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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129177
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H10B12/00 621C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038202
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】秋田 貴誉
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 睦
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD03
5F083AD56
5F083AD57
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR22
5F083PR33
(57)【要約】
【課題】半導体装置の信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】半導体装置は、第1方向に延在する第1の酸化物半導体層と、第1方向と交差する第2方向に延在し、第1の酸化物半導体層を囲む第1の配線と、第1の配線と第1の酸化物半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、第1の酸化物半導体層の上に設けられた第1の導電体と、第1の導電体の上に設けられ、第1方向および第2方向のそれぞれと交差する第3方向に延在する第2の配線と、第2の配線の側面に接する第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に設けられ、第1の絶縁層よりも酸素の透過性が低い第2の絶縁層と、を具備する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する第1の酸化物半導体層と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1の酸化物半導体層を囲む第1の配線と、
前記第1の配線と前記第1の酸化物半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の酸化物半導体層の上に設けられた第1の導電体と、
前記第1の導電体の上に設けられ、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれと交差する第3方向に延在する第2の配線と、
前記第2の配線の側面に接する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上に設けられ、前記第1の絶縁層よりも酸素の透過性が低い第2の絶縁層と、
を具備する、半導体装置。
【請求項2】
前記第1方向に延在する第2の酸化物半導体層と、
前記第2方向に延在し、前記第2の酸化物半導体層を囲む第3の配線と、
前記第3の配線と前記第2の酸化物半導体層との間に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第2の酸化物半導体層の上に設けられた第2の導電体と、
前記第2の導電体の上に設けられ、前記第3方向に延在する第4の配線と、
をさらに具備し、
前記第2方向および前記第3方向を含む平面において、前記第1の導電体および前記第2の導電体のそれぞれは、前記第2方向および前記第3方向のそれぞれと交差する第4方向に延在し、
前記第2の導電体の前記第4方向の長さは、前記第1の導電体の前記第4方向の長さよりも長い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1方向に延在する第1の層と、
前記第2方向に延在し、前記第1の層を囲む第5の配線と、
前記第1の層の上に設けられた第2の層と、
前記第2の層の上に設けられ、前記第2の配線の下に設けられた第3の層と、
をさらに具備し、
前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層からなる群により選ばれる少なくとも一つは、絶縁層である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の絶縁層の上に設けられ、前記第2の絶縁層よりも水素の透過性が低いバリア膜をさらに具備する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の酸化物半導体層の下方に設けられたキャパシタをさらに具備する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビット線、ワード線、およびこれらに接続されるメモリセル(トランジスタおよびキャパシタ)を有する半導体記憶装置が用いられている。ビット線とワード線を選択して、電圧を印加することで、メモリセルにデータを書き込み、読み出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-169490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の発明が解決しようとする課題は、半導体装置の信頼性の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、第1方向に延在する第1の酸化物半導体層と、第1方向と交差する第2方向に延在し、第1の酸化物半導体層を囲む第1の配線と、第1の配線と第1の酸化物半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、第1の酸化物半導体層の上に設けられた第1の導電体と、第1の導電体の上に設けられ、第1方向および第2方向のそれぞれと交差する第3方向に延在する第2の配線と、第2の配線の側面に接する第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に設けられ、第1の絶縁層よりも酸素の透過性が低い第2の絶縁層と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリセルアレイの回路構成例を説明するための回路図である。
図2】メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための平面模式図である。
図3】メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。
図4】メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。
図5】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図6】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図7】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図8】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図9】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図10】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図11】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図12】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図13】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図14】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図15】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図16】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図17】第1の構造例の第1の変形例を説明するための断面模式図である。
図18】第1の構造例の第2の変形例を説明するための断面模式図である。
図19】第1の構造例の第3の変形例を説明するための断面模式図である。
図20】第1の構造例の第4の変形例を説明するための断面模式図である。
図21】第1の構造例の第5の変形例を説明するための断面模式図である。
図22】第1の構造例の第6の変形例を説明するための断面模式図である。
図23】第1の構造例の第7の変形例を説明するための断面模式図である。
図24】第1の構造例の第8の変形例を説明するための断面模式図である。
図25】第1の構造例の第9の変形例を説明するための断面模式図である。
図26】メモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図である。
図27】メモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図である。
図28】メモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図である。
図29】メモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図である。
図30】メモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図式である。
図31】第2の構造例の変形例を説明するための断面模式図である。
図32】メモリセルアレイの第3の構造例を説明するための平面模式図である。
図33】メモリセルアレイの第3の構造例を説明するための断面模式図である。
図34】第3の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図式である。
図35】第3の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図式である。
図36】第3の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図37】第3の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図38】第3の構造例の第1の変形例を説明するための断面模式図である。
図39】第3の構造例の第1の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図40】第3の構造例の第1の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図41】第3の構造例の第2の変形例を説明するための断面模式図式である。
