(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129295
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
A47B 3/08 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
A47B3/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038403
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 望
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 春彦
(72)【発明者】
【氏名】小田 洋一郎
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053GA05
3B053GA08
(57)【要約】
【課題】操作性やレイアウト性を向上させることができる天板付什器を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る天板付什器は、床面上を走行する走行部を有する支持構造体と、使用位置及び不使用位置の間で左右方向に沿う第1軸線回りに回転可能に支持構造体に支持された天板ユニットと、ロック状態及びロック解除状態間を移動可能に天板ユニットに支持された天板切替機構と、第1保持状態及び第2保持状態間を移動可能に天板ユニットに支持された走行部切替機構と、初期位置を挟んで第1側及び第2側に移動可能に前記天板ユニットに支持された操作部と、操作部の初期位置から第1側への移動に伴い天板切替機構をロック状態からロック解除状態に移行させる一方、操作部の初期位置から第2側への移動に伴い走行部切替機構を第1保持状態から第2保持状態に移行させる伝達機構と、を備えている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を走行する走行部を有し、前記走行部が前記床面上を走行不能な走行不能状態、及び前記走行部が前記床面上を走行可能な走行可能状態間で切替可能であって、前記床面に設置された支持構造体と、
前記支持構造体に支持された天板を有し、前記天板の作業面が上方を向く使用位置、及び前記作業面が前後方向の一方側を向く不使用位置の間で左右方向に沿う第1軸線回りに回転可能に前記支持構造体に支持された天板ユニットと、
前記支持構造体に係合して前記支持構造体に対する前記天板ユニットの前記不使用位置への前記第1軸線回りの回転を規制するロック状態、及び前記支持構造体との係合が解除されて前記支持構造体に対する前記天板ユニットの前記第1軸線回りの回転を許容するロック解除状態間を移動可能に前記天板ユニットに支持された天板切替機構と、
前記走行部を前記走行不能状態に保持する第1保持状態及び前記走行部を前記走行可能状態に保持する第2保持状態間を移動可能に前記天板ユニットに支持された走行部切替機構と、
初期位置を挟んで第1側及び前記第1側とは反対側である第2側に移動可能に前記天板ユニットに支持された操作部と、
前記操作部の前記初期位置から前記第1側への移動に伴い前記天板切替機構を前記ロック状態から前記ロック解除状態に移行させる一方、前記操作部の前記初期位置から前記第2側への移動に伴い前記走行部切替機構を前記第1保持状態から前記第2保持状態に移行させる伝達機構と、を備えている天板付什器。
【請求項2】
前記伝達機構は、
前記天板切替機構に連係する第1伝達部と、
前記走行部切替機構に連係する第2伝達部と、を備え、
前記第1伝達部及び前記第2伝達部それぞれが、前記操作部に接続されている請求項1に記載の天板付什器。
【請求項3】
前記第1伝達部及び前記第2伝達部が、連係部材として一体に形成されている請求項2に記載の天板付什器。
【請求項4】
前記伝達機構は、
前記連係部材と、
前記天板のうち前記作業面とは反対側を向く裏面に沿って延びるとともに、前記連係部材及び前記操作部間を接続する接続部と、を備え、
前記接続部は、前記初期位置に対する前記第1側又は前記第2側への前記操作部の移動に伴い、前記裏面に沿って移動可能である請求項3に記載の天板付什器。
【請求項5】
前記操作部は、前記操作部が前記初期位置よりも前記第1側又は前記初期位置よりも前記第2側に設定された規制位置にあるときに、前記規制位置に保持可能に構成されている請求項4に記載の天板付什器。
【請求項6】
前記連係部材は、左右方向に沿う第2軸線回りに互いに相対回転可能に前記天板ユニットに支持され、
前記操作部は、前記第2軸線よりも上方に位置するとともに、左右方向に沿う第3軸線回りに回転可能に前記天板ユニットに支持され、
前記接続部のうち、第1側端部は前記第3軸線に沿う第4軸線回りに回転可能に前記連係部材に支持され、第2側端部は前記第3軸線に沿う第5軸線回りに回転可能に前記操作部に支持され、
前記操作部は、前記初期位置において前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ仮想線に対して左右方向から見て一方側に前記第5軸線が位置し、前記規制位置において前記仮想線に対して左右方向から見て他方側に前記第5軸線が位置している請求項5に記載の天板付什器。
【請求項7】
前記天板には、前記使用位置において、下方に突出する突出部が形成され、
前記操作部は、前記突出部に支持されている請求項1から請求項6の何れか1項に記載の天板付什器。
【請求項8】
前記突出部は、前記天板と別体で設けられている請求項7に記載の天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付什器に関する。
【背景技術】
【0002】
天板付什器として、床面上を走行可能なキャスタを有する支持構造体と、作業面が上方を向く使用位置及び作業面が前方を向く不使用位置間で支持構造体に回転可能に支持された天板と、を備えた構成が知られている。例えば、下記特許文献1には、キャスタのロック位置及びアンロック位置間の切り替え(キャスタ切替動作)と、天板の使用位置及び不使用位置間の切り替え(フラップ動作)と、を一つのレバーで行える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、レバーを一方向に操作することで、キャスタをロック位置からアンロック位置に切り替えるとともに、天板を使用位置から不使用位置に切り替えられる構成である。そのため、キャスタ及び天板の位置を切り替えるにあたって、レバーの一方向への操作量が大きくなり易い。そのため、従来の天板付什器では、レバー周辺のレイアウト性を向上させる点で改善の余地があった。また、キャスタ切替動作及びフラップ動作の何れかのみを行う際に、操作が煩雑であるという課題があった。
【0005】
本発明は、操作性やレイアウト性を向上させることができる天板付什器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係る天板付什器は、床面上を走行する走行部を有し、前記走行部が前記床面上を走行不能な走行不能状態、及び前記走行部が前記床面上を走行可能な走行可能状態間で切替可能であって、前記床面に設置された支持構造体と、前記支持構造体に支持された天板を有し、前記天板の作業面が上方を向く使用位置、及び前記作業面が前後方向の一方側を向く不使用位置の間で左右方向に沿う第1軸線回りに回転可能に前記支持構造体に支持された天板ユニットと、前記支持構造体に係合して前記支持構造体に対する前記天板ユニットの前記不使用位置への前記第1軸線回りの回転を規制するロック状態、及び前記支持構造体との係合が解除されて前記支持構造体に対する前記天板ユニットの前記第1軸線回りの回転を許容するロック解除状態間を移動可能に前記天板ユニットに支持された天板切替機構と、前記走行部を前記走行不能状態に保持する第1保持状態及び前記走行部を前記走行可能状態に保持する第2保持状態間を移動可能に前記天板ユニットに支持された走行部切替機構と、初期位置を挟んで第1側及び前記第1側とは反対側である第2側に移動可能に前記天板ユニットに支持された操作部と、前記操作部の前記初期位置から前記第1側への移動に伴い前記天板切替機構を前記ロック状態から前記ロック解除状態に移行させる一方、前記操作部の前記初期位置から前記第2側への移動に伴い前記走行部切替機構を前記第1保持状態から前記第2保持状態に移行させる伝達機構と、を備えている。
