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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129232
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
H02M1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038296
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬
(72)【発明者】
【氏名】町田 尊
(72)【発明者】
【氏名】小林 孝次
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740BA11
5H740BB09
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK04
(57)【要約】
【課題】スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を的確且つ効果的に改善することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置1は、電力変換用のスイッチング素子SWと、このスイッチング素子SWのゲート31への電圧供給により、当該スイッチング素子SWをスイッチングする制御装置Contを備える。制御装置ContのゲートドライバGD1のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31間に接続された定電流回路CCを備える。スイッチング素子SWの入力電圧Vin等のパラメータに基づき、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinの値を切り換える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換用のスイッチング素子と、該スイッチング素子の制御電極への電圧供給により、当該スイッチング素子をスイッチングする制御装置を備えた電力変換装置において、
前記制御装置のターンオフ出力端子と前記スイッチング素子の制御電極間に接続された定電流回路を備え、
前記スイッチング素子の制御電極の電圧である入力電圧、前記スイッチング素子の出力電流、及び、前記スイッチング素子の出力電圧のうちから選択されるパラメータに基づき、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の制御電極の電流である入力電流の値を切り換えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の入力電圧が所定値に低下するまでは、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以下となった場合、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子のターンオフの開始後、前記スイッチング素子の入力電圧は低下していくと共に、
前記所定値は、前記スイッチング素子の出力電圧が電源電圧に到達するタイミングにおける前記入力電圧の値P1より高く、前記入力電圧の低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該入力電圧の値P2の手前に所定の余裕度αを考慮した値P2+α以下の範囲で設定されることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記所定値は、前記入力電圧の値P2に設定されることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電流が所定値に低下するまでは、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以下となった場合、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記スイッチング素子のターンオフの開始後、前記スイッチング素子の出力電流は低下していくと共に、
前記所定値は、前記スイッチング素子の出力電圧が電源電圧に到達するタイミングにおける前記出力電流の値P3より高く、前記出力電流の低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電流の値P4の手前に所定の余裕度βを考慮した値P4+β以下の範囲で設定されることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記所定値は、前記出力電流の値P4に設定されることを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電圧が所定値に上昇するまでは、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以上となった場合、前記定電流回路により、前記スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記スイッチング素子のターンオフの開始後、前記スイッチング素子の出力電圧は上昇していくと共に、
前記所定値は、電源電圧より低く、前記スイッチング素子の出力電圧の上昇度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電圧の値P5の手前に所定の余裕度γを考慮した値P5-γ以上の範囲で設定されることを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記所定値は、前記スイッチング素子の出力電圧の値P5に設定されることを特徴とする請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記ターンオフ出力端子を有するゲートドライバと、該ゲートドライバに制御信号を出力する演算器を備え、該演算器が前記定電流回路を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記制御装置は、前記ターンオフ出力端子を有するゲートドライバと、該ゲートドライバに制御信号を出力する演算器と、前記定電流回路を制御する入力電流調整信号切換部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記定電流回路は、前記制御装置のターンオフ出力端子と前記スイッチング素子の制御電極間に接続されて当該スイッチング素子の入力電流を調整するための半導体スイッチと、該半導体スイッチの制御電極に接続されたオペアンプから構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記定電流回路と第1の逆流防止ダイオードから成る第1の直列回路と、
ターンオン用抵抗及び第2の逆流防止ダイオードから成る第2の直列回路を備え、
前記第1の直列回路と前記第2の直列回路の並列回路が、前記制御装置のターンオフ出力端子と前記スイッチング素子の制御電極間に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子をスイッチングして電力を変換する電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータやコンバータ等の電力変換装置は、IGBTやMOSFET等の自己消弧型のスイッチング素子をスイッチング(オン/オフ)することで電極を変換している。この場合、スイッチング素子のスイッチングは当該スイッチング素子の制御電極に供給する電圧を制御装置(ゲートドライバ)により制御することで行われる。以下に、インバータとコンバータの回路例を示しながら、従来のスイッチング素子の制御について説明する。
【0003】
図1は電力変換装置の一例としてのインバータIVの電気回路の一例を示している。インバータ装置IVは、三相のインバータ回路2と、制御装置3を備えている。インバータ回路2は、直流電源4の直流電圧を三相交流電圧に変換してモータ6に印加する回路である。このインバータ回路2は、U相ハーフブリッジ回路7U、V相ハーフブリッジ回路7V、W相ハーフブリッジ回路7Wを有しており、各相のハーフブリッジ回路7U~7Wは、それぞれ上アームスイッチング素子8A~8Cと、下アームスイッチング素子8D~8Fを個別に有している。更に、各スイッチング素子8A~8Fには、それぞれフライホイールダイオード9が逆並列に接続されている。
【0004】
尚、各上下アームスイッチング素子8A~8Fは、この例ではIGBT(MOS構造をゲート部に組み込んだ絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)から構成されている。
【0005】
そして、インバータ回路2の上アームスイッチング素子8A~8Cのコレクタは、直流電源4及び平滑コンデンサ11の上アーム電源ライン12に接続されている。一方、インバータ回路2の下アームスイッチング素子8D~8Fのエミッタは、直流電源4及び平滑コンデンサ11の下アーム電源ライン13に接続され、平滑コンデンサ11で平滑された電源電圧Vdc(直流リンク電圧)がインバータ回路2に印加される構成とされている。
【0006】
この場合、U相ハーフブリッジ回路7Uの上アームスイッチング素子8Aと下アームスイッチング素子8Dが直列に接続され、上アームスイッチング素子8Aのエミッタに下アームスイッチング素子8Dのコレクタが接続されている。また、V相ハーフブリッジ回路7Vの上アームスイッチング素子8Bと下アームスイッチング素子8Eが直列に接続され、上アームスイッチング素子8Bのエミッタと下アームスイッチング素子8Eのコレクタが接続されている。更に、W相ハーフブリッジ回路7Wの上アームスイッチング素子8Cと下アームスイッチング素子8Fが直列に接続され、上アームスイッチング素子8Cのエミッタと下アームスイッチング素子8Fのコレクタが接続されている。
【0007】
そして、U相ハーフブリッジ回路7Uの上アームスイッチング素子8Aと下アームスイッチング素子8Dの接続点が、モータ6のU相の電機子コイルに接続され、V相ハーフブリッジ回路7Vの上アームスイッチング素子8Bと下アームスイッチング素子8Eの接続点は、モータ6のV相の電機子コイルに接続され、W相ハーフブリッジ回路7Wの上アームスイッチング素子8Cと下アームスイッチング素子8Fの接続点は、モータ6のW相の電機子コイルに接続されている。
