(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129230
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240919BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/12 321E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038293
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 俊希
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA07
3E142CA13
3E142EA19
3E142FA22
3E142JA02
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】設定情報の更新前において、更新後の反映結果を確認できるようにする。
【解決手段】情報処理装置40は、設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部(CPU11)と、売上データ処理装置(電子レジスタ10)における第1設定情報として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報を、所定の時点より前にサーバ装置20から取得可能な第1取得部(CPU41)と、第1取得部により第2設定情報を取得させるための第1のボタン(予約設定受信ボタン442b)を表示部44に表示させる表示制御部(CPU41)と、を備え、第1実行部は、所定の時点より前に第1のボタンが操作された場合に第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部と、
売上データ処理装置における第1設定情報として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報を、前記所定の時点より前にサーバ装置から取得可能な第1取得部と、
前記第1取得部により前記第2設定情報を取得させるための第1のボタンを表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記第1実行部は、前記所定の時点より前に前記第1のボタンが操作された場合に前記第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の時点より前に前記第1取得部により前記第2設定情報が取得された場合に、前記第2設定情報における設定内容に対応した動作に係るデータを外部装置に送信しないように制御する制御部を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1取得部により前記第2設定情報が取得された後に、前記第1取得部により前記第1設定情報を取得させるための第2のボタンを表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の時点より前において、前記第1取得部により取得された前記第2設定情報を設定可能な第1設定部を備え、
前記第1設定部により前記第2設定情報が設定されたことを通知する通知部を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記第1設定情報及び前記第2設定情報を有するサーバ装置と、
売上データ処理装置と、
を備え、
前記売上データ処理装置は、
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第2実行部と、
前記所定の時点後において、前記サーバ装置から前記第1設定情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記第1設定情報を設定する第2設定部と、を備え、
前記所定の時点より前は、前記第2取得部による前記第2設定情報の取得が禁止とされる情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記所定の時点において前記第2設定情報により前記第1設定情報を更新し、
前記第2取得部は、前記所定の時点後の前記売上データ処理装置の立ち上げ時、又は前記所定の時点後のユーザによる更新指示時に、前記サーバ装置から前記第1設定情報を取得する請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
情報処理装置のコンピュータを、
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部、
売上データ処理装置における第1設定情報として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報を、前記所定の時点より前にサーバ装置から取得可能な第1取得部、
前記第1取得部により前記第2設定情報を取得させるための第1のボタンを表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記第1実行部は、前記所定の時点より前に前記第1のボタンが操作された場合に前記第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバ装置に記憶された設定情報に基づいて、顧客が購入する商品の登録処理や精算処理を行う電子レジスタが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバ装置(管理サーバ)は、期間を区切って客の来店機会を増加させるプロモーション等の企画の設定情報を管理し、電子レジスタ(POS(Point Of Sales)端末)は、当該企画による特典付与内容を含むレシートを印字することが記載されている。
