(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129265
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】医薬品管理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240919BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038352
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】510210759
【氏名又は名称】ジェイフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】中村 篤弘
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能となる仕組みを提供すること。
【解決手段】医薬品管理システム100は、所定の処方箋の識別情報及び所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付部111と、所定の処方箋の内容情報に基づき、所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、医薬品在庫情報に医薬品の在庫があることが確認できた薬局のリストを生成して患者Uが薬局選択をするための選択肢として患者端末2に出力する薬局リスト出力部112と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付手段と、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力手段と、
を備える医薬品管理システム。
【請求項2】
前記薬局リスト出力手段は、前記患者端末に出力する前記リストを、前記薬剤師が所属する薬局に限定するように生成する、
請求項1に記載の医薬品管理システム。
【請求項3】
前記薬局リスト出力手段は、前記患者端末に出力する前記リストに、前記薬剤師と所定の関係を有する薬局を加えるように、前記リストを生成する、
請求項2に記載の医薬品管理システム。
【請求項4】
前記薬局リスト出力手段は、前記薬局の指示に基づいて前記服薬指導をした後の前記医薬品の調剤・配送を実施する倉庫の在庫も加えた前記医薬品在庫情報を参照する、
請求項1に記載の医薬品管理システム。
【請求項5】
前記薬局リスト出力手段は、前記薬局からの、前記服薬指導を完了した旨の情報に基づいて、前記患者が前記服薬指導を受けた後の前記医薬品の調剤・配送を指示できる倉庫の在庫も加えた前記医薬品在庫情報を参照する、
請求項1に記載の医薬品管理システム。
【請求項6】
前記処方箋情報受付手段は、前記所定の処方箋を発行する医師がその裁量により発行した、前記患者の同居の家族の処方箋に係る情報も更に受け付ける、
請求項1に記載の医薬品管理システム。
【請求項7】
医薬品管理システムを構成する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付ステップと、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
医薬品管理システムを構成する情報処理装置を制御するコンピュータに、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付ステップと、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力ステップと、
を含む制御処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品管理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子処方箋が指定する医薬品について、その医薬品の在庫がある調剤薬局のうち患者の住所の近くにある調剤薬局を選択してオンライン服薬指導を行うことのできるシステムは、下記特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術にあっては、処方箋が指定する医薬品の在庫があるものの、その医薬品の服薬指導をすることができる薬剤師のアサインが可能な薬局でなければ、患者は服薬指導を受けることができない場合がある。そのため、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能な仕組みの提供が望まれる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様は、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付手段と、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力手段と、
を備える医薬品管理システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、前述の医薬品管理システムを構成する情報処理装置に対応する情報処理方法及びコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る医薬品管理システムの一例の概要を示す概略図である。
【
図2】医薬品管理システムの構成例の概略を示す図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置等の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】情報処理装置の処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】患者自身が薬局を選択する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪実施形態≫
<概要について>
以下、図面を参照しながら本発明に係る医薬品管理システム等を実施するための実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されないものとする。
