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特開2024-129210表示装置、制御装置、および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129210
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】表示装置、制御装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240919BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240919BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20240919BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240919BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240919BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240919BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240919BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 642D
G09G3/20 642F
G09G3/34 J
G09G3/20 612U
G02F1/133 580
H05B47/11
H05B47/16
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038259
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】石川 勝一
(72)【発明者】
【氏名】野崎 秀樹
【テーマコード(参考)】
2H193
3K273
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZG44
2H193ZH07
2H193ZH14
2H193ZH37
2H193ZH57
3K273PA09
3K273QA01
3K273RA13
3K273SA04
3K273SA38
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA23
3K273TA27
3K273TA29
3K273UA22
5C006AF44
5C006AF45
5C006AF46
5C006AF53
5C006AF63
5C006BB29
5C006BF08
5C006BF15
5C006BF39
5C006EA01
5C006EC09
5C006FA18
5C006FA51
5C006FA54
5C080AA10
5C080DD01
5C080DD27
5C080GG12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080KK07
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】表示装置において、更なる改善が求められている。
【解決手段】表示装置1において、表示パネル12は、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する。バックライト14は、表示パネル12の背面側に位置し、表示パネル12に光を照射する。制御回路30は、照度センサ40で検出された入射光の照度を取得し、照度に応じてバックライト14を制御する。バックライト14は、マトリクス状に配置された複数の光源16を有する。複数の光源16は、複数の光源群に分けられる。複数の光源群は、第1画像領域に重なる第1光源群を含む。制御回路30は、照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、第1光源群の点灯期間は第1期間である。制御回路30は、照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間において、第1光源群を、第1期間より長い第2期間点灯する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面側に位置し、前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
照度センサで検出された入射光の照度を取得し、前記照度に応じて前記バックライトを制御する制御回路と、を備え、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御回路は、
前記照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は第1期間であり、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯する、
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、前記第1画像領域に隣接する第2画像領域に画像をさらに表示し、
前記複数の光源群は、前記第2画像領域に重なる第2光源群を含み、
前記照度が前記照度しきい値未満の場合、前記第2光源群の点灯期間は前記第1期間であり、
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、かつ、前記第1画像領域と前記第2画像領域のそれぞれが高輝度条件を満たす場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群と前記第2光源群のそれぞれを、前記第2期間ずつ時分割で順番に点灯する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、前記第1画像領域が前記高輝度条件を満たし、かつ、前記第2画像領域が前記高輝度条件を満たさない場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を前記第2期間点灯し、前記第2光源群を消灯する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、前記第1画像領域が前記高輝度条件を満たし、かつ、前記第2画像領域が前記高輝度条件を満たさない場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群と前記第2光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は、前記第2期間であり、前記第2光源群の点灯期間は、前記第1期間以下である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2期間は、前記単位フレーム期間と等しい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、画像信号に応じて画像を表示し、
前記高輝度条件は、対象の画像領域に関する前記画像信号の信号レベルの平均値が輝度しきい値以上であることである、
