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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129253
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】口腔内清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20240919BHJP
   A46B 5/00 20060101ALI20240919BHJP
   A46B 9/10 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
A61C17/00 T
A46B5/00 B
A46B9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038337
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(72)【発明者】
【氏名】土井 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真穂
(72)【発明者】
【氏名】石部 隼平
(72)【発明者】
【氏名】井手 純一
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA01
3B202CA02
3B202CB02
(57)【要約】
【課題】例えば、開口障害を持つ患者等の口腔内を適切に清掃可能な口腔内清掃用具を提供する。
【解決手段】第1柄部2と、第1柄部2の長手方向一側部分に設けられた第1把持部4と、第1柄部2の長手方向他側部分に設けられた第1清掃部8と、を有する口腔内清掃用具1は、第1清掃部8が、第1形態と、第1柄部2の長手方向に直交する方向の寸法が第1形態よりも大きい第2形態と、を切り替え可能に構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部と、
前記柄部の長手方向一側部分に設けられた把持部と、
前記柄部の長手方向他側部分に設けられた清掃部と、
を有する口腔内清掃用具であって、
前記清掃部は、第1形態と、前記柄部の長手方向に直交する方向の寸法が前記第1形態よりも大きい第2形態と、を切り替え可能に構成されていることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項2】
請求項1に記載の口腔内清掃用具において、
前記清掃部は、前記第2形態における前記直交する方向の寸法が前記把持部よりも大きいことを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記第1形態の状態と、前記第2形態の状態とを保持可能な保持手段を備えていることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
口腔内に前記口腔内清掃用具が挿入される場合及び前記口腔内から前記口腔内清掃用具が取り出される場合は、前記清掃部が前記第1形態とされ、
前記口腔内清掃用具を用いて前記口腔内が清掃される場合は、前記清掃部が前記第2形態とされることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記清掃部は、前記柄部の全周に設けられていることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記柄部の長手方向他側部分に設けられた大径部と、
前記大径部の長手方向一側に配設され、かつ、前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第1筒状部材と、を備え、
前記清掃部は、前記長手方向において前記大径部と前記第1筒状部材との間に配設された第1清掃部を備え、
前記第2形態は、前記大径部と前記第1筒状部材との間隙を前記第1形態よりも小さい状態とすることにより、前記第1清掃部を前記柄部の外側に向けて変形させるようになっていることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項7】
請求項6に記載の口腔内清掃用具において、
前記第1清掃部は、糸状をなし、かつ、一端が前記大径部に固定されるとともに、他端が前記第1筒状部材に固定されており、
前記第2形態は、前記第1清掃部における前記大径部及び前記第1筒状部材に固定されていない部分が前記柄部の外側に凸となるように湾曲していることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記清掃部は、膨張可能な柔軟材で構成された第2清掃部を備え、
前記第2形態は、前記第2清掃部が前記第1形態よりも膨張度合が大きい状態であることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項9】
請求項8に記載の口腔内清掃用具において、
前記第1形態は、前記清掃部内に所定量の流体が供給されている状態であることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第2筒状部材を備え、
前記清掃部は、その長手方向一端部が前記柄部に固定される一方、長手方向他端部が前記柄部に非固定とされ、かつ、弾性変形が可能な第3清掃部を備え、
前記第1形態は、前記第2筒状部材が前記柄部の長手方向他側に位置することで、該第2筒状部材の内部に前記第3清掃部が収容されており、
前記第2形態は、前記第2筒状部材が前記柄部の長手方向一側に位置することで、該第2筒状部材の外部に前記第3清掃部が露出しており、かつ、前記第3清掃部の前記長手方向他端部が前記長手方向一端部よりも前記柄部の外側に位置していることを特徴とする口腔内清掃用具。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の口腔内清掃用具において、
前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第3筒状部材を備え、
前記清掃部は、その長手方向他端部が前記柄部に対して傾動可能に支持された第4清掃部を備え、
前記第1形態は、前記第4清掃部の長手方向が前記柄部の長手方向に沿って延びる姿勢となっており、