また、特許文献2には、サーバ装置(上位装置)は、商品マスタ、会員マスタなどの種々の情報を記憶しており、電子レジスタ(POS端末)は、当該種々の情報に基づいて顧客が購入する商品の登録処理や精算処理を行うことが記載されている。
【0004】
また、各種機能を実現させるためのレジアプリケーションプログラム(以下、レジアプリともいう。)を備える電子レジスタと、レジアプリ上で使用する設定情報を記憶するサーバ装置と、を備えるシステムが存在する。このシステムにおいて、商品の価格等を変更する場合、電子レジスタは、サーバ装置から商品の価格が変更された設定情報を取得し、当該設定情報をレジアプリに反映させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-040462号公報
【特許文献2】特開2020-177520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記システムにおいて、電子レジスタが備えるレジアプリに新しい設定情報(商品の価格が変更された設定情報等)を反映する前に、新しい設定情報によるレジアプリの反映結果を確認したいという要望があった。
【0007】
本発明の課題は、設定情報の更新前において、更新後の反映結果を確認できる情報処理装置、情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の情報処理装置は、
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部と、
売上データ処理装置における第1設定情報として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報を、前記所定の時点より前にサーバ装置から取得可能な第1取得部と、
前記第1取得部により前記第2設定情報を取得させるための第1のボタンを表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記第1実行部は、前記所定の時点より前に前記第1のボタンが操作された場合に前記第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。
【0009】
また、請求項5に記載の情報処理システムは、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記第1設定情報及び前記第2設定情報を有するサーバ装置と、
売上データ処理装置と、
を備え、
前記売上データ処理装置は、
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第2実行部と、
前記所定の時点後において、前記サーバ装置から前記第1設定情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記第1設定情報を設定する第2設定部と、を備え、
前記所定の時点より前は、前記第2取得部による前記第2設定情報の取得が禁止とされる。
【0010】
また、請求項7に記載のプログラムは、
情報処理装置のコンピュータを、
設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部、
売上データ処理装置における第1設定情報として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報を、前記所定の時点より前にサーバ装置から取得可能な第1取得部、
前記第1取得部により前記第2設定情報を取得させるための第1のボタンを表示部に表示させる表示制御部、
として機能させ、
前記第1実行部は、前記所定の時点より前に前記第1のボタンが操作された場合に前記第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設定情報の更新前において、更新後の反映結果を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態における情報処理システムのシステム構成図である。
【
図3】電子レジスタの内部の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】設定情報更新処理の流れを示すラダーチャートである。
【
図7A】設定情報更新処理の概要を説明するための図である。
【
図7B】設定情報更新処理の概要を説明するための図である。
【
図7C】設定情報更新処理の概要を説明するための図である。
【
図8】設定情報確認処理の流れを示すラダーチャートである。
【
図9A】設定情報確認処理の概要を説明するための図である。
【
図9B】設定情報確認処理の概要を説明するための図である。
【
図10】管理用アプリの設定メニュー画面を示す例である。
【
図11】管理用アプリの画面に通知を表示する例である。
【
図12】管理用アプリの画面に通知を表示する例である。
【
図13】管理用アプリの保守メニュー画面を示す例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係る情報処理装置及び情報処理システムについて説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0014】
[1.情報処理システムの構成]