請求項2から4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記照度が前記照度しきい値未満の場合の前記単位フレーム期間における前記複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合の前記単位フレーム期間における前記複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和と等しい、
請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記照度が前記照度しきい値未満の場合における前記複数の光源のそれぞれの点灯時の電流値は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合における前記複数の光源のそれぞれの点灯時の電流値と等しい、
請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記複数の光源群のうち、前記画像領域における画像が表示されていない画像領域に重なる光源群を消灯する、
請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項10】
前記照度センサを備える、
請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項11】
表示パネルの背面側に位置して前記表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御装置であって、
前記表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示し、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御装置は、
入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は第1期間であり、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯する、
制御装置。
【請求項12】
表示パネルの背面側に位置して前記表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御方法であって、
前記表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示し、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御方法は、
入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯するステップであって、前記第1光源群の点灯期間は第1期間である、ステップと、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯するステップと、
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、制御装置、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの垂直走査に同期して、バックライトユニットの複数のLEDアレイを順に点滅する制御を行う立体映像表示装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/097743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置において、更なる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示装置は、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する表示パネルと、表示パネルの背面側に位置し、表示パネルに光を照射するバックライトと、照度センサで検出された入射光の照度を取得し、照度に応じてバックライトを制御する制御回路と、を備える。バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有する。複数の光源は、複数の光源群に分けられ、複数の光源群は、第1画像領域に重なる第1光源群を含む。制御回路は、照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、第1光源群の点灯期間は第1期間であり、照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間において、第1光源群を、第1期間より長い第2期間点灯する。
【0006】
本開示の別の態様は、制御装置である。この装置は、表示パネルの背面側に位置して表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御装置である。表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する。バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有する。複数の光源は、複数の光源群に分けられ、複数の光源群は、第1画像領域に重なる第1光源群を含む。制御装置は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、第1光源群の点灯期間は第1期間であり、照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間において、第1光源群を、第1期間より長い第2期間点灯する。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、表示パネルの背面側に位置して表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御方法である。表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する。バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有する。複数の光源は、複数の光源群に分けられ、複数の光源群は、第1画像領域に重なる第1光源群を含む。制御方法は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯するステップであって、第1光源群の点灯期間は第1期間である、ステップと、照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間において、第1光源群を、第1期間より長い第2期間点灯するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の表示装置の構成を示す図である。
図2図1のバックライトの構成を示す図である。
図3図1の表示部を示す平面図である。
図4図3の表示パネルの複数の画像領域のそれぞれに関する画像信号のAPLを示す図である。
図5図5(a)は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合のバックライトの動作を示すタイミングチャートであり、図5(b)は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライトの動作を示すタイミングチャートである。
