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特開2024-129269受注支援システム、及び受注支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129269
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】受注支援システム、及び受注支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240919BHJP
   G06Q 30/0202 20230101ALI20240919BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/0202
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038360
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敬史
(72)【発明者】
【氏名】神崎 睦子
(72)【発明者】
【氏名】森 ひとみ
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L030BB01
5L049AA04
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】案件の特性に応じた的確な案件受注の見込みの予測を支援する。
【解決手段】業務の各案件についての複数の項目とその項目の内容と各案件が受注されたか否かを示す受注結果情報とを対応付けて記憶する記憶装置、及び、ユーザから、上記複数の項目のうち1又は複数の項目の指定を受け付けるカスタム処理と、記憶装置から、上記各案件における指定された項目の内容の情報と、上記各案件における受注結果情報とを取得し、取得した各情報に基づき、業務の案件に関する上記指定された項目の内容を示す情報が入力され、その案件が今後受注される見込みを示す情報が出力される受注予測モデル141を生成する受注予測モデル生成処理とを実行する制御装置を備える、受注支援システム100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務の各案件についての複数の項目と当該項目の内容と前記各案件が受注されたか否かを示す受注結果情報とを対応付けて記憶する記憶装置、及び、
ユーザから、前記複数の項目のうち1又は複数の項目の指定を受け付けるカスタム処理と、
前記記憶装置から、前記各案件における前記指定された項目の内容の情報と、前記各案件における受注結果情報とを取得し、取得した各情報に基づき、業務の案件に関する前記指定された項目を示す内容の情報が入力され、当該案件が今後受注される見込みを示す情報が出力される受注予測モデルを生成する受注予測モデル生成処理とを実行する制御装置
を備える、受注支援システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
受注されていない業務の案件の項目の指定を受け付け、前記指定された項目についての内容を示す情報を取得し、取得した情報を前記受注予測モデルに入力することにより、前記受注されていない業務の案件が今後受注される見込みを示す情報を出力する受注予測処理を実行する、
請求項1に記載の受注支援システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記受注予測処理において、前記見込みを示す情報と共に、前記指定された項目を出力する、
請求項2に記載の受注支援システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記カスタム処理において、前記ユーザの属性を示す情報を取得し、前記ユーザと同じ属性を有する他のユーザにより指定された項目を出力しつつ、前記1又は複数の項目の指定を受け付ける、
請求項1に記載の受注支援システム。
【請求項5】
情報処理装置が、
業務の各案件についての複数の項目と当該項目の内容と前記各案件が受注されたか否かを示す受注結果情報とを対応付けた情報を記憶し、
ユーザから、前記複数の項目のうち1又は複数の項目の指定を受け付けるカスタム処理と、
前記記憶した情報から、前記各案件における前記指定された項目の内容の情報と、前記各案件における受注結果情報とを取得し、取得した各情報に基づき、業務の案件に関する前記指定された項目を示す内容の情報が入力され、当該案件が今後受注される見込みを示す情報が出力される受注予測モデルを生成する受注予測モデル生成処理とを実行する、
