得る。動作中、弾性材料は、回転ビームから機械方向に前進し得る。
【0047】
エラストマー積層体302は、ベルト、耳パネル、サイドパネル、横バリア、トップシート、バックシート、カフ、ウエストバンド、ウエストキャップ、及び/又はシャーシなどの様々なタイプのおむつ構成要素を構築するために使用することができる。例えば、エラストマー積層体302は、図1図3Bに関連して上述した第1及び第2弾性ベルト106、108に加工され得る連続長のエラストマーベルト材料として用いられ得る。かくして、弾性材料304は、続いて第1の及び/又は第2の基材306、308のいずれかに対応し得る外層162と内層164との間に間置されたベルト弾性材料168に対応し得る。他の例では、エラストマー積層体は、テープ式おむつ構造体の腰部バンド及び/又はサイドパネルを構築するために用いられ得る。更に他の実施例では、エラストマー積層体は、様々な種類の脚部カフ及び/又はトップシート構造体を構築するのに用いられ得る。エラストマー積層体302が、ベルト、シャーシ、サイドパネル、トップシート、バックシート、及び耳パネル、並びにこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を形成するとき、エラストマー積層体302の複数の弾性体318は、約40~約1000本の弾性ストランドを含んでもよい。また、エラストマー積層体302が、ウエストバンド、ウエストキャップ、内側レッグカフ、外側レッグカフ、及びこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を形成するとき、エラストマー積層体302の第1の複数の弾性体316は、約10~約400本の弾性ストランドを含んでもよい。最終的に、「複数の弾性体」は文脈の用語であり、これらの弾性体の特定の特性、配列、属性、特徴、配置などが、特定の「複数の弾性体」が何であるかを画定するために参照される。
【0048】
図4図5に示すように、エラストマー積層体302を製造するための加工装置300は、第1の調量デバイス310及び第2の調量デバイス312を含んでもよい。第1の調量デバイスは、複数の弾性ストランド318が巻かれたビーム316として構成されてもよい。図6は、マンドレルコア319の両端部に接続され得る2枚のサイドプレート317a、317bを含む空のビーム316の一例を示し、弾性ストランドがマンドレルコア319に巻かれ得る。本明細書の方法及び装置に応じて、例えばALUCOLOR Textilmaschinen、GmbHから入手可能なビームなど、様々なサイズ及び技術的仕様のビームを利用することができることを理解されたい。動作中、複数の弾性ストランド318は、ビーム316から第2の調量デバイス312へと機械方向MDに前進する。更に、複数の弾性ストランド318は、ビーム316と第2の調量デバイス312との間で機械方向MDに沿って伸張され得る。伸張された弾性ストランド318はまた、第2の調量デバイス312において第1の基材306及び第2の基材308と接合されてエラストマー積層体302を製造し得る。しかしながら、いくつかの構成では、弾性ストランド318がビーム形式で配置されないことに留意されたい。代わりに、例えば、第1の調量デバイス310は、個々の弾性ストランド318のスプールであり得、又はそうでなければビームに形成されていない弾性ストランド318のスプールであってもよい。このようにして、本明細書に記載のシステム及び方法は、1つ以上の弾性ストランドを1つ以上の基材に接着することを一般に求める製造プロセスの範囲にわたって適用可能である。
【0049】
図4に示すように、第2の調量デバイス312は、外周面326を有し、第1の回転軸328の周りを回転する第1のローラ324と、外周面332を有し、第2の回転軸334の周りを回転する第2のローラ330とを含む。第1のローラ324及び第2のローラ330は、逆方向に回転し、第1のローラ324は、第2のローラ330に隣接して、第1のローラ324と第2のローラ330との間にニップ336を画定し得る。第1のローラ324は、外周面326が表面速度V1を有するように回転し、第2のローラ330は、外周面332が同じ又は実質的に同じ表面速度V1を有するように回転することができる。
【0050】
図4及び図5に示すように、第1の基材306は、第1の表面338及び対向する第2の表面340を含み、第1の基材306は、第1のローラ324へ前進する。具体的には、第1の基材306は、速度V1で第1のローラ324へ前進し、第1の基材306は、第1のローラ324の外周面326に部分的に巻き付き、ニップ336を通って前進する。したがって、第1の基材306の第1の表面338は、第1のローラ324の外周面326に接触して、第1のローラ324の外周面326と同じ方向に進む。加えて、第2の基材308は、第1の表面342及び対向する第2の表面344を含み、第2の基材308は、第2のローラ330へ前進する。具体的には、第2の基材308は、速度V1で第2のローラ330へ前進し、第2の基材308は、第2のローラ330の外周面332に部分的に巻き付き、ニップ336を通って前進する。したがって、第2の基材308の第2の表面344は、第2のローラ330の外周面332に接触して、第2のローラ330の外周面332と同じ方向に進む。
【0051】
