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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012926
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20240124BHJP
   E04H 6/18 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H6/42 H
E04H6/18 606
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114758
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉満 勇矢
(57)【要約】
【課題】 上検出部による物体の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができる駐車装置を提供する。
【解決手段】 駐車装置においては、下検出部は、第1下検出位置の物体を検出する第1下センサと、第1下検出位置よりも進入方向側である第2下検出位置の物体を検出する第2下センサと、を備え、処理部は、第1下センサが物体を検出し且つ第2下センサが物体を検出しない第1状態になり、その後、第1状態から、第1下センサ及び第2下センサの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、上検出部による物体の検出を車高判定において無効から有効へ切り替える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検出する下検出部と、
前記下検出部が検出する物体の位置よりも上方側の位置の物体を検出する上検出部と、
前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さを判定する車高判定を行う処理部と、を備え、
前記下検出部は、第1下検出位置の物体を検出する第1下センサと、前記第1下検出位置よりも進入方向側である第2下検出位置の物体を検出する第2下センサと、を備え、
前記処理部は、前記第1下センサが物体を検出し且つ前記第2下センサが物体を検出しない第1状態になり、その後、前記第1状態から、前記第1下センサ及び前記第2下センサの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において無効から有効へ切り替える、駐車装置。
【請求項2】
前記上検出部は、上下方向でそれぞれ異なる位置の物体を検出する複数の上センサを備える、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
移動可能な複数のパレットをさらに備え、
前記パレットにおける車高制限値は、複数存在し、
前記処理部は、
前記パレットごとに車高制限値を記憶し、
前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さが進入されるパレットの車高制限値より高いか否かを判定する、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項4】
情報を出力する出力部をさらに備え、
前記処理部は、
前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さが車高制限値より高いか否かを判定し、
進入する車両の高さが車高制限値よりも高いと判定した場合に、前記出力部に情報を出力させる、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項5】
移動可能な複数のパレットと、
前記パレットよりも退出方向側に配置され、昇降可能なゲートと、をさらに備え、
前記第1下検出位置は、出入方向において前記第2下検出位置よりも、前記ゲートに近い位置であり、
前記処理部は、前記第1下センサが物体を検出している場合に、前記ゲートの昇降を停止し、
前記第2下検出位置は、車両が進入するパレットの前記ゲート側の端部の位置、又は、当該パレットと前記ゲートとの間の位置であり、
前記処理部は、前記第2下センサが物体を検出している場合に、前記パレットの移動を停止する、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記上検出部が検出する位置は、出入方向において前記第2下検出位置と同じ位置であり、
前記処理部は、前記第2状態から、前記第2下センサが物体を検出し且つ前記第1下センサが物体を検出しない第3状態へとなり、その後、前記第3状態から、前記第1下センサ及び前記第2下センサの両方が物体を検出しない第4状態へとなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第2状態から、前記第2下センサが物体を検出し且つ前記第1下センサが物体を検出しない第3状態へとなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、請求項1又は2に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、駐車装置は、物体を検出する上センサ及び下センサと、上センサ及び下センサの検出に基づいて、車高制限値より高い車両が進入することを判定する処理部とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係る駐車装置においては、上センサによる物体の検出が常に有効であるため、例えば、処理部による判定に悪影響を及ぼす可能性が否定できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-191573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、上検出部による物体の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができる駐車装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]
