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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129298
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/457 20220101AFI20240919BHJP
   F24H 15/174 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 15/296 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 15/262 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 15/258 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 15/30 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20240919BHJP
   F24H 1/00 20220101ALI20240919BHJP
【FI】
F24H15/457
F24H15/174
F24H15/296
F24H15/262
F24H15/258
F24H15/30
F24H15/45 101
F24H1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038410
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA34
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA65
3L122BA32
3L122DA11
3L122EA01
3L122FA02
3L122GA01
(57)【要約】
【課題】宅外からでも簡単な操作で湯温設定が可能な給湯システムを提供する。
【解決手段】給湯器と、建物内に配置され、給湯器の給湯温度を設定する設定部と、設定部と有線又は無線で情報を送受信する第1通信部と、インターネット回線を介してサーバ装置と情報を送受信する第2通信部と、サーバ装置に設けられ、第2通信部及び第1通信部を介して設定部に給湯温度を設定可能な制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器と、
建物内に配置され、前記給湯器の給湯温度を設定する設定部と、
前記設定部と有線又は無線で情報を送受信する第1通信部と、
インターネット回線を介してサーバ装置と情報を送受信する第2通信部と、
前記サーバ装置に設けられ、前記第2通信部及び前記第1通信部を介して前記設定部に前記給湯温度を設定可能な制御部と、
を備える、給湯システム。
【請求項2】
前記制御部は、複数の温度範囲から選択された温度範囲のうち、外気温度及び外気湿度に応じて設定された温度を前記給湯温度として前記設定部に設定可能である、
請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記外気温度及び前記外気湿度によって設定される不快指数に応じて設定された温度を前記給湯温度として前記設定部に設定可能である、
請求項2に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記建物を含む地域の前記外気温度及び前記外気湿度を前記制御部に取得させる気象情報サーバ装置を有する、
請求項2または3に記載の給湯システム。
【請求項5】
前記建物の外側の前記外気温度を検知する温度センサと、
前記建物の外側の前記外気湿度を検知する湿度センサと、
を有し、
前記制御部は、前記第1通信部及び前記第2通信部を介して取得した前記温度センサの検知結果及び前記湿度センサの検知結果に応じて設定された温度を前記給湯温度として前記設定部に設定可能である、
請求項2または3に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器からお湯を供給する給湯システムにおいては、台所、浴室等に配置したリモコンにより給湯温度設定を行うことが一般的である。特許文献1には、給湯器本体と、給湯器本体を遠隔操作可能なリモコンとを備えた給湯システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-133510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された給湯システムは、給湯器の壁付けリモコンから煩雑な湯温設定が必要である。気候に応じて湯温設定を変更する際には、宅外からでは対応できず帰宅後に湯温設定を行う必要がある。
【0005】
本開示は、以上のような点を考慮してなされたもので、宅外からでも簡単な操作で湯温設定が可能な給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、給湯器と、建物内に配置され、前記給湯器の給湯温度を設定する設定部と、前記設定部と有線又は無線で情報を送受信する第1通信部と、インターネット回線を介してサーバ装置と情報を送受信する第2通信部と、前記サーバ装置に設けられ、前記第2通信部及び前記第1通信部を介して前記設定部に前記給湯温度を設定可能な制御部と、を備える、給湯システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。