【0008】
制御装置3はプロセッサを有するマイクロコンピュータから構成されており、外部から回転数指令値を入力し、モータ6から相電流(モータ電流)を入力して、これらに基づき、インバータ回路2の各上下アームスイッチング素子8A~8Fのオン/オフ状態(スイッチング)を制御する。具体的には、各上下アームスイッチング素子8A~8Fのゲート(本出願における制御電極)に印加する入力電圧(この例ではゲート電圧)を制御する。
【0009】
インバータIVの一般的な制御装置3は、相電圧指令演算部16と、PWM信号生成部17と、ゲートドライバ18等を有しており、相電圧指令演算部16が生成する相電圧指令値をPWM新語凹生成部17がPWM信号に変換し、このPWM信号に基づいてゲートドライバ18がスイッチング素子8A~8Fのゲートにターンオン出力とターンオフ出力を出力することにより、スイッチング素子8A~8Fをオン/オフしてモータ6に三相交流電圧を印加するものである。
【0010】
次に、図2は電力変換装置の他の例としてのコンバータCVの電気回路の一例を示している。この例のコンバータCVは直流電源(DC12V等の電源電圧Vdc。図示せず)をスイッチングして所定の直流電圧を生成するDC-DCコンバータである。
【0011】
コンバータCVは、一次巻線21と、この一次巻線21とは絶縁された二次巻線22から成る絶縁トランス(カップリングトランス)にて構成されたスイッチングトランス23と、一次巻線21に接続されたスイッチング素子24と、制御装置26を有している。
【0012】
尚、スイッチング素子24は、この例ではMOSFETから構成されている。制御装置26もプロセッサを有するマイクロコンピュータから構成されており、スイッチング素子24のオン/オフ状態(スイッチング)を制御する。具体的には、スイッチング素子24のゲート(本出願における制御電極)に印加する入力電圧(この例でもゲート電圧)を制御する。
【0013】
この場合、コンバータCVの制御装置26はゲートドライバ27等を有しており、このゲートドライバ27がスイッチング素子24のゲートにターンオン出力とターンオフ出力を出力することにより、スイッチング素子24をオン/オフして、スイッチングトランス23の巻数比に応じて直流電圧(例えば、DC15VやDC5V)を出力するものである。
【0014】
次に、図3図7を参照しながら上述したスイッチング素子8A~8Fやスイッチング素子24のターンオフ時の動作について詳しく説明する。尚、図3においてスイッチング素子SWは、前述した図1では上下アームスイッチング素子8A~8F(IGBT)、図2ではスイッチング素子24(MOSFET)を意味する。また、制御装置Contは、図1では制御装置3、図2では制御装置26を意味し、この制御装置Contも図1のゲートドライバ18や図2のゲートドライバ27と同様のゲートドライバGDを有しているものとする。
【0015】
また、スイッチング素子SWにおいて、31は本出願における制御電極としてのゲート(電極)であり、電極32はスイッチング素子SWがIGBT(図1の上下アームスイッチング8A~8F)の場合にはコレクタ、電極33はエミッタである。また、図2のスイッチング素子SWがMOSFET(図2のスイッチング素子24)の場合には、電極32はドレイン、電極33はソースとなる。
【0016】
ここで、本出願においてはスイッチング素子SWの各部の電圧、電流を図4の如く定義する。即ち、スイッチング素子SWの電極32と電極33間の電圧(図1のスイッチング素子8A~8FのようなIGBTの場合はコレクタ-エミッタ間電圧、図2のスイッチング素子24のようなMOSFETの場合はドレイン-ソース間電圧)を出力電圧Vout、スイッチング素子SWの電極32に流れる電流(同じく図1のIGBTの場合はコレクタ電流、図2のMOSFETの場合はドレイン電流)を出力電流Iout、スイッチング素子SWのゲート31と電極33間の電圧(同じく図1のIGBTの場合はゲート-エミッタ間電圧、図2のMOSFETの場合はゲート-ソース間電圧)を入力電圧Vin、スイッチング素子SWのゲート31に流れる電流(ゲート電流)を入力電流Iinとする。上記入力電圧Vinはゲート31(制御電極)の電圧(ゲート電圧)である。
【0017】
そして、係るスイッチング素子SWのゲート31は、従来では図3に示すような固定抵抗100(入力抵抗)を介して制御装置Cont(ゲートドライバGD)のターンオフ出力端子36に接続されている。即ち、制御装置Contとスイッチング素子SWのゲート31の間に固定抵抗100が接続される。尚、図3の例ではゲートドライバGDは制御装置Contの内部で接地されたスイッチGDSW1を有している。また、図3の制御装置Contにはターンオフ出力端子36とは別個にターンオン出力端子(図示せず)が設けられ、スイッチング素子SWのゲート31に接続されているものとする。このターンオン出力端子は、後述するように制御装置Contの内部で直流電源に接続されたスイッチから構成される。
【0018】
このような構成で、スイッチング素子SWをターンオフ(オンの状態からオフ)する場合には、制御装置ContのゲートドライバGDのスイッチGDSW1が閉じ、ターンオフ出力端子36の出力が接地されて「L」(Low)になる。図5はスイッチング素子SWの出力電圧Voutの変化を示している。スイッチング素子SWがターンオフされるとき、急峻なオフによって出力電圧Voutは図5中破線枠X1で示す如く大きく変動し(サージ電圧)、このときの急峻な上昇によってスイッチングノイズが発生する。
【0019】
このノイズの解決策としては、固定抵抗100として抵抗値が大きいものを接続し、スイッチング素子SWのゲート31部分の浮遊容量の充放電電流(入力電流Iin)を小さくすることで、緩やかにオフさせる方法があるが、緩やかにし過ぎると、今度はスイッチング損失が大きくなる。この様子を図6に示す。図6は時刻t1で制御装置Contのターンオフ出力端子36の出力が「L」になった場合である。図6でX2はスイッチング損失、X3は導通損失である。スイッチング損失X2は出力電圧Vout×出力電流Ioutであるため、オンからオフに切り替わる時間が長くなると、スイッチング損失X2が大きくなる(ターンオン時も同様)。
【0020】
図7は、異なる抵抗値の固定抵抗100を取り替えて接続した場合のスイッチングノイズとスイッチング損失の変化を示している。抵抗値が大きい固定抵抗100を使用する程、スイッチング損失が大きくなり、抵抗値が小さい固定抵抗100を使用する程、スイッチングノイズが大きくなる。即ち、スイッチングノイズとスイッチング損失はトレードオフの関係にある。
【0021】
そこで、負荷電流の大小や、スイッチング周波数の大小、素子の温度の高低、或いは、時間に応じてスイッチング素子SWのゲート31と制御装置Contのターンオフ出力端子36間の抵抗の抵抗値を切り換える方策が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2002-199700号公報
【特許文献2】特開2010-206889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、係る従来の方策では抵抗の抵抗値を的確に切り換えてスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を的確且つ効果的に改善することは困難であった。
【0024】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を的確且つ効果的に改善することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の電力変換装置は、電力変換用のスイッチング素子と、このスイッチング素子の制御電極への電圧供給により、当該スイッチング素子をスイッチングする制御装置を備えたものであって、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に接続された定電流回路を備え、スイッチング素子の制御電極の電圧である入力電圧、スイッチング素子の出力電流、及び、スイッチング素子の出力電圧のうちから選択されるパラメータに基づき、定電流回路により、スイッチング素子の制御電極の電流である入力電流の値を切り換えることを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明の電力変換装置は、上記発明においてスイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の入力電圧が所定値に低下するまでは、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以下となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明の電力変換装置は、上記発明においてスイッチング素子のターンオフの開始後、スイッチング素子の入力電圧は低下していくと共に、前記所定値は、スイッチング素子の出力電圧が電源電圧に到達するタイミングにおける入力電圧の値P1より高く、入力電圧の低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該入力電圧の値P2の手前に所定の余裕度αを考慮した値P2+α以下の範囲で設定されることを特徴とする。
【0028】
請求項4の発明の電力変換装置は、上記発明において前記所定値は、入力電圧の値P2に設定されることを特徴とする。
【0029】
請求項5の発明の電力変換装置は、請求項1の発明においてスイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電流が所定値に低下するまでは、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以下となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明の電力変換装置は、上記発明においてスイッチング素子のターンオフの開始後、スイッチング素子の出力電流は低下していくと共に、前記所定値は、スイッチング素子の出力電圧が電源電圧に到達するタイミングにおける出力電流の値P3より高く、出力電流の低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電流の値P4の手前に所定の余裕度βを考慮した値P4+β以下の範囲で設定されることを特徴とする。