前記第2形態は、前記第1形態よりも前記柄部の長手方向他側に位置する前記第3筒状部材により押圧されることで、前記第4清掃部がその長手方向が前記直交する方向に沿って延びる姿勢となっていることを特徴とする口腔内清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、開口障害者等の口腔内清掃に用いることが可能な口腔内清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、口腔内を清掃するものとして歯ブラシが知られている。例えば、特許文献1に開示されている歯ブラシは、柄部の長手方向一側部分に設けられた把持部と、柄部の長手方向他側部分に設けられた清掃部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7204155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、下顎がん等により腫瘍性疾患を患った患者の場合、開口筋の機能不全に陥ることで、口を大きく開けることができない、つまり、開口障害を引き起こすことがある。開口障害が起きてしまうと、特許文献1の如き歯ブラシの清掃部を口腔内に挿入するのが困難となるので、口腔内を適切に清掃できないおそれがある。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、開口障害を持つ患者等の口腔内を適切に清掃可能な口腔内清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、清掃部の大きさを変更可能にしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、柄部と、前記柄部の長手方向一側部分に設けられた把持部と、前記柄部の長手方向他側部分に設けられた清掃部と、を有する口腔内清掃用具を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、第1の発明では、前記清掃部は、第1形態と、前記柄部の長手方向に直交する方向の寸法が前記第1形態よりも大きい第2形態と、を切り替え可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、前記清掃部は、前記第2形態における前記直交する方向の寸法が前記把持部よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記第1形態の状態と、前記第2形態の状態とを保持可能な保持手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
第4の発明では、第1又は第2の発明において、口腔内に前記口腔内清掃用具が挿入される場合及び前記口腔内から前記口腔内清掃用具が取り出される場合は、前記清掃部が前記第1形態とされ、前記口腔内清掃用具を用いて前記口腔内が清掃される場合は、前記清掃部が前記第2形態とされることを特徴とする。
【0012】
第5の発明では、第1又は第2の発明において、前記清掃部は、前記柄部の全周に設けられていることを特徴とする。
【0013】
第6の発明では、第1又は第2の発明において、前記柄部の長手方向他側部分に設けられた大径部と、前記大径部の長手方向一側に配設され、かつ、前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第1筒状部材と、を備え、前記清掃部は、前記長手方向において前記大径部と前記第1筒状部材との間に配設された第1清掃部を備え、前記第2形態は、前記大径部と前記第1筒状部材との間隙を前記第1形態よりも小さい状態とすることにより、前記第1清掃部を前記柄部の外側に向けて変形させるようになっていることを特徴とする。
【0014】
第7の発明では、第6の発明において、前記第1清掃部は、糸状をなし、かつ、一端が前記大径部に固定されるとともに、他端が前記第1筒状部材に固定されており、前記第2形態は、前記第1清掃部における前記大径部及び前記第1筒状部材に固定されていない部分が前記柄部の外側に凸となるように湾曲していることを特徴とする。
【0015】
第8の発明では、第1又は第2の発明において、前記清掃部は、膨張可能な柔軟材で構成された第2清掃部を備え、前記第2形態は、前記第2清掃部が前記第1形態よりも膨張度合が大きい状態であることを特徴とする。
【0016】
第9の発明では、第8の発明において、前記第1形態は、前記清掃部内に所定量の流体が供給されている状態であることを特徴とする。
【0017】
第10の発明では、第1又は第2の発明において、前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第2筒状部材を備え、前記清掃部は、その長手方向一端部が前記柄部に固定される一方、長手方向他端部が前記柄部に非固定とされ、かつ、弾性変形が可能な第3清掃部を備え、前記第1形態は、前記第2筒状部材が前記柄部の長手方向他側に位置することで、該第2筒状部材の内部に前記第3清掃部が収容されており、前記第2形態は、前記第2筒状部材が前記柄部の長手方向一側に位置することで、該第2筒状部材の外部に前記第3清掃部が露出しており、かつ、前記第3清掃部の前記長手方向他端部が前記長手方向一端部よりも前記柄部の外側に位置していることを特徴とする。
【0018】
第11の発明では、第1又は第2の発明において、前記柄部が挿通されるとともに、前記柄部に対して前記長手方向に相対移動可能な第3筒状部材を備え、前記清掃部は、その長手方向他端部が前記柄部に対して傾動可能に支持された第4清掃部を備え、前記第1形態は、前記第4清掃部の長手方向が前記柄部の長手方向に沿って延びる姿勢となっており、前記第2形態は、前記第1形態よりも前記柄部の長手方向他側に位置する前記第3筒状部材により押圧されることで、前記第4清掃部がその長手方向が前記直交する方向に沿って延びる姿勢となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明では、第1形態の場合、清掃部における柄部の長手方向に直交する方向の寸法が比較的小さくなっているので、例えば、開口障害を持つ患者等であっても容易に口腔内に清掃部を挿入することが可能となる。また、口腔内に清掃部を挿入した後、第1形態から第2形態に切り替えて、該第2形態において口腔内を清掃することが可能となる。該第2形態では、清掃部の前記直交する方向の寸法が比較的大きくなっているので、口腔内を清掃する際において歯に接触している清掃部の面積が特許文献1の如き歯ブラシよりも大きくなる。これにより、特許文献1の如き歯ブラシに比べて短時間で口腔内の清掃を行うことができる。
【0020】
第2の発明では、第2形態の場合、清掃部における上記直交する方向の寸法が柄部よりも大きくなっているので、口腔内を清掃する際において歯に接触している清掃部の面積を確保することができる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。
【0021】
第3の発明では、保持手段により清掃部が第1形態の状態に保持されるようになるので、例えば、開口障害を持つ患者等の口に清掃部を挿入する際に清掃部が誤って第1形態から第2形態に切り替わってしまうのを抑制することができる。これにより、例えば、誤って上記患者の口が清掃部により広げられてしまう事態が発生するのを抑えることができる。また、保持手段により清掃部が第2形態の状態に保持されるようになるので、例えば、開口障害を持つ患者等の口を清掃する際に清掃部が誤って第2形態から第1形態に切り替わってしまうのを抑制することができる。これにより、例えば、上記患者の口腔内を清掃する時間が長くなってしまうのを抑えることできる。
【0022】
第4の発明では、口腔内に前記口腔内清掃用具が挿入される場合及び口腔内から口腔内清掃用具が取り出される場合は、清掃部が第1形態とされるようになる。これにより、清掃部における上記直交する方向の寸法が、例えば、開口障害を持つ患者等が開いている口の直径よりも小さくなり易くなるので、口腔内への清掃部の挿入及び口腔内からの清掃部の取り出しを容易に行うことができる。また、口腔内清掃用具を用いて口腔内が清掃される場合は、清掃部が第2形態とされるようになる。これにより、清掃部における上記直交する方向の寸法が、第1形態よりも大きくなっているので、清掃部と口腔内の歯とが接触する面積が大きくなる。したがって、口腔内を短時間で清掃することができる。
【0023】
