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  • 特開-浴室除湿機 図1
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  • 特開-浴室除湿機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129241
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】浴室除湿機
(51)【国際特許分類】
   F26B 9/02 20060101AFI20240919BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20240919BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20240919BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20240919BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20240919BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240919BHJP
   D06F 58/10 20060101ALI20240919BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20240919BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240919BHJP
【FI】
F26B9/02 A
F24F7/06 B
F24F7/08 101A
F24F11/86
F24F11/64
F25B1/00 303
D06F58/10 A
F24F110:20
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038320
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】山田 健悟
【テーマコード(参考)】
3B168
3L058
3L113
3L260
【Fターム(参考)】
3B168AC12
3B168AE04
3B168AE07
3B168BA55
3B168JM02
3B168JM03
3L058BB03
3L058BE05
3L058BG04
3L113AB01
3L113AC51
3L113CA08
3L113CA09
3L260AA02
3L260AB13
3L260BA01
3L260BA05
3L260CA12
3L260CA13
3L260EA07
3L260EA12
3L260FB02
3L260FB07
3L260FB09
3L260FB12
(57)【要約】
【課題】浴室内を快適な温度に保ちつつ除湿運転可能な浴室除湿機を提供する。
【解決手段】浴室除湿機1は、筐体2と、送風機3と、第1熱交換器4aと、第2熱交換器4bと、第3熱交換器4cと、第4熱交換器4dと、制御部5と、を備え、送風機3により吸込口6から吸い込まれた浴室101の空気は、第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4cおよび第4熱交換器4dをこの順に通過した後に吹出口7から浴室101へ吹き出され、浴室101の湿度をH、所定の湿度をH0a、浴室101の温度をT、所定の温度をT0a、とすると、制御部5は、送風機3をONにした後に「H>H0a」且つ「T>T0a」を満たす場合、「第1熱交換器4a:熱」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:冷」且つ「第4熱交換器4d:冷」となるように制御する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、送風機と、第1熱交換器と、第2熱交換器と、第3熱交換器と、第4熱交換器と、制御部と、を備えた浴室除湿機であって、
前記筐体は吸込口と吹出口とを有し、
前記送風機は前記筐体の中に設けられ、
前記第1熱交換器、前記第2熱交換器、前記第3熱交換器および前記第4熱交換器によって1つの冷凍サイクルを形成し、
前記送風機により前記吸込口から吸い込まれた浴室の空気は、前記第1熱交換器、前記第2熱交換器、前記第3熱交換器および前記第4熱交換器をこの順に通過した後に前記吹出口から前記浴室へ吹き出され、
前記浴室の湿度をH、所定の湿度をH0a、前記浴室の温度をT、所定の温度をT0a、とすると、