図1は、本実施形態に係る医薬品管理システムの一例の概要を示す概略図である。
【0011】
本実施形態に係る医薬品管理システム100は、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者Uが薬剤師Bから確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者U自身が選択することが可能なサービス(本サービス)を実現するためのシステムである。医薬品管理システム100では、患者U自身が薬局を選択するために薬局のリストを生成してこれを患者端末2(
図2参照)に出力する。
薬局のリストは、例えば、オンライン服薬指導が可能な薬局全体(
図1の二点鎖線の楕円が参考)から絞り込んだ薬局のリストが該当する。
具体的には、先ず、所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局を前述の薬局全体から絞り込む(
図1の一点鎖線の楕円が参考)。これにより、所定の処方箋が指定する医薬品に関して服薬指導ができない、若しくは、例えば経験的に不十分な者(薬剤師)が除外され、確実な服薬指導を受けることに関して一歩近づくようになる。
次に、前述のように絞り込んだ薬局(服薬指導ができる薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局)の医薬品在庫情報を参照して、医薬品の在庫があることが確認できた薬局に絞り込む(
図1の実線の楕円が参考)。これら絞り込みに基づいて前述の薬局のリストが生成され、この生成された薬局のリストが患者Uの患者端末2に送信される。
患者Uは、送信されてきた薬局のリストから薬局を選択すればよく、以下のような効果が得られる。
【0012】
<概要に対応する効果について>
以上、医薬品管理システム100によれば、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者Uが確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者U自身が選択することができるという効果を奏する。
これにより、次のようなことの発生を抑えることができる。即ち、例えば、医薬品の在庫がある調剤薬局のうち患者Uの住所の近くにある調剤薬局であっても、その医薬品の服薬指導をすることができる薬剤師のアサインが可能でない場合に生じる、服薬指導を受けることができないという不具合を抑えることができる。
医薬品管理システム100によれば、前述の効果に加え、患者Uの利便性を向上させ、以て顧客満足度を高めることができるという効果も奏する。
【0013】
<システム構成について>
図2は、医薬品管理システム100の構成例の概略を示す図である。
本実施形態の医薬品管理システム100は、サーバ1(情報処理装置)と、患者端末2と、病院端末3と、薬局端末4と、処方箋管理装置5等とがインターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
図2では、患者端末2、病院端末3、及び薬局端末4が1つずつ示されるが、複数あるものとする。この他、
図2では、病院端末3としているが、医師端末やこれら両方であってもよいものとする。また、
図2では、薬局端末4としているが薬剤師端末やこれら両方であってもよいものとする。
医薬品管理システム100は、特に図示しないが、薬剤提供支援システム(オンライン診察・服薬指導支援システム)に対しても所定のネットワークNを介して相互に接続されるものとする。薬剤提供支援システムは、例えば、患者Uが自宅に居ながら、医師A(
図4参照)による診察及び薬剤師Bによる服薬指導を受けることができるようにした、診察から服薬指導及び薬剤配送までのワンストップサービス(本サービス)を実現するためのシステムである。
【0014】
サーバ1は、患者端末2、病院端末3、薬局端末4、処方箋管理装置5、及び図示しない薬剤提供支援システム等の各動作と協働して各種処理を実行する。この各種処理の詳細については後述する。サーバ1は、例えば、本サービスを実現するためのプラットフォームを提供する企業が有するものとする(これに限らず、本サービスを実現するためのプラットフォームを提供する企業が設置させたものであってもよい)。
【0015】
患者端末2は、患者Uが使用する情報処理端末であって、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC、スマートフォン等が挙げられる。患者端末2のハードウェア構成は、特に図示しないが、サーバ1の後述するハードウェア構成と基本的に同様であるものとする。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブと、リムーバブルメディアとを備えて構成される。違いとしては、オンラインによる診察・服薬指導を受けるため、例えばカメラにより構成される撮像部と、マイク及びスピーカーにより構成される音声部とを更に備える点である。患者端末2には、本サービスの利用に必要となるアプリケーション・プログラム(「会員アプリ」と呼ぶこともある)がインストールされる。
【0016】
病院端末3は、医療機関に設けられた、例えば、医師Aが使用する端末である。病院端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC、スマートフォン等の何れであってもよいものとする。病院端末3は、特に図示しないが、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブと、リムーバブルメディアとを備えて構成される。また、医師Aがオンライン診察に使用する端末であれば、例えばカメラにより構成される撮像部と、マイク及びスピーカーにより構成される音声部とを更に備えて構成される。なお、病院端末3は、例えば、電子カルテ用の端末等を用いてもよいものとする。
前述の医療機関は、クリニックや診療所、規模の小さな病院、総合病院、規模の大きな大学病院等の何れかであるものとする。
【0017】