第5の発明では、例えば、医師等が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さく、医師等が口腔内を充分に視認できない場合であっても、清掃部が柄部の全周に設けられているので、清掃部を上記患者等の歯を容易に接触させることが可能となる。これにより、例えば、特許文献1の如き清掃部が柄部の一部分に設けられている場合に比べて清掃部を確実に上記患者等の歯に接触させることができる。したがって、例えば、清掃部が歯に接触していない状態が発生するのを抑えることが可能となるので、短時間で口腔内を清掃することができる。
【0024】
第6の発明では、大径部と第1筒状部材との間隙が第1形態よりも小さい第2形態とされると、第1清掃部が柄部の外側に向けて変形し、該第1清掃部の上記直交する方向の寸法が大きくなる。これにより、第2形態において口腔内を清掃する際に第1清掃部が接触する歯の面積が第1形態の場合よりも大きくなるので、上記清掃を短時間で行うことができる。
【0025】
第7の発明では、第2形態の場合、糸状をなす第1清掃部が柄部の外側に凸となるように湾曲するようになる。これにより、第1清掃部を歯間や歯と歯肉との間に入れて清掃し易くなるので、歯間や歯と歯肉との間の清掃に時間がかかってしまうのを防ぐことができる。
【0026】
第8の発明では、第2形態の場合、第1形態よりも第2清掃部が膨張しているので、該第2清掃部が接触する歯の面積が第1形態の場合よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。
【0027】
第9の発明では、第1形態において第2清掃部内に所定量の流体が供給されているので、第2清掃部内に所定量の流体が供給されていない場合よりも第2清掃部が変形し難くなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、口腔内に容易に第2清掃部を挿入することが可能となる。したがって、第2清掃部を口腔内に挿入する際、第2清掃部が患者等の口にひっかかることで、第2清掃部の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【0028】
第10の発明では、第2形態の場合、第3清掃部が第2筒状部材の外部に露出しているとともに、その長手方向他端部が長手方向一端部よりも柄部の外側に位置しているので、第3清掃部における長手方向他端部が接触する面積が第1形態よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。また、第1形態の場合、第3清掃部が第2筒状部材の内部に収容されることで、該第3清掃部の上記直交する方向の寸法が第2形態よりも小さくなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、第1形態とすることで、第3清掃部を口腔内に入れ易くなる。したがって、第3清掃部を口腔内に挿入する際、第3清掃部が患者等の口にひっかかることで、第3清掃部の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【0029】
第11の発明では、第2形態の場合、第4清掃部はその長手方向が前記直交する方向に沿って延びる姿勢とされる、つまり、第4清掃部の前記直交する方向の寸法が第1形態よりも大きくなるので、第4清掃部の長手方向一端部が歯と接触する面積が第1形態の場合よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。また、第1形態の場合、第4清掃部はその長手方向が柄部の長手方向に沿って延びる姿勢とされるので、第4清掃部の前記直交する方向の寸法が第2形態よりも小さくなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、第1形態とすることで、第4清掃部を口腔内に入れ易くなる。したがって、第4清掃部を口腔内に挿入する際、第4清掃部が患者等の口にひっかかることで、第4清掃部の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態に係る口腔内清掃用具の第1形態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る口腔内清掃用具における第1筒状部材及び第1清掃部を省略した状態を示す斜視図である。
図3図1のIII-III線における断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る口腔内清掃用具の第2形態を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る口腔内清掃用具の第1形態を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る口腔内清掃用具の第2形態を示す斜視図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る口腔内清掃用具の第1形態を示す斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る口腔内清掃用具の第2形態を示す斜視図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る口腔内清掃用具の第1形態を示す斜視図である。
図10】本発明の第4実施形態に係る口腔内清掃用具の第2形態を示す斜視図である。
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0032】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る口腔内清掃用具1を示す。該口腔内清掃用具1は、略円柱状をなす第1柄部2と、該第1柄部2が挿通された第1筒状部材3とを備えている。以下の実施形態における「基端側」は、特許請求範囲における「柄部の長手方向一側」に対応する。また、以下の実施形態における「先端側」は、特許請求の範囲における「長手方向他側」に対応する。また、以下の実施形態における「径方向」が、特許請求の範囲における「柄部の長手方向に直交する方向」に対応する。
【0033】
第1柄部2の基端側の部分には、口腔内清掃用具1の使用者が把持可能な第1把持部4が設けられている。
【0034】
該第1把持部4の外周面には、図2に示すように、第1柄部2の内側に凹となる凹部5が設けられている。該凹部5は、第1柄部2の長手方向に沿って連続して設けられた連絡凹部5aと、周方向に沿って連続して設けられるとともに、その一端が連絡凹部5aと連絡された複数の保持凹部5bとが設けられている。各保持凹部5bは、第1柄部2の長手方向に沿って互いに所定の間隔を空けられており、連絡凹部5aを介して各保持凹部5bが連絡されるようになっている。本実施形態では、保持凹部5bは、第1保持凹部5c、第2保持凹部5d、第3保持凹部5e及び第4保持凹部5fが設けられている。第1保持凹部5c、第2保持凹部5d、第3保持凹部5e及び第4保持凹部5fは、第1柄部2の先端側から基端側に向けて順に設けられている。
【0035】
また、第1柄部2の先端側の部分には、その基端側の部分よりも径方向寸法が大きい大径部6が設けられている。
【0036】
第1筒状部材3は、大径部6の基端側であって、第1柄部2の長手方向において大径部6と所定間隔を空けた位置に配設されている。また、第1筒状部材3の内周面と第1柄部2の外周面との径方向間には所定の間隙が設けられていることで、第1筒状部材3が第1柄部2に対して長手方向及び周方向に相対移動が可能となっている。