駐車装置は、物体を検出する下検出部と、前記下検出部が検出する物体の位置よりも上方側の位置の物体を検出する上検出部と、前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さを判定する車高判定を行う処理部と、を備え、前記下検出部は、第1下検出位置の物体を検出する第1下センサと、前記第1下検出位置よりも進入方向側である第2下検出位置の物体を検出する第2下センサと、を備え、前記処理部は、前記第1下センサが物体を検出し且つ前記第2下センサが物体を検出しない第1状態になり、その後、前記第1状態から、前記第1下センサ及び前記第2下センサの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において無効から有効へ切り替える。
【0006】
[2]
また、上記[1]の駐車装置においては、前記上検出部は、上下方向でそれぞれ異なる位置の物体を検出する複数の上センサを備える、という構成でもよい。
【0007】
[3]
また、上記[1]又は[2]の駐車装置においては、移動可能な複数のパレットをさらに備え、前記パレットにおける車高制限値は、複数存在し、前記処理部は、前記パレットごとに車高制限値を記憶し、前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さが進入されるパレットの車高制限値より高いか否かを判定する、という構成でもよい。
【0008】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つの駐車装置は、情報を出力する出力部をさらに備え、前記処理部は、前記上検出部の検出に基づいて、進入する車両の高さが車高制限値より高いか否かを判定し、進入する車両の高さが車高制限値よりも高いと判定した場合に、前記出力部に情報を出力させる、という構成でもよい。
【0009】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つの駐車装置は、移動可能な複数のパレットと、前記パレットよりも退出方向側に配置され、昇降可能なゲートと、をさらに備え、前記第1下検出位置は、出入方向において前記第2下検出位置よりも、前記ゲートに近い位置であり、前記処理部は、前記第1下センサが物体を検出している場合に、前記ゲートの昇降を停止し、前記第2下検出位置は、車両が進入するパレットの前記ゲート側の端部の位置、又は、当該パレットと前記ゲートとの間の位置であり、前記処理部は、前記第2下センサが物体を検出している場合に、前記パレットの移動を停止する、という構成でもよい。
【0010】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか一つの駐車装置においては、前記上検出部が検出する位置は、出入方向において前記第2下検出位置と同じ位置であり、前記処理部は、前記第2状態から、前記第2下センサが物体を検出し且つ前記第1下センサが物体を検出しない第3状態へとなり、その後、前記第3状態から、前記第1下センサ及び前記第2下センサの両方が物体を検出しない第4状態へとなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成でもよい。
【0011】
[7]
また、上記[1]~[5]の何れか一つの駐車装置においては、前記処理部は、前記第2状態から、前記第2下センサが物体を検出し且つ前記第1下センサが物体を検出しない第3状態へとなった場合に、前記上検出部による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る駐車装置の正面図
図2】同実施形態に係る駐車装置の側面図
図3図2のIII領域拡大図
図4図1のIV領域拡大図
図5】同実施形態に係る駐車装置の制御ブロック図
図6】上検出部の検出切替制御の制御フロー図
図7】上検出部の検出切替制御の説明図((a)第1状態を示す図、(b)第2状態を示す図)
図8】上検出部の検出切替制御の説明図((a)第3状態を示す図、(b)第4状態を示す図)
図9】上検出部の検出切替制御の説明図((a)第1状態を示す図、(b)第3状態を示す図)
図10】他の実施形態に係る駐車装置の要部側面図
図11】さらに他の実施形態に係る駐車装置の要部側面図
図12】さらに他の実施形態に係る駐車装置の要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0014】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0015】
以下、駐車装置における一実施形態について、図1図9を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、駐車装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、駐車装置の構成を限定するものではない。
【0016】
図1及び図2に示すように、駐車装置1は、例えば、車両X1を載置するパレット2と、パレット2を移動させる移動装置3と、パレット2を支持する装置本体4と、昇降するゲート5と、盤6とを備えていてもよい。そして、例えば、パレット2が移動装置3によって移動されることによって、所望の車両X1をパレット2から退出したり車両X1を所望のパレット2へ進入したりすることができる。
【0017】
なお、第1横方向D1は、車両X1が駐車装置1(具体的には、パレット2)に対して出入りする出入方向D1ともいい、第2横方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向であって、幅方向D2ともいう。また、出入方向D1のうち、駐車装置1(パレット2)に入る方向を進入方向D1aといい、駐車装置1(パレット2)から出る方向を退出方向D1bという。
【0018】
また、図1及び図2においては、パレット2は、上下方向D3に五つ並べられ、第1横方向D1に一つ並べられ、第2横方向D2に二つ又は三つ並べられている。即ち、駐車装置1は、パレット2が上下方向D3及び第2横方向D2に移動可能な昇降横行式の装置である。これにより、駐車装置1は、車両X1がパレット2に出入り可能な出入部1aを1階に三つ備えている。
【0019】
なお、パレット2が各方向D1,D2,D3に並べられる個数は、例えば、一つでもよく、また、例えば、複数でもよく、特に限定されない。即ち、駐車装置1は、例えば、パレット2が上下方向D3のみに移動可能な昇降式の装置でもよく、また、例えば、パレット2が上下方向D3、第1横方向D1及び第2横方向D2に移動可能な昇降横行縦列式の装置でもよい。
【0020】
また、駐車装置1は、例えば、エレベータ方式、垂直循環方式、水平循環方式、多層循環方式等の装置でもよく、パレット2の移動方式は、特に限定されない。また、駐車装置1は、例えば、本実施形態のように、パレット2が地上にのみを移動する構成でもよく、また、例えば、パレット2が地下のピットへも移動する構成でもよい。