薬局端末4は、薬局に設けられた、例えば、薬剤師Bが使用する端末である。薬局端末4は、病院端末3と同様に、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC、スマートフォン等の何れであってもよいものとする。薬局端末4は、病院端末3と同様に、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブと、リムーバブルメディアとを備えて構成される。また、薬剤師Bがオンライン服薬指導に使用する端末であれば、例えばカメラにより構成される撮像部と、マイク及びスピーカーにより構成される音声部とを更に備えて構成される。
【0018】
処方箋管理装置5は、所謂サーバであって、処方箋の管理に必要な構成を有する。即ち、処方箋管理装置5は、CPU51と、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部52と、通信部53と、ドライブと、リムーバブルメディアとを備えて構成される(
図4参照)。処方箋管理装置5に関しては、後述する。
【0019】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1(情報処理装置)のハードウェア構成を示すブロック図である。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備える。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続される。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続される。
【0021】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。出力部16は、ディスプレイ(表示部)やスピーカー等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0022】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0023】
<サーバ1の機能的構成について>
図4を参照しながら本実施形態に係るサーバ1(情報処理装置)の機能的構成について説明する。
図4は、本実施形態に係るサーバ1(情報処理装置)及び処方箋管理装置5の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0024】
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、処方箋情報受付部111(処方箋情報受付手段)、薬局リスト出力部112(薬局リスト出力部手段)等が機能する。また、薬局リスト出力部112に関しては、在庫確認部112a、リスト生成部112b、リスト出力部112c等が機能する。
【0025】
[処方箋情報受付部111について]
処方箋情報受付部111は、病院端末3から送信された、患者Uに関する、所定の処方箋の識別情報及び所定の処方箋の内容情報を受け付ける(通信部19にて受信することにより受け付ける)。また、処方箋情報受付部111は、所定の処方箋の識別情報及び所定の処方箋の内容情報を受け付けたか否かの判断もする。
ここで前述の所定の処方箋とは、例えば、電子処方箋、紙の処方箋をスキャンしたもの等をいう。また、識別情報とは、例えば、処方箋番号をいう。処方箋番号は、患者Uを特定するための、例えば患者ID等に紐づけされる。また、内容情報とは、例えば、医薬品(処方薬)を処方するために必要な薬剤名やその用法、用量等の情報をいう。
本実施形態の処方箋情報受付部111は、所定の処方箋を発行する医師Aがその裁量により発行した、患者Uの同居の家族の処方箋に係る情報も更に受け付ける(受信する)。即ち、患者Uのみではなく、その家族も含んで、オンライン服薬指導を確実に受けることができるようにしている。
以上のような処方箋情報受付部111は、受け付けた処方箋情報(識別情報及び内容情報等)を記憶部18の一領域に構築された処方箋情報記憶部181に記憶する。
【0026】
[薬局リスト出力部112について]
薬局リスト出力部112は、前述の通り、在庫確認部112a、リスト生成部112b、リスト出力部112c等が機能するように構成される。このような構成の薬局リスト出力部112は、在庫確認、リスト生成及びリスト出力等を行う。具体的には、以下に示す通りである。
【0027】
(在庫確認部112aについて)
在庫確認部112aは、処方箋情報受付部111で受け付けた内容情報に基づき、所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を処方箋情報記憶部181から抽出する。そして、抽出した医薬品情報に基づいて、医薬品の服薬指導ができる薬剤師Bを記憶部18の一領域に構築された薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出すると共に、その薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局も薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出する。なお、医薬品の医薬品情報には、薬局の情報等が紐づいているものとする。
在庫確認部112aは、薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を、記憶部18の一領域に構築された医薬品在庫情報記憶部182にて参照すると共に、この参照した医薬品在庫情報から医薬品の在庫があるか否かを確認する。
なお、本実施形態では、薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局が存在し且つ医薬品の在庫があるものとして説明するが、この限りでないものとする。