【0037】
また、第1筒状部材3の内面における基端側の部分には、図3に示すように、径方向内側に向けて突出する突起部7が設けられている。該突起部7は、連絡凹部5a及び保持凹部5bに嵌入することが可能となっている。また、第1筒状部材3を第1柄部2に対して相対回転させると、突起部7が連絡凹部5aに嵌入している非保持状態と、突起部7が保持凹部5bと嵌入している保持状態と、に切り替えることが可能となっている。非保持状態は、突起部7が連絡凹部5a内を長手方向に移動可能な状態、つまり、第1柄部2に対して第1筒状部材3を長手方向に相対移動することが可能な状態である。一方、保持状態は、第1柄部2に対して第1筒状部材3を周方向に相対移動が可能である一方、突起部7が周方向に延びる保持凹部5bに嵌入しているため、第1柄部2に対して第1筒状部材3を長手方向に相対移動するのが規制された状態である。本実施形態では、第1筒状部材3の突起部7が嵌入可能な保持凹部5bが4つ設けられているため、第1柄部2に対する第1筒状部材3の長手方向位置を4段階に変更可能であるとともに、突起部7と保持凹部5bとの嵌合により各段階の状態を保持することが可能となっている。
【0038】
第1柄部2の先端側の部分には、第1清掃部8が設けられている。該第1清掃部8は、第1柄部2の長手方向において第1筒状部材3と大径部6との間に配設され、かつ、糸状をなす糸状部材9を複数備えている。複数の糸状部材9は、周方向に沿って並設されている。つまり、糸状部材9(第1清掃部8)は、第1柄部2の全周に設けられている。また、糸状部材9は、その一端が第1筒状部材3に固定されているとともに、他端が大径部6に固定されている。本実施形態では、糸状部材9は、弾性変形可能な材料(例えば、ナイロン、ポリエステル等)で構成されている。
【0039】
第1実施形態では、第1清掃部8が第1柄部2の長手方向に延びる状態の第1形態(図1参照)と、第1清掃部8が第1柄部2の径方向外側に凸となるように湾曲した状態の第2形態(図4参照)とを切り替え可能となっており、該第2形態は、第1形態よりも第1清掃部8の径方向寸法が大きくなっている。
【0040】
次に、第1実施形態に係る口腔内清掃用具1の使用方法について説明する。
【0041】
まず、使用者は、第1清掃部8を図1に示す第1形態にセットする。該第1形態では、第1筒状部材3の突起部7が第2保持凹部5dに嵌入していることで、第1筒状部材3が第1柄部2に対して長手方向の相対移動が規制されている(図3参照)。換言すると、第1柄部2に対する第1筒状部材3の長手方向位置が保持されている。第1形態では、図1に示すように、第1清掃部8の各糸状部材9が第1柄部2の長手方向に沿って延びている。
【0042】
次に、使用者は、第1清掃部8が第1形態にセットされた状態の口腔内清掃用具1を先端側から患者の口腔内に挿入する。この際、第1清掃部8の径方向寸法が大径部6よりも小さい、つまり、第2形態の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、例えば、口腔内清掃用具1を口腔内に挿入する際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0043】
ここで、一般的な開口障害を持つ患者は、口を2cm程度空けることが可能である。しかし、患者の開口障害の程度によっては、口を2cm程度空けるのが困難、或いは、口を2cm程度空けている状態を維持するのが困難な場合がある。したがって、患者の開口負担を軽減する観点から第1形態における口腔内清掃用具1の径方向寸法を1.5cm未満とするのが好ましい。なお、本実施形態では、第1形態における第1清掃部8の径方向寸法が1.5cm未満に設定されている。
【0044】
その後、使用者は、第1清掃部8を第1形態(図1参照)から第2形態(図4参照)に切り替える。換言すると、第1筒状部材3の突起部7が第2保持凹部5dと嵌合している状態(第1形態)から上記突起部7が第1保持凹部5cと嵌合している状態(第2形態)に切り替える。
【0045】
上記切り替えについて詳細に説明すると、突起部7が第2保持凹部5dに嵌合している状態(第1形態)において、第1筒状部材3を第1柄部2に対して一側に相対回転させる。これにより、突起部7が第2保持凹部5dに嵌入している状態から連絡凹部5aに嵌入している状態となる。次に、第1筒状部材3を第1柄部2に対して先端側に相対移動させた後、第1筒状部材3を第1柄部2に対して他側に相対回転させると、突起部7が第1保持凹部5cに嵌入している状態(第2形態)に切り替えられるようになる。該第2形態では、突起部7が第1保持凹部5cに嵌入しているので、第1筒状部材3を第1柄部2に対して長手方向に相対移動することが規制、つまり、第1柄部2に対する第1筒状部材3の長手方向位置が第2形態の状態で保持されるようになっている。
【0046】
第2形態では、図4に示すように、第1筒状部材3と大径部6との間隙を第1形態よりも小さい状態となっている。これにより、第1清掃部8が第1柄部2の外側に向けて変形する、より詳細には、糸状部材9(第1清掃部8)における第1筒状部材3と大径部6に固定されていない部分が第1柄部2の径方向外側に凸となるように湾曲するようになる。すると、第1清掃部8の径方向寸法が大径部6よりも大きい、つまり、第1形態よりも大きくなる。なお、本実施形態では、第2形態における第1清掃部8の径方向寸法が1.5cm以上に設定されている。
【0047】
また、第2形態では、例えば、第1清掃部8を上の歯と下の歯とを同時に接触させることが可能となるので、第1清掃部8と歯とが接触する面積を従来の歯ブラシと歯とが接触する面積に比べて大きくすることができる。したがって、使用者が、第2形態となっている第1清掃部8を、例えば、患者の上の歯と下の歯と接触した状態で前後方向に動かすことで、従来の歯ブラシに比べて短時間で口腔内を清掃することができる。また、口腔内の清掃を短時間で行われることで、開口障害を持つ患者が開口している時間を短くすることが可能となるので、該患者への負担を低減することができる。
【0048】
口腔内の清掃が終わると、使用者は、第1清掃部8を第2形態(図4参照)から第1形態(図1参照)に切り替える。換言すると、第1筒状部材3の突起部7が第1保持凹部5cに嵌入している状態(第2形態)から上記突起部7が第2保持凹部5dに嵌入している状態(第1形態)に切り替える。
【0049】
上記切り替えについて詳細に説明すると、突起部7が第1保持凹部5cに嵌入している状態(第2形態)において、第1筒状部材3を第1柄部2に対して一側に相対回転させる。これにより、突起部7が第1保持凹部5cと嵌入している状態から連絡凹部5aに嵌入している状態となる。次に、第1筒状部材3を第1柄部2に対して基端側に相対移動させた後、第1筒状部材3を第1柄部2に対して他側に相対回転させると、突起部7が第2保持凹部5dに嵌入している状態(第1形態)に切り替えられるようになる。該第1形態では、突起部7が第2保持凹部5dに嵌入しているので、第1筒状部材3を第1柄部2に対して長手方向に相対移動することが規制、つまり、第1柄部2に対する第1筒状部材3の長手方向位置が第1形態の状態で保持されるようになっている。
【0050】