【0007】
本態様によれば、操作部の初期位置に対する移動の向きに応じて、天板のフラップ動作と、走行部の切替動作と、を切り替えることができる。これにより、従来のようにレバーの一方向の移動によって天板のフラップ動作及び走行部の切替動作を行う場合に比べて、各動作を行うにあたっての操作量を小さく抑えることができる。そのため、伝達機構や天板切替機構の周辺でのレイアウト性を向上させることができる。また、天板のフラップ動作及び走行部の切替動作を連係機構の移動の向きで切り替えることで、操作方法を簡単に判断できる。その結果、誤操作の発生を抑制して、操作性の向上の向上を図ることができる。
【0008】
(2)上記(1)の態様に係る天板付什器において、前記伝達機構は、前記天板切替機構に連係する第1伝達部と、前記走行部切替機構に連係する第2伝達部と、を備え、前記第1伝達部及び前記第2伝達部それぞれが、前記操作部に接続されていることが好ましい。
本態様によれば、操作部の初期位置に対する移動の向きに応じて各伝達部のうち対応する伝達部が動作することで、天板のフラップ動作及び走行部の切替動作を切り替えることができる。
【0009】
(3)上記(2)の態様に係る天板付什器において、前記第1伝達部及び前記第2伝達部が、連係部材として一体に形成されていることが好ましい。
本態様によれば、第1伝達部及び第2伝達部を別体で形成する場合に比べて部品点数の削減やレイアウト性の向上を図ることができる。
【0010】
(4)上記(3)の態様に係る天板付什器において、前記伝達機構は、前記連係部材と、前記天板のうち前記作業面とは反対側を向く裏面に沿って延びるとともに、前記連係部材及び前記操作部間を接続する接続部と、を備え、前記接続部は、前記初期位置に対する前記第1側又は前記第2側への前記操作部の移動に伴い、前記裏面に沿って移動可能であることが好ましい。
本態様によれば、連係部材と操作部との間を接続部によって接続することで、天板の裏面上における操作部の位置の自由度を高めることができる。これにより、レイアウト性の更なる向上を図ることができる。
【0011】
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係る天板付什器において、前記操作部は、前記操作部が前記初期位置よりも前記第1側又は前記初期位置よりも前記第2側に設定された規制位置にあるときに、前記規制位置に保持可能に構成されていることが好ましい。
本態様によれば、操作部を規制位置に移動させることで、操作部から手を離した状態でも操作部を規制位置に保持することができる。これにより、フラップ動作又はキャスタ切替動作の操作性を向上させることができる。
【0012】
(6)上記(5)の態様に係る天板付什器において、前記連係部材は、左右方向に沿う第2軸線回りに互いに相対回転可能に前記天板ユニットに支持され、前記操作部は、前記第2軸線よりも上方に位置するとともに、左右方向に沿う第3軸線回りに回転可能に前記天板ユニットに支持され、前記接続部のうち、第1側端部は前記第3軸線に沿う第4軸線回りに回転可能に前記連係部材に支持され、第2側端部は前記第3軸線に沿う第5軸線回りに回転可能に前記操作部に支持され、前記操作部は、前記初期位置において前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ仮想線に対して左右方向から見て一方側に前記第5軸線が位置し、前記規制位置において前記仮想線に対して左右方向から見て他方側に前記第5軸線が位置していることが好ましい。
本態様によれば、操作部が初期位置から規制位置に移動する過程で、第5軸線が仮想線(上死点)を跨ぐことで、操作部を規制位置で保持できる。この場合、操作部を規制位置で保持するための別途の機構を設ける必要がないので、部品点数の増加、装置(伝達機構や操作部)の大型化を抑制できる。
【0013】
(7)上記(1)から(6)の何れかの態様に係る天板付什器において、前記天板には、前記使用位置において、下方に突出する突出部が形成され、前記操作部は、前記突出部に支持されていることが好ましい。
本態様によれば、操作部を操作する際に、操作部と天板との干渉を抑制できる。
【0014】
(8)上記(7)の態様に係る天板付什器において、前記突出部は、前記天板と別体で設けられていることが好ましい。
本態様によれば、突出部としての自由度を向上させることができるので、操作部と天板との干渉をより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
上記各態様によれば、操作性やレイアウト性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】天板が使用位置にある状態を示す天板付什器の斜視図である。
【
図2】天板が不使用位置にある状態を示す天板付什器において、一部を断面で示す斜視図である。
【
図3】キャスタユニットが走行不能位置にある状態を示す
図1のIII-III線に対応する断面図である。
【
図4】キャスタユニットが走行可能位置にある状態を示す
図3に対応する断面図である。
【
図5】天板を取り外した状態における天板付什器の斜視図である。
【
図6】連結プレート周辺を左右方向の外側から見た断面図である。
【
図8】天板を取り外した状態における天板付什器の斜視図である。
【
図9】
図6のIX-IX線に対応する断面図である。
【
図11】一括切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図12】一括切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図13】一括切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図14】一括切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図15】単独切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図16】単独切替モードを説明するための天板付什器の動作説明図である。
【
図17】変形例に係る天板付什器を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0018】
<天板付什器1>
図1は、天板3が使用位置Q1にある状態を示す天板付什器1の斜視図である。
図2は、天板3が不使用位置Q2にある状態を示す天板付什器1において、一部を破断した斜視図である。
図1、
図2に示す天板付什器1は、各種施設(例えばオフィスやホール、公共施設等)に設置された机装置である。天板付什器1は、キャスタ2を介して床面F上を走行可能であるとともに、使用時及び不使用時に応じて天板3の姿勢を変更可能とするもの(いわゆる、フラップ式)である。以下の説明において、床面Fに直交する方向を上下方向(矢印UPが上側)とし、上下方向に直交する2方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前側)及び左右方向(矢印LHが左側)として説明する。
【0019】