前記制御部は、前記送風機をONにした後に「H>H0a」且つ「T>T0a」を満たす場合、「前記第1熱交換器:熱」且つ「前記第2熱交換器:冷」且つ「前記第3熱交換器:冷」且つ「前記第4熱交換器:冷」となるように制御することを特徴とする浴室除湿機。
【請求項2】
所定の湿度をH1、所定の温度をT1とすると、
前記制御部は、「前記第1熱交換器:熱」且つ「前記第2熱交換器:冷」且つ「前記第3熱交換器:冷」且つ「前記第4熱交換器:冷」になった後に「T≦T1」且つ「H≦H1」となった場合、前記送風機および前記冷凍サイクルをOFFにすることを特徴とする請求項1に記載の浴室除湿機。
【請求項3】
所定の湿度をH0bとすると、
前記制御部は、前記送風機をONにした後に「H≦H0a」を満たす場合、所定時間経過後に「H>H0b」となった後に、「前記第1熱交換器:冷」且つ「前記第2熱交換器:冷」且つ「前記第3熱交換器:熱」且つ「前記第4熱交換器:熱」となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の浴室除湿機。
【請求項4】
所定の湿度をH2、所定の温度をT2とすると、
前記制御部は、「前記第1熱交換器:冷」且つ「前記第2熱交換器:冷」且つ「前記第3熱交換器:熱」且つ「前記第4熱交換器:熱」になった後に「T>T2」且つ「H≦H2」となった場合、前記送風機および前記冷凍サイクルをOFFにすることを特徴とする請求項3に記載の浴室除湿機。
【請求項5】
前記制御部は、前記送風機をONにした後に「H>H0a」且つ「T≦T0a」を満たす場合、「前記第1熱交換器:冷」且つ「前記第2熱交換器:冷」且つ「前記第3熱交換器:熱」且つ「前記第4熱交換器:熱」となるように制御することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の浴室除湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に使用される浴室除湿機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浴室除湿機は、冷凍サイクルを用いたものが知られている。例えば特許文献1には、浴室内に干した衣類を乾燥させることが可能な浴室空調機が開示されている。この浴室空調機は、冷凍サイクルを用いて空気から水分を回収することにより浴室内の空気を除湿する。衣類が保持している水分は除湿された空気へ揮発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5082523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の浴室除湿機においては、浴室除湿機の筐体内に吸い込まれた浴室の空気は、蒸発器で低温低湿とされ、その後、凝縮器により再加熱されて吸い込み時より温度が高くなって浴室へ吹き出す。これに起因する浴室内温度の上昇により、夏場や梅雨時などにおいて、使用者が浴室に入ると不快に感じるという課題を有していた。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、浴室内を快適な温度に保ちつつ除湿運転可能な浴室除湿機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために、本発明の一態様に係る浴室除湿機は、筐体と、送風機と、第1熱交換器と、第2熱交換器と、第3熱交換器と、第4熱交換器と、制御部と、を備えた浴室除湿機であって、筐体は吸込口と吹出口とを有し、送風機は筐体の中に設けられ、第1熱交換器、第2熱交換器、第3熱交換器および第4熱交換器によって1つの冷凍サイクルを形成し、送風機により吸込口から吸い込まれた浴室の空気は、第1熱交換器、第2熱交換器、第3熱交換器および第4熱交換器をこの順に通過した後に吹出口から浴室へ吹き出され、浴室の湿度をH、所定の湿度をH0a、浴室の温度をT、所定の温度をT0a、とすると、制御部は、送風機をONにした後に「H>H0a」且つ「T>T0a」を満たす場合、「第1熱交換器:熱」且つ「第2熱交換器:冷」且つ「第3熱交換器:冷」且つ「第4熱交換器:冷」となるように制御することを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、浴室内を快適な温度に保ちつつ除湿運転可能な浴室除湿機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の浴室除湿機を建物内に設置する一例を概略的に示す模式図
図2】同浴室除湿機の構成と浴室除湿機の運転時の気流を概略的に示す模式図
図3】同浴室除湿機の低温時などにおける運転を示すフローチャート
図4】同浴室除湿機の高温多湿時などにおける運転を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0010】