図1に、本実施形態における情報処理システム100のシステム構成を示す。
情報処理システム100は、少なくとも1台の電子レジスタ10(売上データ処理装置)と、サーバ装置20と、情報処理装置40とを備える。
電子レジスタ10、サーバ装置20、及び情報処理装置40は、通信ネットワークNに接続されている。通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、移動体通信網、公衆回線、Wi-Fi(Wireless Fidelity)等を含むこととしてもよい。
通信ネットワークNには、端末装置30が接続されている。
【0015】
電子レジスタ10は、個人商店、スーパーマーケット、飲食店等の店舗に設置される。
電子レジスタ10は、各種機能を実現させるためのレジアプリを備え、当該レジアプリにおいて店員等のオペレータの操作により顧客に販売した商品の金額、個数等の売上データを登録する。
【0016】
サーバ装置20は、クラウド上のサーバであり、レジアプリ上で使用する設定情報を記憶し、管理する。
【0017】
情報処理装置40は、管理用のレジアプリを備え、電子レジスタ10のレジアプリに新しい設定情報を反映する前に、管理用のレジアプリにおいて当該新しい設定情報による反映結果を確認するための装置である。
【0018】
端末装置30は、サーバ装置20にレジアプリ上で使用する設定情報等を登録する装置である。
【0019】
[1-1.電子レジスタの構成]
次に、電子レジスタ10の構成について説明する。
図2は、電子レジスタ10の外観を示す斜視図である。
図3は、電子レジスタ10の内部の機能構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、電子レジスタ10は、タッチパネルである操作部12と、当該タッチパネルを表示画面上に設けた従業員用の表示部14Aと、主として顧客用の表示部14Bと、印刷部17と、を備える。
表示部14Aは、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどで構成され、店員用の商品の売上データ登録画面情報などの各種画面情報を表示可能な比較的表示画面が大きい表示部である。
表示部14Bは、LCD、ELディスプレイなどで構成され、表示画面を顧客側又は店員側に回転可能であり、主としてメニューの個別金額、合計金額などの顧客用の情報を表示する比較的表示画面が小さい表示部である。
【0021】
印刷部17は、ロール紙などの用紙に、レシートのデータ、電子ジャーナルのデータなどの印刷情報を印刷するサーマルプリンタなどの印刷部である。
【0022】
また、
図3に示すように、電子レジスタ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14A,14Bと、記憶部15と、通信部16と、印刷部17と、ドロア18とを備える。電子レジスタ10の各部は、バス19を介して接続されている。なお、
図2では、ドロア18の図示が省略されている。
【0023】
CPU11は、電子レジスタ10の各部を制御する。
CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムを記憶部15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0024】
操作部12は、表示部14Aの表示画面に設けられたタッチパネルであり、ユーザからのタッチ入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
操作部12は、例えば、抵抗膜式のタッチパネルとするが、これに限定されるものではなく、静電容量式、電磁誘導式など、他の方式としてもよい。
操作部12は、例えば各種ソフトキーへのタッチ入力を受け付ける。なお、操作部12は、ハードキーを有する構成としてもよい。
【0025】
RAM13は、揮発性のメモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
表示部14A,14Bは、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0026】
記憶部15は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、バッテリーバックアップされたRAM、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などで構成される。
記憶部15には、売上データ、各種設定情報等が記憶される。
【0027】
また、記憶部15は、電子レジスタ10に各種機能を実現させるためのレジアプリ151と、レジアプリ151上で使用する設定情報を記憶する設定情報領域152と、を備える。当該レジアプリ151上で使用する設定情報には、マスタ設定情報及びレジ設定情報が含まれる。当該レジアプリ151は、設定情報における設定内容に対応した動作内容を実行するアプリケーションプログラムである。
つまり、CPU11は、レジアプリ151との協働で設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。ここで、CPU11は、第2実行部として機能する。
【0028】
マスタ設定情報は、電子レジスタ10が設置されている全店舗における共通の情報である。具体的には、マスタ設定情報は、店舗共通商品情報、スタッフ情報、顧客情報等を含む。例えば、店舗共通商品情報では、商品の識別情報である商品コードに対して商品名、単価、税率、種別等が対応付けられている。また、スタッフ情報では、店舗スタッフの識別情報であるスタッフコードに対してスタッフに関する情報が対応付けられている。また、顧客情報では、顧客の識別情報である顧客コードに対して顧客に関する情報が対応付けられている。