在庫の確認に関しては、薬局の指示に基づいて服薬指導をした後の、医薬品の調剤・配送を実施する倉庫の在庫も加えて確認してもよいものとする。この場合、医薬品在庫情報記憶部182に記憶された医薬品在庫情報には、倉庫の在庫も含まれることになる。倉庫に関しては、薬剤師Bをアサインした薬局に併設の倉庫や、その薬局が運営する倉庫が含まれるのは勿論のこと、薬剤師Bをアサインした薬局とは独立した倉庫も含まれるものとする(独立した倉庫も含まれることで、薬局からの服薬指導を完了した旨の情報に基づいて、患者Uが服薬指導を受けた後の医薬品の調剤・配送を指示できる倉庫についても選択することができるようになる)。なお、倉庫の在庫は、在庫確認部112aが確認し、在庫がある場合は、後述する薬局のリストに含めるものとする。
【0028】
(リスト生成部112bについて)
リスト生成部112bは、前述の医薬品の在庫があることを確認した薬局のリストを生成する(薬局リスト情報を生成する)。薬局のリストは、患者Uがリストの中から薬局を選ぶことのできる一覧情報のようなものである。薬局のリストは、患者Uが薬局を選ぶと、その選んだことによる情報(信号)に基づいて薬剤師Bとのオンライン服薬指導に繋げることができる内容の情報である。
リスト生成部112bは、前述のような薬局のリストを生成すると、この生成された薬局のリスト(薬局リスト情報)を、記憶部18の一領域に構築された薬局リスト情報記憶部184に記憶する。
本実施形態のリスト生成部112bでは、患者端末2に出力する薬局のリストを、薬剤師Bが所属する薬局に限定するように生成するものとする。ここで薬剤師Bが所属する薬局とは、薬剤師Bが保健所に対し申請して登録された薬局のことをいう。
なお、リスト生成部112bは、患者端末2に出力する薬局のリストに、薬剤師Bと所定の関係を有する薬局を加えるようにして、薬局のリストを生成してもよいものとする。ここで薬剤師Bと所定の関係を有する薬局とは、例えば、当該薬剤師Bと雇用契約(嘱託契約を含む)、業務委託契約を結んだ薬局のことをいう(一例であるものとする)。
薬局のリストからは、薬局名やその所在地等の確認が患者Uによってできることが好ましい。
【0029】
(リスト出力部112cについて)
リスト出力部112cは、リスト生成部112bにて生成した薬局のリストを、通信部19を介して患者端末2に出力する。なお、薬局のリストが患者端末2において表示されると、患者Uが薬局選択をするための選択肢になる。
【0030】
<処方箋管理装置5の機能的構成について>
引き続き
図4を参照しながら処方箋管理装置5の機能的構成について説明する。
処方箋管理装置5は、前述の、患者Uの同居の家族の処方箋を医師Aが発行する際に機能する。処方箋管理装置5のCPU51においては、動作する際に、家族処方箋情報受付部511、家族処方箋情報発行部512等が機能する。
【0031】
家族処方箋情報受付部511は、医師Aからの(病院端末3からの)、患者Uの同居の家族の処方箋に係る発行要求を受け付ける。そして、家族処方箋情報発行部512は、記憶部52の一領域に構築された家族情報記憶部521から発行に必要な情報を抽出して、患者Uの同居の家族の処方箋に係る処方箋情報を生成し、これを病院端末3に送信する。なお、発行要求の受信及び処方箋情報の送信は、通信部53を介して行われる。
【0032】
<処理内容について>
図5は、サーバ1(情報処理装置)の処理の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図4も参照するものとする。
【0033】
ステップSS1では、処方箋情報受付部111が病院端末3からの、患者Uに関する処方箋情報、即ち所定の処方箋の識別情報及び所定の処方箋の内容情報を受け付けたか否かを判断する。処方箋情報を処方箋情報受付部111が受け付けた場合(ステップSS1でYES)には、ステップSS2へ移行する。これに対し、処方箋情報を受け付けていない場合(ステップSS1でNO)には、受付があるまでステップSS1を繰り返す。
なお、
図5の例に限らず、所定時間ごとに割り込みがかかるようにするのであれば、処方箋情報を受け付けていない場合(ステップSS1でNO)に、ENDに移行してもよいものとする。
【0034】
ステップSS2では、処方箋情報受付部111が病院端末3からの、患者Uの同居の家族の処方箋情報も受け付けたか否かを判断する。患者Uの同居の家族の処方箋情報も処方箋情報受付部111が受け付けた場合(ステップSS2でYES)には、ステップSS4へ移行する。これに対し、患者Uの同居の家族の処方箋情報は受け付けていない場合(ステップSS2でNO)には、ステップSS3へ移行する。
【0035】
ステップSS2でNOとなって移行したステップSS3では、処方箋情報受付部111で受け付けた内容情報に基づき、在庫確認部112aが次のような処理を行う。即ち、患者Uに関する、所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を処方箋情報記憶部181から抽出する。そして、抽出した医薬品情報に基づいて、医薬品の服薬指導ができる薬剤師Bを薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出する。また、その薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局も薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出する。
抽出した後は、薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照すると共に、この参照した医薬品在庫情報に医薬品の在庫があるか否かを確認する。
ステップSS3では、在庫確認部112aが在庫ありと確認した薬局に対し、リスト生成部112bがその薬局のリスト(薬局リスト情報)を生成する。
ステップSS3の後はステップSS5に移行する。
【0036】
一方、ステップSS2でYESとなって移行したステップSS4では、処方箋情報受付部111で受け付けた内容情報に基づき、在庫確認部112aが次のような処理を行う。即ち、患者U及びその同居の家族に関する、所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を処方箋情報記憶部181から抽出する。そして、抽出した医薬品情報に基づいて、医薬品の服薬指導ができる薬剤師Bを薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出する。また、その薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局も薬局・薬剤師情報記憶部183から抽出する。