受注支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受注支援システム、及び受注支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業の売上げ又は利益の予測においては、現在進行中の各案件が将来受注に至るか否かを考慮することが必要である。しかしながら、様々な種類の案件を取り扱う企業では、これらが将来受注に至るか否かを予測することは一般に難しく、担当者の経験によることが多い。
【0003】
そこで、近年開発が進むAI(Artificial Intelligence)技術を用いて受注予測を行うべく、例えば特許文献1には、商品の将来の受注状況を予測するための受注予測モデルを作成する受注予測モデル作成方法であって、過去の所定期間における商品の受注状況を示す受注データを取得する取得ステップと、受注データに所定期間後の商品の受注状況をラベリングして、学習用データセットを作成する作成ステップと、学習用データセットに基づいて機械学習を行い、受注予測モデルを作成する学習ステップと、を有する受注予測モデル作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-53055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受注に至った又は受注に至らなかった理由には、各案件に応じて様々なものがあり、上記のような受注予測モデルを用いても、業種や担当分野によっては、必ずしも妥当な予測結果が得られるとは限らない。
【0006】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、案件の特性に応じた的確な案件受注の見込みの予測を支援することが可能な受注支援システム、及び受注支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するための本発明の一つは、業務の各案件についての複数の項目と当該項目の内容と前記各案件が受注されたか否かを示す受注結果情報とを対応付けて記憶する記憶装置、及び、ユーザから、前記複数の項目のうち1又は複数の項目の指定を受け付けるカスタム処理と、前記記憶装置から、前記各案件における前記指定された項目の内容の情報と、前記各案件における受注結果情報とを取得し、取得した各情報に基づき、業務の案件に関する前記指定された項目を示す内容の情報が入力され、当該案件が今後受注される見込みを示す情報が出力される受注予測モデルを生成する受注予測モデル生成処理とを実行する制御装置を備える、受注支援システム、である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、案件の特性に応じた的確な案件受注の見込みの予測を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る受注支援システムの構成の一例を説明する図である。
図2】受注予測モデル生成処理実行装置が備える機能の一例を説明する図である。
図3】受注予測処理実行装置が備える機能の一例を説明する図である。
図4】SFA接続用パラメータデータのデータ構成の一例を示す図である。
図5】データ管理システムが備える機能の一例を説明する図である。
図6】案件管理データ及び予測結果データのデータ項目の一例を示す図である。
図7】受注支援システムにおける各情報処理装置が備えるハードウェア構成の一例を説明する図である。
図8】本実施形態に係る受注支援処理の概要を説明するフロー図である。
図9】予測モデル生成処理の詳細を説明するフロー図である。
図10】案件データの一例を示す図である。
図11】カスタム処理の詳細を説明するフロー図である。
図12】カスタム項目選択画面の一例を示す図である。
図13】受注予測モデル生成処理の詳細を説明するフロー図である。
図14】受注予測処理の詳細を説明するフロー図である。
図15】案件データ取得処理の詳細を説明するフロー図である。
図16】受注率予測実行処理の詳細を説明するフロー図である。
図17】予測結果データ格納処理の詳細を説明するフロー図である。
図18】予測結果表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係る受注支援システム100の構成の一例を説明する図である。受注支援システム100は、受注予測モデル生成処理実行装置1、受注予測処理実行装置2、データ管理システム3、及びユーザ端末4の各情報処理装置を含んで構成される。これらの情報処理装置の間は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又は専用線等の有線又は無線の通信ネットワーク5により接続される。
【0011】
ユーザ端末4は、企業やその部署などの組織のユーザが使用する端末である。各組織では、業務の案件を有しており、受注に向けた営業活動を行っている。