【0031】
請求項7の発明の電力変換装置は、上記発明において前記所定値は、出力電流の値P4に設定されることを特徴とする。
【0032】
請求項8の発明の電力変換装置は、請求項1の発明においてスイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電圧が所定値に上昇するまでは、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の大きい値とし、前記所定値以上となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流を所定の小さい値に切り換えることを特徴とする。
【0033】
請求項9の発明の電力変換装置は、上記発明においてスイッチング素子のターンオフの開始後、スイッチング素子の出力電圧は上昇していくと共に、前記所定値は、電源電圧より低く、スイッチング素子の出力電圧の上昇度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電圧の値P5の手前に所定の余裕度γを考慮した値P5-γ以上の範囲で設定されることを特徴とする。
【0034】
請求項10の発明の電力変換装置は、上記発明において前記所定値は、スイッチング素子の出力電圧の値P5に設定されることを特徴とする。
【0035】
請求項11の発明の電力変換装置は、上記各発明において制御装置は、ターンオフ出力端子を有するゲートドライバと、このゲートドライバに制御信号を出力する演算器を備え、この演算器が定電流回路を制御することを特徴とする。
【0036】
請求項12の発明の電力変換装置は、請求項1乃至請求項10の発明において制御装置は、ターンオフ出力端子を有するゲートドライバと、このゲートドライバに制御信号を出力する演算器と、定電流回路を制御する入力電流調整信号切換部を備えたことを特徴とする。
【0037】
請求項13の発明の電力変換装置は、請求項1乃至請求項10の発明において定電流回路は、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に接続されて当該スイッチング素子の入力電流を調整するための半導体スイッチと、この半導体スイッチの制御電極に接続されたオペアンプから構成されていることを特徴とする。
【0038】
請求項14の発明の電力変換装置は、請求項1乃至請求項10の発明において定電流回路と第1の逆流防止ダイオードから成る第1の直列回路と、ターンオン用抵抗及び第2の逆流防止ダイオードから成る第2の直列回路を備え、第1の直列回路と第2の直列回路の並列回路が、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
ここで、図8図3の場合(固定抵抗100の場合)のスイッチング素子SWのターンオフ開始後の出力電圧Vout、出力電流Iout、入力電圧Vinの変化を示している。尚、図中Vthはスイッチング素子SWのターンオフ閾値電圧である。
【0040】
図8の時刻t1で制御装置ContのゲートドライバGDのスイッチGDSW1が閉じ、ターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」になると(ターンオフ開始)、時刻t1から時刻t2までは入力電圧Vinが比較的早く低下するが、出力電流Ioutと出力電圧Voutは殆ど変化がない。
【0041】
時刻t2以後の期間(1)では、入力電圧Vinの低下度合いが緩慢となるが、出力電流Ioutは徐々に低下し始め、出力電圧Voutは0から徐々に上昇し始める。従って、ここからスイッチング損失(出力電圧Vout×出力電流Iout)が発生し始める。その後、時刻t3になると出力電圧Voutは急激に上昇し、出力電流Ioutと入力電圧Vinは急激に低下するようになる。
【0042】
このタイミング(時刻t3)の入力電圧Vinの値をP2(入力電圧Vinの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける入力電圧Vinの値)、出力電流Ioutの値をP4(出力電流Ioutの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける出力電流Ioutの値)、出力電圧Voutの値をP5(出力電圧Voutの上昇度合いが急峻となる方向に変換するタイミングにおける出力電圧Voutの値)とする。
【0043】
この時刻t3以後の期間(2)における出力電流Ioutの変化が急峻になる程、スイッチングノイズが発生する。その後、出力電圧Voutは電源電圧Vdcを超える。このタイミングの入力電圧Vinの値をP1とし、出力電流Ioutの値をP3とする。そして、時刻t4でスイッチング素子SWのターンオフ閾値電圧Vthまで入力電圧Vinが低下すると、スイッチング素子SWがターンオフ完了となる。尚、出力電圧Voutは一旦電源電圧Vdcを超えて時刻t4でピークとなった後、電源電圧Vdcまで低下する(図8)。
【0044】
上記のようにスイッチング素子SWのターンオフ開始後、各電圧・電流が変化するので、図8の期間(1)が長い程、スイッチング損失が大きくなる。一方、期間(1)では出力電圧Vout及び出力電流Ioutの変化は緩慢であるので、期間(1)の長短によるスイッチングノイズへの影響はない。また、期間(2)では出力電流Ioutが急激に変化するため、期間(2)が短いほど、出力電流Ioutの低下度合いが急峻となり、スイッチングノイズが増加してしまう。
【0045】
他方、上記期間(1)と期間(2)で、スイッチング素子SWの入力電圧Vin及び出力電流Ioutの低下度合いと、出力電圧Voutの上昇度合いが大きく変化するので、上記入力電圧Vinの値P2や出力電流Ioutの値P4、出力電圧Voutの値P5に基づいて期間(1)と期間(2)をすみ分けることが可能である。
【0046】
そこで、本発明では電力変換用のスイッチング素子と、このスイッチング素子の制御電極への電圧供給により、当該スイッチング素子をスイッチングする制御装置を備えた電力変換装置において、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に定電流回路を接続し、スイッチング素子の制御電極の電圧である入力電圧Vin、スイッチング素子の出力電流Iout、及び、スイッチング素子の出力電圧Voutのうちから選択されるパラメータに基づき、定電流回路により、スイッチング素子の制御電極の電流である入力電流Iinの値を切り換える。
【0047】
例えば、請求項2の発明の如く、スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の入力電圧Vinが所定値Vin1に低下するまでは定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の大きい値とし、所定値Vin1以下となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の小さい値に切り換える。
【0048】
そして、請求項3の発明の如く前記所定値Vin1を、スイッチング素子の出力電圧Voutが電源電圧に到達するタイミングにおける入力電圧Vinの値P1より高く、スイッチング素子の入力電圧Vinの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該入力電圧Vinの値P2の手前に所定の余裕度αを考慮した値P2+α以下の範囲で設定する。より好ましくは、請求項4の発明の如く前記所定値Vin1を、スイッチング素子の入力電圧Vinの値P2に設定する。
【0049】
このようにすれば、図8の期間(1)では前述したスイッチング素子の入力電流Iinが大きくなって期間(1)が短くなり(早く入力電圧Vinが所定値Vin1まで低下する)、それによりスイッチング損失(=Vout×Iout)が小さくなる。一方、期間(2)では入力電流Iinが小さくなって期間(2)が長くなり、出力電圧Voutと出力電流Ioutの急峻な変化が抑制されて、スイッチングノイズが小さくなる。
【0050】
これにより、スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。また、期間(1)と期間(2)を全体として短くすることも可能となるので、スイッチング素子のターンオフ遅延時間も改善することが可能となる。
【0051】
また、例えば、請求項5の発明の如く、スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電流Ioutが所定値Iout1に低下するまでは定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の大きい値とし、所定値Iout1以下となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の小さい値に切り換える。
【0052】
そして、請求項6の発明の如く前記所定値Iout1を、スイッチング素子の出力電圧Voutが電源電圧に到達するタイミングにおける出力電流Ioutの値P3より高く、スイッチング素子の出力電流Ioutの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電流Ioutの値P4の手前に所定の余裕度βを考慮した値P4+β以下の範囲で設定する。より好ましくは、請求項7の発明の如く前記所定値Iout1を、スイッチング素子の出力電流Ioutの値P4に設定する。
【0053】
このようにしても、図8の期間(1)では前述したスイッチング素子の入力電流Iinが大きくなって期間(1)が短くなり(早く入力電圧Vinが所定値Vin1まで低下する)、それによりスイッチング損失(=Vout×Iout)が小さくなる。一方、期間(2)では入力電流Iinが小さくなって期間(2)が長くなり、出力電圧Voutと出力電流Ioutの急峻な変化が抑制されて、スイッチングノイズが小さくなる。
【0054】
