(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012919
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ステビオール配糖体およびアルコールを含む飲料
(51)【国際特許分類】
C12G 3/04 20190101AFI20240124BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20240124BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C12G3/04
A23L2/00 C
A23L2/00 T
A23L2/00 B
A23L2/00 G
A23L2/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114738
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】土屋 祐子
(72)【発明者】
【氏名】山下 純平
(72)【発明者】
【氏名】横尾 芳明
(72)【発明者】
【氏名】大栗 弾宏
(72)【発明者】
【氏名】長尾 浩二
(72)【発明者】
【氏名】宗口 瑛
【テーマコード(参考)】
4B115
4B117
【Fターム(参考)】
4B115LG03
4B115LH11
4B117LC03
4B117LC14
4B117LK07
4B117LK11
4B117LL02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ステビオール配糖体およびアルコールを含む新規な飲料を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料。
【請求項2】
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量が50~800ppmである、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
レバウジオシドDの含有量が30~600ppmである、請求項1または2に記載の飲料。
【請求項4】
レバウジオシドMの含有量が30~600ppmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項5】
レバウジオシドAの含有量が0~400ppmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項6】
レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオール、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項7】
低甘味度甘味料をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項8】
前記低甘味度甘味料が、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、オリゴ糖、乳糖、プシコース、キシリトール、エリスリトール、アロース、タガトース、キシロース、リボース、果糖ブドウ糖液糖およびその組合せから選択される一種以上の甘味料を含む、請求項7に記載の飲料。
【請求項9】
エネルギーが100Kcal/100ml以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項10】
発泡性飲料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項11】
ステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物。
【請求項13】
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む飲料のアルコール含有量を、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満の量に調整することを含む、ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法。
【請求項14】
レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
(a)レバウジオシドDの含有量が0ppm以上60ppm未満、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、
(b)レバウジオシドMの含有量が0ppm以上50ppm未満、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、または
(c)レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が0ppmを超え、110ppm未満であり、
アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である、飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステビオール配糖体およびアルコールを含む飲料等に関する。本発明はまた、当該飲料の製造方法や当該飲料を調製するための濃縮物(例えば濃縮液)や、ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康志向の高まりから、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロースなどの高甘味度甘味料を使用した低カロリーな製品が増加しており、開発も盛んに行われている。
【0003】
特表2010-508824号(特許文献1)には、保存剤と、高甘味度甘味料と、甘味改善組成物とを含む甘味料組成物やその製造方法が開示されている。また、食用材料と、保存剤と、高甘味度甘味料と、甘味改善組成物とを含む甘味料入り食用組成物も開示されており、そのような甘味料入り食用組成物の例として、食品、飲料、薬品、タバコ、機能性食品、口腔衛生品または化粧品が挙げられている。
【0004】
国際公開公報第2021/099773号(特許文献2)には、レバウジオシドMと1,3-プロパンジオールを含む組成物やその製造方法が開示されている。また、当該組成物が飲食品用の甘味料として使用し得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010-508824号
【特許文献2】国際公開公報第2021/099773号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような状況の下、ステビオール配糖体およびアルコールを含む新規な飲料の開発が待たれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、所定量のアルコールを含む飲料に、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を添加することで、アルコール感をほとんどもたらさずに風味を改善することに初めて成功した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0008】
本発明は、次に示す、飲料、濃縮物およびステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法などを提供する。
[1]
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料。
[2]
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量が50~800ppmである、[1]に記載の飲料。
[3]
レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、50~500ppm、または100~400ppmである、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、50~550ppm、または100~500ppmである、[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5]
レバウジオシドAの含有量が0~400ppm、0~200ppm、または0~20ppmである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]
レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオール、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の飲料。
[7]
低甘味度甘味料をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8]
前記低甘味度甘味料が、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、オリゴ糖、乳糖、プシコース、キシリトール、エリスリトール、アロース、タガトース、キシロース、リボース、果糖ブドウ糖液糖およびその組合せから選択される一種以上の甘味料を含む、[7]に記載の飲料。
[9]
エネルギーが100Kcal/100ml以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の飲料。
[10]
発泡性飲料である、[1]~[9]のいずれかに記載の飲料。
[11]
ステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含む、[1]~[10]のいずれかに記載の飲料。
[12]