次に、使用者は、第1清掃部8を第2形態から第1形態に切り替えた状態で、口腔内清掃用具1を口腔内から取り出す。この際、第1清掃部8の径方向寸法が大径部6よりも小さい、つまり、第2形態の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具1を口腔内から取り出す際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0051】
以上より、第1実施形態によれば、第1形態の場合、第1清掃部8における第1柄部2の径方向の寸法が比較的小さくなっているので、例えば、開口障害を持つ患者等であっても容易に口腔内に第1清掃部8を挿入することが可能となる。また、口腔内に第1清掃部8を挿入した後、第1形態から第2形態に切り替えて、該第2形態において口腔内を清掃することが可能となる。該第2形態では、第1清掃部8の径方向の寸法が比較的大きくなっているので、口腔内を清掃する際において歯に接触している第1清掃部8の面積が特許文献1の如き歯ブラシよりも大きくなる。これにより、特許文献1の如き歯ブラシに比べて短時間で口腔内の清掃を行うことができる。
【0052】
また、第2形態の場合、第1清掃部8における径方向の寸法が柄部よりも大きくなっているので、口腔内を清掃する際において歯に接触している第1清掃部8の面積を確保することができる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。
【0053】
また、凹部5及び突起部7により第1清掃部8が第1形態の状態に保持されるようになるので、例えば、開口障害を持つ患者等の口に第1清掃部8を挿入する際に第1清掃部8が誤って第1形態から第2形態に切り替わってしまうのを抑制することができる。これにより、例えば、誤って上記患者の口が第1清掃部8により広げられてしまう事態が発生するのを抑えることができる。また、凹部5及び突起部7により第1清掃部8が第2形態の状態に保持されるようになるので、例えば、開口障害を持つ患者等の口を清掃する際に第1清掃部8が誤って第2形態から第1形態に切り替わってしまうのを抑制することができる。これにより、例えば、上記患者の口腔内を清掃する時間が長くなってしまうのを抑えることできる。
【0054】
また、口腔内に口腔内清掃用具1が挿入される場合及び口腔内から口腔内清掃用具1が取り出される場合は、第1清掃部8が第1形態とされるようになる。これにより、第1清掃部8における径方向の寸法が、例えば、開口障害を持つ患者等が開いている口の直径よりも小さくなり易くなるので、口腔内への第1清掃部8の挿入及び口腔内からの第1清掃部8の取り出しを容易に行うことができる。また、口腔内清掃用具1を用いて口腔内が清掃される場合は、第1清掃部8が第2形態とされるようになる。これにより、第1清掃部8における径方向の寸法が、第1形態よりも大きくなっているので、清掃部と口腔内の歯とが接触する面積が大きくなる。したがって、口腔内を短時間で清掃することができる。
【0055】
また、例えば、医師等が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さく、医師等が口腔内を充分に視認できない場合であっても、第1清掃部8が第1柄部2の全周に設けられているので、第1清掃部8を上記患者等の歯を容易に接触させることが可能となる。これにより、例えば、特許文献1の如き清掃部が柄部の一部分に設けられている場合に比べて第1清掃部8を確実に上記患者等の歯に接触させることができる。したがって、例えば、第1清掃部8が歯に接触していない状態が発生するのを抑えることが可能となるので、短時間で口腔内を清掃することができる。
【0056】
また、大径部6と第1筒状部材3との間隙が第1形態よりも小さい第2形態とされると、糸状部材9(第1清掃部8)が第1柄部2の外側、つまり、径方向外側に向けて変形し、該第1清掃部8の径方向の寸法が大きくなる。これにより、第2形態において口腔内を清掃する際に第1清掃部8が接触する歯の面積が第1形態の場合よりも大きくなるので、上記清掃を短時間で行うことができる。
【0057】
また、第2形態の場合、糸状をなす糸状部材9(第1清掃部8)が第1柄部2の外側、つまり、径方向外側に凸となるように湾曲するようになる。これにより、糸状部材9(第1清掃部8)を歯間や歯と歯肉との間に入れて清掃し易くなるので、歯間や歯と歯肉との間の清掃に時間がかかってしまうのを防ぐことができる。
【0058】
なお、第1実施形態では、凹部5及び突起部7が備えられていたが、備えなくてもよい。
【0059】
また、第1実施形態では、糸状部材9が歯と接触することで、口腔内を清掃するようになっていたが、糸状部材9に図示しないブラシを備えることで、該ブラシを用いて口腔内を清掃するようにしてもよく、或いは、糸状部材9にその外周側から覆う図示しない筒状のカバーを取り付け、該カバーの外周面に図示しないブラシを備えることで、該ブラシを用いて口腔内を清掃するようにしてもよい。
【0060】
また、第1実施形態では、第1清掃部8は、糸状部材9が複数設けられていたが、糸状部材9が1つであってもよい。
【0061】
<第2実施形態>
次に、図5及び6を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
【0062】
図5及び6は、本発明の第2実施形態に係る口腔内清掃用具10を示す。該口腔内清掃用具10は、略円筒状をなす第2柄部11と、該第2柄部11の先端部分に設けられた第2清掃部12とを備えている。
【0063】
第2柄部11の基端側の部分には、口腔内清掃用具10の使用者が把持可能な第2把持部13が設けられている。
【0064】
第2柄部11には、その内部に長手方向に延びる内部通路部14が設けられている。該内部通路部14の基端側には、開口部15が設けられている。該開口部15には、例えば、図示しないシリンジの先端部分が取り付けられるようになっている。該シリンジには、図示しないプランジャが取り付けられ、該プランジャをストロークさせることで、シリンジ内の流体(例えば、水、空気など)を上記先端部分から出し入れ自在となっている。
【0065】
また、内部通路部14の先端側は、第2清掃部12の内部と接続されるようになっている。該第2清掃部12は、膨張可能な柔軟材(例えば、エラストマー、天然ゴムなど)で構成されており、第2清掃部12内に供給される流体に応じて膨張度合が変更されるようになっている。また、第2清掃部12の外面には、図示しないブラシ(例えば、ナイロン製、ポリエステル製等)が全周に設けられている。
【0066】
第2実施形態では、第2清掃部12の膨張度合が比較的小さい状態である第1形態(図5参照)と、第2清掃部12の膨張度合が比較的大きい、つまり、第1形態よりも膨張度合が大きい状態である第2形態(図6参照)と、を切り替え可能となっており、第2形態は、第1形態よりも第2清掃部12の径方向寸法が大きくなっている。なお、本実施形態では、第2清掃部12の径方向寸法が、第1形態では1.5cm未満に設定され、かつ、第2形態では1.5cm以上に設定されている。
【0067】
次に、第2実施形態に係る口腔内清掃用具10の使用方法について説明する。
【0068】
まず、使用者は、第2清掃部12を図5に示す第1形態にセットする。より詳細に説明すると、開口部15に図示しないシリンジの先端部分を取り付けた後、図示しないプランジャをストロークさせることで、開口部15及び内部通路部14を介してシリンジから第2清掃部12内に所定量の流体が供給する。これにより、第2清掃部12内が流体で満たされた状態(第1形態)となる。
【0069】