天板付什器1は、支持構造体10と、天板ユニット11と、作動機構12と、を備えている。
<支持構造体10>
支持構造体10は、床面F上に設置されている。支持構造体10は、左右方向に離間して配置された一対の脚ユニット15と、一対の脚ユニット15同士を連結する連結部16と、を備えている。各脚ユニット15は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、一の脚ユニット15を例にして脚ユニット15の構成を説明する。
【0020】
<脚ユニット15>
図3は、キャスタユニット15bが走行不能状態P1にある状態を示す
図1のIII-III線に対応する断面図である。
図4は、キャスタユニット15bが走行可能状態P2にある状態を示す
図3に対応する断面図である。
図3、
図4に示すように、脚ユニット15は、脚体15aと、キャスタユニット(走行部)15bと、を備えている。
【0021】
脚体15aは、左右方向から見て(側面視)でL字状に形成されている。具体的に、脚体15aは、ベース脚21と、脚柱22と、を備えている。
ベース脚21は、前後方向に延びるとともに、下方に開口する箱型に形成されている。ベース脚21の後端部には、ベース脚21の頂壁を上下方向に貫通する貫通孔21aが形成されている。ベース脚21の前後両端部には、ベース脚21から下方に向けて接地部23が突出している。
【0022】
脚柱22は、角筒状に形成されている。脚柱22は、ベース脚21の後端部から上方に延びている。図示の例において、脚柱22は、上方に向かうに従い漸次前方に延びている。脚柱22内は、貫通孔21aを通じてベース脚21内に連通している。
【0023】
キャスタユニット15bは、上下動可能にベース脚21内に収容されている。キャスタユニット15bは、キャスタステー26と、キャスタ2と、を備えている。キャスタステー26は、ベース脚21内を前後方向に延びている。キャスタ2は、キャスタステー26における前後方向の両端部にそれぞれ設けられている。
【0024】
キャスタユニット15bは、作動機構12の動作によって走行不能状態P1及び走行可能状態P2間を移行する。走行不能状態P1は、キャスタ2の下端が接地部23よりも上方に位置することで、キャスタ2が床面Fから離間した状態である。すなわち、天板付什器1は、キャスタユニット15bが走行不能状態P1にあるとき、接地部23を介して床面Fに接地する。一方、走行可能状態P2は、各キャスタ2が接地部23よりも下方に突出することで、各キャスタ2が床面Fに接地した状態である。すなわち、天板付什器1は、キャスタユニット15bが走行可能状態P2にあるとき、キャスタ2を介して床面F上を走行可能である。以下の説明では、キャスタユニット15bが走行不能状態P1にある状態を基準として説明する。
【0025】
<連結部16>
図5は、天板3を取り外した状態における天板付什器1の斜視図である。
図5に示すように、連結部16は、連結プレート31と、連結ビーム32と、を備えている。
連結プレート31は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。連結プレート31は、各脚柱22それぞれに対応して設けられている。具体的に、連結プレート31の下部は、各脚柱22のうち左右方向の内側に位置する内壁部に、ボルト等によって左右方向の内側から固定されている。すなわち、連結プレート31は、上部が脚柱22から上方に突出した状態で、脚柱22に固定されている。なお、図示の例において、連結プレート31の上部は、側面視において、脚柱22の前後方向の寸法よりも大きくなっている。
【0026】
図6は、連結プレート31周辺を左右方向の外側から見た断面図である。
図7は、作動モジュール52の分解斜視図である。
図6、
図7に示すように、連結プレート31の上部において、前後方向の中央部には、回転規制部31a及び復帰規制部31bが形成されている。回転規制部31aは、連結プレート31から左右方向の外側に突出している。復帰規制部31bは、連結プレート31のうち回転規制部31aの上方に位置する部分から左右方向の外側に突出している。回転規制部31a及び復帰規制部31bは、側面視においてそれぞれ円形状に形成されている。
連結プレート31のうち復帰規制部31bよりも前方に位置する部分には、受け部31cが形成されている。受け部31cは、連結プレート31の上端縁上で開口する凹部である。
【0027】
図8は、天板3を取り外した状態における天板付什器1の斜視図である。
図8に示すように、連結ビーム32は、各脚柱22に設けられた連結プレート31の上部同士を連結している。連結ビーム32は、連結プレート31の上部のうち、受け部31cよりも後方に位置する部分に溶接等によって固定されている。
【0028】
<天板ユニット11>
図1、
図2に示すように、天板ユニット11は、支持構造体10に下方から支持されている。天板ユニット11は、天板3と、ブラケット41と、を備えている。
天板3は、上下方向から見て(平面視で)左右方向を長手方向とする長方形状に形成されている。天板3における左右方向の寸法は、支持構造体10における左右方向の寸法よりも大きくなっている。以下の説明では、天板3の作業面3aが上方を向いた状態(使用位置Q1)を基準にして説明する。
【0029】
ブラケット41は、天板3の裏面3b(作業面3aとは反対側を向く面)における左右方向の両端部にそれぞれ固定されている。各ブラケット41は、左右対称の構成である。したがって、以下の説明では、一方のブラケット41を例にして、ブラケット41の構成を説明する。
【0030】
図9は、
図6のIX-IX線に対応する断面図である。
図10は、
図6のX-X線に対応する断面図である。
図8~
図10に示すように、ブラケット41は、正面視において、下方に開口するU字状に形成されている。具体的に、ブラケット41は、頂壁部41aと、内壁部41bと、外壁部41cと、を備えている。
頂壁部41aは、天板3の裏面3bのうち平面視で脚柱22の上端部と重なり合う位置に固定されている。頂壁部41aは、上下方向を厚さ方向として、前後方向に延びている。
内壁部41bは、頂壁部41aにおける左右方向の内側端縁から下方に延びている。
【0031】
図8に示すように、ブラケット41には、頂壁部41a及び内壁部41b間を跨る収容開口41dが形成されている。収容開口41dは、頂壁部41aを貫通する上方開口41d1、及び内壁部41bを貫通する側方開口41d2が互いに連通して形成されている。上方開口41d1の前後方向の寸法は、連結プレート31の前後方向の寸法よりも大きい。側方開口41d2の前後方向の寸法は、連結ビーム32の外径よりも大きい。
【0032】
上述した連結部16は、脚柱22との間にブラケット41を介在させた状態で脚柱22に組み付けられている。具体的に、連結プレート31は、上方開口41d1を通じてブラケット41内に挿入された状態で、脚柱22に固定されている。これにより、連結プレート31は、内壁部41bに対して左右方向の外側から内壁部41bに当接している。なお、支持構造体10とブラケット41とを組み付けた後、ブラケット41の上方には天板3が配置される。
【0033】
図10に示すように、外壁部41cは、頂壁部41aにおける左右方向の外側端縁から下方に延びている。外壁部41cは、連結軸45を介して連結プレート31に連結されている。連結軸45は、例えばボルト45a及びナット45bである。ボルト45aは、外壁部41c及び連結プレート31を左右方向に貫いた後、連結プレート31に固定されたナット45bに締結されている。ボルト45aは、外壁部41cに対して回転可能に支持されている。これにより、天板ユニット11は、左右方向に沿うボルト45aの軸線O1回りに回転可能に支持構造体10に支持されている。具体的に、天板ユニット11は、天板3の作業面3aが上方を向く使用位置Q1(