[1]~[11]のいずれかに記載の飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物。
[13]
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む飲料のアルコール含有量を、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満の量に調整することを含む、ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法。
[14]
レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
(a)レバウジオシドDの含有量が0ppm以上60ppm未満、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppm、
(b)レバウジオシドMの含有量が0ppm以上50ppm未満、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppm、または
(c)レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が0ppmを超え、110ppm未満、好ましくは10ppm~110ppm、より好ましくは30ppm~110ppmであり、
アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である、飲料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ステビオール配糖体およびアルコールを含む新規な飲料が提供される。本発明の好ましい態様によれば、甘味強度、厚み、雑味およびアルコール感からなる群から選択される1種以上の味質が改善された、ステビオール配糖体およびアルコールを含む新規な飲料が提供される。本発明の他の態様によれば、ステビオール配糖体含有飲料の甘味強度、厚み、雑味およびアルコール感からなる群から選択される1種以上の味質の改善方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例Aにおける官能評価結果のレーダーチャートを示す図である。
【
図2】実施例Bにおける官能評価における、各サンプルの甘味強度、厚み、雑味、アルコール感および総合評価の評価結果を示す図である。
【
図3】実施例Cおける官能評価における、各サンプルの甘味強度、厚み、雑味、アルコール感および総合評価の評価結果を示す図である。
【
図4】実施例Dにおける官能評価における、各サンプルの甘味強度、厚み、雑味、アルコール感および総合評価の評価結果を示す図である。
【
図5】実施例Dにおける官能評価のサンプル毎のレーダーチャートを示す図である。
【
図6】実施例Eにおける官能評価における、各サンプルの甘味強度、厚み、雑味およびアルコール感の評価結果を示す図である。
【
図7】実施例Eにおける官能評価のサンプル毎のレーダーチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
【0012】
本明細書において「ppm」とは、特に明記しない限り、「質量ppm」を意味する。本明細書において、「レバウジオシド」、「Reb」および「Reb.」は同じ意味を表すものであり、いずれも「rebaudioside」を意味するものである。
【0013】
1.ステビオール配糖体とアルコールを含む飲料
本発明は、一態様として、ステビオール配糖体とアルコールを含む飲料(以下、「本発明の飲料」ともいう)を提供する。
本発明の飲料の一実施形態によれば、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。本発明の飲料の他の実施形態によれば、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、(a)レバウジオシドDの含有量が0ppm以上60ppm未満、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、(b)レバウジオシドMの含有量が0ppm以上50ppm未満、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、または(c)レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が0ppmを超え、110ppm未満であり、アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態による飲料は、甘味強度、厚み、雑味およびアルコール感からなる群から選択される1種以上の味質が改善されている。本発明の好ましいいくつかの実施形態による飲料は、少なくとも甘味強度が改善(向上)されている。本発明の好ましいいくつかの実施形態による飲料は、甘味強度に加え、厚みおよび雑味が改善されている。さらに本発明の好ましい実施形態による飲料は、甘味料として天然由来のステビオール配糖体のみを実質的に含むか、あるいは天然由来のステビオール配糖体と天然の低甘味度甘味料のみを実質的に含むため、ナチュラルな製品を求める消費者のニーズにも合致する。ここで、「甘味料として天然由来のステビオール配糖体のみを実質的に含むか、あるいは天然由来のステビオール配糖体と天然の低甘味度甘味料のみを実質的に含む」とは、不純物量または甘味閾値未満の量(例えば20ppm未満の量)で他の甘味料を含むことを許容することを意味する。他の本発明の好ましい実施形態による飲料は、ステビオール配糖体を含むことにより、砂糖や果糖ブドウ糖液糖などのカロリーの高い甘味料の使用をなくすかあるいは低減させることができるため、カロリーを抑えることができる。
【0015】
<ステビオール配糖体>
ステビオール配糖体とは、キク科ステビア(Stevia rebaudiana)の葉に含まれるジテルペノイドの一種であるステビオール(Steviol)を骨格として有する甘味物質である。ステビオール配糖体の多くは砂糖の数十倍~数百倍もの甘味を呈することから、カロリーレスの甘味料として飲食品産業に利用されている。従来のステビア植物の葉には、ステビオール骨格に3つのグルコース分子が結合したステビオシド(Stevioside)が量的に最も多く含まれ、次いで4つのグルコース分子が結合したレバウジオシドA(Rebaudioside A、またはReb A)が多く含まれている。一方で、グルコース分子がそれぞれ5つと6つ結合した構造を有するレバウジオシドDとレバウジオシドMは、従来のステビア植物の葉の中にはごく微量しか含まれていない。
【0016】
本発明において、ステビオール配糖体としてレバウジオシドA(Rebaudioside A)、レバウジオシドD(Rebaudioside D)およびレバウジオシドM(Rebaudioside M)からなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を用いる。本発明者らは、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMを含み、かつアルコールを所定量含む飲料が予想外の効果を奏することを知得し、本発明に想到した。本発明に用いるレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMは、ステビアから直接抽出してもよく、ステビア抽出物中に含まれる別の構造を有する化合物にグルコースを化学的または生化学的に付加することで得てもよい。
【0017】
本発明において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量は特に限定されないが、本発明のいくつかの実施形態による飲料中のこれらのステビオール配糖体の合計含有量は、50~800ppmである。本発明の他の実施形態において、飲料中のレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量は、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。当該合計含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。飲料中のこれらのステビオール配糖体の含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態による飲料中のレバウジオシドAの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0~50ppm、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドAの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドAの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドAの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態による飲料中のレバウジオシドDの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0ppm以上60ppm未満、0~50ppm、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドDの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドDの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドDの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態による飲料中のレバウジオシドMの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0~50ppm、0ppm以上50ppm未満、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドMの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドMの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドMの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態による飲料中のレバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量は100~700ppm、100~500ppm、または100~450ppmであり、かつ、レバウジオシドAの含有量が50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下または10ppm以下であってもよい。