引き続き図4及び図5を参照すると、ビーム316にはその上に弾性ストランド318が巻かれ、ビーム316は第1のビーム回転軸346を中心として回転可能である。いくつかの構成では、第1のビーム回転軸346は、横断方向CDに延在し得る。ビーム316が回転すると、複数の弾性ストランド318は速度V2でビーム316から前進し、複数の弾性ストランド318は、横断方向CDにおいて互いに約0.25mm~約4mm、又は約0.25mm~約3mm、又は約0.25mm~約2mm離間している。ビーム316から、複数の弾性ストランド318は、機械方向MDでニップ336へ前進する。いくつかの構成では、速度V2は速度V1未満であり、したがって、複数の弾性ストランド318は、機械方向MDに伸張され得る。次いで、伸張された複数の弾性ストランド318は、複数の弾性ストランド318が第1の基材306の第2の表面340及び第2の基材308の第1の表面342と接合されて、連続長のエラストマー積層体302を製造し得るように、第1の基材306と第2の基材308との間のニップ336を通って前進する。図4に示すように、第1の基材306は、ニップ336まで前進する前に、接着剤350を第1の基材306の第2の表面340に塗布する接着剤アプリケータ装置348を通過して前進し得る。接着剤350は、第1のローラ324の上流で、かつ/又は第1の基材306が第1のローラ324の外周面326に部分的に巻き付けられている間に、第1の基材306に塗布することができることを理解されたい。接着剤は、第1の基材306及び第2の基材308と接合される前及び/又はその間に、複数の弾性ストランド318に塗布されてもよいことを理解されたい。更に、接着剤は、複数の弾性ストランド318及び第1の基材306に接合される前又はその間に、第2の基材308の第1の表面342に塗布されてもよいことを理解されたい。
【0052】
本明細書の方法及び装置によるエラストマー積層体302を構築するために、異なる構成要素を使用することができることを理解されたい。例えば、第1の基材306及び/又は第2の基材308は、不織材及び/又はフィルムを含むことができる。更に、複数の弾性ストランド318は、様々な方法で、かつ様々なデシテックス値を有するように構成することができる。いくつかの構成では、複数の弾性ストランド318は、約10デシテックス~約500デシテックス、又は約10デシテックス~約400デシテックス、又は約10デシテックス~約300デシテックスの範囲のデシテックス値を有するように構成されてもよく、具体的には、上記の範囲内の1デシテックス刻みの全ての値、及び上記の範囲内の、又は上記の範囲によって形成される全ての範囲を列挙する。ビーム316は、様々な方法で、かつ様々な量の弾性ストランドを用いて構成され得ることも理解されたい。
本明細書の装置及び方法で使用することができる整経ビームとも称される例示的なビームは、米国特許第4,525,905号、同第5,060,881号、及び同第5,775,380号、並びに米国特許出願公開第2004/0219854(A1)号に開示されている。図5は、ビーム316から前進する9本の弾性ストランド318を示しているが、本明細書の装置は、9本より多い又は少ない弾性ストランド318がビーム316から前進するように構成されてもよいことを理解されたい。いくつかの構成では、ビーム316から前進する複数の弾性ストランド318は、約100~約2000本のストランドを含んでもよく、具体的には、上記の範囲内の1ストランド刻みの全ての値、及び上記の範囲内の、又は上記の範囲によって形成される全ての範囲を列挙する。いくつかの構成では、弾性ストランド318は、横断方向に約0.5mm~約4mmだけ互いから分離されてもよく、具体的には、上記の範囲内の0.1mm刻みの全ての値、及び上記の範囲内の、又は上記の範囲によって形成される全ての範囲を列挙する。複数の弾性ストランド内の弾性体は、弾性ストランドを第1の基材層又は第2の基材層306、308に接合する前に予め緊張されてもよい。いくつかの構成では、弾性体は、約75%~約300%に予め緊張されてよく、具体的には、上記の範囲内の1%刻みの全ての値、及び上記の範囲内の、又は上記の範囲によって形成される全ての範囲を列挙する。1つ以上の弾性体のビームを、加工プロセスの横断方向CDに沿って配置することができ、かつ/又は加工プロセスの様々な異なる部分において機械方向MDに沿って配置することができる点も理解されよう。ビーム316は、ビーム316の回転を駆動及び制御するために、サーボモータなどの1つ以上のモータと接続することができる点も理解されよう。
【0053】
複数の弾性ストランド318は、様々な異なる材料構造及び/又はデシテックス値を有して、異なる領域において異なる伸縮特性を有するエラストマー積層体302を作製してもよいことも理解されたい。いくつかの構成では、エラストマー積層体は、異なる領域において異なる伸張特性を作製するために、弾性ストランドが横断方向CDで互いに相対的に近接して離間配置されている領域と、弾性ストランドが横断方向CDで互いに相対的に離れて離間配置されている他の領域とを有してもよい。いくつかの構成では、弾性ストランドは、伸張状態でビーム上に供給されてもよく、したがって、第1の基材306及び/又は第2の基材308と組み合わされる前に、追加の伸張を必要とし得ない(又は、比較的少ない追加の伸張を必要とし得る)。
【0054】
ここで図7を参照すると、第1の基材306への弾性ストランド318の接着が概略的に示されている。上述のように、高圧縮下のビーム構成で巻き付けられている弾性ストランドは、巻き出し中に粘着する(すなわち、架橋する)傾向がある。したがって、本開示によれば、制御層352が、ビーム316の弾性ストランド318に塗布されて、架橋を低減し、巻き出しプロセスを助けることができる。更に、弾性ストランド318は、接着剤350を介して第1及び第2の基材層306、308に接着され得るので(例示の目的で第1の基材306のみが図7に示されていることに留意されたい)、制御層352及び接着剤350の様々な特性は、弾性ストランド318並びに第1及び第2の基材層306、308の十分な接着を可能にするように特別に選択することができる。より具体的には、ビーム316に塗布される制御層352は、ストランドに吸収されるのとは対照的に、制御層352の大部分が複数の弾性ストランド318の表面に残ることを確実にする溶解度レベルを有することができる。制御層352のこの特性は、図7の拡大図318Aによって概略的に示されている。したがって、複数の弾性ストランド318がビーム316から引き出されるとき、望ましくないブロッキングは、弾性ストランド318の巻き出し前にビーム316が高圧縮下で一定期間保管された後でさえも、低減又は排除することができる。