図6】別の画像が表示された表示部を示す平面図である。
図7図7(a)は、図6に対応する、入射光の照度が照度しきい値未満の場合のバックライトの動作を示すタイミングチャートであり、図7(b)は、図6に対応する、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライトの動作を示すタイミングチャートである。
図8図8(a)から(e)は、高輝度条件を満たす画像が表示領域の上下方向の中央部に表示され、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライトの他の動作例を示すタイミングチャートである。
図9図9(a)から(d)は、画像が表示領域の上部に表示され、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライトの他の動作例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
実施の形態を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。実施の形態は、画像を表示する表示パネルと、表示パネルに光を照射する複数の光源を有するバックライトと、を備える表示装置に関する。
【0011】
バックライトの駆動方式として、複数の光源のそれぞれの輝度を個別に制御可能なアクティブマトリクス駆動が知られている。アクティブマトリクス駆動では、光源毎に光源駆動回路が設けられる。
【0012】
また、複数の光源を複数の光源群に分け、1フレームの画像が表示パネルに描画される単位フレーム期間において、複数の光源群を1つずつ時分割で順番に点灯するパッシブマトリクス駆動も知られている。単位フレーム期間は、1フレーム期間とも呼べる。パッシブマトリクス駆動では、各時刻で1つの光源群のみが点灯するため、複数の光源群で光源駆動回路を共用できる。そのため、光源駆動回路の数をアクティブマトリクス駆動よりも減らすことができ、表示装置のコストを低減できる。
【0013】
ここで、表示パネルに外光等が入射する状況で、入射光の照度が高い場合、バックライトの輝度を高め、画像を明るく表示することで、当該画像の視認性を高めることが望まれる。
【0014】
しかし、パッシブマトリクス駆動のバックライトでは、光源駆動回路が流せる電流値の制限により、1つの光源に流す電流を大幅に増やすことが困難であるため、輝度を高めることが困難であるという課題を本発明者は発見した。この課題を解決するために、本開示に係る表示装置は以下のように構成される。
【0015】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0016】
図1は、実施の形態の表示装置1の構成を示す。表示装置1は車載の表示装置である一例を説明するが、表示装置1の用途は特に限定されない。表示装置1は、例えば、携帯可能な電子機器の表示装置、または据え置き型の電子機器の表示装置などであってもよい。
【0017】
表示装置1は、例えば、車室内のセンターコンソールの中央付近に設置される。表示装置1は、各種の情報を表示する。車両の窓から表示装置1の表示面に太陽光である外光が入射し、この外光が表示面で正反射し、運転者の目に向かう場合がある。この場合、運転者は、表示装置1の表示内容を視認し難い可能性がある。そこで、表示装置1は、表示面付近の照度を検出し、検出された照度が照度しきい値以上の場合、表示面の一部の領域に表示された画像の輝度を高める。これにより、入射光の照度が大きい場合の当該画像の視認性を向上させることができる。
【0018】
表示装置1は、表示部10、液晶駆動回路20、制御回路30、バックライト駆動回路32、および照度センサ40を備える。制御回路30は、本開示の制御装置に対応する。表示部10は、表示パネル12およびバックライト14を有する。
【0019】
表示パネル12は、液晶パネルである。表示パネル12は、表示領域に画像を表示する。
【0020】
バックライト14は、直下型のバックライトである。バックライト14は、表示パネル12の背面に位置し、表示パネル12に光を照射する。バックライト14は、表示パネル12を照明する複数の光源16を含む。複数の光源16のそれぞれには、図示しない発光ダイオード(以下、LEDと呼ぶ)が配置されている。複数の光源16は、例えばマトリクス状に配置されている。それぞれの光源16は、発光領域を構成している。複数の光源16は必ずしも規則的に並べる必要は無く、表示パネル12の形状あるいは表示内容に応じて不規則な配置としても良い。
【0021】
液晶駆動回路20と制御回路30には、図示しない画像信号出力回路から画像信号が供給される。液晶駆動回路20は、供給された画像信号に基づいて、表示パネル12の各画素を駆動し、表示パネル12の表示領域に画像を表示する。
【0022】
照度センサ40は、表示パネル12への入射光の照度を検出し、検出した照度を示す信号を制御回路30に出力する。観察者側から見て、照度センサ40は、表示パネル12の隣に配置されている。これにより、表示パネル12に入射する外光の照度に近い照度を検出できる。
【0023】
制御回路30は、供給された画像信号と、照度センサ40で検出された照度とに基づいて、バックライト駆動回路32を介してバックライト14を制御する。制御回路30は、画像検出部34、判定部36、および点灯制御部38を有する。制御回路30の処理の詳細は後述する。制御回路30が照度センサ40で検出された照度を取得可能であれば、表示装置1が照度センサ40を備えていなくてもよい。例えば、表示装置1の外部に照度センサ40が設けられており、検出した照度を照度センサ40が制御回路30に送信する構成であってもよい。
【0024】
制御回路30の構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源として、マイクロコンピュータ、CPU、DSP、ROM、RAM、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。制御回路30は、例えばプロセッサとメモリとを備え、プロセッサがメモリにロードされたプログラムを実行することによって、制御回路30および制御回路30が有する各機能ブロックの機能を実現する。
【0025】
図2は、図1のバックライト14の構成を示す。図2は、表示パネル12の観察者側の法線方向から観察したときの複数の光源16の一部の配置も概略的に示す。図3は、図1の表示部10を示す平面図である。
【0026】
以下、バックライト14は、6行24列に配置された144個の光源16を有する例を説明するが、光源16の数は「144」に限定されず、行の数は「6」に限定されず、列の数は「24」に限定されない。
【0027】
図2,3に示すように、複数の光源16は、第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、第5光源群G5、および第6光源群G6に分けられている。観察者側から見て、第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、第5光源群G5、第6光源群G6は、この順に上から下に並ぶ。第1光源群G1から第6光源群G6は、それぞれ、左右方向に並ぶ24個の光源16を含む。つまり、1つの光源群は、1行の複数の光源16を含む。
【0028】
