(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129204
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】プローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20240919BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240919BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038240
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】林 拓也
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AG03
2G003AG12
2G011AA09
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB04
2G011AC02
2G011AC14
(57)【要約】
【課題】 プランジャーを安定的にバレルの内壁に押しつける。
【解決手段】 プローブは、第1プランジャーと、前記第1プランジャーを移動可能な状態で保持するバレルと、前記第1プランジャーを付勢するコイルバネと、を備え、前記コイルバネは、第1コイル部と、第2コイル部と、第3コイル部とを有し、前記第1コイル部は、前記第3コイル部の端部の一方に位置し、前記第1プランジャーと接し、前記第2コイル部は、前記第3コイル部の端部の他方に位置し、前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1コイル部の第1中心軸に垂直な第1平面と、前記第2コイル部の第2中心軸に垂直な第2平面の少なくとも一方は、前記第3コイル部の第3中心軸と垂直な第3平面と非平行である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プランジャーと、
前記第1プランジャーを移動可能な状態で保持するバレルと、
前記第1プランジャーを付勢するコイルバネと、を備え、
前記コイルバネは、第1コイル部と、第2コイル部と、第3コイル部とを有し、
前記第1コイル部は、前記第3コイル部の端部の一方に位置し、前記第1プランジャーと接し、
前記第2コイル部は、前記第3コイル部の端部の他方に位置し、
前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1コイル部の第1中心軸に垂直な第1平面と、前記第2コイル部の第2中心軸に垂直な第2平面の少なくとも一方は、前記第3コイル部の第3中心軸と垂直な第3平面と非平行である、プローブ。
【請求項2】
前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1平面と前記第2平面とが、交差する位置関係で、前記コイルバネが形成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1平面と前記第2平面は線対称となる位置関係で、前記コイルバネが形成される、請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記第1プランジャーには、前記第1コイル部が挿入される凸部が形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、検査用ソケットなどに取り付けられるプローブなどが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プランジャーをバレルの内壁に押しつける力が十分でない。
【0005】
したがって本発明の目的の一例は、プランジャーを安定的にバレルの内壁に押しつけることである。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1プランジャーと、前記第1プランジャーを移動可能な状態で保持するバレルと、前記第1プランジャーを付勢するコイルバネと、を備え、前記コイルバネは、第1コイル部と、第2コイル部と、第3コイル部とを有し、前記第1コイル部は、前記第3コイル部の端部の一方に位置し、前記第1プランジャーと接し、前記第2コイル部は、前記第3コイル部の端部の他方に位置し、前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1コイル部の第1中心軸に垂直な第1平面と、前記第2コイル部の第2中心軸に垂直な第2平面の少なくとも一方は、前記第3コイル部の第3中心軸と垂直な第3平面と非平行である、プローブである。
【0007】