【0055】
しかしながら、重要なことに、複数の弾性ストランド318はまた、所望の強度パラメータを有するエラストマー積層体302を形成するために、第1及び第2の基材層306、308に十分に接着される必要がある。そのため、接着剤350は、制御層352が複数の弾性ストランド318への接着剤350の接着に悪影響を及ぼさないように、制御層352を吸収するように特別に選択することができる。したがって、本開示によれば、複数の弾性ストランド318、複数の弾性ストランド318に塗布される制御層352、及び接着剤350は各々、制御層352が、複数の弾性ストランド318によって吸収されにくく、代わりに接着剤350によって吸収されやすいように特別に選択される。その結果、弾性ストランド318は、ブロッキングなしでビーム316から引き出すことができ、接着剤350は、弾性ストランド318並びに第1及び第2の基材306、308を十分に接着することができる。
【0056】
エラストマー積層体302内の所望の分配レベルは、特定の溶解度パラメータ及び平均分子量を有する制御層352を選択することによって達成され得る。特に、制御層352は、約15.5MPa1/2~約16.5MPa1/2、又は約15.8MPa1/2~約16.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータ及び約0.6kg/mol~1.5kg/mol、又は約0.8kg/mol~約1.4kg/mol、又は約1.0kg/mol~約1.3kg/molの範囲内の数平均分子量を有し得る。制御層352は、約24mN/m~約30mN/mの表面張力を有し得る。更に、接着剤350は、約16MPa1/2~約17.5MPa1/2、又は約16.5MPa1/2~約17.2MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有する接着剤ポリマーを含み得る。複数の弾性ストランド318は、約18MPa1/2~約18.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有するストランドポリマーを含み得る。一実施形態によれば、ストランドポリマーは、約18.3MPa1/2の溶解度パラメータを有する。更に、制御層の数平均分子量は、複数の弾性ストランド318のストランドポリマー及び接着剤350の接着剤ポリマーの各々の分子量よりも低くてもよい。
【0057】
一対の材料a及びbについて、それらの混合と関連付けられたχ値は、以下のように計算される。
【0058】
【数1】
式中、
Kは、1.38e-23J/K(ボルツマン定数)であり、
υは、より高い分子量の成分の繰り返し単位の体積(立方メートル)であり、
Tは、温度(ケルビン)であり、
δ値は、成分a及びbの溶解度パラメータ((MPa)^0.5)である。
【0059】
本開示によれば、制御層352と弾性ストランド318のストランドポリマーとの間のχN値は2より大きく、Nは制御層の重合度であり、χはフローリー・ハギンズ相互作用パラメータである(本開示によるχNの決定に関する追加情報については、「The Physics of Polymers」,Gert R.Strobl,ISBN 978-3-642-06449-4を参照されたい)。更に、制御層352と接着剤350の接着剤ポリマーとの間のχN値は、約3未満、又は約2未満であり得る。接着剤350は、38℃かつ1Hzにおける約0.01~約0.3MPa、38℃かつ1Hzにおける0.02~約0.1MPa、又は38℃かつ1Hzにおける約0.1MPaのゴム状平坦部弾性率を有し得る(本開示による平坦部弾性率の決定に関する追加情報については、Pocious A.V.,「Adhesion and Adhesives Technology-an introduction,2nd Edition」.Hanser/Gardner Publications,Inc.,Cincinnati,OH(2002)。ISBN 1-56990-319-0,pages 124-131を参照されたい)。更に、室温での複数の弾性ストランド318の引張弾性率は、約5MPa~約15MPaの範囲内であり得る(本開示による引張弾性率の決定に関する追加情報については、Pocious A.V.,「Adhesion and Adhesives Technology-an introduction,2nd Edition」。Hanser/Gardner Publications,Inc.,Cincinnati,OH(2002)。ISBN 1-56990-319-0,pages 17-18を参照されたい)。エラストマー積層体302の形成後に、制御層352は、接着剤350に吸収されると、弾性ストランド318の表面上の元の位置から分散し得る。
【0060】
上記のように、本開示によるビーム化された弾性体は、スパンデックス繊維から形成され得る。1つのタイプのスパンデックス繊維は、「ポリウレタン尿素」エラストマー又は「高ハードセグメントレベルポリウレタン」エラストマーであり、溶液(溶媒)紡糸プロセスを使用して繊維に形成され得る(溶融状態で処理されるものとは対照的である)。ポリウレタン尿素における剛性ブロックは、夜間を含むおむつの着用に対応する時間尺度において体温付近の温度で良好な応力緩和性能を可能にする「固着」を提供するのに重要な強い化学相互作用を提供する。このタイプの固着は、より優れた経時的な力緩和を可能にする(すなわち、体温で伸張状態に保持されると、経時的な力の減衰がほとんどない)。
