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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129187
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240919BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038217
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】秋山 浩慶
(72)【発明者】
【氏名】徳永 翔平
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA24
5H770BA01
5H770DA03
5H770DA41
5H770FA13
5H770HA02Y
5H770QA06
5H770QA12
5H770QA16
5H770QA22
(57)【要約】
【課題】コンデンサを備えた電力変換装置において、工数を削減して組み立てを容易にする。
【解決手段】電力変換装置は、直流電圧を平滑化するコンデンサCと、コンデンサCに接続されたパワーモジュール1と、コンデンサCとパワーモジュール1とを接続し、コンデンサC上で平行に沿うように配置されたP導体6およびN導体7と、を備える。コンデンサCの接続部9aはプレスフィット形状またはスナップフィット形状とする。P導体6およびN導体7にはコンデンサCの接続部9aに係合し電気的に接続される孔6c、7cが形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を平滑化するコンデンサと、
前記コンデンサに接続されたパワーモジュールと、
前記コンデンサと前記パワーモジュールとを接続し、前記コンデンサ上で平行に沿うように配置されたP導体およびN導体と、
を備え、
前記コンデンサの接続部はプレスフィット形状またはスナップフィット形状とし、
前記P導体および前記N導体には前記コンデンサの前記接続部に係合し電気的に接続される孔が形成されたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記P導体と前記N導体のうち前記コンデンサに近い位置に配置された方には、前記P導体と前記N導体のうち前記コンデンサから遠い位置に配置された方と接続される前記コンデンサの前記接続部が貫通する切り欠きが形成されたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記コンデンサの前記接続部と前記P導体、前記N導体の係合箇所を半田で固定したことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールのP端子およびN端子に近い辺側に前記コンデンサをI(I:自然数)個配置した列をJ(J:自然数)列配列したことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記パワーモジュールは、前記P導体と接続される3つのスイッチング素子と前記N導体と接続される3つのスイッチング素子と、を備え、
前記コンデンサは3J個有し、
前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールの前記P端子および前記N端子に近い辺側に前記コンデンサを3個配置した列をJ列配列したことを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
【請求項6】
複数個の前記コンデンサを有し、
前記コンデンサのうち少なくとも1個は前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールのP端子およびN端子に近い辺側に配置し、
前記コンデンサのうち少なくとも1個は前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールの前記P端子および前記N端子に近い辺の隣の辺側に配置したことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサを備えた電力変換装置の組立技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に代表的な電力変換装置であるインバータユニットの回路図を示す。図1の左側のP端子、N端子は、バッテリやダイオード整流器などの直流電源と接続される。
【0003】
DCリンク電圧を平滑する役目を担うコンデンサは、図1に示すようにインバータユニットのP端子およびN端子に接続される。
【0004】
従来のコンデンサの構成を図11に示す。コンデンサは、ケース3内で複数のコンデンサ素子C1、C2、C3とP端子のバスバー4、N端子のバスバー5が電気的に接続され、エポキシ等の樹脂で封止して一体構成としたものが広く用いられている。
【0005】
このコンデンサの先行技術文献として、特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-79030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のコンデンサは、ケース内でコンデンサ素子とP端子バスバー、N端子バスバーを接続し樹脂で封止するため、工数が多く組み立てが容易ではなかった。
【0008】
また、コンデンサは、装置に合わせた形状、端子位置等の制約があることが多く、基本的にコンデンサは専用パッケージとなり拡張性に乏しい構成であった。