【0012】
データ管理システム3は、各ユーザの、各案件に関する営業活動の情報(以下、業務情報という)を記憶している。データ管理システム3は、例えば、SFA(Sales Force Automation)等の営業支援システムである。
【0013】
受注予測モデル生成処理実行装置1は、データ管理システム3が記憶している業務情報と、ユーザ端末4により指定された案件の項目(以下、カスタム項目という)に関する情報とに基づき、現在進行中の案件の今後の受注の見込みを予測する学習済みモデル(以下、受注予測モデルという)を生成する。
【0014】
受注予測処理実行装置2は、ユーザから指定された、現在進行中の案件に関する情報を受注予測モデルに入力することにより、その案件の今後の受注の見込みを予測してその結果を出力する。
【0015】
次に、図2は、受注予測モデル生成処理実行装置1が備える機能の一例を説明する図である。受注予測モデル生成処理実行装置1は、モデル生成用案件データ格納部11、モデル生成用パラメータファイル格納部12、モデル生成プログラム格納部13、及びモデル格納部14を有する。これらの各部は、例えば、ディレクトリ又はフォルダである。
【0016】
モデル生成用案件データ格納部11は、案件データ111を備えて構成される。案件データ111は、後述するデータ管理システム3から取得されたデータである。案件データ111は、業務の各案件についての、複数の項目(以下、案件項目という)と、その項目の内容と、各案件が受注されたか否か(受注又は失注)を示す受注結果情報とを対応付けたデータを含む。また、案件データ111は、受注が確定していない(又は受注されないことが確定していない)、現在進行中の案件のデータも含む。案件データ111は、例えばファイル又はデータベース等である。
【0017】
モデル生成用パラメータファイル格納部12は、予測処理パラメータデータ121を備えて構成される。予測処理パラメータデータ121は、カスタム項目を格納したデータであり、例えばファイル又はデータベース等である。
【0018】
モデル生成プログラム格納部13は、モデル生成プログラム131を備えて構成される。モデル生成プログラム131は、例えばファイルの形態で記憶される。
【0019】
具体的には、モデル生成プログラム131は、ユーザから、案件データ111の前記複数の項目のうち1又は複数の項目の指定を受け付けるカスタム処理を実行する。
【0020】
また、モデル生成プログラム131は、受注予測モデル生成処理を実行する。すなわち、モデル生成プログラム131は、案件データ111に登録されている各案件における、カスタム処理で指定された項目(カスタム項目)の内容の情報と、その各案件における受注結果情報とを取得して、次述する学習データ142として記憶する。そして、モデル生成プログラム131は、取得した各情報に基づき、業務の案件に関する上記指定された項目(カスタム項目)の内容を示す情報が入力され、その案件が今後受注される見込みを示す情報が出力される受注予測モデル141を生成する。受注予測モデル141は、指定されたカスタム項目のパターンごとに作成される。
【0021】
次に、モデル格納部14は、受注予測モデル141及び学習データ142を備えて構成される。受注予測モデル141及び学習データ142は、例えばファイルである。
【0022】
本実施形態では、受注予測モデル141は、案件が受注される確率(受注率)を出力するものとするが、出力データはこれに限定されず、例えば、受注される又はされないといったバイナリ値を出力してもよいし、受注の見込みの確からしさのカテゴリを出力してもよい。
【0023】
また、本実施形態では、受注予測モデル141は、入力値が入力される入力層と、入力値から項目(カスタム項目)の特徴量を抽出して出力する1又は複数の中間層(隠れ層)と、項目の特徴量から受注率を出力する出力層とを有するニューラルネットワークとする。ニューラルネットワークとしては、例えば、CNN(Convolution Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)がある。また、ニューラルネットワーク以外にも、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、又は回帰木等を適用したモデルを採用してもよい。
【0024】
次に、図3は、受注予測処理実行装置2が備える機能の一例を説明する図である。受注予測処理実行装置2は、予測処理用案件データ格納部21、予測処理用パラメータファイル格納部22、モデル格納部23、予測処理プログラム格納部24、及び予測結果格納部25を有する。これらの各部は、例えば、ディレクトリ又はフォルダである。
【0025】