対照的に、押出ストランド及びスクリムは、典型的には、溶融状態で従来の押出プロセスによって形成することができるスチレンブロックコポリマー又は熱可塑性エラストマーから作られる。熱可塑性エラストマーは、ポリオレフィン、ポリウレタン(200℃を下回るとハードセグメント溶融を伴うポリウレタン)エラストマーなどのような組成物を含む。ポリウレタン(200℃を下回るとハードセグメント溶融を伴うポリウレタン)のようなこれらの熱可塑性エラストマーは、溶融/再溶融及び押出される可能性があるため、使用の際により高い応力緩和を受けやすく、これが大きな欠点となる。押出ストランドで使用されるスチレンブロック共重合体は、比較的短い端部ブロック同士の間に位置する比較的長いゴム状の中間ブロックを備える。良好な流れの従来の押出プロセスを可能にする程度に十分に短い末端ブロックは、多くの場合、応力緩和に対する傾向が大きく、経時的な力緩和を受けることが多い。スパンデックス中に存在する尿素結合は、紡糸プロセスによって作る必要がある。スパンデックスは、スチレンブロックコポリマーのように溶融/再溶融することはできない。スパンデックスプレポリマーを、溶媒及び添加物と組み合わせて、溶液を紡糸して固体のスパンデックス繊維を作る。次いで、複数の繊維を共に形成して、1本のスパンデックスストランドを作り得る。1本のスパンデックス繊維のデシテックスは約15とすることができ、したがって500デシテックスのストランドは、1本のストランドを作るように共に巻かれた公称で33本の繊維を有することができる。ビーム手法に使用されるデシテックスに応じて、40本の繊維(又はフィラメント)、30本の繊維、20本の繊維、15本の繊維、8本の繊維、5本の繊維、3本の繊維、又は更には2本までの繊維が存在し得る。スパンデックス繊維は、単成分又は二成分とすることができる(WO201045637(A2)号に開示されている)。
【0061】
市販のスパンデックスストランドはまた、Lycra、Creora、Roica、又はDorlastanとしても知られている。スパンデックスは、エラステーン繊維又はポリウレタン繊維と呼ばれることが多い。Invista、Wichita、Kansasの製品であるLYCRA HYFITストランドは、エラストマー積層体302を構成する複数の弾性体318を構成するストランドを作るのに好適である。いくつかのストランド、例えば前述のLYCRA HYFITは、ストランドを形成するように共に巻かれた複数の個々の繊維を備えることができる。複数の個々の繊維から形成された弾性ストランドに関しては、個々の繊維は、互いに対して動くことができ、それによりストランドの断面形状が変化し、並びにほどかれて、ストランドの制御が不十分になり、並びにエラストマー積層体302の第1の基材層306及び第2の基材層308の一方又は両方に対する弾性ストランドの結合/接着/接合が不十分になる可能性があることが発見された。複数の繊維を備えるストランドに関する欠点を最小限にするために、所与のストランド内の繊維の数を最小限にすることが有利である。したがって、1本のストランドあたり約40本未満の繊維、1本のストランドあたり約30本未満の繊維、1本のストランドあたり約20本未満の繊維、1本のストランドあたり約10本未満の繊維、1本のストランドあたり約5本未満の繊維、及びそのストランドを形成する1本の繊維を有することが望ましい。従来技術の複数の繊維からなるストランドと同等の性能を与えることができるストランドを単一の繊維が形成する場合、繊維の繊維デシテックスが約22~約300であり、繊維径が約50マイクロメートル~約185マイクロメートルであることが望ましい。
【0062】
上述のように、制御層352は、複数の弾性ストランド318がスプール又はビームに巻かれる場合にブロッキングを防止するのに役立ち、また同時にストランドの摩擦係数を低下させる。いくつかの実施形態によれば、制御層352は鉱油であり、これは、例えば、パラフィン系鉱油であり得る。様々な実施形態によれば、制御層352は、例えば、白色鉱油、ポリイソプレン、及びポリブタジエンのいずれかを含み得る。他の実施形態では、制御層は合成油であり得る。
【0063】
制御層352は、石鹸(すなわち、脂肪酸又は脂肪酸塩)、ワックス、洗剤、粘土、又は固結防止剤(例えば、シリカ)など、その性能を助けるための追加の材料を含み得る。
本開示による石鹸の使用は、弾性ストランドの粘着性を低減すると考えられ、これは、巻き取りプロセスにおける取り扱いを改善することができる。更に、石鹸の使用はまた、巻き出し性と付着性との間に有益なトレードオフを提供することができる。
【0064】
いくつかの実装形態では、例えば、ビーム316からの複数の弾性ストランド318の巻き出し性を改善するように機能する制御層352に金属石鹸が添加され得る。本明細書で使用するとき、金属石鹸は、8~22個の炭素原子、又は12~18個の炭素原子を有する飽和、不飽和の直鎖又は分岐鎖状脂肪族カルボン酸とのアルカリ金属、アルカリ土類金属、又は遷移金属の反応によって製造される脂肪酸塩とすることができる。例としては、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、12-ヒドロキシステアリン酸、及び8~22個の炭素原子を有する酸の混合物などの飽和脂肪酸、オレイン酸(シス-9-オクタデセン酸)及びリノール酸(9,12-オクタデカジエン酸)などの不飽和脂肪酸、イソステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、ジメチルヘキサン酸、トリメチルヘキサン酸、及び合成脂肪族イソカルボン酸の混合物などの合成カルボン酸、並びに脂環式のナフテン酸及び樹脂酸の塩が挙げられる。金属石鹸を作製するために様々な金属イオンを使用できるが、例としては、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、及び亜鉛が挙げられる。本開示の一実施形態によれば、ステアリン酸マグネシウムが、接着剤350にも弾性ストランド318にも可溶ではないので使用される。利用される石鹸の量は様々であり得るが、いくつかの実施形態では、制御層352は、約1重量%~5重量%の石鹸、又は約2重量%~4重量%の石鹸、又は約3重量%の石鹸を含む。
