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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129174
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】椅子のランバーサポート
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/46 20060101AFI20240919BHJP
   B60N 2/66 20060101ALN20240919BHJP
【FI】
A47C7/46
B60N2/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038198
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 智昭
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 健太
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084HA02
3B084HA05
3B084HA06
3B087BD05
(57)【要約】
【課題】エアバッグを用いたランバーサポートにおいて左右両側のサポートを十分に実行できる。
【解決手段】椅子100の背凭れ40に設けられ、背凭れ40を前後方向から見たときに横長のエアバック53を有する椅子のランバーサポート50であって、エアを注入したときに、背凭れ40を前後方向から見たときの左右両側の体積が中央部の体積よりも大きくなるように形成されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の背凭れに設けられ、背凭れを前後方向から見たときに横長のエアバックを有する椅子のランバーサポートであって、
前記エアバッグは、
エアを注入したときに、背凭れを前後方向から見たときの左右両側の体積が中央部の体積よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする椅子のランバーサポート。
【請求項2】
前記エアバッグは、
背凭れを前後方向から見たときの上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子のランバーサポート。
【請求項3】
前記エアバッグは、
背凭れを前後方向から見たときに上下方向に一定の幅を有する中央部と、
前記中央部の左右両側に配置され、前記中央部の上下方向の幅よりも上下方向の幅が広い幅広部と、を有することを特徴とする請求項1記載の椅子のランバーサポート。
【請求項4】
前記エアバッグは、
背凭れを前後方向から見たときの中央部において、前方側の素材と後方側の素材を固定した固定部が形成されていることを特徴とする請求項1~請求項3のうちのいずれか1項記載の椅子のランバーサポート。
【請求項5】
前記固定部は、背凭れを前後方向から見たときの横方向に沿って所定長さ延びた形状であることを特徴とする請求項4記載のランバーサポート。
【請求項6】
前記エアバッグは、
背凭れを前後方向から見たときに、エアが封入される空間が横方向に延びるつづら折り形状となるように形成されており、
前記エアが封入される空間の横方向の幅が、中央部では狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子のランバーサポート。
【請求項7】
背凭れを前後方向から見たときの前記エアが封入される空間の上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項6記載の椅子のランバーサポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の背凭れに配置されるランバーサポートに関する。
【背景技術】
【0002】
椅子の背凭れに、特に着座者の腰回り付近にランバーサポートを設けることがよく行われている。ランバーサポートを設けることにより、着座者の着座姿勢をサポートすることができる。
例えば特許文献1には、横長のパッド部と、前後動可能な支持体とを備え、パッド部の左右はばね体を介して支持部に取り付けられているランバーサポート装置が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、エアを注入すると膨張するエアバッグをランバーサポートとして用いる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-84337号公報
【特許文献2】特表2018-507766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2のようにエアバッグをランバーサポートとして用いる場合には、エアの注入量の調整によって、膨らみ具合の調整ができるため椅子の着座者にとって便利である。
【0006】
ただしエアバッグはエアを注入すると中央部分の膨らみが大きくなり、周辺部分は中央部分ほど大きく膨らまないことが通常である。
この場合、椅子の着座者の身体における左右両側のサポートが十分でないという課題がある。
【0007】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、エアバッグを用いたランバーサポートにおいて左右両側のサポートを十分に実行できるランバーサポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる椅子のランバーサポートによれば、椅子の背凭れに設けられ、背凭れを前後方向から見たときに横長のエアバックを有する椅子のランバーサポートであって、前記エアバッグは、エアを注入したときに、背凭れを前後方向から見たときの左右両側の体積が中央部の体積よりも大きくなるように形成されていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、エアを注入したときに着座した着座者の背中側において中央部よりも左右両側の膨らみが大きくなり、左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0009】