【0021】
なお、パレット2の車高制限値は、例えば、本実施形態のように、複数存在していてもよい。特に限定されないが、例えば、本実施形態においては、1階又は5階に収容されるパレット2の車高制限値は、第1高さH1(例えば、2,100mm)であり、3階に収容されるパレット2の車高制限値は、第1高さH1より低い第2高さH2(例えば、1,850mm)であり、2階又は4階に収容されるパレット2の車高制限値は、第2高さH2より低い第3高さH3(例えば、1,550mm)となっている。
【0022】
ゲート5は、例えば、本実施形態のように、パレット2よりも退出方向D1b側に配置されていてもよい。これにより、ゲート5は、駐車装置1の内部と外部とを仕切っている。具体的には、ゲート5は、パレット2に載置された車両X1を格納する格納空間と、格納空間の外部である外部空間とを仕切っている。
【0023】
図3及び図4に示すように、駐車装置1は、例えば、出入部1aで、物体を検出する下検出部7と、出入部1aで、下検出部7が検出する物体の位置P1,P2よりも上方側の位置P3~P5の物体を検出する上検出部8と、各検出部7,8を出入部1aに対して固定する固定手段9とを備えていてもよい。
【0024】
下検出部7は、例えば、本実施形態のように、第1下検出位置P1の物体を検出する第1下センサ7aと、第1下検出位置P1よりも進入方向D1a側である第2下検出位置P2の物体を検出する第2下センサ7bとを備えていてもよい。なお、下検出部7のセンサ7a,7bの個数は、複数であれば特に限定されず、例えば、三つ以上でもよい。
【0025】
上検出部8は、例えば、本実施形態のように、第1上検出位置P3の物体を検出する第1上センサ8aと、第1上検出位置P3よりも低い第2上検出位置P4の物体を検出する第2上センサ8bと、第2上検出位置P4よりも低く且つ第1及び第2下検出位置P1,P2よりも高い第3上検出位置P5の物体を検出する第3上センサ8cとを備えていてもよい。なお、上検出部8のセンサ8a~8cの個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよく、また、例えば、二つでもよく、また、例えば、四つ以上でもよい。
【0026】
各センサ7a~7b,8a~8cの構成は、所望の検出位置P1~P5の物体を検出できれば、特に限定されない。各センサ7a~7b,8a~8cは、例えば、本実施形態のように、幅方向D2に離れる投光部及び受光部から成る光電センサであってもよく、また、例えば、超音波センサであってもよく、また、例えば、接触式センサであってもよい。
【0027】
第1下センサ7aは、例えば、本実施形態のように、第1下検出位置P1がゲート5よりも退出方向D1b側となるように、ゲート5よりも退出方向D1b側に配置されていてもよい。また、第2下センサ7bは、例えば、本実施形態のように、第2下検出位置P2がゲート5よりも進入方向D1a側となるように、ゲート5よりも進入方向D1a側に配置されていてもよい。
【0028】
そして、第2下検出位置P2は、例えば、本実施形態のように、出入方向D1において、車両X1が進入するパレット(以下、「進入対象パレット」ともいう)2のゲート5側の端部の位置、即ち、進入対象パレット2の退出方向D1b側の端部の位置としてもよい。
【0029】
これにより、第2下センサ7bは、例えば、車両X1がパレット2に対して適正な位置まで進入方向D1aへ進入していない場合に、車両X1を検出することができる。なお、パレット2のゲート5側の端部の位置とは、例えば、パレット2のゲート5側の端縁からの距離が500mm以内の位置としてもよく、また、例えば、パレット2のゲート5側の端縁からの距離が100mm以内の位置としてもよい。
【0030】
また、第1下検出位置P1は、例えば、本実施形態のように、出入方向D1において、第2下検出位置P2よりも、ゲート5に近い位置としてもよい。これにより、第1下センサ7aは、例えば、人がゲート5付近に居たり侵入したりした場合に、人を検出することができる。
【0031】
なお、出入方向D1における第1下検出位置P1とゲート5との距離は、特に限定されないが、例えば、10mm~300mmとしてもよく、また、例えば、50mm~200mmとしてもよい。また、出入方向D1における第2下検出位置P2とゲート5との距離は、特に限定されないが、例えば、100mm~600mmとしてもよく、また、例えば、200mm~400mmとしてもよい。
【0032】
また、特に限定されないが、第1下検出位置P1は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3において第2下検出位置P2と同じ位置(完全に同じ位置だけでなく、30mm未満で異なる略同じ位置も含む)であってもよい。なお、上下方向D3における第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離は、特に限定されないが、例えば、0mm~100mmとしてもよい。
【0033】
第1上センサ8aは、例えば、本実施形態のように、第1上検出位置P3が第1高さH1よりも高い位置となるように、配置されていてもよい。例えば、第1上検出位置P3は、1階のパレット2に載置された場合に直上(2階)のパレット2に当たらない車両X1の高さの位置に設定されていてもよい。特に限定されないが、第1上検出位置P3は、例えば、第1高さH1よりも、30mm~100mmだけ高い位置としてもよい。
【0034】
第2上センサ8bは、例えば、本実施形態のように、第2上検出位置P4が第1高さH1よりも低く且つ第2高さH2よりも高い位置となるように、第1上センサ8aよりも下方側に配置されていてもよい。例えば、第2上検出位置P4は、3階のパレット2に載置された場合に直上(4階)のパレット2に当たらない車両X1の高さの位置に設定されていてもよい。特に限定されないが、第2上検出位置P4は、例えば、第2高さH2よりも、30mm~100mmだけ高い位置としてもよい。
【0035】
第3上センサ8cは、例えば、本実施形態のように、第3上検出位置P5が第2高さH2よりも低く且つ第3高さH3よりも高い位置となるように、第2上センサ8bよりも下方側に配置されていてもよい。例えば、第3上検出位置P5は、2階又は4階のパレット2に載置された場合に直上(3階又は5階)のパレット2に当たらない車両X1の高さの位置に設定されていてもよい。特に限定されないが、第3上検出位置P5は、例えば、第3高さH3よりも、30mm~100mmだけ高い位置としてもよい。