抽出した後は、薬剤師Bをアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照すると共に、この参照した医薬品在庫情報に医薬品の在庫があるか否かを確認する。
ステップSS4では、在庫確認部112aが在庫ありと確認した薬局に対し、リスト生成部112bがその薬局のリスト(薬局リスト情報)を生成する。
ステップSS4の後はステップSS5に移行する。
【0037】
ステップSS5では、リスト生成部112bが生成した薬局のリストをリスト出力部112cが通信部19を介して患者端末2に出力する。
以上により、一連の処理が完了する。
【0038】
<患者U自身が薬局を選択する一例について>
図6は、オンラインによる診察(オンライン診察)から服薬指導(オンライン服薬指導)に移る中で、患者U自身が薬局を選択する一例を示す図である。
【0039】
例えば、オンライン診察を終えた後、患者端末2には薬局のリストが送信される。患者Uは、自身の患者端末2に表示された薬局のリストを見て薬局を選ぶと、医薬品の在庫があり且つその医薬品の服薬指導をすることができる薬局の、薬剤師Bが行うオンライン服薬指導を受けることができる。なお、オンライン服薬指導を終えた後は、患者Uのもとに医薬品が配送される。
【0040】
<効果について>
図1乃至
図6を参照しながら説明してきたように、本実施形態の医薬品管理システム100によれば(サーバ1によれば)、薬局のリストを患者端末2に送付して、患者U自身にその薬局のリストから薬局を選択させることができる。具体的には、医薬品の在庫があり且つその医薬品の服薬指導をすることができる薬剤師Bが行うオンライン服薬指導を受けることが可能な薬局のリストを患者端末2に送付して、患者U自身にその薬局のリストから薬局を選択させることができる。
これにより、例えば、医薬品の在庫がある調剤薬局のうち患者Uの住所の近くにある調剤薬局であっても、その医薬品の服薬指導をすることができる薬剤師のアサインが可能でない場合に生じる、服薬指導を受けることができないという不具合を抑えることができる。
【0041】
従って、本実施形態の医薬品管理システム100によれば(サーバ1によれば)、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者Uが確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者U自身が選択することができるという効果を奏する。
【0042】
<まとめ>
以上、サーバ1を含む本発明の医薬品管理システム100の実施形態について説明したが、本発明は前述した本実施形態に限定されないものとする。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されないものとする。
【0043】
本実施形態において、
図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されないものとする。換言すると、
図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されないものとする。即ち、前述した一連の処理を全体として実行できる機能が医薬品管理システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されないものとする。
【0044】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよいものとする。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよいものとする。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよいものとする。
【0045】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされるものとする。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよいものとする。
【0046】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピューターであってもよいものとする。
【0047】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよいものとする。
【0048】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものとする。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0049】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものとする。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成されるものとする。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成されるものとする。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成されるものとする。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図3のROM12や、
図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成されるものとする。
この他、インターネット等のネットワークを介して配布可能にしてもよいものとする。このことから、アプリケーション・プログラムを記録した記録媒体としては、ネットワークに直接的、或いは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであってもよいものとする。
