(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129201
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/02 20060101AFI20240919BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240919BHJP
G09B 23/04 20060101ALI20240919BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240919BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240919BHJP
【FI】
G09B19/02 Z
G06F3/0481
G09B23/04
G09B19/00 Z
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038237
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐地 宏太
【テーマコード(参考)】
2C032
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C032AA04
5E555AA25
5E555AA32
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC19
5E555BE09
5E555DB53
5E555DD07
5E555EA08
5E555FA00
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】幾何図形の学習情報の学習効果を高めることである。
【解決手段】学習支援装置は、表示されている幾何図形である三角形90に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニュー150を表示させる。学習支援装置は、メニューのなかからユーザにより選択された候補(角の二等分線)が予め公式または定理である所定の学習情報と対応付けて登録されていた場合に、三角形90に対する選択された候補での処理結果としての二等分線93とともに定理ふせん300Eを表示させる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段と、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の第1学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果とともに前記所定の第1学習情報を表示させる第2表示制御手段と、
を備え、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項2】
第1の電子付箋に表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段と、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の第1学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果を前記第1の電子付箋に表示するとともに前記所定の第1学習情報を前記第1の電子付箋に対応付けられた第2の電子付箋に表示させる第2表示制御手段と、
を備え、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項3】
前記第1表示制御手段は、前記幾何図形のうちの前記所定の処理の操作対象が選択されている状態である場合に、当該所定の処理を選択可能な表示態様で前記メニューに表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記第1表示制御手段は、前記幾何図形のうちの前記所定の処理の操作対象が選択されていない状態で、当該所定の処理が選択された場合に、前記操作対象の選択を促すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記所定の第1学習情報に対応する第2学習情報を当該所定の第1学習情報に対応付けて表示させる第3表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記第3表示制御手段は、前記所定の第1学習情報及び前記第2学習情報を、前記処理結果を含む幾何図形に対応付けて、前記表示されている幾何図形の表示画面とは異なるノートブック画面に出力することを特徴とする請求項5に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記所定の第1学習情報に対応する第2学習情報を当該所定の第1学習情報に対応付けて、前記第2の電子付箋に対応付けられた第3の電子付箋に表示させる第3表示制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記第3表示制御手段は、前記第2の電子付箋及び前記第3の電子付箋を、前記処理結果を含む前記第1の電子付箋に対応付けて、前記表示されている幾何図形の表示画面とは異なるノートブック画面に出力することを特徴とする請求項7に記載の学習支援装置。
【請求項9】
表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御工程と、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果とともに前記所定の学習情報を表示させる第2表示制御工程と、
を含み、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とする学習支援方法。
【請求項10】
第1の電子付箋に表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御工程と、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果を前記第1の電子付箋に表示するとともに前記所定の学習情報を前記第1の電子付箋に対応付けられた第2の電子付箋に表示させる第2表示制御工程と、
を含み、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とする学習支援方法。
【請求項11】
コンピュータを、
表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果とともに前記所定の学習情報を表示させる第2表示制御手段、
として機能させ、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
第1の電子付箋に表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段、
前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果を前記第1の電子付箋に表示するとともに前記所定の学習情報を前記第1の電子付箋に対応付けられた第2の電子付箋に表示させる第2表示制御手段、
として機能させ、
前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置、学習支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学校の生徒などのユーザの学習を支援する学習支援装置が知られている。例えば、電子文書上で選択入力された数学公式からフォーマット化公式を生成し、フォーマット化公式と類似又は同じ戻り公式を見つける数学公式学習者支援システムが知られている(特許文献1参照)。数学公式学習者支援システムは、戻り公式の派生物を含むコンテンツを他の電子文書から特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
数学の学習において、三角形などの幾何図形に関する所定の学習情報(公式、定理)は重要である。しかし、上記従来の数学公式学習者支援システムでは、幾何図形に関する学習情報を表示できない。例えば、幾何図形に関する文字の学習情報のみを単に表示して、ユーザに暗記させる方法では、視覚的に直感的に分かりづらいため、理解・記憶が弱まり学習効果が低くなるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、幾何図形の学習情報の学習効果を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の学習支援装置は、表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段と、前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の第1学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果とともに前記所定の第1学習情報を表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の学習支援装置は、第1の電子付箋に表示されている幾何図形に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニューを表示させる第1表示制御手段と、前記メニューのなかから前記ユーザにより選択された候補が予め所定の第1学習情報と対応付けて登録されていた場合に、前記幾何図形に対する前記選択された候補での処理結果を前記第1の電子付箋に表示するとともに前記所定の第1学習情報を前記第1の電子付箋に対応付けられた第2の電子付箋に表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記所定の第1学習情報は、公式または定理である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、幾何図形の学習情報の学習効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態の学習支援システムを示すブロック図である。(b)は、サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】(a)は、ユーザテーブルの構成を示す図である。(b)は、ツールテーブルを示す図である。(c)は、処理テーブルの構成を示す図である。(c)は、定理マスタテーブルの構成を示す図である。
【
図4】(a)は、ふせん定義テーブルの構成を示す図である。(b)は、第1ふせんテーブルの構成を示す図である。
【
図5】第1の学習支援提供処理を示すフローチャートである。
【
図6】数学ツール処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図6の数学ツール処理の続きを示すフローチャートである。
【
図8】
図7の数学ツール処理の続きを示すフローチャートである。
【
