(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129172
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】売上データ処理装置、注文受付方法、プログラム及び注文受付システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038195
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 朗
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC23
5L050CC23
(57)【要約】
【課題】不適切な注文の受け付けを防止する。
【解決手段】売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信部14を介して、顧客が所有する携帯端末20との通信接続を行い、携帯端末20との間で上記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、携帯端末20が所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に存するか否かを判別し、携帯端末20が所定エリアに存すると判別された場合に、携帯端末20からの注文情報を受け付ける。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が所有する携帯端末との通信接続を行う接続手段と、
前記携帯端末との間で前記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、前記携帯端末が所定エリアに存するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存すると判別された場合に、前記携帯端末からの注文情報を受け付ける受付手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存しないと判別された場合、前記携帯端末からの注文情報を受け付けない、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
前記通信接続が行われた前記携帯端末に対して情報を送信する送信制御手段を備え、
前記送信制御手段は、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存しないと判定された場合、前記携帯端末からの注文情報が受け付けられなかった旨のメッセージ情報を、前記携帯端末に対して送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
前記所定エリアには、前記顧客が使用する座席が設けられた第1エリアが含まれ、
前記受付手段は、
前記判別手段により前記携帯端末が前記第1エリアに存すると判別された場合、前記携帯端末からの注文情報を受け付けるとともに、当該携帯端末が存する前記座席を示す座席位置情報を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
前記通信接続が行われた前記携帯端末に対して情報を送信する送信制御手段を備え、
前記送信制御手段は、
前記受付手段により前記注文情報が受け付けられた場合、前記注文情報が受け付けられたことを示す受付完了情報を、前記携帯端末に対して送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項6】
前記接続手段は、
前記送信制御手段により前記受付完了情報が送信された後、前記携帯端末との前記通信接続を切断する、
ことを特徴とする請求項5に記載の売上データ処理装置。
【請求項7】
前記所定エリアには、前記顧客が使用する座席が設けられた第1エリアの空席を待つための第2エリアが含まれ、
前記送信制御手段は、
前記判別手段により前記携帯端末が前記第2エリアに存すると判別された場合、前記第1エリアの座席に着いた際に前記注文情報を送信するように指示するメッセージ情報を、前記携帯端末に対して送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の売上データ処理装置。
【請求項8】
前記受付手段により前記注文情報が受け付けられた場合に、前記注文情報に係る注文レシートを発行する発行手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項9】
顧客が所有する携帯端末との通信接続を行う接続工程と、
前記携帯端末との間で前記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、前記携帯端末が所定エリアに存するか否かを判別する判別工程と、
前記判別工程により前記携帯端末が前記所定エリアに存すると判別された場合に、前記携帯端末からの注文情報を受け付ける受付工程と、
を含むことを特徴とする注文受付方法。
【請求項10】
売上データ処理装置のコンピュータを、
顧客が所有する携帯端末との通信接続を行う接続手段、
前記携帯端末との間で前記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、前記携帯端末が所定エリアに存するか否かを判別する判別手段、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存すると判別された場合に、前記携帯端末からの注文情報を受け付ける受付手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
売上データ処理装置と、顧客が所有する携帯端末と、を備えた注文受付システムであって、
前記売上データ処理装置は、
顧客が所有する携帯端末との通信接続を行う売上データ処理装置側接続手段と、