レバウジオシドAよりも味質の優れるレバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMの含有量を多くすることで、飲料全体としての味質の向上が期待できる。また、本発明の好ましい態様において、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMのいずれか一方または両方を含むことで、甘味強度に加え、厚みおよび雑味が改善される。本発明の他のいくつかの実施形態において、飲料中のレバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量は0ppmを超え、110ppm未満である。本発明の他のいくつかの実施形態において、飲料中のレバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量は、10~100ppm、30~100ppm、50~100ppm、10~80ppm、30~80ppmまたは50~80ppmであってもよい。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態による飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体以外のステビオール配糖体を含んでいてもよい。そのようなステビオール配糖体として、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドE,レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA(dulcoside A)、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオール、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含んでいてもよい。
【0023】
他のステビオール配糖体が含まれる場合、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の総量と他のステビオール配糖体の総量との組成比は、質量比で99:1~50:50、95:5~55:45、90:10~60:40、85:15~65:35、80:20~70:30、80:20~75:25、99:1~85:5、98:2~86:14、97:3~87:13、96:4~88:12または95:5~89:11であってよい。
【0024】
<アルコール>
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、アルコールを含有する。本明細書において、アルコールとは、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。本発明のいくつかの実施形態における飲料は0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満のアルコールを含有する。本発明の他の実施形態における飲料は、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満のアルコールを含有する。なお本明細書において、アルコール含有量は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、日本国税局指定の方法で測定することができる。例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。あるいは、使用する酒類のアルコール度数が判明している場合には、そのアルコール度数と添加量から算出することができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態における飲料に用いるアルコール成分としては、特に限定されない。スピリッツ、リキュール、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール(例えば、ニュートラルスピリッツ)、梅酒、果実酒、甘味果実酒などの飲用可能なアルコール成分であればどのような原料を用いてもよい。アルコールは発酵によって得たものでもよく、化学合成によって得たものでもよい。あるいは、アルコールは使用する原料に元々含まれているものをそのまま利用してもよく、または、使用する原料に元々含まれるアルコールの一部を除去することで所定のアルコール含有量に調整してもよい。あるいは、飲料前駆体を調製後にその前駆体を発酵させてアルコールを生成してもよい。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態における飲料のアルコール含有量は、0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である。本発明の他の実施形態における飲料のアルコール含有量は、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満、0.01~0.49v/v%、0.03~0.49v/v%、0.05~0.49v/v%、0.07~0.49v/v%、0.1~0.49v/v%、0.15~0.49v/v%、0.2~0.49v/v%、0.25~0.49v/v%、0.3~0.49v/v%、0.35~0.49v/v%、0.4~0.49v/v%、0.45~0.49v/v%、0.01~0.45v/v%、0.03~0.45v/v%、0.05~0.45v/v%、0.07~0.45v/v%、0.1~0.45v/v%、0.15~0.45v/v%、0.2~0.45v/v%、0.25~0.45v/v%、0.3~0.45v/v%、0.35~0.45v/v%、0.4~0.45v/v%、0.01~0.4v/v%、0.03~0.4v/v%、0.05~0.4v/v%、0.07~0.4v/v%、0.1~0.4v/v%、0.15~0.4v/v%、0.2~0.4v/v%、0.25~0.4v/v%、0.3~0.4v/v%、0.35~0.4v/v%、0.01~0.35v/v%、0.03~0.35v/v%、0.05~0.35v/v%、0.07~0.35v/v%、0.1~0.35v/v%、0.15~0.35v/v%、0.2~0.35v/v%、0.25~0.35v/v%、0.3~0.35v/v%、0.01~0.3v/v%、0.03~0.3v/v%、0.05~0.3v/v%、0.07~0.3v/v%、0.1~0.3v/v%、0.15~0.3v/v%、0.2~0.3v/v%または0.25~0.3v/v%であってもよい。アルコール含有量は、好ましくは0.05~0.45v/v%、より好ましくは0.07~0.4v/v%、さらに好ましくは0.1~0.4v/v%である。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、ノンアルコール飲料である。国ごとにノンアルコール飲料の基準は異なるが、日本ではアルコール分一度以上の飲料が「酒類」として規定されている(酒税法第2条第1項)。また多くの国において、アルコール含有量が0.5v/v%未満の飲料をノンアルコール飲料として扱っている。したがって、本発明のいくつかの実施形態におけるノンアルコール飲料のアルコール含有量は、0.5v/v%未満である。
【0028】
<飲料の種類>
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、発泡性飲料であってもよい。本明細書において「発泡性飲料」とは、飲料から泡が発生する飲料であり、例えば、容器に注がれた場合に飲料の液面上に泡の層が形成される飲料が包含される。発泡性飲料の例としては、炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料は炭酸ガスを含む飲料であり、そのような炭酸ガスを含む飲料としては、飲料に別途炭酸ガスを注入して得た飲料や、原料に炭酸水を用いて得た飲料や、原料の一部を発酵させることによって炭酸ガスを発生させた飲料などが含まれる。発泡性飲料のガス圧は、特に限定されないが、0.5~5.0kgf/cm2、0.5~4.5kgf/cm2、0.5~4.0kgf/cm2、0.5~3.5kgf/cm2、0.5~3.0kgf/cm2、0.5~2.5kgf/cm2、0.5~2.0kgf/cm2、0.5~1.5kgf/cm2、1.0~5.0kgf/cm2、1.0~4.5kgf/cm2、1.0~4.0kgf/cm2、1.0~3.5kgf/cm2、1.0~3.0kgf/cm2、1.0~2.5kgf/cm2、1.0~2.0kgf/cm2、1.0~1.5kgf/cm2、1.5~5.0kgf/cm2、1.5~4.5kgf/cm2、1.5~4.0kgf/cm2、1.5~3.5kgf/cm2、1.5~3.0kgf/cm2、1.5~2.5kgf/cm2、1.5~2.0kgf/cm2、2.0~5.0kgf/cm2、2.0~4.5kgf/cm2、2.0~4.0kgf/cm2、2.0~3.5kgf/cm2、2.0~3.0kgf/cm2、2.0~2.5kgf/cm2、2.2~4.0kgf/cm2、2.2~3.5kgf/cm2、2.2~3.3kgf/cm2、2.2~3.2kgf/cm2、2.3~4.0kgf/cm2、2.3~3.5kgf/cm2、2.3~3.2kgf/cm2、3.0~4.0kgf/cm2、3.0~3.5kgf/cm2、1.1~2.4kgf/cm2、1.2~2.3kgf/cm2、1.3~2.2kgf/cm2または1.4~2.1kgf/cm2であり得る。