図1参照)と、天板3の作業面3aが後方(前後方向の一方側)を向く不使用位置Q2(
図2参照)と、の間を軸線O1回りに回転する。なお、使用位置Q1と不使用位置Q2との規定にあたっては、不使用位置Q2における作業面3aの法線方向のうち前後方向の成分が、使用位置Q1に比べて大きくなるように規定すればよい。本実施形態において、使用位置Q1での天板3は、作業面3aが床面Fと平行になった状態で配置されている。一方、不使用位置Q2での天板3は、作業面3aが床面Fに対して鋭角に交差した状態で配置されている。
【0034】
<作動機構12>
図5に示すように、作動機構12は、天板ユニット11の姿勢の変更動作(以下、フラップ動作という。)、及びキャスタユニット15bの上下動作(以下、キャスタ切替動作という。)を行う。作動機構12は、連動シャフト51と、一対の作動モジュール52と、操作機構54と、を備えている。
【0035】
図1に示すように、連動シャフト51は、連結ビーム32の前方(前後方向の他方側)を左右方向に延びている。連動シャフト51は、一対のブラケット41間に、軸線O1と平行な軸線O2回り回転可能に支持されている。
図9に示すように、連動シャフト51における左右方向の両端部は、それぞれ対応するブラケット41の内壁部41b及び外壁部41cを通じてブラケット41を左右方向に貫通している。連動シャフト51のうち、ブラケット41内に位置する部分は、対応する連結プレート31の受け部31cを通過している。
【0036】
図5に示すように、一対の作動モジュール52は、各脚体15aに対応して設けられている。以下の説明では、一方の作動モジュール52を例にして、作動モジュール52の構成について説明する。
【0037】
図5~
図7に示すように、作動モジュール52は、連係レバー(連係機構、連係部材)61と、天板切替レバー(天板切替機構)62と、キャスタ駆動ユニット63と、を備えている。
連係レバー61は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。連係レバー61は、ブラケット41内において、連動シャフト51と一体回転可能に構成されている。すなわち、連係レバー61は、連動シャフト51を介して天板ユニット11に回転可能に支持されている。
【0038】
連係レバー61は、連係ベース61aと、第1伝達部61bと、第2伝達部61cと、を備えている。
連係ベース61aは、側面視において、連係レバー61の外形を構成する部分である。側面視において、連係ベース61aの中央部には、連動シャフト51が固定されている。連係ベース61aの上端部には、被接続部61a1が形成されている。被接続部61a1は、例えば連係ベース61aを左右方向に貫通する貫通孔である。
【0039】
第1伝達部61bは、連係ベース61aの下端部において、左右方向の内側に向けて突出している。側面視において、第1伝達部61bは、軸線O2回りの周方向で第1側を向く当接面61b1を有している。
第2伝達部61cは、連係ベース61aのうち第1伝達部61bよりも後方に位置する部分に形成されている。第2伝達部61cは、連係ベース61aを左右方向に貫通するスリットである。第2伝達部61cは、軸線O2回りの周方向に沿って円弧状に延びている。第2伝達部61cの内面のうち、軸線O2回りの周方向で第1側を向く面は、第1エンド部61c1として機能する。一方、第2伝達部61cの内面のうち、軸線O2回りの周方向で第2側を向く面は、第2エンド部61c2として機能する。
【0040】
連係レバー61は、操作機構54の操作が被接続部61a1に伝達されることで、軸線O2回りに連動シャフト51と一体回転する。本実施形態において、連係レバー61は、操作力が付与されていない状態での位置を基準位置R1とし、基準位置R1に対して軸線O2回りの両側(前後方向の両側)に回転可能に構成されている。基準位置R1において、被接続部61a1は、軸線O1に対して上方かつ前方に位置している。
【0041】
図9に示すように、天板切替レバー62は、ブラケット41内において、連係レバー61に対して左右方向の内側に配置されている。天板切替レバー62は、内壁部41bに対して左右方向に離間して配置されている。側面視において、天板切替レバー62の一部は、連係レバー61と重なり合っている。
図6、
図7に示すように、天板切替レバー62は、レバー本体62aと、係合凹部62bと、係合突起62cと、を備えている。
【0042】
レバー本体62aは、側面視において、天板切替レバー62の外形を構成する部分である。レバー本体62aの上端部には、連動シャフト51が貫通している。天板切替レバー62は、軸線O2回りに回転可能に連動シャフト51に支持されている。すなわち、天板切替レバー62と連係レバー61とは、軸線O2回りに相対回転可能に構成されている。また、天板切替レバー62は、連動シャフト51を介して天板ユニット11(ブラケット41)及び連係レバー61に回転可能に支持されている。
【0043】
係合凹部62bは、レバー本体62aの下部において、後方に向けて開放されている。図示の例において、係合凹部62bは、軸線O2回りの周方向に延びる凹部であって、軸線O2回りの周方向で第2側に向けて開放されている。係合凹部62bは、天板切替レバー62の軸線O2回りの回転に伴い、ロック状態S1とロック解除状態S2との間を移動する。連係レバー61が基準位置R1にあって、天板切替レバー62がロック状態S1にあるとき、係合凹部62b内には、回転規制部31aが収容されている。これにより、回転規制部31aは、係合凹部62bの内面に上下方向(軸線O1回りの周方向)で係合する。
【0044】
天板切替レバー62は、回転規制部31aに係合することで、支持構造体10に対する天板ユニット11の使用位置Q1から不使用位置Q2(
図2参照)への回転を規制している。一方、
図15に示すように、係合凹部62b内には、天板ユニット11が不使用位置Q2にあるとき、ロック状態S1に移動することで、復帰規制部31bが収容される。これにより、復帰規制部31bは、係合凹部62bの内面に上下方向(軸線O1回りの周方向)で係合する。すなわち、天板切替レバー62は、復帰規制部31bに係合することで、支持構造体10に対する天板ユニット11の不使用位置Q2から使用位置Q1への回転を規制している。また、
図14に示すように、係合凹部62bは、ロック解除状態S2にあるとき、回転規制部31aに対して平面視で重ならない位置(前方)に退避することで、回転規制部31aとの係合が解除される。これにより、支持構造体10に対する天板ユニット11の使用位置Q1及び不使用位置Q2間での回転が許容される。
【0045】
係合突起62cは、レバー本体62aのうち、係合凹部62bよりも下方に位置する部分から左右方向の外側に向けて突出している。係合突起62cは、側面視において、上方に向けて開口するU字状に形成されている。係合突起62cの内側には、第1伝達部61bが収容される。側面視において、係合突起62cは、軸線O2回りの周方向の第2側を向くレバー係合面62c1を有している。レバー係合面62c1は、係合突起62cの内側に第1伝達部61bが収容された状態で、当接面61b1が軸線O2回りで係合(当接)する。
【0046】
天板切替レバー62は、ロック状態S1にあるとき、連係レバー61が基準位置R1から軸線O2回りの第1側(前方)に回転する過程で、第1伝達部61bを介して係合突起62cが軸線O2回りの第1側に押し込まれることで、連係レバー61と一体で回転する。これにより、天板切替レバー62は、ロック状態S1からロック解除状態S2に向けて移動する。一方、天板切替レバー62は、ロック状態S1にあるとき、連係レバー61が基準位置R1から軸線O2回りの第2側(後方)に回転する過程で、第1伝達部61bと係合突起62cとの係合が解除され、ロック状態S1で静止した状態を維持する。つまり、天板切替レバー62に対して連係レバー61が軸線O2回りの第2側に回転したとき、第1伝達部61bは係合突起62cから退避可能に構成されている。なお、天板切替レバー62と天板ユニット11(例えば、頂壁部41a)との間には、天板切替レバー62をロック状態S1に向けて付勢するレバー付勢部材(不図示)が介在している。