図42】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図43】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図44】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図45】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図46】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図式である。
図47】第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図48】第3の構造例の第3の変形例を説明するための断面模式図である。
図49】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図50】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図51】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図式である。
図52】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図53】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図54】第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図55】第3の構造例の第4の変形例を説明するための断面模式図である。
図56】第3の構造例の第5の変形例を説明するための断面模式図である。
図57】第3の構造例の第6の変形例を説明するための断面模式図である。
図58】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図59】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図60】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図61】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図62】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図63】第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図64】第3の構造例の第7の変形例を説明するための断面模式図である。
図65】第3の構造例の第7の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図66】第3の構造例の第7の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図67】第3の構造例の第7の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図68】第3の構造例の第8の変形例を説明するための断面模式図である。
図69】第3の構造例の第9の変形例を説明するための断面模式図である。
図70】第3の構造例の第9の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図71】第3の構造例の第9の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図式である。
図72】第3の構造例の第9の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図73】第3の構造例の第9の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図74】第3の構造例の第10の変形例を説明するための断面模式図である。
図75】第3の構造例の第11の変形例を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。上下方向は、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
本明細書において「接続」とは物理的な接続だけでなく電気的な接続も含み、特に指定する場合を除き、直接接続だけでなく間接接続も含む。
【0009】
実施形態の半導体装置は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)であって、メモリセルアレイを有する。
【0010】
図1は、メモリセルアレイの回路構成例を説明するための回路図である。図1は、複数のメモリセルMCと、複数のワード線WL(ワード線WL、ワード線WLn+1、ワード線WLn+2、nは整数)と、複数のビット線BL(ビット線BL、ビット線BLm+1、ビット線BLm+2、mは整数)と、電源線VPLと、を図示する。
【0011】
複数のメモリセルMCは、行列方向に配列され、メモリセルアレイを形成する。それぞれのメモリセルMCは、電界効果トランジスタ(FET)であるメモリトランジスタMTRと、メモリキャパシタMCPと、を備える。
【0012】
電界効果トランジスタは、ゲートと、ソースと、ドレインと、を有する。電界効果トランジスタは、バックゲートをさらに有する場合がある。ソースとドレインは、トランジスタの構造や動作条件によって互いに入れ替わるため、いずれがソース又はドレインであるかを限定することが困難である。そこで、特に指定する場合を除き、ソースおよびドレインのいずれかから任意に選択した一方の端子をソースまたはドレインの一方と表記し、他方の端子をソースまたはドレインの他方と表記する。
【0013】
メモリトランジスタMTRのゲートは対応するワード線WLに接続され、ソースまたはドレインの一方は対応するビット線BLに接続される。ワード線WLは、例えばロウデコーダに接続される。ビット線BLは、例えばセンスアンプに接続される。メモリキャパシタMCPの第1の電極はメモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの他方に接続され、第2の電極は特定の電位を供給する電源線VPLに接続される。電源線VPLは、例えば電源回路に接続される。メモリセルMCは、ワード線WLによるメモリトランジスタMTRのスイッチングによりビット線BLからメモリキャパシタMCPに電荷を蓄積してデータを保持できる。複数のメモリセルMCの数は、図1に示す数に限定されない。
【0014】
(メモリセルアレイの第1の構造例)
図2は、実施形態のメモリセルアレイの第1の構造例を説明するための平面模式図である。図3は、実施形態のメモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。図4は、実施形態のメモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。図2ないし図4は、X軸と、Y軸と、Z軸と、を示す。X軸、Y軸、およびZ軸は、互いに直交する。図2は、X-Y平面の一部を示す。図3は、X-Z断面の一部を示す。図4は、図3の一部を示す。
【0015】
メモリセルアレイは、導電体21と、導電層22と、絶縁体23と、導電体24と、電気伝導体25と、導電層31と、導電性酸化物層32と、絶縁層33と、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、絶縁層44と、絶縁層45と、絶縁層46と、導電性酸化物層51と、導電層52と、導電層53と、絶縁層54と、導電層61と、絶縁層62と、絶縁層71と、絶縁層72と、導電体81と、導電体82と、を具備する。なお、図2は、便宜のため、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、導電層61と、を示し、その他の構成要素については便宜のため図示を省略している。
【0016】
メモリトランジスタMTRおよびメモリキャパシタMCPは、半導体基板10の上の絶縁層11の上方に設けられる。半導体基板10には、ロウデコーダやセンスアンプ、電源回路等の周辺回路が形成される。周辺回路は、例えばPチャネル型電界効果トランジスタ(Pch-FET)、Nチャネル型電界効果トランジスタ(Nch-FET)の電界効果トランジスタを有する。電界効果トランジスタは、例えば単結晶シリコン基板等の半導体基板10を用いて形成可能であり、Pch-FETおよびNch-FETは、半導体基板10にチャネル領域とソース領域とドレイン領域とを有する。なお、半導体基板10はP型の導電型を有していてもよい。絶縁層11は、半導体基板10の上に設けられ、例えばシリコン(Si)と、酸素(O)または窒素(N)と、を含む。絶縁層11は、積層膜であってもよい。
【0017】
導電体21、導電層22、絶縁体23、導電体24、および電気伝導体25は、メモリキャパシタMCPを形成する。メモリキャパシタMCPは、いわゆるピラー型キャパシタ、シリンダー型キャパシタ等の3次元キャパシタである。
【0018】
導電体21は、絶縁層11を挟んで半導体基板10の上方に設けられる。導電体21は、Z軸方向から見て複数の電気伝導体25と重なるように延在する。導電体21は、プレート電極ともいう。導電層22は、導電体21の一部の上に設けられる。導電体21および導電層22は、メモリキャパシタMCPの第2の電極を形成する。絶縁体23は、導電体21および導電層22と、導電体24および電気伝導体25と、の間に設けられ、メモリキャパシタMCPの誘電体を形成する。導電体24および電気伝導体25は、絶縁体23を挟んで導電体21の上方に設けられ、Z軸方向に延在し、メモリキャパシタMCPの第1の電極を形成する。電気伝導体25は、導電体24に囲まれる。
【0019】
導電体21、導電層22、および導電体24は、例えばタングステン、窒化チタン等の材料を含む。絶縁体23は、例えば酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等の材料を含む。電気伝導体25は、例えばタングステン、窒化チタン、アモルファスシリコン等の材料を含む。
【0020】
導電層31は、電気伝導体25の上に設けられ、電気伝導体25に電気的に接続される。導電層31は、例えば銅を含む。なお、導電層31は、必ずしも形成されなくてもよい。
【0021】
導電性酸化物層32は、導電層31の上に設けられる。導電性酸化物層32は、例えばインジウム-錫-酸化物(ITO)等の金属酸化物を含む。
【0022】
導電層31および導電性酸化物層32は、導電体30を形成する。導電体30は、複数の電気伝導体25に対して複数設けられる。
【0023】
絶縁層33は、複数の導電体30の間に設けられる。絶縁層33は、例えばシリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0024】
酸化物半導体層41、導電層42、および絶縁膜43は、電界効果トランジスタ40(メモリトランジスタMTR)を形成する。電界効果トランジスタ40は、例えばNチャネル型電界効果トランジスタである。電界効果トランジスタ40は、メモリキャパシタMCPの上方に設けられる。電界効果トランジスタ40は、複数のメモリキャパシタMCPに対応して複数設けられる。