また、前記エアバッグは、背凭れを前後方向から見たときの上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、エアを注入したときに着座した着座者の背中側において中央部よりも左右両側の膨らみが大きくなり、左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0010】
また、前記エアバッグは、背凭れを前後方向から見たときに上下方向に一定の幅を有する中央部と、前記中央部の左右両側に配置され、前記中央部の上下方向の幅よりも上下方向の幅が広い幅広部と、を有することを特徴としてもよい。
この構成によれば、エアを注入したときに着座した着座者の背中側において中央部よりも左右両側の膨らみが大きくなり、左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0011】
また、前記エアバッグは、背凭れを前後方向から見たときの中央部において、前方側の素材と後方側の素材を固定した固定部が形成されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、固定部によってエアが注入される部分が分断され、この部分の膨らみが他の箇所よりも小さくなるため、エアを注入したときに左右両側の方が中央部の膨らみよりも大きくなり、着座した着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0012】
また、前記固定部は、背凭れを前後方向から見たときの横方向に沿って所定長さ延びた形状であることを特徴としてもよい。
【0013】
また、前記エアバッグは、背凭れを前後方向から見たときに、エアが封入される空間が横方向に延びるつづら折り形状となるように形成されており、前記エアが封入される空間の横方向の幅が、中央部では狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、エアを注入したときに着座した着座者の背中側において中央部よりも左右両側の膨らみが大きくなり、左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0014】
また、背凭れを前後方向から見たときの前記エアが封入される空間の上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、着座した着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における椅子のランバーサポートを装着した椅子を正面側から臨んだ斜視図である。
図2】本実施形態における椅子のランバーサポートを装着した椅子を背面側から臨んだ斜視図である。
図3】本実施形態における椅子のランバーサポートを装着した椅子を左側から臨んだ図である。
図4】本実施形態における椅子のランバーサポートを装着した椅子を右側から臨んだ図である。
図5】座部の要部構造を示す分解図である。
図6】肘掛け部の要部構造を示す分解図である。
図7】背凭れの上部と椅子のヘッドレスト部分を背面側から臨んだ図である。
図8】ランバーサポートの分解図である。
図9】ランバーサポートの背凭れへの取付構造を示す説明図である。
図10】ランバーサポートの筐体の詳細構造を示す分解図である。
図11】エアバッグの第1実施形態を示す背面図である。
図12】エアバッグが膨らんだところを示す平面図である。
図13】エアバッグの第2実施形態を示す背面図である。
図14】エアバッグの第3実施形態を示す背面図である。
図15】エアバッグの第4実施形態を示す背面図である。
図16】エアバッグの第5実施形態を示す背面図である。
図17】エアバッグの第6実施形態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本明細書において、前後左右の方向は着座者を中心に定められている。即ち、「前あるいは前方」とは座部30および背凭れ40のそれぞれにおいて椅子100および着座者にとっての前あるいは前方であり、「後あるいは後方」とは同様に椅子100および着座者にとっての後あるいは後方である。また、前後方向と水平面内において直交する方向が座部30および背凭れ40のそれぞれにおいて着座者にとっての左右方向であり、椅子100の幅方向でもある。さらに、「上」および「下」は、座部30および背凭れ40のそれぞれにおいて椅子100および着座者にとっての上および下であり、鉛直面内の上と下である。
【0018】
(椅子)
最初に、図1図4に基づいて、椅子100の概略構成を説明する。ただし、ここで示す椅子100の構造はあくまで一例であり、本実施形態のランバーサポート50は、ここで示す椅子100のみに適用されるものではなく、その他種々の椅子に適用され得る。
【0019】
本実施形態における椅子100は、脚支柱10、脚支柱10に取り付けられたメインフレーム20、メインフレーム20に揺動可能に連結された座部30および背凭れ40、背凭れ40に取り付けられたランバーサポート50、肘掛け60およびヘッドレスト70を具備する。
ランバーサポート50は、背枠41の背面(後面)側において背枠41の左右方向に掛け渡された状態で背枠41に着脱可能に取り付けられている。