図2】ゲートウェイの概略構成図である。
図3】サーバ装置の概略構成図である。
図4】湯温自動設定機能の動作フローを示す図である。
図5】湯温自動設定機能の動作フローを示す図である。
図6】第2実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。
図7】湯温自動設定機能の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の給湯システムの実施の形態を、図1から図7を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
[給湯システム1の第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の給湯システム1は、ユーザがスマートフォンなどの通信端末を用いて、ユーザの建物100に設けられた給湯器2の湯温設定をインターネット経由で遠隔操作するクラウド型のホームネットワークシステムである。建物100は、マンションなどの集合住宅や一軒家などの戸建ての住宅、病院、商業施設、公共施設などであって給湯設備を有するあらゆる建物が含まれる。建物100は、ユーザの住宅である場合について説明する。
【0010】
給湯システム1は、給湯器2と、設定部3と、通信インターフェース10と、サーバ装置20と、気象情報サーバ装置40と、を備える。通信インターフェース10は、ルータ11及びゲートウェイ12を備える。通信インターフェース10は、例えば、建物100内に設置される。
【0011】
給湯器2は、建物100の外側に設置される。給湯器2は、配管2Aを介して建物100内に給湯する。給湯器2は、一例として、浴槽4やシャワー、水栓などの浴室内に給湯する。給湯器2が給湯する設備としては、浴室の他に、例えば、洗面所、トイレ、キッチン等の水が供給される箇所が挙げられる。
【0012】
設定部3は、給湯器2の給湯温度を設定可能である。設定部3は、建物100内に配置される。設定部3は、例えば、浴室における壁、キッチンにおける壁に複数設置可能である。設定部3は、スイッチ類3Aを操作することによって、給湯器2のON/OFF、給湯温度等を設定可能である。設定部3は、例えば、リモコンである。
【0013】
ルータ11は、インターネット回線NWを介してサーバ装置20に接続される。ルータ11は、無線又は有線を介してゲートウェイ12に接続される。ルータ11は、例えば、有線LANを介してゲートウェイ12に接続される。ルータ11は、サーバ装置20とゲートウェイ12との間の情報を中継する。ゲートウェイ12は、設定部3と有線又は無線で接続されている。
【0014】
図2に示すように、ゲートウェイ12は、例えば、第1通信部30と、第2通信部31と、を備える。第1通信部30及び第2通信部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integrated circuit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。記憶装置は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により構成される。
【0015】
第1通信部30は、建物100内に設けられる設定部3と有線又は無線で情報を送受信する。第1通信部30は、設定部3以外のデバイスと有線又は無線で情報を送受信してもよい。第1通信部30と設定部3との伝送路は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1通信部30と設定部3との伝送路は、例えば、省電力広域ネットワーク(LPWAN:LPWAN:Low-power Wide-area Network)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を用いてもよい。
【0016】
第2通信部31は、インターネット回線NWを介してサーバ装置20と情報を送受信する。例えば、第2通信部31は、ルータ11を介してサーバ装置20と情報を送受信する。サーバ装置20は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。サーバ装置20は、インターネット回線NWを介してルータ11に接続される。サーバ装置20は、インターネット回線NWを介してゲートウェイ12と種々の情報を送受する。サーバ装置20は、ユーザの通信端末110と有線又は無線で通信する。
【0017】
通信端末110は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯通信端末である。例えば、通信端末110は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末110は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末110は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末110は、コンピュータであってもよい。ユーザは、通信端末110を操作して所定のアプリケーションを起動させてユーザ認証を実行することでサーバ装置20と通信端末110とが通信可能になる。以下の説明では、所定のアプリケーションをアプリと呼ぶ。