【0025】
酸化物半導体層41は、例えばZ軸方向に延在する柱状体である。酸化物半導体層41は、導電層42をZ軸方向に貫通する。酸化物半導体層41は、電界効果トランジスタ40のチャネルを形成する。酸化物半導体層41は、例えばインジウム(In)を含む。酸化物半導体層41は、例えば、酸化インジウムと酸化ガリウム、酸化インジウムと酸化亜鉛、又は、酸化インジウムと酸化スズを含む。一例として、インジウム、ガリウム、および、亜鉛を含む酸化物(インジウム-ガリウム-亜鉛-酸化物)、いわゆるIGZO(InGaZnO)を含む。酸化物半導体層41は、アモルファス構造を有していてもよく、熱処理により結晶構造を有していてもよい。
【0026】
酸化物半導体層41のZ軸方向の一端は、導電性酸化物層32を介して導電層31に接続され、メモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの他方として機能する。導電性酸化物層32は、メモリキャパシタMCPの電気伝導体25と電界効果トランジスタ40の酸化物半導体層41との間に設けられ、メモリトランジスタMTRのソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。導電性酸化物層32は、電界効果トランジスタ40の酸化物半導体層41と同様に金属酸化物を含むため、メモリトランジスタMTRとメモリキャパシタMCPとの間の接続抵抗を低減できる。
【0027】
導電層42は、X―Y平面において絶縁膜43を挟んで酸化物半導体層41に対向する部分を含む。導電層42は、X―Y平面において酸化物半導体層41および絶縁膜43を囲む。導電層42は、メモリトランジスタMTRのゲート電極を形成するとともに、配線としてワード線WLを形成する。導電層42は、例えば金属、金属化合物、または、半導体を含む。導電層42は、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、およびルテニウム(Ru)からなる群より選ばれる少なくとも一つの材料を含む。
【0028】
なお、図2において、導電層42は、Y軸方向から見て電界効果トランジスタ40と重なる領域よりも電界効果トランジスタ40と重ならない領域の方がY軸方向の幅が狭いが、これに限定されず、導電層42のY軸方向の幅は、一定の値であってもよい。
【0029】
複数の導電層42は、図2に示すように、X軸方向に延在するとともに、互いに平行に配置される。各導電層42は、X軸方向において、複数のメモリセルMCに重なり接続される。
【0030】
絶縁膜43は、X―Y平面において、酸化物半導体層41と導電層42との間に設けられる。絶縁膜43は、メモリトランジスタMTRのゲート絶縁膜を形成する。絶縁膜43は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。絶縁膜43は、複数の絶縁膜の積層膜であってもよい。
【0031】
電界効果トランジスタ40は、ゲート電極がチャネルを囲んで配置される、いわゆるSurrounding Gate Transistor(SGT)である。SGTにより半導体装置の面積を小さくできる。
【0032】
酸化物半導体を含むチャネル層を有する電界効果トランジスタは、半導体基板10に設けられた電界効果トランジスタよりもオフリーク電流が低い。よって、例えばメモリセルMCに保持されたデータを長く保持できるため、リフレッシュ動作の回数を減らすことができる。また、酸化物半導体を含むチャネル層を有する電界効果トランジスタは、低温プロセスで形成可能であるため、メモリキャパシタMCPに熱ストレスを与えることを抑制できる。
【0033】
絶縁層44は、絶縁層33の上に設けられ、導電層42の下方に設けられる。絶縁層44は、複数の電界効果トランジスタ40の間に設けられる。絶縁層44は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0034】
絶縁層45は、絶縁層44の上に設けられる。絶縁層45は、複数の導電層42の間に設けられる。絶縁層45は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0035】
絶縁層46は、導電層42の上および絶縁層45の上に設けられ、絶縁層54の下に設けられる。絶縁層46は、絶縁層45の上において、複数の電界効果トランジスタ40の間に設けられる。絶縁層46は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0036】
導電性酸化物層51は、酸化物半導体層41の上に設けられる。導電性酸化物層51は、例えばインジウム-錫-酸化物(ITO)等の金属酸化物を含む。
【0037】
導電層52は、導電性酸化物層51の上に設けられ、導電性酸化物層51に電気的に接続される。導電層52は、例えば銅またはタングステンを含有する。
【0038】
導電層53は、導電性酸化物層51と導電層52との間に設けられる。導電層53は、例えば、金属化合物層であり、例えば、チタンと、窒素と、を含有する。導電層53を形成することにより、導電性酸化物層51から導電層52への酸素の拡散を抑制できる。
【0039】
導電性酸化物層51、導電層52、および導電層53は、導電体50を形成する。導電体50は、ビット線BLを介してセンスアンプに電気的に接続される。導電体50は、例えばメモリトランジスタMTRとビット線BLと接続するための導電性パッドとしての機能を有する。導電体50は、複数の電界効果トランジスタ40に対応して複数設けられる。複数の導電体50の間には、絶縁層54が形成される。絶縁層54は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0040】
酸化物半導体層41のZ軸方向の他端は、導電性酸化物層51および導電層53を介して導電層52に接続され、メモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの一方として機能する。導電性酸化物層51は、メモリトランジスタMTRのソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。導電性酸化物層51は、電界効果トランジスタ40の酸化物半導体層41と同様に金属酸化物を含むため、メモリトランジスタMTRとビット線BLとの間の接続抵抗を低減できる。
【0041】
導電層61は、導電層52の少なくとも一部の上に設けられ、導電体50に接続される。導電層61は、配線としてビット線BLを形成する。導電層61は、例えば、銅やタングステンを含む。
【0042】
絶縁層62は、複数の導電層61の間に設けられる。絶縁層62は、絶縁層54の上に設けられる。絶縁層62は、導電層52の一部の上に設けられてもよい。絶縁層62は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0043】
絶縁層62は、空隙62Sを有する。空隙62Sは絶縁層54の上に設けられる。空隙62Sは、例えば複数の導電層61の間に設けられる。空隙62Sは、例えばY軸方向に延在する。空隙62Sは、X-Y平面において、例えばホール形状でもよい。空隙62Sは、例えば空気で満たされていてもよい。
【0044】
複数の導電層61(ビット線BL)は、図2に示すように、Y軸方向に延在するとともに、互いに平行に配置される。各導電層61は、Z軸方向から見て、複数のメモリセルMCに重なり接続される。
【0045】
複数のメモリセルMCは、図2に示すように、X-Y平面において千鳥配置を形成してもよい。複数のワード線WLの一つに接続されたメモリセルMCは、隣接するワード線WLに接続されたメモリセルMCに対してX軸方向にずれて配置される。これにより、メモリセルMCの集積度を高めることができる。
【0046】
絶縁層71は、導電層61の上および絶縁層62の上に設けられる。絶縁層71は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0047】
絶縁層72は、絶縁層62の上に設けられ、絶縁層71の下に設けられる。絶縁層72は、絶縁層62や絶縁層71よりも酸素の透過性が低い。絶縁層72は、絶縁層62や絶縁層71よりも密度が高い。
【0048】
絶縁層72は、シリコンと、酸素と、を含有する。絶縁層72の厚さは、例えば20nm以上500nm以下である。
【0049】
導電体81は、Z軸方向に絶縁層71および絶縁層72を貫通して複数の導電層61の一つに接する。導電体81は、例えば銅やタングステン等の金属を含む。導電体81は、コンタクトとしての機能を有する。導電体81は、複数の金属層の積層であってもよい。
【0050】
導電体82は、Z軸方向に絶縁層46、絶縁層54、絶縁層62、絶縁層71、および絶縁層72を貫通して複数の導電層42の一つに接する。導電体82は、コンタクトとしての機能を有する。導電体82は、例えば銅やタングステン等の金属を含む。導電体82は、複数の金属層の積層であってもよい。
【0051】
次に、メモリセルアレイの第1の構造例の製造方法例について図5ないし図16を参照して説明する。図5ないし図16は、第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図5ないし図16は、X-Z断面の一部を示す。なお、ここでは、メモリキャパシタMCPを形成した後の製造工程について説明する。
【0052】
図5に示すように、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、絶縁層45、絶縁層46を順に形成する。導電性酸化物層32は、例えばスパッタリングや、原子層堆積法(ALD)を用いて形成可能である。導電層42は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層44、絶縁層45、絶縁層46は、例えば化学気相成長法(CVD)や、ALDを用いて形成可能である。
【0053】
次に、図6に示すように、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させる。開口401は、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより上記積層体を厚さ方向に部分的に除去することにより形成可能である。
【0054】
次に、図7に示すように、開口401の内面に絶縁膜43を形成する。絶縁膜43は、例えばCVD、ALDを用いて絶縁膜を形成後、反応性イオンエッチング(RIE)により絶縁膜43を厚さ方向に部分的に除去して導電性酸化物層32の上面および絶縁層46の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0055】
次に、図8に示すように、開口401を埋める酸化物半導体層41を形成する。酸化物半導体層41は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて開口401に酸化物半導体膜を形成後、RIEにより酸化物半導体膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層46の上面を露出させることにより形成される。
【0056】