肘掛け60は、座部30の底面左右両側にねじにより着脱可能に取り付けられている。ヘッドレスト70は、背枠41の上端部にクランプさせることにより背凭れ40に着脱可能に取り付けられている。
【0020】
(脚支柱)
本実施形態における脚支柱10は、図1図4に示すように各々の先端部にキャスター11が取り付けられると共に各々の基端部が脚支柱10の下端部に平面視放射状に取り付けられた5本の脚羽根12を有している。
また、本実施形態における脚支柱10には、脚支柱10を高さ方向に伸縮させるための昇降機構(図示はせず)が内蔵されている。この昇降機構は、図2図4に示すように、座部30の右側面に配設された昇降レバー34の操作により昇降動作の操作が行われる。このようにして形成された脚支柱10の上端部には、図2図4に示すようにメインフレーム20が取り付けられている。
【0021】
(メインフレーム)
メインフレーム20は、下面の筒状部21が脚支柱10のガススプリングに嵌合されることにより脚支柱10に支持されている。メインフレーム20の前方には、左右一対の前リンク22が配設されている。メインフレーム20は、後方部分の左右両側面に配設された背凭れ連結部(図示はせず)に背枠41に取り付けられた背凭れフレーム42が揺動可能に連結されている。また、メインフレーム20の背凭れ連結部から上側に起立する背凭れフレーム42の起立部43には、回転軸(図示はせず)を介して座部支持部材31が連結されている。そしてメインフレーム20の前方部分に配設された前リンク22には、座部30を取り付けるための座部支持部材31が連結されている。このように本実施形態におけるメインフレーム20は、座部30と背枠41(背凭れ40)とを揺動自在に支持している。
【0022】
また、メインフレーム20は、構造物としての機械的剛性(特に捻り剛性等)を高めると共に内側に圧縮コイルばねを含む反力機構(図示省略)を収容するため箱形をなしている。この反力機構は、メインフレーム20の後端側に揺動自在に支持されている背枠41とメインフレーム20の前端側のリンク軸(本実施形態では、反力調整用の操作軸も兼ねている:図示省略)との間に背凭れ40の後傾に連動して背凭れ40を押し戻そうとする力を発生させるものである。このような反力機構は特開2021-61967号公報に開示されている公知の構成を採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】
(座部)
座部30は、特定の構造並びに形状に限定されるものではないが、本実施形態の場合、図5に示すように、座部支持部材31と、インナーシェル32およびクッション材33を有している。
座部支持部材31、インナーシェル32およびクッション材33は、いずれも平面矩形形状に形成されている。
座部支持部材31の右側面には、座部30の高さ位置調整を行う昇降機構を操作するための昇降レバー34と背凭れ40の角度調整を行うための背凭れ調整レバー35が配設されている。
座部支持部材31の上面には図示しない取付金具によってインナーシェル32が固定されている。インナーシェル32の上面には嵌合によりクッション材33が装着されている。クッション材33は図示しない張地により覆われている。
【0024】
インナーシェル32の中央部分にはインナーシェル32の部材厚さ方向に貫通すると共に、インナーシェル32の前後方向に長い縦長貫通孔32Aが所要間隔をあけて横方向に複数配設されている。この縦長貫通孔32Aによりインナーシェル32が撓み易くなり、クッション材33の変形に追従した形にインナーシェル32が変形しやすくなっている。また、クッション材33の中央部分には左右方向に長い凹部33Aが所要間隔をあけて前後方向に複数配設されている。凹部33Aの長さ方向両端部における所要長さ範囲には細幅凹部33Bがそれぞれ形成されており、クッション材33の意匠性を向上させている。
また、クッション材33は通気性に優れた材料が用いられていることに加え、凹部33Aおよび細幅凹部33Bの部分におけるクッション材33の肉厚が薄くなっているので、特に凹部33Aおよび細幅凹部33Bの部分においてクッション材33の通気性を向上させている。さらには、凹部33Aと細幅凹部33Bが配設されていることによりクッション材33がたわみ易くなって座り心地が向上すると共に、着座者が着座した姿勢からいわゆる前ズレ姿勢になることを防止できる。
【0025】
(背凭れ)
背凭れ40は、背枠41、背凭れフレーム42、メッシュ部材44を有している。
背枠41は正面視長方形状の枠体に形成されており、着座時における着座者の腰の高さ位置を背凭れ40の前方側に突出させた側面視への字状に形成されている。
背枠41の下端部の左右両側部分には背凭れフレーム42がねじ止め等によって取り付けられている。背枠41の前面(正面)にはメッシュ部材44が張設され、メッシュ部材44の外周縁の所要幅部分は背面(後面)側にくるみ込まれている。背枠41へのメッシュ部材44の張設方法は公知の手法を用いることができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0026】
背枠41の正面(前面)左右両側にはランバーサポート取付部82が形成されており、背枠41の高さ方向の一定の範囲にわたってランバーサポート50が高さ方向にスライド移動可能に取り付けられている。
また、背枠41の上端(上面)中央部分には左右方向に延びる横溝46が形成されている。この横溝46を利用して背枠41の上端部分にヘッドレスト70が着脱可能に取り付けられている。
【0027】
(肘掛け)
肘掛け60は、図6に示すように、肘フレーム61と肘あて保持具62と肘あて部63を有している。
肘フレーム61は、平板状に形成されたベース体61Aとベース体61Aに対して直交する上側方向に起立する起立体61Bを有し、正面視L字状に形成されている。