予測処理用案件データ格納部21は、受注予測モデル生成処理実行装置1の案件データ111から抽出される案件データ211を備えて構成される。この案件データ211は、例えばファイル又はデータベースである。
【0026】
予測処理用パラメータファイル格納部22は、受注予測モデル生成処理実行装置1から取得された予測処理パラメータデータ121と、受注予測処理実行装置2がデータ管理システム3にアクセスするためのデータであるSFA接続用パラメータデータ221とを備えて構成される。SFA接続用パラメータデータ221は、例えばファイルである。
【0027】
モデル格納部23は、受注予測モデル生成処理実行装置1から取得される受注予測モデル141及び学習データ142を備えて構成される。
【0028】
予測処理プログラム格納部24は、予測処理全体制御プログラム241及び予測処理実行プログラム242を備えて構成される。予測処理全体制御プログラム241及び予測処理実行プログラム242は、例えばファイルの形態で記憶される。
【0029】
予測処理全体制御プログラム241及び予測処理実行プログラム242(以下、両者を合わせて予測プログラムという)は、受注予測モデル141を用いて、ユーザが案件の受注に向けて活動中であるが未だ受注されていない業務の案件(未確定案件)が受注される見込みを予測する。
【0030】
具体的には、予測プログラムは、受注されていない業務の案件(未確定案件)における、カスタム処理で指定された項目についての内容を示す情報を取得し、取得した情報を受注予測モデル141に入力することにより、上記受注されていない業務の案件(未確定案件)が今後受注される見込み(受注率)を示す情報を出力する受注予測処理を実行する。
【0031】
予測結果格納部25は、受注予測モデル141が出力するデータである予測結果データ251を備えて構成される。予測結果データ251は、例えばファイルである。
【0032】
(SFA接続用パラメータデータ)
なお、図4は、SFA接続用パラメータデータ221のデータ構成の一例を示す図である。SFA接続用パラメータデータ221は、データ管理システム3へのアクセス情報(例えばログインID)が設定される接続認証情報2211と、データ管理システム3から取得する案件項目(カスタム項目)の格納位置(後述する項目314内の位置等)が設定される第1項目情報2212と、データ管理システム3における受注予測モデル141の予測結果の格納位置(後述する予測受注率323におけるデータ位置)を特定する情報(例えば、CSVファイルにおける列)が設定される第2項目情報2213とを有する。
【0033】
次に、図5は、データ管理システム3が備える機能の一例を説明する図である。データ管理システム3は、案件管理データ31及び予測結果データ32を記憶している。案件管理データ31は、受注されていない案件(未受注案件)及び受注される又は受注されないことが確定した案件(確定案件)のデータである。予測結果データ32は、受注予測処理実行装置2が出力した予測結果データ251を含むデータである。案件管理データ31及び予測結果データ32は、例えば、データベースである。
【0034】
(案件管理データ、予測結果データ)
ここで、図6は、案件管理データ31及び予測結果データ32のデータ項目の一例を示す図である。
【0035】
案件管理データ31は、案件の識別子が設定される案件ID311と、その案件の受注予定日、受注しないことが確定した日、又は受注が確定した日が設定される完了予定日312と、その案件の予定受注金額又は確定受注金額が設定される金額313と、その案件の各案件項目の内容を示す情報(以下、案件内容情報という)が1又は複数設定される項目314とを含む各データ項目を有する。
【0036】
案件項目は、受注結果情報(受注に至ったか否かを示す情報)を含む。また、案件項目は、例えば、相手方の属性の項目(属性項目)、受注又は失注に至るまでの経緯を示す情報の項目(経緯項目)、又は、受注又は失注に至った理由の項目(理由項目)を含む。
【0037】
属性項目に係る案件内容情報としては、例えば相手方の業種若しくは事業規模がある。経緯項目に係る案件内容情報としては例えば、交渉の回数、仮契約締結の有無、使用した書類、又は案件に関わった人物がある。理由項目に係る案件内容情報としては例えば、自社都合又は相手方都合等の理由を示す情報がある。これらの情報は、例えば、数値若しくは範囲であってもよいし、テキストデータであってもよいし、又はカテゴリを示すデータであってもよい。
【0038】
予測結果データ32は、受注予測モデル141による受注の予測処理ごとに付与された識別子が設定される予測結果ID321と、案件の識別子が設定される案件ID322と、受注予測モデル141による予測の結果(本実施形態では、受注率)が設定される予測受注率323とを含む各データ項目を有する。
【0039】