次に、図9に示すように、酸化物半導体層41の上に導電性酸化物層51、導電層53、導電層52を形成する。導電性酸化物層51、導電層53、導電層52は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて積層膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより積層膜を部分的に除去することにより形成可能である。
【0057】
次に、図10に示すように、絶縁層46の上に絶縁層54を形成する。絶縁層46は、例えばCVD、ALDを用いて絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁層46を厚さ方向に部分的に除去して導電層52の上面を露出させることにより形成可能である。
【0058】
次に、図11に示すように、導電層52の少なくとも一部の上に導電層61を形成する。導電層61は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。
【0059】
次に、図12に示すように、複数の導電層61の間に絶縁層62を形成する。絶縁層62は、CVD、ALDを用いて下部絶縁層を形成し、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて下部絶縁層の上にマスク層を形成し、当該マスク層を用いたドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより下部絶縁層を部分的に除去することにより、凹部を形成し、CVD、ALDを用いて下部絶縁層および凹部の上に下部絶縁層よりもカバレッジ(段差被覆性)が悪い上部絶縁層を形成し、RIEや化学機械研磨(CMP)により上部絶縁層を平坦化することにより形成可能である。これにより、上部絶縁層と下部絶縁層との間に空隙62Sを形成できる。
【0060】
次に、図13に示すように、絶縁層62の上に絶縁層72を形成する。絶縁層72は、例えばCVD、ALDを用いて形成可能である。絶縁層72は、例えば200℃以上400℃以下の温度で形成される。
【0061】
次に、図14に示すように、酸素を含む雰囲気下で熱処理を行うことにより、絶縁層72および空隙62Sを介して酸素(O)を酸化物半導体層41に供給する。熱処理は、例えば、400℃以上500℃以下の温度、100Torr以上700Torr以下の圧力で、5分以上30分以下行われる。
【0062】
メモリセルアレイを形成する場合、酸化物半導体層41から酸素が脱離しやすい。酸素が脱離すると電界効果トランジスタ40(メモリトランジスタMTR)の閾値電圧が負の方向にシフトしてメモリトランジスタMTRの電気特性が悪化する。そこで、酸化物半導体層41の形成後に酸素雰囲気下で熱処理を行うことにより、メモリトランジスタMTRの閾値電圧のシフトを抑制できる。
【0063】
次に、図15に示すように、絶縁層72の上に絶縁層71を形成する。絶縁層71は、例えばCVD、ALDを用いて形成可能である。絶縁層71は、例えば200℃以上400℃以下の温度下で形成される。絶縁層71の厚さは、例えば20nm以上500nm以下である。
【0064】
絶縁層71および絶縁層72の形成条件を制御することにより、絶縁層71の密度よりも絶縁層72の密度を高くすることができる。これにより、絶縁層72は、絶縁層71よりも酸素の透過性を低くすることができる。
【0065】
次に、図16に示すように、導電体81を形成するとともに、図3に示す導電体82を形成する。導電体81および導電体82は、絶縁層46、絶縁層54、絶縁層62、絶縁層71、および絶縁層72に開口を形成し、開口を埋めるように導電層を形成することにより形成可能である。その他の構成要素の形成方法については、既知の方法を用いることができる。以上が第1の構造例の製造方法例の説明である。
【0066】
絶縁層71は、例えばCVD、ALDにより形成可能であるが、形成時に発生する熱でも酸化物半導体層41から酸素が脱離しやすいため、絶縁層71の形成後に酸素雰囲気下で熱処理を行うことが好ましい。
【0067】
しかしながら、絶縁層72を形成することなく、絶縁層71の形成後に熱処理を行う場合、酸素の供給効率が高すぎるため、導電層52や導電層61が酸化しやすい。これは、メモリトランジスタMTRの動作不良の原因となり、半導体装置の信頼性を低下させる。
【0068】
これに対し、メモリセルアレイの第1の構造例は、酸素の透過性が絶縁層62や絶縁層71よりも低い絶縁層72を備えることにより、導電層52および導電層61の酸化を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0069】
(第1の構造例の第1の変形例)
図17は、第1の構造例の第1の変形例を説明するための断面模式図である。図17は、X-Z断面の一部を示す。図17に示すメモリセルアレイは、図4に示す構成と比較して、バリア膜73を有する構成が異なる。以下では図4と異なる部分について説明し、その他の部分については、図4の説明を適宜援用できる。
【0070】
バリア膜73は、絶縁層71と絶縁層72との間に設けられる。バリア膜73は、酸素や水素の移動を抑制する機能を有する。水素は、例えば酸化物半導体層41に移動すると、メモリトランジスタMTRの閾値電圧がシフトする場合がある。バリア膜73は、絶縁層71や絶縁層72よりも酸素や水素の透過性が低いことが好ましい。バリア膜73は、例えばアルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、タングステン、タンタル、チタン、シリコン、モリブデン、亜鉛の少なくとも一つの元素と、酸素または窒素と、を含有する。バリア膜73は、例えば絶縁層である。導電体81および導電体82は、バリア膜73を貫通する。
【0071】
バリア膜73は、上記熱処理の後であって絶縁層71を形成する前に、例えばCVD、ALD、スパッタリングにより絶縁層72の上に形成可能である。絶縁層71は、バリア膜73の形成後にバリア膜73の上に形成される。バリア膜73は、絶縁層72と同一のチャンバ内で連続的に形成されてもよい。バリア膜73は、例えば、チャンバを300℃以上の温度で加熱後に絶縁層72と同一のチャンバ内で連続的に形成されてもよい。
【0072】
バリア膜73を形成することにより、熱処理後のバリア膜73の上部への酸素の脱離を抑制できる。また、バリア膜73を形成することにより熱処理後のバリア膜73の下部への水素の侵入を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0073】
(第1の構造例の第2の変形例)
図18は、第1の構造例の第2の変形例を説明するための断面模式図である。図18は、X-Z断面の一部を示す。図18に示すメモリセルアレイは、図4に示す構成と比較して、絶縁層62を有することなく、絶縁層72を有する構成が異なる。以下では図4と異なる部分について説明し、その他の部分については、図4の説明を適宜援用できる。
【0074】
絶縁層62を有しない場合、絶縁層72は、複数の導電層61の間に延在する。よって、絶縁層72は、導電層52の上、絶縁層54の上、導電層61の上に設けられ、導電層61の側面に接して設けられる。絶縁層72は、例えば、図11と同様に、導電層61を形成した後に、例えばCVD、ALDを用いて導電層52の上、絶縁層54の上、導電層61の上に形成可能である。
【0075】
絶縁層72を複数の導電層61の間に延在することにより熱処理による導電層61の側面の酸化の抑制効果を向上できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0076】
(第1の構造例の第3の変形例)
図19は、第1の構造例の第3の変形例を説明するための断面模式図である。図19は、X-Z断面の一部を示す。図19に示すメモリセルアレイは、図4に示す構成と比較して、バリア膜73を有し、且つ絶縁層62を有することなく、絶縁層72を有する構成が異なる。その他の部分については、図17および図18の説明を適宜援用できる。
【0077】
バリア膜73を形成することにより、熱処理後のバリア膜73の上部の酸素の脱離を抑制できる。また、バリア膜73を形成することにより、熱処理後のバリア膜73の下部の水素の侵入を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0078】
絶縁層72を複数の導電層61の間に延在することにより熱処理による導電層61の側面の酸化の抑制効果を向上できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0079】
(第1の構造例の第4の変形例)
図20は、第1の構造例の第4の変形例を説明するための断面模式図である。図20は、X-Z断面の一部を示す。図20に示すメモリセルアレイは、図18に示す構成と比較して、絶縁層54の代わりに絶縁層54aを有する構成が異なる。以下では図18と異なる部分について説明し、その他の部分については、図18の説明を適宜援用できる。
【0080】
絶縁層54aは、絶縁層46の上に設けられ、複数の導電体50の間に設けられる。よって、絶縁層54aは、導電性酸化物層51の側面、導電層52の側面、導電層53の側面に接する。
【0081】
絶縁層54aは、絶縁層54よりも酸素の透過性が低く、絶縁層71よりも酸素の透過性が低い。絶縁層54aは、絶縁層54よりも密度が高く、絶縁層71よりも密度が高い。絶縁層54aは、シリコンと、酸素と、を含有する。絶縁層54aは、絶縁層72と同じ材料および方法を用いて形成可能である。
【0082】
絶縁層54aにより熱処理による導電体50の側面の酸化の抑制効果を向上できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0083】
(第1の構造例の第5の変形例)
図21は、第1の構造例の第5の変形例を説明するための断面模式図である。図21は、X-Z断面の一部を示す。図21に示すメモリセルアレイは、図20に示す構成と比較して、バリア膜73を有する構成が異なる。バリア膜73については、図18の説明を適宜援用でき、その他の部分については、図20の説明を適宜援用できる。
【0084】
バリア膜73を形成することにより熱処理後の酸素の脱離を抑制できる。また、バリア膜73を形成することにより熱処理後の水素の侵入を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0085】
(第1の構造例の第6の変形例)
図22は、第1の構造例の第6の変形例を説明するための断面模式図である。図22は、X-Z断面の一部を示す。図22に示すメモリセルアレイは、図20に示す構成と比較して、絶縁層54aに空隙54Sを有し、絶縁層72に空隙72Sを有する構成が異なる。以下では図20と異なる部分について説明し、その他の部分については、図20の説明を適宜援用できる。
【0086】
空隙54Sは、例えば複数の導電体50の間に設けられる。空隙54Sは、絶縁層46の上に設けられる。空隙54Sは、導電体50と離れていることが好ましい。空隙54Sは、例えばY軸方向に延在する。空隙54Sは、X-Y平面において、例えばホール形状でもよい。空隙54Sは、例えば空気で満たされていてもよい。空隙54Sは、例えば、空隙62Sと同様の方法により形成可能である。