前記携帯端末との間で前記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、前記携帯端末が所定エリアに存するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存すると判別された場合に、前記携帯端末からの注文情報を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記顧客の操作に基づいて前記注文情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により前記注文情報が生成された場合に、前記売上データ処理装置との通信接続を行う携帯端末側接続手段と、
前記売上データ処理装置との間で前記通信接続が行われた場合に、前記注文情報を送信する注文情報送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする注文受付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置、注文受付方法、プログラム及び注文受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ端末を利用してユーザが操作入力した料理の注文に係る情報を店舗端末に送信するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているシステムでは、ユーザが個人的に持っているスマートフォンを上記のユーザ端末として利用することができる。このため、料理の注文を行う際に、ユーザが所有するスマートフォンを利用できた場合、店舗に居るようにみせかけていたずらで注文が行われ、当該注文が受け付けられてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、不適切な注文の受け付けを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る売上データ処理装置は、
顧客が所有する携帯端末との通信接続を行う接続手段と、
前記携帯端末との間で前記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、前記携帯端末が所定エリアに存するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記携帯端末が前記所定エリアに存すると判別された場合に、前記携帯端末からの注文情報を受け付ける受付手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不適切な注文の受け付けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】売上データ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】注文受付システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図5】注文受付処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図9】第1の注文受領通知が行われた際に携帯端末の表示部に表示される注文受領通知画面の例を示す図である。
【
図10】第2の注文受領通知が行われた際に携帯端末の表示部に表示される注文受領通知画面の例を示す図である。
【
図11】エラー通知が行われた際に携帯端末の表示部に表示されるエラー通知画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<注文受付システムの構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の注文受付システム100の概略構成図である。
この注文受付システム100は、当該システムを導入した小規模の飲食店舗において、顧客が所有する携帯端末20(後述)により行われた注文(セルフオーダー)を、売上データ処理装置10(後述)で受け付けるシステムである。
【0011】
図1に示すように、注文受付システム100は、売上データ処理装置10と、携帯端末20と、を備える。売上データ処理装置10は、携帯端末20とBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)による近距離無線通信によって接続が行われるようになっている。なお、
図1では1台の携帯端末20が示されているが、携帯端末20の台数は特に限定されない。
【0012】
売上データ処理装置10は、店舗に設置されて会計に用いられるECR等であり、店舗従業員(売上データ処理装置10のオペレータ)の入力操作に応じて商取引の売上に係る売上データを登録する装置である。
【0013】
携帯端末20は、例えば、スマートフォン等の携帯型端末機器であって、上記店舗に来店した顧客が所有する携帯型端末機器である。携帯端末20は、売上データ処理装置10との間でBLEによる近距離無線通信によって接続が行われるようになっている。
【0014】
<売上データ処理装置の構成>
次に、
図2を参照して、売上データ処理装置10の機能構成について説明する。
図2は、売上データ処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、売上データ処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、近距離無線通信部14と、入力部15と、本体表示部161と、顧客用表示部162と、印刷部17と、ドロア18と、を備える。売上データ処理装置10の各部は、バス19により接続されている。
【0016】
CPU(接続手段(売上データ処理装置側接続手段)、判別手段、受付手段、送信制御手段)11は、売上データ処理装置10の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0017】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0018】