【0036】
また、各上センサ8a~8cは、例えば、本実施形態のように、各上検出位置P3~P5がゲート5よりも進入方向D1a側となるように、ゲート5よりも進入方向D1a側に配置されていてもよい。そして、例えば、出入方向D1における各上検出位置P3~P5と第2下検出位置P2との距離は、出入方向D1における第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離よりも、小さくてもよい。
【0037】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、各上検出位置P3~P5は、出入方向D1において第2下検出位置P2と同じ位置(完全に同じ位置だけでなく、30mm未満で異なる略同じ位置も含む)であってもよい。即ち、本実施形態のように、出入方向D1における各上検出位置P3~P5と第2下検出位置P2との距離は、ゼロであってもよい。
【0038】
また、固定手段9は、例えば、本実施形態のように、各センサ7a~7b,8a~8cを出入部1aに対して固定するために、装置本体4と各センサ7a~7b,8a~8cとを接続してもよい。そして、各センサ7a~7b,8a~8cは、例えば、本実施形態のように、出入部1aごとにそれぞれ設けられていてもよい。
【0039】
なお、例えば、固定手段9は、パレット2と各センサ7a~7b,8a~8cとを接続し、各センサ7a~7b,8a~8cは、パレット2ごとにそれぞれ設けられている、という構成でもよい。また、例えば、複数のセンサ7a~7b,8a~8cのうち、少なくとも一つは、複数の出入部1aの検出部7,8を兼用していてもよい。即ち、例えば、当該兼用される検出部7,8が投光部及び受光部から成る光電センサである場合には、幅方向D2において、投光部及び受光部間に、複数の出入部1aが配置されていてもよい。
【0040】
図5に示すように、駐車装置1は、例えば、各種情報が入力される入力部10と、各種情報が出力される出力部11と、各種情報を処理し、駐車装置1を制御する処理部12とを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、入力部10、出力部11及び処理部12は、例えば、それぞれ盤6(図1参照)に配置されていてもよい。
【0041】
入力部10は、特に限定されないが、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。また、出力部11は、例えば、本実施形態のように、情報を表示する表示部11a(例えば、ディスプレイ(表示板)、表示灯)と、音を発する発音部11b(例えば、ブザー、スピーカ)とを備えていてもよい。
【0042】
処理部12は、例えば、本実施形態のように、各部7,8,10から情報を取得する取得部12aと、情報を記憶する記憶部12bと、情報を演算する演算部12cと、各部3,5,11を制御する制御部12dとを備えていてもよい。演算部12cは、例えば、本実施形態のように、上検出部8の検出を有効とするか無効とするかを判定する上検出判定部12eと、進入する車両X1の高さが進入対象パレット2の車高制限値より高いか否かを判定する車高判定部12fとを備えていてもよい。
【0043】
なお、処理部12は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部12c、制御部12d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部12a、記憶部12b)、各種インターフェイス(例えば、取得部12a)等を備えるコンピュータとしてもよい。これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理部12の各部12a~12dが実現される。
【0044】
また、処理部12は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理部12の各部12a~12dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0045】
ここで、本実施形態に係る駐車装置1の各制御について、説明する。なお、駐車装置1の制御は、以下の制御に限定されない。
【0046】
<ゲート昇降制御>
図3に戻り、第1下検出位置P1は、出入方向D1において、第2下検出位置P2よりも、ゲート5に近い位置である。そこで、第1下センサ7aが物体を検出している場合に、処理部12は、ゲート5の昇降を停止する(許可しない)。これにより、例えば、人がゲート5付近に居たり侵入したりしている場合に、ゲート5の昇降を停止することができる。
【0047】
<パレット移動制御>
第2下検出位置P2は、出入方向D1において、進入対象パレット2のゲート5側の端部の位置である。そこで、第2下センサ7bが物体を検出している場合に、処理部12は、進入対象パレット2の移動を停止する(許可しない)。これにより、例えば、車両X1が進入対象パレット2からはみ出している場合に、進入対象パレット2の移動を停止することができる。
【0048】
<上検出部切替制御>
図6に示すように、まず、処理部12(具体的には、上検出判定部12e)は、上検出部8の検出を無効としている(S1)。なお、上検出部8の検出が無効である形態は、特に限定されない。例えば、処理部12が上検出部8からの出力信号を受信していても、処理部12が当該信号を制御に使用しない、という構成でもよく、また、例えば、上検出部8への電源供給を停止したり、処理部12及び上検出部8間の通信を停止したりすることによって、処理部12が上検出部8からの信号を受信しない、という構成でもよい。
【0049】
そして、第1下センサ7aが物体を検出し且つ第2下センサ7bが物体を検出しない第1状態になった場合に(S2の「Y」)、第1要件が成立する(S3)。その後、第1状態から(S5の「Y」)、第1下センサ7a及び第2下センサ7bの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に(S4の「Y」)、第2要件が成立する(S6)。
【0050】
その結果、処理部12は、上検出部8の検出を無効から有効へ切り替える(S7)。なお、例えば、第2状態となった後すぐに(S4の「Y」)、第2要件が成立する(S6)、という制御でもよく、また、例えば、第2状態が設定時間(例えば、0.2秒~1.0秒)だけ継続した後に(S4の「Y」)、第2要件が成立する(S6)、という制御でもよい。
【0051】