次に、使用者は、第2清掃部12が第1形態にセットされた状態の口腔内清掃用具10を先端側から患者の口腔内に挿入する。この際、第2清掃部12の径方向寸法が第2形態(図6参照)の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具10を口腔内に挿入する際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。また、第1形態において第2清掃部12内に所定量の流体が供給されているので、該第2清掃部12が変形し難くなっている。これにより、上記所定量の流体が供給されていない場合に比べて、第2清掃部12を患者の口の中に入れ易くなっている。
【0070】
その後、使用者は、第2清掃部12を第1形態(図5参照)から第2形態(図6参照)に切り替える。より詳細に説明すると、図示しないプランジャを用いてシリンジ(不図示)内の流体を第2清掃部12に供給することで、第2清掃部12を膨張させる。これにより、第2清掃部12が第1形態から第2形態に切り替えられる。
【0071】
第2形態では、例えば、第2清掃部12を上の歯と下の歯とを同時に接触させることが可能となるので、第2清掃部12と歯とが接触する面積を従来の歯ブラシと歯とが接触する面積に比べて大きくすることができる。したがって、使用者が、第2形態となっている第2清掃部12を、例えば、患者の上の歯と下の歯と接触した状態で前後方向に動かすことで、従来の歯ブラシに比べて短時間で口腔内を清掃することができる。また、口腔内の清掃を短時間で行われることで、開口障害を持つ患者が開口している時間を短くすることが可能となるので、該患者への負担を低減することができる。
【0072】
口腔内の清掃が終わると、使用者は、第2清掃部12を第2形態(図6参照)から第1形態(図5参照)に切り替える。より詳細に説明すると、図示しないプランジャを用いて第2清掃部12内の流体をシリンジ(不図示)に戻すことで、第2清掃部12を収縮させる。これにより、第2清掃部12が第2形態から第1形態に切り替えられる。
【0073】
次に、使用者は、第2清掃部12を第2形態から第1形態に切り替えた状態で、口腔内清掃用具10を口腔内から取り出す。この際、第2清掃部12の径方向寸法が第2形態の場合よりも小さいので、患者等が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具10を口腔内から取り出す際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0074】
以上より、第2実施形態によれば、第2形態の場合、第1形態よりも第2清掃部12が膨張しているので、該第2清掃部12が接触する歯の面積が第1形態の場合よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。
【0075】
また、第1形態において第2清掃部12内に所定量の流体が供給されているので、第2清掃部12内に所定量の流体が供給されていない場合よりも第2清掃部12が変形し難くなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、口腔内に容易に第2清掃部12を挿入することが可能となる。したがって、第2清掃部12を口腔内に挿入する際、第2清掃部12が患者等の口にひっかかることで、第2清掃部12の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【0076】
なお、第2実施形態では、第2清掃部12内に図示しないシリンジから流体が供給するとともに、第2清掃部12内からシリンジに流体が排出されるようになっていたが、シリンジに代えて、図示しないインフレーションデバイスを用いて第2清掃部12内に流体を供給するとともに、第2清掃部12内の流体をインフレーションデバイスに排出するようにしてもよい。また、インフレーションデバイスには、図示しないコック(例えば、三方活栓)が備えられている。該コックは、第2清掃部12内への流体の供給状態、つまり、第2清掃部12の膨張度合を第1形態の状態と、第2形態の状態とに保持する保持機構(保持手段)として機能するようになっている。
【0077】
また、第2実施形態では、第1形態の際、第2清掃部12は所定量の流体が供給されていたが、該流体の供給に代えて、或いは、上記流体の供給に加えて、第2清掃部12の形状を維持可能な部材(例えば、板状の部材)を第2清掃部12内に配設するようにしてもよい。
【0078】
<第3実施形態>
次に、図7及び8を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
【0079】
図7及び8は、本発明の第3実施形態に係る口腔内清掃用具20を示す。該口腔内清掃用具20は、略円柱状をなす第3柄部21と、第3柄部21が挿通された第2筒状部材22と、第3柄部21の先端部分に設けられた第3清掃部23(図8参照)と、を備えている。
【0080】
第3柄部21の基端側の部分には、口腔内清掃用具20の使用者が把持可能な第3把持部24が設けられている。
【0081】
第2筒状部材22の内周面と第3柄部21の外周面との径方向間には、所定の間隙が設けられている。これにより、第2筒状部材22が第3柄部21に対して長手方向に相対移動が可能となっている。
【0082】
第3清掃部23は、図8に示すように、図示しないブラシ(例えば、ナイロン製、ポリエステル製等)が設けられた複数のブラシ芯25を備えている。ブラシ芯25の各々は、略矩形板状をなしており、弾性変形が可能となっている。また、ブラシ芯25の各々は、その長手方向一端部が第3柄部21に固定される一方、長手方向他端部が第3柄部21に非固定とされている。さらに、ブラシ芯25の各々は、長手方向他端側に行くに従って径方向外側に位置する形状、つまり、径方向に開いた形状となっている。そして、ブラシ芯25に径方向外側から内側への外力が作用すると、径方向に開いた形状から径方向に閉じた形状に弾性変形する一方、上記外力が作用しなくなると、径方向に閉じた形状から径方向に開いた形状に戻るようになっている。
【0083】
複数のブラシ芯25は、周方向に沿って並設、つまり、第3柄部21の全周に設けられることで、図8に示すように、略傘状をなしている。本実施形態では、第3清掃部23は、略傘状をなす複数のブラシ芯25が2セット設けられ、該2セットの上記複数のブラシ芯25が長手方向に並設されている。
【0084】
第3実施形態では、第3清掃部23が第2筒状部材22の内部に収容された第1形態(図7参照)と、第3清掃部23が第2筒状部材22の外部に露出しており、かつ、その長手方向他端部が長手方向一端部よりも第3柄部21の径方向外側に位置している第2形態(図8参照)と、を切り替え可能となっており、第2形態は、第1形態よりも第3清掃部23の径方向寸法が大きくなっている。なお、本実施形態では、第3清掃部23の径方向寸法が、第1形態では1.5cm未満に設定され、かつ、第2形態では1.5cm以上に設定されている。
【0085】
次に、第3実施形態に係る口腔内清掃用具20の使用方法について説明する。
【0086】
まず、使用者は、第3清掃部23を図7に示す第1形態にセットする。より詳細に説明すると、第2筒状部材22を第3柄部21の先端側の位置とすることにより、第3清掃部23が第1形態にセットされるようになる。該第1形態では、第2筒状部材22が第3柄部21の先端側に位置することで、第2筒状部材22の内部に第3清掃部23が収容されるようになっている。