記憶部13は、CPU11により実行されるプログラムや設定データといった各種データを記憶する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの、データの保持に電源を要しない記憶装置が用いられる。
【0019】
近距離無線通信部14は、アンテナを複数有するアレイアンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、携帯端末20の近距離無線通信部26との間でBLEによる無線データ通信(以下、BLE通信と称す)を行う。
【0020】
入力部15は、数字キーや各種機能キー等を備え、店舗従業員によるキー入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。入力部15は、例えば、売上データの登録時に、数字キー、部門キー等へのキー入力を受け付ける。
【0021】
本体表示部161は、売上データ処理装置10を操作する店舗従業員が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。本体表示部161は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等により構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0022】
顧客用表示部162は、商品を購入した顧客が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。顧客用表示部162は、LCD、ELディスプレイ等により構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0023】
印刷部(発行手段)17は、CPU11から出力された制御信号に従い、レシートやジャーナルなどを用紙に印刷して出力する。
【0024】
ドロア18は、金銭、商品券等を格納する引き出しであり、CPU11による制御下で開放する開放機構を有する。
【0025】
<携帯端末の構成>
次に、
図3を参照して、携帯端末20の機能構成について説明する。
図3は、携帯端末20の機能構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、携帯端末20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、近距離無線通信部26と、通信部27と、を備える。携帯端末20の各部は、バス28により接続されている。
【0027】
CPU(生成手段、携帯端末側接続手段、注文情報送信手段)21は、携帯端末20の各部を制御するプロセッサである。CPU21は、記憶部23に記憶されたプログラムを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0028】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM22は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0029】
記憶部23は、CPU21により実行されるプログラム(例えば、店舗アプリ231)や設定データといった各種データを記憶する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。記憶部23としては、例えばHDD、SSD、フラッシュメモリなどが用いられる。
【0030】
記憶部23に格納されたプログラムには、店舗アプリ231が含まれている。店舗アプリ231は、上述の飲食店舗に関する情報やクーポン等を提供したり当該飲食店舗での注文(セルフオーダー)を行ったりすることができるアプリとなっている。また、店舗アプリ231は、顧客の個人情報や決済方法等を登録しなくてもインストールできるようになっている。
【0031】
操作部24は、携帯端末20本体に設けられた電源ボタン(図示省略)やホームボタン(図示省略)、表示部25上に設けられる図示しないタッチセンサ等を有して構成され、ユーザの入力操作を受け付けて、その操作情報をCPU21に出力する。
【0032】
表示部25は、LCD、ELディスプレイ等で構成され、CPU21から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0033】
近距離無線通信部26は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、売上データ処理装置10の近距離無線通信部14との間でBLE通信を行う。
【0034】
通信部27は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、通信ネットワーク(図示省略)に接続されている基地局やアクセスポイント等と無線電波により情報の送受信を行い、通信ネットワーク上の機器との通信を行う。
【0035】
<注文受付システムの動作>
次に、
図4を参照して、注文受付システム100の動作について説明する。
図4は、注文受付システム100の動作を示すシーケンス図である。
【0036】
図4に示すように、まず、売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信部14を介してBLE通信が可能な範囲に携帯端末20が存するか否かを判定する(ステップS1)。ここで、BLE通信が可能な範囲は、
図6に示すように、飲食店舗内のカウンターに設置された売上データ処理装置10を中心とした半径15m(通信可能距離)の範囲であり、店舗内での最大距離は10mであるものとする。つまり、
図6に示されている注文受付システム100を導入した飲食店舗では、店舗内全域をBLE通信が可能な範囲とすることができるが、店外でも売上データ処理装置10から15mの範囲であればBLE通信が可能となっている。また、ステップS1の判定対象となるのは、店舗アプリ231が事前にインストールされている携帯端末20であって、Bluetooth機能がONに設定されている携帯端末20である。
【0037】