図9】三角形の作図後の幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図10】作図の角の二等分線を選択する場合に、操作対象が選択状態でない幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図11】ガイドメッセージを有する幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図12】作図の角の二等分線を選択する場合に、操作対象が選択状態である幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図13】角の二等分線を作図後の幾何ふせん及び定理ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図14】幾何ふせん、定理ふせん、学習ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図15】測定の面積を選択する場合に、操作対象が選択状態でない幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図16】ガイドメッセージを有する幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図17】測定の面積を選択する場合に、操作対象が選択状態である幾何ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図18】面積表示後の幾何ふせん及び定理ふせんを含む数学ツール画面を示す図である。
【
図19】
図14の数学ツール画面にさらに、処理「面積」の測定を実行した場合の数学ツール画面を示す図である。
【
図20】(a)は、ノートブックテーブルの構成を示す図である。(b)は、第1ふせんテーブルの構成を示す図である。(c)は、第2ふせんテーブルの構成を示す図である。
【
図21】第2の学習支援提供処理を示すフローチャートである。
【
図22】ノートブック処理を示すフローチャートである。
【
図23】数学ツール処理の変更部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1(a)~
図19を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、
図1(a)~
図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1(a)は、本実施の形態の学習支援システム1を示すブロック図である。
図1(b)は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図2は、PC20の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1(a)に示すように、本実施の形態の学習支援システム1は、小学校~高校などの教育機関で学習する生徒の学習支援を行うサーバクライアントシステムである。学習支援システム1は、サーバ10と、学習支援装置としてのPC(Personal Computer)20と、を備える。
【0013】
学習支援システム1は、学習支援機能として、授業や自主学習時に、教育機関の生徒による、数式、幾何図形、グラフなどの作成を支援する数学ツール機能を有する。学習支援機能(数学ツール機能)は、アカウント情報(ユーザID及びパスワード)があらかじめサーバ10に登録された生徒のユーザに対して提供されるものとする。
【0014】
数学ツールにおいて、数式、幾何図形、グラフなどの情報は、ふせん単位で表示される。いわゆる電子付箋としてのふせんは、学習事項を様々な表現で記録するWeb部品(デジタル部品)である。ふせんの形状及び大きさは、数学ツールの画面上に貼り付け可能なものであるとする。ここでは、ふせんの形状が略矩形である例を説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
ふせんは、学習に関する少なくとも1つの表示情報をグループ化し、当該ふせんの内容として格納できる。表示画面上でふせんを移動操作することにより、内容の表示情報における表示要素の表示位置を変えることなく、ふせんのみを移動させることができる。
【0016】
また、ふせんとふせんとは、有向な連結線により連結することができる。このため、連結線で連結された複数のふせんは、連結線の向きにより、順番(順序)を有する。連結された複数のふせんの順番は、例えば、各ふせんの学習のスケジュールの向きの順番となる。また、連結された複数のふせんの順番は、各ふせんを設定時間間隔で次々に表示するスライドショー機能の表示順番などとしてもよい。
【0017】
特に、数学ツール画面内に表示されるふせんを「第1ふせん」と呼ぶものとする。また、所定の第1ふせんの中に、別の第1ふせんを入れることも可能である。
【0018】
学習支援システム1は、サーバ10と、PC(Personal Computer)20と、を備える。サーバ10とPC20とは、通信ネットワークN1を介して通信接続されている。
【0019】
通信ネットワークN1は、サーバ10とPC20との通信を中継するネットワークであり、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)、専用線などを含んでいてもよい。
【0020】
サーバ10は、通信ネットワークN1のクラウド上に設けられたWebサーバ装置であり、PC20に上述の学習支援機能を提供する。PC20は、生徒であるユーザが使用する情報処理装置であり、例えばノートPCとし、教育施設や、ユーザの自宅で使用される。ただし、PC20は、ノートPCに限定されるものではなく、デスクトップPC、タブレットPC、スマートフォンなど、他の情報処理装置としてもよい。また、
図1(a)のPC20は、複数のユーザがそれぞれ使用する複数台のPC20を代表した1台を表したものとする。
【0021】
図1(b)に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、を備える。サーバ10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0022】
CPU11は、サーバ10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0023】
操作部12は、各種キーを有するキーボードと、位置入力を受け付けるマウスなどのポインティングデバイスとを有し、ユーザからのキー入力、位置入力の操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0024】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0025】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有し、CPU11などから入力される各種の表示情報を表示パネルに表示する。
【0026】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15には、後述する第1の学習支援提供処理を実行するための第1の学習支援提供プログラムP1と、後述する数学ツール処理を実行するための数学ツールプログラムP2と、ユーザテーブル30、ツールテーブル40、処理テーブル50、定理マスタテーブル60、ふせん定義テーブル70と、を記憶している。
【0027】
第1の学習支援提供プログラムP1は、CPU11が実行するプログラムである。数学ツールプログラムP2は、PC20のブラウザ上で実行させるためのプログラムコードである。ブラウザは、Webサーバに接続してWebサイトのデータを受信して表示するソフトウェアである。
【0028】
通信部16は、通信ネットワークN1に接続されるネットワークカードなどの通信部であり、CPU11の指示に従って、通信ネットワークN1上のPC20などの外部機器と情報の送受信を行う。通信部16は、通信ネットワークN1と有線で接続される有線通信部とするが、これに限定されるものではなく、無線通信を行う無線通信部とし、基地局又はアクセスポイントを介して通信ネットワークN1と接続される構成としてもよい。
【0029】
図2に示すように、PC20は、第1、第2、第3表示制御手段としてのCPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、を備える。PC20の各部は、バス27を介して接続されている。
【0030】
CPU21は、PC20の各部を制御する。CPU21は、記憶部25に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM23に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0031】
操作部22は、各種キーを有するキーボードと、位置入力を受け付けるポインティングデバイスとを有し、ユーザからのキー入力、位置入力の操作入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。ここでは、操作部22は、ポインティングデバイスとしてマウスを有するものとする。また、操作部22は、表示部14の表示パネル上に一体的に形成されたタッチパネルを含み、ユーザからのタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0032】
RAM23は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU21に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0033】
表示部24は、LCD、ELディスプレイなどの表示パネルを有し、CPU21などから入力される各種の表示情報を表示パネルに表示する。
【0034】
記憶部25は、HDD、SSDなどで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部25には、上述のブラウザを実行するためのブラウザプログラムP3を記憶しているものとする。
【0035】
通信部26は、通信ネットワークN1に接続されるネットワークカードなどの通信部であり、CPU21の指示に従って、通信ネットワークN1上のサーバ10などの外部機器と情報の送受信を行う。通信部26は、通信ネットワークN1と有線で接続される有線通信部とするが、これに限定されるものではなく、無線通信を行う無線通信部とし、基地局又はアクセスポイントを介して通信ネットワークN1と接続される構成としてもよい。
【0036】
つぎに、
図3(a)~
図4(b)を参照して、サーバ10の記憶部15に記憶される情報を説明する。
図3(a)は、ユーザテーブル30の構成を示す図である。
図3(b)は、ツールテーブル40を示す図である。
図3(c)は、処理テーブル50の構成を示す図である。
図3(d)は、定理マスタテーブル60の構成を示す図である。
図4(a)は、ふせん定義テーブル70の構成を示す図である。
図4(b)は、第1ふせんテーブル80の構成を示す図である。
【0037】
図3(a)に示すように、ユーザテーブル30は、学習支援機能の提供の対象となる教育機関の生徒などのユーザに関する情報を格納するデータテーブルである。ユーザテーブル30は、ユーザID31と、ユーザ名32と、パスワード33と、のカラム(項目)を有する。
【0038】
ユーザID31は、サーバ10へのログインを許可するユーザ(生徒U1など)の識別情報である。ユーザ名32は、ユーザID31のユーザの名称である。パスワード33は、ユーザID31に対応するパスワードである。同一レコードのユーザID31及びパスワード33が、ログインが許可されたユーザの情報の組合せとなっている。
【0039】
図3(b)に示すように、ツールテーブル40は、ユーザが使用する数学ツールに関する情報を格納するテーブルである。ツールテーブル40は、ツールID41と、ユーザIDと、のカラムを有する。
【0040】