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は特に限定されず、例えば、本発明のいくつかの実施形態における飲料は、ビール、ノンアルコールビール、麦芽飲料、乳酸菌飲料、発酵飲料、ココア飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、茶系飲料(例えば、緑茶、ウーロン茶、玄米茶、紅茶等の茶飲料、麦茶、ハト麦茶、ゴマ麦茶、そば茶、さくら茶、甘茶、ハーブティー等の茶外茶飲料等)、清涼飲料、コーヒー飲料(容器詰コーヒー、リキッドコーヒー等)、炭酸飲料(例えば、コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、ジンジャエール、果汁系炭酸飲料、乳類入炭酸飲料又は無糖炭酸飲料等)、機能性飲料(例えば、スポーツドリンク、エナジードリンク、健康サポート飲料及びパウチゼリー飲料等)、果実・野菜系飲料(例えば、100%果汁飲料、果実入り飲料、低果汁入清涼飲料、果粒含有果実飲料又は果肉飲料等)、乳性飲料(例えば、牛乳、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料又は乳類入清涼飲料等)、豆乳飲料(例えば、豆乳又は大豆飲料等)、またはフレーバーウォーターであってもよい。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態における飲料の形態は限定されず、例えば缶、瓶、PETボトル、パウチ、紙パックおよびプラスチック容器等の容器に封入して容器詰めされた容器詰飲料の形態としてもよい。容器詰めした後に加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば65~130℃、好ましくは85~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
【0031】
<甘味強度>
本明細書において、「甘味強度」は物質の呈する甘味の強さを意味する。例えば、単位濃度Brix1当たりにスクロース(ショ糖)の呈する甘味強度を甘味度1と定めた場合、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMはいずれもおおよそ200~300倍程度(例えば、約225倍)である。これらの甘味度に本発明の飲料中の甘味料の濃度(w/v%(飲料の場合はw/w%と同視し得る))を乗じて得られる数値が本発明の飲料の甘味強度となる。本発明において甘味強度を計算する際に、甘味度に幅のある高甘味度甘味料は特に断りのない限りその中心値を用いる。また、本発明の飲料の甘味強度は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMのみに由来するものでなくてもよく、任意の甘味料を含有する場合はこれらの甘味料に由来する甘味強度との合計値である。スクロースの甘味1に対する他の甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、ビバレッジジャパン社「飲料用語辞典」資料11頁)等から求めることができる。例えば、スクロースの甘味度を1とすると、グルコースは約0.6~0.7、フルクトースは約1.3~1.7、マルトースは約0.4、フラクトオリゴ糖は約0.6、マルトオリゴ糖は約0.3、イソマルトオリゴ糖は約0.4~0.5、ガラクトオリゴ糖は約0.7、乳糖は約0.2~0.3、プシコースは約0.7、アロースは約0.8、タガトースは約0.9、果糖ぶどう糖液糖は約0.75である。
【0032】
本発明のいくつかの態様による飲料の甘味強度は、具体的な飲料によって異なるが、概ね0.1~20であることが好ましく、例えば、0.1~18、0.1~15、0.5~14.5、1.0~14.0、1.5~13.5、2.0~13.0、2.5~12.5、3.0~12.0、3.5~11.5、4.0~11.0、4.5~10.5、5.5~10.0、6.0~9.5、6.5~9.0、7.0~8.5、7.5~8.0、4.5~12.5、4.5~10.0、4.5~7.5、5.5~12.5、5.5~10.0、5.5~7.5、6.5~12.5、6.5~10.0または6.5~7.5であってもよい。
【0033】
<任意の他の甘味料>
(低甘味度甘味料)
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、低甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において、低甘味度甘味料とは、ショ糖(スクロース)と同等程度かそれよりも低い甘味度を有する甘味料を意味する。例えば、低甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖の0.1倍以上、かつ、5倍未満、3倍未満、2倍未満、1.5倍未満、1.0倍未満、0.8倍未満、0.7倍未満、0.6倍未満、0.5倍未満または0.4倍未満の甘味を呈する。本発明に用いることができる低甘味度甘味料は、例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、オリゴ糖、乳糖、プシコース、キシリトール、エリスリトール、アロース、タガトース、キシロース、リボース、果糖ブドウ糖液糖およびその組合せから選択される甘味料を含む。本発明の好ましい実施形態における飲料は、グルコース、フルクトース、スクロース、果糖ブドウ糖液糖または希少糖(プシコース(アルロース)、キシリトールおよびエリスリトールなど)を含む。
【0034】
飲料等によく使用されるショ糖や果糖ブドウ糖液糖などの低甘味度甘味料はエネルギーが多いため、低甘味度甘味料の含有量を低減することで、飲料のエネルギー(カロリー)を大きく低減し得る。本発明のいくつかの実施形態において、低甘味度甘味料の濃度を低く抑えることで低エネルギー(すなわち低カロリー)でありながらも、低甘味度甘味料ならびに、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMとの組み合わせにより、摂取した際に十分な甘味を感じられる。したがって、低甘味度甘味料の含有量は、好ましくは100Kcal/100ml以下のエネルギーを提供する量である。本発明のいくつかの実施形態における飲料のエネルギーは、実施態様によって0~100Kcal/100ml(100Kcal/100ml以下)、0~95Kcal/100ml、0~90Kcal/100ml、0~85Kcal/100ml、0~80Kcal/100ml、0~75Kcal/100ml、0~70Kcal/100ml、0~65Kcal/100ml、0~60Kcal/100ml、0~55Kcal/100ml、0~50Kcal/100ml、0~45Kcal/100ml、0~40Kcal/100ml、0~35Kcal/100ml、0~30Kcal/100ml、0~25Kcal/100ml、0~20Kcal/100ml、0~15Kcal/100ml、0~10Kcal/100ml、0~5Kcal/100ml、5~90Kcal/100ml、5~80Kcal/100ml、5~70Kcal/100ml、5~60Kcal/100ml、5~55Kcal/100ml、5~50Kcal/100ml、5~45Kcal/100ml、5~40Kcal/100ml、5~35Kcal/100ml、5~30Kcal/100ml、5~25Kcal/100ml、5~20Kcal/100ml、5~15Kcal/100ml、5~10Kcal/100ml、10~90Kcal/100ml、10~80Kcal/100ml、10~70Kcal/100ml、10~60Kcal/100ml、10~55Kcal/100ml、10~50Kcal/100ml、10~45Kcal/100ml、10~40Kcal/100ml、10~35Kcal/100ml、10~30Kcal/100ml、10~25Kcal/100ml、10~20Kcal/100ml、10~15Kcal/100ml、15~90Kcal/100ml、15~80Kcal/100ml、15~70Kcal/100ml、15~60Kcal/100ml、15~55Kcal/100ml、15~50Kcal/100ml、15~45Kcal/100ml、15~40Kcal/100ml、15~35Kcal/100ml、15~30Kcal/100ml、15~25Kcal/100ml、15~20Kcal/100ml、20~90Kcal/100ml、20~80Kcal/100ml、20~70Kcal/100ml、20~60Kcal/100ml、20~55Kcal/100ml、20~50Kcal/100ml、20~45Kcal/100ml、20~40Kcal/100ml、20~35Kcal/100ml、20~30Kcal/100ml、20~25Kcal/100ml、25~90Kcal/100ml、25~80Kcal/100ml、25~70Kcal/100ml、25~60Kcal/100ml、25~55Kcal/100ml、25~50Kcal/100ml、25~45Kcal/100ml、25~40Kcal/100ml、25~35Kcal/100mlまたは25~30Kcal/100mlとなり得る。甘味物質やアルコールのエネルギーは既知であるか、含有量をHPLC等にて測定し、エネルギー換算係数を乗じて算出することや、カロリーメーター(例えばボンブカロリーメーター等)により物理的燃焼熱を測定し、これを消化吸収率や排泄熱量などで補正すること等により決定することができる。