【0050】
以上まとめると、本発明が適用される医薬品管理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、(1)本発明が適用される医薬品管理システム(例えば、
図4の医薬品管理システム100)は、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付手段(例えば、
図4の処方箋情報受付部111)と、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師(例えば、
図4の薬剤師B)をアサインすることが可能な薬局(例えば、
図1に示す薬局)の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者(例えば、
図4の患者U)が薬局選択をするための選択肢として患者端末(例えば、
図4の患者端末2)に出力する薬局リスト出力手段(例えば、
図4の薬局リスト出力部112)と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することができるという効果を奏する。
【0051】
また、(2)本発明が適用される医薬品管理システムは、(1)の医薬品管理システムにおいて、
前記薬局リスト出力手段は、前記患者端末に出力する前記リストを、前記薬剤師が所属する薬局に限定するように生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、患者は処方箋が指定する医薬品の在庫があり薬剤師が所属する薬局から確実に服薬指導を受けられる薬局を選択することができるという効果を奏する。
【0052】
また、(3)本発明が適用される医薬品管理システムは、(2)の医薬品管理システムにおいて、
前記薬局リスト出力手段は、前記患者端末に出力する前記リストに、前記薬剤師と所定の関係を有する薬局を加えるように、前記リストを生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、患者は処方箋が指定する医薬品の在庫があり、薬剤師と所定の関係を有する薬局も含めた幅広い選択肢の中から確実に服薬指導を受けられる薬局を選択することができるという効果を奏する。
【0053】
また、(4)本発明が適用される医薬品管理システムは、(1)の医薬品管理システムにおいて、
前記薬局リスト出力手段は、前記薬局の指示に基づいて前記服薬指導をした後の前記医薬品の調剤・配送を実施する倉庫の在庫も加えた前記医薬品在庫情報を参照する、ことを特徴とする。
本発明によれば、患者はより広い選択肢の中から確実に服薬指導を受けられる薬局を選択することができるという効果を奏する。
【0054】
また、(5)本発明が適用される医薬品管理システムは、(1)の医薬品管理システムにおいて、
前記薬局リスト出力手段は、前記薬局からの、前記服薬指導を完了した旨の情報に基づいて、前記患者が前記服薬指導を受けた後の前記医薬品の調剤・配送を指示できる倉庫の在庫も加えた前記医薬品在庫情報を参照する、ことを特徴とする。
本発明によれば、患者はより広い選択肢の中から確実に服薬指導を受けられる薬局を選択することができるという効果を奏する。
【0055】
また、(6)本発明が適用される医薬品管理システムは、(1)の医薬品管理システムにおいて、
前記処方箋情報受付手段は、前記所定の処方箋を発行する医師(例えば、
図4の)がその裁量により発行した、前記患者の同居の家族の処方箋に係る情報も更に受け付ける、ことを特徴とする。
本発明によれば、患者の同居の家族の処方箋についても服薬指導を受けることができるという効果を奏する。
【0056】
(7)本発明が適用される情報処理方法は、
医薬品管理システムを構成する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付ステップ(例えば、
図5のステップSS1)と、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力ステップ(例えば、
図5のステップSS3及びSS5)と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能な情報処理方法を提供することができるという効果を奏する。
【0057】
(8)本発明が適用されるコンピュータプログラムは、
医薬品管理システムを構成する情報処理装置を制御するコンピュータに、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付ステップと、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力ステップと、
を含む制御処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、処方箋が指定する医薬品の在庫があり、患者が確実に服薬指導を受けることができる薬局を患者自身が選択することが可能なコンピュータプログラムを提供することができるという効果を奏する。
【0058】
なお、(7)及び(8)における情報処理装置に関しては、
所定の処方箋の識別情報及び前記所定の処方箋の内容情報を受け付ける処方箋情報受付手段と、
前記内容情報に基づき前記所定の処方箋が指定する医薬品の医薬品情報を抽出して服薬指導ができる薬剤師をアサインすることが可能な薬局の医薬品在庫情報を参照し、前記医薬品在庫情報に前記医薬品の在庫があることが確認できた前記薬局のリストを生成して患者が薬局選択をするための選択肢として患者端末に出力する薬局リスト出力手段と、
を備えることが特徴になる。
【符号の説明】
【0059】
1・・・サーバ(情報処理装置)
2・・・患者端末
3・・・病院端末
4・・・薬局端末
5・・・処方箋管理装置
11・・・CPU
18・・・記憶部
19・・・通信部
100・・・医薬品管理システム
111・・・処方箋情報受付部
112・・・薬局リスト出力部
112a・・・在庫確認部
112b・・・リスト生成部
112c・・・リスト出力部
U・・・患者
A・・・医師
B・・・薬剤師