ツールID41は、数学ツールの識別情報である。ユーザは、自分用の数学ツールを少なくとも1つ作成して使用できるものとする。ユーザID42は、ツールID41の数学ツールを使用できるユーザのユーザIDである。
【0041】
図3(c)に示すように、処理テーブル50は、数学ツールにおいて、幾何ふせんに作図された幾何図形に対するメニューの項目選択操作に応じた所定の処理(追加パーツの作図、幾何図形に関する図形量の測定など)に関する情報を格納するテーブルである。
【0042】
幾何ふせんは、三角形などの多角形、円、点、線などの幾何図形を表示するふせんである。幾何ふせんにおいて、幾何図形の作図や、メニュー項目の選択により表示中の幾何図形に対する所定の処理が可能である。
【0043】
処理テーブル50は、処理51と、定理分類ID52と、のカラムを有する。処理51は、幾何図形に対する操作の所定の処理の名称である。所定の処理は、幾何ふせんに対応付けて表示されたメニューの項目としての処理であり、例えば、「角の二等分線(の作図)」である。
【0044】
定理分類ID52は、処理51の処理に対応する定理・公式(定理、公式の少なくとも一方)の分類の識別情報である。この分類は、幾何図形に対する所定の処理による定理・公式の分類である。幾何ふせんの幾何図形について、所定の処理が実行された場合に、当該所定の処理に対応する定理・公式が定理ふせんとして表示される。
【0045】
定理ふせんは、幾何ふせんに対応付けられるふせんであって、当該幾何ふせんの幾何図形の少なくとも一部のパーツに対応する定理・公式を表示するふせんである。
【0046】
いいかえると、定理分類ID52は、各所定の処理に対応する少なくとも1つの定理・公式を含む定理群の分類の識別情報である。例えば、幾何ふせんの幾何図形である三角形の交わる2線を操作対象として、メニューの全項目のうちの処理「角の二等分線」が選択入力された場合に、定理分類ID52は、処理「角の二等分線」の処理結果とともに表示される定理・公式を含む定理ふせんに対応する。また、処理51の処理のなかには、定理又は公式が対応付けられていなく、定理分類ID52が無いものもある。
【0047】
図3(d)に示すように、定理マスタテーブル60は、定理分類IDの定理・公式に関する情報を格納するデータテーブルである。定理マスタテーブル60は、定理分類ID61と、定理内容ID62と、定理内容63と、のカラムを有する。
【0048】
定理分類ID61は、定理分類ID52と同様に、定理・公式の分類の識別情報である。定理内容ID62は、定理分類ID61の定理・公式のうちの個々の定理又は公式の識別情報である。このように、定理分類ID61は、少なくとも1つの定理内容ID62を包含する。定理内容63は、定理内容ID62の定理又は公式の具体的な内容情報である。
【0049】
定理分類ID61に対応する所定の処理が、処理「角の二等分線」である場合に、この定理分類ID61(=123)には、3つの定理又は公式の定理内容ID62(=12345,12346,12347)が対応付けられている。これら3つの定理内容ID62の定理内容は、順にそれぞれ、「(1)AB:AC=BD:CD」、「(2)(AB+AC)・AD=2AB・ACcos∠BAD」、「(3)AD2=AB・AC-BD・CD」である。
【0050】
図4(a)に示すように、ふせん定義テーブル70は、数学ツール画面に表示する第1ふせんについて、定理分類IDの定理・公式を表示させる所定の処理が実行された場合に表示させる一連の第1ふせんの定義情報を格納するデータテーブルである。ふせん定義テーブル70は、定理分類ID71と、ふせん種類72と、ふせん繋ぎ順73と、定理内容ID74と、のカラムを有する。
【0051】
定理分類ID71は、定理分類ID52と同様に、定理・公式の分類の識別情報である。ふせん種類72は、定理分類ID71の定理・公式を表示させる処理の実行により表示される一連の第1ふせんのそれぞれの種類である。ふせん種類72は、幾何ふせん、定理ふせん、学習ふせんなどがある。学習ふせんは、定理ふせんに対応付けられるふせんであって、当該定理ふせんの定理又は公式の強化学習として、例えば、当該定理又は公式の証明の解答情報の入力を受け付ける。
【0052】
ふせん繋ぎ順73は、ふせん種類72の一連の第1ふせんの繋ぎ順である。定理内容ID74は、ふせん種類72の第1ふせんに表示される定理又は公式の定理分類IDである。
【0053】
ユーザテーブル30、ツールテーブル40、処理テーブル50、定理マスタテーブル60、ふせん定義テーブル70は、後述する数学ツール処理の実行前に予め、ユーザの操作入力などに応じて作成されて記憶部15に記憶されている。ツールテーブル40は、数学ツール処理の実行中に適宜更新される。
図4(b)に示す第1ふせんテーブル80は、後述する数学ツール処理により生成されて記憶部15に記憶される処理結果のデータテーブルであり、数学ツール画面上に配置された第1ふせんに関する情報を格納する。
【0054】
第1ふせんテーブル80は、ツールID81と、第1ふせんID82と、第1ふせん種類83と、第1ふせんx座標84と、第1ふせんy座標85と、第1ふせん繋ぎ元ID86と、第1ふせん繋ぎ先ID87と、定理分類ID88と、定理内容ID89と、のカラムを有する。
【0055】
ツールID81は、処理結果の第1ふせんの表示先の数学ツールの識別情報である。第1ふせんID82は、ツールID81の数学ツールの数学ツール画面内に配置されている第1ふせんの識別情報である。第1ふせん種類83は、第1ふせんID82の第1ふせんの種類である。
【0056】
第1ふせんx座標84は、ツールID81の数学ツール画面上の第1ふせんID82の第1ふせんのx座標である。第1ふせんy座標85は、ツールID81の数学ツール画面上の第1ふせんID41の第1ふせんのy座標である。ここで、数学ツール画面は、例えば、左上の端点を原点にとり、原点から右方向を+x方向とし、原点から下方向を+y方向としたxy平面とする。
【0057】
第1ふせん繋ぎ元ID86は、第1ふせんID82の第1ふせんが、連結線を介して(又は連結線なしに)繋げられる元の第1ふせんの第1ふせんIDである。第1ふせん繋ぎ先ID87は、第1ふせんID82の第1ふせんが、連結線を介して(又は連結線なしに)繋げられる先の第1ふせんの第1ふせんIDである。
【0058】
定理分類ID88は、第1ふせんID82の第1ふせんに対応する定理・公式の分類の識別情報である。定理内容ID89は、第1ふせんID82の第1ふせんに表示される個々の定理又は公式を示す識別情報である。
【0059】
つぎに、
図5~
図19を参照して、学習支援システム1の動作を説明する。
図5は、第1の学習支援提供処理を示すフローチャートである。
図6は、数学ツール処理を示すフローチャートである。
図7は、
図6の数学ツール処理の続きを示すフローチャートである。
図8は、
図7の数学ツール処理の続きを示すフローチャートである。
【0060】
図9は、三角形90の作図後の幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Aを示す図である。
図10は、作図の角の二等分線を選択する場合に、操作対象が選択状態でない幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Bを示す図である。
図11は、ガイドメッセージ170Cを有する幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Cを示す図である。
図12は、作図の角の二等分線を選択する場合に、操作対象が選択状態である幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Dを示す図である。
図13は、角の二等分線を作図後の幾何ふせん110E及び定理ふせん300Eを含む数学ツール画面100Eを示す図である。
【0061】
図14は、幾何ふせん110F、定理ふせん300F、学習ふせん510,520,530を含む数学ツール画面100Fを示す図である。
図15は、測定の面積を選択する場合に、操作対象が選択状態でない幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Gを示す図である。
図16は、ガイドメッセージ170Hを有する幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Hを示す図である。
図17は、測定の面積を選択する場合に、操作対象が選択状態である幾何ふせん110を含む数学ツール画面100Iを示す図である。
図18は、面積表示後の幾何ふせん110J及び定理ふせん300Jを含む数学ツール画面100Jを示す図である。
図19は、
図14の数学ツール画面100Fにさらに、処理「面積」の測定を実行した場合の数学ツール画面100Kを示す図である。
【0062】
学習支援システム1において、サーバ10が、生徒U1などのユーザに学習支援サービスを提供するケースを説明する。あらかじめ、サーバ10において、ログインを許可するユーザのユーザ情報がユーザテーブル30に登録されているものとする。
【0063】
PC20において、CPU21は、操作部22を介するユーザからのブラウザ起動の指示入力に応じて、ブラウザプログラムP3を記憶部25から読み出して実行する。そして、CPU21は、起動したブラウザへの、操作部22を介するユーザからの学習支援サービスのサイトのURL(Uniform Resource Locator)の入力に応じて、通信部26を介してURLを含む接続要求をサーバ10に送信する。
【0064】
サーバ10において、通信部16を介して、接続要求をPC20から受信したことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1の学習支援提供プログラムP1に従い、第1の学習支援処理を実行する。
【0065】
図5に示すように、CPU11は、通信部16を介して、ログイン画面情報を接続先のPC20に送信し、PC20で操作入力されたユーザID及びパスワードを受信して、それらの入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11に対応して、PC20のCPU21は、通信部26を介して、ログイン画面情報をサーバ10から受信して表示部14にログイン画面として表示する。そして、CPU21は、操作部22を介してユーザからのユーザID及びパスワードの操作入力を受け付け、入力されたユーザID及びパスワードをサーバ10に送信する。
【0066】
そして、CPU11は、ステップS11で入力されたユーザID及びパスワードが、ユーザテーブル30の同一レコードのユーザID31及びパスワード33にあるか否かにより、ユーザの認証が成功したか否かを判別する(ステップS12)。ユーザの認証が失敗した場合(ステップS12;NO)、処理はステップS11に移行される。
【0067】
ユーザの認証が成功した場合(ステップS12;YES)、CPU11は、数学ツールプログラムP2を記憶部15から読み出し、通信部16を介して、数学ツールプログラムP2を接続先のPC20に送信し(ステップS13)、第1の学習支援提供処理を終了する。
【0068】
ステップS13に対応して、PC20のCPU21は、通信部26を介して、数学ツールプログラムP2をサーバ10から受信して、ブラウザ上で実行することにより、数学ツール処理を実行する。
【0069】
以下、数学ツール処理の実行の主体は、CPU21である。CPU21が、サーバ10の記憶部15に記憶されている情報を読み出す場合、通信部26を介して情報の要求をサーバ10に送信する。サーバ10のCPU11は、通信部26を介して、情報の要求をPC20から受信すると、当該情報を記憶部15から読み出してPC20に返送する。これら一連の処理を、単に、CPU21が、記憶部15に記憶されている情報を読み出す、のように記載する。