【0035】
(高甘味度甘味料)
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記のステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において「高甘味度甘味料」とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する化合物を意味し、天然由来化合物、合成化合物または天然由来化合物および合成化合物の組み合わせであってもよい。高甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖より例えば5倍以上、10倍以上、50倍以上、100倍以上、500倍以上、1000倍以上、5000倍以上、10000倍以上、50000倍以上、100000倍以上の甘味を呈する。上記のステビオール配糖体も高甘味度甘味料の一種である。
【0036】
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテームなどのペプチド系甘味料等、例えばスクラロースなどのショ糖誘導体、例えばアセスルファムカリウム(アセスルファムK)、サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、ズルチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン等の合成甘味料(ネオヘスペリジンジヒドロカルコンのように、天然にも存在するが、主に合成物が流通しているものも含む)、例えばソーマチン、モネリン、クルクリン、マビンリン、ブラゼイン、ペンタジン、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチン、ミラクリン、グリチルリチン、ルブソシド、フィロズルチンなどの植物から抽出された甘味料、または高甘味度甘味料成分を含む植物抽出物、Siraitia grosvenorii(羅漢果)抽出物、Glycyrrhiza glabra(ヨウカンゾウ)抽出物、Rubus suavissimus S. Lee(甜茶)抽出物、Hydrangea macrophylla var. thunbergii(甘茶)抽出物、Sclerochiton ilicifolius抽出物、Thaumataococcus daniellii Benth(シビレクズウコン)抽出物、Dioscoreophyllum volkensii(セレンディピティベリー)抽出物、Curculigo latifolia(クルクリゴ)抽出物、Richadella dulcifica(ミラクルフルーツ)抽出物、Pentadiplandra brazzeana(ニシアフリカイチゴ)抽出物、Capparis masaikai(マビンロウ)抽出物、Lippia dulcis(スイートハーブメキシカン)抽出物等や当該抽出物中の甘味成分、羅漢果および羅漢果抽出物を処理することで得られるモグロシド(モグロシドVやモグロシドIVなど)、フィロズルチン配糖体などの植物抽出物から得られる配糖体、Glycyrrhiza glabra植物含有甘味成分(例えば、グリチルリチンなどのトリテルペン配糖体)、Rubus suavissimus S. Lee植物含有甘味成分(例えば、ルブソシドなどのジテルペン配糖体)、Hydrangea macrophylla var. thunbergii植物含有甘味成分(例えば、フィロズルチンなどのジヒドロイソクマリン)、Sclerochiton ilicifolius植物含有甘味成分(例えば、モナチンなどのアミノ酸)、Thaumataococcus daniellii Benth植物含有甘味成分(例えば、ソーマチンなどのタンパク質)、Dioscoreophyllum volkensii植物含有甘味成分(例えば、モネリンなどのタンパク質)、Curculigo latifolia植物含有甘味成分(例えば、クルクリンなどのタンパク質)、Richadella dulcifica植物含有甘味成分(例えば、ミラクリンなどのタンパク質)、Pentadiplandra brazzeana植物含有甘味成分(例えば、ブラゼイン、ペンタジンなどのタンパク質)、Capparis masaikai植物含有甘味成分(例えば、マビンリンなどのタンパク質)、Lippia dulcis植物含有甘味成分(例えば、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチンなどのセスキテルペン)などが挙げられる。
【0037】
本発明の他の実施形態における飲料は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMに加えて、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドM以外の高甘味度甘味料、例えば、ペプチド系甘味料、ショ糖誘導体または合成甘味料など、を含んでいてもよい。例えば、本発明の他の一実施形態における飲料は、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMに加えて、アセスルファムKおよびスクラロースから選択される1種以上の高甘味度甘味料を含んでいてもよい。すなわち、本発明の他の一実施形態における飲料は、アセスルファムKのみ、スクラロースのみまたはアセスルファムKとスクラロースの組み合わせを含んでいてもよい。アセスルファムKおよびスクラロースから選択される1種以上の高甘味度甘味料の合計含有量は、10~400ppmであってもよく、例えば、20~350ppm、50~300ppmまたは50~250ppmであってもよい。本発明の他のいくつかの実施形態における飲料がアセスルファムKおよびスクラロースから選択される1種以上の高甘味度甘味料を含む場合、甘味強度全体に占めるレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の甘味強度割合の合計は25~95%、30~95%、40~95%、50~95%、60~95%、70~95%または80~95%であってもよい。なお、本明細書において、甘味強度割合を算出する際にはアセスルファムKの甘味度はスクロースの約200倍、アスパルテームの甘味度はスクロースの約200倍、スクラロースの甘味度はスクロースの約615倍として計算する。
【0038】
ステビオール配糖体以外の甘味料の含有量は、高甘味度甘味料(例えば、モグロシドVおよび人工甘味料)の場合、本発明の飲料に含まれるレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの総量とステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料の総量との組成比は、質量比で99:1~50:50、95:5~55:45、90:10~60:40、85:15~65:35、80:20~70:30、80:20~75:25、99:1~85:5、98:2~86:14、97:3~87:13、96:4~88:12または95:5~89:11であってよい。本発明の飲料に低甘味度甘味料(例えば、ショ糖や果糖ぶどう糖液糖など)が含まれる場合、飲料に含まれるレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの総量と低甘味度甘味料の総量との組成比は、重量比で1:1000~1:100、1:800~1:100、1:700~1:100、1:600~1:100、1:500~1:100、1:400~1:100、1:300~1:100、または1:200~1:100であってよい。
【0039】
<特性および任意の他の原料>
本発明のいくつかの実施形態における飲料のpHは特に限定されないが、例えば、2.0~6.5であってもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態の飲料のpHは、3.0~4.5、2.6~3.9、2.7~3.8、2.8~3.7、2.9~3.6または3.0~3.5であってもよい。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態による飲料は水を含む。水は、特に限定されず、風味に悪影響を与えない限りあらゆる水が使用できるが、例えば水道水、イオン交換水、軟水、蒸留水、炭酸水、逆浸透水(RO水)、活性炭処理水、超純水、精製水および脱塩水が挙げられる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、香料等を適宜配合することができる。
【0042】
[本発明の飲料の例示的な実施形態]
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満、好ましくは0.01~0.49v/v%、より好ましくは0.15~0.45v/v%、さらに好ましくは0.2~0.4v/v%である、飲料が提供される。
【0043】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
好ましくは、レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が30~500ppm、より好ましくは50~450ppm、さらに好ましくは100~400ppmであり、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【0044】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドAを含み、
好ましくは、レバウジオシドAの含有量が30~500ppm、より好ましくは50~450ppm、さらに好ましくは100~400ppmであり、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【0045】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドDを含み、