肘あて保持具62は、起立体61Bが挿入可能な内部空間を有する肘支柱62Aと肘支柱62Aに直交する肘あて支持部62Bを有し、側面視T字状に形成されている。肘支柱62Aと肘あて支持部62Bの正面(前面)側境界部分にはストッパ解除スイッチ62Cが配設されている。肘あて部63は、肘あて支持部62Bの平面形状に倣った平面形状を有する直方体状に形成されている。
【0028】
肘フレーム61は、ベース体61Aの上面を座部支持部材31の下面に当接させた状態でねじ止め等により固定される。これにより起立体61Bは座部30の座面に対し略直交方向に起立した状態になる。
肘あて保持具62は、肘支柱62Aの内部空間に起立体61Bを挿入させることにより
肘フレーム61に装着される。肘支柱62Aの内表面には起立体61Bに対する挿抜方向の動作を規制するストッパ(図示はせず)が設けられており、ストッパ解除スイッチ62Cを押下することでストッパを解除することができる。ストッパ解除スイッチ62Cを押下しながら肘あて保持具62を高さ方向にスライド移動させれば肘あて保持具62(肘あて部63)の高さ位置の調整が可能である。肘あて部63の配置面(下面)には装着体(図示はせず)が取り付けられており、この装着体を係合等によって肘あて支持部62Bの上面に装着している。
【0029】
(ヘッドレスト)
ヘッドレスト70は、図7に示すように背枠41の上端部にクランプさせることにより装着されている。
ヘッドレスト70は、背枠41の上端部に着脱可能なベース71と、ベース71に挿抜可能なアーム76と、アーム76の上端に取り付けられた頭受部79を具備している。
【0030】
ベース71は、筒体72と、背枠41の上端部にクランプするクランパ74を有している。
筒体72は、背枠41(背凭れ40)の上端部から背枠41の上側前方に向けて延設され、背枠41の背面(後面)側が凸となる円弧状に形成されている。
【0031】
アーム76は、筒体72内に挿入され、筒体72の延設方向に沿ってスライド可能とすべく筒体72の曲率と同一曲率の円弧状に形成されている。
アーム76の上端部には頭受部79を取り付けるための取付部76Cが形成されている。頭受部79にはアーム76を幅(左右)方向に挟み込むようにしてフレーム基部79Aaが形成されており、フレーム基部79Aaと取付部76Cにはそれぞれ貫通孔(図示はせず)が形成されており、この貫通孔に位置合わせして摩擦材としてのワッシャ(図示せず)を複数枚幅(左右)方向に重ねた状態で回転軸78が挿通されている。このようなワッシャ、回転軸78によりアーム76の上端部に対し頭受部79が水平軸周りに回動可能に取り付けられている。
【0032】
頭受部79は、アーム76の上端部である取付部76Cに回動可能なフレーム79Aとフレーム79Aに着脱可能な頭部クッション79Bを有している。頭受部79は高さ方向の中央部分が正面(前)側に突出する湾曲形状に形成されているが、頭受部79の具体的形状は特に限定されるものではない。
【0033】
(ランバーサポート)
図8にランバーサポートの分解図を示す。
ランバーサポート50は、背枠41の左右両側のフレーム間に着脱可能に架設されるものであって、上下方向から見ると後方側に凸となるように湾曲した概略直方体状に形成された筐体51と、筐体51の内部空間に収容されたポンプ(図示せず)と、ポンプに接続されたエアバッグ53と、エアバッグ53を覆うと共にメッシュ部材44に当接する当接クッション54を有している。
【0034】
ランバーサポート50の筐体51は、左右方向に細長い形状をなし、筐体51の前面側の左右両側にそれぞれ左右方向に突出する取付アーム51Aが設けられている。
また、筐体51の後面側の右側には操作レバー51Bが、図8中の一点鎖線で示されている鉛直軸VAの周りに矢印Aの方向(前後方向)に回動可能に取り付けられている。操作レバー51Bを、矢印Aの方向(前後方向)に回動させることにより、ポンプに接続された給気チューブ52Aを経由してエアバッグ53に給気が行われる。
また、ランバーサポート50の筐体51の後面側の左側(右側の操作レバー51Bと対称となる位置)には、左方向に突出する突出片80が設けられている。
【0035】
図9にランバーサポートの背凭れへの取り付け構造について示す。
ランバーサポート50は、右側については取付アーム51Aと操作レバー51Bとの間、左側については取付アーム51Aと突出片80との間で、背凭れ40の右外方向又は左外方向及び上下方向の3方向に開放した隙間81が形成される。ランバーサポート50の筐体51は、隙間81に背枠41の左右両側のフレームが位置するように配置されて、背枠41に対して上下位置変更可能に設けられている。前記隙間81は、手指を掛けることが可能な大きさを有する。
【0036】
また、このランバーサポート50の前面、より具体的には当接クッション54の前面は、背枠41の左右両側のフレーム間に張り渡されたメッシュ部材44に沿う形状である。また、このランバーサポート50の背面、より具体的には筐体51の背面も、背枠41の左右両側のフレーム間に張り渡されたメッシュ部材44に沿う形状である。
【0037】
ランバーサポート50の筐体51の前面側において左右両側に突設されている取付アーム51Aは、背枠41の左右両側のフレームの前面側に回り込んで配置されるものである。取付アーム51Aの背面には、背枠41の左右両側のフレームに設けられたランバーサポート取付部82の案内溝83にスライド可能に係合するスライドピン84と、ランバーサポート取付部82の案内溝83よりも内側に形成された節度凹部85に選択的に係合する節度用凸部(図示せず)と、が設けられている。
【0038】
ランバーサポート取付部82にランバーサポート50の筐体51の取付アーム51Aを配置させ、取付アーム51Aの前面側に、板バネとして機能する取付けプレート55を配し、取付プレート55をランバーサポート取付部82のねじ穴86に螺着されるねじ(図示せず)を用いて背枠41の前面に取付けることにより、このランバーサポート50が背枠41に対して上下位置調整可能に保持されるようになっている。