【0070】
図6を参照して、まず、CPU21は、操作部22を介するユーザの操作入力に基づき、数学ツールデータを新規作成し、作成した数学ツールデータに基づいて数学ツール画面を表示部24に表示する(ステップS21)。ステップS21により、数学ツール画面が表示される。数学ツール画面は、数学に関する幾何ふせんなどの第1ふせんを編集及び配置可能な表示画面である。また、ステップS21において、数学ツールデータがサーバ10の記憶部15に記憶され、また記憶部15に記憶されたツールテーブル40のログインユーザのユーザID42に対応する新規のユニークなツールID41が追加される。
【0071】
なお、ステップS21において、操作入力により既存の(以前に作成された)数学ツールのツールIDが選択入力され、記憶部15に記憶されている選択ツールIDに対応する数学ツールデータ、第1ふせんのふせんデータ(Web部品としてのデータ)及び第1ふせんテーブル80のふせん情報(各カラムの情報)などに基づいて、既存の数学ツール画面が表示されることとしてもよい。
【0072】
ステップS21において、例えば、
図9に示す数学ツール画面100Aが表示される。数学ツール画面100Aは、終了ボタン101を含む。終了ボタン101は、数学ツール処理の終了指示の入力を受け付けるボタンである。
図9の数学ツール画面100Aには、幾何ふせん110が含まれているが、ステップS21の時点では、幾何ふせん110が表示されていない、あるいは以前に実行された数学ツール処理で作成された第1ふせん(例えば幾何ふせん110が以前に作成されたものとする場合)が含まれている。
【0073】
そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからの操作入力を受け付け、ユーザから操作があるか否かを判別する(ステップS22)。操作がない場合(ステップS22;NO)、処理はステップS22に移行される。操作がある場合(ステップS22;YES)、CPU21は、ステップS22の操作が数学ツール処理の終了操作であるか否かを判別する(ステップS23)。数学ツール処理の終了操作は、終了ボタン101のクリック入力である。
【0074】
終了操作である場合(ステップS23;YES)、CPU21は、数学ツール処理の終了処理を実行し(ステップS24)、数学ツール処理を終了する。ステップS24の終了処理は、例えば、数学ツール画面に表示中の第1ふせんのふせんデータを記憶部15に記憶(又は更新)する処理を含む。また、終了処理は、当該表示中の第1ふせんに基づいて、第1ふせんテーブル80のふせん情報を記憶(又は更新)する処理を含む。さらに、終了処理は、サーバ10の学習支援サービス(数学ツール処理)をログアウトする処理を含む。
【0075】
終了操作でない場合(ステップS23;NO)、CPU21は、ステップS22の操作がメニュー表示操作であるか否かを判別する(ステップS25)。メニュー表示操作は、幾何ふせんの幾何図形に対応するメニューを表示させるための操作である。メニュー表示操作は、例えば、数学ツール画面100Aにおいて、後述するステップS26の操作入力により、幾何ふせん110が配置された場合に、幾何ふせん110に含まれるメニュー表示ボタン140のクリック操作である。
【0076】
メニュー表示操作でない場合(ステップS25;NO)、CPU21は、(メニュー表示操作以外の)他の操作の処理を実行する(ステップS26)。ステップS26の実行後、処理はステップS22に移行される。ステップS26の処理は、幾何ふせんの作成処理、幾何ふせんの移動処理、幾何ふせん内の幾何図形の作図処理などである。例えば、数学ツール画面100Aにおいて、幾何ふせんの作成処理は、操作部22のマウスの右クリックで表示されるふせん作成のメニュー(図示略)の幾何ふせん作成ボタンのクリック入力により、幾何ふせん110を作成して当該幾何ふせん作成ボタンの位置に表示する処理である。
【0077】
幾何ふせん110は、幾何図形表示領域120と、作図アイコンバー130と、メニュー表示ボタン140と、を有する。幾何図形表示領域120は、幾何図形などの表示領域である。作図アイコンバー130は、幾何図形の作図のために使用する複数のボタンを有する。例えば、選択アイコン、範囲変更アイコン、手描きアイコン、点描画アイコン、線分描画アイコン、円描画アイコン、多角形描画アイコン、テキスト入力アイコン、削除アイコンを含む。選択アイコンは、幾何図形表示領域120内に表示されているオブジェクト(幾何図形、そのパーツなど)を選択する操作を受け付けるためのアイコンである。範囲変更アイコンは、幾何図形表示領域120の表示範囲を変更する操作を受け付けるためのアイコンである。手描きアイコンは、幾何図形表示領域120においてユーザがマウス操作による手描きで図形を作図する操作を受け付けるためのアイコンである。点描画アイコンは、幾何図形表示領域120において点をプロットする操作を受け付けるためのアイコンである。線分描画アイコンは、幾何図形表示領域120においてプロットされている2点を結ぶ線分を作図する操作を受け付けるためのアイコンである。円描画アイコンは、幾何図形表示領域120においてプロットされている点を中心とする円を作図する操作を受け付けるためのアイコンである。多角形描画アイコンは、幾何図形表示領域120においてプロットされている3以上の点を結ぶ多角形を作図する操作を受け付けるためのアイコンである。テキスト入力アイコンは、ユーザによるテキスト入力の操作を受け付けるためのアイコンである。削除アイコンは、幾何図形表示領域120において作図されている図形の削除の操作を受け付けるためのアイコンである。
【0078】
また、ステップS26では、作図された幾何図形の少なくとも1つの操作対象(当該幾何図形全体、点、線など)の選択操作が行われた場合に、操作対象の選択表示処理が実行される。
【0079】
幾何ふせん110において、作図アイコンバー130の各種アイコンに応じた操作により、例えば幾何図形としての三角形90が作図される。三角形90は、例えば、点A,B,Cを配置してから各点間の線分を引いて作図してもよく、手描きで描かれた大まかな三角形を三角形90に変換して作成してもよい。
【0080】
メニュー表示操作である場合(ステップS25;YES)、CPU21は、ステップS26の操作の処理により、幾何図形又はそのパーツに対する各処理の操作対象(幾何図形又はパーツ)の選択中であるかを判別する(ステップS27)。操作対象の選択中でない場合(ステップS27;NO)、CPU21は、メニュー表示操作に対応するメニューを表示し、操作部22を介してユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS28)。ステップS28では、例えば、
図10に示す数学ツール画面100Bが表示される。数学ツール画面100Bは、幾何ふせん110とともに、2段階のメニュー150,160が表示されている。
【0081】
メニュー150は、幾何図形の操作対象に対する所定の処理の分類の項目の選択入力を受け付けるメニュー欄である。メニュー150は、例えば、作図、測定の項目を有する。メニュー150の作図は、幾何図形表示領域120に表示されている幾何図形に新たなパーツを追加する作図である。メニュー150の測定は、幾何図形表示領域120に表示されている幾何図形の面積などの図形量の測定である。
【0082】
メニュー150の項目が選択入力されると、当該項目に対応する下位の項目(処理の項目)を有するメニュー160が表示される。メニュー150の作図に対応するメニュー160は、垂直二等分線、垂線、中点、交点、角の二等分線、平行線、接線、正n角形、鏡映、回転、平行移動(座標)、平行移動(ベクトル)、拡大縮小、コンパスの項目を有する。
【0083】
垂直二等分線は、線分又は2つの点に対する垂直二等分線を引く処理である。垂線は、1つの点を通り線分に垂直な直線を引く処理である。中点は、線分又は2つの点に対する中点を配置する処理である。交点は、2つの線の交点を配置する処理である。角の二等分線は、2つの線のなす角の二等分線を引く処理である。平行線は、1つの点を通り線分に平行な直線を引く処理である。接線は、円、円錐曲線(2次曲線)の接線を引く処理である。正n角形は、線分を一つの辺とする正n角形(nはユーザ指定)を作図する処理である。鏡映は、オブジェクト(幾何図形の操作対象)の鏡映図形を作図する処理である。回転は、選択点を中心としたオブジェクトの回転図形(回転角はユーザ指定)を作図する処理である。平行移動(座標)は、オブジェクトを、ユーザ指定した座標分平行移動させた図形を作図する処理である。平行移動(ベクトル)は、オブジェクトを、ユーザ指定したベクトル分平行移動させた図形を作図する処理である。拡大縮小は、選択点を基点としたオブジェクトの拡大縮小図形(拡大縮小率はユーザ指定)を作図する処理である。コンパスは、2点間距離、又は線分の長さを半径とする円を作図する処理である。
【0084】
ステップS28で表示されるメニュー160は、全ての処理の項目が選択可能に表示されている。また、メニュー150は、×ボタン151を有する。×ボタン151は、メニュー150,160の表示消去の指示入力を受け付けるボタンである。×ボタン151がクリック入力されると、数学ツール画面100Bにおいてメニュー150,160の表示が消去される。以下、メニュー150の表示中はいつでも×ボタン151をクリック入力が可能である。
【0085】
そして、CPU21は、ステップS28の操作が、メニュー160の処理の項目を選択入力する操作aであるか否かを判別する(ステップS29)。操作aでない場合(ステップS29;NO)、処理はステップS26に移行される。この場合、ステップS26では、操作a以外の操作の処理が実行される。
【0086】
操作aである場合(ステップS29;YES)、CPU21は、操作部22を介する操作入力を受け付け、操作aに必要な操作bがあるか否かを判別する(ステップS30)。操作bは、操作aのメニュー160の処理の項目に対応する操作対象の選択入力である。例えば、操作aが「角の二等分線」の選択入力である場合に、操作bは、「角の二等分線」の作図に必要な交点を有する2線(操作対象)の選択入力である。
【0087】
操作bがない場合(ステップS30;NO)、CPU21は、ユーザに操作bを促すガイド情報を表示する(ステップS31)。ステップS31では、例えば、
図11に示す数学ツール画面100Cが表示される。数学ツール画面100Cは、幾何ふせん110内に、ガイドメッセージ170Cが表示されている。ガイドメッセージ170Cは、「角の二等分線」の処理に必要なガイド情報として、「2つの線を選択して下さい。」のメッセージを有する。数学ツール画面100Bから数学ツール画面100Cへの表示の遷移において、メニュー150の操作aの処理「角の二等分線」が選択されると、メニュー160が閉じられる。
【0088】
そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからの操作bの入力を受け付ける(ステップS32)。ステップS32で、操作bの入力がある場合には、操作bに対応する処理(操作対象の選択)が実行される。そして、CPU21は、操作bに対応する処理が実行されて、操作aに対応する処理の実行が可能であるか否かを判別する(ステップS33)。操作aに対応する処理が可能でない場合(ステップS33;NO)、処理はステップS31に移行される。
【0089】