図2を参照する。iを1から6までの整数とする。電源電圧P1は、トランジスタなどのスイッチSWiを介して、第i光源群Giの24個の光源16のそれぞれのLEDのアノードに供給される。第i光源群Giの24個の光源16のLEDのカソードは、光源16ごとにそれぞれ異なる駆動ラインL1から駆動ラインL24を介してバックライト駆動回路32に接続される。バックライト駆動回路32は、制御ラインSGiを介してスイッチSWiに制御信号を供給し、スイッチSWiを導通状態または非導通状態に制御する。駆動ラインL1から駆動ラインL24のそれぞれには、第1光源群G1から第6光源群G6の6個の光源16が接続される。例えば、駆動ラインL1には、第1光源群G1において左端に位置する光源16と、第2光源群G2において左端に位置する光源16と、第3光源群G3において左端に位置する光源16と、第4光源群G4において左端に位置する光源16と、第5光源群G5において左端に位置する光源16と、第6光源群G6において左端に位置する光源16と、が接続される。
【0029】
バックライト駆動回路32は、第i光源群Giを点灯させる場合、スイッチSWiを導通状態に制御し、他のスイッチを非導通状態に制御する。これにより、駆動ラインL1から駆動ラインL24のそれぞれが所定電流を引き込む。これにより、第i光源群Giの24個の光源16のそれぞれに所定電流が流れ、これらの光源16が点灯する。所定電流は、例えば、1つの駆動ラインの定格電流である。
【0030】
バックライト駆動回路32は、スイッチSW1からスイッチSW6のうち複数のスイッチを同時に導通状態に制御しない。つまり、バックライト駆動回路32は、第1光源群G1から第6光源群G6のうち複数の光源群を同時に点灯させない。
【0031】
図3を参照する。表示パネル12は、第1画像領域R1、第2画像領域R2、第3画像領域R3、第4画像領域R4、第5画像領域R5、および第6画像領域R6を表示領域に含む。表示パネル12の、観察者側の法線方向から観察したときに第i光源群Giに重なる領域を第i画像領域Riとする。第1画像領域R1、第2画像領域R2、第3画像領域R3、第4画像領域R4、第5画像領域R5、および第6画像領域R6は、この順に上から下に並ぶ。図3の例では、それぞれの画像領域は、左右方向に細長い長方形の領域である。図3では、上下方向に並ぶ6個の光源16に接続された駆動ラインの符号も示す。例えば、左端の6個の光源16を示す符号「L1」は、これらの光源16が駆動ラインL1に接続されていることを示す。
【0032】
図3および後述する図6において、表示パネル12の黒色の範囲は画像が存在しない範囲を表し、白色は画像を表し、白色の破線は光源16の外形を表す。図3では、一例として、画像は、表示領域の上下方向の中央部に、左右方向に分布して表示されている。画像は、例えば、各種のアイコンと文字を含む。具体的には、表示パネル12は、第2画像領域R2、第3画像領域R3、第4画像領域R4、および第5画像領域R5に画像を表示している。表示パネル12は、第2画像領域R2と第5画像領域R5のそれぞれでは、第3画像領域R3と第4画像領域R4のそれぞれより狭い範囲に画像を表示している。表示パネル12は、第1画像領域R1と第6画像領域R6には画像を表示していない。
【0033】
画像検出部34は、供給された画像信号にもとづいて、第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれにおいて画像を検出する。画像検出部34は、第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれに関する画像信号の信号レベルの平均値を導出し、導出した平均値をもとに画像の有無を判定する。第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれに関する画像信号の信号レベルの平均値は、第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれに関するAPL(Average Picture Level:平均画像レベル)である。APLが大きくなるほど、画像が明るいことを表す。画像検出部34は、第1画像領域R1から第6画像領域R6のうち、APLがゼロである画像領域に画像が存在しないと判定する。画像検出部34は、第1画像領域R1から第6画像領域R6のうち、APLがゼロより大きい画像領域に画像が存在すると判定する。画像検出部34は、第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれにおける画像の有無とAPLを点灯制御部38に供給する。
【0034】
判定部36は、照度センサ40から供給された照度を示す信号をもとに、入射光の照度が照度しきい値未満であるか否かを判定し、判定結果を点灯制御部38に供給する。照度しきい値は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0035】
点灯制御部38は、画像検出部34から供給された情報と、判定部36から供給された判定結果とにもとづいて、点灯させる光源群および各光源群の点灯期間を決定し、決定した内容を含む制御情報をバックライト駆動回路32に供給する。
【0036】
バックライト駆動回路32は、供給された制御情報に従い、連続する複数の単位フレーム期間のそれぞれにおいて、スイッチSW1からスイッチSW6を制御し、制御情報により規定される複数の光源16のLEDを駆動する。
【0037】
図4は、図3の表示パネル12の複数の画像領域のそれぞれに関する画像信号のAPLを示す。第1画像領域R1と第6画像領域R6のそれぞれのAPLはゼロである。第3画像領域R3と第4画像領域R4のそれぞれのAPLは、輝度しきい値Th1以上である。第2画像領域R2と第5画像領域R5のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。輝度しきい値Th1は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0038】
図5(a)は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合のバックライト14の動作を示すタイミングチャートであり、図5(b)は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライト14の動作を示すタイミングチャートである。
【0039】
点灯制御部38は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合、APLによらず、単位フレーム期間Tfにおいて6つの第1光源群G1から第6光源群G6のそれぞれを時分割で順番に点灯する。各光源群の点灯期間は、第1期間T1である。第1期間T1は、「単位フレーム期間Tf/バックライト14の光源群の数」であり、実施の形態では「単位フレーム期間Tf/6」である。
【0040】
図5(a)に示すように、入射光の照度が照度しきい値未満の場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、第5光源群G5、および第6光源群G6を、この順に第1期間T1ずつ点灯する。単位フレーム期間Tfにおける複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和は、単位フレーム期間Tfと等しい。言い換えると、(第1期間T1)×6は、単位フレーム期間Tfと等しい。この制御により、表示パネル12の表示領域の全面が概ね均等に照明される。なお、複数の光源群のそれぞれの点灯期間は、異なってもよい。