次に、図7は、受注支援システム100における各情報処理装置が備えるハードウェア構成の一例を説明する図である。各情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置91(プロセッサ)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置92(メモリ)と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置93と、キーボード、マウス、タッチパネルなどからなる入力装置94と、モニタ(ディスプレイ)等からなる、画面表示を行う出力装置95と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置96を備える。
【0040】
各情報処理装置の機能は、各情報処理装置のハードウェアによって、もしくは、各情報処理装置の制御装置91が、主記憶装置92又は補助記憶装置93に記憶されている各プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、これらのプログラムは、例えば、二次記憶デバイスや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSDなどの記憶デバイス、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの、情報処理装置で読み取り可能な記録媒体に格納される。なお、受注予測モデル生成処理実行装置1、受注予測処理実行装置2、及びデータ管理システム3は、その全部または一部が、例えば、クラウドシステムによって提供される仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、これらの装置によって提供される機能の全部または一部は、例えば、クラウドシステムがAPI(Application Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。
次に、受注支援システム100において行われる処理について説明する。
【0041】
図8は、本実施形態に係る受注支援処理の概要を説明するフロー図である。
【0042】
<受注支援処理>
まず、受注予測モデル生成処理実行装置1は、受注予測モデル141を生成する予測モデル生成処理s1を実行する。予測モデル生成処理s1は、例えば、受注予測モデル生成処理実行装置1がユーザ端末4から所定の開始指示を受信したこと若しくはデータ管理システム3の案件管理データ31が更新されたことを契機に、又は所定のタイミング(例えば、所定の時刻、所定の時間間隔)に開始される。
【0043】
その後、受注予測処理実行装置2は、受注予測モデル141に基づき、現在進行中のユーザの案件の今後の受注の見込みを予測する受注予測処理s2を実行する。受注予測処理s2は、例えば、受注予測処理実行装置2がユーザ端末4から所定の開始指示を受信したことを契機に開始される。
【0044】
その後、受注予測処理実行装置2は、受注の見込みの予測に関する情報をユーザ端末4に表示する結果表示処理s3を実行する。以上で、受注支援処理は終了する。
以下、各処理の詳細を説明する。
【0045】
<予測モデル生成処理>
図9は、予測モデル生成処理s1の詳細を説明するフロー図である。
【0046】
まず、モデル生成プログラム131は、データ管理システム3から、案件管理データ31の内容を取得し、案件データ111に記憶する(s11)。なお、モデル生成プログラム131は、ユーザの案件に関する案件管理データ31の内容を取得してもよいし、ユーザと同じ属性を有する他のユーザに関する案件管理データ31の内容を取得してもよいし、案件管理データ31の全ての内容を取得してもよい。
【0047】
<案件データ>
ここで、図10は、案件データ111の一例を示す図である。案件データ111は、データ管理システム3の案件管理データ31に対応するデータである。具体的には、案件データ111は、案件の識別子が設定される案件ID1111と、その案件の受注予定日、受注しないことが確定した日、又は受注が確定した日が設定される完了予定日1112と、その案件の予定受注金額又は確定受注金額が設定される金額1113と、その案件の案件内容情報が1又は複数設定される項目1114とを含む各データ項目を有する。
【0048】
次に、図9に示すように、モデル生成プログラム131は、カスタム項目を設定するカスタム処理s12を実行する。そして、モデル生成プログラム131は、s11で取得した案件データ及びs12で設定したカスタム項目に基づき受注予測モデル141を生成する受注予測モデル生成処理s13を実行する。
【0049】
<カスタム処理>