操作対象の選択中である場合(ステップS27;YES)、CPU21は、メニュー表示操作に対応するメニューを表示し、操作部22を介してユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS34)。ステップS34では、例えば、
図12に示す数学ツール画面100Dが表示される。つまり、操作対象が選択されてからメニュー160の項目が選択される場合に、数学ツール画面100Dが表示される。操作対象が選択されずにメニュー160の項目が選択される場合に、数学ツール画面100Bが表示される。数学ツール画面100Dは、操作可能処理が限定されるが故の表示である。
【0090】
数学ツール画面100Dは、幾何ふせん110とともに、2段階のメニュー150,160が表示されている。幾何ふせん110の三角形90のうち、線分ABである線91と、線分BCである線92とは、選択状態である。ただし、ステップS34で表示されるメニュー160は、全ての処理の項目のうち、処理の実行が可能な項目が選択可能に表示され、処理の実行が不可能な項目がグレーアウト(選択不可能)の状態で表示されている。具体的には、メニュー160において、交点、角の二等分線、鏡映、回転、平行移動(座標)、平行移動(ベクトル)、拡大縮小以外の項目がグレーアウトの状態で表示されている。
【0091】
そして、CPU21は、ステップS34の操作が、メニュー160の処理の項目を選択入力する操作aであるか否かを判別する(ステップS35)。操作aでない場合(ステップS35;NO)、処理はステップS26に移行する。
【0092】
操作aである場合(ステップS35;YES)、CPU21は、操作aで選択操作された項目がグレーアウトであるか否かを判別する(ステップS36)。グレーアウトである場合(ステップS36;YES)、CPU21は、メニュー160の操作項目が選択できない旨のメッセージを表示する(ステップS37)。そして、CPU21は、操作部22を介して、操作aの入力を受け付ける(ステップS38)。ステップS38の実行後、処理はステップS36に移行される。
【0093】
操作bがある場合(ステップS30;YES)、操作aに対応する処理が可能である場合(ステップS33;YES)、又はグレーアウトでない場合(ステップS36;NO)、
図7に示すように、CPU21は、操作aの処理として処理結果の計算を実行する(ステップS39)。操作aの処理は、例えば、「角の二等分線」の作図である。
【0094】
そして、CPU21は、操作aの処理に対応する定理情報を、サーバ10の記憶部15の処理テーブル50及び定理マスタテーブル60から読み出す(ステップS40)。ステップS40では、例えば、操作aの処理「角の二等分線」の処理51に対応する定理分類ID52(=123)に対応する定理内容ID62及び定理内容63が定理情報として読み出される。
【0095】
そして、CPU21は、ステップS40で読み出された定理情報があるか否かを判別する(ステップS41)。定理情報がない場合(ステップS41;NO)、CPU21は、ステップS39で計算された処理結果を表示する(ステップS42)。処理は、ステップS22に移行される。ステップS42で表示される処理結果は、定理が対応付けられていない処理の処理結果であり、例えば、定理が対応付けられていない追加パーツの作図結果である。この場合、定理が対応付けられていない追加パーツが幾何図形表示領域120に表示される。
【0096】
定理情報がある場合(ステップS41;YES)、CPU21は、記憶部15に記憶されたふせん定義テーブル70を参照し、ステップS40で読み出された定理情報に基づいて定理ふせんのふせんデータを作成する(ステップS43)。そして、CPU21は、ステップS39で計算された処理結果と、ステップS43で作成された定理ふせんのふせんデータとを幾何ふせんに対応付けて表示する(ステップS44)。ステップS44では、例えば、数学ツール画面100Eが表示される。数学ツール画面100Eは、幾何ふせん110E、作図アイコンバー130、メニュー150を有する。幾何ふせん110Eは、幾何ふせん110の三角形90の選択された操作対象の線91,92のなす角の二等分線93がステップS39の処理結果として作図されている。
【0097】
また、数学ツール画面100Eは、幾何ふせん110Eに対応付けた定理ふせん300Eを有する。定理ふせん300Eは、定理情報310Eと、参考図形320Eと、証明に挑戦ボタン330と、を有する。定理情報310Eは、操作aの処理に対応する定理・公式の文字情報である。定理情報310Eは、例えば、ステップS40で読み出された定理情報が、定理分類ID61(=123)の定理内容63である場合に、定理内容ID=12345,12346,12347の3つの定理・公式「(1)AB:AC=BD:CD」、「(2)(AB+AC)・AD=2AB・ACcos∠BAD」、「(3)AD2=AB・AC-BD・CD」を有する。
【0098】
参考図形320Eは、定理情報310Eの参考となる図形である。参考図形320Eは、例えば、三角形ABCに、点Aを通る二等分線と線分BCとの交点Dが追加されている。証明に挑戦ボタン330は、定理情報310Eの定理・公式の証明に挑戦する指示入力を受け付けるボタンである。
【0099】
なお、ステップS41;YESの場合に、CPU21が、定理アイコンを生成し、操作aに対応する幾何ふせんに定理アイコンを表示する構成としてもよい。定理アイコンは、操作aの処理に対応する定理情報を含む定理ふせんの表示指示の入力を受け付けるボタンである。例えば、数学ツール画面において、処理結果として作図した二等分線93の近傍に定理アイコンが表示される。そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからの定理アイコンのクリック入力を受け付けると、処理がステップS43に移行される。この構成では、ステップS44において、処理結果が表示済となる。さらに、定理アイコンは、1回目(奇数回)のクリック入力により、定理ふせんを表示し、2回目(偶数回)のクリック入力により、表示中の定理ふせんを消去する構成としてもよい。
【0100】
そして、CPU21は、操作部22を介して、証明に挑戦ボタン330のクリック入力を受け付ける(ステップS45)。証明に挑戦ボタン330が操作されると、例えば、
図14に示す数学ツール画面100Fが表示される。以下、ステップS46~S55による数学ツール画面100F表示までの準備のステップについて説明する。
【0101】
そして、CPU21は、ステップS40で読み出された定理情報から定理内容IDを取得する(ステップS46)。そして、CPU21は、ステップS46で取得された定理内容IDの個数を定数Nに設定する(ステップS47)。
【0102】
そして、CPU21は、数学ツール画面上において、ステップS44の定理ふせんとは別に、幾何ふせんから順に接続されている第1ふせんがある場合に、幾何ふせん又は直前のステップS48で判別された第1ふせんに繋げられた次の第1ふせんがあるか否かを判別する(ステップS48)。初回に実行されるステップS48では、例えば、幾何ふせんに繋げられている第1ふせんがあるか否かが判別される。2回目に実行されるステップS48では、例えば、幾何ふせんに繋げられている第1ふせんに繋げられている第1ふせんがあるか否かが判別される。
【0103】
次の第1ふせんがある場合(ステップS48;YES)、CPU21は、当該次の第1ふせんの第1ふせんIDを設定して取得する(ステップS49)。ステップS49の次の第1ふせんの第1ふせんIDは、幾何ふせんを初期値(=1)として、幾何ふせんからの繋ぎ順及び繋ぎ数に基づいて1ずつインクリメントした値に設定される。ステップS49では、繋ぎ元のふせんの第1ふせんIDよりも1つ大きい第1ふせんIDが取得される。
【0104】
次の第1ふせんがない場合(ステップS48;NO)、CPU21は、ステップS49で最終取得した第1ふせんIDを取得する(ステップS50)。そして、CPU21は、ステップS44で生成された定理ふせんの第1ふせんIDを、ステップS50の第1ふせんIDから1インクリメントした第1ふせんIDに設定し、また変数iに1を設定する(ステップS51)。
【0105】
そして、
図8に示すように、CPU21は、i≦Nであるか否かを判別する(ステップS52)。i≦Nである場合(ステップS52;YES)、CPU21は、記憶部15に記憶されたふせん定義テーブル70を参照し、i番目定理内容IDの学習ふせんの第1ふせんIDを生成する(ステップS53)。ステップS53では、ここまでに生成された第1ふせんIDのうち、最も大きい第1ふせんIDを1インクリメントした第1ふせんIDが生成される。
【0106】
そして、CPU21は、i番目定理内容IDの学習ふせんのふせんデータを作成する(ステップS54)。そして、CPU21は、変数iに(i+1)の値を代入する(ステップS55)。ステップS55の実行後、処理はステップS52に移行する。
【0107】
i>Nである場合(ステップS52;NO)、CPU21は、ステップS44で作成された定理ふせんのふせんデータとステップS54で作成された学習ふせんのふせんデータとに基づいて、幾何ふせん、(ステップS48で判別された他の第1ふせん)、定理ふせん、学習ふせんを、順に繋げるように数学ツール画面内に表示する(ステップS56)。
【0108】
ステップS56では、例えば、
図14に示す数学ツール画面100Fが表示される。数学ツール画面100Fは、幾何ふせん110Fと、定理ふせん300Fと、学習ふせん510,520,530と、を有する。
【0109】
幾何ふせん110Fは、幾何ふせん110Eと同様であるが、定理ふせん300Eが除かれたものである。定理ふせん300Fは、定理ふせん300Eと内容が同様であるが、表示態様が異なり参考図形320E及び証明に挑戦ボタン330がなく、幾何ふせん110Fの外に配置されている。学習ふせん510は、定理内容IDが「12345」の定理又は公式に対応する証明を入力するための第1ふせんである。学習ふせん520は、定理内容IDが「12346」の定理又は公式に対応する証明を入力するための第1ふせんである。学習ふせん530は、定理内容IDが「12347」の定理又は公式に対応する証明を入力するための第1ふせんである。
【0110】
定理ふせん300Fは、連結線L1を介して、繋ぎ元の幾何ふせん110Fに繋げられている。学習ふせん510は、連結線L2を介して、繋ぎ元の定理ふせん300Fに繋げられている。学習ふせん520は、連結線L3を介して、繋ぎ元の学習ふせん510に繋げられている。学習ふせん530は、連結線L4を介して、繋ぎ元の学習ふせん520に繋げられている。このように、幾何ふせん110F~学習ふせん530は、例えば、y座標を同じにして、等間隔に繋げられている。なお、定理ふせん300Fは、定理ふせん300Eと同様に、幾何ふせん110Fの内部に表示される構成としてもよい。具体的には、定理ふせん300Fを含む幾何ふせん110F→学習ふせん510→学習ふせん520→学習ふせん530が表示される構成としてもよい。
【0111】
そして、CPU11は、ステップS56で表示された第1ふせんとしての幾何ふせん~学習ふせんのふせんデータを記憶部15に記憶し、幾何ふせん~学習ふせんのふせん情報を、第1ふせんテーブル80の各カラムに格納して第1ふせんテーブル80を記憶部15に記憶する(ステップS57)。ステップS57の実行後、処理はステップS22に移行される。
【0112】