レジ設定情報は、電子レジスタ10が設置されている店舗ごとの情報である。具体的には、レジ設定情報は、運用設定情報、店舗名、操作部12のキー配置設定情報等を含む。
【0029】
通信部16は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNを介してサーバ装置20等の各種機器に接続される。
【0030】
印刷部17は、CPU11の制御により、レシート、電子ジャーナルなどのデータを用紙に印刷する。
ドロア18は、金銭、商品券などを格納する引き出しであり、CPU11の制御により、引き出しを開放する開放機構を有する。
【0031】
なお、電子レジスタ10は、クレジットカードを読み出して電子決済を行うための電子決済部や、商品に付されたバーコードを読み取るレーザスキャナ、イメージスキャナなどのスキャナ部など、他の機能部を備える構成としてもよい。
【0032】
[1-2.サーバ装置の構成]
次に、サーバ装置20の構成について説明する。
図4は、サーバ装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すように、サーバ装置20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信部24と、を備える。サーバ装置20の各部は、バス25を介して接続されている。
【0034】
CPU21、RAM22は、電子レジスタ10のCPU11、RAM13と同様である。
CPU21は、サーバ装置20の各部を制御する。
【0035】
記憶部23は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0036】
記憶部23は、本設定情報領域231と、予約設定情報領域232と、データベース233と、を備える。
本設定情報領域231には、本設定情報(第1設定情報)としてのマスタ設定情報及びレジ設定情報が記憶される。
予約設定情報領域232は、予約設定情報(第2設定情報)としてのマスタ設定情報及びレジ設定情報が記憶される。
本設定情報は、所定の時点において、予約設定情報により更新される設定情報である。設定情報の更新処理については後述する。
データベース233は、電子レジスタ10において登録され、サーバ装置20に送信された売上データ等の取引データを含む。当該取引データは、通信ネットワークNを介して端末装置30から閲覧することが可能である。
【0037】
通信部24は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNを介して電子レジスタ10、端末装置30、情報処理装置40等の各種機器に接続される。
【0038】
[1-3.情報処理装置の構成]
次に、情報処理装置40の構成について説明する。
図5は、情報処理装置40の機能構成を示すブロック図である。
【0039】
図5に示すように、情報処理装置40は、CPU41と、操作部42と、RAM43と、表示部44と、記憶部45と、通信部46と、を備える。情報処理装置40の各部は、バス47を介して接続されている。
【0040】
CPU41、操作部42、RAM43、表示部44は、電子レジスタ10のCPU11、操作部12、RAM13、表示部14Aと同様である。
CPU41は、情報処理装置40の各部を制御する。
【0041】
記憶部45は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、HDD、SSDなどで構成される。
記憶部45は、管理用レジアプリ451と、設定情報領域452と、初期設定情報領域453と、を備える。
【0042】
管理用レジアプリ451は、電子レジスタ10に各種機能を実現させるためのレジアプリに管理用の機能を追加したレジアプリである。当該管理用レジアプリ451は、設定情報における設定内容に対応した動作内容を実行するアプリケーションプログラムである。
つまり、CPU41は、管理用レジアプリ451との協働で設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。ここで、CPU41は、第1実行部として機能する。
【0043】
設定情報領域452は、管理用レジアプリ451上で使用する設定情報を記憶する。当該管理用レジアプリ451上で使用する設定情報には、マスタ設定情報及びレジ設定情報が含まれる。
初期設定情報領域453は、管理用レジアプリ451上で使用する設定情報の初期設定情報を記憶する。
【0044】
通信部46は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNを介してサーバ装置20等の各種機器に接続される。
【0045】
[2.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システム100における動作について説明する。
まず、
図6、
図7A~7Cを参照して、電子レジスタ10のレジアプリ151上で使用する設定情報を更新する設定情報更新処理について説明する。
図7A~7Cに示す例においては、レジアプリ151上で使用する設定情報を「マスタ設定情報ver.111」から「マスタ設定情報ver.112」に更新し、「レジ設定情報ver.111」から「レジ設定情報ver.112」に更新する。
【0046】
(設定情報更新処理)