図11は、カスタム処理s12の詳細を説明するフロー図である。モデル生成プログラム131は、受注予測モデル141の生成に用いるカスタム項目を決定する(s121)。
【0050】
例えば、モデル生成プログラム131は、カスタム項目とする案件項目の選択を受け付けるカスタム項目選択画面1200(後述)を表示し、ユーザから、1又は複数のカスタム項目の指定を受け付ける。
【0051】
そして、モデル生成プログラム131は、s121で決定したカスタム項目の内容を、対応する案件IDに対応づけて予測処理パラメータデータ121に記憶する(s122)。なお、その後、SFA接続用パラメータデータ221の第1項目情報2212には、決定したカスタム項目が格納されている、案件管理データ31の項目314内の位置(CSVデータの列等)が設定される。
【0052】
そして、モデル生成プログラム131は、s121で入力されたカスタム項目のデータに関する前処理(例えば、欠損値の補完、異常値又は不要値の除去、データフォーマットの変換)を行う(s123)。具体的には、モデル生成プログラム131は、s11で記憶した案件データ111の各レコードから、s121で決定した各案件のカスタム項目に係る項目1114の内容を取得し、取得した内容に関して前処理を行う。モデル生成プログラム131は、前処理によって生成したデータ(以下、前処理データという)を記憶する。なお、前処理データは案件データ111に追加されるものとする。
【0053】
(カスタム項目選択画面)
ここで、図12は、カスタム項目選択画面1200の一例を示す図である。カスタム項目選択画面1200は、受注し又は受注しないことが確定した案件(確定案件)の指定を受け付ける案件指定欄1201と、案件指定欄1201で指定された案件の各案件項目のうちカスタム項目として選択する案件項目の指定を受け付けるカスタム項目指定欄1202とを備える。ユーザは、カスタム項目指定欄1202にチェックを付ける(”○”を付ける)こと等により、任意のカスタム項目を選択することができる。なお、カスタム項目選択画面1200には、ユーザの属性(業種)の入力を受け付ける属性入力欄1204が設けられていてもよい。
【0054】
案件指定欄1201は、案件ごとの指定の他、全ての案件について一括して指定できるようにしてもよい。
【0055】
また、カスタム項目選択画面1200には、他のユーザが設定したカスタム項目が表示されても良い。特に、カスタム項目選択画面1200には、ユーザと同じ属性を有する(例えば、同じ業種である)他のユーザが過去に選択したカスタム項目のうち選択頻度が最も高い(又は選択回数が最も多い)カスタム項目を表示する推奨項目表示欄1203が設けられていてもよい。ユーザは、この表示を参考にしてカスタム項目を選択することにより、ユーザの業態に即した、精度のよい受注予測モデル141を生成することができる。
【0056】
また、モデル生成プログラム131は、このようにユーザにより指定された案件項目をカスタム項目としてもよいし、案件項目の任意の組み合わせを自動的に生成してカスタム項目としてもよい。
【0057】
<受注予測モデル生成処理>
次に、図13は、受注予測モデル生成処理s13の詳細を説明するフロー図である。
【0058】
モデル生成プログラム131は、まず、カスタム処理s12で決定した確定案件のカスタム項目の内容及び当該確定案件の受注結果情報を、案件データ111から取得する(s131)。
【0059】
具体的には、モデル生成プログラム131は、案件データ111の各レコードから、カスタム処理s12で決定した各確定案件の各カスタム項目に係る項目1114の内容を取得する。また、案件データ111の各レコードから、カスタム処理s12で決定した各確定案件の項目1114のうち受注結果情報を取得する。
【0060】
モデル生成プログラム131は、s131で取得した情報を、受注予測モデル141の教師データに変換する処理(データフレームの生成)を行う(s132)。
【0061】
モデル生成プログラム131は、s132で生成した教師データに基づき、受注予測モデル141の生成(機械学習)を行う(s133)。モデル生成プログラム131は、生成した受注予測モデル141を記憶し、また、教師データを学習データ142として記憶する(s134)。
【0062】
<受注予測処理>
次に、図14は、受注予測処理s2の詳細を説明するフロー図である。まず、予測処理全体制御プログラム241が起動し(s21)、データ管理システム3から、受注見込みの予測のために受注予測モデル141に入力するデータとしての案件のデータを取得する案件データ取得処理s22を実行する。
【0063】
次に、予測処理全体制御プログラム241が予測処理実行プログラム242を呼び出すことで予測処理実行プログラム242が起動し(s24)、案件データ取得処理s22で取得したデータを受注予測モデル141に入力することで受注率を予測する受注率予測実行処理s25を実行する。