【0018】
サーバ装置20と通信端末110との通信は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。サーバ装置20と通信端末110との通信は、例えば、省電力広域ネットワークを用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee、WiFi、Bluetooth等を用いてもよい。
【0019】
ユーザは、通信端末110を操作することによってアプリを用いてサーバ装置20を経由してゲートウェイ12に制御指令を送信することができる。ユーザは、通信端末110を操作することによって建物100の設定部3を遠隔から制御することができる。
【0020】
図3に示すように、サーバ装置20は、格納部21と、制御部22と、を備える。格納部21には、ユーザ情報と通信制御装置であるゲートウェイ12の識別情報とが対応付けられた対応情報が格納されている。ユーザ情報とは、ユーザに関する情報であればよく、例えば、ユーザ情報とは、給湯システム1が提供するサービスを利用するユーザの情報である。ユーザ情報は、予め格納部21に登録されている。例えば、ユーザ情報は、サーバ装置20にログインするための情報であって、ユーザの識別情報として、IDとパスワードとを有する。
【0021】
制御部22は、通信端末110からのユーザの認証要求に応じてユーザ認証を実行する。例えば、制御部22は、ユーザの認証要求に含まれる情報が、格納部21に格納されている複数のユーザ情報のいずれかと一致するか否かを判定するユーザ認証を実行する。制御部22は、ユーザ認証が成功すると、そのユーザ情報に対応付けられたゲートウェイ12と接続する。
【0022】
制御部22は、ユーザ認証が完了すると、通信端末110と携帯電話回線網などの移動体通信網を介して情報を送信したり、受信したりする。例えば、制御部22は、インターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して、給湯器2のON/OFF状態、設定部3において設定されている給湯温度、給湯器2をON/OFFとするタイマー設定等の情報を受信し、その受信した情報を通信端末110に送信する。
【0023】
制御部22は、湯温自動設定機能を有する。湯温自動設定機能は、設定部3において設定されている給湯温度とは独立して、制御部22がユーザの好みに応じた湯温を自動設定する機能である。制御部22は、ユーザに複数の温度範囲から好みの温度範囲の選択肢の情報を通信端末110に送信する。制御部22は、湯温自動設定機能をユーザが選択した場合、気象情報サーバ装置40から建物100を含む地域の外気温度及び外気湿度を取得する。制御部22は、複数の温度範囲からユーザが選択した温度範囲のうち、外気温度及び外気湿度に応じて設定された温度を給湯温度として、第2通信部31及び第1通信部30を介して設定部3に設定可能である。制御部22は、外気温度及び外気湿度に応じて設定された温度を給湯温度として、インターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して設定部3に設定する。
【0024】
制御部22は、湯温自動設定機能をユーザが選択した場合に、一例として、「ぬるめ[推奨]」、「標準」、「熱め」、「お好み湯温を使わない」の選択肢を通信端末110に送信する。健康の観点と省エネの観点からすると、低めの湯温を設定したほうが良い傾向にあるため、「ぬるめ」については[推奨]としてアプリに表示される。「ぬるめ[推奨]」は、例えば、湯温の温度範囲が38~40℃である。「標準」は、例えば、湯温の温度範囲が40~42℃である。「熱め」は、例えば、湯温の温度範囲が42~44℃である。
【0025】
湯温自動設定機能の動作フローについて、図4及び図5を参照して説明する。図4に示すように、ステップS0において湯温自動設定機が開始されると、制御部22は、通信端末110に「お好み湯温設定」の情報を送信する。ステップS1において、通信端末110には、「お好み湯温設定」の選択肢がアプリの画面に表示される。ユーザは、ステップS2において、選択肢から選択した好みの「お好み湯温」を手操作入力する。
【0026】
制御部22は、ステップS3において、ユーザの入力が「お好み湯温を使わない」であると判断すると、ステップS4において、湯温自動制御を設定せずに制御を終了する。制御部22は、ステップS3において、ユーザの入力が「お好み湯温を使わない」以外であり、湯温自動設定を使用する際には、ユーザの入力が「ぬるめ[推奨]」のときにステップS5において湯温制御「ぬるめ」を設定し、「標準」のときにステップS6において湯温制御「標準」を設定し、「熱め」のときにステップS7において湯温制御「熱め」を設定する。
【0027】