【0087】
次に、使用者は、第3清掃部23が第1形態にセットされた状態の口腔内清掃用具20を先端側から患者の口腔内に挿入する。この際、第3清掃部23の径方向寸法が第2形態(図8参照)の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具20を口腔内に挿入する際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0088】
その後、使用者は、第3清掃部23を第1形態(図7参照)から第2形態(図8参照)に切り替える。より詳細に説明すると、使用者が第2筒状部材22を第3柄部21に対して基端側に動かすことにより、第3清掃部23が第1形態に切り替えられるようになる。該第2形態では、第2筒状部材22が第3柄部21の基端側に位置することで、第2筒状部材22の外部に第3清掃部23が露出しており、かつ、第3清掃部23の長手方向他端部が長手方向一端部よりも第3柄部21の径方向外側に位置している。つまり、第2形態は、図8に示すように、略傘状をなす形状、つまり、各ブラシ芯25が径方向に開いた形状である。
【0089】
第2形態では、例えば、第3清掃部23を上の歯と下の歯とを同時に接触させることが可能となるので、第3清掃部23と歯とが接触する面積を従来の歯ブラシと歯とが接触する面積に比べて大きくすることができる。したがって、使用者が、第2形態となっている第3清掃部23を、例えば、患者の上の歯と下の歯と接触した状態で前後方向に動かすことで、従来の歯ブラシに比べて短時間で口腔内を清掃することができる。また、口腔内の清掃を短時間で行われることで、開口障害を持つ患者が開口している時間を短くすることが可能となるので、該患者への負担を低減することができる。
【0090】
口腔内の清掃が終わると、使用者は、第3清掃部23を第2形態(図8参照)から第1形態(図7参照)に切り替える。より詳細に説明すると、使用者が第2筒状部材22を第3柄部21に対して先端側に動かすことにより、第3清掃部23が第1形態に切り替えられるようになる。
【0091】
次に、使用者は、第3清掃部23を第2形態から第1形態に切り替えた状態で、口腔内清掃用具20を口腔内から取り出す。この際、第3清掃部23が第2筒状部材22に内部に収容されることで、その径方向寸法が第2形態の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具20を口腔内から取り出す際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0092】
以上より、第3実施形態によれば、第2形態の場合、第3清掃部23が第2筒状部材22の外部に露出しているとともに、その長手方向他端部が長手方向一端部よりも第3柄部21の外側、つまり、径方向外側に位置しているので、第3清掃部23における長手方向他端部が接触する面積が第1形態よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。また、第1形態の場合、第3清掃部23が第2筒状部材22の内部に収容されることで、該第3清掃部23の径方向の寸法が第2形態よりも小さくなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、第1形態とすることで、第3清掃部23を口腔内に入れ易くなる。したがって、第3清掃部23を口腔内に挿入する際、第3清掃部23が患者等の口にひっかかることで、第3清掃部23の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【0093】
なお、第3実施形態では、第3清掃部23は、略傘状をなす複数のブラシ芯25が2セット設けられていたが、上記複数のブラシ芯25を1セット、或いは、3セット以上設けてもよい。
【0094】
また、第3実施形態では、第3清掃部23は、ブラシ芯25が複数設けられていたが、ブラシ芯25が1つであってもよい。
【0095】
また、第3実施形態では、ブラシ芯25の各々は、略矩形板状で構成されていたが、略矩形板状以外の形状(略棒状、略コイル状)であってもよい。
【0096】
また、第3実施形態では、第3清掃部23が第1形態の状態と、第2形態の状態とを保持する保持部(保持手段)が備えられていなかったが、該保持部(保持手段)を備えるようにしてもよい。
【0097】
<第4実施形態>
次に、図9及び10を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。
【0098】
図9及び10は、本発明の第4実施形態に係る口腔内清掃用具30を示す。該口腔内清掃用具30は、略円柱状をなす第4柄部31と、第4柄部31が挿通された第3筒状部材32と、第4柄部31の先端部分に設けられた第4清掃部33と、を備えている。
【0099】
第4柄部31の基端側の部分には、口腔内清掃用具30の使用者が把持可能な第4把持部34が設けられている。
【0100】
第4柄部31の先端側の部分は、先端側に行くに従って径方向寸法が小さい、つまり、先細り形状となっている。
【0101】
第3筒状部材32は、その内周面と第4柄部31の外周面との径方向間には所定の間隙が設けられている。これにより、第3筒状部材32が第4柄部31に対して長手方向に相対移動が可能となっている。
【0102】
第4清掃部33は、弾性変形可能な複数のブラシ部35(例えば、ナイロン製、ポリエステル製等)を備えている。各ブラシ部35の長手方向他端部は、第4柄部31の先端部分に傾動可能に支持されている。一方、ブラシ部35の長手方向一端部は、第4柄部31に対して非固定とされている。
【0103】
第4実施形態では、各ブラシ部35(第4清掃部33)は、ブラシ部35の長手方向が第4柄部31の長手方向に沿って延びる姿勢である第1形態(図9参照)と、ブラシ部35の長手方向が径方向に沿って延びる姿勢である第2形態(図10参照)と、を切り替え可能となっており、該第2形態では、各ブラシ部35が径方向かつ放射状に延びるようになっている。また、第2形態では、第1形態よりも第4清掃部33の径方向寸法が大きくなっている。
【0104】
次に、第4実施形態に係る口腔内清掃用具30の使用方法について説明する。
【0105】
まず、使用者は、第4清掃部33を図9に示す第1形態にセットする。より詳細に説明すると、第3筒状部材32を第4柄部31の基端側の位置にすることにより(図9参照)、第4清掃部33が第1形態にセットされるようになる。該第1形態では、第4清掃部33のブラシ部35が長手方向に沿って延びる姿勢となっており、該ブラシ部35の長手方向一端部(基端側端部)が第3筒状部材32の長手方向他端部(先端側端部)と接触するようになっている。
【0106】
次に、使用者は、第4清掃部33が第1形態にセットされた状態の口腔内清掃用具30を先端側から患者の口腔内に挿入する。この際、第4清掃部33の径方向寸法が第2形態(図10参照)の場合よりも小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具30を口腔内に挿入する際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0107】
その後、使用者は、第4清掃部33を第1形態(図9参照)から第2形態(図10参照)に切り替える。より詳細に説明すると、使用者が第3筒状部材32を第4柄部31に対して先端側に動かすと、第1形態よりも第4柄部31の先端側に位置する第3筒状部材32により第4清掃部33が押圧される。これにより、第4清掃部33は、その長手方向が径方向に沿って延びる姿勢に弾性変形することで、第2形態に切り替えられる。