【0047】
図3、
図5に示すように、キャスタ駆動ユニット63は、連係レバー61とキャスタユニット15bとの間を接続している。キャスタ駆動ユニット63は、連係レバー61の回転に伴い、キャスタユニット15bを走行不能状態P1及び走行可能状態P2間で移動させる。具体的に、キャスタ駆動ユニット63は、連結バー(走行部切替機構)80と、後側リンクバー81と、前側リンクバー82と、を備えている。
【0048】
図2~
図4に示すように、連結バー80は、連係レバー61と後側リンクバー81との間を接続している。連結バー80は、脚柱22内を上下方向に貫いている。
図6に示すように、連結バー80の上端部には、左右方向の内側に向けて連結ピン80aが突出している。連結ピン80aは、第2伝達部61c内に収容されている。すなわち、連結ピン80aは、第2伝達部61c内を移動可能に設けられている。具体的に、連結ピン80aは、連係レバー61が基準位置R1にあるとき、第2伝達部61cの第2エンド部61c2に軸線O2回りの第2側から近接又は当接している(第1保持状態T1)。第1保持状態T1において、連結ピン80aは第2伝達部61cの内面のうち第1エンド部61c1及び第2エンド部61c2間に位置する部分であって、下方を向く面(下向面61c3)に当接することで、連係レバー61に対する連結バー80の上方への移動が規制されている。したがって、連結ピン80a(連結バー80)が第1保持状態T1にあるとき、キャスタユニット15bは走行不能状態P1に保持される。なお、連結ピン80aは、連係レバー61の基準位置R1から軸線O2回りの第1側(前方)に回転する過程で、第2伝達部61c内を空走(連結バー80が静止した状態で連係レバー61が回転)することで第2エンド部61c2から離間する(
図11参照)。この際においても、連係レバー61に対する連結ピン80aの上方への移動が下向面61c3によって規制されている。
【0049】
連結ピン80aは、連係レバー61の基準位置R1から軸線O2回りの第2側(後方)に回転する過程で、第2エンド部61c2によって後方に押し込まれることで、連係レバー61と一体に移動する。すなわち、連結ピン80aは、軸線O2回りに公転する。連結ピン80aが連係レバー61と一体に移動することで、連結バー80が上方に引き上げられる(
図15参照)。これにより、連結ピン80a(連結バー80)は、キャスタユニット15bを走行可能状態P2に保持する第2保持状態T2となる。第2保持状態T2において、連結ピン80aは第2エンド部61c2によって下方(軸線O2回りの第1側)から支持されることで、連係レバー61に対する下方への移動が規制されている。
【0050】
図3、
図4に示すように、後側リンクバー81は、側面視でV字状に形成されている。具体的に、後側リンクバー81は、中央連結部81aと、第1連結部81bと、第2連結部81cと、を備えている。中央連結部81aは、ベース脚21のうち貫通孔21aよりも前方に位置する部分に左右方向に沿う軸線回りに回転可能に連結されている。第1連結部81bは、中央連結部81aから後方に延びている。第1連結部81bは、脚柱22内において連結バー80の下端部に左右方向に沿う軸線回りに回転可能に連結されている。第2連結部81cは、中央連結部81aから前方に向けて延びている。第2連結部81cは、キャスタステー26の後部に左右方向に沿う軸線回りに回転可能に連結されている。すなわち、後側リンクバー81は、連結バー80の上下動に伴い、第1連結部81bを介して上下方向に操作力が付与されることで、中央連結部81aを起点に回転する。これにより、後側リンクバー81は、連結バー80の上方移動に伴い、第2連結部81cが下方に移動するように回転し、連結バー80の下方移動に伴い、第2連結部81cが上方に移動するように回転する。
【0051】
前側リンクバー82は、ベース脚21内における前端部において、ベース脚21及びキャスタステー26それぞれに回転可能に接続されている。前側リンクバー82は、左右方向を厚さ方向として直線状に延びている。前側リンクバー82の第1端部は、ベース脚21の前部(後側リンクバー81よりも前方に位置する部分)に左右方向に沿う軸線回りに回転可能に連結されている。前側リンクバー82の第2端部は、キャスタステー26に左右方向に沿う軸線回りに回転可能に連結されている。前側リンクバー82は、後側リンクバー81の回転に伴うキャスタステー26の上下動に伴い、ベース脚21及びキャスタステー26に対して回転することで、ベース脚21に対してキャスタステー26の前端部を上下動させる。なお、キャスタユニット15bは、キャスタステー26とベース脚21との間に設けられたキャスタ付勢部材(不図示)によって走行不能状態P1に付勢されている。
【0052】
図5に示すように、操作機構54は、例えば右側の作動モジュール52を構成する連係レバー61の被接続部61a1に接続されて、作動モジュール52を動作させる。操作機構54は、接続部90と、操作部91と、を備えている。なお、操作機構54は、各作動モジュール52それぞれに設けられていてもよい。
【0053】
接続部90は、連係レバー61と操作部91との間を接続する。接続部90は、剛性に優れた材料(例えば、金属等)によって形成されている。接続部90は、接続バー90aと、第1軸部90bと、第2軸部90cと、を備えている。
接続バー90aは、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。接続バー90aは、天板3の裏面3bに沿って前後方向に延びている。
第1軸部90bは、接続バー90aの後端部から左右方向の内側に突出している。
第2軸部90cは、接続バー90aの前端部から左右方向の外側に突出している。
【0054】
接続部90は、第1軸部90bが被接続部61a1に左右方向の外側から差し込まれることで、連係レバー61に対して第1軸部90bの軸線(第4軸線)O3回りに回転可能に支持されている。
図6に示すように、接続バー90aは、連係レバー61が基準位置R1にあるとき、連係レバー61の上端部から前方に向かうに従い下方に向けて直線状に延びている。接続バー90aの前端部は、天板3の前端部まで達している。
【0055】
図5、
図6に示すように、操作部91は、操作機構54のうち使用者によって操作される部分である。操作部91は、天板3の前端部において、天板3の裏面3bにステー(突出部)93を介して支持されている。本実施形態において、操作部91は、天板3の下方において、天板3の前端部に対応し、かつブラケット41に対して左右方向の外側に位置する部分に配置されている。したがって、操作部91は、天板3に対して左右方向の外側及び前方それぞれからアクセス可能に設けられている。
【0056】
ステー93は、正面視において、下方に開口するU字状に形成されている。ステー93は、天板3とは別体で、天板3の裏面3bから下方に突出した状態で設けられている。具体的に、ステー93は、頂壁部93aと、一対の支持片93bと、を備えている。
頂壁部93aは、天板3の裏面3bにビス等によって固定されている。
一対の支持片93bは、頂壁部93aにおける左右方向の両端縁から下方に延びている。
【0057】