例えば、表示中の数学ツールのツールID、幾何ふせんの第1ふせんID(=1)、幾何ふせん、幾何ふせんのx座標、y座標、幾何ふせんの繋ぎ元の第1ふせんID(なし)、幾何ふせんの繋ぎ先の定理ふせんの第1ふせんID、定理分類ID(=123)、定理内容ID(なし)の情報が、それぞれ、ツールID81、第1ふせんID82、第1ふせん種類83、第1ふせんx座標84、第1ふせんy座標85、第1ふせん繋ぎ元ID86、第1ふせん繋ぎ先ID87、定理分類ID88、定理内容ID89の同一レコードに追加される。定理ふせん、学習ふせんについても、幾何ふせんと同様に、ふせん情報が第1ふせんテーブル80の各レコードに格納される。ただし、定理ふせんの第1ふせん種類83は、定理ふせんにされる。学習ふせんの第1ふせん種類83は、学習ふせんにされる。また、定理ふせん、学習ふせんの定理内容IDの情報が、定理内容ID89に格納される。
【0113】
また、
図9~
図14は、幾何図形としての三角形に対して、操作aの所定の処理が、メニューの「作図」の「角の二等分線」である場合の図示例である。しかし、操作aの処理は、メニューの「作図」に対応する処理に限定されるものではない。
図15~
図18を参照して、操作aの所定の処理が、メニューの「測定」の処理として、「面積」である場合の図示例を説明する。
【0114】
例えば、面積の測定対象としての操作対象(三角形90)が選択されてない場合に、数学ツール処理のステップS28において、
図15に示す数学ツール画面100Gが表示される。数学ツール画面100Gは、幾何ふせん110、作図アイコンバー130及びメニュー150とともに、メニュー190を有する。
【0115】
メニュー150の測定に対応するメニュー190は、角度(0-180)、角度(0-360)、補角、内角、外角、長さ/距離、面積、円周/外角、半径、傾き、向き、座標、式、計算を有する。
【0116】
角度(0-180)は、2つの線のなす角を測定する処理である。角度(0-360)は、2つの線の向きを考慮したなす角を測定する処理である。補角は、2つの線のなす角に対する補角を測定する処理である。内角は、正n角形の内角を測定する処理である。外角は、正n角形の外角を測定する処理である。長さ/距離は、線分、円弧の長さ、2つの点の間、又は点と線との距離を測定する処理である。面積は、円、多角形、楕円の面積を測定する処理である。円周/外周は、円、多角形又は楕円の周の長さを測定する処理である。半径は、円の半径を測定する処理である。傾きは、線の傾きを測定する処理である。向きは、偏角を測定する処理である。座標は、点の座標を測定する処理である。式は、線、円又は円錐曲線(2次曲線)の方程式を測定する処理である。計算は、測定にて計算された量(例えば角度)を用いて、ユーザが指定する計算を実行する処理である(例:三角形の内角の和を計算)。
【0117】
数学ツール画面100Gは、面積の測定対象としての操作対象(三角形90)の選択が必要である。このため、ステップS31では、例えば、
図16に示す数学ツール画面100Hが表示される。数学ツール画面100Hは、幾何ふせん110内に、ガイドメッセージ170Hが表示されている。ガイドメッセージ170Hは、「面積」の処理に必要なガイド情報として、「円、多角形または楕円を選択して下さい。」のメッセージを有する。
【0118】
また、面積の測定対象としての操作対象(三角形90)が選択されている場合に、ステップS34において、
図17に示す数学ツール画面100Iが表示される。数学ツール画面100Iは、幾何ふせん110とともに、2段階のメニュー150,190が表示されている。幾何ふせん110の三角形90は、選択状態である。ただし、ステップS34で表示されるメニュー190は、全ての処理の項目のうち、処理の実行が可能な項目が選択可能に表示され、処理の実行が不可能な項目がグレーアウト(選択不可能)の状態で表示されている。具体的には、メニュー190において、面積、長さ/距離、計算以外の項目がグレーアウトの状態で表示されている。
【0119】
ステップS39で操作aの所定の処理(三角形の面積測定)が実行された場合に、ステップS44で、
図18に示す数学ツール画面100Jが表示される。数学ツール画面100Jは、幾何ふせん110J、作図アイコンバー130、メニュー150、面積ふせん400、定理ふせん300Jを有する。幾何ふせん110Jにおいて、幾何ふせん110の三角形90の選択された操作対象の三角形90の面積A1を示す面積情報94が表示されている。
【0120】
さらに、面積情報94と同じ内容情報を有する第1ふせんとしての面積ふせん400が表示されている。面積ふせん400は、連結線L5を介して、繋ぎ元の幾何ふせん110Jに繋げられている。また、ステップS39において、CPU21は、面積ふせん400のふせんデータを記憶部15に記憶するとともに、面積ふせん400のふせん情報を第1ふせんテーブル40Aの同一レコードの各カラムに記憶する。なお、面積ふせん400は、表示されない構成としてもよい。
【0121】
また、数学ツール画面100Jにおいて、幾何ふせん110Jに対応して、定理ふせん300Jが表示される。
【0122】
定理ふせん300Jは、定理情報310Jと、参考図形320Jと、証明に挑戦ボタン330と、を有する。定理情報310Jは、操作aの処理に対応する定理・公式の文字情報である。定理情報310Jは、例えば、ステップS40で読み出された定理情報が、定理分類ID61(=124)の定理内容63である場合に、定理内容ID=12412,12413,12414の3つの定理・公式「(1)底辺×高さ×1/2」、「(2)(1/2)AB・AC・sin∠BAC」、「(3)1/2(|AB|2|AC|2-(AB・AC)2)1/2」(AB,AC:ベクトル)を有する。なお、操作aの処理としての、作図の「角の二等分線」、測定の「角の二等分線」は例示である。操作aの処理は、これらに限定されるものではない。
【0123】
ここで、ステップS48~S51を行う効果を示す具体例を説明する。当該具体例として、三角形90を有する幾何ふせん110に対して、処理「角の二等分線」の作図を行い、さらに、処理「面積」の測定を行う例を説明する。この例において、処理「角の二等分線」の作図に対応して、数学ツール処理のステップS21~S23,S25~S57が実行され、さらに、処理「面積」の測定に対応して、S22,S23,S25,S27~S56が実行されたものとする。最終的に、ステップS56において、
図19に示す数学ツール画面100Kが表示される。
【0124】
数学ツール画面100Kは、幾何ふせん110K、定理ふせん300F、学習ふせん510,520,530、定理ふせん300K、学習ふせん540,550,560を順に有する。数学ツール画面100Fと同様に、数学ツール画面100Kにおいて、幾何ふせん110K、定理ふせん300F、学習ふせん510,520,530が、この順に、それぞれ、連結線L1,L2,L3,L4で繋がれている。学習ふせん530と定理ふせん300Kとは、連結線L11を介して繋がれている。定理ふせん300Kと学習ふせん540とは、連結線L12を介して繋がれている。学習ふせん540と学習ふせん550とは、連結線L13を介して繋がれている。学習ふせん550と学習ふせん560とは、連結線L14を介して繋がれている。ステップS48~S51を行うことにより、2番目に実行された処理「面積」の測定の定理ふせん300Kを、1番目に実行された処理「角の二等分線」の測定の定理ふせん300Kの末尾の学習ふせん530に繋げることができる。
【0125】
幾何ふせん110Kは、幾何図形である三角形90と、処理「角の二等分線」の作図の処理結果である二等分線93と、処理「面積」の測定の処理結果である面積情報94と、を含む幾何ふせんである。定理ふせん300Kは、処理「面積」の測定に対応する3つの定理又は公式を有する定理ふせんである。
【0126】
学習ふせん540は、定理ふせん300Kの1番目の定理又は公式の証明の解答情報の入力を受け付ける学習ふせんである。学習ふせん550は、定理ふせん300Kの2番目の定理又は公式の証明の解答情報の入力を受け付ける学習ふせんである。学習ふせん560は、定理ふせん300Kの3番目の定理又は公式の証明の解答情報の入力を受け付ける学習ふせんである。
【0127】
このように、数学ツール画面100K、幾何ふせん110F→定理ふせん300F→学習ふせん510→学習ふせん520→学習ふせん530→定理ふせん300K→学習ふせん540→学習ふせん550→学習ふせん560の順に、一本で直列に繋げられた一連の第1ふせん群が表示される。
【0128】
以上、本実施の形態によれば、PC20は、表示されている幾何図形(三角形90)に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニュー150,160を表示させるCPU21を備える。CPU21は、メニュー150,160のなかからユーザにより選択された候補(角の二等分線)が予め公式または定理である所定の第1学習情報(定理内容63の定理内容IDの定理又は公式の情報)と対応付けて登録されていた場合に、三角形90に対する選択された候補での処理結果としての角の二等分線93とともに定理ふせん300Eを表示させる。
【0129】
別の観点では、PC20は、第1の電子付箋としての幾何ふせん110に表示されている幾何図形(三角形90)に対する所定の処理を複数の候補のなかからユーザに選択させるためのメニュー150,160を表示させるCPU21を備える。CPU21は、メニュー150,160のなかからユーザにより選択された候補(角の二等分線)が予め所定の第1学習情報(定理内容63の定理内容IDの定理又は公式の情報)と対応付けて登録されていた場合に、三角形90に対する選択された候補での処理結果としての角の二等分線93を幾何ふせん110に表示するとともに所定の第1学習情報を幾何ふせん110に対応付けられた定理ふせん300Eに表示させる。
【0130】
このため、適切なタイミングで幾何図形に対応する定理・公式を表示することにより、ユーザは、定理・公式を用いるタイミング、使用場面及びその内容を幾何図形に対応付けて直観的に認識でき、定理・公式の記憶力を高めることができる。したがって、幾何図形の第1学習情報(定理・公式)の学習効果を高めることができる。
【0131】
また、CPU21は、幾何図形(三角形90)のうちの所定の処理(角の二等分線)の操作対象(線91,92)が選択されている状態である場合に、当該所定の処理を選択可能な表示態様でメニュー150,160に表示させる。このため、ユーザは、操作対象が選択されて選択可能な所定の処理を容易かつ確実に選択できる。
【0132】
また、CPU21は、幾何図形(三角形90)のうちの所定の処理(角の二等分線)の操作対象(線91,92)が選択されていない状態で、当該所定の処理が選択された場合に、操作対象の選択を促すガイドメッセージ170Cを表示させる。このため、ユーザは、所定の処理の実行に必要な操作対象の選択が必要である旨を確実に認識でき、操作対象を確実に選択できる。
【0133】
また、CPU21は、所定の第1学習情報の強化学習用(証明用)の第2学習情報としての定理又は公式を当該所定の第1学習情報(定理・公式)に対応付けて表示させる。
【0134】
別の観点では、CPU21は、所定の第1学習情報の定理ふせん300Fの強化学習用(証明用)の第2学習情報としての定理又は公式を含む学習ふせん510,520,530を定理ふせん300Fに対応付けて表示させる。
【0135】
このため、別途文字入力可能なWeb部品としての学習ふせん510,520,530により、強化学習用(証明用)の定理又は公式を表示させることで、ユーザは、定理又は公式の単なる暗記でとどまらず、証明により考察する機会を得ることができ、定理又は公式の理解力を高めることができる。したがって、ユーザは、所定の第1学習情報(定理・公式)の学習効果をより高めることができる。特に、教員は、数学ツールを授業資料作成時に使用することで、ユーザである生徒に定理・公式の証明を容易に行わせることができる。