まず、端末装置30は、通信ネットワークNを介してサーバ装置20に予約タイミング情報を送信する。サーバ装置20のCPU21は、当該予約タイミング情報を受信して記憶する(ステップS1)。当該予約タイミング情報は、新しい設定情報である予約設定情報により、本設定情報を更新するタイミングを示す情報である。
次に、端末装置30は、通信ネットワークNを介してサーバ装置20に予約設定情報を送信する。サーバ装置20のCPU21は、当該予約設定情報を受信して記憶する(ステップS2)。
図7Aに示す例においては、当該予約設定情報は、新しい設定情報である「マスタ設定情報ver.112」及び「レジ設定情報ver.112」を含む。
【0047】
次に、サーバ装置20のCPU21は、ステップS1で記憶した予約タイミング情報が示すタイミング(所定の時点)において、ステップS2で記憶した予約設定情報により、本設定情報を更新する(ステップS3)。
図7Bに示す例においては、CPU21は、本設定情報の「マスタ設定情報ver.111」を「マスタ設定情報ver.112」に更新し、本設定情報の「レジ設定情報ver.111」を「レジ設定情報ver.112」に更新する。
【0048】
次に、電子レジスタ10のCPU11は、通信ネットワークNを介してサーバ装置20に本設定情報送信要求を送信する(ステップS4)。CPU11は、当該本設定情報送信要求を、電子レジスタ10の立ち上げ時に送信してもよいし、レジアプリ151の起動時点で送信してもよいし、所定時間ごとに送信してもよいし、ユーザにより操作部12から送信する指示(更新指示)がなされた際に送信してもよい。
【0049】
サーバ装置20のCPU21は、本設定情報送信要求を受信すると、通信ネットワークNを介して電子レジスタ10に、ステップS3で更新した本設定情報を送信する。
図7Bに示す例においては、CPU21は、電子レジスタ10に、本設定情報である「マスタ設定情報ver.112」及び「レジ設定情報ver.112」を送信する。電子レジスタ10のCPU11は、当該本設定情報を受信して記憶する(ステップS5)。
【0050】
次に、電子レジスタ10のCPU11は、ステップS5で受信した本設定情報によりレジアプリ151上で使用する設定情報を置き換えて、レジアプリ151に反映させ(ステップS6)、本処理を終了する。
図7Cに示す例においては、CPU11は、設定情報の「マスタ設定情報ver.111」を「マスタ設定情報ver.112」に置き換え、「レジ設定情報ver.111」を「レジ設定情報ver.112」に置き換える。
【0051】
以上のように、上記設定情報更新処理では、電子レジスタ10のレジアプリ151に新しい設定情報が反映される前に、当該反映結果を確認することができなかった。
そこで、情報処理装置40のCPU41は、電子レジスタ10のレジアプリ151に新しい設定情報が反映される前であり、サーバ装置20において予約設定情報により本設定情報が更新される前に、
図8、
図9A,9Bに示す設定情報確認処理を実行する。
つまり、情報処理装置40のCPU41は、上記設定情報更新処理のステップS2とステップS3の間のタイミングおいて、当該設定情報確認処理を実行する。
【0052】
(設定情報確認処理)
まず、情報処理装置40のCPU41は、
図10に示す管理用レジアプリ451のメニュー画面441を表示部44に表示する。メニュー画面441内の設定メニュー画面442には、予約設定受信ボタン442b(第1のボタン)が設けられている。つまり、CPU41は、第1取得部(後述)として予約設定情報(第2設定情報)を取得するための予約設定受信ボタン442b(第1のボタン)を表示部44に表示させる。ここで、CPU41は表示制御部として機能する。
そして、CPU41は、ユーザによる当該予約設定受信ボタン442bの押下操作を受け付けると、通信ネットワークNを介してサーバ装置20に予約設定情報送信要求を送信する(ステップA1)。
なお、メニュー画面441内の設定メニュー画面442には、
図10に示すように設定受信ボタン442aも設けられている。CPU41は、ユーザによる当該設定受信ボタン442aの押下操作を受け付けた場合、通信ネットワークNを介してサーバ装置20に本設定情報送信要求を送信する。
【0053】
サーバ装置20のCPU21は、予約設定情報送信要求を受信すると、通信ネットワークNを介して情報処理装置40に予約設定情報を送信する。
図9Aに示す例においては、CPU21は、情報処理装置40に、予約設定情報である「マスタ設定情報ver.112」及び「レジ設定情報ver.112」を送信する。情報処理装置40のCPU41は、当該予約設定情報を受信して記憶する(ステップA2)。
つまり、情報処理装置40のCPU41は、電子レジスタ10(売上データ処理装置)における本設定情報(第1設定情報)として所定の時点後において置き換えられる予約設定情報(第2設定情報)を、所定の時点より前にサーバ装置20から取得する。ここで、CPU41は第1取得部として機能する。
【0054】
次に、情報処理装置40のCPU41は、ステップA2で受信した予約設定情報により管理用レジアプリ451上で使用する設定情報を置き換えて、管理用レジアプリ451に反映させる(ステップA3)。
図9Bに示す例においては、CPU41は、設定情報の「マスタ設定情報ver.XXX」を「マスタ設定情報ver.112」に置き換え、「レジ設定情報ver.XXX」を「レジ設定情報ver.112」に置き換える。「ver.XXX」は、所定のバージョンである。
つまり、情報処理装置40のCPU41は、所定の時点より前において、第1取得部として取得した予約設定情報(第2設定情報)を設定する。ここで、CPU41は第1設定部として機能する。