【0087】
空隙72Sは、例えば複数の導電層61の間に設けられる。空隙72Sは、絶縁層54aの上に設けられてもよい。空隙72Sは、導電層61と離れていることが好ましい。空隙72Sは、例えばY軸方向に延在する。空隙72Sは、X-Y平面において、例えばホール形状でもよい。空隙72Sは、例えば空気で満たされていてもよい。空隙72Sは、例えば、空隙62Sと同様の方法により形成可能である。
【0088】
空隙54Sおよび空隙72Sを形成することにより、導電体50および導電層61の酸化を抑制するとともに、熱処理による酸化物半導体層41への酸素の供給効率を向上できる。
【0089】
(第1の構造例の第7の変形例)
図23は、第1の構造例の第7の変形例を説明するための断面模式図である。図23は、X-Z断面の一部を示す。図23に示すメモリセルアレイは、図22に示す構成と比較して、バリア膜73を有する構成が異なる。バリア膜73については、図18の説明を適宜援用でき、その他の部分については、図22の説明を適宜援用できる。
【0090】
バリア膜73を形成することにより熱処理後の酸素の脱離を抑制できる。また、バリア膜73を形成することにより熱処理後の水素の侵入を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0091】
(第1の構造例の第8の変形例)
図24は、第1の構造例の第8の変形例を説明するための断面模式図である。図24は、X-Z断面の一部を示す。図24に示すメモリセルアレイは、図4に示す構成と比較して、空隙62Sを有しない構成が異なる。その他の部分については、図4の説明を適宜援用できる。
【0092】
空隙62Sを有しない場合であっても、導電体50および導電層61の酸化を抑制するとともに、酸化物半導体層41に酸素を供給できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0093】
(第1の構造例の第9の変形例)
図25は、第1の構造例の第9の変形例を説明するための断面模式図である。図25は、X-Z断面の一部を示す。図25に示すメモリセルアレイは、図24に示す構成と比較して、バリア膜73を有する構成が異なる。バリア膜73については、図18の説明を適宜援用でき、その他の部分については、図24の説明を適宜援用できる。
【0094】
バリア膜73を形成することにより熱処理後のバリア膜73の上部への酸素の脱離を抑制できる。また、バリア膜73を形成することにより熱処理後のバリア膜73の下部への水素の侵入を抑制できる。これにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0095】
第1の変形例ないし第9の変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0096】
(メモリセルアレイの第2の構造例)
図26ないし図30は、実施形態のメモリセルアレイの第2の構造例の製造方法例を説明するための平面模式図である。図26ないし図30は、X-Y平面の一部を示す。第2の構造例は、第1の構造例と比較して、導電体50の形成方法が異なる。以下では、第1の構造例と異なる部分について説明し、それ以外の部分については、第1の構造例の説明を適宜援用できる。
【0097】
まず、第1の構造例の製造方法例と同様に、メモリキャパシタMCPおよびメモリトランジスタMTR(電界効果トランジスタ40)を形成する。ここでは、便宜のため図示を省略する。
【0098】
次に、図26に示すように、導電性酸化物層51、導電層52、導電層53を形成するための導電膜の積層膜500を形成する。積層膜500は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電性酸化物層51、導電層53、導電層52を形成するための導電膜を、順に積層することにより形成可能である。
【0099】
次に、図27に示すように、積層膜500の上にマスク層55を形成する。複数のマスク層55は、例えば、X軸方向に延在し、Y軸方向に離れて配置される。マスク層55は、例えばポリエチレンポリオール(PEP)等の樹脂材料を含む。マスク層55は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して積層膜500の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0100】
RIEにより樹脂膜を部分的に除去することにより複数のマスク層55を形成する場合、Y軸方向の端部に位置するマスク層55(マスク層55a)は、端部のマスク層55よりも内側に位置するマスク層55(マスク層55b)よりもY軸方向の幅が大きくなる場合がある。これは、端部において、樹脂膜の屑が発生しやすく、当該屑が端部のマスク層55の側面に堆積するためである。
【0101】
次に、図28に示すように、マスク層55の上にマスク層56を形成する。複数のマスク層56は、例えば、V方向に離間して配置され、W軸方向に延在する。V軸方向およびW軸方向は、X-Y平面における、X軸方向と異なるとともにY軸方向と異なる任意の方向である。よって、V軸およびW軸は、X軸と交差し、Y軸と交差し、Z軸と交差する。W軸方向は、V軸方向と異なる。マスク層56は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層56は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去してマスク層55が残存したまま積層膜500の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0102】
RIEにより樹脂膜を部分的に除去することにより複数のマスク層56を形成する場合、V軸方向の端部に位置するマスク層56(マスク層56a)は、端部のマスク層56aよりも内側に位置するマスク層56(マスク層56b)よりもV軸方向の幅が大きくなる場合がある。これは、端部において、樹脂膜の屑が発生しやすく、当該屑が端部のマスク層56の側面に堆積するためである。
【0103】
次に、図29に示すように、マスク層55およびマスク層56を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより積層膜500を部分的に除去することにより、積層膜500のマスク層55とマスク層56との交差部と重なる部分のみが残存して複数の導電体50を形成する。
【0104】
複数の導電体50は、導電体50aと、導電体50bと、導電体50cと、導電体50dと、を有する。導電体50aないし導電体50dは、X軸方向およびW軸方向に延在する。
【0105】
導電体50aは、X軸方向およびW軸方向の少なくとも一つの方向において導電体50b、導電体50c、および導電体50dのそれぞれよりも内側に配置される。
【0106】
導電体50bは、W軸方向の端部に配置される。導電体50bは、導電体50aよりもW軸方向の長さが大きい。導電体50bのW軸方向の長さは、導電体50aのW軸方向の長さよりも1.05倍以上であることが好ましい。また、X-Y平面において、導電体50bと導電層61との接触面積は、導電体50aと導電層61との接触面積よりも大きい。
【0107】
導電体50cは、X軸方向の端部に配置される。導電体50cは、導電体50aよりもX軸方向の長さが大きい。導電体50cのX軸方向の長さは、導電体50aのX軸方向の長さよりも1.05倍以上であることが好ましい。また、X-Y平面において、導電体50cと導電層61との接触面積は、導電体50aと導電層61との接触面積よりも大きい。
【0108】
導電体50dは、X軸方向の端部に配置されるとともにW軸方向の端部に配置される。導電体50dは、導電体50aよりもX軸方向の長さが大きい。導電体50dは、導電体50aよりもW軸方向の長さが大きい。導電体50dのX軸方向の長さは、導電体50aのX軸方向の長さよりも1.05倍以上であることが好ましい。導電体50dのW軸方向の長さは、導電体50aのW軸方向の長さよりも1.05倍以上であることが好ましい。また、X-Y平面において、導電体50dと導電層61との接触面積は、導電体50aと導電層61との接触面積よりも大きい。
【0109】
その後、図30に示すように、導電層61を形成する。複数の導電層61は、導電層61aと、導電層61bと、を有する。導電層61aおよび導電層61bは、X軸方向に離間して配置され、Y軸方向に延在する。
【0110】
導電層61aは、X軸方向において導電層61bよりも内側に配置される。導電層61aは、例えば導電体50aに接続される。導電層61aは、ビット線BLとしての機能を有する。
【0111】
導電層61bは、X軸方向の端部に配置される。導電層61bは、導電体50cまたは導電体50dに接続される。導電層61bは、ダミーのビット線としての機能を有する。
【0112】
導電層61aは、Y軸方向の一つの端部において、導電体50b、導電体50c、および導電体50dの一つのみに接続されるように配置されることが好ましい。これにより、隣接するビット線BL同士の短絡を抑制できる。
【0113】
複数のマスク層を用いて導電体50を形成することにより、複数の導電体50を容易に形成できる。さらに、端部に面積が大きい導電体50を形成する場合、導電層61の配置を制御することにより、ビット線BL同士の短絡を抑制できる。
【0114】
(第2の構造例の変形例)
図31は、第2の構造例の変形例を説明するための断面模式図である。図31は、X-Y平面の一部を示す。図31に示すメモリセルアレイは、図30に示す構成と比較して、X軸方向およびW軸方向の少なくとも一つの方向の両端に導電体50aと面積が異なる導電体50を有する構成が異なる。以下では、図30と異なる部分について説明し、それ以外の部分については、図30の説明を適宜援用できる。なお、図31では、便宜のため、導電層61を点線で図示する。
【0115】
図30は、W軸方向の両端に導電体50bを有する例を示す。これに限定されず、第2の構造例の変形例は、X軸方向の両端に導電体50cを有していてもよく、X軸方向の両端であって且つW軸方向の両端に導電体50dを有していてもよい。導電層61aは、Y軸方向の端部のそれぞれにおいて、導電体50b、導電体50c、および導電体50dの一つのみに接続されるように配置されることが好ましい。これにより、隣接するビット線BL同士の短絡を抑制できる。
【0116】
図31に示す構成においても、複数の導電体50を容易に形成できる。さらに、端部に面積が大きい導電体50を形成する場合、導電層61の配置を制御することにより、ビット線BL同士の短絡を抑制できる。
【0117】
(メモリセルアレイの第3の構造例)
図32は、メモリセルアレイの第3の構造例を説明するための平面模式図である。図33は、メモリセルアレイの第3の構造例を説明するための断面模式図である。図32は、X-Y平面の一部を示す。図32は、Y-Z断面の一部を示す。以下では、第1の構造例または第2の構造例と異なる部分について説明し、それ以外の部分については、第1の構造例または第2の構造例の説明を適宜援用できる。なお、図32では、便宜のため、導電層42および導電層61を点線で図示する。
【0118】