また、第一、第二などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、浴室除湿機1の構成と浴室除湿機1の運転における気流Aを概略的に示す模式図である。
【0012】
図2は、浴室除湿機1の構成と浴室除湿機の気流Bを概略的に示す模式図である。
【0013】
気流Aおよび気流Bにより、浴室101内の空気が循環する。
【0014】
図1に示すように浴室除湿機1は、浴室101の空気の除湿を行う。
【0015】
図2に示すように、浴室除湿機1は、筐体2と、送風機3と、熱交換器4と、制御部5とを備える。
【0016】
筐体2は、吸込口6および吹出口7を有する。
【0017】
送風機3は、モータ3aおよび羽根車3bを含む。
【0018】
熱交換器4は、第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4c、第4熱交換器4dを含む。
【0019】
第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4c、第4熱交換器4dは、冷凍サイクル40を構成する部材のひとつである。
【0020】
なお、冷凍サイクル40は、熱交換器4に加えて、ほかにも圧縮機10や膨張弁11、四方弁12などの部材によって構成される。圧縮機10は、冷媒を圧縮するほか、冷媒の流れを生成するものである。膨張弁11は、冷媒の密度を下げ、気体を膨張させるものである。四方弁12は冷媒の流れを切り替えるものである。
【0021】
膨張弁11は、膨張弁11a、膨張弁11b、膨張弁11cを含む。
【0022】
風向ガイド13は、吹出口7から吹き出される気流Bの向きを変更する。
【0023】
ドレンパン14は、熱交換器4によって結露した水を受け止める。
【0024】
フィルタ15は、吸込口6から筐体2内に吸い込まれる浴室101の空気をフィルタリングする。
【0025】
筐体2は、略箱形状であり、浴室除湿機1を構成する他の部材を格納する。
【0026】
湿度センサ9は、例えば、吸込口6近傍に設けられており、浴室101内空気の湿度を検知可能なセンサである。
【0027】
温度センサ8は、例えば、吸込口6近傍に設けられており、浴室101内空気の温度を検知可能なセンサである。
【0028】
温度センサ8と湿度センサ9は、検知した温度及び湿度の情報を含む信号を制御部5へ送信する。
【0029】
制御部5は、浴室除湿機1の各種運転種別に基づく動作制御を、温度センサ8と湿度センサ9から送信された情報により実行する。
【0030】
制御部5は、送風機3だけでなく、冷凍サイクル40を構成する部材などと電気的に通信可能に接続し、浴室除湿機1を統括的に制御する。各種運転は、温度センサ8と湿度センサ9から送信された情報に基づき、制御部5によって開始される。
【0031】
以上が、浴室除湿機1の構成である。
【0032】
次に、図3から図4を参照して、浴室除湿機1の運転モードの詳細な動作について説明する。
【0033】
図3は、制御部5が除湿モードを起動させてから停止させるまでの制御フローを示す図である。
【0034】
図3に示すように、除湿モード時において、制御部5は、湿度センサ9が検知した浴室101の湿度Hの情報を受信する。制御部5は浴室101内の湿度Hが所定湿度H0a以下であることを検知した際は冷凍サイクル40を起動せず、送風機3の動作による気流が生成される。
【0035】
なお、H0aは例えば50%(30~70%)である。
【0036】
制御部5は所定時間ごとに湿度を検知し、再度判定を行う。例えば、所定時間は5分(1~15分)である。
【0037】
このように、湿度が低い場合は送風機3の運転のみとなる。この運転によって、無駄なエネルギーを省きつつ、乾燥対象(衣類、浴室壁面等)を乾燥させることが可能となる。
【0038】
その後、制御部5は、浴室101内の湿度Hが所定湿度H0bを超えたことを検知した際は冷凍サイクル40を制御する。
【0039】
制御部5は、膨張弁11a、膨張弁11b、膨張弁11cをリセットして全開放したのち、膨張弁11bを制御する。
【0040】
その後、制御部5は、四方弁12と圧縮機10を起動し、第1熱交換器4aは蒸発器、第2熱交換器4bは蒸発器、第3熱交換器4cは凝縮器、第4熱交換器4dは凝縮器となるように制御される。すなわち、第1熱交換器4aは冷たい状態、第2熱交換器4bは冷たい状態、第3熱交換器4cは熱い状態、第4熱交換器4dは熱い状態となる。なお、H0bは例えば80%(50~90%)である。H0b>H0aとなっているのは、例えば、浴室101で洗濯物を乾かす場合を想定しているからである。
【0041】
気流Bは、フィルタ15、吸込口6、第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4c、第4熱交換器4d、送風機3、を順に通過して吹出口7へ至る空気の流れである。