本発明の上記態様によれば、プランジャーを安定的にバレルの内壁に押しつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における、第1プランジャーに力が加えられる前のプローブの構成図である。
【
図4】本実施形態の第1プランジャーに力が加えられた状態のプローブの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、
図1~
図4を用いて説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0010】
なお、
図1、
図2、
図4では、バレル13は断面を示しており、他の部材は側面を示している。また、方向を説明するため、プランジャーとバレルが並ぶ方向をx方向と定義し、x方向に垂直な方向をy方向と定義する。
【0011】
具体的には、
図1~
図4に示すように、本実施形態では、第1プランジャー11とバレル13と第2プランジャー12が並ぶ方向がx方向であり、第1プランジャー11、バレル13、第2プランジャー12の各々の径方向がy方向である。また、
図1~
図4において、xy軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ左方向、上方向と定義する。
【0012】
(プローブ1)
本実施形態におけるプローブ1は、第1プランジャー(検査装置の基板側端子)11、第2プランジャー(検査対象物側端子)12、バレル13、コイルバネ14を備える。プローブ1は、半導体検査に用いられる計測機器である(
図1、
図2参照)。第1プランジャー11、第2プランジャー12、バレル13、コイルバネ14は、導電性の部材で構成される。プローブ1は、バレル13内のコイルバネ14で第1プランジャー11をバレル13から突出させる向きに付勢する構成である。
【0013】
(第1プランジャー11)
第1プランジャー11は、第1接触部11a、第1基端部11bを有する。第1接触部11aの径方向の大きさは、第1基端部11bの径方向の大きさよりも小さい。
【0014】
第1接触部11aの端部(第1先端部a1)は、バレル13の内側から外側に突出する。すなわち、第1接触部11aの少なくとも一部は、バレル13から露出する。第1基端部11bは、x方向に移動可能な状態で、バレル13に保持される。第1接触部11aの第1基端部11bと接する側(第1接触部11aのx方向左側)は、バレル13の内側に位置する。第1基端部11bのx方向左側の端部(第2先端部a2)には、第2プランジャー12がある側(x方向左側)に突出する第1凸部11cが形成される。第1凸部11cの径方向の大きさは、第2先端部a2の径方向の大きさよりも小さい。第2先端部a2は、径方向に平面形状である。第1凸部11cには、コイルバネ14の第1コイル部14aが挿入される。
【0015】
(第2プランジャー12)
第2プランジャー12は、第2接触部12a、第2基端部12bを有する。第2接触部12aの径方向の大きさは、第2基端部12bの径方向の大きさよりも小さい。
【0016】
第2接触部12aの端部(第3先端部a3)は、バレル13の内側から外側に突出する。すなわち、第2接触部12aの少なくとも一部は、バレル13から露出する。第2基端部12bは、バレル13に対して移動不能な状態で、バレル13に保持される。第2基端部12bのx方向右側の端部(第4先端部a4)には、第1プランジャー11がある側(x方向右側)に突出する第2凸部12cが形成される。第2凸部12cの径方向の大きさは、第4先端部a4の径方向の大きさよりも小さい。第4先端部a4は、径方向に平面形状である。第2凸部12cには、コイルバネ14の第2コイル部14bが挿入される。第2基端部12bは、隣接する領域よりも外径が細くなる第1凹み領域12b1を有する。
【0017】
(バレル13)
バレル13は、筒形状を有する本体部13aを有する。
【0018】
本体部13aにおける第1プランジャー11を保持する側の端部(第5先端部a5)には、筒形状の内側に向かって屈折し、内径が小さくなる狭窄領域(第1凸領域13a1)が形成される。第1凸領域13a1により、第1プランジャー11の第1基端部11bがx方向右側に抜けることが防止される。なお、第1凸領域13a1は、第5先端部a5の全周に亘って形成されてもよいし、第5先端部a5の一部に形成されてもよい。
【0019】
本体部13aにおける第2プランジャー12の第2基端部12bを収容する領域には、筒形状の内側に向かって突出し、内径が小さくなる狭窄領域(第2凸領域13a2)が形成される。第2凸領域13a2に、第2プランジャー12の第2基端部12bの第1凹み領域12b1が掛け止めされ、第2プランジャー12がバレル13に固定される。なお、第2凸領域13a2は、本体部13aの内壁の全周に亘って形成されてもよいし、本体部13aの内壁の一部に形成されてもよい。