ユーザの入力に応じて湯温制御を設定した制御部22は、図5に示すように、ステップS8において制御を開始する。制御部22は、ステップS9において、設定した湯温制御を判断し、湯温制御「ぬるめ」の場合はステップS10において、外気温度及び外気湿度の情報を気象情報サーバ装置40から取得する。制御部22は、ステップS9において、湯温制御「標準」の場合、ステップS11において、外気温度及び外気湿度の情報を気象情報サーバ装置40から取得する。制御部22は、ステップS9において、湯温制御「熱め」の場合、ステップS12において、外気温度及び外気湿度の情報を気象情報サーバ装置40から取得する。
【0028】
制御部22は、ステップS10、S11、S12のそれぞれにおいて気象情報サーバ装置40から取得した外気温度及び外気湿度の情報によって設定される外気の不快指数を算出する。制御部22は、外気の不快指数が85以上であり「暑くてたまらない」と感じるとき、外気の不快指数が80以上、85未満であり「暑くて汗が出る」と感じるとき及び75以上、80未満であり「やや暑い」と感じるときを調整度Aと設定する。制御部22は、外気の不快指数が70以上、75未満であり「暑くない」と感じるとき、外気の不快指数が65以上、70未満であり「快い」と感じるとき及び60以上、65未満であり「何も感じない」と感じるときを調整度Bと設定する。制御部22は、外気の不快指数が55以上、60未満であり「肌寒い」と感じるとき及び外気の不快指数が55未満であり「寒い」と感じるときを調整度Cと設定する。調整度A、B、Cの分類は、不快指数の早見表の記載に倣っている。
【0029】
制御部22は、ステップS9において湯温制御「ぬるめ」の場合に、算出した不快指数に基づき、ステップS13において調整度を判断し、設定した調整度が「A」であれば、ステップS14において、「ぬるめ」の温度範囲38~40℃に対して38℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「B」であれば、ステップS15において、「ぬるめ」の温度範囲38~40℃に対して39℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「C」であれば、ステップS16において、「ぬるめ」の温度範囲38~40℃に対して40℃を給湯温度として湯温設定する。
【0030】
制御部22は、ステップS9において湯温制御「標準」の場合に、算出した不快指数に基づき、ステップS17において調整度を判断し、設定した調整度が「A」であれば、ステップS18において、「標準」の温度範囲40~42℃に対して40℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「B」であれば、ステップS19において、「標準」の温度範囲40~42℃に対して41℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「C」であれば、ステップS20において、「標準」の温度範囲40~42℃に対して42℃を給湯温度として湯温設定する。
【0031】
制御部22は、ステップS9において湯温制御「熱め」の場合に、算出した不快指数に基づき、ステップS21において調整度を判断し、設定した調整度が「A」であれば、ステップS22において、「熱め」の温度範囲42~44℃に対して42℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「B」であれば、ステップS23において、「熱め」の温度範囲42~44℃に対して43℃を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「C」であれば、ステップS24において、「熱め」の温度範囲42~44℃に対して44℃を給湯温度として湯温設定する。
【0032】
制御部22は、ステップS9において判断した湯温制御毎に、3℃の温度範囲に対してステップS13、S17、S21のそれぞれにおいて調整度を判断し、3℃の温度範囲に対して設定した調整度が「A」であれば最も低い温度を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「C」であれば最も高い温度を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「B」であれば中間の温度を給湯温度として湯温設定する。
【0033】
制御部22は、ユーザが入力した「お好み湯温」及び気象情報サーバ装置40から取得した外気温度及び外気湿度の情報によって設定される外気の不快指数に基づき湯温設定した給湯温度を、ステップS25において、インターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して設定部3に設定する。制御部22は、ステップS26において、アプリへ湯温設定の変更を通知する。
【0034】
設定部3は、制御部22からインターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して設定された給湯温度を、予め設定部3の操作によって設定されていた給湯温度に代えて設定する。給湯器2は、湯温自動設定機能によって設定された給湯温度のお湯を給湯する。
【0035】
給湯システム1においては、第1通信部30が設定部3と有線又は無線で情報を送受信し、第2通信部31がインターネット回線を介してサーバ装置20と情報を送受信し、サーバ装置20に設けられた制御部22が第2通信部31及び第1通信部30を介して設定部3に給湯温度を設定可能であるため、宅外からでも通信端末110を介して簡単な操作で湯温設定が可能である。