【0009】
以上示したようなことから、コンデンサを備えた電力変換装置において、工数を削減して組み立てを容易とすることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、直流電圧を平滑化するコンデンサと、前記コンデンサに接続されたパワーモジュールと、前記コンデンサと前記パワーモジュールとを接続し、前記コンデンサ上で平行に沿うように配置されたP導体およびN導体と、を備え、前記コンデンサの接続部はプレスフィット形状またはスナップフィット形状とし、前記P導体および前記N導体には前記コンデンサの前記接続部に係合し電気的に接続される孔が形成されたことを特徴とする。
【0011】
また、その一態様として、前記P導体と前記N導体のうち前記コンデンサに近い位置に配置された方には、前記P導体と前記N導体のうち前記コンデンサから遠い位置に配置された方と接続される前記コンデンサの前記接続部が貫通する切り欠きが形成されたことを特徴とする。
【0012】
また、その一態様として、前記コンデンサの前記接続部と前記P導体、前記N導体の係合箇所を半田で固定したことを特徴とする。
【0013】
また、その一態様として、前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールのP端子およびN端子に近い辺側に前記コンデンサをI(I:自然数)個配置した列をJ(J:自然数)列配列したことを特徴とする。
【0014】
また、その一態様として、前記パワーモジュールは、前記P導体と接続される3つのスイッチング素子と前記N導体と接続される3つのスイッチング素子と、を備え、前記コンデンサは3J個有し、前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールの前記P端子および前記N端子に近い辺側に前記コンデンサを3個配置した列をJ列配列したことを特徴とする。
【0015】
また、その一態様として、複数個の前記コンデンサを有し、前記コンデンサのうち少なくとも1個は前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールのP端子およびN端子に近い辺側に配置し、前記コンデンサのうち少なくとも1個は前記パワーモジュールの4つの辺のうち前記パワーモジュールの前記P端子および前記N端子に近い辺の隣の辺側に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンデンサを備えた電力変換装置において、工数を削減して組み立てを容易とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】インバータユニットを示す回路図。
図2】実施形態1における電力変換装置を示す斜視図。
図3】実施形態1におけるコンデンサを示す斜視図。
図4】実施形態1におけるコンデンサとP導体、N導体の接続箇所を示す拡大図。
図5】実施形態1におけるコンデンサとP導体と絶縁部材とN導体を示す分解斜視図。
図6】実施形態2におけるコンデンサを示す斜視図。
図7】実施形態2におけるコンデンサの接続部とP導体、N導体の接続構造を示す説明図。
図8】実施形態3における電力変換装置を示す斜視図。
図9】実施形態3におけるパワーモジュールとコンデンサを示す斜視図。
図10】実施形態4におけるパワーモジュールとコンデンサを示す斜視図。
図11】従来のコンデンサの一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願発明における電力変換装置の実施形態1~4を図1図10に基づいて詳述する。
【0019】
[実施形態1]
図1に、電力変換装置の一例としてインバータユニットの電気回路図を示す。以下、実施形態1~4では電力変換装置をインバータユニットと称する。図1に示すように、P端子とN端子との間にコンデンサ(例えばフィルムコンデンサ)Cが接続される。また、P端子とN端子との間にスイッチング素子Su,Sx、スイッチング素子Sv,Sy、スイッチング素子Sw,Szが直列接続される。スイッチング素子は例えばIGBTであり、スイッチング素子Su~Szで逆変換器(IGBTパッケージ)1を構成している。
【0020】
逆変換器1の交流側(スイッチング素子Su,Sxの接続点、スイッチング素子Sv,Syの接続点、スイッチング素子Sw,Szの接続点)にはモータMが接続される。また、逆変換器1とモータMとの間には電流センサ2が設けられている。
【0021】
コンデンサCはDCリンク電圧を平滑する役目を担う。また、コンデンサCに対して並列に放電抵抗Rが接続される。放電抵抗Rは、インバータユニットの入力電源オフ時にコンデンサCの電荷を放電させるために設けられている。これにより感電事故を防止している。
【0022】
本実施形態1におけるインバータユニットのコンデンサおよびP導体、N導体の構成を図2図5に示す。図2はインバータユニットの斜視図を示し、図3はコンデンサの斜視図を示し、図4はコンデンサとP導体、N導体の接続箇所の拡大図を示し、図5はコンデンサ、P導体、絶縁部材、N導体の分解斜視図を示す。
【0023】
なお、図2のパワーモジュール1は図1のIGBTパッケージ1に相当し、各相のIGBT(スイッチング素子Su~Sz)が6個搭載されている。
【0024】
図2図5に示すように、パワーモジュール1の隣(パワーモジュール1の4つの辺のうちパワーモジュール1のP端子10、N端子10に近い辺の隣)にはコンデンサC1、C2、C3が配置される。コンデンサC1、C2、C3の上にはN導体7、絶縁部材(絶縁紙または樹脂)8、P導体6が沿うように平行に配置される。