例えば、図7(a)に示すように、車両X1が進入対象パレット2へ向けて進入することによって、第1状態になる(図6のS2の「Y」)。そして、車両X1が進入対象パレット2へ向けてさらに進入することによって、第1状態が継続された状態から(図6のS5の「Y」)、図7(b)に示すように、第2状態へなる(図6のS4の「Y」)。これにより、上検出部8の検出が無効から有効へ切り替わるため(図6のS7)、例えば、第2及び第3上センサ8b,8cによる車両X1の検出は、制御(例えば、後述する「車高判定制御」)に使用される。
【0052】
そして、各上検出位置P3~P5が、出入方向D1において第2下検出位置P2と同じ位置である(図3参照)。これにより、車両X1の進入方向D1a側の端部(図7及び図8において、車両X1の後端部)が上検出位置P3~P5を通過するときに、上検出部8の検出は、無効から有効へ切り替わっている。
【0053】
図6に戻り、上検出部8の検出が無効から有効へ切り替わった後に(S7)、第2状態から(S9の「Y」)、第1下センサ7aが物体を検出せず且つ第2下センサ7bが物体を検出する第3状態へなった場合に(S8の「Y」)、第3要件が成立する(S10)。その後、第3状態から(S12の「Y」)、第1下センサ7a及び第2下センサ7bの両方が物体を検出しない第4状態へなった場合に(S11の「Y」)、第4要件が成立する(S13)。
【0054】
その結果、処理部12は、上検出部8の検出を有効から無効へ切り替える(S1)。なお、例えば、第4状態となった後すぐに(S11の「Y」)、第4要件が成立する(S13)、という制御でもよく、また、例えば、第4状態が設定時間(例えば、0.2秒~1.0秒)だけ継続した後に(S11の「Y」)、第4要件が成立する(S13)、という制御でもよい。
【0055】
例えば、図7(b)に示すように、上検出部8の検出が無効から有効へ切り替わった後に(図6のS7)、車両X1が進入対象パレット2へ向けてさらに進入することによって、第2状態が継続された状態から(図6のS9の「Y」)、図8(a)に示すように、第3状態へなる(図6のS8の「Y」)。その後、車両X1が進入対象パレット2へ向けてさらに進入することによって、第3状態が継続された状態から(図6のS12の「Y」)、図8(b)に示すように、第4状態へなることによって(図6のS11の「Y」)、上検出部8の検出は、有効から無効へ切り替わる(図6のS1)。
【0056】
そして、各上検出位置P3~P5が、出入方向D1において第2下検出位置P2と同じ位置である(図3参照)。これにより、車両X1の退出方向D1b側の端部(図7及び図8において、車両X1の前端部)が上検出位置P3~P5を通過した後に、上検出部8の検出は、有効から無効へ切り替わっている。したがって、上検出部8は、進入する車両X1の出入方向D1の全長に亘って、車両X1を検出することができる。
【0057】
なお、図6に戻り、上検出部8の検出が有効へ切り替わった後に(S7)、例えば、車両X1が退出方向D1bへ退出する場合もある。斯かる場合に、第1状態や第4状態になった場合には(S9の「N」、S12の「N」)、成立した各要件が解除され、上検出部8の検出は、有効から無効へ切り替わる(S1)。
【0058】
ところで、第1要件が成立した後に(S3)、第2状態へなることもなく(S4の「N」)、しかも、第1状態が継続されなかった場合に(S5の「N」)、第1要件の成立が解除され、処理部12は、上検出部8の検出を無効で維持する(S1)。これにより、その後に、例えば、第2状態や第3状態になった場合でも(S2の「N」)、処理部12は、上検出部8の検出を無効で維持する(S1)。
【0059】
例えば、図9(a)に示すように、人X2がパレット2へ向けて進入することによって、第1状態になる(図6のS2の「Y」)。そして、人X2がパレット2へ向けてさらに進入することによって、例えば、第4状態となり(図6のS5の「N」)、その後、図9(b)に示すように、第3状態になった場合には(図6のS2の「N」)、上検出部8の検出は、無効のままである(S1)。
【0060】
これにより、例えば、第3上センサ8cが人X2を検出した場合でも、当該検出は、無効となる。したがって、上検出部8の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができるため、例えば、上検出部8による人X2の検出によって車高の誤判定を行うことを抑制することができる。
【0061】
なお、出入方向D1における第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離は、人の歩幅よりも長い距離としてもよい。特に限定されないが、出入方向D1における第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離は、例えば、300mm以上としてもよく、また、例えば、400mm以上としてもよい。また、特に限定されないが、出入方向D1における第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離は、例えば、800mm以下としてもよい。
【0062】
このように、第1下センサ7aの検出は、例えば、ゲート5の昇降の許可及び停止の切り替えだけでなく、上検出部8の検出の有効及び無効の切り替えにも使用されている。また、第2下センサ7bの検出は、例えば、進入対象パレット2の移動の許可及び停止の切り替えだけでなく、上検出部8の検出の有効及び無効の切り替えにも使用されている。
【0063】
<車高判定制御>
【0064】
処理部12(具体的には、記憶部12b)は、パレット2ごとに車高制限値を記憶している。本実施形態においては、1階又は5階に収容されるパレット2の車高制限値は、第1高さH1であり、3階に収容されるパレット2の車高制限値は、第2高さH2であり、2階又は4階に収容されるパレット2の車高制限値は、第3高さH3である。
【0065】
処理部12(具体的には、車高判定部12f)は、上センサ8a~8cの検出に基づいて、進入する車両X1の高さが進入対象パレット2の車高制限値より高いか否かを判定する。そして、処理部12が車両X1の高さが車高制限値より高いと判定した場合に、出力部11は、情報を出力する。これにより、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いことを、認識させることができる。
【0066】