第3の構造例は、図32に示すように、メモリセルMCと、ダミーセルDCと、を有する。複数のワード線WLの一つに接続されたメモリセルMCは、X軸方向に沿って配置される。なお、これに限定されず、複数のメモリセルMCは、図2と同様に、X-Y平面において千鳥配置を形成してもよい。なお、図32において、導電層42のY軸方向の幅は、一定であるが、これに限定されず、図2と同様に、Y軸方向から見て電界効果トランジスタ40と重なる領域よりも電界効果トランジスタ40と重ならない領域の方がY軸方向の幅が狭くてもよい。
【0119】
複数のメモリセルMCは、メモリセルアレイのX軸方向およびY軸方向において、ダミーセルDCよりも内側に配置される。メモリセルMCのその他の説明については、第1の構造例の説明を適宜援用できる。
【0120】
ダミーセルDCは、メモリセルアレイのX軸方向およびY軸方向の少なくとも一つの方向の端部に配置される。複数のダミーセルDCは、メモリセルアレイのX軸方向の端部およびY軸方向の端部に配置されてもよい。ダミーセルDCは、例えば、図33に示すように、メモリセルMCにおける酸化物半導体層41の代わりに絶縁層47を有する。
【0121】
絶縁層47は、例えばZ軸方向に延在する柱状体である。絶縁層47は、導電層42をZ軸方向に貫通する。絶縁層47は、例えばシリコンまたはアルミニウムと、酸素または窒素と、を含有する。絶縁層47は、例えばシリコン酸化物層またはアルミニウム酸化物層であってもよい。また、絶縁層47は、エアギャップであってもよい。
【0122】
メモリセルアレイの端部において、酸化物半導体層41を形成するための開口401が導電層42を貫通することなく形成される場合がある。これは、酸化物半導体層41が導電層42と短絡する原因となる。
【0123】
これに対し、メモリセルアレイの第3の構造例は、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層47を有することにより、酸化物半導体層41と導電層42との短絡を抑制できる。
【0124】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の製造方法例について図34ないし図37を参照して説明する。図34ないし図37は、第3の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図34ないし図37は、Y-Z断面の一部を示す。
【0125】
第1の構造例の製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、図34に示すように、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0126】
次に、図35に示すように、端部の酸化物半導体層41を露出させたまま端部よりも内側の酸化物半導体層41を覆うマスク層91を形成する。マスク層91は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層91は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して端部の酸化物半導体層41の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0127】
次に、図36に示すように、マスク層91を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより端部の酸化物半導体層41を除去することにより、端部に開口401(開口401a)を形成する。酸化物半導体層41は、例えば希フッ酸(DHF)やバッファードフッ酸(BHF)を用いて除去されてもよい。エッチングにより、絶縁層46の露出部や絶縁膜43の露出部は残存することが好ましい。マスク層91は、エッチング後に除去される。
【0128】
次に、図37に示すように、開口401aを埋める絶縁層47を形成する。絶縁層47は、例えばCVD、ALDを用いて開口401aに絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁層47を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層46の上面を露出させることにより形成可能である。その他の構成要素の形成方法については、第1の構造例の方法を用いることができる。以上が第3の構造例の製造方法例の説明である。
【0129】
(第3の構造例の第1の変形例)
図38は、第3の構造例の第1の変形例を説明するための断面模式図である。図38は、Y-Z断面の一部を示す。図38に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、絶縁層47が導電層42を貫通することなく設けられる構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0130】
絶縁層47は、導電層42に接する。よって、絶縁層47に接する絶縁膜43の下面も導電層42に接する。X-Y平面において、絶縁層47の直径は、酸化物半導体層41の直径よりも小さい場合がある。
【0131】
第3の構造例の第1の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0132】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第1の変形例の製造方法例について図39および図40を参照して説明する。図39および図40は、第3の構造例の第1の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図39および図40は、Y-Z断面の一部を示す。
【0133】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0134】
このとき、メモリセルアレイの端部において、開口401が導電層42を貫通することなく形成される場合がある。これは、端部において、開口401aの直径が内側の開口401の直径よりも小さくなるためである。
【0135】
次に、端部の酸化物半導体層41を露出させたまま端部よりも内側の酸化物半導体層41を覆うマスク層91を形成する。マスク層91の説明は、上記マスク層91の説明を適宜援用できる。
【0136】
次に、図39に示すように、マスク層91を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより端部の酸化物半導体層41を除去することにより、端部に開口401(開口401a)を形成する。エッチングにより、絶縁層46の露出部や絶縁膜43の露出部、導電層42の露出部は残存することが好ましい。マスク層91は、エッチング後に除去される。
【0137】
次に、図40に示すように、開口401aを埋める絶縁層47を形成する。絶縁層47は、例えばCVD、ALDを用いて開口401aに絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁層47を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層46の上面を露出させることにより形成可能である。その他の構成要素の形成方法については、第1の構造例の方法を用いることができる。以上が第3の構造例の第1の変形例の製造方法例の説明である。
【0138】
(第3の構造例の第2の変形例)
図41は、第3の構造例の第2の変形例を説明するための断面模式図である。図41は、Y-Z断面の一部を示す。図41に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、絶縁層47の上の導電体50の代わりに導電体57を有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0139】
導電体57は、絶縁層47の上および導電層61の下に設けられる。導電体57は、絶縁層47および導電層61のそれぞれに接する。導電体57は、例えば銅またはタングステンを含有する。
【0140】
第3の構造例の第2の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0141】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第2の変形例の製造方法例について図42ないし図47を参照して説明する。図42ないし図47は、第3の構造例の第2の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図42ないし図47は、Y-Z断面の一部を示す。
【0142】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0143】
次に、図42に示すように、導電性酸化物層51を形成するための導電膜510と、導電層53を形成するための導電膜530と、を酸化物半導体層41の上および絶縁層46の上に形成する。導電膜510および導電膜530は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。
【0144】
次に、図43に示すように、導電膜510および導電膜530において端部の酸化物半導体層41と重なる部分を露出させたまま端部よりも内側の部分を覆うマスク層92を形成する。マスク層92は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層92は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して導電膜530の端部の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0145】
次に、図44に示すように、マスク層92を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510および導電膜530の露出部および端部の酸化物半導体層41を除去することにより、端部に開口401(開口401a)を形成する。マスク層92は、エッチング後に除去される。
【0146】
次に、図45に示すように、開口401aを埋める絶縁層47を形成する。絶縁層47は、例えばCVD、ALDを用いて開口401aに絶縁層47を形成するための絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層46の上面を露出させることにより形成可能である。
【0147】
次に、図46に示すように、絶縁層47の上、絶縁層46の露出部の上、および導電膜530の上に導電層52および導電体57を形成するための導電膜520を形成する。導電膜520は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。
【0148】
次に、図47に示すように、導電膜510、導電膜530、および導電膜520を部分的に除去することにより、導電体50および導電体57を形成する。導電膜510、導電膜530、および導電膜520、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより部分的に除去可能である。その後、第1の構造例と同様の方法により、その他の構成要素を形成する。以上が第3の構造例の第2の変形例の製造方法例である。