ステップS1において、BLE通信が可能な範囲に携帯端末20が存しないと判定された場合(ステップS1;NO)、売上データ処理装置10のCPU11は、当該範囲に携帯端末20が存するまでの間、ステップS1の判定処理を繰り返し行う。
【0038】
また、ステップS1において、BLE通信が可能な範囲に携帯端末20が存すると判定された場合(ステップS1;YES)、売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信部14のビーコン機能を利用して、当該携帯端末20に対して店舗アプリ231の起動を促すプッシュ通知を行う(ステップS2)。このとき、売上データ処理装置10のCPU11は、上記のプッシュ通知ととともに、自装置のBD(Bluetooth Device)アドレスを通知する。
【0039】
次いで、上記のプッシュ通知を受けた携帯端末20のCPU21は、操作部24を介して店舗アプリ231を起動させる所定の操作がなされたことを契機として、店舗アプリ231を起動する(ステップS3)。
【0040】
次いで、携帯端末20のCPU21は、操作部24を介してオーダーメニュー画面を表示部25に表示させる所定の操作がなされたことを契機として、当該表示部25にオーダーメニュー画面41を表示させる(ステップS4)。
【0041】
図7は、オーダーメニュー画面41の例を示す図である。
図7に示すように、オーダーメニュー画面41は、メニュー表示部411、前ページボタン412、次ページボタン413、戻るボタン414、確認ボタン415等によって構成されている。また、オーダーメニュー画面41には、所定のメッセージ情報(例えば、“注文する商品を選択して下さい 商品が決まったら確認ボタンを押して下さい”)416が表示されている。
【0042】
メニュー表示部411には、商品ごとに、対応商品の商品名と値段とが表記された選択ボタン411Aが表示されるようになっている。また、メニュー表示部411には、複数のページに亘って各商品に対応する選択ボタン411Aが表示されるようになっている。この選択ボタン411Aの操作を行うことにより、当該選択ボタン411Aに対応する商品の選択がなされるようになっている。なお、
図7では、商品“コーヒー”に対応する選択ボタンにのみ符号“411A”を付し、それ以外の選択ボタンへの符号“411A”の付加を省略している。
【0043】
前ページボタン412は、メニュー表示部411に表示されているページを前ページに切り替えるためのボタンである。
次ページボタン413は、メニュー表示部411に表示されているページを次ページに切り替えるためのボタンである。
【0044】
戻るボタン414は、表示部25に所定の画面(例えば、メイン画面)を表示させるためのボタンである。
確認ボタン415は、注文商品(選択商品)の確認を行う際に操作されるボタンである。
【0045】
図4の注文受付システム100の動作の説明に戻り、携帯端末20のCPU21は、オーダーメニュー画面41において、確認ボタン415の操作がなされたか否かを判定する(ステップS5)。
【0046】
ステップS5において、確認ボタン415の操作がなされていないと判定された場合(ステップS5;NO)、携帯端末20のCPU21は、確認ボタン415の操作がなされるまでの間、ステップS5の判定処理を繰り返し行う。
【0047】
また、ステップS5において、確認ボタン415の操作がなされたと判定された場合(ステップS5;YES)、携帯端末20のCPU21は、表示部25に選択確認画面42を表示させる(ステップS6)。
【0048】
図8は、選択確認画面42の例を示す図である。
図8に示すように、選択確認画面42は、選択商品表示部421、商品点数表示部422、戻るボタン423、決定ボタン424等によって構成されている。また、選択確認画面42には、所定のメッセージ情報(例えば、“注文を確定する場合は決定ボタンを押して下さい”)425が表示されている。
【0049】
選択商品表示部421には、オーダーメニュー画面41において選択された商品(例えば、“チーズケーキ”、“コーヒー”、“モンブラン”)ごとに、対応商品の商品名、注文数(点数)、値段がそれぞれ表示されるようになっている。
【0050】
商品点数表示部422には、オーダーメニュー画面41において選択された全商品の合計注文数(合計点数)と合計金額とが表示されるようになっている。
【0051】
戻るボタン423は、表示部25にオーダーメニュー画面41を表示させるためのボタンである。
決定ボタン424は、注文商品が決まった際に操作されるボタンである。
【0052】
図4の注文受付システム100の動作の説明に戻り、携帯端末20のCPU21は、選択確認画面42において、決定ボタン424の操作がなされたか否かを判定する(ステップS7)。
【0053】
ステップS7において、決定ボタン424の操作がなされていないと判定された場合(ステップS7;NO)、携帯端末20のCPU21は、決定ボタン424の操作がなされるまでの間、ステップS7の判定処理を繰り返し行う。
【0054】
また、ステップS7において、決定ボタン424の操作がなされたと判定された場合(ステップS7;YES)、携帯端末20のCPU21は、ステップS2でプッシュ通知が行われた際に通知された売上データ処理装置10のBDアドレスに基づいて、当該売上データ処理装置10と近距離無線通信(BLE)による通信接続を行う(ステップS8、ステップS9)。
【0055】
次いで、携帯端末20のCPU21は、近距離無線通信部26を介して、注文情報、すなわち決定ボタン424の操作がなされた際に選択確認画面42(
図8参照)の選択商品表示部421及び商品点数表示部422に表示されていた各情報を売上データ処理装置10に対して送信する(ステップS10)。そして、携帯端末20のCPU21は、注文受付システム100の動作に係る処理を終了する。
【0056】
次いで、売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信部14を介して、上記の注文情報を受信する(ステップS11)。