なお、出力部11が当該情報の出力を停止するタイミングは、特に限定されない。例えば、入力部10に出力を停止する情報が入力されることによって、出力部11の出力が停止される、という構成でもよい。また、例えば、車両X1が進入対象パレット2から完全に退出した場合、即ち、第2状態、第1状態、第4状態の順に移行した場合に、出力部11の出力が停止される、という構成でもよい。
【0067】
そして、例えば、進入対象パレット2が1階又は5階に収容されるパレット2であるときに、第1上センサ8aが車両X1を検出した場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値より高いと判定し、第1上センサ8aが車両X1を検出しない場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値以下であると判定する。
【0068】
また、例えば、進入対象パレット2が3階に収容されるパレット2であるときに、第1及び第2上センサ8a,8bの少なくとも一つが車両X1を検出した場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値より高いと判定し、第1及び第2上センサ8a,8bの両方が車両X1を検出しない場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値以下であると判定する。
【0069】
また、例えば、進入対象パレット2が2階又は4階に収容されるパレット2であるときに、第1~第3上センサ8a~8cの少なくとも一つが車両X1を検出した場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値より高いと判定し、第1~第3上センサ8a~8cの全てが車両X1を検出しない場合に、処理部12は、車両X1の高さが車高制限値以下であると判定する。
【0070】
このように、第1~第3上センサ8a~8cが、上下方向D3でそれぞれ異なる位置P3~P5の物体を検出するため、進入する車両X1に対して、複数種類の高さを判定することができる。そして、車高制限値が異なる複数のパレット2に対して、車両X1の高さの適否をパレット2ごとに判定することができる。
【0071】
以上より、駐車装置1は、本実施形態のように、物体を検出する下検出部7と、前記下検出部7が検出する物体の位置P1,P2よりも上方側の位置P3~P5の物体を検出する上検出部8と、前記上検出部8の検出に基づいて、進入する車両X1の高さを判定する車高判定を行う処理部12と、を備え、前記下検出部7は、第1下検出位置P1の物体を検出する第1下センサ7aと、前記第1下検出位置P1よりも進入方向D1a側である第2下検出位置P2の物体を検出する第2下センサ7bと、を備え、前記処理部12は、前記第1下センサ7aが物体を検出し且つ前記第2下センサ7bが物体を検出しない第1状態になり、その後、前記第1状態から、前記第1下センサ7a及び前記第2下センサ7bの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、前記上検出部8による物体の検出を前記車高判定において無効から有効へ切り替える、という構成が好ましい。
【0072】
斯かる構成によれば、第1下センサ7aが物体を検出し且つ第2下センサ7bが物体を検出しない第1状態になり、その後、第1状態から、第1下センサ7a及び第2下センサ7bの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、上検出部8による物体の検出は、車高判定において無効から有効へ切り替えられる。これにより、上検出部8による物体の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができる。
【0073】
また、駐車装置1においては、本実施形態のように、前記上検出部8は、上下方向D3でそれぞれ異なる位置P3~P5の物体を検出する複数の上センサ8a~8cを備える、という構成が好ましい。
【0074】
斯かる構成によれば、複数の上センサ8a~8cが、上下方向D3でそれぞれ異なる位置P3~P5の物体を検出するため、進入する車両X1に対して、複数種類の高さを判定することができる。
【0075】
また、駐車装置1は、本実施形態のように、移動可能な複数のパレット2をさらに備え、前記パレット2における車高制限値は、複数存在し、前記処理部12は、前記パレット2ごとに車高制限値を記憶し、前記上検出部8の検出に基づいて、進入する車両X1の高さが進入されるパレット2の車高制限値より高いか否かを判定する、という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、パレット2ごとに車高制限値が記憶されているため、進入する車両X1の高さが進入されるパレット2の車高制限値より高いか否かについてが、判定される。これにより、車両X1の高さの適否をパレット2ごとに判定することができる。
【0077】
また、駐車装置1は、本実施形態のように、情報を出力する出力部11をさらに備え、前記処理部12は、前記上検出部8の検出に基づいて、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いか否かを判定し、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いと判定した場合に、前記出力部11に情報を出力させる、という構成が好ましい。
【0078】
斯かる構成によれば、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いか否かについてが、判定され、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いと判定された場合に、出力部11は、情報を出力する。これにより、進入する車両X1の高さが車高制限値より高いことを、認識させることができる。
【0079】
また、駐車装置1は、本実施形態のように、移動可能な複数のパレット2と、前記パレット2よりも退出方向D1b側に配置され、昇降可能なゲート5と、をさらに備え、前記第1下検出位置P1は、出入方向D1において前記第2下検出位置P2よりも、前記ゲート5に近い位置であり、前記処理部12は、前記第1下センサ7aが物体を検出している場合に、前記ゲート5の昇降を停止し、前記第2下検出位置P2は、車両X1が進入するパレット2の前記ゲート5側の端部の位置、又は、当該パレット2と前記ゲート5との間の位置であり(本実施形態においては、パレット2の前記ゲート5側の端部の位置)、前記処理部12は、前記第2下センサ7bが物体を検出している場合に、前記パレット2の移動を停止する、という構成が好ましい。
【0080】