【0020】
(コイルバネ14)
コイルバネ14は、バレル13内に位置し、第1プランジャー11をx方向に付勢し、第1プランジャー11の第1接触部11aをバレル13の内側から外側に突出させる。コイルバネ14は、第1コイル部14a、第2コイル部14b、第3コイル部14cを有する(
図3、
図4参照)。第1コイル部14aと第2コイル部14bと第3コイル部14cは、一体的に構成される。第1コイル部14aは、第3コイル部14cの端部の一方に位置し、第1プランジャー11と接する。第1コイル部14aは、座巻を含み、クローズドエンドで構成される。第2コイル部14bは、第3コイル部14cの端部の他方に位置し、第2プランジャー12と接する。第2コイル部14bは、座巻を含み、クローズドエンドで構成される。第1コイル部14aと第2コイル部14bの内径は、第3コイル部14cの内径よりも小さい。第3コイル部14cは、第1コイル部14aと第2コイル部14bと比べて、荷重負荷に応じて大きく撓む。第3コイル部14cは、端部の内径が中心部の内径よりも細い略たる型形状のバネで構成される。第1コイル部14aと第2コイル部14bと第3コイル部14cの外径は、バレル13の内径よりも小さい。
【0021】
コイルバネ14に荷重負荷を与えない状態で、第1コイル部14aの中心軸(第1中心軸LX1)に垂直な第1平面E1は、第3コイル部14cの中心軸(第3中心軸LX3)と90度未満の所定角度(第1角度θ1)をなす。すなわち、第1平面E1は、第3中心軸LX3と垂直な第3平面E3と非平行である。言い換えると、第1平面E1は、第3平面E3に対して傾斜する。このため、第1中心軸LX1は、第3中心軸LX3が延びる方向(x方向)と異なる方向に延びる。また、第1コイル部14aの端面における第3中心軸LX3が通る領域とずれた位置で、第1中心軸LX1は第1コイル部14aの端面と交差する。
【0022】
コイルバネ14に荷重負荷を与えない状態で、第2コイル部14bの中心軸(第2中心軸LX2)に垂直な第2平面E2は、第3中心軸LX3と90度未満の所定角度(第2角度θ2)をなす。すなわち、第2平面E2は、第3中心軸LX3と垂直な第3平面E3と非平行である。言い換えると、第2平面E2は、第3平面E3に対して傾斜する。このため、第2中心軸LX2は、第3中心軸LX3が延びる方向(x方向)と異なる方向に延びる。また、第2コイル部14bの端面における第3中心軸LX3が通る領域とずれた位置で、第2中心軸LX2は第2コイル部14bの端面と交差する。
【0023】
本実施形態では、第1角度θ1と第2角度θ2が75度から85度の間の同じ角度である例を示す。
【0024】
コイルバネ14の巻き線のピッチは、以下のように形成される。
【0025】
y方向の一方(例えば、y方向上側)における、第3コイル部14cの第1コイル部14aに近い巻き線のピッチ(第11ピッチP11)と、第3コイル部14cと第1コイル部14aの間のピッチ(第12ピッチP12)の少なくとも一方が、他の領域のピッチ(第3コイル部14cの第1コイル部14a及び第2コイル部14bから離れた領域のピッチ(第3ピッチP3))よりも狭い。そして/若しくは、y方向の他方(例えば、y方向下側)における、第11ピッチP11と第12ピッチP12の少なくとも一方が、第3ピッチP3よりも広い。
【0026】
y方向の一方における、第3コイル部14cの第2コイル部14bに近い巻き線のピッチ(第21ピッチP21)と、第3コイル部14cと第2コイル部14bの間のピッチ(第22ピッチP22)の少なくとも一方が、第3ピッチP3よりも狭い。そして/若しくは、y方向の他方における、第21ピッチP21と第22ピッチP22のピッチの少なくとも一方が、第3ピッチP3よりも広い。
【0027】
本実施形態(
図3参照)では、y方向の一方における第11ピッチP11と第12ピッチP12が、第3ピッチP3よりも狭く、y方向の一方における第21ピッチP21と第22ピッチP22が、第3ピッチP3よりも狭い例を示す。
【0028】
y方向の一方で、第1平面E1と第3平面E3とが近づき、y方向の他方で、第1平面E1と第3平面E3とが遠ざかり、y方向の一方で、第2平面E2と第3平面E3とが近づき、y方向の他方で、第2平面E2と第3平面E3とが遠ざかるように、すなわち、第1平面E1と第2平面E2とが交差し、略V字を形成する位置関係で、コイルバネ14が形成されることが望ましい。
【0029】
特に、第1平面E1と第2平面E2が線対称となる位置関係、すなわち、第1角度θ1と第2角度θ2が等しくなるように、コイルバネ14が形成されるのが望ましい。
【0030】
ただし、第1平面E1と第2平面E2の少なくとも一方が第3平面E3と非平行であればよく、第1平面E1と第2平面E2とが平行になるなど、他の位置関係であってもよい。