【0149】
(第3の構造例の第3の変形例)
図48は、第3の構造例の第3の変形例を説明するための断面模式図である。図48は、Y-Z断面の一部を示す。図48に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、端部の酸化物半導体層41の上の導電体50の代わりに絶縁層58を有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0150】
絶縁層58は、端部の酸化物半導体層41の上および導電層61の下に設けられる。絶縁層58は、酸化物半導体層41および導電層61のそれぞれに接する。絶縁層58は、例えばシリコンと、酸素と、を含有する。
【0151】
第3の構造例の第3の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0152】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第3の変形例の製造方法例について図49ないし図54を参照して説明する。図49ないし図54は、第3の構造例の第3の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図49ないし図54は、Y-Z断面の一部を示す。
【0153】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0154】
次に、図49に示すように、導電性酸化物層51を形成するための導電膜510と、導電層53を形成するための導電膜530と、導電層52を形成するための導電膜520と、を酸化物半導体層41の上および絶縁層46の上に形成する。導電膜510、導電膜520、および導電膜530は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。
【0155】
次に、図50に示すように、導電膜510、導電膜520、および導電膜530において端部の酸化物半導体層41と重なる部分を露出させたまま端部よりも内側の部分を覆うマスク層93を形成する。マスク層93は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層93は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して導電膜530の端部の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0156】
次に、図51に示すように、マスク層93を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510、導電膜520、および導電膜530の露出部を除去し、端部の酸化物半導体層41の上面を露出させる。マスク層93は、エッチング後に除去される。
【0157】
次に、図52に示すように、端部の酸化物半導体層41の上に絶縁層58を形成するための絶縁膜580を形成する。絶縁膜580は、例えばCVD、ALDを用いて形成可能であり、RIEにより部分的に除去されて導電膜520の上面を露出させる。
【0158】
次に、図53に示すように、絶縁膜580の一部の上、導電膜520の一部の上にマスク層94を形成する。マスク層94は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層94は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁膜580および導電膜520を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0159】
次に、図54に示すように、マスク層94を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510、導電膜520、導電膜530、および絶縁膜580の露出部を除去し、導電性酸化物層51、導電層52、導電層53、および絶縁層58を形成する。マスク層94は、エッチング後に除去される。その後、第1の構造例と同様の方法により、その他の構成要素を形成する。以上が第3の構造例の第3の変形例の製造方法例である。
【0160】
(第3の構造例の第4の変形例)
図55は、第3の構造例の第4の変形例を説明するための断面模式図である。図55は、Y-Z断面の一部を示す。図55に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、絶縁層47の上の導電体50の代わりに絶縁層58を有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0161】
絶縁層58は、絶縁層47の上および導電層61の下に設けられる。絶縁層58は、絶縁層47および導電層61のそれぞれに接する。絶縁層47のその他の説明については、図33の説明を適宜援用できる。絶縁層58のその他の説明については、図48の説明を適宜援用できる。
【0162】
第3の構造例の第4の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0163】
(第3の構造例の第5の変形例)
図56は、第3の構造例の第5の変形例を説明するための断面模式図である。図56は、Y-Z断面の一部を示す。図56に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、端部の酸化物半導体層41の代わりに絶縁層47と酸化物半導体層48との積層を有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0164】
絶縁層47は、導電性酸化物層32と離れて設けられ、導電性酸化物層51と接して設けられる。絶縁層47のその他の説明は、図33の説明を適宜援用できる。
【0165】
酸化物半導体層48は、導電性酸化物層32と絶縁層47との間に設けられる。酸化物半導体層48は、導電性酸化物層32および絶縁層47に接する。酸化物半導体層48は、図36と同様に端部の酸化物半導体層41を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層47は、図37と同様に開口401aを埋めるように絶縁膜を形成することにより形成可能である。
【0166】
第3の構造例の第5の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。
【0167】
(第3の構造例の第6の変形例)
図57は、第3の構造例の第6の変形例を説明するための断面模式図である。図57は、Y-Z断面の一部を示す。図57に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、端部の導電性酸化物層51を有しておらず、絶縁層59aを有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0168】
端部の導電層53は、酸化物半導体層41の上に接して設けられる。
【0169】
絶縁層59aは、導電層52の上に設けられ、導電層61の下に設けられる。絶縁層59aは、導電層52および導電層61に接して設けられる。絶縁層59aは、例えば、シリコンと、酸素と、を含有する。
【0170】
第3の構造例の第6の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層59aにより導電層61と酸化物半導体層41または導電層42との短絡を抑制できる。
【0171】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第6の変形例の製造方法例について図58ないし図63を参照して説明する。図58ないし図63は、第3の構造例の第6の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図58ないし図63は、Y-Z断面の一部を示す。
【0172】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0173】
次に、図58に示すように、導電性酸化物層51を形成するための導電膜510を酸化物半導体層41の上および絶縁層46の上に形成する。導電膜510は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。
【0174】
次に、図59に示すように、導電膜510において端部の酸化物半導体層41と重なる部分を露出させたまま端部よりも内側の部分を覆うマスク層95を形成する。マスク層95は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層95は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して導電膜510の端部の上面を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0175】
次に、図60に示すように、マスク層95を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510の露出部を除去し、端部の酸化物半導体層41の上面を露出させる。マスク層95は、エッチング後に除去される。
【0176】
次に、図61に示すように、導電層53を形成するための導電膜530と、導電層52を形成するための導電膜520と、を端部の酸化物半導体層41の上、絶縁層46の上、および導電膜510の上に形成する。導電膜520および導電膜530は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。その後、導電膜520における端部の酸化物半導体層41と重なる部分の上に絶縁層59aを形成するための絶縁膜590aを形成する。絶縁膜590aは、例えばCVD、ALDを用いて形成可能であり、RIEにより部分的に除去されて導電膜520の上面を露出させる。
【0177】
次に、図62に示すように、絶縁膜590aの一部の上、導電膜520の一部の上にマスク層96を形成する。マスク層96は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層96は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁膜590aおよび導電膜520を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0178】
次に、図63に示すように、マスク層96を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510、導電膜520、導電膜530、および絶縁膜590aの露出部を除去し、導電体50および絶縁層59aを形成する。マスク層96は、エッチング後に除去される。その後、第1の構造例と同様の方法により、その他の構成要素を形成する。以上が第3の構造例の第6の変形例の製造方法例である。
【0179】
(第3の構造例の第7の変形例)