斯かる構成によれば、第1下センサ7aが物体を検出している場合に、ゲート5の昇降が停止されるため、第1下センサ7aの検出は、上検出部8の検出の有効及び無効の切り替えだけでなく、ゲート5の昇降の許可及び停止の切り替えにも使用される。しかも、第2下センサ7bが物体を検出している場合に、パレット2の移動が停止されるため、第2下センサ7bの検出は、上検出部8の検出の有効及び無効の切り替えだけでなく、パレット2の移動の許可及び停止の切り替えにも使用される。
【0081】
また、駐車装置1においては、本実施形態のように、前記上検出部8が検出する位置P3~P5は、出入方向D1において前記第2下検出位置P2と同じ位置であり、前記処理部12は、前記第2状態から、前記第2下センサ7bが物体を検出し且つ前記第1下センサ7aが物体を検出しない第3状態へとなり、その後、前記第3状態から、前記第1下センサ7a及び前記第2下センサ7bの両方が物体を検出しない第4状態へとなった場合に、前記上検出部8による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成が好ましい。
【0082】
斯かる構成によれば、第2状態になってから第4状態になるまで、上検出部8による物体の検出が車高判定において有効となる。これにより、上検出部8は、進入する車両X1の出入方向D1の全長に亘って、車両X1を検出することができる。
【0083】
なお、駐車装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、駐車装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0084】
(A)上記実施形態に係る駐車装置1は、移動可能な複数のパレット2を備える、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、駐車装置1は、パレット2を備えておらず、駐車スペースが移動しない(例えば、建屋内等の天井のある床面に駐車する)、という構成でもよい。
【0085】
(B)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、パレット2における車高制限値は、複数存在する、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、パレット2における車高制限値は、一つである、という構成でもよい。
【0086】
(C)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、第1下検出位置P1は、出入方向D1において第2下検出位置P2よりも、ゲート5に近い位置である、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2下検出位置P2は、出入方向D1において第1下検出位置P1よりも、ゲート5に近い位置である、という構成でもよい。
【0087】
(D)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、第1下センサ7aが物体を検出している場合に、ゲート5の昇降が停止される、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1下センサ7aが物体を検出している場合に、ゲート5の昇降が停止されない、という構成でもよい。斯かる構成においては、特に限定されないが、例えば、第1下センサ7aと別の第3下センサが物体を検出している場合に、ゲート5の昇降が停止される、という構成でもよい。
【0088】
(E)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、第2下検出位置P2は、車両X1が進入するパレット2のゲート5側の端部の位置である、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2下検出位置P2は、車両X1が進入するパレット2とゲート5との間の位置である、という構成でもよい。また、例えば、第2下検出位置P2は、車両X1が進入するパレット2のゲート5側の端部よりも、進入方向D1a側の位置である、という構成でもよい。
【0089】
(F)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、第2下センサ7bが物体を検出している場合に、パレット2の移動が停止される、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2下センサ7bが物体を検出している場合に、パレット2の移動が停止されない、という構成でもよい。斯かる構成においては、特に限定されないが、例えば、第2下センサ7bと別の第3下センサが物体を検出している場合に、パレット2の移動が停止される、という構成でもよい。
【0090】
(G)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、上検出部8が検出する位置P3~P5は、出入方向D1において第2下検出位置P2と同じ位置である、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、出入方向D1において各上検出位置P3~P5と第2下検出位置P2との距離は、30mm以上である、という構成でもよい。即ち、上検出部8が検出する位置P3~P5は、出入方向D1において第2下検出位置P2と異なる位置である、という構成でもよい。
【0091】
また、例えば、上検出部8が検出する位置P3~P5は、第2下検出位置P2よりも進入方向D1a側の位置である、という構成でもよい。また、例えば、上検出部8が検出する位置P3~P5は、第2下検出位置P2よりも退出方向D1b側の位置である、という構成でもよい。
【0092】
(H)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、処理部12は、第2状態から第3状態へとなり、その後、第3状態から第4状態へとなった場合に、上検出部8による物体の検出を車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。
【0093】
例えば、処理部12は、第2下センサ7bよりも進入方向D1a側の物体を検出する別の第3下センサが物体を検出した場合に、上検出部8による物体の検出を車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成でもよい。また、例えば、図10に示すように、処理部12は、第2状態から第3状態へとなった場合に、上検出部8による物体の検出を車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成でもよい。