【0057】
次いで、売上データ処理装置10のCPU11は、ステップS11で受信した注文情報に基づいて、注文受付処理(ステップS12)を実行する。そして、売上データ処理装置10のCPU11は、注文受付システム100の動作に係る処理を終了する。なお、注文受付処理の詳細については後述する。
【0058】
[注文受付処理]
次に、
図5を参照して、売上データ処理装置10により実行される注文受付処理について説明する。
図5は、注文受付処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0059】
図5に示すように、注文受付処理が開始されると、まず、売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信(BLE)による通信接続が行われた携帯端末20の位置を判別する(ステップS21)。具体的には、CPU11は、上記の携帯端末20から受信する電波の強度に基づいて、当該携帯端末20までの距離を導出するとともに、近距離無線通信部14が有する上述のアレイアンテナを用い、上記の携帯端末20から電波を受信したときに検知されるアンテナごとの位相情報に基づいて、当該携帯端末20までの方位を導出する。そして、CPU11は、導出された上記携帯端末20までの距離と、当該携帯端末20までの方位と、から当該携帯端末20の位置を判別する。なお、上述した携帯端末20までの方位の導出方法については、公知の技術(例えば、Bluetooth 5.1の方向検知機能等)であるため、その詳細な説明については省略する。
【0060】
ここで、上記の携帯端末20の位置の判別について詳しく説明する。
本実施形態において、売上データ処理装置10のCPU11は、上述した携帯端末20までの距離と方位とに基づいて、
図6に示すように、この携帯端末20の位置が、顧客が使用する座席が設けられた店舗内(第1エリア;図中の背景がドットで示されている領域)、座席待ち領域(第2エリア;図中の背景が右上がり斜線で示されている領域)、注文不可領域(図中の背景が縦線で示されている領域)の3つの領域のうちのいずれの領域にあるかを判別する。ここで、座席待ち領域は、店舗内の座席が空くのを待つための領域であって、店舗の外に設定された領域である。注文不可領域は、売上データ処理装置10を中心とした半径15m(通信可能距離)の範囲のうち上記店舗内(第1エリア)と上記座席待ち領域(第2エリア)を除いた店舗外の領域となっている。つまり、注文不可領域では、売上データ処理装置10からの上述したプッシュ通知を受けた携帯端末20が当該売上データ処理装置10に対して注文情報を送信することが可能となっているが、当該注文情報が売上データ処理装置10で受け付けられないようになっている。一方、店舗内(第1エリア)と座席待ち領域(第2エリア)とで構成される領域(所定エリア)では、携帯端末20からの注文情報が売上データ処理装置10で受け付けられるようになっている。また、携帯端末20の位置が店舗内(第1エリア)にあると判別された場合には、当該位置から最も近い座席に着席しているものとして当該携帯端末20からの注文情報を受け付ける。具体的には、携帯端末20からの注文情報を受け付けるとともに、当該携帯端末20が存する座席を示す座席位置情報を受け付ける。なお、携帯端末20の位置が店舗内(第1エリア)にあると判別された場合であっても、当該携帯端末20の位置が座席から所定の距離以上離れている場合には、座席待ち領域(第2エリア)にあるものとみなして注文情報を受け付けるようにしてもよい。このように、本実施形態では、近距離無線通信(BLE)による通信接続が行われた携帯端末20の位置を、当該携帯端末20までの距離と方位とで判別することで、店舗内(第1エリア)と座席待ち領域(第2エリア)からの注文受付を柔軟に行えるようになっている。
【0061】
図5の注文受付処理の説明に戻り、CPU11は、ステップS21の判別処理に基づいて、上記携帯端末20の位置が店舗内(第1エリア)であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0062】
ステップS22において、上記携帯端末20の位置が店舗内(第1エリア)であると判定された場合(ステップS22;YES)CPU11は、近距離無線通信部14を介して、上記携帯端末20に対して第1の注文受領通知を行う(ステップS23)。続けて、CPU11は、上記携帯端末20より受信した注文情報に係る注文レシート(図示省略)を印刷部17に印刷させる(ステップS26)。そして、CPU11は、処理をステップS28に進める。
【0063】
図9は、第1の注文受領通知が行われた際に携帯端末20の表示部25に表示される注文受領通知画面43の例を示す図である。
図9に示すように、注文受領通知画面43は、選択商品表示部431、商品点数表示部432、閉じるボタン433等によって構成されている。また、注文受領通知画面43には、所定のメッセージ情報(例えば、“注文を受け付けました”)434が表示されている。なお、このメッセージ情報434には、他の注文との識別を可能とするための受付番号が付加されるようにしてもよい。
【0064】
選択商品表示部431には、オーダーメニュー画面41(
図7参照)において選択された商品(例えば、“チーズケーキ”、“コーヒー”、“モンブラン”)ごとに、対応商品の商品名、注文数(点数)、値段がそれぞれ表示されるようになっている。
【0065】
商品点数表示部432には、オーダーメニュー画面41(
図7参照)において選択された全商品の合計注文数(合計点数)と合計金額とが表示されるようになっている。
【0066】
閉じるボタン433は、注文受領通知画面43を閉じるためのボタンである。
【0067】
図5の注文受付処理の説明に戻り、ステップS22において、上記携帯端末20の位置が店舗内(第1エリア)ではないと判定された場合(ステップS22;NO)CPU11は、上記携帯端末20の位置が飲食店舗の外の座席待ち領域(第2エリア)であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0068】