【0031】
(第1プランジャー11のバレル13への取り付け)
第1プランジャー11の第1基端部11bの第2先端部a2が、バレル13の本体部13aの第1凸領域13a1がある側の端部(第5先端部a5)から挿入される。なお、この際にはバレル13には第1凸領域13a1と第2凸領域13a2は形成されていない。バレル13の本体部13aに第1基端部11bが完全に挿入されると、カシメ加工などにより、第1凸領域13a1が形成される。
【0032】
(第2プランジャー12のバレル13への取り付け)
第1プランジャー11がバレル13に取り付けられた後、コイルバネ14が、バレルの本体部における第2プランジャーを保持する側の端部(第6先端部a6)から挿入され、続いて、第2プランジャー12の第2基端部12bが、第6先端部a6から挿入される。第1プランジャー11の第1凸部11cは、コイルバネ14の第1コイル部14aに挿入され、第2プランジャー12の第2凸部12cは、コイルバネ14の第2コイル部14bに挿入される。
【0033】
第2プランジャー12の挿入後に、ポンチなどによって、第2凸領域13a2が形成される。第2基端部12bの第1凹み領域12b1と、バレル13の本体部13aの第2凸領域13a2とが嵌合し、第2プランジャー12がバレル13に固定される。これにより、本実施形態のプローブ1が形成される。
【0034】
(動作手順)
プローブ1が検査用ソケット(不図示)に取り付けられ、プローブ1の第1プランジャー11の第1接触部11aの第1先端部a1が検査装置の基板100に接触すると、プローブ1が検査対象物側に持ち上がる。その後、検査対象物側から第2プランジャー12に力が加えられる(
図4参照)。
【0035】
第1プランジャー11と第2プランジャー12に加えられる力によって、第1プランジャー11がバレル13の内部に押し込められる。コイルバネ14には、圧縮する力が加えられる。第3コイル部14cは、x方向に縮むと共に、一部がy方向に変位し、アーチ形状若しくは蛇行形状に変形する。このため、第3コイル部14cの一部は、バレル13の内壁に接触する。第1コイル部14aは、x方向に第1プランジャー11を押す。また、第1コイル部14aは、y方向であって第3コイル部14cが変位した方と反対方向に第1プランジャー11を押す(側圧を与える)。このため、第1基端部11bがバレル13の内壁に押しつけられ、第1プランジャー11が傾いた状態になる。これにより、第1プランジャー11は、バレル13を介して、第2プランジャー12と電気的に接続した状態になる。
【0036】
(端部が傾いたコイルバネ14を用いたことの効果)
第1平面E1が第3平面E3に対して傾斜しているため、第1平面E1と第3平面E3とが平行である形態に比べて、コイルバネ14にx方向の圧縮力が加わった時に、コイルバネ14がアーチ形状若しくは蛇行形状に変形して一部がバレル13の内壁に接触しやすい。
【0037】
このため、第1コイル部14aが第1プランジャー11をバレル13の内壁に押しつける力が強くなり、第1プランジャー11とバレル13との接触状態の維持が容易になる。すなわち、第1プランジャー11を安定的にバレル13の内壁に押しつけることが出来、第1プランジャー11がバレル13と電気的に接続した状態の維持が容易になる。そして、第1プランジャー11がバレル13を介して第2プランジャー12と電気的に接続した状態の維持が容易になる。
【0038】
なお、第2平面E2が第3平面E3に対して傾斜していてもコイルバネ14がアーチ形状若しくは蛇行形状に変形して一部をバレル13の内壁に接触しやすく出来る。このため、第1平面E1と第2平面E2の少なくとも一方が第3平面E3に対して傾斜していれば、第1プランジャー11を安定的にバレル13の内壁に押しつけることが出来る。ただし、第1平面E1と第2平面E2の両方が、第3平面E3に対して傾斜している形態の方が、第1平面E1と第2平面E2の一方だけが、第3平面E3に対して傾斜している形態よりも、第1プランジャー11をより安定的にバレル13の内壁に押しつけることが出来る。
【0039】
(第1平面E1と第2平面E2とが交差する位置関係でコイルバネ14が形成されることの効果)
コイルバネ14による付勢力の径方向成分が大きくなり、第1平面E1と第2平面E2とが交差しない形態と比べて、第1コイル部14aの端面が、第1プランジャー11のバレル13への押しつけを安定的に出来る。
【0040】
(第1平面E1と第2平面E2とが線対称となる位置関係でコイルバネ14が形成されることの効果)
第1平面E1と第2平面E2とが線対称でない位置関係でコイルバネ14が形成される形態に比べて、コイルバネ14を形成しやすい。また、挿入する向きを考慮せずに、コイルバネ14をバレル13に挿入出来る。
【0041】
(第1凸部11cを設けたことの効果)