これにより、スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。また、期間(1)と期間(2)を全体として短くすることも可能となるので、スイッチング素子のターンオフ遅延時間も改善することが可能となる。
【0055】
更に、例えば、請求項8の発明の如く、スイッチング素子のターンオフから当該スイッチング素子の出力電圧Voutが所定値Vout1に上昇するまでは定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の大きい値とし、所定値Vout1以上となった場合、定電流回路により、スイッチング素子の入力電流Iinを所定の小さい値に切り換える。
【0056】
そして、請求項9の発明の如く前記所定値Vout1を、電源電圧より低く、スイッチング素子の出力電圧Voutの上昇度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電圧Voutの値P5の手前に所定の余裕度γを考慮した値P5-γ以上の範囲で設定する。より好ましくは、請求項10の発明の如く前記所定値Vout1を、スイッチング素子の出力電圧Voutの値P5に設定する。
【0057】
このようにしても、図8の期間(1)では前述したスイッチング素子の入力電流Iinが大きくなって期間(1)が短くなり(早く入力電圧Vinが所定値Vin1まで低下する)、それによりスイッチング損失(=Vout×Iout)が小さくなる。一方、期間(2)では入力電流Iinが小さくなって期間(2)が長くなり、出力電圧Voutと出力電流Ioutの急峻な変化が抑制されて、スイッチングノイズが小さくなる。
【0058】
これにより、スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。また、期間(1)と期間(2)を全体として短くすることも可能となるので、スイッチング素子のターンオフ遅延時間も改善することが可能となる。
【0059】
特に、本発明では定電流回路を用いて入力電流Iinの値を切り換えるようにしたので、例えば、スイッチング素子の制御電極に複数の抵抗を接続し、それらの接続状態を変更することで入力電流Iinを切り換える場合に比して、緻密な調整が可能となり、スイッチング素子におけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を、より的確且つ効果的に改善することが可能となる。
【0060】
この場合、制御装置がターンオフ出力端子を有するゲートドライバと、このゲートドライバに制御信号を出力する演算器から構成される場合には、請求項11の発明の如く演算器により定電流回路を制御することになる。
【0061】
それに限らず、請求項12の発明の如く定電流回路を制御する入力電流調整信号切換部を演算器とは別構成で設けても良い。その場合には、演算器のソフトウエアの変更も不要となる。
【0062】
また、請求項13の発明の如く定電流回路を、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に接続されて当該スイッチング素子の入力電流を調整するための半導体スイッチと、この半導体スイッチの制御電極に接続されたオペアンプから構成することで、スイッチング素子の入力電流Iinを円滑に切り換えることができるようになる。
【0063】
ここで、制御装置のターンオフ出力端子からターンオン出力も出力される場合、即ち、図3の場合とは異なり、ターンオン出力端子が別途設けられず、オン・オフの回路が分離されていない(ターンオフ出力端子がターンオン出力端子も兼ねる)制御装置の場合は、請求項14の発明の如く定電流回路と第1の逆流防止ダイオードから成る第1の直列回路と、ターンオン用抵抗及び第2の逆流防止ダイオードから成る第2の直列回路を設け、第1の直列回路と第2の直列回路の並列回路を、制御装置のターンオフ出力端子とスイッチング素子の制御電極間に接続することで、スイッチング素子のターンオンも支障無く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明を適用する電力変換装置の一例であるインバータの電気回路図である。
図2】本発明を適用する電力変換装置の他の例であるコンバータの電気回路図である。
図3】スイッチング素子のターンオフ時の従来の動作を説明するための電気回路図である。
図4図3のスイッチング素子の各部の電圧・電流を説明する図である。
図5】スイッチング素子のターンオフ時の出力電圧Voutの変化を説明する図である。
図6】スイッチング素子のスイッチング損失を説明する図である。
図7】スイッチング素子の制御電極に接続する固定抵抗を変更していった場合のスイッチングノイズとスイッチング損失の関係を説明する図である。
図8図3のスイッチング素子のターンオフ開始後の各部の電圧・電流の変化を説明する図である。
図9】本発明を説明するための電力変換装置のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、入力電圧検出部の電気回路図である(実施例1)。
図10図9の入力電圧検出部の電気回路の一例を示す図である。
図11図9の定電流回路の電気回路の一例を示す図である。
図12図9図3の場合のスイッチングノイズとスイッチング損失の関係を説明する図である。
図13図12の破線枠X4部分の拡大図である。
図14】スイッチング素子のターンオフ遅延時間を説明する図である。
図15図9図3の場合のスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の関係を説明する図である。
図16図9図3の場合のスイッチング損失とターンオフ遅延時間の関係を説明する図である。
図17】本発明の他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、入力電圧検出部の電気回路図である(実施例2)。
図18】本発明のもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、出力電流検出部の電気回路図である(実施例3)。
図19】本発明の更にもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、出力電流検出部の電気回路図である(実施例4)。
図20】本発明の更にもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、出力電圧検出部の電気回路図である(実施例5)。
図21】本発明の更にもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電流回路、及び、出力電圧検出部の電気回路図である(実施例6)。
図22】本発明の更にもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電圧回路、入力電流調整信号切換部、及び、入力電圧検出部の電気回路図である(実施例7)。
図23図22の入力電流調整信号切換部と入力電圧検出部の電気回路の一例を示す図である。
図24】本発明の更にもう一つの他の実施例のスイッチング素子、制御装置、定電圧回路、入力電流調整信号切換部、及び、入力電圧検出部の電気回路図である(実施例8)。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【実施例0066】
図9は本発明を適用した一実施例の電力変換装置1のスイッチング素子SW、制御装置Cont、定電流回路CC、及び、入力電圧検出部37の電気回路図である。尚、以下の図面において、図3と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。また、本発明においても適用される電力変換装置1は、図1のインバータIVや図2のコンバータCVであるものとする。
【0067】
制御装置Contも機能としては図3の場合と同様であり、図1では制御装置3、図2では制御装置26を意味するものであるが、この実施例ではソフトウエア等が異なる。また、図9では内部構成を更に詳しく記載している。即ち、実施例の制御装置Contは、マイクロコンピュータから構成された演算器38と、オフ側のゲートドライバGD1と、オン側のゲートドライバGD2を有して構成されているものとする。
【0068】
演算器38は、各ゲートドライバGD1、GD2に制御信号(インバータの場合はPWM信号)を出力するもので、Low側の演算器制御信号出力端子41と、High側の演算器制御信号出力端子42と、アナログ信号を出力する電流調整信号出力端子43と、検出電圧入力端子44を備えており、Low側の演算器制御信号出力端子41の出力がオフ側のゲートドライバGD1に入力され、High側の演算器制御信号出力端子42の出力がオン側のゲートドライバGD2に入力される。
【0069】
オフ側のゲートドライバGD1は一端が接地されたスイッチGDSW1を有しており、このスイッチGDSW1の他端が、制御装置Contのターンオフ出力端子36となる。また、オン側のゲートドライバGD2は一端が直流電源に接続されたスイッチGDSW2を有しており、このスイッチング素子GDSW2の他端が、制御装置Contのターンオン出力端子46となる。
【0070】
そして、本発明ではオフ側のゲートドライバGD1のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31(制御電極)との間に定電流回路CCが接続されている。この定電流回路CCには演算器38の電流調整信号出力端子43からの電流調整信号(アナログ信号)が外部信号として入力される。また、入力電圧検出部37はスイッチング素子SWのゲート31と電極33間に接続されてスイッチング素子SWの入力電圧Vinを検出する。この入力電圧検出部37の検出値(入力電圧Vin)は、演算器38の検出電圧入力端子44に入力される。尚、オン側のゲートドライバGD2のターンオン出力端子46は、ターンオン用抵抗47を介してスイッチング素子SWのゲート31に接続されている。
【0071】
次に、図10図9の入力電圧検出部37の具体的な電気回路例を示している。図10において、48は発光素子49とフォトダイオード51から成るフォトカプラであり、発光素子49の一端が抵抗52を介してスイッチング素子SWのゲート31に接続され、他端がスイッチング素子SWの電極33に接続される。また、フォトダイオード51の一端が抵抗53を介して直流電源に接続され、他端が接地される。そして、このフォトダイオード51と抵抗53の接続点が演算器38の検出電圧入力端子44に接続される。