好ましくは、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、より好ましくは50~500ppm、さらに好ましくは100~400ppmであり、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【0046】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドMを含み、
好ましくは、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、より好ましくは50~550ppm、さらに好ましくは100~500ppmであり、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。
【0047】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドDを100~400ppm含み、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満、好ましくは0.01~0.49v/v%、より好ましくは0.15~0.45v/v%、さらに好ましくは0.2~0.4v/v%である、飲料が提供される。
【0048】
本発明の一実施形態において、
レバウジオシドMを100~500ppm含み、
アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満、好ましくは0.01~0.49v/v%、より好ましくは0.15~0.45v/v%、さらに好ましくは0.2~0.4v/v%である、飲料が提供される。
【0049】
本発明の一実施形態おいて、
レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
(a)レバウジオシドDの含有量が0ppm以上60ppm未満、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、
(b)レバウジオシドMの含有量が0ppm以上50ppm未満、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、または
(c)レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が0ppmを超え、110ppm未満であり、
アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が提供される。例えば、レバウジオシドDの含有量が0~50ppm、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmであり、アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である飲料や、レバウジオシドMの含有量が0~40ppm、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmであり、アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である飲料や、レバウジオシドDの含有量が10~50ppmであり、レバウジオシドMの含有量が10~40ppmであり、アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である飲料などが挙げられる。あるいは、アルコール含有量が0.01~0.49v/v%であり、レバウジオシドDの含有量が0~50ppm、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmである飲料、アルコール含有量が0.01~0.49v/v%であり、レバウジオシドMの含有量が0~40ppm、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmである飲料、アルコール含有量が0.01~0.49v/v%であり、レバウジオシドDの含有量が10~50ppmであり、レバウジオシドMの含有量が10~40ppmである飲料などが挙げられる。あるいは、アルコール含有量が0.01~0.15v/v%であり、レバウジオシドDの含有量が0~50ppm、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmである飲料、アルコール含有量が0.01~0.25v/v%であり、レバウジオシドMの含有量が0~40ppm、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、好ましくは50~500ppm、より好ましくは100~450ppmである飲料、アルコール含有量が0.01~0.15v/v%であり、レバウジオシドDの含有量が10~50ppmであり、レバウジオシドMの含有量が10~40ppmである飲料などが挙げられる。
【0050】
2.飲料の製造方法
本発明は、別の態様として、上記本発明の飲料を製造する方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)を提供する。本発明の製造方法は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、アルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が得られれば特に限定されない。本発明の他の一態様による飲料を製造する方法は、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、(a)レバウジオシドDの含有量が0ppm以上60ppm未満、かつ、レバウジオシドMの含有量が30~600ppm(b)レバウジオシドMの含有量が0ppm以上50ppm未満、かつ、レバウジオシドDの含有量が30~600ppm、または(c)レバウジオシドDとレバウジオシドMの合計含有量が0ppmを超え、110ppm未満であり、アルコール含有量が0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満である、飲料が得られれば特に限定されない。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態の製造方法は、(a)レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を添加すること、(b)アルコール成分(例えばスピリッツ)を添加すること、および(c)所望により、水または炭酸水を添加することを含む。(a)のステビオール配糖体の添加は、最終製品である飲料におけるステビオール配糖体の含有量が所望の量となるように行う。(b)のアルコール成分の添加は、最終製品である飲料におけるアルコール含有量が0.05v/v%以上、かつ、0.5v/v%未満または0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満となるように行う。各成分の添加のタイミングは同時でも同時でなくてもよい。なお、上記(b)で添加するアルコール成分は、特に限定されず、スピリッツ、リキュール、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール(例えば、ニュートラルスピリッツ)、梅酒、果実酒、甘味果実酒などの飲用可能なアルコール成分であればどのような原料を用いてもよい。上記(b)で添加するアルコール成分は、元々原料に含まれているアルコールの一部を除去するか、または、アルコールを含む原料を希釈することでアルコール含有量を調整してもよい。あるいは、(b)工程のアルコール成分の添加の代わりに、飲料前駆体を調製後にその前駆体を発酵させてアルコールを生成してもよい。
【0052】
本発明の他の実施形態によれば、梅などの果実をアルコール成分に漬けた浸漬酒(例えば梅酒)や、果汁を発酵させて得たワインやシードルにレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を添加し、必要に応じて希釈してもよい。あるいは、後述の濃縮物を水や炭酸水で希釈することで本発明の飲料を製造してもよい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態の製造方法において、「ステビオール配糖体」、「アルコール」、「飲料の種類」、「甘味強度」、「任意の他の甘味料」および「特性および任意の他の原料」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様であり、その数値は上記飲料の項目で述べた数値がそのまま当てはまる。
【0054】
3.飲料を提供するための濃縮物
本発明は、別の態様として、上記本発明の飲料を提供するための濃縮物(以下、「本発明の濃縮物」ともいう)を提供する。本発明のいくつかの実施態様によれば、本発明の濃縮物は、本発明の飲料を提供するための1.2~10倍濃縮物であり、例えば、1.2~9倍、1.5~9倍、1.8~9倍、2~9倍、2~8倍、2~7倍、2~6倍、2~5倍、2~4倍、2~3倍、3~10倍、3~9倍、3~8倍、3~7倍、3~6倍、3~5倍、3~4倍、4~10倍、4~9倍、4~8倍、4~7倍、4~6倍、4~5倍、5~10倍、5~9倍、5~8倍、5~7倍または5~6倍濃縮物であってもよい。
【0055】