【0025】
図3に示すように、コンデンサCの上部にはP導体6、N導体7との接続部9aが設けられる。1つのコンデンサCに対して2つの接続部9aが設けられているが、1つはP導体6との接続部であり、もう一つはN導体7との接続部である。接続部9aはいわゆるプレスフィット形状となっている。具体的に、接続部9aには後述するP導体6、N導体7の丸孔6a、7aに挿入された際に弾性変形する弾性部が形成されている。
【0026】
図5に示すように、P導体6は平板状に形成され、丸孔6aと切り欠き6bが形成される。N導体7は平板状に形成され、丸孔7aと切り欠き7bが形成される。絶縁部材8は、平板状に形成され、切り欠き8aが形成される。
【0027】
また、図2図5ではコンデンサC1~C3の3個の例を示しているが、必要な容量に合わせてコンデンサCの数を増加させることが可能である。インバータユニットでは、負荷が大きくなるほど直流電圧を平滑にするためのコンデンサ容量を大きくする必要がある。1個あたり同容量のコンデンサをN(N:自然数)個並列接続すれば、コンデンサ総容量はN倍となる。そのため、大容量インバータほど多数のコンデンサCを用いることが多くなる。
【0028】
以下、コンデンサCとP導体6、N導体7の組立方法について説明する。
【0029】
図5に示すように、コンデンサC1~C3の上部にN導体7が載置され、コンデンサC1~C3の一方の接続部9aとN導体7の丸孔7aが接続される。コンデンサC1~C3の他方の接続部9aはN導体7の切り欠き7bを貫通する。
【0030】
N導体7の上に絶縁部材8が載置される。コンデンサC1~C3の接続部9aは絶縁部材8の切り欠き8a内を貫通する。
【0031】
絶縁部材8の上にP導体6が載置される。コンデンサC1~C3の一方の接続部9aはP導体6の切り欠き6bを貫通する。コンデンサC1~C3の他方の接続部9aはP導体6の丸孔6aに接続される。
【0032】
本実施形態1はコンデンサC1、C2、C3の接続部9aの端子形状がいわゆるプレスフィット式となった構成である。接続部9aに弾性部が形成されているため、コンデンサC1、C2、C3の接続部9aをP導体6、N導体7の丸孔6a、7aに挿入すると、接続部9aの弾性部の弾性変形によって発生する復元力により接続部9aと丸孔6a、7aが係合して電気的に接続される。このように、コンデンサC1~C3にP導体6、N導体7をワンタッチで取り付けることが可能となり、インバータユニットの組み立てが容易となる。また、コンデンサCの接続部9aとP導体6、N導体7の係合箇所を半田付け等により固定して強固にすることも可能である。
【0033】
なお、図2図5では、プレスフィット式の接続構造の一例について説明したが、いわゆるプレスフィット式であれば他の接続構造でもよい。
【0034】
以上示したように、本実施形態1によれば、コンデンサCの接続部9aとP導体6、N導体7の接続をプレスフィット式とすることにより、ワンタッチで取り付けることが可能となり工数が削減されインバータユニットの組み立てが容易となる。また、設計、製作期間を短縮することが可能となる。
【0035】
また、P導体6、N導体7は図2図4図5に示すように平行に沿わせる配置をとることで、スイッチング素子Su~Szのターンオフ時に発生するサージ電圧を低減する効果が得られる。
【0036】
また、P導体6、N導体7に切り欠き6b、7bを形成して絶縁距離を確保し、切り欠き6b、7bで絶縁距離を確保できない部分は絶縁部材8を利用することによりP導体6とN導体7間の絶縁を確保することが可能となる。
【0037】
さらに、切り欠き6b、7bを形成することにより、他方の導体の丸孔(6aまたは7a)とコンデンサCの接続部9aの接続部分が容易に視認できるようになるため、組立性が向上する。P導体6、N導体7、絶縁部材8を一体化することでさらなる作業性の向上が図れる。よって、組み立て作業の工数を低減できる。
【0038】
なお、本実施形態1では、N導体7をコンデンサCに近い位置、P導体6をN導体7よりもコンデンサCから遠い位置に配置しているが、P導体6、N導体7の位置は逆でもよい。P導体6とN導体7のうちコンデンサCに近い位置に配置された方には、P導体6とN導体7のうちコンデンサCから遠い位置に配置された方と接続されるコンデンサCの接続部9aと接触しないように切り欠き6bまたは7bが形成される。
【0039】
[実施形態2]
実施形態1では図6(a)に示すようにコンデンサCの接続部9aをいわゆるプレスフィット形状としたが、本実施形態2は図6(b)に示すようにコンデンサCの接続部9bをいわゆるスナップフィット形状としたものである。接続部9bは先端の両側に凸部(保持部)が形成される。
【0040】
また、実施形態1ではP導体6、N導体7に丸孔6a、7aが形成されていたが、本実施形態2では図7に示すようにP導体6、N導体7にコンデンサCの接続部9bの形状に合わせた長孔6c(図示省略)、7cが形成される。
【0041】
図7(a)に示すように、コンデンサC1~C3の接続部9bをN導体7に設けた長孔7cに挿入すると、接続部9bの先端の凸部が長孔7cの縁に接触して内側に撓む。最後まで接続部9bを挿入すると、接続部9bの先端は内側に撓んだ状態から弾性力により元に戻り、図7(b)、図7(c)に示すように、接続部9bの先端の凸部(保持部)がN導体7の長孔7cに係止される。P導体6の長孔6cも同様である。すなわち、接続部9bが長孔6c、7cに係合し電気的に接続される。このように、コンデンサC1~C3にP導体6とN導体7をワンタッチで取り付けることが可能となり、インバータユニットの組立性が向上する。