【0039】
図10にランバーサポートの筐体のさらに詳細な構造を示す。
筐体51は、筐体51の基本的形状を構成し、突出片80や取付アーム51Aが一体的に成形したベース部101と、背面枠102と、背面カバー104と、前面カバー106とを有する。
【0040】
ベース部101には、ポンプ(図示せず)とポンプに取り付けられたリリースバルブ52と、が収納される収納凹部105が形成され、収納凹部105の左側にはリリースバルブ52に接続されてポンプからのエアを供給する給気チューブ52Aが配置される給気チューブ配置凹部107が形成されている。
【0041】
リリースアーム108は、左側端部108Aが鉛直方向に延びる回動軸VBによって軸支され、前後方向に回動可能となるように設けられている。リリースアーム108の右側端部108Bは、操作レバー51Bから延びる基端押圧アーム110がその背面側に当接するように配置されている。また、リリースアーム108には、スプリング(図示せず)が中央前面側に配置されている。
【0042】
収納凹部105内に収納されるポンプ(図示せず)は、握りハンドポンプと呼ばれるタイプのもので、操作レバー51Bを前方、すなわち椅子の前方向きに回動操作することにより、操作レバー51Bの基端押圧アーム110により圧縮され、エアをエアバッグ53に向けて吐出するようにしたものである。
基端押圧アーム110は、ポンプの中間部分に位置し、この中間部分を効率的に凹変形させるべく、ポンプに向かって凸となる形状をなしている。
【0043】
また、このポンプが基端押圧アーム110により圧縮された後、操作レバー51Bに操作力が加えられなくなると、この種の握りハンドポンプと呼ばれるタイプのポンプとして周知のものと同様に、ポンプは外部からのエアの流入を受けて再び膨張する。これを受けて、ポンプが基端押圧アーム110を駆動し、操作レバー51Bが操作前の元の位置に復帰する。その後、操作レバー51Bの前方への回動操作と、操作レバー51Bへの操作力を解除する操作とを繰り返し行うことにより、エアがエアバッグ53に向けて順次吐出される。
エアがエアバッグ52に供給され、エアバッグ53が膨張することにより当接クッション54がメッシュ部材44を背面(後面)側から正面(前面)側に張り出させることで着座者の腰部分がサポートされる。
【0044】
リリースバルブ52は、エアバッグ53のエアを外部に開放するためのもので、背面側にリリース操作ボタン(図示せず)が設けられている。リリースアーム108の中央部の前面側には、リリースバルブ52の背面側のリリース操作ボタンが当接するように配置され、リリースアーム108によって背面から押圧されて動作する。リリース操作ボタンが押圧操作された場合にのみエアバッグ53内のエアを大気に開放し得る。本実施形態では、ポンプ、リリースバルブ52及び給気チューブ52Aは、本実施形態では一体に設けられている。
【0045】
リリースアーム108は、上述したように左側端部108Aをベース部101に前後方向に回動可能に回転軸VBを介して軸着するとともに中間部をリリースバルブ52の背面のリリース操作ボタンに対面させ、右側端部108Bを基端押圧アーム110の前方に位置させたものである。右側端部108Bは、ポンプをまたいでポンプの前方側を上下方向に沿って位置している。
リリースアームの中間部は、リリース操作ボタンを確実に押圧できるようにすべく、リリース操作ボタンに向かう方向に突出している。そして、操作レバー51Bを後方、すなわち椅子の後方向きに回動操作してリリースアーム108の右側端部108Bを前方に押圧操作することにより、このリリースアーム108の中間部でリリースバルブ52のリリース操作ボタンを押圧し得るようにしている。
なお、リリースアーム108に設けられたスプリング(図示せず)は、操作レバー51Bの操作力が消勢した場合に、リリースアーム108を元の待機位置に自己復帰させるためのものである。
【0046】
操作レバー51Bの背面は、前方に向けて押圧する操作を行いやすくすべく、後方に開放するような凹形状、換言すれば後方に凹入する形状をなしている。さらにいえば、後方に開口する凹形状であるともいえる。
また、操作レバー51Bの前面も、後方に向けて押圧する操作を行いやすくすべく、前方に開放するような凹形状、換言すれば前方に凹入する形状をなしている。さらにいえば、前方に開口する凹形状であるともいえる。
操作レバー51Bの回転軸VAよりも先端側の部位の厚さ寸法は、幅方向中央に近づくにつれ小さくなっている。また、操作レバー51Bと背枠41との間には、操作レバー51Bを前方に移動させる可動領域として十分な大きさの隙間81が設けられているが、この隙間81内に親指を掛け、操作レバー51Bの背面側にその他の指を掛ける等して、片手で操作できるように配置してある。
【0047】
ここで、操作レバー51Bは、前方への操作が加えられた際に、回転軸VAを中心に回転移動して、リリースアーム108の右側端部108Bを初期位置に残したまま、基端押圧アーム110がリリースアーム108の右側端部108Bと離間しつつ後方に移動する。このとき、基端押圧アーム110がポンプを押圧して作動させる。また、操作レバー51Bは、後方への操作が加えられた際に、回転軸VAを中心に回動して基端押圧アーム110が前方に移動し、この基端押圧アーム110がリリースアーム108の右側端部108Bを前方に移動させる。このとき、リリースアーム108は左側端部108Aに設けた回転軸VBを中心に回転移動し、これに伴い中間部も前方に移動してリリースバルブ52のリリース操作ボタンを押圧操作し開放状態とする。
このようにして、1つの操作レバー51Bによって、二つの機能、すなわちエアをエアバック53に供給する機能と、エアバッグ53のエアを外部に開放する機能とを実現することができる。
【0048】