【0042】
気流Bは、第1熱交換器4aと、第2熱交換器4bを通過する際に冷凍サイクル40の凝縮工程によって、冷媒に熱エネルギーを奪われる。つまり、第1熱交換器4aと、第2熱交換器4bを通過した後の空気は第1熱交換器4aと、第2熱交換器4bを通過する前の気流Bの空気の温度に比べて低くなる。
【0043】
空気の温度が下がったことで、気流Bの空気は除湿される。第3熱交換器4cと第4熱交換器4dを通過する際に再度加熱され、吹出口7から乾燥した空気が吹き出し、浴室101内の乾燥対象を乾燥させる。なお、乾燥対象とは例えば洗濯した衣類や浴室使用後に濡れた浴室壁面、床面、天井面などを指す。
【0044】
温度センサ8は浴室101内の温度Tを検知する。冷凍サイクル40を上記構成で動作させ続けることで、浴室101内の温度は上昇し、湿度は減少する。
【0045】
制御部5は、浴室101内の温度Tが所定温度T2以上かつ、浴室101内の湿度Hが所定湿度以下H2であることを検知した際、所定時間運転を継続した後、冷凍サイクル40および送風機3を停止させて、運転を終了する。例えば、T2は30℃(25~40℃)、H2は30%(25~50%)、所定時間は30分(5~120分)である。
【0046】
これによって、浴室101内の温度が上昇し過ぎることなく、快適な浴室空間を提供することができる。また、タイマー運転と違い乾燥状態を温度と湿度によって判断するため、無駄な運転を避けることができる。このため、さらに省エネルギーである運転ができるという効果を奏する。
【0047】
図4は、浴室101内の湿度Hが所定湿度H0aを超えた場合における運転を示すフローチャートである。すなわち、図3におけるX1にフローが進むと、図4におけるX1からフローが進むことになる。
【0048】
図4に示すように、制御部5は、浴室101内の温度Tが所定温度T0aを超えたことを検知した際、冷凍サイクル40を起動する準備に入る。
【0049】
制御部5は、膨張弁11a、膨張弁11b、膨張弁11cをリセットして全開放したのち、膨張弁11aを制御する。
【0050】
制御部5は、圧縮機10を起動し、第1熱交換器4aは凝縮器、第2熱交換器4bは蒸発器、第3熱交換器4cは蒸発器、第4熱交換器4dは蒸発器となるように制御される。すなわち、第1熱交換器4aは熱い状態、第2熱交換器4bは冷たい状態、第3熱交換器4cは冷たい状態、第4熱交換器4dは冷たい状態となる。
【0051】
なお、T0aは、例えば27℃(25~40℃)である。
【0052】
気流Bは、第1熱交換器4aを通過する際に冷凍サイクル40の凝縮工程によって、冷媒から熱エネルギーを受け取る。つまり、第1熱交換器4aを通過した後の空気は第1熱交換器4aを通過する前の気流Bの空気の温度に比べて高くなる。
【0053】
気流Bの空気は、第2熱交換器4bと第3熱交換器4cと第4熱交換器4dを通過する際に冷却される。そして、空気の温度が下がることで、気流Bの空気は除湿される。吹出
口7から乾燥した空気が吹き出し、上記乾燥対象を乾燥させる。
【0054】
冷凍サイクル40を上記構成で動作させ続けることで、浴室101内の温度は下がり、浴室101内の湿度は減少する。
【0055】
制御部5は浴室101内の温度Tが所定温度T1以下かつ、浴室101内の湿度Hが所定湿度H1以下であることを検知した際、所定時間運転を継続した後、冷凍サイクル40および送風機3を停止させて、運転を終了する。例えば、T1は24℃(20~26℃)、H1は50%(30~70%)所定時間は30分(5~120分)である。
【0056】
T1<T0aとしているのは、浴室101の温度が下がることに対応するためである。
【0057】
なお、図4において、X1のフローの後で、温度Tが所定温度T0a以下であることを制御部5が検知した際、図3におけるX2のフローに進むことになる。その後のフローは、図3において説明した内容と同様である。
【0058】
T1<T2、H2≦H1としているのは、低い温度で単位体積当たりの空気中に含まれる水分量と、高い温度で単位体積当たりの空気中に含まれる水分量とのバランスを考慮して設定しているためである。
【0059】
以下、本実施の形態について、補足する。
【0060】