操作部91は、側面視でL字状に形成されている。具体的に、操作部91は、側面視において、上下方向の中央部から上下方向の両側に向かうに従い前後方向の寸法が漸次小さくなっている。操作部91の上端部は、一対の支持片93b内に配置されている。操作部91の上端部には、一対の支持片93b間に架け渡された支持ピン95が左右方向に貫通している。これにより、操作部91は、支持ピン95の軸線O4(第3軸線)回りに回転可能に支持されている。操作部91は、初期位置M1を基準にして、軸線O4回りの両側(第1側及び第2側)に回転可能に構成されている。操作部91のうち、支持ピン95よりも下方に位置する部分には、第2軸部90cが支持されている。第2軸部90cは、操作部91を左右方向に貫通している。これにより、第2軸部90cは、第2軸部90cの軸線O5(第5軸線)回りに回転可能に回転可能に操作部91に支持されている。なお、軸線O5は、軸線O2よりも上方かつ前方に位置するとともに、操作部91が初期位置M1(連係レバー61が基準位置R1)にあるとき、軸線O4よりも下方かつ後方に位置している。なお、本実施形態において、第2軸線O2回りの第1側(前方)及び第4軸線O4回りの第1側(後方)同士、並びに第2軸線O2回りの第2側(後方)及び第4軸線O4回りの第2側(前方)同士は、前後方向で異なる向きを示している。但し、第2軸線O2回りの第1側及び第4軸線O4回りの第1側同士、並びに第2軸線O2回りの第2側及び第4軸線O4回りの第2側同士は、前後方向で互いに同一の向きを示していてもよい。
【0058】
<天板付什器1の使用方法>
次に、天板付什器1の使用方法について説明する。本実施形態の天板付什器1は、フラップ動作の有無に関わらず、キャスタ切替動作が行えるようになっている。以下の説明では、天板ユニット11を不使用位置Q2に移行させる際にキャスタ切替動作を行う一括切替モードと、天板ユニット11を使用位置Q1にしたままキャスタ切替動作を行う単独切替モードと、について説明する。また、以下の説明では、天板ユニット11が使用位置Q1にあり、キャスタユニット15bが走行不能状態P1にある状態を初期状態として説明する。
【0059】
図11~
図14は、一括切替モードを説明するための天板付什器1の動作説明図であって、
図6に対応する図である。
まず、一括切替モードについて説明する。天板付什器1が初期位置にある状態において、
図11、
図12に示すように、操作部91を後方に押し込む。すると、操作部91が軸線O4回りに回転することで、第2軸部90cが軸線O4回りで第1側(後方)に移動する。これにより、接続部90が後方に押し込まれることで(矢印Y1参照)、連係レバー61が基準位置R1から軸線O2回りの第1側に回転する。すると、
図12に示すように、第1伝達部61b(当接面61b1)を介して係合突起62cのレバー係合面62c1が軸線O2回りの第1側に押し込まれることで、天板切替レバー62が連係レバー61とともに軸線O2回りの第1側に回転する(矢印Y2参照)。連係レバー61が軸線O2回りの第1側に回転する際、連結ピン80aは、第2伝達部61c内において第1エンド部61c1に向けて相対的に移動する。そのため、連係レバー61が軸線O2回りの第1側へ回転したとしても、連結バー80は静止した状態(第1保持状態T1)を維持する。なお、一方の作動モジュール52における連係レバー61が回転することに伴い、連動シャフト51も軸線O2回りの第1側に回転する。これにより、一方の作動モジュール52における連係レバー61の回転動作が連動シャフト51を介して他方の作動モジュール52における連係レバー61に伝達されることで、一対の作動モジュール52が同期して動作する。
【0060】
天板切替レバー62がレバー付勢部材の付勢力に抗して軸線O2回りの第1側に回転すると、天板切替レバー62がロック状態S1からロック解除状態S2に移行することで、係合凹部62bから回転規制部31aが離脱する(係合が解除される)。これにより、支持構造体10に対する天板ユニット11の軸線O1回りの回転が許容される。
【0061】
天板切替レバー62がロック解除状態S2に移行した後、天板ユニット11を不使用位置Q2に向けて移行させる。具体的には、
図13に示すように、操作部91を押し込んだまま(連係レバー61を軸線O2回りの第1側に回転させたまま)、天板3の前端部を押し上げる。すると、天板ユニット11が軸線O1回りに回転する。これにより、連動シャフト51が受け部31cから抜け出した後、天板ユニット11が不使用位置Q2に移行する。
【0062】
天板ユニット11が使用位置Q1から不使用位置Q2に移行する過程で、軸線O2は軸線O1回りを上方に向けて公転する。これにより、連係レバー61及び天板切替レバー62が軸線O1回りを公転する。すると、連結ピン80aは、第2伝達部61c内において第1エンド部61c1に当接する。この状態で、連係レバー61が軸線O1回りにさらに公転することで、連結バー80が連係レバー61を介して引き上げられる。
【0063】
図3、
図4に示すように、連結バー80の上方への移動に伴い、第1連結部81bが引き上げられると、後側リンクバー81が中央連結部81aを起点に回転する。これにより、第2連結部81cが下方に移動することで、キャスタユニット15bの後端部がキャスタステー26を介して押し下げられる。また、キャスタステー26の下方への移動に伴い、前側リンクバー82の第2端部が下方を向くように前側リンクバー82が回転することで、キャスタユニット15bの前端部も押し下げられる。その結果、キャスタユニット15bがキャスタ付勢部材の付勢力に抗して走行可能状態P2に移行する。すなわち、本実施形態の天板付什器1では、天板ユニット11が使用位置Q1から不使用位置Q2に移行するのに伴い、キャスタユニット15bが走行不能状態P1から走行可能状態P2に移行するようになっている。
【0064】
図14に示すように、キャスタユニット15bが走行可能状態P2に移行した後、操作部91への操作力を解除する。連係レバー61には、例えばレバー付勢部材の付勢力が天板切替レバー62を介して作用している。そのため、当接面61b1がレバー係合面62c1を押し下げることで、連係レバー61及び天板切替レバー62が一体となって軸線O2回りの第2側に回転する。その結果、連係レバー61が基準位置R1に復帰するとともに、天板切替レバー62がロック状態S1に復帰する。天板ユニット11を不使用位置Q2にある状態で、天板切替レバー62がロック状態S1に復帰すると、係合凹部62bが復帰規制部31bに上方から嵌まり込む(係合する)。これにより、支持構造体10に対する天板ユニット11の不使用位置Q2への回転が規制される。また、連係レバー61が軸線O2回りの第2側に回転することで、接続部90が天板3の裏面3bに沿って移動する(矢印Y3参照)。これにより、操作部91が軸線O4回りの第2側に回転することで、初期位置M1に復帰する。
【0065】
一括切替モードを利用することで、天板ユニット11を不使用位置Q2に跳ね上げた状態で、天板付什器1を床面F上で移動させることができる。この場合、前後方向に隣り合う天板付什器1のうち、脚ユニット15を入れ子状に配置しつつ、天板ユニット11を前後方向に重ね合わせた状態で収納(いわゆる、ネスティング収納)することができ、収納スペースの削減を図ることができる。
【0066】
なお、天板付什器1を初期位置に復帰させる場合には、上述した場合と逆の動作を行う。すなわち、操作部91を介して連係レバー61を軸線O2回りの第1側に回動させ、天板切替レバー62をロック解除状態S2に移行させた状態で、天板ユニット11を軸線O1回りに回転させる。これにより、天板ユニット11が使用位置Q1に復帰する。天板ユニット11が使用位置Q1する過程で、連係レバー61及び天板切替レバー62が軸線O1回りを下方に向けて回転する。これにより、連結バー80を介してキャスタユニット15bが走行可能状態P2から走行不能状態P1に引き上げられる。その結果、天板付什器1は、接地部23を介して床面Fに接地する。
【0067】
図15、
図16は、単独切替モードを説明するための動作説明図であって、
図6に対応する図である。
続いて、単独切替モードについて説明する。