また、エアバッグ53内に多量のエアが供給されると、エアバッグ53内のエアの圧力が大きくなる。その際に、このエアバッグ53内にさらにエアを供給すべく、このエアの圧力に抗して操作レバー51Bを前方へ操作を行うことは困難になる。このことを利用して、当接クッション54が必要以上に前方に移動することを防ぐべく、エアバッグ53内へのエアの流入量を制限するようにしている。
【0049】
なお、ベース部101の背面側には背面枠102と背面カバー104が配置される。背面枠102と背面カバー104は、ベース部101に対してはめ込まれて取り付けられ、ベース部101内に配置されるポンプやリリースアーム108やリリースバルブ52等を隠蔽して保護するようにカバーする。
【0050】
また、ベース部101の前面側には前面カバー106が配置される。前面カバー106には左右方向に延びる横長の開口部112が形成されている。開口部112からは給気チューブ52Aが露出しているため、前面カバー106の前方に配置したエアバッグ53のエアプラグ56を給気チューブ52Aの端部に接続してポンプからのエアをエアバッグ53に給気することができる。
【0051】
また、前面カバー106の開口部112におけるリリースバルブ52の配置位置には、リリースバルブ52及びその近傍を隠して保護する隠蔽板114Aが開口部112の上下方向に沿って配置され、ポンプの配置位置にはポンプを隠して保護する隠蔽板114Bが開口部112の上下方向に沿って配置されている。この隠蔽板114Aと114Bの間には隙間116が形成されている。この隙間116にリリースアーム108の右側端部108Bが位置する。リリースアーム108は、上述したように回転軸VBを軸線として前後方向に回動する部位であるため、隠蔽板114A、114Bに邪魔されることなく回動することが必要なためである。
【0052】
(エアバッグの第1実施形態)
図11に基づいてエアバッグの第1実施形態について説明する。図11は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している(エアプラグ56は筐体51内のポンプに接続されるためエアプラグ56が図示されている図11は後方から見たところを示していることとなる。)。
図12はエアが注入されて膨らんだところを上方から平面視したところを示している。
なおエアバッグの材質としてはナイロン、ポリエステル等を採用することが出来るが、これらの素材に限定するものではない。
【0053】
本実施形態のエアバッグ53は、前後方向から見ると上下方向の幅は、中央部の幅が狭く、左右両側に向かうほど幅が徐々に広くなるように形成されている。中央部の上下方向の幅をh1とし、左右両端部の上下方向の幅をh2とするとh2>h1となる。
また、エアバッグの上辺53aは中央部が下に向けて凸となるような曲線で形成され、下辺53bは中央部が上に向けて凸となるような曲線で形成されている。
左辺53cは上辺53aの左端部と下辺53bの左端部を結ぶ直線であり、右辺53dは上辺53aの右端部と下辺53bの右端部を結ぶ直線である。上辺53a、下辺53b、左辺53c、右辺53dの角は円弧状に丸められている。
【0054】
エアバッグ53の中央部からやや左側にエアプラグ56が設けられている。エアプラグ56にはポンプからのエアを注入する給気チューブ52Aが接続される。
なお、エアプラグ56の位置及び向きは、このような位置及び向きに限定するものではない。
【0055】
本実施形態では、上述してきたような構成のエアバッグ53としたことにより、エアバッグ53の左右両側におけるエアの注入量が中央部よりも多くなり、図12に示したようにエアバッグ53の左右両側が中央部よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態の具体例として、左右方向の全長を356mm程度とし、中央部における上下方向の幅を66mm、左右両端部における上下方向の幅を86mmとすることによって、エアバッグの左右両側が中央部よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことが確認できた。
【0057】
(エアバッグの第2実施形態)
図13に基づいてエアバッグ53の第2実施形態について説明する。図13は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している。
本実施形態も、第1実施形態と同様に、前後方向から見ると、上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されている。中央部の上下方向の幅をh1とし、左右両端部の上下方向の幅をh2とするとh2>h1となる。
【0058】
ただし、本実施形態では、エアバッグの上辺53aは中央部が下に向けて凸となるような曲線で形成され、上辺53aの左右両端側は上に向けて凸となる曲線となるように滑らかに接続されている点で第1実施形態とは異なっている。
エアバッグの下辺53bも同様に、中央部が上に向けて凸となるような曲線で形成され、下辺53bの左右両端側は下に向けて凸となる曲線となるように滑らかに接続されている点で第1実施形態とは異なっている。
また、左辺53cは上辺53aの左端部と下辺53bの左端部を結ぶ直線であり、右辺53dは上辺53aの右端部と下辺53bの右端部を結ぶ直線である。上辺53a、下辺53b、左辺53c、右辺53dの角は円弧状に丸められている。
【0059】
本実施形態では、エアバッグ53の右側にエアプラグ56が設けられている。本実施形態では、エアバッグ53の左右両側の方が中央部よりもエアプラグ56の設置スペースを確保しやすいためである。エアプラグ56にはポンプからのエアを注入する給気チューブ52Aが接続される。
なお、エアプラグ56の位置及び向きは、このような位置及び向きに限定するものではない。