【0065】
ここで図8を参照すると、複数の弾性ストランド318及び接着剤350との制御層352の経時的な相互作用が概略的に示されている。拡大図318Aによって示されるように、制御層352は、概ね弾性ストランド318の外側表面をコーティングするように、概略的に示されている。制御層352は、高分子量を有する場合、ビーム316が高圧縮下で長期間保管されても、弾性ストランド318によって著しく吸収されることはない。
そのため、制御層352は、製造プロセス中に弾性ストランド318がビーム316から最終的に引き出されるときに、架橋及びブロッキングを有益に阻止するように機能する。
図4を参照して前述したように、加工装置300は、第1の基材306、複数の弾性ストランド318、及び第2の基材308によって形成される、エラストマー積層体302を製造する。図8に示すように、接着剤350は、複数の弾性ストランド318を第1及び第2の基材306、308に接着するために使用され得る。図8に時間T1として示される第1の時点において、制御層352は、エラストマー積層体302A内を分散し始めている。特に、上記のように、エラストマー積層体302の様々な成分の相対的な溶解度及び数平均分子量に起因して、本開示の制御層352は、主に接着剤350に吸収され得る。制御層352が接着剤350に吸収されると、接着剤350は弾性ストランド318に適切に接着することができる。最終的に、図8に時間T2として示される第2の時点において、制御層352は分散を完了し、接着剤350に実質的に吸収され得る。更に、T2において、制御層352が石鹸を含む場合、石鹸は接着剤350内に分散しない。代わりに、石鹸は、弾性ストランド318の界面と接着剤350との間に大量に残ることになる。このため、過剰な石鹸が使用されると、それにより、弾性ストランド318への第1及び第2の基材306、308の接着が損なわれる可能性がある。示されるように、図8では、接着剤350は、弾性ストランド318の一部に接触し得る。あるいは、接着剤350は、弾性ストランド318のうちの1つ以上を実質的に又は完全に包み得る。
【0066】
上に概説したものと矛盾することなく、望ましくは、複数の弾性ストランド318及び接着剤350と共に制御層352を使用してエラストマー積層体302を形成することは、制御層352なしで作製された同じエラストマー積層体302と著しく異なる積層体特性をもたらさない。例えば、制御層を含む本開示のエラストマー積層体は、積層体クリープ試験に従って5mm以下、4mm以下、又は3mm以下の積層体クリープを有し得る。
これらの積層体クリープ値は、制御層を含む弾性体で作製された積層体に対するものであり、本開示の制御層が接着剤の性能に影響しないという証拠である。更に、制御層を含む弾性ストランドで形成された本開示のエラストマー積層体は、制御層を含まない弾性ストランドで形成された同じエラストマー積層体の2mm以内又は1mm以内の積層体クリープを有し得る。実際には、制御層を含むエラストマー積層体は、制御層を含まない同じ弾性積層体よりも少ない(すなわち、クリープの少ない)積層体クリープを有し得る。
【0067】
更に、制御層を含む本開示のエラストマー積層体は、静的剥離力時間試験方法に従って700分/10mm結合長を超える、600分/10mm結合長を超える、500分/10mm結合長を超える、又は400分/10mm結合長を超える、又は300分/10mm結合長を超える静的剥離力時間を有し得る。これらの静的剥離力時間値は、制御層を含む弾性体で作製された積層体に対するものであり、本開示の制御層が接着剤の性能に影響しないという証拠である。更に、制御層を含む弾性ストランドで形成された本開示のエラストマー積層体は、制御層を含まない弾性ストランドで形成された同じエラストマー積層体の5分/10mm結合長以内又は3分/10mm結合長以内の静的剥離力時間を有し得、実際には、制御層を含むエラストマー積層体は、制御層を含まない同じ弾性積層体よりも長い(すなわち、時間の長い)静的剥離力時間を有し得る。
【0068】
更に、制御層を含む本開示のエラストマー積層体は、経時的な力緩和の方法に従って約5%~約30%、約5%~約25%、約10%~約25%、又は約15%~約20%の経時的な力緩和を有し得る。これらの経時的な力緩和の値は、制御層を含む弾性体で作製された積層体に対するものであり、本開示の制御層が接着剤の性能に影響しないという証拠である。更に、制御層を含む弾性ストランドで形成された本開示のエラストマー積層体は、制御層を含まない弾性ストランドで形成された同じエラストマー積層体の15%以内又は10%以内の経時的な力緩和を有し得、実際には、制御層を含むエラストマー積層体は、制御層を含まない同じ弾性積層体よりも少ない(すなわち、力緩和の少ない)経時的な力緩和を有し得る。本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0069】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0070】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【0071】
試験手順
特に明記しない限り、試験は、22℃及び相対湿度50%の標準的な実験室条件下で実施される。
【0072】
経時的な力緩和
試験片の経時的な力緩和を、測定される力がセルの限界の1%~90%以内となるロードセルを使用した、定速伸展の引張試験機で測定する(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Insightである)。分析に先立ち、物品を23℃±2℃及び50%±2%の相対湿度で2時間調整し、その後同じ環境条件下で試験する。12.7mmの幅において25.4mmのゲージ長(弾性伸縮に平行)が可能になるように、サンプルのサイズを調製する。
【0073】
伸長を実行して引張力が0.0294N/mmに達するときの工学ひずみを決定するように、引張試験機をプログラムする。