本発明の一態様に係る浴室除湿機1は、筐体2と、送風機3と、第1熱交換器4aと、第2熱交換器4bと、第3熱交換器4cと、第4熱交換器4dと、制御部5と、を備えた浴室除湿機1であって、筐体2は吸込口6と吹出口7とを有し、送風機3は筐体2の中に設けられ、第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4cおよび第4熱交換器4dによって1つの冷凍サイクル40を形成し、送風機3により吸込口6から吸い込まれた浴室101の空気は、第1熱交換器4a、第2熱交換器4b、第3熱交換器4cおよび第4熱交換器4dをこの順に通過した後に吹出口7から浴室101へ吹き出され、浴室101の湿度をH、所定の湿度をH0a、浴室101の温度をT、所定の温度をT0a、とすると、制御部5は、送風機3をONにした後に「H>H0a」且つ「T>T0a」を満たす場合、「第1熱交換器4a:熱」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:冷」且つ「第4熱交換器4d:冷」となるように制御するという特徴を有する。
【0061】
この構成によれば、高温多湿時などにおいて浴室101に弱冷房風が吹き出すことによって、浴室101の湿度だけでなく、温度も下げることができるので、浴室101を快適な空間にできるという効果を奏する。このため、浴室除湿機1は、どのような温度状態からでも快適な温度を保ちつつ除湿運転を行うことが可能となる。
【0062】
また、所定の湿度をH1、所定の温度をT1とすると、制御部5は、「第1熱交換器4a:熱」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:冷」且つ「第4熱交換器4d:冷」になった後に「T≦T1」且つ「H≦H1」となった場合、送風機3および冷凍サイクル40をOFFにするという構成にしてもよい。
【0063】
これによって浴室101内の温度が下がりすぎることを抑制できる。このため、快適な浴室空間を提供できるという効果を奏する。
【0064】
また、所定の湿度をH0bとすると、制御部5は、送風機3をONにした後に「H≦H0a」を満たす場合、所定時間経過後に「H>H0b」となった後に、「第1熱交換器4a:冷」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:熱」且つ「第4熱交換
器4d:熱」となるように制御するという構成にしてもよい。
【0065】
これによって、浴室101内を除湿することができる。
【0066】
また、所定の湿度をH2、所定の温度をT2とすると、制御部5は、「第1熱交換器4a:冷」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:熱」且つ「第4熱交換器4d:熱」になった後に「T>T2」且つ「H≦H2」となった場合、送風機3および冷凍サイクル40をOFFにするという構成にしてもよい。
【0067】
これは、タイマー運転と違い乾燥状態を温度と湿度によって判断する運転である。このため、無駄な運転を避けることができ、より省エネルギーな運転ができるという効果を奏する。
【0068】
また、制御部5は、送風機3をONにした後に「H>H0a」且つ「T≦T0a」を満たす場合、「第1熱交換器4a:冷」且つ「第2熱交換器4b:冷」且つ「第3熱交換器4c:熱」且つ「第4熱交換器4d:熱」となるように制御するという構成にしてもよい。
【0069】
これによって、浴室101内を除湿することができる。
【0070】
なお、温度センサ8と、湿度センサ9は、筐体2の外に設けられていても良い。
【0071】
また、本発明の冷凍サイクル40は4つの熱交換器によって構成されるものとしたが、これに限らない。例えば、第1熱交換器4aは2列以上のコイルとしてもよい。その場合、第2熱交換器4b、第3熱交換器4c、第4熱交換器4dの幅がトータルで第1熱交換器4aの幅よりも大きくした場合、本開示の効果を得ることができる。すなわち、第1熱交換器4aは複数の熱交換器を含んだものと考えてもよい。この場合、空気が第1熱交換器4aを通過する領域よりも、空気が第2熱交換器4b、第3熱交換器4cおよび第4熱交換器4dを通過する領域の方がトータルで大きいこととなる。
【0072】
以上、実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施の形態の」「実施の形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る浴室除湿機は、快適な浴室空間を得ることを可能とするものであるので、浴室に使用される除湿機等として有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 浴室除湿機
2 筐体
3 送風機
3a モータ
3b 羽根車
4 熱交換器
4a 第1熱交換器
4b 第2熱交換器
4c 第3熱交換器
4d 第4熱交換器
5 制御部
6 吸込口
7 吹出口
8 温度センサ
9 湿度センサ
10 圧縮機
11 膨張弁
11a 膨張弁
11b 膨張弁
11c 膨張弁
12 四方弁
13 風向ガイド
14 ドレンパン
15 フィルタ
40 冷凍サイクル
101 浴室
A 気流
B 気流
図1
図2
図3
図4