【0055】
そして、情報処理装置40のCPU41は、ステップA3で置き換えた設定情報が反映された管理用レジアプリ451のメニュー画面441を表示部44に表示し(ステップA4)、本処理を終了する。
つまり、第1実行部としてのCPU41は、所定の時点より前に予約設定受信ボタン442b(第1のボタン)が操作された場合に第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。
ステップA4において、CPU41は、当該メニュー画面441において、予約設定情報が反映されている旨を示すメッセージ442c(
図11参照)を表示する。
つまり、情報処理装置40のCPU41は、第1設定部として予約設定情報(第2設定情報)を設定したことを通知する。ここで、CPU41は通知部として機能する。
情報処理装置40を操作するユーザは、表示部44に表示される管理用レジアプリ451の画面において、予約設定情報が正しく反映されているかを確認する。
【0056】
この場合、予約タイミング情報が示すタイミングは、情報処理装置40のCPU41が上記設定情報確認処理を実行し、ユーザが予約設定情報による反映結果を確認するタイミング後に設定されている。
ユーザにより予約設定情報による反映結果が確認された後、上記設定情報更新処理のステップS3以降が実行される。
つまり、設定情報更新処理ステップS5において、電子レジスタ10のCPU11は、予約タイミング情報が示すタイミング(所定の時点)後において、サーバ装置20から本設定情報(第1設定情報)を取得する。ここで、CPU11は第2取得部として機能する。
そして、設定情報更新処理ステップS6において、電子レジスタ10のCPU11は、第2取得部として取得した本設定情報(第1設定情報)を設定する。ここで、CPU11は第2設定部として機能する。
【0057】
以上のように、電子レジスタ10のCPU11は、予約タイミング情報が示すタイミングの前においては、「マスタ設定情報ver.112」及び「レジ設定情報ver.112」を取得することができない。
つまり、電子レジスタ10では、所定の時点より前は、第2取得部による第2設定情報の取得が禁止とされる。
【0058】
なお、情報処理装置40を操作するユーザは、予約設定情報による反映結果を確認した後に、管理用レジアプリ451上で使用する設定情報を本設定情報に戻す操作を行ってもよい。
この場合、情報処理装置40のCPU41は、設定メニュー画面442に
図10に示す設定受信ボタン442aを表示する。
つまり、表示制御部としてのCPU41は、第1取得部として予約設定情報(第2設定情報)を取得した後に、第1取得部として本設定情報(第1設定情報)を取得するための設定受信ボタン442a(第2のボタン)を表示部44に表示させる。
【0059】
(取引データ送信無効制御処理)
次に、情報処理装置40のCPU41による取引データの送信を無効とする制御処理について説明する。
CPU41は、予約設定情報が反映された管理用レジアプリ451のメニュー画面441内の登録メニュー画面443(
図12参照)において、ユーザによる入力操作を受け付ける。そして、CPU41は、当該入力操作に基づいて売上データ等の取引データを生成することが可能である。当該取引データは、予約設定情報が反映された管理用レジアプリ451における動作確認等のためのテスト取引データである。
この場合、CPU41は、操作部42を介してユーザにより、テスト取引データをサーバ装置20に送信する指示操作が成されたとしても、テスト取引データの送信を無効とする。
つまり、情報処理装置40のCPU41は、所定の時点より前に第1取得部として予約設定情報(第2設定情報)を取得した場合に、第2設定情報における設定内容に対応した動作に係るデータを外部装置に送信しないように制御する。ここで、CPU41は制御部として機能する。
【0060】
そして、この場合、CPU41は、
図12に示すように、管理用レジアプリ451のメニュー画面441に、予約設定情報が反映されているため取引データは送信できない旨を示すメッセージ443aを表示してもよい。
これにより、サーバ装置20が備えるデータベース233内に、電子レジスタ10から送信される取引データと、情報処理装置40から送信されるテスト取引データとが混在することを防ぐことができる。
【0061】
(設定情報初期化処理)
次に、情報処理装置40のCPU41による設定情報初期化処理について説明する。
CPU41は、管理用レジアプリ451のメニュー画面441内の保守メニュー画面444(
図13参照)に設けられたアプリ初期化ボタン444aのユーザによる押下操作を受け付けると、設定情報初期化処理を実行する。
設定情報初期化処理において、CPU41は、初期設定情報領域453に記憶された初期設定情報により管理用レジアプリ451上で使用する設定情報を置き換えて、管理用レジアプリ451に反映させる。
【0062】
[3.効果]
以上、本実施形態の情報処理装置40は、設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第1実行部(CPU41)と、売上データ処理装置(電子レジスタ10)における第1設定情報(本設定情報)として所定の時点後において置き換えられる第2設定情報(予約設定情報)を、所定の時点より前にサーバ装置20から取得可能な第1取得部(CPU41)と、第1取得部により第2設定情報を取得させるための第1のボタン(予約設定受信ボタン442b)を表示部44に表示させる表示制御部(CPU41)と、を備え、第1実行部は、所定の時点より前に第1のボタンが操作された場合に第2設定情報における設定内容に対応した動作を実行する。