【0136】
(第2の実施の形態)
図20(a)~
図24を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。
図20(a)は、ノートブックテーブル200の構成を示す図である。
図20(b)は、第1ふせんテーブル210の構成を示す図である。
図20(c)は、第2ふせんテーブル220の構成を示す図である。
図21は、第2の学習支援提供処理を示すフローチャートである。
図22は、ノートブック処理を示すフローチャートである。
図23は、数学ツール処理の変更部分を示すフローチャートである。
図24は、ノートブック画面600を示す図である。
【0137】
第1の実施の形態は、学習支援システム1において、ユーザに数学ツールを提供し、数学ツール内に、第1ふせんとして、幾何ふせん、定理ふせん及び学習ふせんを作成して表示する構成であった。本実施の形態では、ユーザにノートブックを提供する。1つのノートブック上において、少なくとも1つの数学ツールが使用可能である。本実施の形態は、1つの数学ツール内に、第1ふせんとして、幾何ふせん及び定理ふせんを作成して表示し、当該数学ツール内の第1ふせんを、第2ふせんとして、学習ふせんとともにノートブック画面上に出力して表示する構成である。
【0138】
ノートブックは、PC20に表示する表示要素として、ドラッグで無限遠方まで移動可能な広さのノート型のWeb部品(デジタル部品)である。ノートブックには、授業、自宅学習などの学習に関する情報を記録可能であり、特に、ふせんを貼り付け可能である。ノートブック上のふせんを第2のふせんとする。
【0139】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、学習支援システム1を用いる。ただし、サーバ10の記憶部15には、後述する第2の学習支援処理を実行するための第2の学習支援提供プログラムと、後述するノートブック処理を実行するためのノートブックプログラムと、ユーザテーブル30、処理テーブル50、定理マスタテーブル60及びふせん定義テーブル70と、後述するノートブックテーブル200、第1ふせんテーブル210、第2ふせんテーブル220と、が記憶されているものとする。
【0140】
つぎに、
図20(a)~
図20(c)を参照して、記憶部15に記憶されている情報を説明する。ただし、第1の実施の形態と同様のテーブル、カラムについては、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0141】
第1の実施の形態では、ふせん定義テーブル70は、第1ふせんの定義情報を格納するものとした。本実施の形態では、ふせん定義テーブル70は、第1ふせん及び第2ふせんで共通の定義情報を格納するものとする。
【0142】
図20(a)に示すように、ノートブックテーブル200は、ノートブックに関する情報を格納するデータテーブルである。ノートブックテーブル200は、ノートブックID201と、ユーザID202と、ノートタイトル203と、のカラムを有する。
【0143】
ノートブックID201は、ノートブックの識別情報である。ユーザは、少なくとも1つのノートブックを作成、登録できるものとする。ユーザID202は、ノートブックID201のノートブックを使用するユーザのユーザIDである。ノートタイトル203は、ノートブックID201のノートブックのタイトルである。
【0144】
ユーザテーブル30、ノートブックテーブル200、処理テーブル50、定理マスタテーブル60、ふせん定義テーブル70は、後述するノートブック処理の実行前に予め、ユーザの操作入力などに応じて作成されて記憶部15に記憶されている。ノートブックテーブル200は、ノートブック処理の実行中に適宜更新される。
図20(b)に示す第1ふせんテーブル210、
図20(c)に示す第2ふせんテーブル220は、後述するノートブック処理により生成されて記憶部15に記憶される処理結果のデータテーブルである。
【0145】
第1ふせんテーブル210は、数学ツール画面上に配置された第1ふせんに関する情報を格納する。第1ふせんテーブル210は、ツールID211と、第1ふせんID212と、第1ふせん種類213と、第1ふせんx座標214と、第1ふせんy座標215と、第1ふせん繋ぎ元ID216と、第1ふせん繋ぎ先ID217と、定理分類ID218と、ノートブック出力状態219と、のカラムを有する。
【0146】
ツールID211~218は、それぞれ、第1の実施の形態の第1ふせんテーブル80のツールID211~218と同様である。ノートブック出力状態219は、第1ふせんID212の第1ふせんを第2ふせんとしてノートブックに出力したか(=1)否か(=0)の状態を示すフラグ情報である。
【0147】
第2ふせんテーブル220は、ノートブック上に配置された第2ふせんに関する情報を格納するデータテーブルである。第2ふせんテーブル220は、ノートブックID221と、ツールID222と、第2ふせんID223と、ノートブックID224と、第2ふせん種類225と、第2ふせんx座標226と、第2ふせんy座標227と、第2ふせん繋ぎ元ID228と、第2ふせん繋ぎ先ID229と、定理分類ID230と、定理内容ID231と、のカラムを有する。
【0148】
ノートブックID221は、処理結果の第2ふせんの表示先のノートブックのノートブックIDである。ツールID222は、ノートブックID221のノートブックから表示された数学ツールであって、第1ふせんID224の第1ふせんの表示先である数学ツールのノートブックIDである。
【0149】
第2ふせんID223は、ノートブックID221のノートブックに配置されている第2ふせんの第2ふせんIDである。第1ふせんID224は、第2ふせんID223の第2ふせんに対応する第1ふせんであって、当該第2ふせんのノートブックへの出力元の第1ふせんの第1ふせんIDである。第2ふせん種類225は、第2ふせんID223の第2ふせんの種類である。第2ふせん種類225は、幾何ふせん、定理ふせん、学習ふせんなどである。
【0150】
第2ふせんx座標226は、ノートブックID221のノートブック画面上の第2ふせんID223の第2ふせんのx座標である。第2ふせんy座標227は、ノートブックID221のノートブック画面上の第2ふせんID223の第2ふせんのy座標である。ここで、ノートブックは、例えば、左上の端点を原点にとり、原点から右方向を+x方向とし、原点から下方向を+y方向としたxy平面とする。
【0151】
第2ふせん繋ぎ元ID228は、第2ふせんID223の第2ふせんが、連結線を介して(又は連結線なしに)繋げられる元の第2ふせんの第2ふせんIDである。第2ふせん繋ぎ先ID229は、第2ふせんID223の第2ふせんが、連結線を介して(又は連結線なしに)繋げられる先の第2ふせんの第2ふせんIDである。
【0152】
定理分類ID230は、第2ふせんID223の第2ふせんの定理・公式を示す定理分類IDである。定理内容ID231は、第2ふせんID223の第2ふせんの定理又は公式を示す識別情報である。例えば、第2ふせんが学習ふせんであり、当該学習ふせんの繋ぎ元の定理ふせんの定理分類IDが、複数の定理・公式を含む場合に、当該学習ふせんの定理内容ID231は、当該複数のうちのいずれか1つの定理又は公式の識別情報となる。
【0153】
つぎに、
図21~
図24を参照して、学習支援システム1の動作を説明する。
【0154】
学習支援システム1において、サーバ10が、生徒U1などのユーザに学習支援サービスを提供するケースを説明する。あらかじめ、サーバ10において、ログインを許可するユーザのユーザ情報がユーザテーブル30に登録されているものとする。
【0155】
PC20において、CPU21は、操作部22を介するユーザからのブラウザ起動の指示入力に応じて、ブラウザプログラムP3を記憶部25から読み出して実行する。そして、CPU21は、起動したブラウザへの、操作部22を介するユーザからの学習支援サービスのサイトのURLの入力に応じて、通信部26を介してURLを含む接続要求をサーバ10に送信する。
【0156】
サーバ10において、通信部16を介して、接続要求をPC20から受信したことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2の学習支援提供プログラムに従い、第2の学習支援処理を実行する。
【0157】
図21に示すように、CPU11は、ステップS61,S62を実行する。ステップS61,S62は、
図5の第1の学習支援処理のステップS11,S12と同様である。
【0158】
ユーザの認証が成功した場合(ステップS62;YES)、CPU11は、ノートブックプログラムを記憶部15から読み出し、通信部16を介して、ノートブックプログラムを接続先のPC20に送信し(ステップS63)、第2の学習支援提供処理を終了する。
【0159】
ステップS63に対応して、PC20のCPU21は、通信部26を介して、ノートブックプログラムをサーバ10から受信して、ブラウザ上で実行することにより、ノートブック処理を実行する。
【0160】
以下、ノートブック処理の実行の主体は、CPU21である。CPU21が、サーバ10の記憶部15に記憶されている情報を読み出す場合、単に、CPU21が、記憶部15に記憶されている情報を読み出す、のように記載する。
【0161】
図22に示すように、まず、CPU21は、操作部22を介するユーザからの操作入力に基づいて、新規なノートブックデータを作成し、当該ノートブックデータに基づきノートブック画面をブラウザ上に表示する(ステップS71)。新規なノートブックを作成する場合、CPU21は、ノートタイトルの操作入力を受け付け、新たなユニークなノートブックIDを付与する。CPU21は、付与したノートブックID、ログインユーザのユーザID、入力されたノートタイトルを、それぞれ、ノートブックテーブル200の同一レコードのノートブックID201、ユーザID202、ノートタイトル203に追加する。これとともに、CPU21は、作成したノートブックのノートブックデータを記憶部15に記憶する。
【0162】
ステップS71では、例えば、
図24に示すノートブック画面600が表示される。ノートブック画面600は、終了ボタン601と、アイコン群610と、を有する。ステップS71の段階では、ノートブック画面600は、第2ふせんを含まない。
【0163】
終了ボタン601は、ノートブック処理の終了指示の操作入力を受け付けるボタンである。アイコン群610は、ノートブック上の各種機能の実行指示の操作入力を受け付ける複数のアイコンであり、ツールアイコン611を有する。ツールアイコン611は、数学ツールの起動指示の操作入力を受け付けるアイコンである。
【0164】
なお、ステップS71において、操作入力により既存の(以前に作成された)ノートブックのノートブックIDが選択入力され、記憶部15に記憶されているノートブックデータ、第2ふせんのふせんデータ及び選択ノートブックIDの第2ふせんテーブル220の情報などに基づいて、既存のノートブック画面が表示されることとしてもよい。この場合、例えば、ノートブック画面600は、以前に作成された第2ふせんを含む。
【0165】
そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからの操作入力を受け付け、ユーザから操作があるか否かを判別する(ステップS72)。操作がない場合(ステップS72;NO)、処理はステップS72に移行される。操作がある場合(ステップS72;YES)、CPU21は、ステップS72の操作がノートブック処理の終了操作であるか否かを判別する(ステップS73)。ノートブック処理の終了操作は、終了ボタン601のクリック入力である。