ステップS24において、上記携帯端末20の位置が飲食店舗の外の座席待ち領域(第2エリア)であると判定された場合(ステップS24;YES)、CPU11は、近距離無線通信部14を介して、上記携帯端末20に対して第2の注文受領通知を行う(ステップS25)。続けて、CPU11は、上記携帯端末20より受信した注文情報に係る注文レシート(図示省略)を印刷部17に印刷させる(ステップS26)。そして、CPU11は、処理をステップS28に進める。
【0069】
図10は、第2の注文受領通知が行われた際に携帯端末20の表示部25に表示される注文受領通知画面44の例を示す図である。
図10に示すように、注文受領通知画面44は、選択商品表示部441、商品点数表示部442、決定ボタン443等によって構成されている。また、注文受領通知画面44には、所定のメッセージ情報(例えば、“受付番号16で注文を受け付けました 着席時に再度決定ボタンを押して下さい”)444が表示されている。
【0070】
選択商品表示部441には、オーダーメニュー画面41(
図7参照)において選択された商品(例えば、“チーズケーキ”、“コーヒー”、“モンブラン”)ごとに、対応商品の商品名、注文数(点数)、値段がそれぞれ表示されるようになっている。
【0071】
商品点数表示部442には、オーダーメニュー画面41(
図7参照)において選択された全商品の合計注文数(合計点数)と合計金額とが表示されるようになっている。
【0072】
決定ボタン443は、顧客が飲食店舗内のいずれかの座席に着いたした際に操作するボタンである。この決定ボタン443を操作することにより、売上データ処理装置10との間で近距離無線通信(BLE)による通信接続が再度行われ、売上データ処理装置10の側で当該決定ボタン443の操作が行われた携帯端末20の位置が判別されるようになっている。
なお、決定ボタン443の操作が行われなかった場合であっても上述のメッセージ情報444に表示された受付番号(例えば“受付番号16”)により注文を識別することが可能となっている。
【0073】
図5の注文受付処理の説明に戻り、ステップS24において、上記携帯端末20の位置が飲食店舗の外の座席待ち領域(第2エリア)ではないと判定された場合、すなわち、注文不可領域であると判定された場合(ステップS24;NO)、CPU11は、近距離無線通信部14を介して、上記携帯端末20に対してエラー通知を行う(ステップS27)。そして、CPU11は、処理をステップS28に進める。
【0074】
図11は、エラー通知が行われた際に携帯端末20の表示部25に表示されるエラー通知画面45の例を示す図である。
図11に示すように、エラー通知画面45は、当該エラー通知画面45を閉じるための閉じるボタン451等によって構成されている。また、エラー通知画面45には、所定のメッセージ情報(例えば、“注文可能なエリアからの注文ではないため注文をお受けできません 詳しくは店員にお尋ね下さい”)452が表示されている。
本実施形態では、携帯端末20において店舗アプリ231を利用して商品が注文される際に、顧客の個人情報や決済方法等の登録が不要であるため、不適切な注文がなされるおそれを有しているが、上記のように携帯端末20の位置が注文不可領域であると判定された場合、当該携帯端末20に対してエラー通知が行われ、注文が受け付けられないようになっているので、顧客の個人情報や決済方法等の登録を不要にしながらも不適切な注文を排除することができるようになっている。
【0075】
図5の注文受付処理の説明に戻り、ステップS26において、注文情報に係る注文レシート(図示省略)を印刷部17に印刷させた後、又は、ステップS27において、上記携帯端末20に対してエラー通知を行った後、CPU11は、上記携帯端末20との間の近距離無線通信(BLE)による通信接続を切断する(ステップS28)。そして、CPU11は、注文受付システム100の動作に係る処理(
図4参照)に戻り、当該処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、売上データ処理装置10のCPU11は、近距離無線通信部14を介して、顧客が所有する携帯端末20との通信接続を行い、携帯端末20との間で上記通信接続が行われた際の通信電波の状況に基づいて、携帯端末20が所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に存するか否かを判別し、携帯端末20が所定エリアに存すると判別された場合に、携帯端末20からの注文情報を受け付ける。ここで、携帯端末20からの注文情報を受け付けるとは、売上データ処理装置10のCPU11が、当該注文情報を厨房の調理スタッフに対して調理指示を行うための通知情報として記憶部13に記憶させること、又は、当該注文情報を会計対象の情報としてデータベース(図示省略)に記憶させること等を意味する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に居る顧客からの注文を受け付けるようにしているので、不適切な注文の受け付けを防止することができる。
また、売上データ処理装置10によれば、近距離無線通信部14を介して、携帯端末20との通信接続を行い、注文情報のやりとりを行うことができる。この結果、インタネット経由でクラウドサーバ等に接続する必要がないので、注文受付システム100のコストダウンを図ることができる。
【0077】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20が所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に存しないと判別された場合、携帯端末20からの注文情報を受け付けない。
したがって、売上データ処理装置10によれば、所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に居る顧客だけを対象として注文を受け付けるようにすることができるので、不適切な注文の受け付けを好適に防止することができる。