本発明の濃縮物は、所定の倍率に希釈された際に本発明の飲料となるものである。例えば、本発明の濃縮物は、シロップや原液として飲料に用いることができる。その際、1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍に希釈して使用することができる。希釈する際には水や炭酸水を用いることができる。本発明の濃縮物は、濃縮されているため保存性や輸送性の面で好ましい。本発明の濃縮物は、固体であっても液体であってもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態による濃縮物は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体とアルコールとを含む。本発明の他の実施形態による濃縮物は、「1.ステビオール配糖体とアルコールを含む飲料」に記載の成分をさらに含んでいてもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態による濃縮物は、本発明の飲料の2倍濃縮物であり、
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.1v/v%以上、かつ、1.0v/v%未満である。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態による濃縮物は、本発明の飲料の5倍濃縮物であり、
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.25v/v%以上、かつ、2.5v/v%未満である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態による濃縮物は、本発明の飲料の10倍濃縮物であり、
レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
アルコール含有量が0.5v/v%以上、かつ、5.0v/v%未満である。
【0060】
本発明の一態様の濃縮物において、「ステビオール配糖体」、「アルコール」、「飲料の種類」、「甘味強度」、「任意の他の甘味料」および「特性および任意の他の原料」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様である。
【0061】
4.ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法
本発明は、別の態様として、ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法(以下、「本発明の味質改善方法」ともいう)を提供する。本発明の一態様によれば、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む飲料のアルコール含有量を、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満の量に調整することを含む、ステビオール配糖体含有飲料の味質改善方法が提供される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満の量のアルコールはステビオール配糖体含有飲料に添加してもよく、アルコール飲料にステビオール配糖体を添加してもよい。その際、アルコール含有量の調整は、アルコール原料の添加、アルコール原料に含まれる一部のアルコールの除去またはアルコール原料の希釈によって行ってもよい。あるいは、上記1種以上のステビオール配糖体を含有する飲料前駆体を発酵させて、所定量のアルコールを含む飲料としてもよい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、飲料のアルコール含有量は、0v/v%を超え、かつ、0.5v/v%未満、0.01~0.49v/v%、0.03~0.49v/v%、0.05~0.49v/v%、0.07~0.49v/v%、0.1~0.49v/v%、0.15~0.49v/v%、0.2~0.49v/v%、0.25~0.49v/v%、0.3~0.49v/v%、0.35~0.49v/v%、0.4~0.49v/v%、0.45~0.49v/v%、0.01~0.45v/v%、0.03~0.45v/v%、0.05~0.45v/v%、0.07~0.45v/v%、0.1~0.45v/v%、0.15~0.45v/v%、0.2~0.45v/v%、0.25~0.45v/v%、0.3~0.45v/v%、0.35~0.45v/v%、0.4~0.45v/v%、0.01~0.4v/v%、0.03~0.4v/v%、0.05~0.4v/v%、0.07~0.4v/v%、0.1~0.4v/v%、0.15~0.4v/v%、0.2~0.4v/v%、0.25~0.4v/v%、0.3~0.4v/v%、0.35~0.4v/v%、0.01~0.35v/v%、0.03~0.35v/v%、0.05~0.35v/v%、0.07~0.35v/v%、0.1~0.35v/v%、0.15~0.35v/v%、0.2~0.35v/v%、0.25~0.35v/v%、0.3~0.35v/v%、0.01~0.3v/v%、0.03~0.3v/v%、0.05~0.3v/v%、0.07~0.3v/v%、0.1~0.3v/v%、0.15~0.3v/v%、0.2~0.3v/v%または0.25~0.3v/v%であってもよい。アルコール含有量は、好ましくは0.05~0.45v/v%、より好ましくは0.07~0.4v/v%、さらに好ましくは0.1~0.4v/v%である。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、飲料中のレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量は特に限定されないが、本発明のいくつかの実施形態による飲料中のこれらのステビオール配糖体の合計含有量は、50~800ppmである。本発明の他の実施形態において、飲料中のレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の合計含有量は、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。当該合計含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。飲料中のこれらのステビオール配糖体の含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、飲料中のレバウジオシドAの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0~50ppm、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドAの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドAの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドAの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、飲料中のレバウジオシドDの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0ppm以上60ppm未満、0~50ppm、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドDの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドDの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドDの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態による味質改善方法において、飲料中のレバウジオシドMの含有量は、0~800ppm、0~700ppm、0~600ppm、0~500ppm、0~400ppm、0~300ppm、0~200ppm、0~100ppm、0~90ppm、0~80ppm、0~70ppm、0~60ppm、0~50ppm、0ppm以上50ppm未満、0~40ppm、0~30ppm、0~20ppm、0~10ppm、0~5ppm、30~800ppm、30~700ppm、30~600ppm、30~500ppm、30~450ppm、30~400ppm、30~300ppm、30~200ppm、30~100ppm、50~700ppm、50~600ppm、50~500ppm、50~450ppm、50~400ppm、50~300ppm、50~200ppm、100~800ppm、100~700ppm、100~600ppm、100~500ppm、100~450ppm、100~400ppm、100~300ppm、100~200ppm、150~800ppm、150~700ppm、150~600ppm、150~500ppm、150~450ppm、150~400ppm、150~300ppm、150~200ppm、200~800ppm、200~700ppm、200~600ppm、200~500ppm、200~450ppm、200~400ppm、200~300ppm、250~800ppm、250~700ppm、250~600ppm、250~500ppm、250~450ppm、250~400ppm、250~300ppm、300~800ppm、300~700ppm、300~600ppm、300~500ppm、300~450ppmまたは300~400ppmであってもよい。レバウジオシドMの含有量は、好ましくは50~700ppmであり、より好ましくは50~500ppmであり、さらに好ましくは100~450ppmである。他の好ましい実施形態において、レバウジオシドMの含有量は、0~50ppm、0~30ppm、0~20ppmまたは0~10ppmである。飲料中のレバウジオシドMの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0068】