【0166】
終了操作である場合(ステップS73;YES)、CPU21は、ノートブック処理の終了処理を実行し(ステップS74)、ノートブック処理を終了する。ステップS74の終了処理は、例えば、ノートブック画面に表示中の第2ふせんのふせんデータ(Web部品としてのデータ)を記憶部15に記憶(更新)する処理を含む。また、終了処理は、当該表示中の第2ふせんに基づいて、第2ふせんテーブル220のふせん情報(各カラムの情報)を更新する処理を含む。さらに、終了処理は、サーバ10の学習支援サービス(ノートブック処理)をログアウトする処理を含む。
【0167】
終了操作でない場合(ステップS73;NO)、CPU21は、ステップS72の操作が数学ツール起動操作であるか否かを判別する(ステップS75)。数学ツール起動操作は、数学ツール処理を起動させるための操作であり、例えば、ツールアイコン611のクリック入力である。
【0168】
数学ツール起動操作である場合(ステップS73;YES)、CPU21は、数学ツール処理を実行する(ステップS76)。数学ツール起動操作でない場合(ステップS73;NO)、CPU21は、ステップS72の操作内容に基づいて、その他の処理を実行する(ステップS77)。ステップS76,S77の実行後、処理はステップS72に移行される。ステップS77のその他の処理は、数学ツールのツールふせんに繋げられる第2ふせんのふせんデータの作成及び表示の処理も含まれうる。
【0169】
ステップS76の数学ツール処理は、第1の実施の形態の
図6~
図8の数学ツール処理と同様の処理である。このため、第1の実施の形態の数学ツール処理と異なるステップのみを説明する。
【0170】
図23に示すように、ステップS48において、CPU21は、表示中の数学ツール画面に対応するノートブック画面上において、ステップS44の定理ふせんに対応する第2ふせんとは別に、幾何ふせんから順に接続されている第2ふせんがある場合に、幾何ふせん又は直前のステップS49で判別された第2ふせんに繋げられた次の第2ふせんがあるか否かを判別する。
【0171】
ステップS49において、CPU21は、次の第2ふせんの第2ふせんIDを設定して取得する。ステップS49の次の第2ふせんの第2ふせんIDは、幾何ふせんにに対応するツールふせんの第2ふせんIDを初期値(=1)として、幾何ふせんからの繋ぎ順及び繋ぎ数に基づいて1ずつインクリメントした値に設定される。ステップS50において、CPU21は、ステップS49で最終取得された第2ふせんIDを取得する。ステップS51において、CPU21は、ステップS44で生成された定理ふせんの第2ふせんIDを、ステップS50の第2ふせんIDから1インクリメントした第2ふせんIDで設定し、変数iに1が設定される。
【0172】
ステップS53において、CPU21は、記憶部15に記憶されたふせん定義テーブル70を参照し、i番目定理内容IDの学習ふせんの第2ふせんIDを生成する。ステップS53では、ここまでに生成された第2ふせんIDのうち、最も大きい第2ふせんIDを1インクリメントした第2ふせんIDが生成される。ステップS54において、CPU21は、ノートブック用のi番目定理内容IDの学習ふせんのふせんデータを作成する。
【0173】
i>Nである場合(ステップS52;NO)、CPU21は、数学ツール画面上に表示中の定理ふせんをグレーアウトの状態にする(ステップS81)。そして、CPU21は、操作部22を介して、ユーザからのノートブックに戻る操作入力を受け付ける(ステップS82)。ノートブックに戻る操作入力は、例えば、終了ボタン101のクリック入力である。
【0174】
そして、CPU21は、ステップS71のノートブック画面を表示部14に表示し、数学ツールに対応するツールふせんのふせんデータと、ステップS44で作成された定理ふせんに対応するノートブック用の定理ふせんのふせんデータとを作成し、各ふせんデータに基づいて、当該ツールふせん、(ステップS48で判別された他の第2ふせん)、作成した定理ふせん、ステップS54で作成された学習ふせんを順に繋げるようにノートブック画面内に表示する(ステップS83)。
【0175】
ステップS83では、例えば、
図24に示すノートブック画面600が表示される。ノートブック画面600は、ツールふせん700と、定理ふせん800と、学習ふせん910,920,930と、を有する。
【0176】
ツールふせん700は、幾何ふせん110Fと同様のふせんであって、ノートブック上のふせんである。定理ふせん800は、定理ふせん300Fと同様のふせんであって、ノートブック上のふせんであり、参考図形、証明に挑戦ボタン330がない。学習ふせん910,920,930は、それぞれ、学習ふせん510,520,530と同様のふせんであって、ノートブック上のふせんである。
【0177】
定理ふせん800は、連結線L6を介して、繋ぎ元の幾何ふせん110Fに繋げられている。学習ふせん910は、連結線L7を介して、繋ぎ元の定理ふせん800に繋げられている。学習ふせん920は、連結線L8を介して、繋ぎ元の学習ふせん910に繋げられている。学習ふせん930は、連結線L9を介して、繋ぎ元の学習ふせん920に繋げられている。
【0178】
そして、CPU21は、ステップS83直前に数学ツール画面に表示された第1ふせんとしての幾何ふせん~定理ふせんのふせんデータを記憶部15に記憶し、その第1ふせんのふせん情報を第1ふせんテーブル210の各カラムに格納して第1ふせんテーブル210を記憶部15に記憶する(ステップS84)。
【0179】
そして、CPU21は、ステップS83で表示中のノートブック画面に表示された第2ふせんとしての幾何ふせん~学習ふせんのふせんデータを記憶部15に記憶し、その第2ふせんのふせん情報を第2ふせんテーブル220の各カラムに格納して第2ふせんテーブル220を記憶部15に記憶する(ステップS85)。ステップS85の実行後、処理はステップS72に移行される。ステップS85は、ステップS57と同様であるが、ノートブック画面に表示された第2ふせんのノートブック出力状態219が1に変更される。
【0180】
ステップS85では、表示中のノートブックのノートブックID、ステップS84の数学ツールのツールID、作成されたツールふせんの第2ふせんID、ツールふせんに対応する幾何ふせんの第1ふせんID、数学ツール、ノートブック画面上のツールふせんのx座標、y座標、ツールふせんの繋ぎ元の第2ふせんID(なし)、ツールふせんの繋ぎ先の定理ふせんの第2ふせんID、定理分類ID(=123)、定理内容ID(なし)の情報が、それぞれ、ノートブックID221、ツールID222、第2ふせんID223、第1ふせんID224、第2ふせん種類225、第2ふせんx座標226、第2ふせんy座標227、第2ふせん繋ぎ元ID228、第2ふせん繋ぎ先ID229、定理分類ID230、定理内容ID231の同一レコードに追加される。(他の第2ふせん)、定理ふせん、学習ふせんについても、ツールふせんと同様に、ふせん情報が第2ふせんテーブル220の各レコードに格納される。ただし、定理ふせんの第2ふせん種類225は、定理ふせんにされる。学習ふせんの第2ふせん種類225は、学習ふせんにされる。また、定理ふせん、学習ふせんの定理内容IDの情報が、定理内容ID231に格納される。
【0181】
また、
図19の数学ツール画面100Kと同様に、本実施の形態の数学ツール処理において、三角形90を有する幾何ふせん110に対して、処理「角の二等分線」の作図を行い、ノートブックに第2ふせんを出力する例を考える。ここでは、さらに、数学ツール処理を実行し、処理「面積」の測定を行い、ノートブックに第2ふせんを出力する例とする。この場合、最終的なノートブック画面には、ツールふせん700→定理ふせん800→学習ふせん910→学習ふせん920→学習ふせん930→処理「面積」に対応する定理ふせん→処理「面積」に対応する1番目の学習ふせん→同じく2番目の学習ふせん→同じく3番目の学習ふせんの順に、一本の直列で繋げられた第2ふせん群が表示される。
【0182】
以上、本実施の形態によれば、PC20のCPU21は、所定の第1学習情報(定理・公式)及び第2学習情報(定理又は公式の証明)を、処理結果(二等分線93)を含む幾何図形(三角形90)に対応付けて、最初に表示されている三角形90の数学ツール画面100Fとは異なるノートブック画面600に出力する。
【0183】
別の観点では、CPU21は、所定の第1学習情報(定理・公式)の定理ふせん800と、第2学習情報(定理又は公式の証明)の学習ふせん910,920,930とを、処理結果(二等分線93)を含む幾何図形(三角形90)のツールふせん700に対応付けて、最初に表示されている三角形90の数学ツール画面100Fとは異なるノートブック画面600に出力する。
【0184】
このため、強化学習用の定理又は公式の内容をノートブック画面上に別途表示させることで、数学ツール内の重要箇所を表示するノートブックを手軽に作成でき、当該重要箇所をノートブック画面上で容易に確認できる。また、ユーザは、定理・公式を暗記するのみでなく、学習ふせん910,920,930により、証明などを通じて定理・公式を考察する機会を得て、定理・公式の理解力を高めることができる。さらに、ユーザは、数学ツール以外のふせん(電子付箋)も貼り付け可能なノートブック上で、数学ツール以外の情報も参考にしつつ学習ふせん910,920,930により、定理・公式の強化学習を行うことができる。数学ツール以外のふせんとしては、例えば、辞書ツールふせんがある。辞書ツールふせんは、ユーザが入力した所望の単語を電子辞書データで検索し、検索結果を表示、格納する辞書ツールのふせんである。例えば、辞書ツールの国語辞書で検索した検索結果としての「二等分線」の説明情報を辞書ツールふせんとして、ノートブック画面に追加できる。ユーザは、ノートブック画面上で、数学ツールのツールふせん、定理ふせん、学習ふせんに加えて、辞書ツールふせんを参照できる。したがって、幾何図形の第1学習情報(定理・公式)の学習効果をより高めることができる。
【0185】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15(HDD、SSD)を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0186】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る学習支援装置、学習支援方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0187】
例えば、上記第1の実施の形態では、数学ツール画面上で、連結線を介して、複数の第1ふせんを1本の直列で繋げて表示する構成とした。上記第2の実施の形態では、ノートブック画面上で、連結線を介して、複数の第2ふせんを1本の直列で繋げて表示する構成とした。しかし、これらの構成に限定されるものではなく、幾何ふせんを基にして、連結線を介して、複数の第1ふせんを複数本の並列で繋げて数学ツール画面上に表示する構成としてもよい。また、幾何ふせんを基にして、連結線を介して、複数の第2ふせんを複数本の並列で繋げてノートブック画面上に表示する構成としてもよい。
【0188】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0189】
1 学習支援システム
10 サーバ
20 PC
11,21 CPU
12,22 操作部
13,23 RAM
14,24 表示部
15,25 記憶部
16,26 通信部
17,27 バス
N1 通信ネットワーク