【0072】
入力電圧検出部37は、フォトカプラ48により、絶縁された状態でスイッチング素子SWのゲート31と電極33間の電圧、即ち、入力電圧Vinを検出し、演算器38の入力電圧検出37に出力する。
【0073】
また、図11図9の定電流回路CCの具体的な電気回路例を示している。図11において、54は実施例ではMOSFETから成る半導体スイッチであり、この半導体スイッチ54のドレインがスイッチング素子SWのゲート31に接続され、ソースは抵抗56を介して演算器38のゲートドライバGD1のターンオフ出力端子36に接続される。これにより、半導体スイッチ54は制御装置ContのゲートドライバGD1のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31間に接続される。
【0074】
図11において、57はオペアンプであり、このオペアンプ57の反転入力端子は半導体スイッチ54と抵抗56の接続点に接続され、オペアンプ57の非反転入力端子は演算器38の電流調整信号出力端子43に接続される。そして、オペアンプ57の出力端子は半導体スイッチ54の制御電極であるゲートに接続される。定電流回路CCは、オペアンプ57の非反転入力端子に入力される演算器38からの電流調整信号(アナログ信号:外部信号)に応じて半導体スイッチ54のゲート電圧を調整し、ドレイン-ソース間に流れる電流(入力電流Iin)の値を調整するものである。
【0075】
次に、同じく図8を参照しながら図9の電力変換装置1の動作を説明する。ここで、入力電圧Vinに所定値Vin1を設定する。この場合、所定値Vin1は、スイッチング素子SWの出力電圧Voutが電源電圧Vdcに到達するタイミングにおける入力電圧Vinの値P1より高く、スイッチング素子SWの入力電圧Vinの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該入力電圧Vinの値P2の手前に所定の余裕度αを考慮した値P2+α以下の範囲で設定するものとし、実施例では所定値Vin1を、スイッチング素子SWの入力電圧Vinの値P2に設定する。
【0076】
同様に図8の時刻t1で制御装置Contの演算器38がLow側の演算器制御信号出力端子41から制御信号を出力してオフ側のゲートドライバGD1のスイッチGDSW1を閉じ、ターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」になったものとすると(ターンオフ開始)、時刻t2以後の期間(1)ではスイッチング素子SWの入力電圧Vinは前述した所定値Vin1より高い。このスイッチング素子SWの入力電圧Vin(本発明のこの実施例におけるパラメータ)は入力電圧検出部37により検出されて演算器38の検出電圧入力端子44に入力される。
【0077】
制御装置Contの演算器38は、検出電圧入力端子44に入力されるスイッチング素子SWの入力電圧Vinが所定値Vin1より高い場合、電流調整信号出力端子43から電流調整信号を定電流回路CCに出力して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の大きい値IinH(大きい値の定電流)とする。即ち、スイッチング素子SWの入力電圧Vinが所定値Vin1に低下するまでは、定電流回路CCにより入力電流Iinは所定の大きい値IinHとされる。この場合、実施例では演算器38は、定電流回路CCのオペアンプ57の非反転入力端子に出力する電流調整信号(アナログ信号)の電圧を高くし、半導体スイッチ54の導通率を高くして入力電流Iinを所定の大きい値IinHとする。この大きい値IinHは後述する小さい値IinLに比較して大きい第1の値であり、予め実験により当該電力変換装置1において適切な値を求めておくものとする。
【0078】
入力電流Iinが大きい値IinHとされると、図8の期間(1)は短くなる(早く入力電圧Vinが所定値Vin1まで低下する)。期間(1)が短くなると、スイッチング素子SWのスイッチング損失(=Vout×Iout)は小さくなる。尚、期間(1)では出力電圧Vout及び出力電流Ioutの変化は緩慢であるので、期間(1)が短くなってもスイッチングノイズへの影響はない。
【0079】
その後、時刻t3でスイッチング素子SWの入力電圧Vinが所定値Vin1以下になると、演算器38は、検出電圧入力端子44に入力されるスイッチング素子SWの入力電圧Vinの値に基づき、電流調整信号出力端子43から定電流回路CCに出力する電流調整信号を調整して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の小さい値IinL(小さい値の定電流)に切り換える。この場合、実施例では演算器38は、定電流回路CCのオペアンプ57の非反転入力端子に出力する電流調整信号(アナログ信号)の電圧を低くし、半導体スイッチ54の導通率を低くして入力電流Iinを所定の小さい値IinLとする。この小さい値IinLは前述した大きい値IinHに比較して小さい第2の値であり、これも予め実験により当該電力変換装置1において適切な値を求めておくものとする。
【0080】
入力電流Iinが小さい値IinLに切り替わると図8の期間(2)が長くなり、出力電圧Vout及び出力電流Ioutの急峻な変化が抑制され、スイッチングノイズが小さくなる。これにより、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。
【0081】
但し、期間(2)が長くなり過ぎると、ここでのスイッチング損失が増えるため、ノイズと損失のバランスで入力電流Iinの前記小さい値IinL(小さい値の定電流)を求め、予め設定するものとする。
【0082】
図12中のY1は、図9の電力変換装置1を用いて入力電流Iinの大きい値IinHと小さい値IinLを変更した場合のスイッチングノイズとスイッチング損失の変化を示し、Y2は図7に示した異なる抵抗値の固定抵抗100(図3)を取り替えて接続した場合のスイッチングノイズとスイッチング損失の変化を示している。また、図13図12中の破線枠X4部分を拡大して示している。
【0083】
図12図13から明らかな如く、図9の電力変換装置1を用いた場合、図3の場合に比してスイッチングノイズ、スイッチング損失共に低下していることが分かる。即ち、図13において、図3の固定抵抗100の場合のスイッチングノイズ、スイッチング損失の値Y2に着目すると、図9の実施例の電力変換装置1によれば、同じスイッチング損失でもスイッチングノイズを小さくし(Y11)、同じスイッチングノイズでもスイッチング損失を小さくすることができている(Y12)。
【0084】
また、図9の電力変換装置1を用いた場合、図3の固定抵抗100に比してスイッチング素子SWのターンオフ遅延時間も改善することができる。ここで、ターンオフ遅延時間とは、図14に示すようなスイッチング素子SWのターンオフの開始から完了までに要する時間であり、この遅延時間が長くなると故障する可能性が大きくなる。
【0085】
図15中のY3は、図9の電力変換装置1を用いて入力電流Iinの大きい値IinHと小さい値IinLを変更した場合のスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の変化を示し、Y4は図3の固定抵抗100を異なる抵抗値のものに取り替えて接続した場合のスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の変化を示している。この図15から明らかな如く、Y3の方がスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の双方を、Y4よりも0、0に近づけることができるので、図9の電力変換装置1を用いた方が、スイッチングノイズとターンオフ遅延時間の双方を改善することができることが分かる。
【0086】
また、図16中のY5は、図9の電力変換装置1を用いて入力電流Iinの大きい値IinHと小さい値IinLを変更した場合のスイッチング損失とターンオフ遅延時間の変化を示し、Y6は図3の固定抵抗100を異なる抵抗値のものに取り替えて接続した場合のスイッチング損失とターンオフ遅延時間の変化を示している。この図16から明らかな如く、同じスイッチング損失で比較すると、Y5の方がターンオフ遅延時間が短くなることが分かる。
【0087】
これは、図8の期間(2)を長くするものの、期間(1)はそれ以上に短くできるので、期間(1)と期間(2)を全体としては短くすることが可能となるからである。また、図16からターンオフ遅延時間とスイッチング損失は相関が高いことが分かる。よって、スイッチングノイズを抑制しながら、スイッチング損失と共にターンオフ遅延時間も抑制できる。
【0088】
特に、本発明では定電流回路CCを用いて入力電流Iinの値を切り換えるようにしているので、例えば、スイッチング素子SWのゲート31に複数の抵抗を接続し、それらの接続状態を変更することで入力電流Iinを切り換える場合に比して、緻密な調整が可能となり、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を、より的確且つ効果的に改善することが可能となる。
【0089】
尚、スイッチング素子SWをターンオンさせるときには、制御装置Contの演算器38がHigh側の演算器制御信号出力端子42から制御信号を出力してオン側のゲートドライバGD2のスイッチGDSW2を閉じる。これにより、ゲートドライバGD2のターンオン出力端子46が直流電源に接続されて出力が「H」(High)になる。これにより、入力電流Iinがターンオン用抵抗47に流れてスイッチング素子SWの入力電圧Vinを所定のターンオン閾値電圧まで上昇させ、スイッチング素子SWをターンオンさせるものである。
【実施例0090】
次に、図17を参照しながら本発明の電力変換装置1の他の実施例を説明する。尚、この図において、図3図9図11と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した図9の実施例の電力変換装置1では、制御装置Contにオフ側のゲートドライバGD1と、オン側のゲートドライバGD2が別々に設けられていたが、この実施例ではオフ側とオン側のゲートドライバが分離されておらず、一つのゲートドライバGD3からターンオフ出力とターンオン出力が出力される。