図64は、第3の構造例の第7の変形例を説明するための断面模式図である。図64は、Y-Z断面の一部を示す。図64に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、端部の導電性酸化物層51の代わりに絶縁層59bを有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0180】
端部の導電層53は、絶縁層59bの上に接して設けられる。
【0181】
絶縁層59bは、端部の酸化物半導体層41の上に設けられ、導電層53の下に設けられる。絶縁層59bは、酸化物半導体層41および導電層53に接して設けられる。絶縁層59bは、例えば、シリコンと、酸素と、を含有する。
【0182】
第3の構造例の第7の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層59bにより導電層61と酸化物半導体層41または導電層42との短絡を抑制できる。
【0183】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第7の変形例の製造方法例について図65ないし図67を参照して説明する。図65ないし図67は、第3の構造例の第7の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図65ないし図67は、X-Z断面の一部を示す。
【0184】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0185】
次に、図58ないし図60と同様の方法により、導電膜510を部分的に除去し、端部の酸化物半導体層41の上面を露出させる。
【0186】
次に、図65に示すように、端部の酸化物半導体層41および絶縁層46の露出部の上に絶縁層59bを形成するための絶縁膜590bを形成する。絶縁膜590bは、例えばCVD、ALDを用いて形成可能であり、RIEにより部分的に除去されて導電膜510の上面を露出させる。その後、導電層53を形成するための導電膜530と、導電層52を形成するための導電膜520と、を絶縁膜590bの上および導電膜510の上に形成する。導電膜520および導電膜530は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。
【0187】
次に、図66に示すように、導電膜520の一部の上にマスク層96を形成する。マスク層96は、例えばPEP等の樹脂材料を含む。マスク層96は、例えば塗布法を用いて樹脂膜を形成後、RIEにより樹脂膜を厚さ方向に部分的に除去して導電膜520を部分的に露出させることにより形成可能である。
【0188】
次に、図67に示すように、マスク層96を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510、導電膜520、導電膜530、および絶縁膜590bの露出部を除去し、導電体50および絶縁層59bを形成する。マスク層96は、エッチング後に除去される。その後、第1の構造例と同様の方法により、その他の構成要素を形成する。以上が第3の構造例の第7の変形例の製造方法例である。
【0189】
(第3の構造例の第8の変形例)
図68は、第3の構造例の第8の変形例を説明するための断面模式図である。図68は、Y-Z断面の一部を示す。図68に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、絶縁層47の上に導電体50を有しない構成が異なる。絶縁層47は、絶縁層54に接する。絶縁層47の上に導電体50を有しない構成は、図49ないし図51と同様の方法により導電膜510、導電膜530、および導電膜520の積層膜における端部の絶縁層47と重なる部分を除去し、その後導電層61や絶縁層54を形成することにより形成可能である。その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0190】
第3の構造例の第8の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層47および絶縁層54により導電層61と導電層42との短絡を抑制できる。
【0191】
(第3の構造例の第9の変形例)
図69は、第3の構造例の第9の変形例を説明するための断面模式図である。図69は、Y-Z断面の一部を示す。図69に示すメモリセルアレイは、図68に示す構成と比較して、絶縁層54の代わりに絶縁層541と絶縁層542とを有する構成が異なる。以下では図68と異なる部分について説明し、その他の部分については、図68の説明を適宜援用できる。
【0192】
絶縁層541は、端部の酸化物半導体層41の上に設けられ、導電体50の側面に接する。絶縁層541は、例えば、シリコンと、酸素と、を含有する。
【0193】
絶縁層542は、絶縁層541の上に設けられ、導電層61の下に設けられる。絶縁層542は、例えば、シリコンと、酸素と、を含有する。
【0194】
第3の構造例の第9の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層47、絶縁層541および絶縁層542により導電層61と導電層42との短絡を抑制できる。
【0195】
次に、メモリセルアレイの第3の構造例の第9の変形例の製造方法例について図70ないし図73を参照して説明する。図70ないし図73は、第3の構造例の第9の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図70ないし図73は、Y-Z断面の一部を示す。
【0196】
第3の構造例の上記製造方法例と同様の方法により、導電性酸化物層32の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成し、その後、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させ、開口401に絶縁膜43と、酸化物半導体層41と、を順に形成する。
【0197】
次に、図65および図66と同様の方法により、図70に示すように、導電膜510と、導電膜530と、導電膜520と、を積層し、積層の一部の上にマスク層96を部分的に形成し、導電膜520の端部の酸化物半導体層41と重なる部分の上面を露出させる。
【0198】
次に、図71に示すように、マスク層96を用いてドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングにより導電膜510、導電膜520、導電膜530、および酸化物半導体層41の露出部を除去し、導電体50および開口401aを形成する。マスク層96は、エッチング後に除去される。
【0199】
次に、図72に示すように、導電体50を覆うとともに開口401aを埋めるように絶縁層541を形成し、絶縁層541の上に絶縁層542を形成する。絶縁層541および絶縁層542は、例えばCVD、ALDを用いて絶縁膜を形成することにより形成可能である。
【0200】
次に、図73に示すように、RIEにより絶縁層541および絶縁層542を厚さ方向に部分的に除去して導電層52の上面を露出させる。その後、第1の構造例と同様の方法により、その他の構成要素を形成する。以上が第3の構造例の第9の変形例の製造方法例である。
【0201】
(第3の構造例の第10の変形例)
図74は、第3の構造例の第10の変形例を説明するための断面模式図である。図74は、Y-Z断面の一部を示す。図74に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、端部の酸化物半導体層41の代わりに絶縁層47と酸化物半導体層48との積層を有する構成が異なり、図68に示す構成と比較して、絶縁層54の代わりに絶縁層541と絶縁層542とを有する構成が異なる。絶縁層541は、絶縁層47の上に設けられる。絶縁層47と酸化物半導体層48との積層の説明は、図56の説明を適宜援用できる。絶縁層541と絶縁層542のその他の説明は、図68の説明を適宜援用できる。その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0202】
第3の構造例の第10の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、絶縁層47、絶縁層541、および絶縁層542により導電層61と導電層42との短絡を抑制できる。
【0203】
(第3の構造例の第11の変形例)
図75は、第3の構造例の第11の変形例を説明するための断面模式図である。図75は、Y-Z断面の一部を示す。図75に示すメモリセルアレイは、図33に示す構成と比較して、絶縁層47の代わりに絶縁膜43aを有する構成が異なる。以下では図33と異なる部分について説明し、その他の部分については、図33の説明を適宜援用できる。
【0204】
絶縁膜43aは、絶縁膜43と同一層により形成される。絶縁膜43aは、例えば開口401aの直径が開口401aの内側の開口401の直径よりも小さい場合に開口401aを絶縁膜43で埋めることにより形成可能である。
【0205】
第3の構造例の第11の変形例であっても、メモリセルアレイの端部において、メモリセルMCの代わりにダミーセルDCを形成することにより、半導体装置の信頼性の低下を抑制できる。例えば、端部の絶縁膜43により導電層61と導電層42との短絡を抑制できる。
【0206】
第1の構造例、第2の構造例、および第3の構造例は、適宜組み合わせることができる。例えば、第3の構造例におけるダミーセルDCの上に第2の構造例における導電体50c、導電体50c、導電体50dを形成してもよい。また、第2の構造例における導電体50c、導電体50c、導電体50dのいずれかを絶縁層58としてもよい。
【0207】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0208】
10…半導体基板、11…絶縁層、21…導電体、22…導電層、23…絶縁体、24…導電体、25…電気伝導体、30…導電体、31…導電層、32…導電性酸化物層、33…絶縁層、40…電界効果トランジスタ、41…酸化物半導体層、42…導電層、43…絶縁膜、43a…絶縁膜、44…絶縁層、45…絶縁層、46…絶縁層、47…絶縁層、48…酸化物半導体層、50…導電体、50a…導電体、50b…導電体、50c…導電体、50d…導電体、51…導電性酸化物層、52…導電層、53…導電層、54…絶縁層、54S…空隙、54a…絶縁層、55…マスク層、55a…マスク層、55b…マスク層、56…マスク層、56a…マスク層、56b…マスク層、57…導電体、58…絶縁層、59a…絶縁層、59b…絶縁層、61…導電層、61a…導電層、61b…導電層、62…絶縁層、62S…空隙、71…絶縁層、72…絶縁層、72S…空隙、73…バリア膜、81…導電体、82…導電体、91…マスク層、92…マスク層、93…マスク層、94…マスク層、95…マスク層、96…マスク層、401…開口、401a…開口、500…積層膜、510…導電膜、520…導電膜、530…導電膜、541…絶縁層、542…絶縁層、580…絶縁膜、590a…絶縁膜、590b…絶縁膜。
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