【0041】
一方、点灯制御部38は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間Tfにおいて、第1光源群G1から第6光源群G6のうち、高輝度条件を満たす画像領域に重なる光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯する。高輝度条件は、例えば、対象の画像領域に関する画像信号のAPLが輝度しきい値Th1以上であることである。図5(b)の例では、第3画像領域R3と第4画像領域R4のそれぞれが高輝度条件を満たす。各光源群の点灯期間は、第1期間T1より長い第2期間T2である。第2期間T2は、「単位フレーム期間Tf/点灯させる光源群の数」である。図5(b)の例では、第2期間T2は、単位フレーム期間Tfを2等分した長さである。入射光の照度が高い場合でも、単位フレーム期間Tfにおける複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和は、単位フレーム期間Tfと等しい。言い換えると、(第2期間T2)×2は、単位フレーム期間Tfと等しい。実施の形態では、APLが輝度しきい値Th1以上である光源群の数は、バックライト14の光源群の数より少ないとする。
【0042】
点灯制御部38は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、第1光源群G1から第6光源群G6のうち、高輝度条件を満たさない画像領域に重なる光源群を点灯しない。つまり、点灯制御部38は、APLが輝度しきい値Th1未満である画像領域に重なる光源群、および、画像が表示されていない画像領域に重なる光源群を点灯しない。そのため、第2期間T2を長くできる。
【0043】
照度が照度しきい値未満の場合における複数の光源16のそれぞれの点灯時の電流値は、照度が照度しきい値以上の場合における複数の光源16のそれぞれの点灯時の電流値と等しい。また、既述のように、照度が照度しきい値未満の場合と、照度が照度しきい値以上の場合とにおいて、単位フレーム期間Tfにおける複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和も等しい。これらにより、照度が照度しきい値未満の場合と、照度が照度しきい値以上の場合とにおいて、バックライト14の消費電力は等しくなる。そのため、バックライト14の消費電力を一定にできる。
【0044】
図5(b)に示すように、入射光の照度が照度しきい値以上であり、かつ、第3画像領域R3と第4画像領域R4のそれぞれが高輝度条件を満たす場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第3光源群G3と第4光源群G4のそれぞれを、この順に第2期間T2ずつ点灯する。制御回路30は、入射光の照度が照度しきい値以上であり、かつ、第1光源群G1、第2光源群G2、第5光源群G5、および第6光源群G6が高輝度条件を満たさない場合、第1光源群G1、第2光源群G2、第5光源群G5、および第6光源群G6を消灯する。したがって、複数の単位フレーム期間Tfにおいて、第3光源群G3と第4光源群G4が交互に点滅する。なお、複数の光源群のそれぞれの点灯期間は、異なってもよい。
【0045】
これにより、単位フレーム期間Tfにおける第3光源群G3と第4光源群G4の各光源16の電流の時間積分値は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合と比較して、3倍になる。そのため、単位フレーム期間Tfにおける第3画像領域R3と第4画像領域R4の画像の輝度は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合と比較して、概ね3倍になる。よって、入射光の照度が相対的に高い状況でも、第3画像領域R3と第4画像領域R4の画像の視認性を向上できる。
【0046】
このように、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、照度が照度しきい値未満の場合と比較して、第3光源群G3と第4光源群G4のそれぞれの点灯時間を長くするので、1つの光源16の電流値を変更することなく、第3光源群G3に重なる第3画像領域R3の画像と第4光源群G4に重なる第4画像領域R4の画像の輝度を高めることができる。
【0047】
また、第3画像領域R3に隣接する第2画像領域R2の画像は、第3光源群G3の光の一部により明るくされ、第4画像領域R4に隣接する第5画像領域R5の画像は、第4光源群G4の光の一部により明るくされる。
【0048】
次に、画像の表示位置が異なる例を説明する。図6は、別の画像が表示された表示部10を示す平面図である。図6では、画像は、表示領域の上部に、左右方向に分布して表示されている。画像は、例えば、各種のアイコンを含む。具体的には、第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3に画像が表示されている。第4画像領域R4、第5画像領域R5、および第6画像領域R6には画像が表示されていない。
【0049】
第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3のそれぞれのAPLは、輝度しきい値Th1以上であるとする。つまり、第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3のそれぞれは、高輝度条件を満たす。第4画像領域R4、第5画像領域R5、および第6画像領域R6のそれぞれのAPLはゼロであるとする。
【0050】
図7(a)は、図6に対応する、入射光の照度が照度しきい値未満の場合のバックライト14の動作を示すタイミングチャートであり、図7(b)は、図6に対応する、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライト14の動作を示すタイミングチャートである。
【0051】
図7(a)は、図5(a)と同一である。つまり、入射光の照度が照度しきい値未満の場合の制御は、画像によらず、図5(a)を参照して説明した動作と同一である。
【0052】
図7(b)に示すように、入射光の照度が照度しきい値以上であり、かつ、第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3のそれぞれが高輝度条件を満たす場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3のそれぞれを、この順に第2期間T2ずつ点灯する。第2期間T2は、単位フレーム期間Tfを3等分した長さである。制御回路30は、入射光の照度が照度しきい値以上であり、かつ、第4光源群G4、第5光源群G5、および第6光源群G6のそれぞれが高輝度条件を満たさない場合、第4光源群G4、第5光源群G5、および第6光源群G6を消灯する。
【0053】
これにより、単位フレーム期間Tfにおける第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3の画像の輝度は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合と比較して、概ね2倍になる。よって、入射光の照度が相対的に高い状況でも、第1画像領域R1、第2画像領域R2、および第3画像領域R3の画像の視認性を向上できる。