【0091】
即ち、この場合のゲートドライバGD3は、二つのスイッチGDSW1、GDSW2が直列接続されており、GDSW2の一端は内部で直流電源に接続され、GDSW1の一端は接地されている(図17)。そして、スイッチGDSW1の他端とGDSW2の他端が接続され、その接続点がターンオフ出力端子36(ターンオン出力端子を兼ねる)となる。
【0092】
また、この場合は演算器38の演算器制御信号出力端子58がゲートドライバGD3に接続される。演算器制御信号出力端子58からは「L」(Low)と「H」(High)の制御信号が出力され、制御信号が「L」の場合はゲートドライバGD3はスイッチGDSW1を閉じ、スイッチング素子GDSW2は開き、「H」の場合はスイッチGDSW2を閉じ、スイッチング素子GDSW1は開く構成とされる。
【0093】
このような制御装置Contを用いる場合の回路例が図17に示されている。即ち、この場合は前述した実施例1の定電流回路CCに第1の逆流防止ダイオード61を直列に接続し、ターンオン用抵抗47には第2の逆流防止ダイオード62を直列に接続する。そして、定電流回路CCと第1の逆流防止ダイオード61から成る第1の直列回路63と、ターンオン用抵抗47と第2の逆流防止ダイオード62から成る第2の直列回路64を並列に接続し、この並列回路をゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31の間に接続する。尚、第1の逆流防止ダイオード61は、定電流回路CCの方向を順方向とし、第2の逆流防止ダイオード62は、ゲート31の方向を順方向とする。
【0094】
そして、スイッチング素子SWをターンオフする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「L」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「L」の制御信号によりスイッチGDSW2を開き、GDSW1を閉じる。これにより、前述した実施例同様にゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」(Low)になる。このとき、第2の逆流防止ダイオード62が存在することで、ターンオン用抵抗47には入力電流Iinは流れないので何ら機能せず、演算器38は定電流回路CCにより入力電流Iinを前述同様に制御してスイッチング素子SWをターンオフさせる。
【0095】
一方、スイッチング素子SWをターンオンする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「H」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「H」の制御信号によりスイッチGDSW1を開き、GDSW2を閉じる。これにより、ゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が直流電源に接続されて出力が「H」(High)になる。このとき、第1の逆流防止ダイオード61が存在することで、定電流回路CCには入力電流Iinは流れず、ターンオン用抵抗47にのみ流れて、スイッチング素子SWの入力電圧Vinを所定のターンオン閾値電圧まで上昇させる。これにより、係る制御装置Contを用いた場合にも、スイッチング素子SWを支障無くターンオンさせることが可能となる。
【実施例0096】
次に、図18を参照しながら本発明の電力変換装置1のもう一つの他の実施例について説明する。尚、この図において図3図9図17と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した二つの実施例(実施例1、実施例2)では、入力電流Iinの値を切り換えるためのパラメータとして、スイッチング素子SWの入力電圧Vinを採用したが、この実施例は出力電流Ioutをパラメータとして採用した例である。
【0097】
従って、この場合は入力電圧検出部37は設けられず、その代わりに出力電流検出部66がスイッチング素子SWの電極32、若しくは、電極33(破線で示す)に接続される。この出力電流検出部66は、例えばシャント抵抗により構成することができる。そして、出力電流検出部66の検出値(出力電流Iout)は、この場合の演算器38の検出電流入力端子67に入力される。
【0098】
次に、同じく図8を参照しながら図18の電力変換装置1の動作を説明する。ここで、出力電流Ioutに所定値Iout1を設定する。この場合、所定値Iout1は、スイッチング素子SWの出力電圧Voutが電源電圧Vdcに到達するタイミングにおける出力電流Ioutの値P3より高く、スイッチング素子SWの出力電流Ioutの低下度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電流Ioutの値P4の手前に所定の余裕度βを考慮した値P4+β以下の範囲で設定するものとし、実施例では所定値Iout1を、スイッチング素子SWの出力電流Ioutの値P4に設定する。
【0099】
同様に図8の時刻t1で制御装置Contの演算器38がLow側の演算器制御信号出力端子41から制御信号を出力してオフ側のゲートドライバGD1のスイッチGDSW1を閉じ、ターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」になったものとすると(ターンオフ開始)、時刻t2以後の期間(1)ではスイッチング素子SWの出力電流Ioutは前述した所定値Iout1より高い。このスイッチング素子SWの出力電流Ioutは出力電流検出部66により検出されて演算器38の検出電流入力端子67に入力される。
【0100】
制御装置Contの演算器38は、検出電流入力端子67に入力されるスイッチング素子SWの出力電流Ioutが所定値Iout1より高い場合、電流調整信号出力端子43から電流調整信号を定電流回路CCに出力して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の大きい値IinH(大きい値の定電流)とする。即ち、スイッチング素子SWの出力電流Ioutが所定値Iout1に低下するまでは、定電流回路CCにより入力電流Iinは所定の大きい値IinHとされる。
【0101】
この場合の演算器38による定電流回路CCの制御、及び、当該定電流回路CCの動作は前述同様である。また、入力電流Iinが大きい値IinHとされることで、図8の期間(1)が短くなり、スイッチング素子SWのスイッチング損失が小さくなる一方で、スイッチングノイズへの影響もないことは前述同様である。
【0102】
その後、時刻t3でスイッチング素子SWの出力電流Ioutが所定値Iout1以下になると、演算器38は、検出電流入力端子67に入力されるスイッチング素子SWの出力電流Ioutの値に基づき、電流調整信号出力端子43から定電流回路CCに出力する電流調整信号を調整して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の小さい値IinL(小さい値の定電流)に切り換える。
【0103】
この場合の演算器38による定電流回路CCの制御、及び、当該定電流回路CCの動作は前述同様である。また、入力電流Iinが小さい値IinLに切り替わることで図8の期間(2)が長くなり、出力電圧Vout及び出力電流Ioutの急峻な変化が抑制され、スイッチングノイズが小さくなることも前述同様である。これにより、この実施例によっても、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。
【0104】
また、同様にスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の双方を改善でき、スイッチングノイズを抑制しながら、スイッチング損失と共にターンオフ遅延時間を抑制できることも同様である。更に、定電流回路CCにより入力電流Iinの値を緻密に調整して、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を、より的確且つ効果的に改善することが可能となることも同様である。
【実施例0105】
次に、図19を参照しながら本発明の電力変換装置1のもう一つの他の実施例を説明する。尚、この図において、図17図18と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した図18の実施例(実施例3)の電力変換装置1では、制御装置Contにオフ側のゲートドライバGD1と、オン側のゲートドライバGD2が別々に設けられていたが、この実施例では前述した図17の例の場合と同様に、オフ側とオン側のゲートドライバが分離されておらず、一つのゲートドライバGD3からターンオフ出力とターンオン出力が出力される。
【0106】
即ち、この場合もゲートドライバGD3は、図17の場合の例と同様に、二つのスイッチGDSW1、GDSW2が直列接続されており、GDSW2の一端は内部で直流電源に接続され、GDSW1の一端は接地されている(図19)。そして、スイッチGDSW1の他端とGDSW2の他端が接続され、その接続点がターンオフ出力端子36(ターンオン出力端子を兼ねる)となる。
【0107】
また、この場合も演算器38の演算器制御信号出力端子58がゲートドライバGD3に接続される。演算器制御信号出力端子58からは「L」(Low)と「H」(High)の制御信号が出力され、制御信号が「L」の場合はゲートドライバGD3はスイッチGDSW1を閉じ、スイッチング素子GDSW2は開き、「H」の場合はスイッチGDSW2を閉じ、スイッチング素子GDSW1は開く構成とされる。
【0108】
また、この場合も前述した実施例3(図18)の定電流回路CCに第1の逆流防止ダイオード61を直列に接続し、ターンオン用抵抗47には第2の逆流防止ダイオード62を直列に接続する。そして、定電流回路CCと第1の逆流防止ダイオード61から成る第1の直列回路63と、ターンオン用抵抗47と第2の逆流防止ダイオード62から成る第2の直列回路64を並列に接続し、この並列回路をゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31の間に接続する。尚、第1の逆流防止ダイオード61は、定電流回路CCの方向を順方向とし、第2の逆流防止ダイオード62は、ゲート31の方向を順方向とする。その他の構成は図18と同様である。