【0036】
従来は、ユーザが設定部3を操作して温度設定を変えないと、季節に関係なく湯温は変わらない状態を継続するが、給湯システム1においては、ユーザによって複数の温度範囲から選択されたお好みの温度範囲のうち、外気温度及び外気湿度に応じて設定された温度を給湯温度として設定部3に設定可能であるため、ユーザが適温を把握しづらい場合でも外気温度及び外気湿度に応じた適切な湯温を自動的に設定することができる。
【0037】
給湯システム1においては、外気温度及び外気湿度によって設定される不快指数に応じて設定された温度を給湯温度として設定部3に設定するため、体感的により適切な湯温を自動的に設定することができる。
【0038】
給湯システム1においては、外気温度及び外気湿度を気象情報サーバ装置40から取得するため、建物100毎に外気温度及び外気湿度を検知するためのデバイスを設置する必要がなくなり、コスト低減に寄与できる。
【0039】
[給湯システム1の第2実施形態]
給湯システム1の第2実施形態について、図6から図7を参照して説明する。これらの図において、図1から図5に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
図6に示すように、給湯システム1は、気象情報サーバ装置の代わりに温度センサ71と、湿度センサ72と、を有する。温度センサ71は、建物100の外側における外気温度を検知する。温度センサ71は、ゲートウェイ12と有線又は無線で接続されている。湿度センサ72は、建物100の外側における外気湿度を検知する。湿度センサ72は、ゲートウェイ12と有線又は無線で接続されている。温度センサ71及び湿度センサ72は、一例として、建物100の外壁に設置されている。
【0041】
図7に示すように、制御部22は、ステップS10A、S11A、S12Aにおいて、外気温度及び外気湿度の情報を、インターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して温度センサ71及び湿度センサ72からそれぞれ取得する。制御部22は、温度センサ71の検知結果及び湿度センサ72の検知結果として取得した外気温度及び外気湿度の情報によって設定される外気の不快指数を算出し、算出した不快指数に応じて調整度「A」、「B」、「C」をそれぞれ設定する。
【0042】
制御部22は、ステップS9において判断した湯温制御毎に、3℃の温度範囲に対してステップS13、S17、S21のそれぞれにおいて調整度「A」、「B」、「C」を判断する。制御部22は、3℃の温度範囲に対して設定した調整度が「A」であれば最も低い温度を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「C」であれば最も高い温度を給湯温度として湯温設定し、設定した調整度が「B」であれば中間の温度を給湯温度として湯温設定する。
【0043】
制御部22は、ユーザが入力した「お好み湯温」及び気象情報サーバ装置40から取得した外気温度及び外気湿度の情報によって設定される外気の不快指数に基づき湯温設定した給湯温度を、ステップS25において、インターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して設定部3に設定する。制御部22は、ステップS26において、アプリへ湯温設定の変更を通知する。
【0044】
設定部3は、制御部22からインターネット回線NW及びゲートウェイ12を介して設定された給湯温度を、予め設定部3の操作によって設定されていた給湯温度に代えて設定する。給湯器2は、湯温自動設定機能によって設定された給湯温度のお湯を給湯する。
【0045】
給湯システム1においては、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、建物100の外側における外気温度及び外気湿度を検知するため、建物100を含む地域の外気温度及び外気湿度を取得する場合と比較して、建物100の周囲の実温度及び実湿度に応じた不快指数を算出でき、よりユーザの好みに応じた湯温のお湯を給湯器2に給湯させることができる。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、実施形態の給湯システム1においては、湯温自動設定機能を使用する際に3つの選択肢から選択する構成を例示したが、この構成に限定されず、2つから選択する構成、又は4つ以上から選択する構成であってもよい。
【0048】
実施形態の給湯システム1においては、湯温制御毎に3℃の温度範囲に対して不快指数に応じて調整度「A」、「B」、「C」をそれぞれ設定する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、湯温制御毎に温度範囲を4℃以上として、4つ以上の調整度をそれぞれ設定する構成としてもよい。この構成を採る場合には、ユーザの好みに応じてより細やかな湯温設定が可能になる。
【符号の説明】
【0049】
1…給湯システム、2…給湯器、3…設定部、20…サーバ装置、22…制御部、30…第1通信部、31…第2通信部、40…気象情報サーバ装置、100…建物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7