【0042】
なお、図6図7では、スナップフィット式の接続構造の一例について説明したが、いわゆるスナップフィット式であれば他の接続構造でもよい。
【0043】
以上示したように、本実施形態2によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0044】
[実施形態3]
本実施形態3は、実施形態1及び実施形態2の構成において、図8図9に示すようにコンデンサCの数量を増加した構成である。例としてコンデンサCの数量を6個としたが、数量はその限りでは無く必要な容量に合わせて増減可能である。
【0045】
図9に示すように、パワーモジュール1の4つの辺のうちパワーモジュール1のP端子10、N端子10に近い辺(以下、長辺と称する)側にコンデンサCをI(I:自然数)個配置した列をJ(J:自然数)列配列する。
【0046】
本実施形態3では、パワーモジュール1は、P導体6と接続される3つのスイッチング素子Su、Sv、SwとN導体7と接続される3つのスイッチング素子Sx、Sy、Szと、を備える。図8図9に示すように、パワーモジュール1の長辺側の隣にコンデンサCをI=3個配置した列をJ=2列配列する。コンデンサCはI(=3)×J(=2)で6個となる。
【0047】
なお、図8図9では、一列当たりのコンデンサの個数をI=3個とし、列数をJ=2として配置した例を示したが、一列当たりのコンデンサCの個数(I)、列数(J)は適宜変更してよい。一列当たりのコンデンサCの個数(I)、列数(J)はパワーモジュール1およびコンデンサCの寸法やコンデンサCの容量等により設定されるものである。また、コンデンサCとP導体6、N導体7の接続方法は実施形態1、2どちらも適用可能である。
【0048】
以上示したように、本実施形態3によれば、実施形態1,2と同様の作用効果を奏する。また、構成を単純化することでコンデンサの容量拡大・容量縮小といった容量の拡張性の向上を図ることが可能となり、電力変換装置の容量別のシリーズ化が容易となる。
【0049】
また、パワーモジュール1のP端子10、N端子10に近い辺側に複数のコンデンサを集中させている。この構成によって、コンデンサCの接続部9aとパワーモジュール1のP端子10、N端子10とを接続するP導体6、N導体7の距離を低減できる。これにより両者間のインダクタンスが低減でき、スイッチング素子のターンオフ時のサージ電圧を低減できるため、スイッチング素子の過電圧破壊が起こりにくくなる。
【0050】
[実施形態4]
実施形態1~実施形態3の構成において、スペースに対してコンデンサCの配置を変更することで、デッドスペースを無くすことができる。
【0051】
図10に示すように、本実施形態4は、複数個のコンデンサCを有する。コンデンサCのうち少なくとも1個はパワーモジュール1の長辺側に配置する。コンデンサCのうち少なくとも1個はパワーモジュール1の長辺の隣の辺(以下、短辺と称する)側に配置する。
【0052】
パワーモジュール1の短辺側にコンデンサCをK(K:自然数)個配置した列をL(L:自然数)列配列する。パワーモジュール1の短辺側に配置されたコンデンサおよび長辺側にコンデンサCをI(I:自然数)個配置した列をJ(J:自然数)列配列する。
【0053】
図10では、パワーモジュール1の短辺側にコンデンサCをK=1個配置した列をL=1列配列する。また、パワーモジュール1の短辺側に配置されたコンデンサCおよび長辺側にコンデンサCをI=4個配置した列をJ=1列配列する。
【0054】
なお、図10では、短辺側の一列当たりのコンデンサCの個数をK=1個、短辺側の列数をL=1、長辺側の一列当たりのコンデンサCの個数をI=4個、長辺側の列数をJ=1として配置した例を示したが、短辺側の一列当たりのコンデンサCの個数(K)、短辺側の列数(L)、長辺側の一列当たりのコンデンサCの個数(I)、長辺側の列数(J)は適宜変更してよい。短辺側の一列当たりのコンデンサCの個数(K)、短辺側の列数(L)、長辺側の一列当たりのコンデンサCの個数(I)、長辺側の列数(J)はパワーモジュール1およびコンデンサCの寸法やコンデンサCの容量等により設定されるものである。また、コンデンサCとP導体6、N導体7の接続方法は実施形態1、2どちらも適用可能である。
【0055】
以上示したように、本実施形態4によれば、実施形態1~3と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態4によれば、コンデンサの容量の拡張性向上、省スペース化を図ることが可能となる。
【0056】
なお、本発明は、インバータに限らず、直流平滑コンデンサとパワーモジュールを備える電力変換装置全般(コンバータ、チョッパ)に適用可能な技術である。
【0057】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【符号の説明】
【0058】
1…パワーモジュール(IGBTパッケージ)
2…電流センサ
M…モータ
Su~Sz…スイッチング素子
3…ケース
C、C1~C3…コンデンサ
4…P端子のバスバー
5…N端子のバスバー
6…P導体
6a…丸孔(孔)
6b…切り欠き
7…N導体
7a…丸孔(孔)
7b…切り欠き
8…絶縁部材
8a…切り欠き
9a、9b…接続部
10…パワーモジュールのP端子、N端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11