【0054】
ここで、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライト14の様々な制御例などを説明する。以下、既述の制御との相違点を中心に説明する。
【0055】
図8(a)から(e)は、高輝度条件を満たす画像が表示領域の上下方向の中央部に表示され、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライト14の他の動作例を示すタイミングチャートである。
【0056】
図8(a)は、図3と同じ画像が表示された場合の第1変形例の制御を示す。点灯制御部38は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、単位フレーム期間Tfにおいて、第1光源群G1から第6光源群G6のうち、画像が存在する画像領域に重なる光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯してもよい。高輝度条件を満たす画像領域に重なる光源群は、高輝度で点灯させる光源群である。高輝度条件を満たす画像領域に重なる光源群のそれぞれの点灯期間は、第2期間T2である。
【0057】
画像が存在し、かつ、高輝度条件を満たさない画像領域に重なる光源群は、低輝度で点灯させる光源群である。画像が存在し、かつ、高輝度条件を満たさない画像領域に重なる光源群のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3である。画像が存在し、かつ、高輝度条件を満たさない画像領域は、APLがゼロより大きく、かつ、輝度しきい値Th1未満である画像領域である。
【0058】
第3期間T3は、第1期間T1以下であり、図8(a)の例では第1期間T1と等しい。第2期間T2は、「(単位フレーム期間Tf-低輝度で点灯させる光源群の数×第3期間T3)/高輝度で点灯させる光源群の数」であり、図8(a)の例では単位フレーム期間Tfを3等分した長さである。
【0059】
図8(a)に示すように、入射光の照度が照度しきい値以上であり、第3画像領域R3と第4画像領域R4のそれぞれが高輝度条件を満たし、かつ、画像が存在する第2画像領域R2と第5画像領域R5のそれぞれが高輝度条件を満たさない場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、および第5光源群G5を、この順に時分割で点灯する。高輝度で点灯させる第3光源群G3と第4光源群G4のそれぞれの点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第2光源群G2と第5光源群G5のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3である。単位フレーム期間Tfにおける第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、および第5光源群G5のそれぞれの点灯期間の総和は、単位フレーム期間Tfと等しい。制御回路30は、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、画像が存在しない第1光源群G1および第6光源群G6を消灯する。
【0060】
これにより、単位フレーム期間Tfにおける第3画像領域R3と第4画像領域R4の画像の輝度は、入射光の照度が照度しきい値未満の場合と比較して、概ね2倍になる。よって、入射光の照度が相対的に高い状況でも、第3画像領域R3と第4画像領域R4の画像の視認性を向上できる。
【0061】
また、第2光源群G2と第5光源群G5を点灯しない図5(b)の制御と比較し、第2画像領域R2と第5画像領域R5の画像の輝度を高めることができる。
【0062】
図8(b)から(d)は、図3の画像とは異なる画像(図示せず)が表示パネルに表示された場合の制御例を示す。これらの図は、6つの第1画像領域R1から第6画像領域R6のそれぞれに画像が表示される例を示す。基本的には、第1変形例と同様の制御が実行される。
【0063】
図8(b)と図8(c)では、第1画像領域R1、第2画像領域R2、第5画像領域R5、および第6画像領域R6のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第3画像領域R3および第4画像領域R4のそれぞれのAPLは、輝度しきい値Th1以上である。
【0064】
図8(b)では、入射光の照度が照度しきい値以上の場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、画像が存在する第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、第5光源群G5、および第6光源群G6を、この順に時分割で点灯する。高輝度で点灯させる第3光源群G3および第4光源群G4のそれぞれの点灯期間は、第2期間T2であり、単位フレーム期間Tfを3等分した長さである。低輝度で点灯させる第1光源群G1、第2光源群G2、第5光源群G5、および第6光源群G6のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3であり、第1期間T1の半分と等しい。
【0065】
図8(c)では、低輝度で点灯させる第1光源群G1、第2光源群G2、第5光源群G5、および第6光源群G6のそれぞれの点灯期間が、図8(b)の例と異なり、他の制御は図8(b)の例と同様である。制御回路30は、高輝度で点灯させる光源群から離れるほど、低輝度で点灯させる光源群の点灯期間を短くしてもよい。第1光源群G1および第6光源群G6のそれぞれの点灯期間は、第4期間T4であり、第1期間T1の半分より短い。第2光源群G2および第5光源群G5のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3であり、第1期間T1の半分より長い。第3期間T3と第4期間T4の和は、第1期間T1である。
【0066】
図8(d)では、第1画像領域R1と第6画像領域R6のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第2画像領域R2、第3画像領域R3、第4画像領域R4、および第5画像領域R5のそれぞれのAPLは、輝度しきい値Th1以上である。
【0067】
図8(d)では、高輝度で点灯させる第2光源群G2、第3光源群G3、第4光源群G4、および第5光源群G5のそれぞれの点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第1光源群G1および第6光源群G6のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3であり、第1期間T1より短い。
【0068】
図8(b)から(d)においても、単位フレーム期間Tfにおける第1光源群G1から第6光源群G6のそれぞれの点灯期間の総和は、単位フレーム期間Tfと等しい。
【0069】
図8(b)から(d)の制御例でも、入射光の照度が相対的に高い状況において、APLが輝度しきい値Th1以上である画像領域の画像の視認性を向上できる。