本発明の一実施形態による味質改善方法によれば、ステビオール配糖体含有飲料の甘味強度、厚み、雑味およびアルコール感からなる群から選択される1種以上の味質を改善することができる。本発明の好ましい実施形態による味質改善方法は、少なくとも甘味強度が改善(向上)されている。本発明のさらに好ましい実施形態による味質改善方法は、甘味強度の改善に加え、厚み、雑味およびアルコール感からなる群から選択される1種以上の味質を改善することができる。
【0069】
本発明の味質改善方法において、「ステビオール配糖体」、「アルコール」、「飲料の種類」、「甘味強度」、「任意の他の甘味料」および「特性および任意の他の原料」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様であり、その数値は上記飲料の項目で述べた数値がそのまま当てはまる。
【0070】
本明細書において、「少なくとも」との文言は、特定の項目の数が、挙げられた数以上であってよいことを意味する。また、本願内において、「約」との文言は、主体が「約」に続く数値の±25%、±10%、±5%、±3%、±2%または±1%の範囲に存在することを意味する。例えば「約10」は、7.5~12.5の範囲を意味する。
【実施例0071】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0072】
[実施例A]種々の甘味料を用いた評価
<サンプルの調製>
表1に示す配合量となるように、レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドM、スクラロース、エタノールおよび水を混合してサンプル液を準備した。各サンプルは、甘味強度が8となるように添加量を調整した。各サンプル液の甘味強度はレバウジオシドA、DおよびMの甘味度がスクロースの約225倍、スクラロースの甘味度がスクロースの約615倍として計算した。エタノール濃度は、使用した原料エタノールのエタノール濃度を基に添加量から算出した値である。使用した原料は次のとおりである。レバウジオシドA:純度95%以上、レバウジオシドD:純度97%以上、レバウジオシドM:純度94%以上、スクラロース:「SPLENDA スクラロース マイクロナイズドパウダー」(TATE&LYLE社製)、エタノール:発酵エタノール(純度99%以上)、水:超純水。
【表1】
【0073】
<官能評価>
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネリスト6名が「甘味強度」、「厚み」、「雑味」および「アルコール感」の4種の項目について、下記評価基準に則って0~3点の4段階評価で独立点数付けした。エタノールを含んでいない飲料(対応するサンプルと同量のレバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドMまたはスクラロースを含み、エタノールを含んでいないもの)をコントロールとし、評価基準をパネリスト間で事前にすり合わせた。甘味強度と厚みは得点が高いほど強度が大きい(好ましい)ことを意味し、雑味とアルコール感は得点が高いほど強度が弱い(好ましい)ことを意味する。
【0074】
【0075】
6名のパネリストから得られた結果の平均点を表3に示す。総合評価は、各項目の点数を合計して4で割ることで求めたものである。また全てのサンプルの官能評価をレーダーチャートにプロットし、
図1に示した。甘味強度については、平均点が1点を超えていればコントロールと比較して甘味強度が強いと判断した。
【表3】
【0076】
[実施例B]RebD量の違いによる評価
<サンプルの調製>
表4に示す配合量となるように、レバウジオシドD、エタノールおよび水を混合してサンプル液を準備した。各サンプルは、甘味強度がそれぞれ1、2、4、8、10、12または16となるように添加量を調整した。甘味強度はレバウジオシドDの甘味度がスクロースの225倍として計算した。エタノール濃度は、使用した原料エタノールのエタノール濃度を基に添加量から算出した値である。使用した原料は次のとおりである。レバウジオシドD:純度97%以上、エタノール:発酵エタノール(純度99%以上)、水:超純水。
【表4】
【0077】
<官能評価>
上記のとおり調製したサンプルについて、実施例Aと同じ基準を用いて同じ方法で、訓練された専門のパネリスト6名が「甘味強度」、「厚み」、「雑味」および「アルコール感」の4種の項目について、実施例Aと同じ評価基準に則って0~3点の4段階評価で独立点数付けした。エタノールを含んでいない飲料(対応するサンプルと同量のレバウジオシドDを含み、エタノールを含んでいないもの)をコントロールとし、評価基準をパネリスト間で事前にすり合わせた。
【0078】
6名のパネリストから得られた結果の平均点を表5に示す。総合評価は、各項目の点数を合計して4で割ることで求めたものである。またサンプルごとにグラフにプロットし、
図2に示した。甘味強度については、平均点が1点を超えていればコントロールと比較して甘味強度が強いと判断した。
【表5】
【0079】
[実施例C]RebM量の違いによる評価
<サンプルの調製>
表6に示す配合量となるように、レバウジオシドM、エタノールおよび水を混合してサンプル液を準備した。各サンプルは、甘味強度がそれぞれ1、2、4、8、10、12または16となるように添加量を調整した。甘味強度はレバウジオシドMの甘味度がスクロースの225倍として計算した。エタノール濃度は、使用した原料エタノールのエタノール濃度を基に添加量から算出した値である。使用した原料は次のとおりである。レバウジオシドM:純度94%以上、エタノール:発酵エタノール(純度99%以上)、水:超純水。
【表6】
【0080】
<官能評価>
上記のとおり調製したサンプルについて、実施例Aと同じ基準を用いて同じ方法で、訓練された専門のパネリスト6名が「甘味強度」、「厚み」、「雑味」および「アルコール感」の4種の項目について、実施例Aと同じ評価基準に則って0~3点の4段階評価で独立点数付けした。エタノールを含んでいない飲料(レバウジオシドMを対応するサンプルと同量含み、エタノールを含んでいないもの)をコントロールとし、評価基準をパネリスト間で事前にすり合わせた。
【0081】
6名のパネリストから得られた結果の平均点を表7に示す。総合評価は、各項目の点数を合計して4で割ることで求めたものである。またサンプルごとにグラフにプロットし、
図3に示した。甘味強度については、平均点が1点を超えていればコントロールと比較して甘味強度が強いと判断した。
【表7】
【0082】
[実施例D]エタノール濃度の違いによる評価(RebD)
<サンプルの調製>
表8に示す配合量となるように、レバウジオシドD、エタノールおよび水を混合してサンプル液を準備した。各サンプルは、甘味強度が8となるように添加量を調整した。甘味強度はレバウジオシドDの甘味度がスクロースの225倍として計算した。エタノール濃度は、使用した原料エタノールのエタノール濃度を基に添加量から算出した値である。使用した原料は次のとおりである。レバウジオシドD:純度97%以上、エタノール:発酵エタノール(純度99%以上)、水:超純水。
【表8】
【0083】
<官能評価>
上記のとおり調製したサンプルについて、実施例Aと同じ基準を用いて同じ方法で、訓練された専門のパネリスト6名が「甘味強度」、「厚み」、「雑味」および「アルコール感」の4種の項目について、実施例Aと同じ評価基準に則って0~3点の4段階評価で独立点数付けした。エタノールを含んでいない飲料(RebD含有量:355ppm)をコントロールとし、評価基準をパネリスト間で事前にすり合わせた。
【0084】
6名のパネリストから得られた結果の平均点を表9に示す。総合評価は、各項目の点数を合計して4で割ることで求めたものである。またサンプルごとにグラフにプロットし、
図4に示した。また、甘味強度については、平均点が1点を超えていればコントロールと比較して甘味強度が強いと判断した。また、各サンプルの味質の評価をレーダーチャートにまとめたものを
図5に示した。
【表9】
【0085】
[実施例E]エタノール濃度の違いによる評価(RebM)
<サンプルの調製>
表10に示す配合量となるように、レバウジオシドM、エタノールおよび水を混合してサンプル液を準備した。各サンプルは、甘味強度が8となるように添加量を調整した。甘味強度はレバウジオシドMの甘味度がスクロースの225倍として計算した。エタノール濃度は、使用した原料エタノールのエタノール濃度を基に添加量から算出した値である。使用した原料は次のとおりである。レバウジオシドM:純度94%以上、エタノール:発酵エタノール(純度99%以上)、水:超純水。
【表10】
【0086】
<官能評価>
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネリスト6名が「甘味強度」、「厚み」、「雑味」および「アルコール感」の4種の項目について、下記評価基準に則って独立点数付けした。「甘味強度」、「厚み」および「アルコール感」については0~3点の4段階評価で独立点数付けし、「雑味」については0~4点の5段階評価で独立点数付けした。エタノールを含んでいない飲料(RebM含有量:355ppm)をコントロールとし、評価基準をパネリスト間で事前にすり合わせた。甘味強度と厚みは得点が高いほど強度が大きい(好ましい)ことを意味し、雑味とアルコール感は得点が高いほど強度が弱い(好ましい)ことを意味する。なお、この実施例における「雑味」の評価における「3点:差異が感じられない」は、実施例A~Dの評価における「3点:全く感じない」と同等であり、この実施例における「4点:雑味が改善した」は「コントロールと比較して、雑味が減少した」ことを意味する。
【0087】
【0088】
6名のパネリストから得られた結果の平均点を表12に示す。総合評価は、各項目の点数を合計して4で割ることで求めたものである。甘味強度については、平均点が1点を超えていればコントロールと比較して甘味強度が強いと判断した。またサンプルごとにグラフにプロットし、
図6に示した。また、各サンプルの味質の評価をレーダーチャートにまとめたものを
図7に示した。
【表12】