【0060】
本実施形態では、エアバッグ53を上述してきたような構成としたことにより、エアバッグ53の左右両側におけるエアの注入量が中央部よりも多くなり、エアバッグ53の左右両側が中央部よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0061】
本実施形態の具体例として、左右方向の全長を340mm程度とし、中央部における上下方向の幅を56mm、左右両端部における上下方向の幅を110mmとすることによって、エアバッグ53の左右両側が中央部よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことが確認できた。
【0062】
(エアバッグの第3実施形態)
図14に基づいてエアバッグ53の第3実施形態について説明する。図14は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している。
本実施形態では、前後方向から見たときに上下方向に一定の幅を有する中央部57と、中央部57の左右両側に配置され、中央部57の上下方向の幅よりも上下方向の幅が広い幅広部58a、58bと、を有している。中央部57の上下方向の幅をh1とし、左右両幅広部58a、58bの上下方向の幅をh2とするとh2>h1となる。
【0063】
幅広部58a、58bは、それぞれ概略四角形状であり、各幅広部58a、58bの上辺、下辺、及び左辺又は右辺は直線である。
ただし各幅広部58a、58bの形状は概略四角形状に限定するものではなく、例えば中央部57の上下方向の幅よりも直径が大きい円形であってもよい。
また、中央部57と幅広部58a、58bとの接続部分、及び幅広部58a、58bの各角は円弧状に丸められている。
【0064】
本実施形態では、エアバッグ53の右側の幅広部58bにエアプラグ56が設けられている。本実施形態では、幅広部58の方が中央部57よりもエアプラグ56の設置スペースを確保しやすいためである。エアプラグ56にはポンプからのエアを注入する給気チューブ52Aが接続されている。
なお、エアプラグ56の位置及び向きは、このような位置及び向きに限定するものではない。
【0065】
本実施形態では、エアバッグ53を上述してきたような構成としたことにより、エアバッグ53の左右両側の幅広部58a、58bにおけるエアの注入量が中央部57よりも多くなり、エアバッグ53の左右両側の幅広部58a、58bが中央部57よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0066】
本実施形態の具体例として、左右方向の全長を340mm程度とし、中央部57における上下方向の幅を50mm、左右両側の各幅広部58a、58bにおける上下方向の幅をそれぞれ110mm、中央部57の左右方向の長さを180mm、左右両側の各幅広部58a、58bにおける左右方向の長さをそれぞれ80mmとすることによって、エアバッグの左右両側が中央部57よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことが確認できた。
【0067】
(エアバッグの第4実施形態)
図15に基づいてエアバッグの第4実施形態について説明する。図15は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している。
本実施形態では、前後方向から見たときに上下方向に一定の幅を有する中央部57と、中央部57の左右両側に配置され、中央部57の上下方向の幅よりも上下方向の幅が広い幅広部58a、58bと、を有しているという点では、上述した第3実施形態と同一である。中央部57の上下方向の幅をh1とし、左右両幅広部58a、58bの上下方向の幅をh2とするとh2>h1となる。
ただし本実施形態では、中央部57の下辺57aと幅広部58a、58bの下辺が一直線状になっている点で第3実施形態とは異なっている。
【0068】
本実施形態では、中央部57の下辺57aと幅広部58a、58bの下辺が一直線状になっているため前方から見ると凹字状に形成されている。
すなわち、前方から見ると、中央部57の上方にエアバッグが形成されていない空間部59が幅広部58a、58bに挟まれて形成されている。
【0069】
幅広部58a、58bは、それぞれ概略四角形状であり、各幅広部58a、58bの上辺、下辺、及び左辺又は右辺は直線である。
ただし各幅広部58a、58bの形状は概略四角形状に限定するものではなく、例えば中央部57の上下方向の幅よりも直径が大きい円形であってもよい。
また、中央部57と幅広部58a、58bとの接続部分、及び幅広部58a、58bの各角は円弧状に丸められている。
【0070】
本実施形態では、エアバッグ53の右側の幅広部58bにエアプラグ56が設けられている。本実施形態では、幅広部58aの方が中央部57よりもエアプラグ56の設置スペースを確保しやすいためである。エアプラグ56にはポンプからのエアを注入する給気チューブ52Aが接続されている。
なお、エアプラグ56の位置及び向きは、このような位置及び向きに限定するものではない。
【0071】
本実施形態では、エアバッグ53を上述してきたような構成としたことにより、エアバッグ53の左右両側の幅広部58a、58bにおけるエアの注入量が中央部57よりも多くなり、エアバッグ53の左右両側の幅広部58a、58bが中央部57よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0072】
本実施形態の具体例として、左右方向の全長を340mm程度とし、中央部57における上下方向の幅を20mm、左右両側の各幅広部58a、58bにおける上下方向の幅をそれぞれ110mm、中央部57の左右方向の長さを180mm、左右両側の各幅広部58a、58bにおける左右方向の長さをそれぞれ80mmとすることによって、エアバッグの左右両側が中央部57よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことが確認できた。