【0070】
図8(e)は、バックライト14の光源16の数が異なる第2変形例を示す。この例では、バックライト14は、3行24列に配置された72個の光源16を有する。複数の光源16は、第1光源群G1、第2光源群G2、および第3光源群G3に分けられる。
【0071】
図8(e)では、第1画像領域R1と第3画像領域R3のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第2画像領域R2のAPLは、輝度しきい値Th1以上である。入射光の照度が照度しきい値以上の場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、画像が存在する第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3を、この順に時分割で点灯する。高輝度で点灯させる第2光源群G2の点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第1光源群G1と第3光源群G3のそれぞれの点灯期間は、第3期間T3であり、第1期間T1より短い。第1期間T1は、「単位フレーム期間Tf/3」である。このように、光源群の数によらず、APLが輝度しきい値Th1以上である画像領域の画像の視認性を向上できる。
【0072】
図9(a)から(d)は、画像が表示領域の上部に表示され、入射光の照度が照度しきい値以上の場合のバックライト14の他の動作例を示すタイミングチャートである。
【0073】
図9(a)では、第2画像領域R2のAPLは、輝度しきい値Th1以上である。第1画像領域R1および第3画像領域R3のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第4画像領域R4、第5画像領域R5、および第6画像領域R6のそれぞれのAPLはゼロである。
【0074】
図9(a)に示すように、入射光の照度が照度しきい値以上であり、第2画像領域R2が高輝度条件を満たし、かつ、画像が存在する第1画像領域R1と第3画像領域R3のそれぞれが高輝度条件を満たさない場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第1光源群G1、第2光源群G2、および第3光源群G3を、この順に時分割で点灯する。高輝度で点灯させる第2光源群G2の点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第1光源群G1と第3光源群G3のそれぞれの点灯期間は、第1期間T1より短い第3期間T3である。
【0075】
図9(b)では、第2画像領域R2のAPLは、輝度しきい値Th1以上である。第1画像領域R1および第3画像領域R3から第6画像領域R6には画像が表示されていない。入射光の照度が照度しきい値以上の場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第2光源群G2を連続して点灯する。第2光源群G2の点灯期間は、第2期間T2であり、単位フレーム期間Tfと等しい。入射光の照度が高い場合、第2画像領域R2の画像の輝度をより高めることができる。
【0076】
なお、入射光の照度が照度しきい値以上である場合、1つの画像領域のみに画像が表示されていれば、画像の表示位置およびAPLによらず、制御回路30は、その画像領域に重なる1つの光源群を連続して点灯してよい。
【0077】
図9(c)では、第1画像領域R1および第2画像領域R2のそれぞれのAPLは、輝度しきい値Th1以上である。第3画像領域R3および第4画像領域R4のそれぞれのAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第5画像領域R5および第6画像領域R6のそれぞれのAPLはゼロである。
【0078】
図9(c)に示すように、入射光の照度が照度しきい値以上であり、第1画像領域R1および第2画像領域R2が高輝度条件を満たし、かつ、画像が存在する第3画像領域R3および第4画像領域R4のそれぞれが高輝度条件を満たさない場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、第1光源群G1、第2光源群G2、第3光源群G3、および第4光源群G4を、この順に時分割で点灯する。高輝度で点灯させる第1光源群G1および第2光源群G2のそれぞれの点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第3光源群G3の点灯期間は、第3期間T3である。低輝度で点灯させる第4光源群G4の点灯期間は、第3期間T3より短い第4期間T4である。第3期間T3と第4期間T4の和は、例えば、第1期間T1である。
【0079】
図9(d)は、バックライト14の光源16の数が異なる例を示す。この例では、バックライト14は、図8(e)の第2変形例と同一の構成を持つ。図9(d)では、第1画像領域R1のAPLは、輝度しきい値Th1以上である。第2画像領域R2のAPLは、ゼロより大きく、輝度しきい値Th1未満である。第3画像領域R3には画像が表示されていない。入射光の照度が照度しきい値以上の場合、制御回路30は、単位フレーム期間Tfにおいて、画像が存在する第1光源群G1と第2光源群G2を、この順に時分割で点灯し、画像が存在しない第3光源群G3を点灯しない。高輝度で点灯させる第1光源群G1の点灯期間は、第2期間T2である。低輝度で点灯させる第2光源群G2の点灯期間は、第3期間T3であり、第1期間T1より短い。
【0080】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
例えば、実施の形態では、制御回路30は、入射光の照度が照度しきい値以上である場合、画像信号のAPLに基づいて、点灯させる光源群および各光源群の点灯期間を決定するが、画像が予め特定されていれば、APLを用いなくてもよい。つまり、図3の画像パターンおよび図6の画像パターンなど、複数の画像パターンのそれぞれに関して、画像の大きさおよび表示位置が予め設定されている場合、画像パターンごとに、照度が照度しきい値以上の場合に点灯する光源群と点灯期間が予め設定されてもよい。この場合、画像パターンごとに、それらの光源群と点灯期間を特定するための情報を制御回路30が予め保持していてもよい。制御回路30は、画像信号に添付された画像パターンを識別するための情報から、画像パターンを特定し、特定した画像パターンに関する点灯する光源群と点灯期間の情報を取得してもよい。この変形例では、制御回路30の処理を簡素化できる。
【0082】
また、高輝度条件は、例えば、対象の画像領域の画像の重要度が重要度しきい値以上であることなどであってもよい。
【0083】
本開示の一態様は、次の通りである。
【0084】
[項目1]
表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面側に位置し、前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
照度センサで検出された入射光の照度を取得し、前記照度に応じて前記バックライトを制御する制御回路と、を備え、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御回路は、