【0064】
その後、予測処理実行プログラム242は終了し(s26)、予測処理全体制御プログラム241が再開する(s27)。
【0065】
予測処理全体制御プログラム241は、受注率予測実行処理s25による受注率の予測結果を登録する予測結果データ格納処理s28を実行する。以上で受注率予測処理s2は終了する。
【0066】
<案件データ取得処理>
図15は、案件データ取得処理s22の詳細を説明するフロー図である。まず、予測処理全体制御プログラム241は、SFA接続用パラメータデータ221の内容を取得する(s221)。
【0067】
予測処理全体制御プログラム241は、案件データ取得処理s22を初めて実行しているか否かを判定する(s222)。案件データ取得処理s22を初めて実行している場合は(s222:YES)、予測処理全体制御プログラム241はs223の処理を実行し、案件データ取得処理s22を2回目以降に実行している場合は(s222:NO)、予測処理全体制御プログラム241はs224の処理を実行する。
【0068】
s223において予測処理全体制御プログラム241は、データ管理システム3から、現在進行中の全ての案件の情報を取得する。例えば、予測処理全体制御プログラム241は、SFA接続用パラメータデータ221の接続認証情報2211によりデータ管理システム3にアクセスし、ユーザが現在進行中の案件の案件IDに係るレコードのうち、完了予定日1112に確定日(受注が確定した日又は受注しないことが確定した日)が登録されていないレコードの内容を取得する。その後は、s225の処理が行われる。
【0069】
一方、s224において予測処理全体制御プログラム241は、データ管理システム3から、現在進行中のユーザの案件のうちs223の処理で取得していない全ての案件の情報を取得する。例えば、予測処理全体制御プログラム241は、データ管理システム3における、ユーザが現在進行中の案件の案件IDに係るレコードのうち、完了予定日1112に確定日が登録されておらずかつs223でその内容を取得していないレコードの内容を取得する。その後は、s225の処理が行われる。
【0070】
s225において予測処理全体制御プログラム241は、s223又はs224で取得した各案件のデータに基づき、各案件のカスタム項目の内容を抽出したデータを生成する。例えば、予測処理全体制御プログラム241は、s221で取得したSFA接続用パラメータデータ221の第1項目情報2212を用いて、CSVファイルを出力する。
【0071】
なお、予測処理全体制御プログラム241は、s223又はs224で取得したレコードに対して、データの更新タイミングのデータ(例えば、最終更新日)を追加する(s226)。以上で案件データ取得処理s22は終了する。
【0072】
<受注率予測実行処理>
図16は、受注率予測実行処理s25の詳細を説明するフロー図である。予測処理実行プログラム242は、案件データ取得処理s22で生成した、各案件のカスタム項目の内容のデータを取得する(s251)。そして、予測処理実行プログラム242は、取得したデータをそれぞれ受注予測モデル141に入力することで、各案件の受注率を出力させる(s253)。
【0073】
予測処理実行プログラム242は、s253で受注予測モデル141が出力したデータを、予測結果データ251の形式のデータ(ここではCSV形式とする)に変換して予測結果データ251に記憶する(s255)。以上で受注率予測実行処理s25は終了する。
【0074】
<予測結果データ格納処理>
次に、図17は、予測結果データ格納処理s28の詳細を説明するフロー図である。まず、予測処理全体制御プログラム241は、SFA接続用パラメータデータ221の内容を取得する(s281)。
【0075】
予測処理全体制御プログラム241は、受注率予測実行処理s25で記憶した予測結果データ251のデータを読み込み(s282)、読み込んだデータを、データ管理システム3の予測結果データ32に記憶する(s283)。
【0076】
例えば、予測処理全体制御プログラム241は、SFA接続用パラメータデータ221の接続認証情報2211によりデータ管理システム3にアクセスし、予測結果データ32の、SFA接続用パラメータデータ221の第2項目情報2213が示す位置(例えば、CSVの列)に、s282で読み込んだ予測結果のデータを格納する。以上で予測結果データ格納処理s28は終了する。
【0077】