【0074】
経時的な力緩和の試験のために、上記したように第2のサンプルを調製及び調整する。
試験は上記したものと同じ装置上で実施される。試験は37.8℃の温度で実施される。
サンプルを上で決定したひずみまで伸展させる。サンプルを10時間保持し、ひずみの適用中に少なくとも5Hz、力緩和の最初の1分間に少なくとも5Hz、及びその後、実験を通して少なくとも0.05Hz(20秒ごとに1点)の速度で力を記録する。
【0075】
積層体クリープ試験方法(「積層体クリープ」)
積層体クリープ試験方法は、伸張されたエラストマー積層体の伸張された弾性ストランド318の端部の、同じ積層体の切断縁部472から離れる方向の動きを特徴付けるために使用される。
【0076】
装置
ストレッチボード400は、アクリル板又はポリカーボネート板から調製され、その一例を図9に示す。ストレッチボード400の幅は、250~375mmであり、ストレッチボード400の長さは、少なくとも試験される積層体が幅広となる長さである。エラストマー積層体を固定することができるフック材料402は、ストレッチボード400の表側に付着されており、長さ方向に延びている。各々の幅が約50.8mmであり、かつストレッチボード400の長さに延びている、2コースのフック402が、ストレッチボード400の中心線404を中心にして対称的に位置付けられており、その結果、フックのコース間に12mmのギャップ(ギャップ「G」として示される)が存在し、それにより、フックが取り付けられていない、ストレッチボード400の長さ全体に延びている、むき出しのアクリル板又はポリカーボネート板のギャップが露出している。少なくとも幅13mmであり、かつ板の長さに延びている、2コースのフック406が、板の表側の幅全体にわたって伸張状態の積層体を保持することを容易にするために、板の幅方向縁部の裏側に付着されている。
【0077】
サンプルの調製
サンプルエラストマー積層体を表す5つの同様の試験片が切断される。エラストマー積層体の試験片は、その伸張状態において、上記で調製されたストレッチボード400と少なくとも同じ幅であり、かつストレッチボード400の幅方向縁部の周りに巻き付けられ、裏側のフック材料406によって固定できるように、切断された部分である。エラストマー積層体の各試験片は、ロールストックから取られてもよく、又はロールストックが利用できない場合は、完成した使い捨て吸収性物品から切り取られてもよい。
【0078】
各エラストマー積層体試験片は、図10の試験片450によって示されるように、弾性ストランド318が、ストレッチボードの長さに延びているフック402のコースに垂直に、ストレッチボード400の幅方向に延びるように、十分に伸張され、ストレッチボード400上に配置される。試験片450は、ストレッチボード400の長さに延びている2コースのフック材料402によって位置決めされた伸張状態で保持される。試験片450は依然として伸張状態にあるが、試験片の端部は、ストレッチボード400の幅方向縁部の周りに巻き付けられ、裏側のフック材料406に固定されて、伸張状態の試験片450の積層体全体を保持する。
【0079】
黒色の永久マーカーを使用して、試験片積層体の幅方向に5mmの線462(図10及び図11)をマークする。この黒色マーカーは、エラストマー積層体の下地要素の弾性ストランド318が黒化されるように十分に濃く塗布される。線は、ストレッチボードの長さ方向に延びており、ストレッチボード400の中央に位置し、長さ方向に延びている2コースのフック材料402の間の12mmのギャップの中心にある。次いで、ユーティリティナイフ又はかみそり刃を使用して、この5mm幅の線462の中心で中心線404に沿って積層体を切断する。次いで、切断した試験片積層体が付着されているストレッチボード400を38℃のオーブン内に120分間置いた。
【0080】
測定及び分析
ストレッチボード400は、120分間オーブンに入れた後、図11に示すように、取り出し、直ちに分析する。開始の伸張位置から有意なクリープを起こした弾性ストランド318の端部は、中心線404から離れる方向に移動した黒色ドット452としてはっきり表れる。切断縁部472から変位黒色ドットの各々までの幅方向の距離(距離「C」)をミリメートル単位で記録する。全部において、5つの同様のエラストマー積層体試験片複製物をこのように分析する。5つの複製試験片の間の記録された変位距離の算術平均を計算し、「積層体クリープ」としてミリメートル単位で報告する。
【0081】
静的剥離力時間試験方法(「静的剥離力時間」)
静的剥離力時間試験方法は、エラストマー積層体が一定荷重下の固定温度においておよそ180°の剥離形状で完全に層間剥離するのに必要な時間を決定するために使用される。剥離は、剥離の亀裂がエラストマー積層体の弾性ストランドと平行に伝播するように行われる。代表的なサンプルエラストマー積層体の複数の試験片が、ロールストック(利用可能な場合)又は1つ以上の使い捨て吸収性物品から取得され、静的剥離力時間を確立するために分析される。
【0082】
サンプルの調製
エラストマー積層体がロールストックで利用可能である場合、機械方向が27mm、横断方向が25.4ある10個の試験片を平衡化ロールストックからランダムに取得する。
例示的な積層体がロールストックとして利用できない場合、積層体試験片は、1つ以上の完成した使い捨て吸収性物品から切り取る。この場合、試験片は、弾性ストランドの方向に平行な長さが27mm、弾性ストランドの方向に垂直な長さが25.4mmなければならない。
【0083】
各試験片について、積層体の不織布層は、弾性ストランドに平行な方向で10~15mmだけ手動で引き剥がす。(不織布の分離を可能にするために、フリースプレーが極めて局所的に使用され得る。)各複製物について、弾性ストランドの方向に平行な残りの結合領域の寸法を1mm単位で測定し、記録する。
【0084】