【0109】
そして、この実施例でもスイッチング素子SWをターンオフする場合は、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「L」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「L」の制御信号によりスイッチGDSW2を開き、GDSW1を閉じる。これにより、前述した実施例同様にゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」(Low)になる。このとき、第2の逆流防止ダイオード62が存在することで、ターンオン用抵抗47には入力電流Iinは流れないので何ら機能せず、演算器38は定電流回路CCにより入力電流Iinを前述同様に制御してスイッチング素子SWをターンオフさせる。
【0110】
また、スイッチング素子SWをターンオンする場合は、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「H」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「H」の制御信号によりスイッチGDSW1を開き、GDSW2を閉じる。これにより、ゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が直流電源に接続されて出力が「H」(High)になる。このとき、第1の逆流防止ダイオード61が存在することで、定電流回路CCには入力電流Iinは流れず、ターンオン用抵抗47にのみ流れて、スイッチング素子SWの入力電圧Vinを所定のターンオン閾値電圧まで上昇させる。これにより、係る制御装置Contを用いた場合にも、スイッチング素子SWを支障無くターンオンさせることが可能となる。
【実施例0111】
次に、図20を参照しながら本発明の電力変換装置1の更にもう一つの他の実施例について説明する。尚、この図において図3図9図19と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した各実施例(実施例1~実施例4)では、入力電流Iinの値を切り換えるためのパラメータとして、スイッチング素子SWの入力電圧Vinや出力電流Ioutを採用したが、この実施例では出力電圧Voutをパラメータとして採用する。
【0112】
従って、この場合は入力電圧検出部37や出力電流検出部66は設けられず、その代わりに出力電圧検出部68がスイッチング素子SWの電極32と電極33間に接続される。この出力電圧検出部68は、前述した図10と同様である。但し、発光素子49の一端が抵抗52を介してスイッチング素子SWの電極32に接続され、他端がスイッチング素子SWの電極33に接続される。そして、同様にフォトダイオード51と抵抗53の接続点が演算器38の検出電圧入力端子44に接続されることになる。
【0113】
次に、同じく図8を参照しながら図20の電力変換装置1の動作を説明する。ここで、出力電圧Voutに所定値Vout1を設定する。この場合、所定値Vout1は、電源電圧Vdcより低く、スイッチング素子SWの出力電圧Voutの上昇度合いが急峻となる方向に変化するタイミングにおける当該出力電圧Voutの値P5の手前に所定の余裕度γを考慮した値P4-γ以上の範囲で設定するものとし、実施例では所定値Vout1を、スイッチング素子SWの出力電圧Voutの値P5に設定する。
【0114】
同様に図8の時刻t1で制御装置Contの演算器38がLow側の演算器制御信号出力端子41から制御信号を出力してオフ側のゲートドライバGD1のスイッチGDSW1を閉じ、ターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」になったものとすると(ターンオフ開始)、時刻t2以後の期間(1)ではスイッチング素子SWの出力電圧Voutは前述した所定値Vout1より低い。このスイッチング素子SWの出力電圧Voutは出力電圧検出部68により検出されて演算器38の検出電圧入力端子44に入力される。
【0115】
制御装置Contの演算器38は、検出電圧入力端子44に入力されるスイッチング素子SWの出力電圧Voutが所定値Vout1より低い場合、電流調整信号出力端子43から電流調整信号を定電流回路CCに出力して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の大きい値IinH(大きい値の定電流)とする。即ち、スイッチング素子SWの出力電圧Voutが所定値Vout1に上昇するまでは、定電流回路CCにより入力電流Iinは所定の大きい値IinHとされる。
【0116】
この場合の演算器38による定電流回路CCの制御、及び、当該定電流回路CCの動作は前述同様である。また、入力電流Iinが大きい値IinHとされることで、図8の期間(1)が短くなり、スイッチング素子SWのスイッチング損失が小さくなる一方で、スイッチングノイズへの影響もないことは前述同様である。
【0117】
その後、時刻t3でスイッチング素子SWの出力電圧Voutが所定値Vout1以上になると、演算器38は、検出電圧入力端子44に入力されるスイッチング素子SWの出力電圧Voutの値に基づき、電流調整信号出力端子43から定電流回路CCに出力する電流調整信号を調整して、定電流回路CCによりスイッチング素子SWの入力電流Iinを所定の小さい値IinL(小さい値の定電流)に切り換える。
【0118】
この場合の演算器38による定電流回路CCの制御、及び、当該定電流回路CCの動作は前述同様である。また、入力電流Iinが小さい値IinLに切り替わることで図8の期間(2)が長くなり、出力電圧Vout及び出力電流Ioutの急峻な変化が抑制され、スイッチングノイズが小さくなることも前述同様である。これにより、この実施例によっても、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。
【0119】
また、同様にスイッチングノイズとターンオフ遅延時間の双方を改善でき、スイッチングノイズを抑制しながら、スイッチング損失と共にターンオフ遅延時間を抑制できることも同様である。更に、定電流回路CCにより入力電流Iinの値を緻密に調整して、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を、より的確且つ効果的に改善することが可能となることも同様である。
【実施例0120】
次に、図21を参照しながら本発明の電力変換装置1の更にもう一つの他の実施例を説明する。尚、この図において、図3図9図20と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した図20の実施例の電力変換装置1では、制御装置Contにオフ側のゲートドライバGD1と、オン側のゲートドライバGD2が別々に設けられていたが、この実施例ではオフ側とオン側のゲートドライバが分離されておらず、一つのゲートドライバGD3からターンオフ出力とターンオン出力が出力される。
【0121】
即ち、この場合のゲートドライバGD3は、二つのスイッチGDSW1、GDSW2が直列接続されており、GDSW2の一端は内部で直流電源に接続され、GDSW1の一端は接地されている(図21)。そして、スイッチGDSW1の他端とGDSW2の他端が接続され、その接続点がターンオフ出力端子36(ターンオン出力端子を兼ねる)となる。
【0122】
また、この場合は演算器38の演算器制御信号出力端子58がゲートドライバGD3に接続される。演算器制御信号出力端子58からは「L」(Low)と「H」(High)の制御信号が出力され、制御信号が「L」の場合はゲートドライバGD3はスイッチGDSW1を閉じ、スイッチング素子GDSW2は開き、「H」の場合はスイッチGDSW2を閉じ、スイッチング素子GDSW1は開く構成とされる。
【0123】
このような制御装置Contを用いる場合の回路例が図21に示されている。即ち、この場合は前述した実施例5の定電流回路CCに第1の逆流防止ダイオード61を直列に接続し、ターンオン用抵抗47には第2の逆流防止ダイオード62を直列に接続する。そして、定電流回路CCと第1の逆流防止ダイオード61から成る第1の直列回路63と、ターンオン用抵抗47と第2の逆流防止ダイオード62から成る第2の直列回路64を並列に接続し、この並列回路をゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31の間に接続する。尚、第1の逆流防止ダイオード61は、定電流回路CCの方向を順方向とし、第2の逆流防止ダイオード62は、ゲート31の方向を順方向とする。
【0124】
そして、スイッチング素子SWをターンオフする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「L」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「L」の制御信号によりスイッチGDSW2を開き、GDSW1を閉じる。これにより、前述した実施例同様にゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」(Low)になる。このとき、第2の逆流防止ダイオード62が存在することで、ターンオン用抵抗47には入力電流Iinは流れないので何ら機能せず、演算器38は定電流回路CCにより入力電流Iinを前述同様に制御してスイッチング素子SWをターンオフさせる。
【0125】
一方、スイッチング素子SWをターンオンする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「H」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「H」の制御信号によりスイッチGDSW1を開き、GDSW2を閉じる。これにより、ゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が直流電源に接続されて出力が「H」(High)になる。このとき、第1の逆流防止ダイオード61が存在することで、定電流回路CCには入力電流Iinは流れず、ターンオン用抵抗47にのみ流れて、スイッチング素子SWの入力電圧Vinを所定のターンオン閾値電圧まで上昇させる。これにより、係る制御装置Contを用いた場合にも、スイッチング素子SWを支障無くターンオンさせることが可能となる。