【0073】
(エアバッグの第5実施形態)
図16に基づいてエアバッグの第5実施形態について説明する。図16は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している。
【0074】
本実施形態のエアバッグ53は、幅狭に形成されているエア封入部90が、横方向に延びてつづら折り形状となるように形成されている。
また、エア封入部90の横方向の幅は、中央部から左右両側に向かうにつれて徐々に広くなるように形成されている。
エア封入部90の、中央部における横方向の幅をd1、中央部の左右両側における横方向の幅をd2、左右両端部における横方向の幅をd3とすると、d3>d2>d1となる。
【0075】
さらに、エア封入部90の上下方向の幅は、中央部が狭く、左右両側に向かうほど徐々に広くなるように形成されている。中央部の上下方向の幅をh1とし、左右両端部の上下方向の幅をh2とするとh2>h1となる。
【0076】
本実施形態では、エアバッグ53の左側の箇所にエアプラグ56が設けられている。本実施形態では、左右いずれか両側の方が中央部よりもエアプラグ56の設置スペースを確保しやすいためである。エアプラグ56にはポンプからのエアを注入する給気チューブ52Aが接続されている。
なお、エアプラグ56の位置は、このような位置に限定するものではない。
【0077】
本実施形態では、エアバッグ53を上述してきたような構成としたことにより、エアバッグ53の左右両側におけるエアの注入量が中央部よりも多くなり、エアバッグ53の左右両側が中央部57よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことができる。
【0078】
本実施形態の具体例として、左右方向の全長を340mm程度とし、エア封入部90の中央部における横方向の幅を15mm、エア封入部90の左右両側における横方向の幅を25mm、エア封入部90の中央部と左右両側の中間における横方向の幅を20mm、中央部における上下方向の幅を80mm、左右両側における上下方向の幅をそれぞれ110mmとすることによって、エアバッグの左右両側が中央部よりも大きく膨らみ、着座者の左右両側のサポートを十分に行うことが確認できた。
【0079】
(エアバッグの第6実施形態)
図17に基づいてエアバッグの第6実施形態について説明する。図17は、エアが注入されていないときに膨らんでおらず、平板状に潰れているところを後方から見たところを示している。
本実施形態のエアバッグ53の形状は、前後方向から見て四角形状である。
そして、本実施形態のエアバッグ53は、エアバックを構成する前方側の素材と後方側の素材を固定した固定部91が中央部に設けられている。固定部91は、横方向に延びる直線状に形成されている。固定部91の固定方法としては溶着が挙げられる。
【0080】
このように、エアバッグ53の中央部にエアバックを構成する前方側の素材と後方側の素材を固定した固定部91を設けることにより、中央部へのエアの注入量が少なくなり、左右両側の膨らみを中央部よりも大きくすることができる。
【0081】
なお、本実施形の固定部91は、四角形状のエアバッグ53に設けることに限定しない。
すなわち、上述してきた第1実施形~第5実施形態のように、中央部よりも左右両側の方が上下方向の幅が大きい形状のエアバッグに対して、中央部に固定部91を設けるようにすることもできる。上述してきた第1実施形~第5実施形態にさらに固定部91を設けることにより、中央部におけるエアの注入量をさらに減少させてエアバッグの左右両側を中央部よりも大きく膨らませることができる。
【0082】
なお、エアバッグは上述してきた各実施形態の形状に限定するものではなく、エアを注入したときに、左右両側の体積が中央部の体積よりも大きくなるように形成されていればよい。
【符号の説明】
【0083】
10 脚支柱
11 キャスター
12 脚羽根
20 メインフレーム
21 筒状部
22 前リンク
30 座部
31 座部支持部材
32 インナーシェル
32A 縦長貫通孔
33 クッション材
33A 凹部
33B 細幅凹部
34 昇降レバー
35 調整レバー
40 背凭れ
41 背枠
42 背凭れフレーム
43 起立部
44 メッシュ部材
46 横溝
50 ランバーサポート
51 筐体
51A 取付アーム
51B 操作レバー
52 リリースバルブ
52A 給気チューブ
53 エアバッグ
53a 上辺
53b 下辺
53c 左辺
53d 右辺
54 当接クッション
55 取付プレート
56 エアプラグ
57 中央部
57a 下辺
58a、58b 幅広部
59 空間部
61 肘フレーム
61A ベース体
61B 起立体
62 肘あて保持具
62A 肘支柱
62B 肘あて支持部
62C ストッパ解除スイッチ
63 肘あて部
70 ヘッドレスト
71 ベース
72 筒体
74 クランパ
76 アーム
76C 取付部
78 回転軸
79 頭受部
79A フレーム
79Aa フレーム基部
79B 頭部クッション
80 突出片
81 隙間
82 ランバーサポート取付部
83 案内溝
84 スライドピン
85 節度凹部
86 ねじ穴
90 エア封入部
91 固定部
100 椅子
101 ベース部
102 背面枠
104 背面カバー
105 収納凹部
106 前面カバー
107 給気チューブ配置凹部
108 リリースアーム
108A 左側端部
108B 右側端部
110 基端押圧アーム
112 開口部
114A、114B 隠蔽板
116 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17