なお、受注予測モデル生成処理実行装置1は、この予測結果データ格納処理s28の処理結果に基づき、データ管理システム3の各ユーザの各案件の案件管理データ31及び予測結果データ32から、ユーザ又はユーザと同じ属性を有する他のユーザの各確定案件について、事前に予測された受注率、受注結果情報、及び使用されたカスタム項目を取得することで、受注予測の正解率が高かった(例えば、所定の閾値を越える正解率であった)ときに使用されたカスタム項目を特定し、特定したカスタム項目の情報を、カスタム項目選択画面1200又は予測結果表示画面1800に表示させるようにしてもよい。これにより、ユーザは、自身の属性に応じて、より予測精度の高い受注予測モデル141を用いて、受注率を予測することができる。
【0078】
(予測結果表示画面)
図18は、予測結果表示画面1800の一例を示す図である。予測結果表示画面1800は、受注予測モデル141による予測処理ごとに割り当てられた予測の識別子(予測ID)が表示される予測ID表示欄1801、その予測処理によって受注率を予測した未確定案件の識別子(案件ID)が表示される案件ID表示欄1802、及び、その予測処理によって予測された受注率が表示される受注率表示欄1803を備える。なお、予測結果表示画面1800には、予測処理に用いられたカスタム項目の表示欄1804が表示されてもよい。
【0079】
また、予測結果表示画面1800には、予測処理に基づいて算出された、現在進行中の各案件による受注額の合計(売り上げの合計)の期待値1805が表示されてもよい。例えば、受注予測処理実行装置2は、予測処理に係る各案件の金額313をデータ管理システム3から取得し、取得した各金額に、予測処理で算出した各受注率をそれぞれ乗算して合計することで、期待値1805を算出する。
【0080】
以上のように、本実施形態の受注支援システム100は、ユーザから、各案件の1又は複数のカスタム項目の指定を受け付け、データ管理システム3から取得した、各案件におけるカスタム項目の内容の情報と各案件における受注結果情報とに基づき、案件のカスタム項目の内容の情報が入力され、その案件が今後受注される見込みを示す受注率が出力される受注予測モデル141を生成する。
【0081】
すなわち、案件が受注に至るか否かはユーザの事情すなわち案件の特性ないし性質に大きく依存する。そこで、本実施形態の受注支援システム100は、受注率を予測する受注予測モデル141の生成に用いる学習データの項目の指定をユーザから受け付けておくことで、ユーザのニーズに応じた予測精度の高い受注予測モデル141を生成することができる。
【0082】
このように、本実施形態の受注支援システム100によれば、案件の特性に応じた的確な案件受注の見込みの予測を支援することができる。
【0083】
また、本実施形態の受注支援システム100は、未確定案件の指定をユーザから受け付け、未確定案件のカスタム項目の内容の情報を受注予測モデル141に入力することにより、未確定案件が今後受注される見込みを示す情報(受注率)を出力する。
【0084】
これにより、ユーザは、自身の未確定案件についての受注の見込みの予測を高い精度で得ることができる。
【0085】
また、本実施形態の受注支援システム100は、予測結果表示画面1800において、受注率と共にカスタム項目を出力する。
【0086】
これにより、ユーザは、受注率の予測に用いた受注予測モデル141がどのような項目に着目して生成したものであるかがわかるので、予測された受注率の根拠を知得し、受注予測モデル141の運用に役立てることができる。
【0087】
また、本実施形態の受注支援システム100は、カスタム項目選択画面1200において、ユーザの属性と同じ属性を有する他のユーザにより指定されたカスタム項目を出力しつつ、カスタム項目の指定を受け付ける。
【0088】
これにより、ユーザは、自身と同じ属性を有する他ユーザのカスタム項目を参考にしつつ、適切なカスタム項目を設定することができる。これにより、ユーザ自身にとって有用な(精度の高い)受注予測モデル141を生成することができる。
【0089】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
【0090】
例えば、本実施形態の各装置が備えるハードウェアの一部は、他の装置に設けてもよい。
【0091】
また、各装置の各プログラムは他の装置に設けてもよいし、あるプログラムを複数のプログラムからなるものとしてもよいし、複数のプログラムを一つのプログラムに統合してもよい。例えば、受注予測モデル生成処理実行装置1及び受注予測処理実行装置2は一体のものとしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 受注予測モデル生成処理実行装置、2 受注予測処理実行装置、3 データ管理システム、4 ユーザ端末
図1
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図4
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