【実施例0126】
次に、図22を参照しながら本発明の電力変換装置1の更にもう一つの実施例について説明する。尚、図22は前述した図9の実施例(実施例1)に関する他の実施例である。図9の実施例(実施例1)等では、制御装置Contの演算器38がスイッチング素子SWの入力電圧Vin等に基づき、定電流回路CCを制御してスイッチング素子SWの入力電流Iinの値を切り換えたが、この実施例では演算器38は従来のままとし、その代わりに演算器38とは別構成で、入力電流調整信号切換部69を設けて定電流回路CCを制御する。
【0127】
その場合の図9の実施例を例に取った回路例が図22であり、図23には入力電流調整信号切換部69の具体的な回路例を示している。尚、各図において、図3図9図21と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。この実施例では、入力電圧検出部37の検出値(入力電圧Vin)は演算器38に入力されず、入力電流調整信号切換部69に入力される。また、定電流回路CCには入力電流調整信号切換部69からの電流調整信号(アナログ信号)が外部信号として入力されることになる。
【0128】
図23はこの入力電流調整信号切換部69と前述した入力電圧検出部37の具体的な電気回路を示している。実施例の入力電流調整信号切換部69は、コンパレータ71と、PNPトランジスタ72と、抵抗73、74、76(抵抗1~3)から構成されている。この場合、PNPトランジスタ72のエミッタが抵抗73に接続され、抵抗74と抵抗76は直流電源(定電圧)と接地間に直列に接続される。そして、抵抗74に並列に、PNPトランジスタ72と抵抗73の直列回路が接続される。
【0129】
そして、抵抗74と抵抗76の接続点の電圧(分圧電圧)が定電流回路CCのオペアンプ57(図11)の非反転入力端子に入力される。また、コンパレータ71の出力はPNPトランジスタ72のベースに接続され、コンバータ71の反転入力端子に入力電圧検出部37の抵抗53とフォトトランジスタ51との接続点の電圧(入力電圧Vinの検出値)が入力される構成である。
【0130】
係る構成で、図8の時刻t2以後の期間(1)において入力電圧Vinの値が所定値Vin1より高い場合、コンパレータ71の反転入力端子に入力される入力電圧Vinの検出値が当該コンパレータ71の非反転入力端子に入力される閾値電圧(Vref)より高くなり、コンパレータ71の出力は「L」(Low)となる。
【0131】
コンパレータ71の出力が「L」となることで、PNPトランジスタ72が導通(オン)するので、抵抗74に抵抗73が並列に接続される。これにより、抵抗74と抵抗76の接続点の分圧電圧が高くなって定電流回路CCのオペアンプ57(図11)の非反転入力端子に入力される電圧が高くなり、オペアンプ57の出力が上昇するので、半導体スイッチ54の導通率は高くなり、入力電流Iinは前述した所定の大きい値IinHとなる。
【0132】
その後、時刻t3でスイッチング素子SWの入力電圧Vinが所定値Vin1以下になると、コンパレータ71の反転入力端子に入力される入力電圧Vinの検出値が当該コンパレータ71の非反転入力端子に入力される閾値電圧(Vref)より低くなり、コンパレータ71の出力は「H」(High)となる。
【0133】
コンパレータ71の出力が「H」となることで、PNPトランジスタ72が非導通(オフ)するので、抵抗73が切り離され、抵抗74と抵抗76の接続点の分圧電圧が低くなって定電流回路CCのオペアンプ57の非反転入力端子に入力される電圧が低くなる。これにより、オペアンプ57の出力が低下するので、半導体スイッチ54の導通率は低くなり、入力電流Iinは前述した所定の小さい値IinLに切り替わる。
【0134】
これにより、この実施例によってもスイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。また、演算器38とは別構成で入力電流調整信号切換部69を設けることで、演算器38のソフトウエアの変更が不要となる効果がある。
【実施例0135】
次に、図24を参照しながら本発明の電力変換装置1の更にもう一つの他の実施例を説明する。尚、この図において、図3図9図23と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。前述した図22図23の実施例の電力変換装置1では、制御装置Contにオフ側のゲートドライバGD1と、オン側のゲートドライバGD2が別々に設けられていたが、この実施例では前述した実施例2と同様にオフ側とオン側のゲートドライバが分離されておらず、一つのゲートドライバGD3からターンオフ出力とターンオン出力が出力される。
【0136】
即ち、この場合のゲートドライバGD3は、二つのスイッチGDSW1、GDSW2が直列接続されており、GDSW2の一端は内部で直流電源に接続され、GDSW1の一端は接地されている(図24)。そして、スイッチGDSW1の他端とGDSW2の他端が接続され、その接続点がターンオフ出力端子36(ターンオン出力端子を兼ねる)となる。
【0137】
また、この場合は演算器38の演算器制御信号出力端子58がゲートドライバGD3に接続される。演算器制御信号出力端子58からは「L」(Low)と「H」(High)の制御信号が出力され、制御信号が「L」の場合はゲートドライバGD3はスイッチGDSW1を閉じ、スイッチング素子GDSW2は開き、「H」の場合はスイッチGDSW2を閉じ、スイッチング素子GDSW1は開く構成とされる。
【0138】
このような制御装置Contを用いる場合の回路例が図24に示されている。即ち、この場合は前述した実施例7の定電流回路CCに第1の逆流防止ダイオード61を直列に接続し、ターンオン用抵抗47には第2の逆流防止ダイオード62を直列に接続する。そして、定電流回路CCと第1の逆流防止ダイオード61から成る第1の直列回路63と、ターンオン用抵抗47と第2の逆流防止ダイオード62から成る第2の直列回路64を並列に接続し、この並列回路をゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36とスイッチング素子SWのゲート31の間に接続する。尚、第1の逆流防止ダイオード61は、定電流回路CCの方向を順方向とし、第2の逆流防止ダイオード62は、ゲート31の方向を順方向とする。
【0139】
そして、スイッチング素子SWをターンオフする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「L」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「L」の制御信号によりスイッチGDSW2を開き、GDSW1を閉じる。これにより、前述した実施例同様にゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が接地されて出力が「L」(Low)になる。このとき、第2の逆流防止ダイオード62が存在することで、ターンオン用抵抗47には入力電流Iinは流れないので何ら機能せず、演算器38は定電流回路CCにより入力電流Iinを前述同様に制御してスイッチング素子SWをターンオフさせる。
【0140】
一方、スイッチング素子SWをターンオンする場合、演算器38が演算器制御信号出力端子58から「H」の制御信号を出力する。ゲートドライバGD3はこの「H」の制御信号によりスイッチGDSW1を開き、GDSW2を閉じる。これにより、ゲートドライバGD3のターンオフ出力端子36が直流電源に接続されて出力が「H」(High)になる。このとき、第1の逆流防止ダイオード61が存在することで、定電流回路CCには入力電流Iinは流れず、ターンオン用抵抗47にのみ流れて、スイッチング素子SWの入力電圧Vinを所定のターンオン閾値電圧まで上昇させる。これにより、係る制御装置Contを用いた場合にも、スイッチング素子SWを支障無くターンオンさせることが可能となる。
【0141】
以上、各実施例で説明した如く、本発明によればスイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を効果的に改善することができるようになる。また、図8の期間(1)と期間(2)を全体として短くすることも可能となるので、スイッチング素子SWのターンオフ遅延時間も改善することが可能となる。
【0142】
特に、本発明では定電流回路CCを用いて入力電流Iinの値を切り換えるようにしたので、例えば、スイッチング素子SWのゲート31に複数の抵抗を接続し、それらの接続状態を変更することで入力電流Iinを切り換える場合に比して、緻密な調整が可能となり、スイッチング素子SWにおけるスイッチングノイズとスイッチング損失の双方を、より的確且つ効果的に改善することが可能となる。
【0143】
尚、上記各実施例で示した電気回路は、請求項1~請求項12の発明については、それらに限定されるものではない。また、実施例7や実施例8は実施例1、実施例2に適用した場合で説明したが、それに限らず、実施例3~実施例6に適用しても有効であることは云うまでもない。更に、実施例ではインバータやコンバータを例にとって説明したが、それに限らず、自己消弧型のスイッチング素子を使用する各種電力変換装置に本発明は有効である。
【符号の説明】
【0144】
CC 定電流回路
Cont、3、26 制御装置
CV コンバータ
GD1~GD3、18、27 ゲートドライバ
IV インバータ
SW、8A~8F、24 スイッチング素子
1 電力変換装置
31 ゲート(制御電極)
32、33 電極
36 ターンオフ出力端子
37 入力電圧検出部
47 ターンオン用抵抗
54 半導体スイッチ
57 オペアンプ
61 第1の逆流防止ダイオード
62 第2の逆流防止ダイオード
66 出力電流検出部
68 出力電圧検出部
69 入力電流調整信号切換部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24