【0078】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20が所定エリア(店舗内(第1エリア)又は座席待ち領域(第2エリア))に存しないと判定された場合、携帯端末20からの注文情報が受け付けられなかった旨のメッセージ情報(例えば、メッセージ情報452;
図11参照)を、携帯端末20に対して送信する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20に対して上記メッセージ情報を送信することで、携帯端末20から注文が正しく行われるように誘導することができる。
【0079】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20が店舗内(第1エリア)に存すると判別された場合、携帯端末20からの注文情報を受け付けるとともに、当該携帯端末20が存する座席を示す座席位置情報を受け付ける。
したがって、売上データ処理装置10によれば、注文情報とともに座席位置情報を受け付けることによって、顧客への注文商品の運搬を円滑に行うことができる。
【0080】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、注文情報が受け付けられた場合、当該注文情報が受け付けられたことを示す受付完了情報(例えば、メッセージ情報434;
図9参照)を、携帯端末20に対して送信する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20に対して上記受付完了情報を送信することで、注文が通っているのかという顧客の不安を取り除くことができる。
【0081】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、上記受付完了情報が送信された後、近距離無線通信部14を介した携帯端末20との通信接続を切断する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20との通信接続は、携帯端末20より送信された注文情報を受信し、上記受付完了情報を当該携帯端末20に送信する間だけでよいので、携帯端末20を利用したセルフオーダーを行う顧客が多数居る場合であっても、各顧客が所有する携帯端末20との通信接続を円滑にすることができる。
【0082】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末が座席待ち領域(第2エリア)に存すると判別された場合、店舗内(第1エリア)の座席に着いた際に注文情報を送信するように指示するメッセージ情報(例えば、メッセージ情報444;
図10参照)を、携帯端末20に対して送信する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、顧客が店舗内(第1エリア)の座席に着いた際に注文情報が再度送信されることにより、このときの通信電波の状況に基づいて、携帯端末20の位置を判別することができるので、携帯端末20が存する座席を特定することができるようになる。
この結果、座席待ち領域(第2エリア)からでも携帯端末20を利用したセルフオーダーを行うことができるので、当該携帯端末20の所有者である顧客のもとへ注文商品が提供されるまでの時間を短縮することができる。
【0083】
また、売上データ処理装置10は、注文情報が受け付けられた場合に、当該注文情報に係る注文レシートを発行(印刷)する印刷部(発行手段)17を備える。
したがって、売上データ処理装置10によれば、注文情報が受け付けられた場合に、印刷部17により当該注文情報に係る注文レシートが発行(印刷)されるので、オーダーミスを抑制することができる。
【0084】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、注文受付処理(
図5参照)のステップS24において、携帯端末20の位置が飲食店舗の外の座席待ち領域(
図6参照)であると判定された場合(ステップS24;YES)、CPU11は、近距離無線通信部14を介して、上記携帯端末20に対して第2の注文受領通知を行っているが(ステップS25)、例えば、携帯端末20の位置が飲食店舗内である場合、すなわち当該携帯端末20の所有者である顧客が飲食店舗内に存するが座席に着いていない場合にも、上記の第2の注文受領通知を行うようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、注文受付処理(
図5参照)のステップS21において、売上データ処理装置10のCPU11は、
図12に示すように、飲食店舗の外のテイクアウト待ち領域を判別できるようにしてもよい。これにより、売上データ処理装置10のCPU11は、テイクインの注文とテイクアウトの注文のそれぞれを受け付けることができるようになる。
【0086】
また、上記実施形態では、店舗アプリ231に電子決済機能を持たせ、商品の注文から当該商品の支払いまでを行えるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、売上データ処理装置10の記憶部13のHDD、SSD、フラッシュメモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0088】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0089】
100 注文受付システム
10 売上データ処理装置
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 近距離無線通信部
15 入力部
161 本体表示部
162 顧客用表示部
17 印刷部
18 ドロア
19 バス
20 携帯端末
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
24 操作部
25 表示部
26 近距離無線通信部
27 通信部
28 バス