【0094】
(H-1)ここで、図10に係る上検出部切替制御について、以下に説明する。
【0095】
例えば、人X2がパレット2へ向けて進入することによって、第1状態(第1下センサ7a:オン、第2下センサ7b:オフ)になった後に、例えば、図10(a)に示すように、直接に第2状態(第1下センサ7a:オン、第2下センサ7b:オン)となった場合には、上検出部8の検出は、有効に切り替えられる。その後、図10(b)に示すように、第3状態(第1下センサ7a:オフ、第2下センサ7b:オン)となった場合に、上検出部8の検出が無効に切り替えられる。
【0096】
これにより、その後に、例えば、上検出部8(第3上センサ8c)が人X2を検出した場合でも、当該検出は、無効となる。したがって、上検出部8の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができるため、例えば、上検出部8による人X2の検出によって車高の誤判定を行うことを抑制することができる。
【0097】
また、例えば、図10に係る上検出部切替制御に対して、上記実施形態のように、第2下検出位置P2は、車両X1が進入するパレット2のゲート5側の端部の位置、又は、当該パレット2とゲート5との間の位置である、という構成でもよい。さらに、処理部12は、第2下センサ7bが物体を検出している場合に、パレット2の移動を停止する、という構成でもよい。
【0098】
斯かる構成によれば、車両X1が対象パレット2へ十分に進入していない場合に、第2下センサ7bが車両X1を検出する。その状態(第3状態)で、車両X1から人X2が降りて例えば盤6(図1参照)へ向かうときに、上検出部8が人X2を検出した場合でも、当該検出は、無効となる。これにより、上検出部8の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができるため、例えば、上検出部8による人X2の検出によって車高の誤判定を行うことを抑制することができる。
【0099】
このように、駐車装置1においては、図10に示すように、前記処理部12は、前記第2状態から、前記第2下センサ7bが物体を検出し且つ前記第1下センサ7aが物体を検出しない第3状態へとなった場合に、前記上検出部8による物体の検出を前記車高判定において有効から無効へ切り替える、という構成でもよい。
【0100】
斯かる構成によれば、第2状態になってから第3状態になることによって、上検出部8による物体の検出が車高判定において無効に切り替えられる。これにより、上検出部8の検出の有効及び無効を必要に応じて切り替えることができるため、例えば、上検出部8による人X2の検出によって車高の誤判定を行うことを抑制することができる。
【0101】
(I)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、第1下検出部7aが検出する第1下検出位置P1は、上下方向D3において、第2下検出部7bが検出する第2下検出位置P2と同じ位置である、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、図11に示すように、上下方向D3において第1下検出位置P1と第2下検出位置P2との距離は、30mm以上である、という構成でもよい。即ち、第1下検出位置P1は、上下方向D3において、第2下検出位置P2と異なる位置である、という構成でもよい。
【0102】
(J)また、上記実施形態に係る駐車装置1においては、処理部12(車高判定部12f)は、上センサ8a~8cの検出のみに基づいて、車高判定を行う、という構成である。しかしながら、駐車装置1は、斯かる構成に限られない。
【0103】
例えば、図11及び図12に示すように、処理部12は、上センサ8a,8bの検出と第2下センサ7bの検出とに基づいて、車高判定を行う、という構成でもよい。特に限定されないが、図11及び図12に係る第2下センサ7bが物体を検出する位置は、例えば、上記実施形態に係る第3上センサ8cが物体を検出する位置P3と同じ位置としてもよい。
【0104】
斯かる構成によれば、第1下センサ7aが物体を検出し且つ第2下センサ7bが物体を検出しない第1状態になり、その後、第1状態から、第1下センサ7a及び第2下センサ7bの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、上検出部8による物体の検出は、車高判定において無効から有効へ切り替えられる。それに伴って、第2下センサ7bによる検出も、車高判定において無効から有効へ切り替えられる。
【0105】
(K)また、例えば、上検出部8による物体の検出は、車高判定以外の制御にも用いられていてもよい。そして、第1下センサ7aが物体を検出し且つ第2下センサ7bが物体を検出しない第1状態になり、その後、第1状態から、第1下センサ7a及び第2下センサ7bの両方が物体を検出する第2状態へなった場合に、上検出部8による物体の検出が無効から有効へ切り替えることは、例えば、車高判定だけ行われてよく、また、例えば、車高判定を含む一部の制御で行われてもよく、また、例えば、車高判定を含む全ての制御で行われてもよい。
【0106】
(L)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示したシステム、方法、プログラム、及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0107】
1…駐車装置、1a…出入部、2…パレット、3…移動装置、4…装置本体、5…ゲート、6…盤、7…下検出部、7a…第1下センサ、7b…第2下センサ、8…上検出部、8a…第1上センサ、8b…第2上センサ、8c…第3上センサ、9…固定手段、10…入力部、11…出力部、11a…表示部、11b…発音部、12…処理部、12a…取得部、12b…記憶部、12c…演算部、12d…制御部、12e…上検出判定部、12f…車高判定部、D1…出入方向(第1横方向)、D1a…進入方向、D1b…退出方向、D2…幅方向(第2横方向)、D3…上下方向、H1…第1高さ、H2…第2高さ、H3…第3高さ、P1…第1下検出位置、P2…第2下検出位置、P3…第1上検出位置、P4…第2上検出位置、P5…第3上検出位置、X1…車両、X2…人
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12