第1凸部11cが、コイルバネ14のバネ受けとして機能し、コイルバネ14の第1コイル部14aが径方向(y方向など)に大きくずれることを制限する。これにより、コイルバネ14によって確実に第1プランジャー11をバレル13の内壁に押しつけることが可能になる。
【0042】
(第2プランジャー12の応用例)
本実施形態では、第2プランジャー12がバレル13に固定される例を説明した。しかしながら、第2プランジャー12がx方向に移動可能な状態で、バレル13に保持されてもよい。この場合、本実施形態のコイルバネ14によって、第2プランジャー12も安定的にバレル13の内壁に押しつけることが出来る。
【0043】
(第1コイル部14a、第2コイル部14bの応用例)
本実施形態では、第1コイル部14aと第2コイル部14bが座巻を含み、クローズドエンドで構成される例を説明した。しかしながら、第1コイル部14aと第2コイル部14bの少なくとも一方が、座巻を含まずに、オープンエンドで構成されてもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0045】
本明細書によれば、以下の態様のプローブが提供される。
(態様1)
態様1は、第1プランジャーと、前記第1プランジャーを移動可能な状態で保持するバレルと、前記第1プランジャーを付勢するコイルバネと、を備え、前記コイルバネは、第1コイル部と、第2コイル部と、第3コイル部とを有し、前記第1コイル部は、前記第3コイル部の端部の一方に位置し、前記第1プランジャーと接し、前記第2コイル部は、前記第3コイル部の端部の他方に位置し、前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1コイル部の第1中心軸に垂直な第1平面と、前記第2コイル部の第2中心軸に垂直な第2平面の少なくとも一方は、前記第3コイル部の第3中心軸と垂直な第3平面と非平行である。
【0046】
上述の態様によれば、コイルバネに圧縮力が加わった時に、コイルバネがアーチ形状若しくは蛇行形状に変形して一部がバレルの内壁に接触しやすい。このため、第1コイル部が第1プランジャーをバレルの内壁に押しつける力が強くなり、第1プランジャーとバレルとの接触状態の維持が容易になる。すなわち、第1プランジャーを安定的にバレルの内壁に押しつけることが出来、第1プランジャーがバレルと電気的に接続した状態の維持が容易になる。
【0047】
(態様2)
態様2では、前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1平面と前記第2平面とが、交差する位置関係で、前記コイルバネが形成される。
【0048】
上述の態様によれば、コイルバネによる付勢力の径方向成分が大きくなり、第1平面と第2平面とが交差しない形態と比べて、第1コイル部の端面が、第1プランジャーのバレルへの押しつけを安定的に出来る。
【0049】
(態様3)
態様3では、前記コイルバネに荷重負荷を与えない状態で、前記第1平面と前記第2平面は線対称となる位置関係で、前記コイルバネが形成される。
【0050】
上述の態様によれば、第1平面と第2平面とが線対称でない位置関係でコイルバネが形成される形態に比べて、コイルバネを形成しやすい。また、挿入する向きを考慮せずに、コイルバネをバレルに挿入出来る。
【0051】
(態様4)
態様4では、前記第1プランジャーには、前記第1コイル部が挿入される凸部が形成される。
【0052】
上述の態様によれば、凸部が、コイルバネのバネ受けとして機能し、コイルバネの第1コイル部が径方向に大きくずれることを制限する。これにより、コイルバネによって確実に第1プランジャーをバレルの内壁に押しつけることが可能になる。
【符号の説明】
【0053】
1 プローブ、11 第1プランジャー、11a 第1接触部、11b 第1基端部、11c 第1凸部、12 第2プランジャー、12a 第2接触部、12b 第2基端部、12b1 第1凹み領域、12c 第2凸部、13 バレル、13a 本体部、13a1 第1凸領域、13a2 第2凸領域、14 コイルバネ、14a 第1コイル部、14b 第2コイル部、14c 第3コイル部、100 検査装置の基板、a1 第1先端部(第1接触部の端部)、a2 第2先端部(第1基端部の端部)、a3 第3先端部(第2接触部の端部)、a4 第4先端部(第2基端部の端部)、a5 第5先端部(バレルの本体部における第1プランジャーを保持する側の端部)、a6 第6先端部(バレルの本体部における第2プランジャーを保持する側の端部)、E1 第1平面、E2 第2平面、E3 第3平面、LX1 第1中心軸、LX2 第2中心軸、LX3 第3中心軸、P11 第11ピッチ、P12 第12ピッチ、P21 第21ピッチ、P22 第22ピッチ、P3 第3ピッチ、θ1 第1角度、θ2 第2角度