これにより、電子レジスタのレジアプリ上で使用する設定情報の更新前において、新しい設定情報を管理用レジアプリに反映させることができる。したがって、電子レジスタのレジアプリ上で使用する設定情報の更新前において、更新後の反映結果を確認できる。
【0063】
また、本実施形態の情報処理装置40は、所定の時点より前に第1取得部(CPU41)により第2設定情報が取得された場合に、第2設定情報における設定内容に対応した動作に係るデータを外部装置に送信しないように制御する制御部(CPU41)を備える。
これにより、予約設定情報が反映された管理用レジアプリ451における動作確認等のためのテスト取引データが外部装置に送信されるのを防ぐことができる。
【0064】
また、本実施形態の情報処理装置40において、表示制御部(CPU41)は、第1取得部(CPU41)により第2設定情報が取得された後に、第1取得部により第1設定情報を取得させるための第2のボタン(設定受信ボタン442a)を表示部44に表示させる。
これにより、管理用レジアプリ451において新しい設定情報の反映結果を確認後に、管理用レジアプリ451の設定情報を元に戻すことができる。
【0065】
また、本実施形態の情報処理装置40は、所定の時点より前において、第1取得部により取得された第2設定情報を設定可能な第1設定部(CPU41)を備え、第1設定部(CPU41)により第2設定情報が設定されたことを通知する通知部(CPU41)を備える。
これにより、情報処理装置40を操作するユーザは、管理用レジアプリ451に予約設定情報が反映されていることを容易に把握できる。
【0066】
また、本実施形態の情報処理システム100は、情報処理装置40と、第1設定情報及び第2設定情報を有するサーバ装置20と、売上データ処理装置(電子レジスタ10)と、を備え、売上データ処理装置は、設定情報における設定内容に対応した動作を実行する第2実行部(CPU11)と、所定の時点後において、サーバ装置20から第1設定情報を取得する第2取得部(CPU11)と、第2取得部により取得された第1設定情報を設定する第2設定部(CPU11)と、を備え、所定の時点より前は、第2取得部による第2設定情報の取得が禁止とされる。
これにより、電子レジスタのレジアプリに新しい設定情報を反映する前に、新しい設定情報を管理用レジアプリに反映させることができる。したがって、電子レジスタのレジアプリ上で使用する設定情報の更新前において、更新後の反映結果を確認できる。そして、更新後の反映結果を確認後に、電子レジスタのレジアプリに新しい設定情報を反映することができる。
【0067】
また、本実施形態の情報処理システム100において、サーバ装置20は、所定の時点において第2設定情報により第1設定情報を更新し、第2取得部(CPU11)は、所定の時点後の売上データ処理装置(電子レジスタ10)の立ち上げ時、又は所定の時点後のユーザによる更新指示時に、サーバ装置20から第1設定情報を取得する。
これにより、サーバ装置20である一つのサーバ装置内において、第1設定情報及び第2設定情報を保持し、第2設定情報により第1設定情報を更新できる。また、電子レジスタのレジアプリに新しい設定情報を反映することができる。
【0068】
上記各実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置及び情報処理システムの例であり、これに限定されるものではない。各装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0069】
例えば、情報処理装置40のCPU41は、予約設定情報を反映後の管理用レジアプリ451の画面において、予約設定情報の反映前後における差異を識別可能に表示してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、電子レジスタ10が備えるレジアプリ151には本設定情報のみを反映するとしたがこれに限らない。電子レジスタ10が予約設定情報を受信し、レジアプリ151に当該予約設定情報を反映可能であってもよい。この場合、電子レジスタ10を操作するユーザは、予約設定情報による反映結果を確認した後に、レジアプリ151上で使用する設定情報を本設定情報に戻す操作を行う。
【0071】
また、各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体としては、ROMや不揮発性メモリの他、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0072】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0073】
100 情報処理システム
10 電子レジスタ
11 CPU(第2実行部、第2取得部、第2設定部)
12 操作部
13 RAM
14A,14B 表示部
15 記憶部
151 レジアプリ
152 設定情報領域
16 通信部
17 印刷部
18 ドロア
19 バス
20 サーバ装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
231 本設定情報領域
232 予約設定情報領域
233 データベース
24 通信部
25 バス
30 端末装置
40 情報処理装置
41 CPU(第1実行部、第1取得部、第1設定部、制御部、通知部)
42 操作部
43 RAM
44 表示部
45 記憶部
451 管理用レジアプリ
452 設定情報領域
453 初期設定情報領域
46 通信部
47 バス
N 通信ネットワーク