【0108】
第2形態では、例えば、ブラシ部35(第4清掃部33)を上の歯と下の歯とを同時に接触させることが可能となるので、ブラシ部35(第4清掃部33)と歯とが接触する面積を従来の歯ブラシと歯とが接触する面積に比べて大きくすることができる。したがって、使用者が、第2形態となっているブラシ部35(第4清掃部33)を、例えば、患者の上の歯と下の歯と接触した状態で前後方向に動かすことで、従来の歯ブラシに比べて短時間で口腔内を清掃することができる。また、口腔内の清掃を短時間で行われることで、開口障害を持つ患者が開口している時間を短くすることが可能となるので、該患者への負担を低減することができる。
【0109】
口腔内の清掃が終わると、使用者は、第4清掃部33を第2形態(図10参照)から第1形態(図9参照)に切り替える。より詳細に説明すると、使用者が第3筒状部材32を第4柄部31に対して基端側に動かすことにより、第4清掃部33が第3筒状部材32の押圧により弾性変形された第2形態から第1形態に戻される、つまり、第2形態から第1形態に切り替えられるようになる。
【0110】
次に、使用者は、第4清掃部33を第2形態から第1形態に切り替えた状態で、口腔内清掃用具30を口腔内から取り出す。この際、第4清掃部33のブラシ部35は、その長手方向が第4柄部31の長手方向に沿って延びる姿勢、つまり、第2形態の場合よりも径方向寸法が小さいので、患者が口をそれほど大きく開けておく必要がない。したがって、口腔内清掃用具30を口腔内から取り出す際に開口障害を持つ患者に与える負担を最小限にすることが可能となる。
【0111】
以上より、第4実施形態によれば、第2形態の場合、第4清掃部33はその長手方向が径方向に沿って延びる姿勢とされる、つまり、第4清掃部33の径方向の寸法が第1形態よりも大きくなるので、第4清掃部33の長手方向一端部が歯と接触する面積が第1形態の場合よりも大きくなる。これにより、口腔内の清掃を短時間で行うことができる。また、第1形態の場合、第4清掃部33はその長手方向が第4柄部31の長手方向に沿って延びる姿勢とされるので、第4清掃部33の径方向の寸法が第2形態よりも小さくなる。これにより、例えば、医師が開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際、患者等の口の開口面積が小さい場合であっても、第1形態とすることで、第4清掃部33を口腔内に入れ易くなる。したがって、第4清掃部33を口腔内に挿入する際、第4清掃部33が患者等の口にひっかかることで、第4清掃部33の挿入に時間がかかってしまうのを抑制することができる。
【0112】
なお、第4実施形態では、第4清掃部33を第1形態から第2形態に切り替える際、第3筒状部材32を第4柄部31に対して先端側に動かす例について説明したが、第3筒状部材32を第4柄部31に対して一側にねじることで、第1形態から第2形態に切り替えられるようにしてもよい。この場合、第3筒状部材32を第4柄部31に対して他側にねじることで、第2形態から第1形態に切り替えが行われるようにしてもよい。
【0113】
また、第4実施形態では、第4清掃部33は、ブラシ部35が複数設けられていたが、ブラシ部35が1つであってもよい。
【0114】
また、第4実施形態では、第4清掃部33が第1形態の状態と、第2形態の状態とを保持する保持部(保持手段)が備えられていなかったが、該保持部(保持手段)を備えるようにしてもよい。
【0115】
<第1~第4実施形態の変形例>
なお、第1~4実施形態では、第1清掃部8、第2清掃部12、第3清掃部23及び第4清掃部33は各柄部の全周(360度の範囲)に設けられていたが、全周に設けられていなくてもよく、例えば、270度の範囲、180度の範囲、90度の範囲等に設けられていてもよい。
【0116】
なお、第1~第4実施形態では、備えられていなかったが、例えば、偏心おもりを備えた電動モータを用いて第1清掃部8、第2清掃部12、第3清掃部23及び第4清掃部33を振動させるようにしてもよい。このようにすることで、各清掃部を歯に当てるだけで、口腔内の清掃を行うことが可能となる。
【0117】
また、第1~第4実施形態では、備えられていなかったが、第1柄部2、第2柄部11、第3柄部21及び第4柄部31の先端部分に口腔内を撮影可能な撮影部(例えば、ビデオカメラ)を備えるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、開口障害を持つ患者等の口腔内を清掃する際において、該患者等が口を大きく開けられない場合であっても、使用者(医師等)がディスプレイに表示された撮影部の映像や画像を見ながら患者等の口腔内の清掃を行うことができる。さらに、カメラを備える場合には、第1柄部2、第2柄部11、第3柄部21及び第4柄部31の先端部分に照明部(例えば、LED照明)を設けるようにしてもよい。このようにすることで、上記映像や画像が暗くなるのを抑制することができる。
【0118】
また、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、第1柄部2、第3柄部21及び第4柄部41が略円柱状の例について説明したが、長尺状であれば略円柱状以外の形状(例えば、略角柱状)であってもよい。さらに、第2実施形態では、第2柄部11が略円筒状の例について説明したが、長尺状であれば略円筒状以外の形状(例えば、略角筒状)であってもよい。
【0119】
また、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態では、各柄部若しくは各筒状部材を長手方向に移動させることにより、各清掃部を第1形態の状態と第2形態の状態とに切り替える構成の例について説明したが、各柄部若しくは各筒状部材を回転させる、又は、各柄部若しくは各筒状部材を回転させながら長手方向に移動させることにより、各清掃部を第1形態の状態と第2形態の状態とに切り替える構成であってもよい。
【0120】
また、第1~第4実施形態では、医師等の使用者が開口障害を持つ患者の口腔内を清掃する際に口腔内清掃用具1、10、20、30を用いる例について説明したが、該口腔内清掃用具1、10、20、30の用途は、上記開口障害を持つ患者に限定されず、例えば、小児や高齢者など口を大きく開けること、或いは、口を大きく開けた状態を維持することが困難な人の口腔内を清掃する際にも用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、例えば、開口障害者等の口腔内清掃に用いることが可能な口腔内清掃用具に適している。
【符号の説明】
【0122】
1、10、20、30 口腔内清掃用具
2 第1柄部(柄部)
3 第1筒状部材
4 第1把持部(把持部)
5 凹部(保持手段)
6 大径部
7 突起部(保持手段)
8 第1清掃部(清掃部)
11 第2柄部(柄部)
12 第2清掃部(清掃部)
13 第2把持部(把持部)
21 第3柄部(柄部)
22 第2筒状部材
23 第3清掃部(清掃部)
24 第3把持部(把持部)
31 第4柄部(柄部)
32 第3筒状部材
33 第4清掃部(清掃部)
34 第4把持部(把持部)
図1
図2
図3
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図10