図15、
図16に示すように、操作部91を軸線O4回りの第2側(前方)に引っ張ると、連係レバー61が基準位置R1から軸線O2回りの第2側に回転する。この際、連係レバー61が天板切替レバー62に対して独立して回転することで、当接面61b1がレバー係合面62c1から離間する。つまり、天板切替レバー62がロック状態S1を維持したまま、連係レバー61が回転する。すると、連結ピン80aは、連係レバー61の基準位置R1から軸線O2回りの第2側(後方)に回転する過程で、第2エンド部61c2によって軸線O2回りの第2側に押し込まれる。これにより、連結バー80が第1保持状態T1から第2保持状態T2へ移行することで、連結バー80が引き上げられる。すると、
図3、
図4に示すように、連結バー80がキャスタユニット15bを下降させ、キャスタユニット15bが走行不能状態P1から走行可能状態P2に移行する。すなわち、単独切替モードでは、天板ユニット11が使用位置Q1に維持されたままで、キャスタユニット15bが走行不能状態P1から走行可能状態P2に移行する。
【0068】
単独切替モードでは、天板ユニット11を使用位置Q1に維持したまま、床面F上を移動させることができる。そのため、天板付什器1の位置を微調整したい場合等、天板ユニット11を跳ね上げることなく行うことができる。
【0069】
ここで、
図6に示すように、操作部91が初期位置M1(連係レバー61が基準位置R1)にあるとき、軸線O5は軸線O3と軸線O4とを結ぶ仮想線Lよりも下方(一方側)に位置している。一方、
図16に示すように、操作部91を軸線O4回りの第2側(前方)に引っ張り、キャスタユニット15bが走行可能状態P2まで移行した際、軸線O5は仮想線Lに対して上方に位置している。具体的に、
図6、
図15、
図16に示すように、単独切替モードにおいて、操作部91を前方に引っ張ることで、軸線O5は軸線O4回りに公転する。軸線O5が仮想線L上に位置したとき(軸線O3,O4,O5が直線状に並んだとき)に、軸線O5は最も軸線O2から離れることになる(上死点)。その後、キャスタユニット15bを走行可能状態P2まで移行させるために、操作部91をさらに引っ張ると、軸線O5が上死点に対して上方かつ後方に移動する(規制位置M2)。すなわち、キャスタユニット15bが走行不能状態P1と走行可能状態P2との間を移行する際に、軸線O5は上死点(仮想線L)を跨ぐように設定されている。その上で、本実施形態では、キャスタユニット15bが走行可能状態P2に到達した時点において、キャスタ付勢部材や作動モジュール52の自重等によっては、軸線O5が上死点を跨がないように設定されている。そのため、操作部91は、規制位置M2において、操作部91から手を離した場合であっても、キャスタユニット15bは走行可能状態P2を維持する。
【0070】
単独切替モードにおいて、天板付什器1を初期位置(キャスタユニット15bを再び走行不能状態P1)に復帰させるには、例えば操作部91を下方に押し下げる。すると、連係レバー61が軸線O2回りの第1側に向けて回転することで、連係レバー61が基準位置R1に復帰する。また、連係レバー61の基準位置R1への回転に伴い、第2エンド部61c2が連結ピン80aから離間しようとする。すると、キャスタ付勢部材の付勢力によってキャスタユニット15bが走行可能状態P2から走行不能状態P1に上昇する。これにより、連結バー80が引き下げられる。
【0071】
このように、本実施形態において、操作部91の初期位置M1から第1側(前方)への移動に伴い連結バー80を第1保持状態T1から第2保持状態T2に移行させる一方、操作部91の初期位置Mから第2側(後方)への移動に伴い天板切替レバー62をロック状態S1からロック解除状態S2に移行させる構成とした。
この構成によれば、操作部91の初期位置M1に対する移動の向きに応じて、フラップ動作と、キャスタ切替動作と、を切り替えることができる。これにより、従来のようにレバーの一方向の移動によってフラップ動作及びキャスタ切替動作を行う場合に比べて、各動作を行うにあたっての操作量を小さく抑えることができる。そのため、伝達機構(連係レバー61)や天板切替レバー62の周辺でのレイアウト性を向上させることができる。また、フラップ動作及びキャスタ切替動作を操作部91の移動の向きで切り替えることで、操作方法を簡単に判断できる。その結果、誤操作の発生を抑制して、操作性の向上の向上を図ることができる。
【0072】
本実施形態の天板付什器1において、天板切替レバー62に連係する第1伝達部61bと、連結バー80に連係する第2伝達部61cと、が操作部91に接続される構成とした。
この構成によれば、操作部91の初期位置M1に対する移動の向きに応じて各伝達部61b,61cのうち対応する伝達部が動作することで、フラップ動作と、キャスタ切替動作と、を切り替えることができる。
【0073】
本実施形態の天板付什器1において、第1伝達部61b及び第2伝達部61cが連係レバー61として一体に形成されている構成とした。
この構成によれば、第1伝達部61b及び第2伝達部61cを別体で形成する場合に比べて部品点数の削減やレイアウト性の向上を図ることができる。
【0074】
本実施形態の天板付什器1は、伝達機構として、連係レバー61と、接続部90と、を備え、接続部90が、初期位置M1に対する第1側又は第2側への操作部91の移動に伴い、天板3の裏面3bに沿って移動可能である構成とした。
この構成によれば、連係レバー61と操作部91との間を接続部90によって接続することで、天板3の裏面上における操作部91の位置の自由度を高めることができる。これにより、レイアウト性の更なる向上を図ることができる。
【0075】
本実施形態の天板付什器1において、操作部91は、初期位置M1よりも第1側又は第2側に設定された規制位置M2にあるとき、規制位置M2に保持可能な構成とした。
この構成によれば、操作部91を規制位置M2に移動させることで、操作部91から手を離した状態でも操作部91を規制位置M2に保持することができる。これにより、フラップ動作又はキャスタ切替動作の操作性を向上させることができる。
【0076】
本実施形態の天板付什器1において、操作部91は、初期位置M1において軸線O3と軸線O4とを結ぶ仮想線Lに対して左右方向から見て下方(一方側)に軸線O5が位置し、規制位置M2において仮想線Lに対して左右方向から見て上方(他方側)に軸線O5が位置している構成とした。
この構成によれば、操作部91が初期位置M1から規制位置M2に移動する過程で、軸線O5が上死点を跨ぐことで、操作部91を規制位置M2で保持できる。この場合、操作部91を規制位置M2で保持するための別途の機構を設ける必要がないので、部品点数の増加、装置(伝達機構や操作部91)の大型化を抑制できる。
【0077】
本実施形態の天板付什器1において、操作部91は、天板3から下方に突出するステー(突出部)93に支持される構成とした。
この構成によれば、操作部91を操作する際に、操作部91と天板3との干渉を抑制できる。
【0078】
本実施形態の天板付什器1において、ステー93は、天板3と別体で設けられている構成とした。
この構成によれば、突出部としての自由度を向上させることができるので、操作部91と天板3との干渉をより確実に抑制できる。
【0079】
(変形例)
上述した実施形態では、伝達機構としての第1伝達部61b及び第2伝達部61cが連係レバー61として一体に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、
図17に示すように、第1伝達部100及び第2伝達部101が操作部91に別々に接続される構成であってもよい。
図17に示す変形例において、操作部91は、上下方向に沿う軸線C回りに回転可能に天板3に支持されている。
【0080】