前記照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は第1期間であり、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯する、
表示装置。
この態様によれば、入射光の照度が高い場合、第1画像領域の画像の輝度を高めることができ、この画像の視認性を向上できる。
【0085】
[項目2]
前記表示パネルは、前記第1画像領域に隣接する第2画像領域に画像をさらに表示し、
前記複数の光源群は、前記第2画像領域に重なる第2光源群を含み、
前記照度が前記照度しきい値未満の場合、前記第2光源群の点灯期間は前記第1期間であり、
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、かつ、前記第1画像領域と前記第2画像領域のそれぞれが高輝度条件を満たす場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群と前記第2光源群のそれぞれを、前記第2期間ずつ時分割で順番に点灯する、
項目1に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、第1画像領域と第2画像領域の画像の輝度を高めることができる。
【0086】
[項目3]
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、前記第1画像領域が前記高輝度条件を満たし、かつ、前記第2画像領域が前記高輝度条件を満たさない場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を前記第2期間点灯し、前記第2光源群を消灯する、
項目2に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、第1画像領域の画像の輝度を高めることができる。
【0087】
[項目4]
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上であり、前記第1画像領域が前記高輝度条件を満たし、かつ、前記第2画像領域が前記高輝度条件を満たさない場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群と前記第2光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は、前記第2期間であり、前記第2光源群の点灯期間は、前記第1期間以下である、
項目2に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、第2光源群を点灯しない場合よりも第2画像領域の画像の輝度を高めることができる。
【0088】
[項目5]
前記第2期間は、前記単位フレーム期間と等しい、
項目1に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、第1画像領域の画像の輝度をより高めることができる。
【0089】
[項目6]
前記表示パネルは、画像信号に応じて画像を表示し、
前記高輝度条件は、対象の画像領域に関する前記画像信号の信号レベルの平均値が輝度しきい値以上であることである、
項目2から項目4のいずれか一項に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、信号レベルの平均値が高い画像領域の画像の輝度を高めることができる。
【0090】
[項目7]
前記照度が前記照度しきい値未満の場合の前記単位フレーム期間における前記複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合の前記単位フレーム期間における前記複数の光源群のそれぞれの点灯期間の総和と等しい、
項目1から項目6のいずれか一項に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、画像の輝度を高めることができる。
【0091】
[項目8]
前記照度が前記照度しきい値未満の場合における前記複数の光源のそれぞれの点灯時の電流値は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合における前記複数の光源のそれぞれの点灯時の電流値と等しい、
項目1から項目7のいずれか一項に記載の表示装置。
この場合、消費電力を一定にできる。
【0092】
[項目9]
前記制御回路は、前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記複数の光源群のうち、前記画像領域における画像が表示されていない画像領域に重なる光源群を消灯する、
項目1から項目8のいずれか一項に記載の表示装置。
この場合、入射光の照度が高い場合、第2期間を長くできる。
【0093】
[項目10]
前記照度センサを備える、
項目1から9のいずれかに記載の表示装置。
この場合、照度を検出可能な表示装置を提供できる。
【0094】
[項目11]
表示パネルの背面側に位置して前記表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御装置であって、
前記表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示し、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御装置は、
入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯し、前記第1光源群の点灯期間は第1期間であり、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯する、
制御装置。
この態様によれば、入射光の照度が高い場合、第1画像領域の画像の視認性を向上できる。
【0095】
[項目12]
表示パネルの背面側に位置して前記表示パネルに光を照射するバックライトを制御する制御方法であって、
前記表示パネルは、表示領域の一部の第1画像領域に画像を表示し、
前記バックライトは、マトリクス状に配置された複数の光源を有し、
前記複数の光源は、複数の光源群に分けられ、
前記複数の光源群は、前記第1画像領域に重なる第1光源群を含み、
前記制御方法は、
入射光の照度が照度しきい値未満の場合、単位フレーム期間において前記複数の光源群のそれぞれを時分割で順番に点灯するステップであって、前記第1光源群の点灯期間は第1期間である、ステップと、
前記照度が前記照度しきい値以上の場合、前記単位フレーム期間において、前記第1光源群を、前記第1期間より長い第2期間点灯するステップと、
を備える制御方法。
この態様によれば、入射光の照度が高い場合、第1画像領域の画像の視認性を向上できる。
【符号の説明】
【0096】
1…表示装置、G1…第1光源群、G2…第2光源群、G3…第3光源群、G4…第4光源群、G5…第5光源群、G6…第6光源群、R1…第1画像領域、R2…第2画像領域、R3…第3画像領域、R4…第4画像領域、R5…第5画像領域、R6…第6画像領域、10…表示部、12…表示パネル、14…バックライト、16…光源、20…液晶駆動回路、30…制御回路、32…バックライト駆動回路、34…画像検出部、36…判定部、38…点灯制御部、40…照度センサ。
図1
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図9