剥離分析の試験片がどこから供給されるかに関係なく、積層体の縁部の結合されていない層の各々を、直径2mm及び長さ約40mmの小さな丸い木製ダボロッドに別々に折り重ね、巻き付けられたダボを、幅2インチのダブルクリップで固定する。材料が滑ることも、クリップから抜け出すこともないように、巻き付けられたダボ上にクリップを配置し、材料の二つ折りされた層に固定する。
【0085】
測定
クリップが取り付けられた状態で、試験前に約2時間、試験片をプレコンディショニングされたインキュベーションチャンバ(38±1℃)内に入れる。2時間後、各サンプルを片方の積層体層に取り付けられたクリップによってチャンバ内に吊るし、重りを他方の積層体層のクリップに取り付けて吊り下げる。吊り下げられている重り、ダブルクリップ、及びダボの総質量は、200±2gである。
【0086】
積層体全体が剥離し得、いくらかの残りの距離を通って重りがチャンバの底部に自由に落下することができるように、取り付けられた重りの底部がチャンバの底部の上方の十分な高さに位置するように各試験片を吊るす。タイマーを使用して、吊り下げ重りを取り付ける時間と、試験積層体の接合領域が完全に層間剥離する時間との間の時間を測定する。
各試験片について、この破損までの時間を分単位で記録する。
【0087】
分析及び報告
各試験片について、破損までの時間を10mmの結合寸法に正規化して、試験片の正規化された吊り下げ時間を確立し、各試験片について分単位で記録する。
【0088】
【数2】
【0089】
10個の試験片の正規化された吊り下げ時間値の算術平均を計算し、静的剥離力時間として分単位で報告する。
【0090】
平均デシテックス(「平均Dtex」)
平均デシテックス法を使用して、完全な物品中に又は物品から抽出された対象の試験片中に存在する弾性繊維についての平均Dtexを、長さ加重ベースで計算する。デシテックス値は、弛緩状態のその材料10,000メートル中に存在する繊維の、グラム単位の質量である。弾性繊維又は弾性繊維を含有するエラストマー積層体のデシテックス値は、弾性繊維又は弾性繊維を含むエラストマー積層体の仕様の一部として製造業者によって報告されることが多い。平均Dtexは、入手可能であればこれらの仕様から計算することができる。あるいは、これらの指定される値が知られていない場合は、個々の弾性繊維のデシテックス値は、走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy、SEM)などの好適な顕微鏡技法を介して弛緩状態の繊維の断面積を決定し、フーリエ変換赤外(Fourier Transform Infrared、FT-IR)分光法を介して繊維の組成を決定し、次いで組成物の密度に関する文献値を使用して、10,000メートルの繊維中に存在する繊維のグラム単位の質量を計算することによって、測定される。製造業者が提供する又は実験によって測定される、完全な物品又は物品から抽出された試料から取り外された個々の弾性繊維についてのデシテックス値を、後述の式において使用し、この式において、存在する弾性繊維間のデシテックス値の長さ加重平均が決定される。
【0091】
物品又は物品から抽出された試料中に存在する弾性繊維の長さはそれぞれ、既知であれば、構成要素を有する物品の構成要素又は試料の全体寸法と、構成要素を有する物品の構成要素又は試料と関連付けられた弾性繊維予ひずみ比と、から計算される。あるいは、寸法及び/又は弾性繊維予ひずみ比は既知ではなく、吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料は分解され、全ての弾性繊維が取り外される。この分解は、例えば、接着剤を軟化させるために穏やかに加熱して、低温スプレー(例えばコネティカット州DanburyのMiller-Stephenson CompanyのQuick-Freeze(登録商標))を用いて、又は、接着剤を除去するが弾性繊維を膨張、改変、若しくは破壊しない適切な溶剤を用いて、行うことができる。弛緩状態の各弾性繊維の長さを測定し、ミリメートル(mm)単位で最も近いmmまで記録する。
【0092】
平均Dtexの計算
吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試験片中に存在する、弛緩長さL及び繊維デシテックス値d(製造者の仕様から取得するか実験によって測定するかのいずれか)である個々の弾性繊維fの各々について、その吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試験片の平均Dtexは、以下のように定義される:
【0093】
【数3】
式中、nは、吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料中に存在する弾性繊維の総数である。平均Dtexは、デシテックスの整数値単位(グラム/10000m)で報告される。
【0094】
任意の個々の繊維のデシテックス値が仕様から知られていない場合は、以下に記載するように実験によって決定し、結果として得られる繊維デシテックス値を上式で使用して、平均Dtexを決定する。
【0095】
実験による繊維のデシテックス値の決定
上記の手順に従って吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料から取り出された弾性繊維のそれぞれについて、各弾性繊維Lの弛緩状態の長さを測定し、ミリメートル(mm)で最も近いmmまで記録する。各弾性繊維は、その組成を決定するために、FT-IR分光法を介して分析され、その密度ρは利用可能な文献値から決定される。最後に、各繊維をSEMを介して分析する。繊維を、鋭い刃を用いてその長さに沿って垂直に3つのほぼ等しい位置で切断して、SEM分析のためのきれいな断面を作り出す。これらの断面が露出した3つの繊維切片を、SEMサンプルホルダー上に弛緩状態で装着し、金でスパッタコーティングし、SEM内に導入して分析し、繊維断面を明確に解明するのに十分な解像度で撮像する。測定された断面における何らかの斜めのひずみを最小限にするために、繊維断面を検出器に対して可能な限り垂直に向ける。繊維断面の形状は様々であり得、繊維によっては複数の個々のフィラメントから成るものもあり得る。いずれにせよ、3つの繊維断面の各々の面積が(例えば、円形繊維の直径、楕円形繊維の長軸及び短軸、及びより複雑な形状の画像分析を使用して)決定され、弾性繊維の3つの面積aの平均が、平方マイクロメートル(μm)を単位として、0.1μm単位で記録される。測定されたk番目の弾性繊維のデシテックスdは以下によって計算される:
【0096】
【数4】
式中、dの単位は(計算された長さ10,000メートル当たりの)グラム数であり、aの単位はμmであり、ρの単位はグラム/立方センチメートル(g/cm)である。分析された任意の弾性繊維について、実験によって決定されたL値及びd値は、後から上記の平均Dtexに関する式において使用される。
【0097】
平均ストランド間隔
認定されたNIST定規に対して較正された0.5mm単位まで正確な定規を使用して、あるセクション内の2つの遠位のストランドの間の距離を0.5mm単位で測定し、次いでそのセクション内のストランドの数-1で割る。
平均ストランド間隔=d/(n-1)(式中、n>1)
0.1mm単位で報告する。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ又は吸収性パンツの形態の使い捨て吸収性物品であって、液体透過性トップシート(138)と、液体不透過性バックシート(136)と、前記液体透過性トップシート(138)と前記液体不透過性バックシート(136)との間に配設された吸収性コア(140)と、を備え、
エラストマー積層体(302)であって、互いに離間配置され、かつ接着剤(350)によって不織布ウェブ材料(306)と接合された複数の弾性ストランド(318)を含む、エラストマー積層体(302)を備え、
前記弾性ストランド(318)はストランドポリマーを含み、前記ストランドポリマーは、18MPa1/2~18.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有し、
前記接着剤(350)は接着剤ポリマーを含み、前記接着剤ポリマーは、16MPa1/2~17.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータを有し、
前記弾性ストランド(318)及び/又は前記接着剤(350)は制御層を含み、前記制御層は、15.5MPa1/2~16.5MPa1/2の範囲内の溶解度パラメータと、0.6kg/mol~1.5kg/molの範囲内の数平均分子量とを有
前記弾性ストランドは、10~500の平均Dtexを有し、
前記制御層の前記数平均分子量が、前記ストランドポリマー及び前記接着剤ポリマーの各々の分子量よりも低い、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記制御層と前記ストランドポリマーとの間のχN値が2より大きく、前記制御層と前記接着剤ポリマーとの間のχN値が2未満であり、ここで、Nは前記制御層の重合度であり、χはフローリー・ハギンズ相互作用パラメータである、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記ストランドポリマーが、18.3MPa1/2の溶解度パラメータを有する、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記エラストマー積層体が積層体クリープ試験に供されるとき、前記エラストマー積層体は、5ミリメートル以下の積層体クリープを有する、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記エラストマー積層体が、700分/10mmを超える静的剥離力時間を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
38℃の前記接着剤が、38℃かつ1Hzにおいて0.1MPaの平坦部弾性率を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
室温の前記弾性ストランドの引張弾性率が、5MPa~15MPaの範囲内である、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記弾性ストランドを含む前記エラストマー積層体が、ベルト、耳部、サイドパネル、カフ、ウエストバンド、バックシート、及びトップシートからなる群から選択される使い捨て物品構成要素の少なくとも一部を形成する、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記制御層が鉱油である、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記鉱油がパラフィン系鉱油である、請求項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記制御層が、白色鉱油、ポリイソプレン、及びポリブタジエンのいずれかを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
前記制御層が合成油である、請求項1~のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項13】
前記制御層が石鹸を含み、前記石鹸がステアリン酸マグネシウムである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項14】
前記ストランドポリマーがセグメント化ポリウレタンを含み、前記接着剤ポリマーが、スチレン系のブロックコポリマーを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【外国語明細書】