第1伝達部100は、天板3の下方において、天板3の裏面に沿って前後方向に延びている。第1伝達部100の後端部は、天板切替レバー62に接続されている。第1伝達部100の前端部は、操作部91のうち軸線Cに対して左右方向の一方側に接続されている。
第2伝達部101は、天板3の下方において、天板3の裏面に沿って前後方向に延びている。第2伝達部101の後端部は、連結バー80の上端部に接続されている。第2伝達部101の前端部は、操作部91のうち軸線Cに対して左右方向の他方側に接続されている。
【0081】
本変形例において、例えば第1伝達部100を介して天板切替レバー62をロック状態S1からロック解除状態S2に移行させるには、操作部91を左右方向の他方側に向けて移動させる。すると、操作部91が軸線C回りに回転することで、第1伝達部100が前方に引っ張られる。これにより、天板切替レバー62がロック解除状態S2に移行する。
一方、第2伝達部101を介してキャスタユニット15bを走行不能状態P1から走行可能状態P2に移行させるには、操作部91を左右方向の一方側に向けて移動させる。すると、操作部91が軸線C回りに回転することで、第2伝達部101が前方に引っ張られる。これにより、連結バー80が引き上げられ、キャスタユニット15bが走行可能状態P2に移行する。
【0082】
なお、本変形例では、第1伝達部100及び第2伝達部101が操作部91によって引っ張られる際に、対応する部材(天板切替レバー62又は連結バー80)が動作する構成について説明したが、この構成に限られない。第1伝達部100及び第2伝達部101の少なくとも一方が後方に押し込まれる際に、対応する部材(天板切替レバー62又は連結バー80)が動作する構成であってもよい。また、第1伝達部100及び第2伝達部101が操作部91によって引っ張られる際に、対応する部材が動作する場合には、第1伝達部100及び第2伝達部101は、例えばワイヤ等の弾性変形可能な材料を用いてもよい。
【0083】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、キャスタ駆動ユニット63によってキャスタユニット15bが上下動することで、走行不能状態P1及び走行可能状態P2間を移動する構成について説明したが、この構成に限られない。キャスタ駆動ユニット63は、例えばブレーキやギヤロック等によってキャスタ2自体の回転を規制及び許容を切り替える構成であってもよい。この場合、天板付什器1は、常にキャスタ2を介して床面Fに接地する。
【0084】
上述した実施形態では、天板切替機構及び走行部切替機構の一例としてそれぞれレバーで構成された場合について説明したが、この構成に限られない。天板切替機構及び走行部切替機構は、それぞれカムやリンク等、複数の部材同士で構成されていてもよい。
上述した実施形態では、本発明に係る天板付什器1として机を例にした場合について説明したが、この構成に限られない。本発明に係る天板付什器は、棚やカート装置等、天板を有する種々の什器に採用可能である。
上述した実施形態では、天板付什器1が一対の脚ユニット15を備える構成について説明したが、この構成に限られない。脚ユニット15は、1本であってもよい。
【0085】
上述した実施形態では、連係レバー61の軸線O2回りの回転運動によって天板切替レバー62やキャスタ駆動ユニット63が作動する構成について説明したが、この構成に限られない。例えば連係レバー61のスライド移動に伴い、天板切替レバー62やキャスタ駆動ユニット63が作動する構成であってもよい。この場合、連係レバー61の基準位置は、第1側に向けた連係レバー61の移動範囲の上限位置と、第2側に向けた連係レバー61の移動範囲の上限位置とを結ぶ直線上にある所定の位置である。
上述した実施形態では、連係レバー61が基準位置R1の同一円周上に移動することで、天板切替レバー62又はキャスタ駆動ユニット63が作動する構成について説明したが、この構成に限られない。基準位置R1に対して天板切替レバー62の動作の向きと、基準位置R1に対してキャスタ駆動ユニット63の動作の向きとが互いに交差する向きであってもよい。
【0086】
上述した実施形態では、天板ユニット11が不使用位置Q2に移動するのに伴いキャスタユニット15bが走行可能状態P2に移行する構成について説明したが、この構成に限られない。本発明に係る天板付什器1は、連係レバー61が基準位置R1から第1側に移動する際に天板ユニット11が不使用位置Q2に移行し、連係レバー61が基準位置R1から第2側に移動する際にキャスタユニット15bが走行可能状態P2に移行する構成であればよい。
【0087】
上述した実施形態では、操作部91を支持する突出部としてステー93が天板3と別体で形成された構成について説明したが、この構成に限られない。突出部は、天板3と一体で形成されていてもよい。また、軸線O4が天板ユニット11を構成する他の部材、例えばブラケット41の内壁部41bや外壁部41c、又はその両方に設けられていることによって、天板3の裏面3bに対して下方の部位に配置されている場合も、その部位を突出部と呼ぶ場合がある。
軸線O4は、天板3の裏面3bよりも下方に形成されているが、天板3の厚さ方向の範囲内に形成されていてもよい。この場合、天板3の裏面3bに、下方に開口し、上方に凹状をなす凹部が形成され、その中に、軸線O4を構成する部材が配置されていることが望ましい。
上述した実施形態では、操作部91を操作することで、接続部90を介して作動モジュール52を動作させる構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、連動シャフト51における左右方向の外側端部に、ハンドル等の異なる操作部を設けることで、作動モジュール52を直接動作させてもよい。操作部91は軸線O5回りに回転する部材でなく、略前後方向に沿ってスライドするように、天板ユニット11に支持されていてもよい。この場合、操作部91の初期位置は、第1側に向けた操作部91の移動範囲の上限位置と、第2側に向けた操作部91の移動範囲の上限位置とを結ぶ直線上にある所定の位置である。
【0088】
上述した実施形態では、操作部91の軸線O5(仮想線L)が上死点を超えることで、操作部91が規制位置M2で保持される構成について説明したが、この構成に限られない。操作部91が初期位置M1から第1側及び第2側の少なくとも一方側に移動した状態で、操作部91の初期位置M1への復帰を規制する規制部材を別途設けてもよい。この場合、例えば押しボタン等によって操作部91の規制位置での保持、又は保持の解除が切り替えられる等の構成であってもよい。
上述した実施形態では、第2伝達部61cがスリット状に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。第2伝達部61cは、連係レバー61の前方への移動に伴い連結ピン80aから離間し、連係レバー61の後方への移動に伴い連結ピン80aに係合する構成であれば、スリット状に限られない。
【0089】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1:天板付什器
3:天板
3a:作業面
3b:裏面
10:支持構造体
11:天板ユニット
15a:脚体
15b:キャスタユニット(走行部)
54:操作部
61:連係レバー(連係部材、伝達機構)
61b:第1伝達部
61c:第2伝達部
62:天板切替レバー(天板切替機構)
80:連結バー(走行部切替機構)
90:接続部(伝達機構)
91:操作部
93:ステー(突出部)
M1:初期位置
O1:軸線(第1軸線)
O2:軸線(第2軸線)
O3:軸線(第4軸線)
O4:軸線(第3軸線)
O5:軸線(第5軸線)
P1:走行不能状態
P2:走行可能状態
Q1:使用位置
Q2:不使用位置
S1:ロック状態
S2:ロック解除状態
T1:第1保持状態
T2:第2保持状態